JP2002115132A - セルロースアセテート仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物 - Google Patents

セルロースアセテート仮撚加工糸及びその製造方法並びにその織編物

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JP2002115132A
JP2002115132A JP2000307817A JP2000307817A JP2002115132A JP 2002115132 A JP2002115132 A JP 2002115132A JP 2000307817 A JP2000307817 A JP 2000307817A JP 2000307817 A JP2000307817 A JP 2000307817A JP 2002115132 A JP2002115132 A JP 2002115132A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドライ感、清涼感、シャリ感、ストレッチ感を
有し、スラブ斑感を織編物に付与することが可能で、糸
形態安定性に優れたセルロースアセテート仮撚加工糸及
びその製造方法並びにその織編物を提供する 【解決手段】構成単繊維の少なくとも一部が融着し、融
着程度が変化している熱可塑性マルチフィラメント糸A
の周囲にセルロースアセテートマルチフィラメント糸B
が多重に捲き付いている多重捲回部と、一重捲回部を糸
長手方向に交互に有し、以下の条件をみたすセルロース
アセテート仮撚加工糸及び、太細斑を有する熱可塑性マ
ルチフィラメント糸の仮撚加撚域に、セルロースアセテ
ートマルチフィラメント糸をオーバーフィード供給し、
トラバース捲回させ、芯糸に融着部を形成させるセルロ
ースアセテート仮撚加工糸の製造方法 15%≦CC≦25% 8%≦CE≦35% 15≦SI≦45 (CCは捲縮率、CEは捲縮伸張率、SIはスナール指
数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライ感、清涼
感、シャリ感風合いを兼ね備えながら、適度なストレッ
チ感を有し、且つ自然なスラブ斑感の意匠効果を織編物
に付与することが可能であり、糸形態安定性に優れた仮
撚加工糸及びその製造方法、並びに該仮撚加工糸を含む
ことで上述の風合いや意匠効果が付与された織編物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ドライ感、清涼感といった風
合いを有する仮撚加工素材は多数存在する。例えば、高
配向未延伸ポリエステル糸を部分融着仮撚する手法を用
い、撚抜け構造の目空き感とシャリ感を付与した素材が
知られているが、加工糸での捲縮性が低い為ふくらみ感
の不足した肉薄の布帛となってしまう。
【0003】また風合いやドレープ性の改善のために、例え
ば特開昭57−39222号公報では、芯糸に伸度70
%以上の合成繊維を、鞘糸に半合成繊維を用いて同時延
伸仮撚(いわゆるインドロー仮撚)手法による2層構造
糸の製造方法が開示されている。これは芯糸を自然延伸
倍率以下の特定延伸倍率で延伸しながら、鞘糸と同時延
伸仮撚するため、適正仮撚条件が狭く、また中途半端な
延伸である為加工糸としての捲縮率、捲縮力が低く、ふ
くらみ感の不足した布帛となってしまう。更に特開昭5
9−216939号公報では、芯糸にポリブチレンテレ
フタレート/ポリエチレンテレフタレートコンジュゲー
ト糸を、鞘糸に高配向未延伸ポリエステル糸を用いて捲
縮率10%以上有するストレッチ性スパンライク2層構
造加工糸が開示されているがストレッチ感はあるもの
の、スパン的なスラブ斑感の意匠効果が無く表情感に欠
けたものとなる。
【0004】その他、シャリ感とスラブ斑的な意匠効果を有
する仮撚スラブ加工手法により得られる加工糸は、現在
でも広く利用されている素材の1つであるが、消費者ニ
ーズの多様化に伴って、仮撚スラブ加工素材の多様化、
高度化が要求されている。例えば特開平11−3154
38号公報では、芯糸にポリエチレンテレフタレートコ
ンジュゲートを、鞘糸に熱可塑性繊維や半合成繊維等を
用い、仮撚スラブ加工手法によってストレッチ仮撚スラ
ブ加工糸が開示されている。これはスラブ斑的な意匠効
果に加えてシャリ感を有するが、捲縮率や捲縮伸張率が
比較的低いため、布帛の規格によってはふくらみ感やス
