JP3069521B2 - ノイル調複合仮撚糸及びその製造方法 - Google Patents

ノイル調複合仮撚糸及びその製造方法

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JP3069521B2
JP3069521B2 JP8123917A JP12391796A JP3069521B2 JP 3069521 B2 JP3069521 B2 JP 3069521B2 JP 8123917 A JP8123917 A JP 8123917A JP 12391796 A JP12391796 A JP 12391796A JP 3069521 B2 JP3069521 B2 JP 3069521B2
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展弘 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アセテートフィラ
メント糸を含むノイル調複合仮撚糸及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、芯糸の周囲に鞘糸が三重捲回
されたスラブ部と、鞘糸が一重捲回された道中部とが糸
の長手方向に沿って交互に存在しているスラブ調複合仮
撚糸にっいては、特公昭45−28018号公報、特公
昭47−49459号公報等にて開示されており、さら
に鞘糸の供給量の変動によって低頻度にランダムスラブ
を形成させる方法も特開昭61−102444号公報等
に開示されており、これらスラブ調複合仮撚糸や低頻度
スラブ調複合仮撚糸は、衣料・資材等多用途に提供され
ている。
【0003】しかしながら、従来の方法によって得られ
るスラブ調複合仮撚糸は、後工程での糸摩擦により道中
部に糸割れやスラブ崩れが生じ、特に低頻度スラブ調複
合仮撚糸においては、この傾向が生じ易いことから、工
程通過性及び形態安定性向上のために他糸との合撚工程
を必要とするため、より優れたノイル調の複合仮撚糸が
望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アセ
テートフィラメント糸を含み、形態保持性の良好な壁撚
部、ストレートスラブ部、太スラブ部及び紡錘形スラブ
部をランダムに有し、布帛に優れた表面効果及び風合を
与えるノイル調複合仮撚糸を提供し、またこのノイル調
複合仮撚糸を安定に得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
少なくともアセテートフィラメント糸を含む2本以上の
芯糸の一つが他の芯糸の周囲に間欠的に多重捲回され、
さらにこれら芯糸の周囲にアセテートフィラメント糸か
らなる鞘糸が三重捲回されて形成された、ストレートス
ラブ部、太スラブ部、紡錘形スラブ部及び芯糸が鞘糸の
周囲に壁撚状に捲回された壁撚部をランダムに有し、U
%が5〜25%で、分散係数が10〜100、尖度が0
〜20、歪度が0.5〜5の範囲にあることを特徴とす
るノイル調複合仮撚糸にある。
【0006】ここで、芯糸に、セルロース系フィラメン
ト糸を含むことが好ましい
【0007】また、本発明の第2の要旨は、仮撚加工工
程の加撚域において、少なくともアセテートフィラメン
ト糸を含む2本以上の芯糸の一つを規則的或いは不規則
的にその供給量を変動させながら供給して他の芯糸の周
囲に間欠的に多重捲回させ、さらにアセテートフィラメ
ント糸からなる鞘糸をオーバーフィード率30%〜14
0%未満で供給し、かつ仮撚温度を110℃以上、仮撚
数を(20000〜40000)/√D(T/M)
「D:使用糸合計デニール]に設定して仮撚加工する
とを特徴とするノイル調複合仮撚糸の製造方法にある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のノイル調複合仮撚糸にお
