JPH10325026A - アセテート強撚糸調複合仮撚加工糸およびそれを用いた織編物 - Google Patents

アセテート強撚糸調複合仮撚加工糸およびそれを用いた織編物

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JPH10325026A
JPH10325026A JP12966697A JP12966697A JPH10325026A JP H10325026 A JPH10325026 A JP H10325026A JP 12966697 A JP12966697 A JP 12966697A JP 12966697 A JP12966697 A JP 12966697A JP H10325026 A JPH10325026 A JP H10325026A
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twist
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庄次 金谷
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多美子 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊細なシャリ感や優れたドレープ性を持ち、
かつソフトで嵩高な風合いを併せ持ち、織編物に紡績糸
調の表面斑感を与えるアセテート強撚糸調複合仮撚加工
糸を提供する。 【解決手段】 アセテート糸を含むマルチフィラメント
糸条にSZ交互撚りが加撚されたアセテート複合仮燃加
工糸において、40〜150cmの未解撚部1と40〜
150cmの過解撚部2とが繊維長手方向に沿って交互
に形成され、未解撚部1及び/又は過解撚部2の芯部の
少なくとも一部に融着部が形成され、未解撚部1と過解
撚部2との間に、1〜50mmの未解撚部4および1〜
50mmの過解撚部5とを含む5〜30cmの混在構造
部3を有するアセテート強撚糸調複合仮撚加工糸とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊細なシャリ感や優
れたドレープ性を持ち、かつソフトで嵩高な風合いを併
せ持ち、織編物に紡績糸調の表面斑感を与えるアセテー
ト強撚糸調複合仮撚加工糸及びそれを用いた織編物に関
する。
【0002】
【従来の技術】シャリ感、ドライ感、張り腰感を有する
涼感素材は、一般に撚糸機を用いて実撚を付与すること
で得られるが、このような風合いを増す為に設定撚数が
増加することで生産性は低下し、又風合いも粗剛で硬
く、軽量感に乏しいものとなりやすい。一般的にこの織
編物は均一な表面形態を狙う物である。
【0003】そこで、仮撚加工手法により、実撚を残存
させる手法が種々提案されている。通常の定常仮撚加工
において、仮撚スラブを生成せしめる方式、融着温度条
件を用いることで数cm程度以下の短い長さのSZ交互
撚を形成せしめる方式、非定常な仮撚手法によって数十
cm以上の長ピッチSZ交互撚を形成せしめる方式に大
別される。
【0004】仮撚スラブを生成せしめる方式は、例えば
特公昭45−28018号公報や特公昭47−4945
4号公報等数多く提案されており、具体的には芯糸に対
する花糸の供給量を多くし、花糸を芯糸に強く捲回させ
スラブを形成させる手法である。スラブ部の撚り数は加
撚方向撚に固定され解撚されないため、スラブ部以外の
道中部は過解撚状態となり、SZ交互撚が形成される。
しかしこの加工糸は麻調のシャリ風合いを持つが、織編
物に紡績糸調の表面斑感を与えるものではない。
【0005】融着温度条件を用いることで数cm程度以
下の短い長さのSZ交互撚を形成せしめる方式は、例え
ば特開昭52−70143号公報や特開昭56−910
18号公報等提案されており、具体的には仮撚熱固定温
度を融着温度付近の高温条件をとるか、溶融温度が不明
確なアクリルニトリル系合成繊維や溶融温度が低い部分
未延伸糸等を用い高温融着仮撚を行い、フィラメント間
相互の融着により解撚不良が生じ、未解撚部と過解撚部
を形成する手法である。この加工糸は未(過)解撚部が