トレッチ性ががやや低い物となりやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
従来技術における問題点を解決し、ドライ感、清涼感、
シャリ感風合いを兼ね備えながら、適度なストレッチ感
を有し、且つ自然なスラブ斑感の意匠効果を織編物に付
与することが可能であり、更に糸形態安定性に優れたセ
ルロースアセテート仮撚加工糸及びその製造方法、並び
にその織編物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
構成単繊維の少なくとも一部が融着し、長手方向に融着
程度が変化している熱可塑性マルチフィラメント糸Aを
芯糸とし、該芯糸の周囲にセルロースアセテートマルチ
フィラメント糸Bが多重に捲き付いている多重捲回部
と、一重に捲き付いている一重捲回部を糸長手方向に交
互に有し、以下の条件をみたすセルロースアセテート仮
撚加工糸にある。 15%≦CC≦25% 8%≦CE≦35% 15≦SI≦45 (CCは捲縮率、CEは捲縮伸張率、SIはスナール指
数を示す) また本発明の第2の要旨は、太細斑を有する熱可塑性マ
ルチフィラメント糸の仮撚加撚域に、該マルチフィラメ
ント糸から一定距離にあるガイドを介してセルロースア
セテートマルチフィラメント糸をオーバーフィード供給
し、該熱可塑性マルチフィラメント糸の周囲にトラバー
ス捲回させる仮撚加工であって、該熱可塑性マルチフィ
ラメント糸を構成する単繊維の少なくとも一部が融着す
る温度で仮撚加撚することを特徴とするセルロースアセ
テート仮撚加工糸の製造方法にある。
【0007】さらに本発明の第3の要旨は、本発明のセルロ
ースアセテート仮撚加工糸を含む織編物にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について具体的に説明する。
【0009】本発明は、芯糸として構成単繊維の少なくとも
一部の単繊維が融着し、長手方向に融着程度が変化して
いる熱可塑性マルチフィラメントAの周囲にセルロース
アセテート糸が多重に捲き付いている多重捲回部と、セ
ルロースアセテートマルチフィラメント糸が一重に捲き
付いている一重捲回部が糸長手方向に交互に存在するこ
とが必要である。
【0010】融着した芯糸が長手方向にその融着程度が変化
することで、捲縮形態に多様性を形成し加工糸としての
捲縮率を高めることが出来る。さらにセルロースアセテ
ートマルチフィラメント糸の多重捲回部と一重捲回部が
糸長手方向に交互に存在することで、捲縮形態が高度に
複合される。加えて融着部が少ない箇所は仮撚過解撚方
向の仮撚密度が高くなり、更にポリマー構造上比較的高
結晶領域であることから捲縮耐久性も比較的高くなるた
め、トルク発現力に寄与する事になる。
【0011】またセルロースアセテートマルチフィラメント
糸を鞘糸に用いることで、適度に吸湿性のある清涼感や
好ましいドライ感、さらに良好な発色性を得ることが可
能となる。さらにこの様な部分融着部や多重捲回部によ
り、織編物に高次な異色斑感を付与することが可能とな
る。
【0012】なお、多重に捲き付くとは、芯糸成分の糸の周
囲に鞘糸成分の糸が三層以上に重なり捲き付いた状態を
いい、加工安定性や多重捲回部の糸形態安定性等を考慮
すると三層に重なり捲き付いていることがより好まし
い。
【0013】また本発明における融着とは、加熱により、糸
を構成する単繊維の少なくとも表面の一部が溶け、加熱
部を経て再固化する際に、隣り合う単繊維同士が接着す
ることをいう。また、少なくとも一部に融着部を有する
とは、本発明の仮撚加工糸の任意の糸断面を光学顕微鏡
や走査型顕微鏡を用いて該当する糸の断面を観察したと
きに、隣り合う単繊維同士が接着している部分が少なく
とも1カ所以上観察される状態であることをいう。ま
た、長手方向に融着程度が変化するとは、長手方向で融
着している単繊維の本数が変化していることをいう。
【0014】本発明の仮撚加工糸においては、芯糸の熱可塑
性マルチフィラメント糸Aとセルロースアセテートマル
チフィラメント糸Bの接触面の少なくとも一部に融着部
があってもよく、該融着部により該糸Aと該糸Bとの間
のズレが生じにくくなり、本発明のセルロースアセテー
ト仮撚加工糸の形態安定性が更に向上する。
【0015】さらに本発明では、仮撚加工糸からなる布帛の
ふくらみ感を得るために捲縮率CCは15%以上、25
%以下であることが必要である。15%未満ではふくら
み感不足であり、また25%を越える場合には、ふかつ
いた風合いとなる。また捲縮伸張率CEは8%以上、3
