JP2014025162A - 複合仮撚加工糸及びその織物並びに複合仮撚加工糸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単糸繊度が0.5〜2dtexのセルロース系フィラメント糸条をA成分、融点が230〜245℃の高配向未延伸ポリエステルフィラント糸条または芯を融点250〜260℃のポリエチレンテレフタレート、鞘を融点150〜200℃のポリエステルとする芯鞘複合繊維のフィラメント糸条をB成分とし、B成分の周囲にA成分が存在し各撚部での撚数の変動したSZ交互撚りが形成され、糸断面においてB成分の少なくとも一部に膠着部のある複合仮撚加工糸を、特定仮撚温度で、仮撚スピンドル回転数を極短い周期で変動する条件下で仮撚加工して得る。
【選択図】なし
Description
(1)仮撚温度をポリエステル系フィラメント糸条の一部が膠着する温度以上で、かつポリエステル系フィラメント糸条の表面が融解しモノフィラメント状になる温度未満とする。
(2)仮撚係数Kが15000〜35000の範囲で仮撚スピンドル回転数を周期的に変動させる。ただし、仮撚係数Kは、次式で算出される値である。
仮撚係数K=T×√D (T:仮撚数(T/m)、D:糸繊度(dtex))
(3)仮撚スピンドル回転数の変動周期を0.2〜2秒の範囲でランダムに変動させる。
本発明の複合仮撚加工糸は、A成分のフィラメント糸条とB成分のフィラメント糸条から構成され、A成分のフィラメント糸条をセルロース系フィラメント糸条、B成分のフィラメント糸条をポリエステル系フィラメント糸条とするものである。本発明において、A成分とするセルロース系フィラメント糸条としては、セルロースジアセテート繊維、セルローストリアセテート繊維のセルロースフィラメント糸条が挙げられ、特に好ましくいセルロース系フィラメント糸条は、公定水分率の低いセルローストリアセテートフィラメント糸条である。また本発明において、セルロース系フィラメント糸条は、その単糸繊度が0.5〜2dtexであることがソフト感、適度な毛羽を得るうえで必須であり、好ましく単糸繊度が0.5〜1.8dtexである。
本発明における複合仮撚加工糸の製造には、2本以上の複数種のフィラメント糸条を、引き揃え、ガイドを介して供給ローラーにより仮撚加撚工程に供給し、ヒーターと仮撚スピンドルとで仮撚加撚加工し、引取りローラーで引き取り、巻き取る方式の仮撚加工を用いる。
(1)仮撚温度をポリエステル系フィラメント糸条の一部が膠着する温度以上で、かつポリエステル系フィラメント糸条の表面が融解しモノフィラメント状になる温度未満とする。
(2)仮撚係数Kが15000〜35000の範囲で仮撚スピンドル回転数を周期的に変動させる。ただし、仮撚係数Kは、次式で算出される値である。
仮撚係数K=T×√D (T:仮撚数(T/m)、D:糸繊度(dtex))
(3)仮撚スピンドル回転数の変動周期を0.2〜2秒、好ましくは0.4〜1.0秒のの範囲でランダムに変動させる。
(4)mpx−30℃≦仮撚温度(℃)≦mpx−15℃(ただし、mpxは、高配向未延伸ポリエステルフィラント糸条の融点(℃)を示す。)
また、B成分のポリエステル系フィラメント糸条として芯部を融点250〜260℃のポリエチレンテレフタレート、鞘部を融点150〜200℃のポリエステルとする芯鞘複合繊維のフィラメント糸条を用いる場合は、仮撚温度を下記条件(5)を満足する温度とする。
(5)mpy−30℃≦仮撚温度(℃)≦mpy+10℃(ただし、mpyは、芯鞘複合繊維の鞘部のポリエステルの融点(℃)を示す。)
加工糸を綛にとり、30分の沸水処理をした糸で、初荷重50cN、最終荷重1500cN、圧縮面積10cm2の条件で、JIS L1013B法に準拠して測定した。
〈剛軟性〉
加工糸を綛にとり、初荷重0.003g/dtexをかけた状態で30分の沸水処理をした糸で、JIS L1096A法に準拠して測定した。
加工糸を経緯糸に用いて綾織組織に製織した織物にて、風合い、外観、染色性等をハンドリングと目視によって評価した。
〈融点(mp)〉
示差走査型熱量計(セイコー電子工業社製、DSC220)を用い、昇温速度10℃/分で測定した。