多い場合シャリ感に優れるが、張り腰が強すぎドレープ
性が劣る欠点を持ち、又数cm程度以下の短い長さのS
Z交互撚である為織編物に紡績糸調の表面斑感を与える
ものではない。未(過)解撚部が少ない場合、嵩高性に
富むが強撚調風合いは得られない。
【0006】非定常な仮撚手法によって数十cm以上の
長い長さのSZ交互撚を形成せしめる方式は、例えば特
公平3−75648号公報や特公平3−17934号公
報、特許第2533084号等に提案されている。具体
的にはエア旋回流を用いて積極的に仮撚数を変化させる
非定常仮撚であるが、この加工糸はSZ撚部のフィラメ
ント間相互の融着が無い為、熱固定性の劣るアセテート
繊維を含む場合、糸の集束性が劣り、製織等張力がかか
る条件下では交互撚の変換部において撚数が相互に打ち
消し合いやすく、又嵩高な無撚部が存在し易いためシャ
リ感不足になりやすい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来の
問題点を解消し、織編物に紡績糸調の表面斑感を付与
し、嵩高でかつシャリ感とドレープ性を併せ持ち、糸の
集束性が良好なアセテート強撚糸調複合仮撚加工糸及び
その織編物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のアセテート強撚糸調複合仮撚加工糸は、アセテート
糸を含むマルチフィラメント糸条にSZ交互撚りが加撚
されたアセテート複合仮撚加工糸において、40〜15
0cmの未解撚部1と40〜150cmの過解撚部2と
が繊維長手方向に沿って交互に形成され、未解撚部1及
び/又は過解撚部2の芯部の少なくとも一部に融着部が
形成され、未解撚部1と過解撚部2との間に、1〜50
mmの未解撚部4および1〜50mmの過解撚部5とを
含む5〜30cmの混在構造部3を有することを特徴と
する。
【0009】本発明によれば、織編物に紡績糸調の表面
斑感を付与し、嵩高でかつシャリ感とドレープ性を併せ
持ち、糸の集束性が良好な強撚糸調複合仮撚加工糸が提
供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。図1は本発明のアセテート強撚糸調複合
仮撚加工糸の一例を示す模式図であり、加撚方向の未解
撚撚り部1、解撚方向の過解撚撚り部2および混在構造
部3を有している。
【0011】混在構造部3は未解撚部4および過解撚部
5を含む。これらの長さはいずれも1〜50mmであ
る。このような長さとすることにより良好な後工程通過
性を得ることができる。
【0012】混在構造部3は、さらに50mm以下の長
さの開繊部6を含んでいてもよい。ここで、開繊部6と
は糸長10mm当たり100T/m以下の実質上の無撚
部のものをいう。
【0013】本発明のアセテート強撚糸調複合仮撚加工
糸は、残撚部の芯部の少なくとも一部に融着部を有す
る。これにより、粗剛ではなく良好なシャリ感と風合い
及び集束性を得ることができる。融着部の形成は、アセ
テート糸と特定の糸を組み合わせることにより達成され
る。
【0014】この特定糸は比較的低温で熱変形しやすい
特性を持つものであり、熱固定性が劣り、糸強度の低い
アセテート糸との複合形態をとっても、強撚状態の残撚
部の一部に融着部を形成することができる。
【0015】本発明のアセテート強撚糸調複合仮撚加工
糸は、例えば特開平8−284033号公報に開示され
ている方法により製造することができる。図2に本発明
の加工糸を製造する装置の一例を示す。本図において2
本以上のマルチフィラメント糸E、Fを引き揃え状態で
マグネットテンサー21に通し一定張力を与え、ガイド
22を通して、第1ヒーター24と仮撚スピンドル25
とで仮撚加工し、第1デリベリローラー26で引き取
る。ついで第2ヒーター27で熱セットし、第2デリベ
リローラー28を通し、捲取り機29で巻き取る。
【0016】通常の仮撚加工の場合、仮撚スピンドルの
加撚数と解撚数は等しく、糸条Hは捲縮状態の無撚部と
なる。これに対し、本発明の仮撚加工糸の製造において
は、仮撚スピンドルの回転を停止することなく同方向に
回転数を瞬時に増減することで実撚りを残存させる。す
なわち、仮撚スピンドル回転数を瞬時に減少させた場合