いては、芯部は、いずれもアセテートフィラメント糸か
らなるか、またはアセテートフィラメント糸とセルロー
ス糸フィラメント糸でそれぞれなる2本以上の芯糸で構
成されており、複合仮撚における芯部の供給が、2本
以上の芯糸が引き揃えられて供給される場合と、芯糸
の一つが他のアセテートフィラメント糸からなる芯糸の
周囲に捲回して供給される場合とがあり、それらが規則
的或いは不規則的に混在している。の供給の場合、芯
糸相互の絡まりにより未解撚部が形成され、複合仮撚糸
において道中部のズリ抜けを防止し、スラブ崩れのない
壁撚部を形成する。の供給の場合、芯糸の一つが他の
芯糸の周囲を連続的または間欠的に一重または多重捲回
して強固に固定されるため、未解撚のまま集束状態を維
持してストレートスラブ部を形成する。この芯部での
及びの供給の頻度は、規則的或いは不規則的であって
もよい。
【0009】本発明のノイル調複合仮撚糸においては、
さらにこのような形態の芯部の周囲をアセテートフィラ
メント糸からなる鞘糸が一重及び三重捲回して太スラブ
部及び紡錘形スラブ部が形成されており、本発明のノイ
ル調複合仮撚糸は、芯糸の引き揃え部、一重捲回部、多
重捲回部、解撚部、過解撚部等と、鞘糸の一重捲回部及
び三重捲回部等とがそれぞれランダムに組み合わされて
形成された壁撚部、ストレートスラブ部、太スラブ部及
び紡錘形スラブ部をランダムに有し、同一の糸中にこの
ような様々な形態が混在している。また、本発明のノイ
ル調複合仮撚糸は、広く一般的に糸斑試験に使用されて
いるイーブネステスタによる測定値の個々の測定値を元
としたU%が5〜25%、好ましくは6〜10%、さら
に好ましくは7〜9%で、分散係数が10〜100、尖
度が0〜20、歪度が0.5〜5の範囲にある。
【0010】ここで、U%が5〜25%とは、イーブネ
ステスタによる個々の測定値を元とした平均偏差係数
(式1)で定義されるU%が5〜25%であることを意
味する。
【0011】
【式1】
【0012】また、分散係数が10〜100とは、イー
ブネステスタによる個々の測定値の全体に対する分散
(式2)で定義される分散係数が10〜100であるこ
とを意味する。
【0013】
【式2】
【0014】尖度が0〜20とは、イーブネステスタに
よる個々の測定値の全体に対する分布を標準分布と比較
した(式3)で定義される尖度が0〜20であることを
意味する。
【0015】
【式3】
【0016】歪度が0.5〜5とは、イーブネステスタ
による個々の測定値の平均値周辺での両側の非対称度を
表す(式4)で定義される歪度が0.5〜5であること
を意味する。
【0017】
【式4】
【0018】すなわち、従来の複合仮撚糸と比べて、U
%の平均値、分散係数は低いが、尖度、歪度が高い糸で
ある。
【0019】本発明の複合仮撚糸を構成する芯糸は、2
本以上の芯糸で構成され、各芯糸の構成糸本数、各糸の
構成フィラメント本数、繊度等は特に制限されないが、
芯糸の少なくとも一つは、ジアセテート、トリアセテー
ト等のアセテートフィラメント糸で構成された芯糸とす
ることが必要である。他の芯糸は、アセテートフィラメ
ント糸或いはレーヨン等のセルロース系フィラメント糸
で構成される。また、各芯糸に他のフィラメント糸が含
まれていてもよい。
【0020】さらに好ましくは、2本以上の芯糸の組み
合わせにおいて、その周囲に他の芯 糸が捲回される側の
芯糸の少なくとも一つがアセテートフィラメント糸から
なる芯糸である。
【0021】また、他の芯糸の周囲に間欠的に多重捲回
させる芯糸は、アセテートフィラメント糸或いはセルロ
ース系フィラメント糸のいずれでもよいが、柔軟性を活
かす上では、セルロース系フィラメント糸が好ましい。
【0022】また、本発明の複合仮撚糸を構成する鞘糸