単糸繊度1.7dtexのセルローストリアセテート(以下、トリアセテートと略記)フィラメント糸条(三菱レイヨン社製、ブライト110dtex/64f、単糸菊型断面、公定水分率3.5%、A1成分)1本と、ポリエチレンテレフタレートからなる融点が233℃の高配向未延伸ポリエステルフィラメント糸条(ユニチカファイバー社製、ブライト56dtex/12f、単糸丸断面、B1成分)1本と、ポリエチレンテレフタレートからなる融点が256℃のポリエステルフィラメント糸条(三菱レイヨン社製、セミダル22dtex/12f、単糸丸断面、C1成分)1本とを引き揃え、仮撚加工機にて、仮撚温度210℃、仮撚数1700〜2200T/m、Z撚、仮撚スピンドル変動周期0.4〜1.0秒の条件下で仮撚加工を行って複合仮撚加工糸を得た。
実施例1で用いたと同じトリアセテートフィラメント糸条(A1成分)1本と、芯部が融点256℃のポリエチレンテレフタレート、鞘部が融点180℃の改質ポリエチレンテレフタレートの芯鞘複合繊維フィラメント糸条(ユニチカファイバー社製、ブライト56dtex/24f、単糸丸断面、B2成分)1本とを引き揃え、仮撚加工機にて、仮撚温度180℃、仮撚数1700〜2200T/m、Z撚、仮撚スピンドル変動周期0.4〜1.0秒の条件下で仮撚加工を行って複合仮撚加工糸を得た。
実施例1で用いたと同じトリアセテートフィラメント糸条(A1成分)1本と、実施例2で用いたと同じ芯鞘複合繊維のフィラメント糸条(B2成分)1本と、ポリエチレンテレフタレートからなる融点が257℃のポリエステルシックアンドシンフィラメント糸条(東レ社製、ブライト56dtex/24f、単糸丸断面、C2成分)1本とを引き揃え、仮撚加工機にて、仮撚温度170℃、仮撚数1400〜1900T/m、Z撚、仮撚スピンドル変動周期0.4〜1.0秒の条件下で仮撚加工を行って複合仮撚加工糸を得た。
単糸繊度1.7dtexのトリアセテートフィラメント糸条(三菱レイヨン社製、ブライト66dtex/40f、単糸菊型断面、公定水分率3.5%、A2成分)1本と、実施例2で用いたと同じ芯鞘複合繊維のフィラメント糸条(B2成分)1本とを引き揃え、仮撚加工機にて、仮撚温度160℃、仮撚数2000〜2500T/m、Z撚、仮撚スピンドル変動周期0.4〜1.0秒の条件下で仮撚加工を行って複合仮撚加工糸を得た。
単糸繊度7dtexのトリアセテートフィラメント糸条(三菱レイヨン社製、ブライト167dtex/24f、単糸菊型断面、公定水分率3.5%、a1成分)1本と、ポリエチレンテレフタレートからなる融点が256℃の高配向未延伸ポリエステルフィラメント糸条(三菱レイヨン社製、セミダル90dtex/36f、単糸丸断面、b1成分)1本とを引き揃え、2ヒーター型仮撚加工機にて、第1ヒーター温度180℃、第2ヒーター温度190℃、仮撚数500〜2800T/m、Z撚、仮撚スピンドル変動周期1.0〜2.0秒の条件下で仮撚加工を行って複合仮撚加工糸を得た。
単糸繊度4.2dtexのトリアセテートフィラメント糸条(三菱レイヨン社製、ブライト83dtex/20f、単糸菊型断面、公定水分率3.5%、a2成分)1本と、比較例1で用いたと同じ高配向未延伸ポリエステルフィラメント糸条(b1成分)1本とを引き揃え、2ヒーター型仮撚加工機にて、第1ヒーター温度220℃、第2ヒーター温度220℃、仮撚数2200T/m、Z撚の条件下で仮撚加工を行って複合仮撚加工糸を得た。
Claims (12)
- A成分の糸条とB成分の糸条とで構成され、A成分が単糸繊度0.5〜2dtexのセルロース系フィラメント糸条であり、B成分がポリエステル系フィラメント糸条であり、B成分の周囲にA成分が存在し、撚数(T/m)の変動したSZ交互撚りが形成された複合仮撚加工糸であって、糸長手方向と直角方向の糸断面においてB成分の少なくとも一部に膠着部を有する複合仮撚加工糸。
- B成分が融点が230〜245℃の高配向未延伸ポリエステルフィラント糸条である請求項1に記載の複合仮撚加工糸。
- B成分が芯部を融点250〜260℃のポリエチレンテレフタレート、鞘部を融点150〜200℃のポリエステルとする芯鞘複合繊維からなるフィラメント糸条である請求項1に記載の複合仮撚加工糸。
- 膠着部がA成分の一部を含んで形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合仮撚加工糸。
- 融点250〜260℃のポリエチレンテレフタレートフィラメント糸条をC成分として含んでいる請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合仮撚加工糸。