には加撚方向の未解撚撚りが残存し、仮撚スピンドル回
転数を瞬時に増加させた場合には糸条Hの保有する撚数
以上を解撚することとなり、糸条Gには解撚方向の過解
撚撚りが残存する。
【0017】ここで、仮撚スピンドル回転数を変化させ
た際、仮撚数と解撚数が等しくなる撚方向反転部が発生
する。通常この様な撚方向反転部は、構成繊維の絡みが
少なく糸割れした開繊領域となるため、後工程通過性が
劣ったり、シャリ感不足の原因となる。このため、撚方
向反転部の長さを極力短くすることが望ましい。これ
は、上記のように仮撚スピンドル回転数切り替えを瞬時
に行うことにより達成することができる。これにより、
本発明の仮撚加工糸の特徴である撚方向反転部が短くか
つ構成繊維の絡みが多い構造を実現することができる。
【0018】本発明において、未解撚部から過解撚部へ
の撚り方向変換部には急激な仮撚数減少に伴う瞬間的な
低張力下により混在構造部が形成される。この混在構造
部は、1〜50mmの短い長さの未解撚部および過解撚
部を含む。50mm以下の長さの開繊部を含んでいても
よい。また、過解撚部から未解撚部への撚り方向変換部
では、高撚数条件下で低収縮構成フィラメントであるア
セテート糸がSZ交互巻き付き構造を取る傾向がある。
【0019】本発明における混在構造部3は、5〜30
cm、好ましくは10〜30cmとし、未解撚部1およ
び解撚部2をいずれも40〜150cmとする。これに
より、後工程通過性が向上し、嵩高性を抑制しシャリ感
不足を解消することができる。また、未解撚部1および
過解撚部2の長さの和は、糸条全体の長さに対して70
%以上95%以下であることが好ましく、70%以上9
0%以下とすることがさらに好ましい。この比率が70
%未満であると、混在構造部3の比率が大きくなり、ふ
くらみが多い嵩高糸調の風合いとなって強撚糸調の風合
いが低減される場合がある。一方、95%以上である場
合、嵩高部の異色斑感、ふくらみ感が不足し、比較的お
となしい織編物表面となるため好ましくない。
【0020】未解撚部1、解撚部2および混在構造部3
を上記の長さとするためには、仮撚スピンドル回転数の
切り替え時間を適宜調整することにより達成できる。
【0021】本発明におけるアセテート糸とは、ジアセ
テート、トリアセテート等の半合成繊維をいう。
【0022】本発明で用いるアセテート糸以外のマルチ
フィラメント糸としては、ポリエステル、ポリアミド、
ポリアクリロニトリル等の合成織維マルチフィラメント
糸が用いられ、太細ポリエステル糸、易染性、常圧可染
ポリエステル糸、高配向ポリエステル未延伸糸から選ば
れるいずれか一種以上を含むことが好ましい。加工糸の
集束性、風合いを向上させることができるからである。
【0023】本発明における太細ポリエステル糸は、3
0cm以下の糸斑波長の頻度が45%以上であるシック
部が残留した高分散型の太細ポリエステル糸を用いるこ
とが好ましい。融着構造は融着温度が低いシック部によ
って得られるため、このシック部が適度に分散している
と混在構造での集束性が更に良好となるからである。ま
た、複屈折率0.015〜0.040であるポリエステ
ル未延伸糸を下記(1)〜(5)を満たす条件で2段延
伸して得られるものであることが更に好ましい。 (1)MDR×0.45≦TDR≦MDR×0.55 (2)TDR=DR1×DR2 (3)MDR×0.40≦DR1≦MDR×0.50 (4)HRT≦TC (5)Tg≦HPT≦TC (但し、式中TDRは総延伸倍率、DR1は第1段延伸
倍率、DR2は第2段延伸倍率、MDRは前記ポリエス
テル未延伸糸の最大延伸倍率、HRTは第1段延伸時の
温度(℃)、HPTは第2段延伸時の温度(℃)、TC
は前記ポリエステル未延伸糸の結晶化温度(℃)、Tg
は前記ポリエステル未延伸糸のガラス転移温度(℃)で
ある。)
【0024】本発明における太細ポリエステル糸は以下
の物性を有することが好ましい。すなわち、シック部結
晶化度5〜15%、更に好ましくは10%程度であり、
シン部は18〜28%、更に好ましくは24%程度であ
る。またシック部複屈折率0.015〜0.050%、
更に好ましくは0.020%程度であり、シン部は0.
