JPH11200168A - 強撚糸調仮撚加工糸及びその製造方法 - Google Patents

強撚糸調仮撚加工糸及びその製造方法

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JPH11200168A
JPH11200168A JP457998A JP457998A JPH11200168A JP H11200168 A JPH11200168 A JP H11200168A JP 457998 A JP457998 A JP 457998A JP 457998 A JP457998 A JP 457998A JP H11200168 A JPH11200168 A JP H11200168A
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twisted
untwisted
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JP457998A
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Inventor
Naoki Onmiyachi
直樹 御宮知
Shoji Kanetani
庄次 金谷
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】嵩高性でありながら優れたシャリ感とドレープ
性を併せ持ち、かつ紡績糸調の斑感、表面変化に富んだ
布帛を供することのできる強撚糸調仮撚加工糸及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】1以上の熱可塑性糸条に先撚を施した糸条
を供給し、同供給糸の撚方向と同一の方向に、仮撚スピ
ンドルを停止することなく連続して回転させると共に前
記仮撚スピンドルの回転の加速及び減速を繰り返し行う
ことにより、強撚糸調仮撚加工糸を製造する。かかる強
撚糸調仮撚加工糸(10)は、仮撚加撚方向の撚を有する未
解撚部(A) 、又は仮撚解撚方向の撚を有する過解撚部
(B) からなる集束部と、嵩高捲縮部(C) とを糸条長手方
向に交互に有している。前記集束部は糸条全体の80%
以上を占め、前記集束部のうち60%以上の集束部が前
記未解撚部(A) からなり、同未解撚部(A) が糸条全体の
40%以上を占有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩高性でありなが
ら優れたシャリ感、ドレープ性を併せ持ち、紡績糸調の
斑感、表面変化に富んだ衣料用布帛を供することのでき
る強撚糸調仮撚加工糸及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シャリ
感、ドライ感、張り腰感を有する涼感素材は一般に撚糸
機により実撚が付与された糸条から織編成されるもので
ある。このような風合いを増すためには、糸条の撚数を
増加すればよいが、それに伴い生産性が低下するといっ
た不都合が生じるだけでなく、風合いが硬くなり軽量感
に乏しいものとなりやすい。また、糸条の撚数を増加す
る場合には、一般的に布帛に均一な表面形態を付与する
ことを目的としている。
【0003】そこで、生産性を向上させると共に、不均
一な表面形態をもつ布帛を得るために、糸条に仮撚加工
を施すことにより実撚を残存させる手法が数多く提案さ
れており、例えば、定常の仮撚加工において仮撚スラブ
を形成する方法、高温度下で仮撚加工を行い短ピッチの
SZ交互撚を形成する方法、及び非定常な仮撚手法によ
り数十cm以上の長ピッチのSZ交互撚を形成する方法
に大別される。
【0004】仮撚スラブによる方法は、例えば、特公昭
45−28018号公報等に開示されている。同公報に
開示された方法では、フィードローラーとヒーターとの
間にある芯糸に、花糸をガイド及びコンペンセーターを
通して捲き付かせた後、仮撚りを施すことにより、花糸
が芯糸にSZ方向で連続して捲き付いた仮撚加工糸が得
られる。この方法では、芯糸の張力の1/3以下の張力
で花糸を供給し、その花糸の供給量を多くすることで、
花糸が芯糸に強く捲回させてスラブが形成される。この
スラブにより芯糸の撚数が仮撚方向の撚で固定され、解
撚されない(未解撚)ため、スラブ部分以外の道中部が
逆に過解撚状態となり、SZ交互撚が形成される。しか
しながら、このような仮撚加工糸は麻調のシャリ感をも
