JP2003096634A - 諸撚調加工糸及びその製造方法並びに織編物 - Google Patents
諸撚調加工糸及びその製造方法並びに織編物Info
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Abstract
品で高級な風合いを織編物に付与することが可能な諸撚
調加工糸を提供し、また該加工糸を含む織編物を提供す
る。 【解決手段】 それぞれがSZ交互撚糸である2本以上
のマルチフィラメント糸からなり、各マルチフィラメン
ト糸のS撚部及びZ撚部の位置が同じ位相で合撚形態を
形成しているとともに、(1)上撚形成部の構成比率が
80%以上、(2)上撚非形成部の長さが5cm以下及
び(3)最大上撚数(T/m)が7000×d−1/2
〜25000×d−1/2を満たす諸撚調加工糸を、S
Z交互撚糸であるマルチフィラメント糸を2本以上引き
揃えて仮撚加撚域に供給する仮撚加工において、それぞ
れのマルチフィラメント糸に同一の条件で間歇エア旋回
流処理を施して、撚部の位置が同じ位相にSZ交互撚形
態を付与し、合糸して仮撚加撚域へ供給することにより
得る。また前記加工糸で織編物の一部又は全部を構成す
る。
Description
プ性、光沢感等に優れ、かつ上品で高級な風合いを織編
物に付与することが可能な諸撚調加工糸及びその製造方
法並びに該加工糸を含む織編物に関する。
諸撚糸は、通常、下撚を施した複数の糸条を引き揃え、
下撚と反対方向の上撚を施すことにより得られる。しか
しながら、下撚、熱セット、上撚、熱セットの工程を必
要とするため、コストが高いといった欠点を有してい
る。また、十分な風合いを得るためには、それぞれの撚
数を高くすることが望ましいが、撚糸機の制約から撚数
を高くするには加工速度を低くする必要があり、生産性
の点から撚数の高い諸撚糸の実用的な生産を困難にして
いる。
るものの、糸長手方向に撚数が一定であるため、外観的
には均一であり、光沢や色調に関する意匠効果には乏し
いものである。
光沢や色調に関する意匠効果を得る方法として、SZ交
互撚糸を引き揃えセルフツイストする方法が知られてい
るが、かかる方法により得られる加工糸の多くは、下撚
の持つ顕在トルクのみに依存した撚付きで形成された加
工糸であり、生産性は向上できるものの、上撚の撚数や
形態安定性が十分に得られず、また、上撚のない部分も
長くなり易いため、諸撚糸の風合いとしては不十分なも
のである。
公報では、2本のSZ交互撚糸を用い糸長手方向の下撚
位置の位相をずらし、上撚のない部分を短くする方法が
提案されている。しかしながら、この方法では上撚のな
い部分は短くなるものの、依然として上撚された部分の
撚は低く、全体的にハリコシの乏しいものである。
従来技術における問題点を、上撚数レベルを上げるだけ
でなく、上撚形成部のない部分の長さを短くすることに
より解決するものであり、本発明の目的は、ハリコシ、
ドレープ性、光沢感等に優れ、上品で高級な風合いを織
編物に付与することが可能な諸撚調加工糸を提供し、ま
た該加工糸を含む織編物を提供することにある。
Z交互撚糸である2本以上のマルチフィラメント糸から
なり、それぞれのマルチフィラメント糸のS撚部(以
下、S方向下撚部という)及びZ撚部(以下、Z方向下
撚部という)の位置が同じ位相で合撚(以下、上撚)形
態を形成しているとともに、下記要件(1)〜(3)を
満たすことを特徴とする諸撚調加工糸、 (1)上撚形成部の構成比率が80%以上 (2)上撚非形成部の長さが5cm以下 (3)最大上撚数(T/m)が7000×d−1/2〜
25000×d−1 /2(但し、d:加工糸の繊度(d
tex))及び、SZ交互撚糸であるマルチフィラメン
ト糸を2本以上引き揃えて仮撚加撚域に供給する仮撚加
工において、それぞれのマルチフィラメント糸に同一の
条件で間歇エア旋回流処理を施して撚部の位置が同じ位
相にSZ交互撚形態を付与し、合糸して仮撚加撚域へ供
給することを特徴とする諸撚調加工糸の製造方法、並び
に、前記の諸撚調加工糸で一部又は全部が構成された織
編物、にある。