060〜0.200%、更に好ましくは0.160%程
度である。
【0025】融着構造は融着温度が低いシック部によっ
て得られるため、このシック部の結晶化度が5%以下で
あれば繊維の経時的劣化性が高く実用性に乏しく、また
15%以上であれば融着特性を期待しにくい。また同様
に複屈折率が0.015%以下では繊維の経時的劣化性
が高く実用性に乏しく、また0.050%以上であれば
融着特性を期待しにくい。
【0026】本発明における易染性ないし常圧可染ポリ
エステル糸は、アジピン酸成分を10〜20モル%共重
合させたポリエステル共重合体からなり、下記(1)〜
(3)を満たす常圧可染ポリエステル糸であることが好
ましい。 (1)動的粘弾性測定によるtanδピーク温度が90
℃以上120℃以下である。 (2)分散染料での染色における染着飽和温度が80℃
以上110℃以下である。 (3)DS×DE1/2≧22(但し、DSは繊維強度、
DEは破断伸度を示す)
【0027】tanδピーク温度が90℃以下の場合、
又は分散試料での染色における染着飽和温度が80℃以
下の場合、製糸性が劣るため実用性に乏しい。またta
nδピーク温度が120℃以上の場合、又は分散試料で
の染色における染着飽和温度が110℃以上の場合、ア
セテート強撚糸調複合仮撚加工糸に融着部を得難いた
め、好ましくない。
【0028】また本発明における易染性ないし常圧可染
ポリエステル糸は、下記(1)及び(2)を満たす易染
性ポリエステル糸であることが好ましい。 (1)伸度22〜55%、複屈折率0.08〜0.12
である。 (2)動的粘弾性測定によるtanδピーク温度が10
5℃以上120℃以下で、tanδピーク値が0.13
0以上0.200以下である。 このポリエステル糸は、高速捲取り機で6000m/分
以上の速度で紡糸後直接巻き取られたものであることが
好ましい。
【0029】
【実施例】以下実施例により、本発明を具体的に説明す
る。
【0030】[実施例1]ランダムに信号を制御可能な
サーボモーター駆動方式の仮撚スピンドルを設置した図
2に示す仮撚加工機を用いて、トリアセテート糸(ブラ
イト150d/24f)と太細ポリエステル糸(セミダ
ル100d/72f:ディラメトリ法で測定したガラス
転移点温度71℃、走査熱量計で測定した結晶化温度1
27℃、複屈折率0.020、繊度165d/72fで
あるポリエステル未延伸糸を、第1段階延伸(延伸倍率
1.647、温度100℃)、第2段階延伸(延伸倍率
1.01、温度105℃)して得た糸斑波長30cm以
下の頻度が47%であるシック部が残留した高分散型の
太細ポリエステル糸)を用いて、マグネットテンサーに
よる給糸張力7g/Y(仮撚スピンドル回転数一定
時)、第1ヒーター温度185℃、第1デリベリローラ
ー速度40m/分、第2ヒーター温度290℃、第1デ
リベリローラー/第2デリベリローラー間オーバーフィ
ード率5%、仮撚スピンドル回転数増減範囲500〜2
800T/m(Z撚方向)、仮撚スピンドル回転数切り
替え時間は1〜2秒の範囲でランダムに変更した条件で
仮撚加工を行った。
【0031】得られた本発明の加工糸は、未解撚部1
(Z撚部)及び過解撚部2(S撚部)の長さが60〜1
40cmの範囲であった。また25mm以下の長さの未
解撚部、過解撚部、開繊部の混在構造部3が不規則に1
0〜20cm存在していた。特に開繊部は最大25mm
であり、この時A部及びB部の占める割合は85%であ
った。また本発明の加工糸の芯部に高分散型の太細ポリ
エステル糸が偏在し、残撚り部では特に単フィラメント
毎に高分散したシック部同士が融着していていることを
繊維断面のSEM観察により確認した。得られた加工糸