5%以下が必要であり、CEが8%未満ではストレッチ
性が充分ではなく、35%を越える場合には、ストレッ
チ性回復率が低くなり、布帛での伸びの戻りが悪くな
る。さらに、スナール指数SIは15以上、45以下が
必要であり、15未満の場合、布帛でのシボ感やふくら
み感に乏しくなり、45を越える場合、加工糸の解撚ト
ルクによる糸の絡まった状態、いわゆるビリ付きによっ
て製織製編性が損なわれる。ここで捲縮率、捲縮伸張率
はJIS L―1090伸縮性等の測定方法、スナール
指数はJIS L−1095スナールA法にて測定し
た。
【0016】また本発明では、紡績糸に近い自然な繊度斑感
を得るために、熱可塑性マルチフィラメント糸Aの繊度
DAと、セルロースアセテートマルチフィラメント糸B
の繊度DBの繊度比DB/DAが0.35以上、1以下
が好ましい。DB/DAが0.35未満の場合、スラブ
斑感の意匠効果が低く、また鞘糸のアセテートの適度な
吸湿性にもとづく清涼感や好ましいドライ感、良好な発
色性を得難くなりやすい。DB/DAが1を越える場
合、鞘糸のスラブ感が強くなり、自然な紡績斑感とは言
い難くなりやすい。
【0017】さらに本発明の仮撚加工糸において、熱可塑性
マルチフィラメント糸Aに用いられる素材は、ポリエス
テルが望ましく、シックアンドシンポリエステル、たと
えば高配向未延伸ポリエステル糸を用いて仮撚加工工程
の前段階でフィードローラーとヒーター間に設置した加
熱ピンまたは延伸ローラーを用いて斑延伸処理して得た
シックアンドシンポリエステル、ポリエステル系コンジ
ュゲートタイプのシックアンドシンポリエステル糸等を
用いることが望ましい。
【0018】また本発明のセルロースアセテートマルチフィ
ラメント糸は平均酢化度48.8%〜56.2%のセル
ロースジアセテートマルチフィラメント糸(ジアセテー
ト糸と略す)、酢化度56.2%〜62.5%のセルロ
ーストリアセテートマルチフィラメント糸(トリアセテ
ート糸と略す)があげられる。さらに該セルロースアセ
テートマルチフィラメント糸がカチオン可染性を有する
場合、カチオン染色及び分散染色による染め分けにより
更に多色ミックス感の優れた絣杢調の外観を表現でき
る。
【0019】次に本発明のセルロースアセテート仮撚加工糸
の製造方法の一例を図1に示す。
【0020】太細斑を有する熱可塑性マルチフィラメント糸
1は、マグネットテンサー3により一定張力でガイド5
を経て仮撚加工装置に供給される。一方、セルロースア
セテートマルチフィラメント糸2は、供給ローラー4よ
りガイド6を経て、仮撚ユニット8により、加撚されつ
つ第1引き取りローラー9に引き取られて走行する該熱
可塑性マルチフィラメント糸に対して、オーバーフィー
ド状態で該熱可塑性マルチフィラメント糸から一定距離
にあるガイド6を支点として、走行している該熱可塑性
マルチフィラメント糸の走行方向に対して図の矢印で示
すように上下にトラバースしつつ供給され、該熱可塑性
マルチフィラメント糸の周囲に多重に捲き付いた多重捲
回部と一重に捲き付いた一重捲回部とを交互に形成す
る。
【0021】次いで、接触式の第1ヒーター7により加熱固
定されるとともに、熱可塑性マルチフィラメント糸の少
なくとも一部が溶融し、仮撚ユニット8を通過するとと
もに冷却されて、構成単繊維の少なくとも一部の単フィ
ラメントが融着し、該熱可塑性マルチフィラメント糸が
太細斑を有するため、長手方向に融着程度が変化する糸
となる。
【0022】さらに、仮撚ユニット8を通過後、一重捲回部
は解撚されて仮撚方向と逆方向の撚り形態を呈するが、
熱可塑性マルチフィラメント糸の融着の程度が多い箇所
は仮撚方向と同一方向の撚抜けを生じる。多重捲回部は
強固に固定されているために加撚時の形態をそのまま保
つ。
【0023】引き続いて第1引き取りローラー9と第2引き
取りローラー11の間で、非接触式の第2ヒーター10
で熱セット処理を行い、第2引き取りローラーを介し
て、ワインダー12で巻き取る。
【0024】尚、上述の熱セット処理は仮撚加工糸の要求さ
れる糸特性や加工機の都合により省略しても良い。
【0025】また本発明では、熱可塑性マルチフィラメント
糸を構成する単繊維の少なくとも一部が融着する温度で
仮撚加撚することが必要である。該温度条件は該熱可塑
性マルチフィラメント糸の融点、仮撚加熱時間、ヒータ
ー性能、仮撚数等の諸要因によって適宜決定される。
【0026】また本発明では、太細斑を有する熱可塑性マル
チフィラメント糸が、複屈折率Δnが0.01以上0.