加工糸を構成するマルチフィラメント糸の構造を図面に
て説明すると、図1は、本発明の諸撚調加工糸の一例を
示すモデル図であり、(A-1)は上撚がZ方向の上撚
形成部、(A-2)は上撚がS方向の上撚形成部、
(B)は上撚非形成部である。また図2は、該諸撚調加
工糸を構成するマルチフィラメント糸の一例を示すモデ
ル図であり、(C-1)はS撚部(以降、S方向下撚部
という)、(C-2)はZ撚部(以降、Z方向下撚部と
いう)、(D)はS方向下撚部とZ方向下撚部の変換部
である。
構成するそれぞれのマルチフィラメント糸のS方向下撚
部及びZ方向下撚部の位置が同じ位相で上撚形態を形成
していることが重要である。各マルチフィラメント糸の
下撚部の位置を同じ位相に合わせることにより、例え
ば、S方向下撚部とS方向下撚部が引き揃えられた場合
には、下撚の持つ顕在トルクが働くためにセルフツイス
トが発生し易くなり、上撚の撚数が高く入り上撚形成部
の撚数が高くなり、同時に全体として上撚形成部の長さ
が長くなるため、上撚非形成部を短くすることができ
る。
相互に異なり、位相が違う場合には、例えばS方向下撚
部とZ方向下撚部が引き揃えられた場合には、下撚の持
つ顕在トルクが異方向に働くためにセルフツイストが発
生し難くなり、上撚の撚数が低下し、本発明の目的とす
る諸撚糸調の風合いが得られない。
成部の構成比率が80%以上、好ましくは90%以上、
上撚非形成部の長さが5cm以下、好ましくは3cm以
下、最大上撚数(T/m)が7000×d−1/2〜2
5000×d−1/2で、好ましくは10000×d
−1/2以上20000×d−1/2であることが必要
であることにより、諸撚糸特有の優れたハリコシ、ドレ
ープ性、光沢感が得られる。なお、本発明において、d
は糸の繊度(dtex)で示す。
合、上撚非形成部の構成比率が相対的に多くなり、諸撚
糸の様な締まった糸形状ではなく、どちらかというとふ
くらみのある形状の部分が多くなり嵩高糸調の風合いと
なるため、ハリコシのある風合いが得られ難くなる。ま
た、上撚非形成部の長さが5cmを超えると、集束性が
低く上撚のない部分が多くなるため、ふくらみ感が強調
され、ハリコシ、ドレープ性、光沢感が得られ難くな
る。
未満の場合は、諸撚糸の糸構造特有の締まったものとな
らずに、全体的にハリコシの乏しく、風合い的に不十分
なものとなり、25000×d−1/2を超えると、2
重撚による角が発生し、後工程通過性が劣るものとな
る。
方向が下撚部の撚方向とは逆方向であることが好まし
い。即ち、S方向下撚部が引き揃えられた部分は、上撚
がZ方向に、Z方向下撚部が引き揃えられた部分は、上
撚がS方向に、SZ交互撚り構造になることによって、
トルクのバランスの点から、糸形態安定性が好ましいも
のとなる。
の各マルチフィラメント糸がSZ交互撚り構造を有し、
かつ加工糸として上撚形態がSZ交互撚り構造を有する
ときには、光沢や色調が複雑且つ微妙に変化した意匠効
果を有するものとなる。
諸撚調加工糸を構成する2本以上のマルチフィラメント
糸が、少なくとも2本のマルチフィラメント糸間で染色
性を異にする異染色性のマルチフィラメント糸が組み合
わされて含む場合、異染色性が異種染料可染性であれば
好ましい異色効果を与え、異染色性が易染性であれば、
図1で示すと、撚密度が高い上撚形成部(A-1)、
(A-2)は濃色となり、撚密度が低い上撚非形成部
(B)が淡色となる。これは、単に濃淡二層ということ
ではなく、主に上撚部と非上撚部の連続的な撚数変化に
より、濃淡が微妙に変化する自然な異色感、杢感を有す
る諸撚調加工糸となり、極めて好ましい意匠効果を与え
るものとなる。
のマルチフィラメント糸としては、その素材に特に限定
はなく、例えばポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリ
アミド繊維、アセテート繊維等の熱可塑性繊維のマルチ
フィラメント糸が挙げられ、また目的に応じて複数の素
材を組み合わせた複合糸であってもよい。更に、マルチ
フィラメント糸の構成単繊維の断面形態、繊度、糸繊度
等についても特に限定はなく、織編物の製品の目的に応