は、粗剛ではなく良好なシャリ感と風合いを持ち、糸形
態安定性に優れたものであった。この加工糸を用いて、
丸編み機(24G、44inch)で天竺編み物を編成
し、120℃で染色した。この編み物は加工糸の見かけ
太細斑に加えて、高分散した太細ポリエステルに起因し
た濃淡斑を持つため、表面変化に富む紡績糸調の斑感を
有し、ふくらみ感を持ちながら、かつシャリ感とドレー
プ性を併せ持った強撚糸調のシルキースパン編み物であ
った。
【0032】[実施例2]トリアセテート糸(ブライト
150d/24f)と常圧可染ポリエステル糸(セミダ
ル75d/36f:アジピン酸成分16重量%共重合し
たポリエステル共重合体、走査熱量計で測定したガラス
転移点温度47℃、融点220℃、動的粘弾性で測定し
たtanδピーク温度99℃、分散染料での染色におけ
る染着飽和温度が90℃、DS×DE1/2=25.9
(但し、DSは繊維強度、DEは破断伸度を示す)を用
いて、第1ヒーター温度190℃とした以外実施例1と
同様にして加工糸を得た。
【0033】得られた本発明の加工糸は、未解撚部1及
び過解撚部2の長さが45〜125cmの範囲であり、
また1〜30mm以下の長さの未解撚部、過解撚部、開
繊部の混在構造部3が不規則に15〜30cm存在して
おり、特に開繊部は最大30mmであり、この時A部及
びB部の占める割合は75%であった。また本発明の加
工糸の芯部に常圧可染ポリエステル糸が偏在し、残撚り
部では特に芯部で一部融着していた。得られた加工糸
は、粗剛ではなく良好なシャリ感と風合いを持ち、糸形
態安定性に優れたものであった。実施例1と同様に編み
立て、110℃で染色した編み物は、加工糸の見かけ太
細斑に加えて、トリアセテート部が淡色かつ光沢感に富
み、常圧可染ポリエステル糸との色差が明瞭に表現され
ることで、表面変化に富む紡績糸調の斑感を有し、ふく
らみ感を持ちながら、かつシャリ感とドレープ性を併せ
持った強撚糸調のシルキースパン編み物であった。
【0034】[実施例3]トリアセテート糸(ブライト
100d/26f)と超高速紡糸ポリエステル糸である
易染性ポリエステル糸(ブライト50d/36f、旭化
成(株)製)を用いて、第1ヒーター温度190℃、仮
撚スピンドル回転数増減範囲900〜3500T/m
(Z撚方向)とした以外、実施例1と同様にして本加工
糸を得た。
【0035】得られた本発明の加工糸は、未解撚部1
(Z撚部)及び過解撚部2(S撚部)の長さが60〜1
40cmの範囲であった。また50mm以下の長さの未
解撚部、過解撚部、開繊部の混在構造部3が不規則に1
0〜25cm存在していた。特に開繊部は最大50mm
であり、この時A部及びB部の占める割合は72%であ
った。また本発明の加工糸の芯部に易染性ポリエステル
糸が偏在し、残撚り部では特に芯部で一部融着してい
た。得られた加工糸は、粗剛ではなく良好なシャリ感と
風合いを持ち、糸形態安定性に優れたものであった。実
施例1と同様に編み立て、染色した編み物は、表面変化
に富む紡績糸調の斑感を有し、ふくらみ感を持ちなが
ら、かつシャリ感とドレープ性を併せ持った強撚糸調の
シルキースパン編み物であった。
【0036】[実施例4]トリアセテート糸(ブライト
150d/24f)と高配向ポリエステル未延伸糸(セ
ミダル80d/36f:複屈折率0.052)を用い
て、第1ヒーター温度180℃とした以外実施例1と同
様にして本加工糸を得た。
【0037】得られた本発明の加工糸は、未解撚部1
(Z撚部)及び過解撚部2(S撚部)の長さが50〜1
40cmの範囲であった。また40mm以下の長さの未
解撚部、過解撚部、開繊部の混在構造部3が不規則に1
0〜15cm存在していた。特に開繊部は最大25mm