は、アセテートフィラメント糸からなり、55デニール
以下の糸デニールを有するものであることが集束性の点
で好ましい。
【0023】本発明の複合仮撚糸においては、芯糸相互
の組み合わせ、芯糸と鞘糸との組み合わせにおける各種
フィラメント糸の組み合わせ使用により、絹様の糺み感
及びポリエステルフィラメント糸等の合成繊維フィラメ
ント糸のみでは表現できないナチュラルでドライ感のあ
る風合と、低頻度に存在する紡錘形スラブにより絹様で
斑感の極めて大きなノイル調を呈する。
【0024】次に、本発明のノイル調複合仮撚糸の製造
方法を、図面に従い、芯糸(A)として2本の芯糸を用
いた例で説明する。図1は、本発明のノイル調複合仮撚
糸の製造に用いる装置の一例の概略図であり、図1にお
いて、芯糸(Aa)にはアセテートフィラメント糸また
はセルロース系フィラメント糸、芯糸(Ab)にはアセ
テートフィラメント糸を用い、芯糸(Aa)は、コンピ
ュータ制御可能な第一フィードローラ1により、芯糸
(Ab)は、マグネットテンサ2により、供給量を調整
されながらそれぞれ供給ガイド4、5を経て供給され、
合糸点Xで合糸される。
【0025】この際、芯糸(Ab)を、マグネットテン
サ2によって一定供給するのに対し、芯糸(Aa)を、
コンピュータ制御可能な第一フィードローラ1によって
供給量を極短時間瞬間的に規則的或いは不規則的に変動
させて供給する。芯糸(Ab)に対して芯糸(Aa)が
オーバーフィード状態の時は、供給ガイド4を支点とし
て合糸点Xが供給ガイド5、7間を往復運動することに
より芯糸(Ab)の周囲に芯糸(Aa)多重捲回され
る。
【0026】また、芯糸(Aa)と芯糸(Ab)の供給
量が同じであるときは、芯糸相互の絡まりにより未解撚
部が形成され、鞘糸が捲回された後に壁撚状の形態とな
る。
【0027】この芯糸(Aa)、(Ab)によって形成
されたランダムな捲回のある糸条に、アセテートフィラ
メント糸からなる鞘糸(B)が第二フィードローラ3よ
りオーバーフィード状態で供給され、供給ガイド6を支
点として供給ガイド7、8間を往復運動し、芯糸(A
a)、(Ab)によって形成されたランダムな捲回のあ
る芯糸の周囲に一重及び三重に捲回しつつ接触式の第一
ヒータ9に供給される。そして第一ヒータ9及びスピン
ドル10によって加撚・熱固定され、太さの殆ど変わら
ぬストレートスラブ部、鞘糸の三重捲回の重なる太スラ
ブ部、鞘糸で強固に捲回固定された紡錘形スラブ部及び
壁撚部がランダムに形成される。
【0028】このようにして得られた複合仮撚糸は、第
一デリベリーローラ11によって引き取られ、次いで第
二ヒータ12を通過させて糸形態を固定させ、第二デリ
ベリーローラ13、巻き取りガイド14、15、16を
経て巻き取りローラ17によって巻き取られる。
【0029】前記製造工程における仮撚加工温度、即ち
第1ヒータ9の温度は、110℃以上が必要である。仮
撚加工温度が110℃未満では、熱セット性が悪く、ス
ラブの安定性に欠ける。また、鞘糸の捲回により多重の
捲回構造を有する太スラブ部、紡錘形スラブ部を得るた
めには鞘糸のオーバーフィード率を30%〜140%未
満とすることが必要であり、30%未満では、これらス
ラブの形成ができず、140%以上では、鞘糸が多過ぎ
て糸切れしやすくなる。
【0030】また、仮撚数を(20000〜4000
0)/√D(T/M)[D:使用糸合計デニール]とす
ることで安定的に本発明のノイル調複合仮撚糸が得られ
る。20000/√D(T/M)未満では、風合いがソ
フトで集束性に欠け、40000/√D(T/M)を超
えると、糸切れしやすくなる。
【0031】また、2本以上の芯糸のうちの一つの芯糸
(Aa)の供給量を他の芯糸(Ab)に対して変動させ
て供給することにより、芯糸多重捲回で鞘糸一重捲回構
造の紡錘形スラブと多重捲回構造の太スラブをランダム