つものの、一般にスラブが大きくなるため、紡績糸調の
斑糸とはならない。
【0005】また、高温度下で仮撚加工を行い数cm以
下程度の短ピッチのSZ交互撚を形成する方法は、例え
ば特開昭52−70143号公報や特開昭56−910
18号公報等に提案されている。特開昭52−7014
3号公報に開示された仮撚加工糸の製造方法は、アクリ
ルニトリル系合成繊維は溶融温度が不明確であり、高温
での安定加工が可能であること及び2次ヒータにおける
加熱により糸収縮が大きいことを利用したものであり、
従来の仮撚処理温度(180〜205℃)よりも高温の
200〜250℃で仮撚加工を施した後、180〜25
0℃で2次熱処理を行うことにより、短ピッチのSZ交
互撚が形成された仮撚加工糸が製造される。また、特開
昭56−91018号公報に開示された仮撚加工糸の製
造方法においても、仮撚熱固定温度を融着温度付近の高
温に設定するか、或いはアクリルニトリル系合成繊維や
部分配向未延伸糸などの糸条を用いることにより、集束
部の程度が強い、短ピッチの仮撚加工糸が製造される。
【0006】かかる公報に開示された製造方法では、い
ずれも仮撚熱固定温度を融着温度付近の高温度条件とす
ることにより、フィラメント間相互の部分融着による未
解撚部を発生させ、SZ交互撚構造が形成されるもので
ある。しかしながら、このような仮撚加工糸からなる布
帛は嵩高性、シャリ感に優れているものの、張り腰が強
すぎ、ドレープ性に劣る欠点を持ち、また前記加工糸は
数cm以下程度の短ピッチのSZ交互撚構造であるた
め、布帛に紡績糸調の表面斑感を与えることができな
い。
【0007】そこで、例えば特公平3−17934号公
報、特公平3−66409号公報、特公平3−7564
8公報等には、長ピッチのSZ交互撚が形成される仮撚
加工糸及びその製造方法が提案されている。特公平3−
17934号公報及び特公平3−75648公報によれ
ば、供給ローラーはノズルへの流体の供給及び停止と連
動して可変速する機能を有すると共に、仮撚の加撚−解
撚の撚相殺時に起きる過渡現象を応用した製造方法によ
り、メートルオーダーの長ピッチのSZ交互撚を有する
仮撚加工糸が得られる。
【0008】また、特公平3−66409号公報には、
ポリエステルマルチフィラメントをヒーターと仮撚ノズ
ルとからなる非定常仮撚ゾーンに通し、前記ノズルに流
体を間歇的に供給することによって糸条の一方向旋回、
停止を繰り返し、仮撚の過渡現象を利用して、長さが5
0cm以上の未解撚部と過解撚部とを交互に有するポリ
エステル加工糸を製造することが開示されている。
【0009】しかしながら、これらの方法による仮撚加
工糸は、いずれも集束部を構成する未解撚部及び過解撚
部の撚密度が低く、しかも、逆方向の撚を有する未解撚
部と過解撚部とが隣り合って存在するためにそれらの撚
が相殺され、また嵩高な捲縮部が存在し易いためシャリ
感にも劣るものであった。
【0010】本発明は、かかる従来の問題点を解消し、
嵩高性でありながら優れたシャリ感とドレープ性を併せ
持ち、かつ紡績糸調の斑感、表面変化に富んだ布帛を供
することのできる強撚糸調仮撚加工糸及びその製造方法
を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、糸条長手方向に集束部と嵩高捲縮部とを
交互に有すると共に、前記集束部は仮撚加撚方向の撚を
有する未解撚部、又は仮撚解撚方向の撚を有する過解撚
部からなる仮撚加工糸であって、前記集束部が糸条全体
の80%以上を占め、前記集束部のうち60%以上の集
束部が前記未解撚部であり、同未解撚部が糸条全体の4
0%以上を占有していることを特徴とする強撚糸調仮撚
加工糸を主要な構成としている。
【0012】前記集束部が糸条全体に対して80%未満
であると、嵩高捲縮部の占める割合が多くなり、膨らみ
の多い嵩高糸調の風合いとなってしまい、強撚糸調の風
合いが低減される。また、前記未解撚部を前記集束部の
60%以上で且つ糸条全体の40%以上とすることによ
り、強撚糸調の風合いが更に強まる。なお、前記解撚部
は糸条全体の50%以上であることが望ましい。
【0013】前記集束部及び前記嵩高捲縮部の長さ分布
がランダムであり、前記集束部の最長部分が80〜14
0cm、前記嵩高捲縮部の長さは30cm以下であり、
前記未解撚部と前記嵩高捲縮部との繰り返し単位を含ん
でいることが好ましく、その場合には、嵩高性でありな