であり、この時A部及びB部の占める割合は80%であ
った。また本発明の加工糸の芯部に高配向ポリエステル
未延伸糸が偏在し、残撚り部では軽度に融着していた。
得られた加工糸は、粗剛ではなく良好なシャリ感と風合
いを持ち、糸形態安定性に優れたものであった。この加
工糸を用いて、丸編み機(24G、44inch)で天
竺編み物を編成し、120℃で染色した。この編み物は
加工糸の見かけ太細斑に加えて、高配向ポリエステル未
延伸糸とトリアセテート糸との濃淡斑を持つため、表面
変化に富む紡績糸調の斑感を有し、ふくらみ感を持ちな
がら、旦つシャリ感とドレープ性を併せ持った強撚糸調
のシルキースパン編み物であった。
【0038】[比較例]トリアセテート糸(ブライト1
50d/24f)とポリエステル延伸糸(セミダル10
0d/48f、強度4.9g/Y、伸度27%)を用い
て、第1ヒーター温度190℃、仮撚スピンドル回転数
切り替え時問は0.5〜1秒の範囲でランダムに変更し
た条件とした以外、実施例1と同様にして本加工糸を得
た。得られた比較例の加工糸は、末解撚部1(Z撚部)
及び過解撚部2(S撚部)の長さが20〜50cmの範
囲であった。また未解撚部、過解撚部、開繊部の混在構
造部3は殆ど糸割れした捲縮嵩高開繊部構造となり、3
0〜60cm存在していた。特に開繊部は最大100m
mであり、この時A部及びB部の占める割合は45%で
あった。またこの加工糸の残撚り部の芯部は融着してお
らず、撚方向反転部は比較的長い糸割れした捲縮嵩高開
繊部構造である為、糸形態安定性に劣るものであった。
実施例1と同様に編み立て、染色した編み物は、紡績糸
調の斑感を有するが、嵩高風合いが強く、シャリ感が劣
る風合いであった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
後工程通過性が良好であり、繊細なシャリ感、優れたド
レープ性を有し、かつソフトで嵩高な風合いを併せ持つ
紡績糸調の表面斑感を有する強撚糸調複合仮撚加工糸が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアセテート強撚糸調複合仮撚加工糸の
一例を示す糸側面模式図である。
【図2】本発明のアセテート強撚糸調複合仮撚加工糸を
製造する装置の一例を示す側面模式図である。
【符号の説明】
1 未解撚部 2 過解撚部 3 1〜50mmの長さの未解撚部、過解撚部、開繊
部の混在構造部 4 1〜50mmの長さの未解撚部 5 1〜50mmの長さの過解撚部 6 1〜50mmの長さの開繊部 21 マグネットテンサー 22、23 ガイド 24 第1ヒーター 25 仮撚スピンドル 26 第1デリベリローラー 27 第2ヒーター 28 第2デリベリローラー 29 捲取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福沢 隆 大阪府大阪市北区天満橋一丁目8番30号 三菱レイヨン株式会社大阪支店内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセテート糸を含むマルチフィラメント
    糸条にSZ交互撚りが加撚されたアセテート複合仮撚加
    工糸において、40〜150cmの未解撚部1と40〜
    150cmの過解撚部2とが繊維長手方向に沿って交互
    に形成され、未解撚部1及び/又は過解撚部2の芯部の
    少なくとも一部に融着部が形成され、未解撚部1と過解
    撚部2との間に、1〜50mmの未解撚部4および1〜
    50mmの過解撚部5とを含む5〜30cmの混在構造
    部3を有することを特徴とするアセテート強撚糸調複合
    仮撚加工糸。