じて選択すればよい。
製造することができる。即ち、本発明の諸撚調加工糸
は、マルチフィラメント糸を2本以上引き揃えて仮撚加
撚域に供給する仮撚加工において、それぞれのマルチフ
ィラメント糸に同一の条件で間歇エア旋回流処理を施し
て、撚部の位置が同じ位相にSZ交互撚形態を付与した
後、合糸して仮撚加撚域へ供給することにより得られ
る。
より説明する。図3は、本発明の諸撚調加工糸の製造工
程の一例を示すもので、マルチフィラメント糸(1)、
(2)を、それぞれ張力調整装置(3)、(4)を経
て、エア旋回流処理装置(5)、(6)による間歇エア
噴射によるエア旋回流処理により糸長手方向にSZ交互
撚の下撚を付与する。
(16)によりプログラミングされたエア旋回流処理制
御装置(7)、(8)を用いてエア旋回流処理装置
(5)、(6)とも同一条件で行い、マルチフィラメン
ト糸(1)、(2)に撚部が同一位相のSZ交互撚を形
成させる。次いでSZ交互撚の下撚が付与された2本の
マルチフィラメント糸を、引き揃えて、第1フィードロ
ーラー(9)を経て第1ヒーター(10)と第1デリベ
リローラー(12)間で仮撚を行い、SZ交互撚の上撚
を付与する。次いで第2ヒーター(13)で熱セット
し、第2デリベリローラー(14)を通し、捲取り機
(15)で巻き取る。
て、それぞれSZ交互撚の付与された2本以上のマルチ
フィラメント糸が糸長手方向にSZ交互撚の撚部が同一
位相に配されて引き揃えられた場合、セルフツイスト法
による撚付きと同様に、それぞれの持つ撚トルクによ
り、下撚と逆の方向の上撚が形成される。このため仮撚
加工後もこれに影響され、下撚と逆の方向に撚の残った
SZ交互未解撚状を呈し、SZ交互諸撚調加工糸の形成
が可能となる。
おいて、仮撚加工の際、仮撚スピンドル、図3に示す製
造工程では仮撚スピンドル(11)の回転数を短時間に
増減することにより、仮撚数を変動させ、積極的に未解
撚部を発生させ、比較的高撚数の上撚を残存させること
もできる。更には、この仮撚スピンドル回転数の増減に
よる仮撚数の変動とエア旋回流処理での間歇エア噴射と
が適当な時間的遅れを保ちつつ同じ周期でなされると、
より効果的で極めて上撚の撚数が高く、かつ上撚非形成
部の短い諸撚調加工糸の製造が可能となる。
調の形態が得られるように適宜設定すればよいが、仮撚
数を変動させる場合は、上限撚数(T/m)が3300
0×d−1/2(d:糸の繊度(dtex))、下限撚
数(T/m)が5000×d −1/2の範囲で設定する
ことが好ましい。仮撚数(T/m)の変動差は、好まし
くは5000×d−1/2以上、更に好ましくは100
00×d−1/2以上とすることで残留撚数が大きくな
り加工糸全体としての集束性は高くなる。仮撚数の増減
の切り替えピッチは、0.3〜2秒がよく、更に好まし
くはエア旋回流処理でのエアの噴射時間と停止時間に合
わせて増減させることが好ましい。
て、図3示す製造工程でマルチフィラメント糸にSZ交
互撚形態を付与する際に用いる張力調整装置(3)、
(4)は、走行するマルチフィラメント糸の走行張力を
調整可能な装置であれば特に限定はなく、例えば、マグ
ネットテンサー、リングテンサー、バネテンサー等が用
いられ、張力調整と撚止め効果の高いマグネットテンサ
ーが特に好ましく用いられる。
処理装置(7)、(8)は、糸条に撚を与える公知の装
置であれば特に限定はないが、応答速度の速い加圧エア
によるエア旋回流ノズルを用いることが好ましく、更に
エア旋回流処理制御装置によりランダムな間隔でエアの
噴射と停止を繰り返すことにより織編物に自然な斑感を
付与することが可能である。なお、エアの噴射、停止の
制御条件は、特に限定はなく、目的とする意匠性や風合
いにより、適宜設定すればよい。エア旋回流処理制御装
置も、電気式、空気式等いかなる方式のものであっても
よい。
造工程での張力調整装置(3)、(4)での供給張力、
エア旋回流処理装置(5)、(6)の位置、エア圧、エ
ア噴射と停止の時間等についても適宜設定すことが可能
であり、織編物の目的とする風合や意匠性により設定す