がらシャリ感とドレープ性を併せ持ち、かつ紡績糸調の
斑感、表面変化に富んだ布帛を供する強撚糸調仮撚加工
糸とすることができる。前記集束部及び前記嵩高捲縮部
の長さ分布がランダムでなくその分布に周期性がある場
合には、織編成された布帛に模様が形成され好ましくな
い。さらに前記集束部の最長部分が80cm未満であ
り、或いは前記嵩高捲縮部の長さが30cm以上である
と紡績糸調の表面斑感が得られない。
【0014】更に、本発明は1以上の熱可塑性糸条に先
撚を施した糸条を供給すること、同供給糸の撚方向と同
一の方向に、仮撚スピンドルを停止することなく連続し
て回転させること、並びに前記仮撚スピンドルの回転が
加速及び減速とを繰り返して行われることを含む上述し
た強撚糸調仮撚加工糸の製造方法を他の主要な構成とし
ている。
【0015】本発明のように供給糸に先撚を施すことに
より、仮撚加工時の撚係数が高くなり、未解撚部と嵩高
捲縮部との繰り返し単位を有し、未解撚部の撚密度が高
い上述したような強撚糸調仮撚加工糸が得られ、同加工
糸により織編成された布帛は優れたシャリ風合いをも
つ。
【0016】前記仮撚スピンドルは回転を停止すること
なく、同方向に加速、減速を瞬時に繰り返すため、仮撚
が施された糸条には実撚を残存することができる。この
ように仮撚スピンドルを停止する必要がないため、モー
ター負荷が軽減され実用的である。また、仮撚スピンド
ルの回転を加速及び減速し、即ち、前記仮撚スピンドル
の回転数を増加及び減少させる繰り返し操作を、例えば
パルス信号によってランダムに行うことにより、同スピ
ンドルの加速回転及び減速回転の切換を瞬時に行うこと
が可能である。
【0017】前記仮撚スピンドルの加速回転及び減速回
転の切換え時間を0.5〜2秒の間でランダムに変動さ
せることが好ましい。この仮撚スピンドルの加速回転及
び減速回転の切換え時間は集束部の長さに関係する。つ
まり、切換え時間が0.5秒未満であると長ピッチの撚
部の長さが短くなり、残存撚数の維持が困難となり、嵩
高捲縮部の割合も多くなる。一方、前記切換え時間が2
秒を越えると長ピッチの撚部が定常仮撚状態まで変化し
てしまう。そのため、自然なシャリ感、斑感、ドレープ
性を得るためには前記切換え時間を0.5〜2秒の間で
ランダムに変動させりことが好ましい。
【0018】なお、本発明のように仮撚スピンドルの回
転の加速及び減速を、同スピンドルを停止することなく
繰り返しても、糸条の加撚数と解撚数が等しくなる点が
瞬時ではあるが発生してしまう。この点が無撚捲縮部と
なり撚方向の変換部となる。この無撚捲縮部は嵩高であ
り後工程の通過性を悪くし、シャリ風合いが不足する要
因となるため好ましくない。この無撚捲縮部の発現を防
ぐために、本発明では供給糸に先撚を施すものである。
更に、この先撚を施すことにより、未解撚部の割合が増
加すると共に、撚密度も向上するといった効果も得られ
る。
【0019】更に、前記供給糸に施される先撚の撚数が
300T/m以上であり、仮撚加工時における前記仮撚
スピンドルの加速回転及び減速回転に伴う仮撚数の変動
範囲が17,000/D1/2 以上であることが望まし
く、前記撚数は350T/m以上がより望ましい。前記
撚数が300T/m以下であると未解撚部の割合が少な
くなり、実撚部の撚密度が低くなり、強撚糸調の風合い
が低減される。また、仮撚数の変動範囲が狭い場合には
加工糸の捲縮嵩高部の割合が多くなり、かかる加工糸か
ら得られた布帛はシャリ風合いに劣り、また、紡績糸調
の斑感も損なうこととなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発
明の強撚糸調仮撚加工糸の一例を示すモデル図である。
強撚糸調仮撚加工糸10は、仮撚加撚方向の撚を有する
未解撚部(A)と、仮撚解撚方向の撚を有する過解撚部
(B)と、嵩高捲縮部(C)とからなり、前記未解撚部
(A)及び過解撚部(B)が本発明の集束部を構成して
いる。
【0021】前記仮撚加工糸10は前記未解撚部(A)
又は前記過解撚部(B)からなる集束部と前記嵩高捲縮
部(C)とが、例えば、−A−C−A−C−B−C−A
−C−のように交互に配されている。なお、本発明にあ
っては前記集束部は前記未解撚部(A)と前記過解撚部
(B)とを交互に配することなくランダムに配してお
り、即ち、前記集束部の撚方向がSZ交互に出現しては
いない。そのため、従来技術に提案されたSZ交互撚糸