  2. 【請求項2】 未解撚部1および過解撚部2の長さの和
    が、糸条全体の長さに対して70%〜95%である請求
    項1記載の強撚糸調複合仮撚加工糸。
  3. 【請求項3】 前記マルチフィラメント糸条が、太細ポ
    リエステル糸、易染性、常圧可染ポリエステル糸、高配
    向ポリエステル未延伸糸から選ばれるいずれか一種以上
    を含む請求項1または2記載の強撚糸調複合仮撚加工
    糸。
  4. 【請求項4】 前記マルチフィラメント糸条が太細ポリ
    エステル糸を含み、該太細ポリエステル糸が、30cm
    以下の糸斑波長の頻度が45%以上であるシック部が残
    留した太細ポリエステル糸である請求項1または2記載
    のアセテート強撚糸調複合仮撚加工糸。
  5. 【請求項5】 前記太細ポリエステル糸が、複屈折率が
    0.015〜0.040であるポリエステル未延伸糸を
    下記(1)〜(5)を満たす条件で2段延伸して得られ
    た太細ポリエステル糸である請求項4記載のアセテート
    強撚糸調複合仮撚加工糸。 (1)MDR×0.45≦TDR≦MDR×0.55 (2)TDR=DR1×DR2 (3)MDR×0.40≦DR1≦MDR×0.50 (4)HRT≦TC (5)Tg≦HPT≦TC (但し、式中TDRは総延伸倍率、DR1は第1段延伸
    倍率、DR2は第2段延伸倍率、MDRは前記ポリエス
    テル未延伸糸の最大延伸倍率、HRTは第1段延伸時の
    温度(℃)、HPTは第2段延伸時の温度(℃)、TC
    は前記ポリエステル未延伸糸の結晶化温度(℃)、Tg
    は前記ポリエステル未延伸糸のガラス転移温度(℃)で
    ある。)
  6. 【請求項6】 前記マルチフィラメント糸条が常圧可染
    ポリエステル糸を含み、該常圧可染ポリエステル糸が、
    アジピン酸成分を10〜20モル%共重合させたポリエ
    ステル共重合体からなり、下記(1)〜(3)を満たす
    常圧可染ポリエステル糸である請求項1または2記載の
    アセテート強撚糸調複合仮撚加工糸。 (1)動的粘弾性測定によるtanδピーク温度が90
    ℃以上120℃以下である。 (2)分散染料での染色における染着飽和温度が80℃
    以上110℃以下である。 (3)DS×DE1/2≧22(但し、DSは繊維強度、
    DEは破断伸度を示す)
  7. 【請求項7】 前記マルチフィラメント糸条が易染性ポ
    リエステル糸を含み、該易染性ポリエステル糸が、下記
    (1)及び(2)を満たす易染性ポリエステル糸である
    請求項1または2記載のアセテート強撚糸調複合仮撚加
    工糸。 (1)伸度22〜55%、複屈折率0.08〜0.12
    である。 (2)動的粘弾性測定によるtanδピーク温度が10
    5℃以上120℃以下で、tanδピーク値が0.13
    0以上0.200以下である。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7いずれかに記載のアセテ
    ート強撚糸調複合仮撚加工糸を用いた織編物。
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JP2014025162A (ja) * 2012-07-26 2014-02-06 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd 複合仮撚加工糸及びその織物並びに複合仮撚加工糸の製造方法

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