09以下の低配向部分とΔnが0.10以上の高配向部
分が繊維長手方向にランダムに存在し、10〜100m
mの長さを有する該低配向部分が5〜30個/mである
ポリエステル太細マルチフィラメント糸であることが好
ましい。
【0027】低配向部のΔnが0.01未満の場合、融点が
低く、伸度も高いため仮撚り加工時の加工安定性が劣り
やすく、△nが0.09を超える場合、高配向部との差
が小さくなるため、優先的に部分的な融着が発生しにく
くなり、錘間差が発生しやすくなる。また加工糸として
の濃淡差も得難くなりやすい。また、高配向部分の△n
が0.10未満の場合は低配向部との差が小さくなり、
部分的な非融着部の形成を制御しがたくなる。
【0028】さらに、低配向部分の長さが10mm未満や低
配向部の頻度が5個/m未満の場合、低配向部分の長さ
が100mmを超える場合や頻度が30個を超える場
合、部分的な融着部と非融着部からなる捲縮部のバラン
スが悪くなり、本発明の特徴とする捲縮が得られにくく
なる。また錘間差が発生しやすくなり加工安定性に乏し
い物となりやすい。
【0029】また本発明では、太細斑を有する熱可塑性マル
チフィラメント糸として、高配向未延伸ポリエステル糸
を用いて仮撚加工工程の前段階でフィードローラーとヒ
ーター間に設置した加熱ピンまたは延伸ローラーを用い
て斑延伸処理して得たシックアンドシンポリエステルを
使用しても良い。
【0030】尚、複屈折率△nはカネボウエンジニアリング
(株)製「分子配向度測定装置DELTA−N」を用い
て測定した。
【0031】さらに本発明において、仮撚加撚域で走行する
熱可塑性マルチフィラメント糸と、セルロースアセテー
トマルチフィラメント糸を供給するガイド6との距離は
特に限定されず、一重捲回部、多重捲回部の平均長さ或
いは加工安定性等を考慮して決定すればよい。該仮撚加
工糸を含む織編物に風合いや意匠効果をより好適に付与
するためには、10〜35cmが好ましい。
【0032】また、該熱可塑性マルチフィラメント糸に対す
るセルロースアセテートマルチフィラメント糸のオーバ
ーフィード供給量は特に限定されるものではなく、多重
捲回部の安定形成性や仮撚加工安定性等を考慮して決定
すればよく、20〜180%が好ましく、50〜120
%が更に好ましい。
【0033】さらに本発明の仮撚加工糸からなる織編物は、
該仮撚加工糸の混率並びに織編組織は目的の風合いや製
品外観が得られる範囲で決定すればよい。
【0034】また、本発明の織編物は、該仮撚加工糸の単独
構成、他糸との交編織による該仮撚加工糸の一部含有、
更には本発明の仮撚加工糸に追撚を施して織編物の少な
くとも一部に用いてもよく、本発明の織編物は、ドライ
感、清涼感、シャリ感風合いを兼ね備えながら、適度な
ストレッチ感を有し、且つ自然なスラブ斑感の意匠効果
に優れた特徴を有するものである。
【0035】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。評
価方法は次に示す方法で行った。
【0036】(糸形態安定性)織編物を形成する際の、加工
糸全体のループ毛羽等の形成、多重捲回部の位置ズレ発
生等を目視にて評価した。
【0037】(布帛評価)得られた仮撚加工糸を製編織し、
意匠効果(スラブ斑感)、及び風合い(ドライ感、清涼
感、シャリ感、ストレッチ感)を目視、ハンドリングに
て評価した。
【0038】(実施例1)図1の装置を用い、太細斑を有す
る熱可塑性マルチフィラメント糸として、ポリエステル
マルチフィラメント糸(84デシテックス36フィラメ
ント、複屈折率Δnが0.01以上0.09以下の低配
向部分とΔnが0.10以上の高配向部分が繊維長手方
向にランダムに存在し、マルチフィラメント糸の長手方