ればよい。
して好適に用いられる。本発明の諸撚調加工糸を含んで
なる織編物は、本発明の諸撚調加工糸で織編物の全部を
構成したものでもよく、また他糸との合撚、交編織によ
り織編物の一部を構成したものであってもよく、目的の
風合いや製品外観が得られる範囲で、本発明の諸撚調加
工糸の含有率並びに織編組織を決定して構成すればよ
い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。実
施例における評価方法は次に示す方法に拠った。
おける任意の箇所(糸長10m)をサンプリングし、片
方の糸端を固定して、他方の糸端に加工糸繊度に対して
8.82(mN/dtex)の所定荷重を与えながら、
不連続に存在する上撚形成部の長さを各々測定して、該
構成比率を次式で算出した。 上撚形成部の構成比率(%)=上撚形成部の長さの総和
(m)/サンプル糸長(10m)×100
ける任意の箇所(糸長10m)をサンプリングし、片方
の糸端を固定して、他方の糸端に加工糸繊度に対して
8.82(mN/dtex)の所定荷重を与えながら不
連続に存在する上撚非形成部の長さ(cm)を各々測定
した。
撚形成部をそれぞれ任意に5箇所ずつサンプルとし採取
する。次いで、検撚機を用いて該サンプルの撚数を測定
し、次式で上撚数を算出する。なお、検撚機へのサンプ
ルセット時は所定加重(加工糸繊度に対して8.82
(mN/dtex))を与えるものとする。 上撚数(T/m)=撚数測定値/サンプル長(m)×1
00
製デジタルHDマイクロスコープ(VH-7000型)
を用い、加工糸の上撚形成部撚方向(S方向、Z方向)
とその構成のマルチフィラメント糸の下撚部撚方向(S
方向、Z方向)について糸形態を観察した。
条件で織物、編物を作成し、染色処理を実施し、次いで
170℃、1分間の乾熱処理を行い、ハンドリングによ
る風合い評価、目視判定による染め評価を行った。
テルマルチフィラメント糸セミダル84dtex/36
fを2本用い、それぞれのマルチフィラメント糸に対し
てマグネットテンサーにより15〜20cNに走行張力
を調整し、エア旋回流ノズル(エア旋回流処理装置)に
てエア電磁弁(エア旋回流処理制御装置)で制御し間歇
エア旋回流処理を行い、撚部が同一位相のSZ交互撚糸
を作成した。なお、エア旋回流ノズルのエア噴射時のエ
ア圧は0.4MPa、エア噴射と停止の時間はそれぞれ
0.4±0.1秒の範囲でランダムに変動させた。
揃えて第1フィードローラーを介して仮撚加撚域へ供給
し仮撚加工を実施した。なお、第1ヒーター温度200
℃、第1デリベリローラー速度50m/分、第2ヒータ
ー温度220℃、第1フィードローラーと第1デリベリ
ローラー間のオーバーフィード率10%、仮撚スピンド
ル回転数100,000rpm(Z撚方向)で仮撚加工
を行った。
は、SZ交互撚糸構造を有する2本以上のマルチフィラ
メント糸から構成され、かつそれぞれの構成マルチフィ
ラメント糸のS方向下撚部及びZ方向下撚部の位置が同
じ位相で上撚形態を形成していおり、上撚形成部の構成
比率が82%、上撚非形成部の長さが1.5〜5.0c
m、最大上撚数が800T/mで形成された諸撚調加工
糸であった。
糸:ポリエステルマルチフィラメント糸セミダル56d
tex/24f、経糸密度110本/2.54cm)に
対して緯打ち(緯糸密度56本/2.54cm)して平
織物を織成し、また丸編み機(20ゲージ、44イン
チ)で天竺編物を編成し、それぞれの織編物を常法によ
り精練、高圧分散染色処理を行った。得られた織編物
は、ハリコシ、ドレープ性、光沢感に優れ、かつ上品で
高級な風合いを併せ持ち、撚密度の変化による自然な斑
感を有した織編物であった。
テルマルチフィラメント糸セミダル84dtex/36
fを2本用い、それぞれのマルチフィラメント糸に対し
てマグネットテンサーにより15〜20cNに走行張力
を調整し、エア旋回流ノズルにてエア電磁弁で制御し間
歇エア旋回流処理を行い、撚部が同一位相のSZ交互撚
糸を作成した。なおエア旋回流ノズルの噴射時のエア圧
は0.4MPa、エア噴射と停止の時間はそれぞれ0.