かつ低頻度に有する糸を得ることができるが、本発明に
おいては、これらのスラブを規則的或いは不規則的に形
成するためには、一つの芯糸の供給量及び供給量変動時
間をコンピュータ等により制御することが好ましい。
【0032】その際、コンピュータ制御等により供給量
を変動させる方の芯糸(Aa)を他の芯糸(Ab)より
過供給とし、好ましくは供給量を変動させる方の芯糸
(Aa)のオーバーフィード率を10%以上とする。ま
た、供給量を変動させる芯糸を2本以上とする場合、
芯糸をそれぞれ別ガイドを通過させることにより安定的
に本発明の複合仮撚糸を得ることができ、また、一定供
給される方の芯糸(Ab)とのガイド距離及び合糸点が
異なることにより一層ナチュラルな形態を与える。この
ガイド距離は、40cm以下とすることが良好である。
鞘糸として55デニール以下の糸デニールのフィラメン
ト糸を用いて集束性を向上させることが好ましい。
【0033】図2〜図5は、本発明のノイル調複合仮撚
糸の例の部分(イ)〜(ニ)の各側面図である。図2〜
図5において、芯糸は2本の芯糸からなり、(イ)は、
2本の芯糸の張力バランスがとれており、芯糸が過解撚
され鞘糸の外周部を壁撚状に捲回している壁撚部分であ
る。(ロ)は、鞘糸が2本の芯糸の周囲を強固に三重捲
回し、解撚されずストレートな捲回となったストレート
スラブ部分である。(ハ)は、芯糸の一方が過供給によ
り他方の芯糸の周囲を三重捲回した状態の糸条にさらに
鞘糸が三重捲回して多重捲回の太スラブ部となっている
部分である図5は、多重捲回している芯糸の周囲を鞘
糸が大きな解撚度で一重捲回している紡錘形スラブ部分
である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0035】(実施例1) 図1に示す仮撚加工機を用い、仮撚加工を行うにあた
り、一定供給する芯糸(Ab)としてトリアセテートレ
ギュラーフィラメント糸(ブライト150d/40f)
1本、供給量を変動させる方の芯糸(Aa)としてトリ
アセテートレギュラーフィラメント糸(ブライト150
d/40f)1本を用い、鞘糸(B)としてトリアセテ
ートレギュラーフィラメント糸(ブライト35d/9
f)を用いて、仮撚数1500T/M(Z加撚)、マグ
ネットテンサ2の張力(テンサ出側)10g/Y、コン
ピュータ制御可能な第一フィードローラ1のオーバーフ
ィード率を15%とする時間を1〜2秒、オーバーフィ
ード率を100%とする時間を0.4〜1秒の間でオー
バーフィード率を交互に変更し、ガイド4と芯糸(A
a)、芯糸(Ab)合糸点Xとの距離を30cmとし、
第二フィードローラ3のオーバーフィード率を90%、
鞘糸(B)のガイド6とガイド7と8の間を通過する仮
撚加工中の芯糸との距離を40cm、第一ヒータ9の温
度170℃、第一デリベリーローラ11の速度70m/
分、第二ヒータ12の温度200℃、第二デリベリーロ
ーラ13のオーバーフィード率8%の条件に設定して仮
撚加工した。
【0036】得られた複合仮撚糸には、長さ約1mの壁
撚部及びストレートスラブ部、2〜mの間隔で1〜5個
連続して現出の太スラブ部及び長さ1〜5cmの紡錘形
スラブ部を有するパターンが繰り返され、糸の集束性、
工程通過性に優れたノイル調複合仮撚糸が得られた。得
られた複合仮撚糸は、U%が14%であり、分散係数が
32、尖度が17、歪度が3.8であった。この複合仮
撚糸を経糸及び緯糸に用いて織物としたところ、シャリ
感とトリアセテートフィラメント糸の持つナチュラル
感、ドライ感を有し、斑感の大きな絹様の軋み感のある
織物が得られた。
【0037】(実施例2) 供給量を変動させる方の芯糸(Aa)としてレーヨンフ
ィラメント糸(ブライト75d/30f)2本を用い
糸点Xまでの距離を各々30cmとしたガイド4に相当
する2個の別ガイドで供給する以外は、実施例1と同様