のように、隣り合う未解撚部と過解撚部とが、トルク方
向が逆方向であるために互いの撚が相殺され、集束部の
撚密度が低くなり、其れに伴って集束部と嵩高捲縮部と
の格差が少なくなり、意匠効果に劣るといった不都合が
生じることはない。
【0022】また、前記集束部は仮撚加工糸10の全体
の80%以上を占め、さらに前記集束部のうち60%以
上が前記未解撚部(A)であり、かつ同未解撚部(A)
が前記加工糸10の全体の40%以上である。このよう
に前記加工糸10は嵩高捲縮部(C)の割合が少ないた
め、膨らみが抑えられ強撚糸調の風合いが増す。また特
に同集束部(A,B)における未解撚部(A)の割合が
60%以上であるため、その強撚糸調の風合いが更に強
調される。
【0023】前記集束部(A,B)及び嵩高捲縮部
(C)の長さ分布がランダムであり、前記集束部(A,
B)の最長部分が80〜140cm、嵩高捲縮部(C)
の長さが30cm以下である。そのため、同加工糸10
をら織編成して得られた布帛は、嵩高性でありながらシ
ャリ感とドレープ性を併せ持ち、かつ紡績糸調の斑感、
表面変化に富んだものとなる。
【0024】次に、上述した仮撚加工糸10を製造する
方法の一例について、図2に示す仮撚加工機の概略図を
参照して説明する。1本又は複数本の熱可塑性原糸に先
撚を施した糸条1をフィ−ドローラー2により供給し、
同糸条1に第1ヒーター3により所定の熱処理を施しな
がら、仮撚スピンドル4により仮撚加工を施す。次いで
第1デリベリーローラー5を経由して第2ヒーター6に
より弛緩熱セットを行い、第2デリベリーローラー7を
経由してワインダー8に巻き取る。
【0025】ここで、前記仮撚スピンドル4は停止する
ことなく連続して回転されると共に、その回転が加速及
び減速とを繰り返して行われるため、同仮撚スピンドル
4のモーター負荷が著しく軽減される。また、前記仮撚
スピンドル4の加速回転及び減速回転の切換え時間は
0.5〜2秒の範囲でランダムに変動されが、この仮撚
スピンドル4の加速回転及び減速回転の切り換えは、同
スピンドル4の回転数の増加及び減少をパルス信号によ
り切り換えることによりなされるため、その切換えを瞬
時に行うことができる。
【0026】一般的な仮撚加工の場合、前記仮撚スピン
ドル4の加撚数と解撚数とは等しく、前記仮撚スピンド
ル4と前記第1デリベリーローラー5との間を走行する
糸条は無撚の捲縮状態となる。しかし、前記仮撚スピン
ドル4の回転数を瞬時に減少させることにより、前記フ
ィードローラー2と前記仮撚スピンドル4との間を走行
する糸条は所定の仮撚数状態にある加撚状態部(D)に
おいて解撚数が減少し、同加撚状態部(D)には加撚方
向の実撚が残存することになる。なお、糸条は走行して
いるため残存する未解撚の撚りは減少し、スピンドル4
の回転数が一定となれば解撚数と等しく定常の仮撚状態
となる。次いで加撚状態部(D)の加撚数が低い状態
で、仮撚スピンドル4の回転数を瞬時に増加させること
により解撚数が増加し、仮撚状態部(D)の保有する撚
数以上を解撚することとなり、前記仮撚スピンドル4と
前記第1デリベリーローラー5との間を走行する糸条は
解撚状態部(E)において解撚方向の実撚が残存するこ
ととなる。
【0027】以下、本発明について実施例及び比較例を
参照して具体的に説明する。なお、実施例及び比較例で
は、図2に示す仮撚加工機における仮撚スピンドル4と
してランダムに信号を制御可能なサーボモーター駆動方
式のものを採用した三菱重工製の2ヒーター仮撚加工機
を使用し、前記仮撚スピンドル4の加速回転及び減速回
転の切換え時間を1〜2秒の範囲でランダムに変更して
いる。
【0028】(実施例1)150デニール/60フィラ
メントのアクリル長繊維にZ方向に500T/mの先撚
を施した糸条を供給糸とし、第1ヒーター温度を190
℃、フィードローラー2と第1デリベリローラー5との
間のオーバーフィード率を−7.5%、第1デリベリー
ローラー5の速度を40m/min、第2ヒーター温度
を170℃、第1及び第2デリベリローラー5,7間の
オーバーフィード率を+10%、仮撚スピンドル4の仮
撚数変動範囲を800〜2500T/m(Z方向)で仮
撚加工を行った。得られた仮撚加工糸は、未解撚部又は
過解撚部からなる集束部と嵩高捲縮部とが交互に発現
し、それらの長さ分布がランダムであり、集束部の最長
部分は113.4cmであり、嵩高捲縮部は最長で2
6.4cmであった。糸条全体に対する集束部の占有率