4±0.1秒の範囲でランダムに変動させた。
揃えて第1フィードローラーを介して仮撚加撚域へ供給
し仮撚加工を実施した。なお、第1ヒーター温度200
℃、第1デリベリローラー速度50m/分、第2ヒータ
ー温度220℃、第1フィードローラーと第1デリベリ
ローラー間オーバーフィード率5%、仮撚スピンドル回
転数増減範囲75,000〜135,000rpm(Z撚
方向)、仮撚スピンドル回転数切り替え時間はエア旋回
流ノズルでのエア噴射と停止の間隔と同じにして仮撚加
工を行った。
は、SZ交互撚糸構造を有する2本以上のマルチフィラ
メント糸から構成され、かつそれぞれの構成マルチフィ
ラメント糸のS方向下撚部及びZ方向下撚部の位置が同
じ位相で上撚形態を形成しており、上撚形成部の構成比
率が96%、上撚非形成部の長さが0.5〜2.0c
m、最大上撚数が1500T/mで形成された諸撚調加
工糸であった。
糸:ポリエステルマルチフィラメント糸セミダル56d
tex/24f、経糸密度110本/2.54cm)に
対して緯打ち(緯糸密度56本/2.54cm)して平
織物を織成し、また丸編み機(20ゲージ、44イン
チ)で天竺編物を編成し、それぞれ常法により精練、高
圧分散染色処理を行った。得られた織編物は、ハリコ
シ、ドレープ性、光沢感に優れ、かつ上品で高級な風合
いを併せ持ち、撚密度の変化による自然な斑感を有した
織編物であった。
テルマルチフィラメント糸セミダル84dtex/36
fとポリエステルカチオン染料可染糸セミダル84dt
ex/24fを用い、それぞれのマルチフィラメント糸
に対してマグネットテンサーにより15〜20cNに走
行張力を調整し、エア旋回流ノズルにてエア電磁弁で制
御し間歇エア旋回流処理を行い、撚部が同一位相のSZ
交互撚糸を作成した。なお、エア旋回流ノズルの噴射時
のエア圧は0.4MPa、エア噴射と停止の時間はそれ
ぞれ0.4±0.1秒の範囲でランダムに変動させた。
揃えて第1フィードローラーを介して仮撚加撚域へ供給
し仮撚加工を実施した。なお、第1ヒーター温度200
℃、第1デリベリローラー速度50m/分、第2ヒータ
ー温度220℃、第1フィードローラー/第1デリベリ
ローラー間オーバーフィード率5%、仮撚スピンドル回
転数増減範囲75,000〜135,000rpm(Z撚
方向)、仮撚スピンドル回転数切り替え時間はエア旋回
流ノズルでのエア噴射と停止の間隔と同じにして仮撚加
工を行った。
は、SZ交互撚糸構造を有する2本以上のマルチフィラ
メント糸から構成され、かつそれぞれのマルチフィラメ
ント糸のS方向下撚部及びZ方向下撚部の位置が同じ位
相で上撚形態を形成しており、上撚形成部の構成比率が
90%、上撚非形成部の長さが0.5〜3.0cm、最
大上撚数が1500T/mで形成された諸撚調加工糸で
あった。
糸:ポリエステルマルチフィラメント糸セミダル56d
tex/24f、経糸密度110本/2.54cm)に
対して緯打ち(緯糸密度56本/2.54cm)して平
織物を織成し、また丸編み機(20ゲージ、44イン
チ)で天竺編物を編成し、それぞれを常法により精練、
常圧カチオン染色処理を行った。得られた織編物は、ハ
リコシ、ドレープ性、光沢感に優れ、かつ上品で高級な
風合いを併せ持ち、撚密度の変化と異なる染色特性とに
よる自然な斑感を有した織編物であった。
流ノズルにて間歇エア旋回流処理を行って得た撚部が同
一位相の2本のSZ交互撚糸を、第1フィードローラー
