JP3232662B2 - スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法 - Google Patents

スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸条の糸長手方向に集
束した部分と嵩高い部分とが交互に存在するスパン調太
さムラを有する複合仮撚糸の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、伸度の異なる2種以上の糸条を
合糸してフィードローラに供給し、加撚−熱固定−解撚
の仮撚加工を行なうと、加撚ゾーンでは伸度の小なる糸
条は芯部を構成し、伸度の大なる糸条は伸びやすいため
糸条の外層部を取り巻くように加撚され、この状態で熱
固定−解撚を行なうと、伸度の小なる糸条は芯糸とな
り、伸度の大なる糸条がその周りを交互ヨリ状に取り巻
いた複合仮撚糸が得られることが知られている。一方、
この複合仮撚糸は、糸加工速度が速くなると交互ヨリ状
に取り巻いた複合仮撚構造が変化し、それぞれの糸条は
分離してしまうため、特公昭61−19733号公報、
特公昭61−20662号公報、特公昭61−5225
4号公報において、2種以上の糸条を合糸して予め交絡
処理を施した後、フィードローラへ供給し仮撚加工する
複合仮撚糸およびその製造方法が提案されている。これ
らの複合仮撚糸は、スパンライクな外観および風合を有
しているので、秋冬用アウター素材として編織物製品に
採用されてきた。しかしながら、商品多様化や高級化志
向が進む近年におけるニーズは、画一的な外観や風合で
はなく、自然感覚のスパン調太さムラ感やスパンライク
な風合等を要求するものであるが、上記従来の技術では
それらに対応することは困難であった。
【0003】また、糸の長手方向に沿って複屈折率の高
い部分と低い部分とが交互に存在している糸と、糸の長
手方向に沿って均一な複屈折率を有する糸とを引揃えて
同時に仮撚加工する特殊捲縮糸の製法が特開昭55−9
3823号公報に提案されている。しかしながら、得ら
れる糸は未だ画一的な外観・風合であって、自然感覚の
スパン調太さムラ感やスパンライクな風合等を満足する
ものでなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糸条の糸長
手方向における任意の箇所に集束部分と嵩高部分から構
成される自然感覚のスパン調太さムラを有する複合仮撚
の製造方法を提供することを目的とする。さらに詳し
くは、太さや細さ及びそれぞれの部分の長さの組み合せ
により変化に富んだ表面効果、新鮮なスパンライク風
合、スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法
提供するものである。また他の目的は、糸条の糸長手方
向における任意の箇所に集束部分と嵩高部分とを、高精
度で長さを制御し付与することのできるスパン調太さム
ラを有する複合仮撚糸の製造方法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明
のスパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法は、
未延伸糸もしくは半延伸糸からなるフィラメント糸Bの
フィード量を瞬時に増加、減少、または一定となるよう
に変更し得る制御を行ない予め不規則的あるいは規則的
に延伸し、延伸部と未延伸部もしくは半延伸部とが長手
方向に交互に存在するフィラメント糸とした後、延伸糸
からなるフィラメント糸Aと引き揃え、次いで交絡処理
を施して複合交絡フィラメント糸とし、その後加撚−熱
固定−解撚の仮撚加工を行なうことを特徴とするスパン
調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。図1は本
発明に係る複合仮撚糸の一例を示す概略図である。図2
は従来の複合仮撚糸の一例を示す概略図である。
【0007】図1においてイは嵩高部分であり、見掛上
は太く見える部分である。嵩高部分は、フィラメント糸
Aとフィラメント糸Bが仮撚捲縮を有しており、両フィ
ラメント糸が互いに空気処理によって交絡された糸形態
で構成されている。一方、ロは集束部分であり見掛上細