- A成分のセルロース系フィラメント糸条が、セルローストリアセテートフィラメント糸条である請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合仮撚加工糸。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合仮撚加工糸が、20質量%以上含まれ、かつ織物表面全体にわたり存在する織物。
- 単糸繊度が0.5〜2dtexのセルロース系フィラメント糸条をA成分
、ポリエステル系フィラメント糸条をB成分とし、A成分とB成分とを引き揃え、以下の条件(1)〜(3)を満足するように仮撚加工する複合仮撚加工糸の製造方法。
(1)仮撚温度をポリエステル系フィラメント糸条の一部が膠着する温度以上で、かつポリエステル系フィラメント糸条の表面が融解しモノフィラメント状になる温度未満とする。
(2)仮撚係数Kが15000〜35000の範囲で仮撚スピンドル回転数を周期的に変動させる。ただし、仮撚係数Kは、次式で算出される値である。
仮撚係数K=T×√D (T:仮撚数(T/m)、D:糸繊度(dtex))
(3)仮撚スピンドル回転数の変動周期を0.2〜2秒の範囲でランダムに変動させる。 - 融点が230〜245℃の高配向未延伸ポリエステルフィラント糸条をB成分として用い、仮撚温度を以下の条件(4)を満足する温度とする請求項8に記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
(4)mpx−30℃≦仮撚温度(℃)≦mpx−15℃
ただし、mpxは、高配向未延伸ポリエステルフィラント糸条の融点(℃)を示す。 - 芯部を融点250〜260℃のポリエチレンテレフタレート、鞘部を融点150〜200℃のポリエステルとする芯鞘複合繊維からなるフィラメント糸条をB成分として用い、仮撚温度を以下の条件(5)を満足する温度とする請求項8に記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
(5)mpy−30℃≦仮撚温度(℃)≦mpy+10℃
ただし、mpyは、芯鞘複合繊維の鞘部のポリエステルの融点(℃)を示す。 - 融点250〜260℃のポリエチレンテレフタレートフィラメント糸条をC成分とし、A成分、B成分及びC成分を引き揃えて仮撚加工する請求項8〜10のいずれか一項に記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
- A成分のセルロース系フィラメント糸条として、セルローストリアセテートフィラメント糸条を用いる請求項8〜11のいずれか一項に記載の複合仮撚加工糸の製造方法。
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CN113050568A (zh) * | 2017-02-22 | 2021-06-29 | 苏州普力玛智能电子有限公司 | 一种假捻丝的质量监测方法及监测系统 |
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---|---|---|---|---|
JPH10325026A (ja) * | 1997-05-20 | 1998-12-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | アセテート強撚糸調複合仮撚加工糸およびそれを用いた織編物 |
JPH11200168A (ja) * | 1998-01-13 | 1999-07-27 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 強撚糸調仮撚加工糸及びその製造方法 |
JP2002030532A (ja) * | 2000-07-18 | 2002-01-31 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 仮撚加工糸及びその製造方法並びに織編物 |
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- 2012-07-26 JP JP2012165454A patent/JP6015197B2/ja active Active
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