は82.1%であり、同集束部のうち62.9%が未解
撚部で、同未解撚部は糸条全体の51.6%を占めてい
た。この仮撚加工糸を用いて20G筒編み機で編み地に
し、105℃で染色したところ、この編み地は嵩高性で
ありながらシャリ感とドレープ性を併せ持ち、かつ紡績
糸調の斑感、表面変化に富んだ強撚糸調のものであっ
た。
【0029】(実施例2)仮撚スピンドル4の仮撚数変
動範囲500〜2200T/m(Z方向)とし、実施例
1と同様に仮撚加工を行った。得られた仮撚加工糸は、
未解撚部又は過解撚部からなる集束部と嵩高捲縮部とが
交互に発現し、それらの長さ分布がランダムであり、集
束部の最長部分は111.2cmであり、嵩高捲縮部は
最長で27.5cmであった。糸条全体に対する集束部
の占有率が81.9%であり、同集束部のうち62.6
%が未解撚部で、同未解撚部は糸条全体の51.3%を
占めていた。この仮撚加工糸を用いて20G筒編み機で
編み地にし、105℃で染色したところ、この編み地は
嵩高性でありながらシャリ感とドレープ性を併せ持ち、
かつ紡績糸調の斑感、表面変化に富んだ強撚糸調のもの
であった。
【0030】(実施例3)50デニール/72フィラメ
ントのポリエステル延伸糸と、100デニール/64フ
ィラメントのトリアセテート糸をZ方向に500T/m
にて合撚した糸条を供給糸とし、第1ヒーターの温度を
180℃、フィードローラー2と第1デリベリローラー
5との間のオーバーフィード率を+2%として、上記実
施例1と同様に仮撚加工を行った。得られた仮撚加工糸
は、未解撚部又は過解撚部からなる集束部と嵩高捲縮部
とを交互に有し、それらの長さ分布がランダムであり、
集束部の最長部分は103.7cmであり、嵩高捲縮部
は最長で23.7cmであった。糸条全長に対する集束
部の占有率が83.1%であり、同集束部のうち64.
9%が未解撚部で、同未解撚部は糸条全体の53.9%
を占めていた。この仮撚加工糸を用いて20G筒編み機
で編み地にし、120℃で染色したところ、この編み地
は嵩高性でありながらシャリ感とドレープ性を併せ持
ち、かつ紡績糸調の斑感、表面変化に富んだ強撚糸調の
ものであった。
【0031】(比較例1)150デニール/60フィラ
メントのアクリル長繊維にS方向に200T/mの先撚
を施した糸条を供給糸とし、仮撚スピンドル4の仮撚数
変動範囲を800〜2500T/m(S方向)として、
実施例1と同様に仮撚加工を行った。得られた仮撚加工
糸は、未解撚部又は過解撚部からなる集束部と嵩高捲縮
部を交互に有し、それらの長さ分布がランダムであり、
集束部の最長部分は115.0cm、嵩高捲縮部は最長
で23.0cmであった。糸条全体に対する集束部の占
有率は75.9%と本発明の範囲よりも少なく、同集束
部のうち53.4%が未解撚部で、同未解撚部は糸条全
長の40.5%を占めていた。この仮撚加工糸を用いて
20G筒編み機で編み地にし、105℃で染色したとこ
ろ、この編み地は嵩高性があり、紡績糸調の斑感、表面
変化に富んだものであったが、シャリ風合いに劣るもの
であった。
【0032】(比較例2)150デニール/60フィラ
メントのアクリル長繊維にZ方向に500T/mの先撚
を施した糸条を供給糸とし、仮撚スピンドル4の仮撚数
変動範囲1200〜2500T/m(Z方向)として、
実施例1と同様に仮撚加工を行った。得られた仮撚加工
糸は、未解撚部又は過解撚部からなる集束部と嵩高捲縮
部とを交互に有し、それらの長さ分布がランダムであ
り、集束部の最長部分は111.2cmで、嵩高捲縮部
は最長で27.5cmであった。糸条全体に対する集束
部の占有率は73.2%と本発明の範囲よりも少なく、
集束部のうち57.5%が未解撚部で、同未解撚部は糸
条全体の42.2%を占めていた。この仮撚加工糸を用
いて20G筒編み機で編み地にし、105℃で染色した
ところ、この編み地は嵩高性があるものの、意匠性に乏
しく、またシャリ風合いにも劣るものであった。
【0033】(比較例3)150デニール/60フィラ
メントのアクリル長繊維を先撚を施さずに供給糸とし、
実施例1と同様に仮撚加工を行った。得られた仮撚加工
糸は、未解撚部又は過解撚部からなる集束部と嵩高捲縮
部とを交互に有し、それらの長さ分布がランダムであ
り、集束部の最長部分が112.6cm、嵩高捲縮部は
最長で26.9cmであった。糸条全体に対する集束部
の占有率は72.8%と本発明の範囲よりも少なく、集