の条件で仮撚加工を行った結果、実施例1と同様の形態
のノイル調複合仮撚糸が得られた。この糸を緯糸とし
実施例1で得られた複合仮撚糸を経糸に用い織物とした
ところ、実施例1と同様のナチュラルな風合い及び形態
を有し、さらに分散染料で100℃染色したところ、ト
リアセテートフィラメント糸とレーヨンフィラメント糸
との各種構成形態による杢調効果の高い織物が得られ
た。
【0038】(実施例3) 図1に示す仮撚加工機を用い、仮撚加工を行うにあた
り、芯糸(Ab)としてトリアセテートレギュラーフィ
ラメント糸(ブライト75d/20d)を1本、供給量
を変動させる方の芯糸(Aa)としてトリアセテートレ
ギュラーフィラメント糸(ブライト150d/40f)
を2本を用い、また、鞘糸(B)としてトリアセテート
レギュラーフィラメント糸(ブライト35d/9f)を
用いた。
【0039】また、仮撚数1500T/M(Z加撚)、
マグネットテンサ2の張力(テンサ出側)8g/Y、コ
ンピュータ制御可能な第一フィードローラ1のオーバー
フィード率を30%とする時間を1〜2秒、オーバーフ
ィード率を50%とする時間を1〜2秒の交互に設定
し、ガイド4に相当する2個のガイドを、芯糸(Aa)
と芯糸(Ab)の合糸点Xとの距離を15cmと、30
cmとして各々上下に位置させ、第二フィードローラ3
のオーバーフィード率を100%、鞘糸(B)のガイド
6とガイド7、8を通過する仮撚加工中の芯糸との距離
を18cm、第一ヒータ9の温度170℃、第一デリベ
リーローラ11の速度を50m/分、第二ヒータ12の
温度を200℃、第二デリベリーローラ13のオーバー
フィード率を8%の条件に設定して仮撚加工した。
【0040】得られた複合仮撚糸は、芯糸(Ab)にガ
イド距離15cmからの芯糸が捲回しその上にガイド距
離30cmからの芯糸が捲回して構成された捲回部分に
さらに鞘糸が捲回する太スラブ部及び紡錘形スラブ部を
多く有するノイル調複合仮撚糸であった。得られた複合
仮撚糸は、U%が8%であり、分散係数が39、尖度が
8.9、歪度が2.8であった。この複合仮撚糸は、若
干糸の遊びはあるものの、実施例2と同様に緯打織物と
したところ、シルクスパン調のナチュラルな織物が得ら
れた。
【0041】(比較例1) 芯糸(Ab)としてポリエステル延伸フィラメント糸
(セミダル150d/48f)を用い、実施例1と同様
の条件で仮撚加工を行った結果、得られた加工糸は、糸
強力は大きくなるものの糸相互の絡みが少なく糸ずれが
あり、ナチュラル感に乏しいものとなった。
【0042】(比較例2) 鞘糸(B)として高収縮性ポリエステルフィラメント糸
(セミダル30d/8f)を用いた以外は、実施例3の
条件で仮撚加工を行った結果、糸の締まりに優れた複合
仮撚糸が得られたものの、織物とすると固くナチュラル
感に乏しいものとなった。
【0043】(比較例3) 図1に示す仮撚加工機を用い、鞘糸(B)を用いないで
仮撚加工を行うにあたり、芯糸(Ab)としてポリエス
テルレギュラーフィラメント糸(セミダル100d/4
8d)と、供給量を変動させる方の芯糸(Aa)として
トリアセテートレギュラーフィラメント糸(ブライト7
5d/20f)とを合糸した。
【0044】仮撚数2300T/M(Z加撚)、マグネ
ットテンサ2の張力(テンサ出側)8g/Y、コンピュ
ータ制御可能な第一フィードローラ1のオーバーフィー
ド率を100%と一定に設定し、ガイド4と芯糸(A
a)、芯糸(Ab)の合糸点Xとの距離を15cmと
し、第一ヒータ9の温度180℃、第一デリベリーロー
ラ11の速度を50m/分、第二ヒータ12の温度を2
00℃、第二デリベリーローラ13のオーバーフィード
率を8%の条件に設定して仮撚加工した。
【0045】得られた複合仮撚糸は、U%が39%であ
、分散係数が1116、尖度が−2.0、歪度が0.