を介して仮撚加工を実施せずに、第1ヒーター温度20
0℃、第1デリベリローラー速度50m/分で加工を行
った。
は、加工糸は、SZ交互撚糸構造を有する2本以上のマ
ルチフィラメント糸から構成されてはいるが、上撚形成
部の構成比率が36%、上撚非形成部の長さが7〜15
cm、最大上撚数が500T/mで形成されており、上
撚形成部の構成比率が低く、上撚非形成部が長い加工糸
であった。
糸:ポリエステルマルチフィラメント糸セミダル56d
tex/24f、経糸密度110本/2.54cm)に
対して緯打ち(緯糸密度56本/2.54cm)して平
織物を織成し、また丸編み機(20ゲージ、44イン
チ)で天竺編物を編成し、それぞれを常法により精練、
高圧分散染色処理を行った。得られた織編物は、諸撚形
態を有するものの非諸撚部が長いため、いわゆるふかつ
いた風合いとなり、諸撚糸のようなハリコシ、ドレープ
性に劣るものであった。
問題点を解消し、合理的手法により、ハリコシ、ドレー
プ性、光沢感等に優れ、かつ上品で高級な風合いを織編
物に付与することが可能なるものであり、また本発明の
諸撚調加工糸を含んでなる織編物は、本発明の諸撚調加
工糸によってもたされるハリコシ、ドレープ性、光沢感
等に優れ、かつ上品で高級な風合いを有するものであ
り、衣料用織編物として好適なるものである。
る。
造のマルチフィラメント糸の一例の糸側面図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 それぞれがSZ交互撚糸である2本以上
のマルチフィラメント糸からなり、それぞれのマルチフ
ィラメント糸のS撚部及びZ撚部の位置が同じ位相で合
撚形態を形成しているとともに、下記要件(1)〜
(3)を満たすことを特徴とする諸撚調加工糸。 (1)上撚形成部の構成比率が80%以上 (2)上撚非形成部の長さが5cm以下 (3)最大上撚数(T/m)が7000×d−1/2〜
25000×d−1 /2(但し、d:加工糸の繊度(d
tex)) - 【請求項2】 合撚形態での撚方向が、下撚部の撚方向
とは逆方向である請求項1記載の諸撚調加工糸。 - 【請求項3】 2本以上のマルチフィラメント糸が、少
なくとも2本のマルチフィラメント糸間で染色性が異な
る異染色性のマルチフィラメント糸が組み合わされてな
る請求項1又は請求項2記載の諸撚調加工糸。 - 【請求項4】 マルチフィラメント糸を2本以上引き揃
えて仮撚加撚域に供給する仮撚加工において、それぞれ
のマルチフィラメント糸に同一の条件で間歇エア旋回流
処理を施して撚部の位置が同じ位相にSZ交互撚形態を
付与し、合糸して仮撚加撚域へ供給することを特徴とす
る諸撚調加工糸の製造方法。 - 【請求項5】 仮撚加工の際、仮撚数を変動させる請求
項4記載の諸撚調加工糸の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
の諸撚調加工糸で一部又は全部が構成された織編物。
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CN111549409A (zh) * | 2020-04-28 | 2020-08-18 | 浙江双兔新材料有限公司 | 一种异捻异染复合纱生产装置、生产工艺及复合纱 |
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