向で10〜100mmの低配向部分の頻度が15個/
m)を用いた。セルロースアセテートマルチフィラメン
ト糸として61デシテックス15フィラメントのトリア
セテート糸を用い、仮撚数:2500T/m、仮撚方
向:Z、第1ヒーター温度:220℃、温度第2ヒータ
ーの温度:180℃、マグネットテンサーの張力(テン
サー出側):5―7g、仮撚加撚域の供給ガイド間距
離:300mm、仮撚加撚域への該トリアセテート糸の
オーバーフィード率:90%、第1引き取りローラーの
速度:55m/分、第1引き取りローラー〜第2引き取
りローラー間のオーバーフィード率:2.5%、の条件
で仮撚加工を行って、仮撚加工糸を得た。
【0039】得られた仮撚加工糸は、構成単繊維の少なくと
も一部が融着し、長手方向に融着程度が変化している芯
糸の周囲にトリアセテート糸が多重に捲き付いている多
重捲回部と、一重に捲き付いている一重捲回部が糸長手
方向に交互に形成される加工糸形態を呈していた。糸物
性は表1に示した。ループ毛羽等の形成、多重捲回部の
位置ズレの発生等は認められず、加工糸の糸形態安定性
は良好なものであった。
【0040】この仮撚加工糸を用いて、経糸規格72本/
3.75cm(寸)、緯糸規格65本/3.75cm
(寸)の平組織で製織した。後工程通過性には問題な
く、本織物を精練、リラックス処理の後、以下の条件で
染色して評価を行った。 染料 分散染料(Dystar(株)社製) Dianix NTA−N Blue 0.12%ow
f Dianix NTA−N Red 0.12%owf Dianix NTA−N Yellow 0.25%
owf 染色条件 120℃×60分 得られた織物はドライ感、清涼感、シャリ感風合いを兼
ね備えながら、適度なストレッチ感を有し、且つ自然な
スラブ斑感の意匠効果に優れた特徴を有するものであっ
た。評価結果を表1示した。
【0041】(実施例2)太細斑を有する熱可塑性マルチフ
ィラメント糸として、ポリエステルマルチフィラメント
糸(110デシテックス48フィラメント、複屈折率Δ
nが0.01以上0.09以下の低配向部分とΔnが0.
10以上の高配向部分が繊維長手方向にランダムに存在
し、マルチフィラメント糸の長手方向で10〜100m
mの低配向部分の頻度が15個/m)を用い、セルロー
スアセテートマルチフィラメント糸として40デシテッ
クス9フィラメントのトリアセテート糸を用いた以外、
実施例1と同様に仮撚加工を行って、仮撚加工糸を得
た。
【0042】得られた仮撚加工糸は、構成単繊維の少なくと
も一部の単繊維が融着し、長手方向に融着程度が変化し
ている芯糸の周囲にトリアセテート糸が多重に捲き付い
ている多重捲回部と、一重に捲き付いている一重捲回部
が糸長手方向に交互に形成される加工糸形態を呈してい
た。糸物性は表1に示した。 この仮撚加工糸を用いて
実施例1と同様に製織し織物としたところ、得られた織
物はドライ感、清涼感、シャリ感風合いを兼ね備えなが
ら、適度なストレッチ感を有し、且つ自然なスラブ斑感
の意匠効果に優れた特徴を有するものであった。評価結
果を表1示した。
【0043】(比較例1)図1の装置を用い、セルロースア
セテートマルチフィラメント糸の代わりに、110デシ
テックス48フィラメントのポリエステルマルチフィラ
メント糸を用い、第1ヒーター温度を200℃、とした
以外、実施例1と同様に仮撚加工を行って仮撚加工糸を
得た。
【0044】得られた仮撚加工糸は、芯糸の周囲に該ポリエ
ステルマルチフィラメント糸が多重に捲き付いている多
重捲回部と、該芯糸の周囲に該ポリエステルマルチフィ
ラメント糸が一重に捲き付いている一重捲回部が糸長手
方向に交互に形成されていたが、該芯糸には融着部が認
められなかった。
【0045】この仮撚加工糸を用いて経糸規格60本/3.