02であり、外周のトリアセテートフィラメントの効果
による風合いは良好なるものの、公知の芯糸の仮撚加撚
遡及域に鞘糸を挿入する方法による三重捲回構造の規則
的かつ均一なスラブ部を有する糸と同様なものとなり、
本発明の目的とする太スラブ部及び紡錘形スラブ部を有
するノイル調の糸は得られなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明のノイル調複合仮撚糸は、芯糸相
互及び芯糸と鞘糸とで形成された多様な捲回形態を有
し、その多様な捲回形態のうちの太スラブ部及び紡錘形
スラブ部を2〜3m間隔の頻度で有するものであり、従
来のスラブ調複合仮撚糸よりさらに表面感に富み、道中
部に相当する壁撚部及びストレートスラブ部でのズリ抜
けやスラブ部での太スラブ部及び紡錘形スラブ部のスラ
ブ崩れがなく、工程通過性に優れたものである。また、
本発明のノイル調複合仮撚糸は、構成成分にアセテート
フィラメント糸を用いたことにより、ナチュラル感、ド
ライ感、絹様の軋み感を織編物に与えるものである。ま
た、本発明方法によれば、かかるノイル調複合仮撚糸を
安定に、かつ仮撚加工のみでコスト的にも安価に得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノイル調複合仮撚糸の製造に用いる装
置の一例の概略図である。
【図2】本発明のノイル調複合仮撚糸の例の壁撚部分の
側面図である。
【図3】本発明のノイル調複合仮撚糸の例のストレート
スラブ部分の側面図である。
【図4】本発明のノイル調複合仮撚糸の例の太スラブ部
分の側面図である。
【図5】本発明のノイル調複合仮撚糸の例の紡錘形スラ
ブ部分の側面図である。
【図6】本発明の実施例3で得た複合仮撚糸のウースタ
ーチャートである。
【図7】本発明の比較例3で得た複合仮撚糸のウースタ
ーチャートである。
【符号の説明】
Aa 芯糸(供給量変動側) Ab 芯糸(供給量一定側) B 鞘糸 1 コンピュータ制御可能な第一フィードローラ 2 マグネットテンサ 3 第二フィードローラ 4、5、6、7、8 供給ガイド 9 第一ヒータ 10 スピンドル 11 第一デリベリーローラ 12 第二ヒータ 13 第二デリベリーローラ 14、15、16 巻き取りガイド 17 巻き取りローラ X 合糸点
フロントページの続き (72)発明者 山口 展弘 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究 所内 (72)発明者 小俣 秀 大阪府大阪市北区中之島二丁目3番18号 三菱レイヨン株式会社大阪支店内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/02 D02G 3/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともアセテートフィラメント糸を
    含む2本以上の芯糸の一つが他の芯糸の周囲に間欠的に
    多重捲回され、さらにこれら芯糸の周囲にアセテートフ
    ィラメント糸からなる鞘糸が三重捲回されて形成され
    た、ストレートスラブ部、太スラブ部、紡錘形スラブ部
    及び芯糸が鞘糸の周囲に壁撚状に捲回された壁撚部をラ
    ンダムに有し、U%が5〜25%で、分散係数が10〜
    100、尖度が0〜20、歪度が0.5〜5の範囲にあ
    ることを特徴とするノイル調複合仮撚糸。
  2. 【請求項2】 芯糸に、セルロース系フィラメント糸を
    含む請求項1記載のノイル調複合仮撚糸。
  3. 【請求項3】 仮撚加工工程の加撚域において、少なく
    ともアセテートフィラメント糸を含む2本以上の芯糸の
    一つを規則的或いは不規則的にその供給量を変動させな
    がら供給して他の芯糸の周囲に間欠的に多重捲回させ、
    さらにアセテートフィラメント糸からなる鞘糸をオーバ
    ーフィード率30%〜140%未満で供給し、かつ仮撚
    温度を110℃以上、仮撚数を(20000〜4000
    0)/√D(T/M)[D:使用糸合計デニール]に設
    定して仮撚加工することを特徴とするノイル調複合仮撚
    糸の製造方法。
  4. 【請求項4】 供給量を変動させる方の芯糸のオーバー
    フィード率を10%以上とする請求項3記載のノイル調
    複合仮撚糸の製造方法。
JP8123917A 1996-04-23 1996-04-23 ノイル調複合仮撚糸及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3069521B2 (ja)

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