束部のうち48.6%が未解撚部であり、同未解撚部は
糸条全体の35.4%しかなく、本発明の範囲よりも少
ないものであった。この仮撚加工糸を用いて20G筒編
み機で編み地にし、105℃で染色したところ、前記編
み地は嵩高性があり、紡績糸調の斑感、表面変化に富ん
だものであったが、シャリ風合いに劣るものであった。
【0034】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の仮撚加
工糸の製造方法によれば、供給糸に仮撚方向と同方向の
先撚を施し、更に、仮撚スピンドルを停止することなく
連続して回転させると共に、前記仮撚スピンドルの回転
が加速及び減速とを繰り返して行われることにより、未
解撚部の割合及び撚密度が向上した強撚糸調仮撚加工糸
を効率よく製造することが可能となる。また、同加工糸
から得られる布帛は、嵩高性でありながら優れたシャリ
感、ドライ感、ドレープ性、紡績糸調の斑感、表面変化
に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強撚糸調仮撚加工糸の一例を示すモデ
ル図である。
【図2】本発明の強撚糸調仮撚加工糸の製造に使用され
る仮撚加工機の概略図である。
【符号の説明】
1 供給糸 2 フィードローラー 3 第1ヒーター 4 仮撚スピンドル 5 第1デリベリーローラー 6 第2ヒーター 7 第2デリベリーローラー 8 ワインダー 10 仮撚加工糸 A 未解撚部 B 過解撚部 C 嵩高捲縮部 D 加撚状態部 E 解撚状態部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸条長手方向に集束部と嵩高捲縮部とを交
    互に有すると共に、前記集束部は仮撚加撚方向の撚を有
    する未解撚部、又は仮撚解撚方向の撚を有する過解撚部
    からなる仮撚加工糸であって、 前記集束部が糸条全体の80%以上を占め、前記集束部
    のうち60%以上の集束部が前記未解撚部であり、同未
    解撚部が糸条全体の40%以上を占有していることを特
    徴とする強撚糸調仮撚加工糸。
  2. 【請求項2】前記集束部及び前記嵩高捲縮部の長さ分布
    がランダムであり、前記集束部の最長部分が80〜14
    0cm、前記嵩高捲縮部の長さは30cm以下であり、
    前記未解撚部と前記嵩高捲縮部との繰り返し単位を含ん
    でなる請求項1記載の強撚糸調仮撚加工糸。
  3. 【請求項3】1以上の熱可塑性糸条に先撚を施した糸条
    を供給すること、同供給糸の撚方向と同一の方向に、仮
    撚スピンドルを停止することなく連続して回転させるこ
    と、並びに前記仮撚スピンドルの回転が加速及び減速と
    を繰り返して行われることを含む請求項1又は2記載の
    強撚糸調仮撚加工糸の製造方法。
  4. 【請求項4】前記仮撚スピンドルの加速回転及び減速回
    転の切換え時間を0.5〜2秒の間でランダムに変動さ
    せる請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記供給糸に施される先撚の撚数が300
    T/m以上であり、仮撚加工時における前記仮撚スピン
    ドルの加速回転及び減速回転に伴う仮撚数の変動範囲が
    17,000/D1/2 以上である請求項3又は4記載の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007162180A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Mitsubishi Rayon Co Ltd 仮撚加工糸及び織編物、並びに仮撚加工糸の製造方法
JP2007211364A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Unitica Fibers Ltd 非融着ファンシーヤーン、織編物及びその製造方法
JP2014025162A (ja) * 2012-07-26 2014-02-06 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd 複合仮撚加工糸及びその織物並びに複合仮撚加工糸の製造方法

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