75cm(寸)、緯糸規格54本/3.75cm(寸)
の平組織で製織し、実施例1と同様の織物としたとこ
ろ、製織工程で多重捲回部のズレの発生が一部で認めら
れた。また、得られた織物はポリエステル特有のガリ感
が強く、かつスラブ感が強すぎ、好ましいシャリ感清涼
感は得られなかった。更にストレッチ感も低い物であっ
た。評価結果を表1示した。
【0046】(比較例2)第1ヒーター温度を170℃、温
度第2ヒーターの温度を180℃にした以外、実施例1
と同様に仮撚加工を行って仮撚加工糸を得た。
【0047】得られた加工糸は、芯糸の周囲にトリアセテー
ト糸が多重に捲き付いている多重捲回部と、該芯糸の周
囲にポリエステルマルチフィラメント糸が一重に捲き付
いている一重捲回部が糸長手方向に交互に形成されてい
たが、該芯糸には融着部が認められなかった。
【0048】この仮撚加工糸を用いて実施例1と同様に織物
としたところ、比較的多重捲回部のズレの発生が少な
く、加工糸の糸形態安定性は良好なものであったが、ス
トレッチ感の低い物となった。評価結果を表1示し
た。。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の仮撚加工糸は、ドライ感、清涼
感、シャリ感風合いを兼ね備えながら、適度なストレッ
チ感を有し、且つ自然なスラブ斑感の意匠効果を織編物
に付与することが可能であり、本発明の仮撚加工糸の製
造方法によれば、糸形態安定性に優れたセルロースアセ
テート仮撚加工糸が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の仮撚加工糸の製造装置の一例図であ
る。
【符号の説明】
1 熱可塑性マルチフィラメント糸 2 セルロースアセテートマルチフィラメント糸 3 マグネットテンサー 4 供給ローラー 5 ガイド 6 ガイド 7 第1ヒーター 8 仮撚ユニット 9 第1引き取りローラー 10 第2ヒーター 11 第2引き取りローラー 12 ワインダー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04B 21/00 D04B 21/00 B Fターム(参考) 4L002 AA05 AA07 AB02 AB04 AC01 AC05 EA00 EA06 FA01 4L036 MA04 MA33 MA39 PA05 PA39 PA45 PA46 RA04 RA10 RA25 RA27 RA28 UA01 UA07 UA12 4L048 AA13 AA21 AA36 AA45 AB07 AB17 AB20 AB21 BA01 CA04 CA13 DA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構成単繊維の少なくとも一部が融着し、
    長手方向に融着程度が変化している熱可塑性マルチフィ
    ラメント糸Aを芯糸とし、該芯糸の周囲にセルロースア
    セテートマルチフィラメント糸Bが多重に捲き付いてい
    る多重捲回部と、一重に捲き付いている一重捲回部を糸
    長手方向に交互に有し、以下の条件をみたすセルロース
    アセテート仮撚加工糸。 15%≦CC≦25% 8%≦CE≦35% 15≦SI≦45 (CCは捲縮率、CEは捲縮伸張率、SIはスナール指
    数を示す)
  2. 【請求項2】 熱可塑性マルチフィラメント糸Aの繊度
    DAとセルロースアセテートマルチフィラメント糸の繊
    度DBの繊度比DB/DAが下式の関係をみたす請求項
    1記載のセルロースアセテート仮撚加工糸。 0.35≦DB/DA≦1
  3. 【請求項3】 太細斑を有する熱可塑性マルチフィラメ
    ント糸の仮撚加撚域に、該マルチフィラメント糸から一
    定距離にあるガイドを介してセルロースアセテートマル
    チフィラメント糸をオーバーフィード供給し、該熱可塑
    性マルチフィラメント糸の周囲にトラバース捲回させる
    仮撚加工であって、該熱可塑性マルチフィラメント糸を
    構成する単繊維の少なくとも一部が融着する温度で仮撚
    加撚することを特徴とするセルロースアセテート仮撚加
    工糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 太細斑を有する熱可塑性マルチフィラメ
    ント糸が、複屈折率Δnが0.01以上0.09以下の
    低配向部分とΔnが0.10以上の高配向部分が繊維長
    手方向にランダムに存在し、10〜100mmの長さを
    有する該低配向部分が5〜30個/mであるポリエステ
    ル太細マルチフィラメント糸である請求項3記載のセル
    ロースアセテート複合仮撚加工糸の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載のセルロースアセテ
    ート仮撚加工糸を含む織編物。
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