く見える部分である。集束部分は、交絡部分を有する芯
糸と鞘糸であって、芯糸に鞘糸が撚回反転しながら巻き
付いた糸構造であり実質無撚りである。
【0008】集束部分を構成するフィラメント糸Bの未
延伸部もしくは半延伸部は、嵩高部分を構成するフィラ
メント糸Bの延伸部より単糸繊度が大きく、かつ高伸度
の糸であり、芯糸(フィラメント糸A)に緊密に巻き付
いているため、集束部分の繊度は嵩高部分より大きくな
る傾向がある。一方、嵩高部分を構成するフィラメント
糸Bの延伸部は、集束部分を構成するフィラメント糸B
の未延伸部もしくは半延伸部より単糸繊度が小さいの
で、嵩高部分の繊度は集束部分より小さくなるが、捲縮
を有しており嵩高い構造であるため肉眼観察では見掛上
太く見える。本発明の複合仮撚糸において、集束部分の
繊度は嵩高部分の繊度より5%以上大きい糸形態である
ことが好ましい。5%未満では太さムラ感がなくなって
しまうので好ましくない。
【0009】本発明の複合仮撚糸は糸長手方向における
集束部分と嵩高部分の見掛け長さもしくは太さが不規則
的あるいは規則的に変化して存在している。集束部分と
嵩高部分の糸長手方向の見掛け長さ・太さの繰り返しが
より規則的になるほど加工糸は幾何学的あるいは人工的
になる傾向があり、不規則的になるほどより自然なムラ
感を表現することができる。自然なムラ感を表現するた
めには、不規則的に変化して存在するもの、あるいは規
則的に変化する場合で繰り返し単位の長さが長いもの
(例えば、100m以上にわたって繰り返すもの)が好
ましい。また、加工糸の大半が集束部分の糸である場合
には、嵩高部分が特異的に太く見え「太さムラ感」を表
現することができ、逆に加工糸の大半が嵩高部分の糸で
ある場合には集束部分が特異的に細く見え「細さムラ
感」を表現することができる。例えば、嵩高部分の長さ
を1〜10cmとし、集束部分と交互に付与することに
より、通常の紡績糸の様なスパン調太さムラのあるムラ
感を表現することができる。
【0010】糸ムラの大きさはU%において3%以上で
あることが好ましい。U%が3%未満では、ムラ感を織
編製品として表現することができなくなるので好ましく
ない。また、工程安定性の観点よりU%は25%以下で
あることが好ましい。なお、通常の紡績糸ではU%が1
0%前後であり半延伸糸を部分的に延伸したシックアン
ドシン糸では15%前後である。
【0011】本発明においてフィラメント糸は、ポリエ
ステル、ポリアミドなどからなるフィラメント糸を採用
できるが、フィード量設定が広範囲において可能である
ことなどの観点から、ポリエステルフィラメント糸が好
ましい。
【0012】本発明でいう延伸糸とは、通常の紡糸延伸
方法により得られた糸または紡糸速度5000m以上で
引き取られる高速紡糸した糸のことをいう。また、未延
伸糸とは延伸される前の糸で分子鎖がほとんど配向して
いない糸のことであり、半延伸糸とは延伸が十分されて
おらず、分子鎖の配向が不十分である糸のことをいう。
より具体的には、例えばポリエステルフィラメント糸で
あれば、複屈折率△nが100×10-3未満のものが未
延伸糸もしくは半延伸糸に相当し、100×10-3以上
のものが延伸糸に相当する。
【0013】次に、本発明の複合仮撚糸の製造方法につ
いて詳細に説明する。図3は、本発明の複合仮撚糸の製
造方法の一例を示す工程概略図である。未延伸糸あるい
は半延伸糸からなるフィラメント糸2(フィラメント糸
B)を解舒し、瞬時に回転数を変化させることのできる
延伸フィードローラ3へ供給し、仮撚フィードローラ5
との間で不規則的あるいは規則的に延伸加工を予め施
す。延伸フィードローラ3の速度はコンピュータを装備
するフィードローラ駆動制御装置12により制御されて
おり、プログラムソフトの信号によって、不規則的ある
いは規則的に延伸条件を変更することができるようにな
っており、長さや太さを高精度に変更して延伸加工を行
なうことができ、スパン調太さムラを有する加工糸を自
由に設計することができる。ここでいう規則的な延伸加
工とは、フィードローラの回転数がある一定の形の繰返
しからなる入力信号で制御される延伸加工のことをい
い、不規則的な延伸加工とはフィードローラの回転数が
不定形の入力信号で制御される延伸加工のことをいう。
不規則的な延伸加工は、例えば乱数発生装置により任意
に選び出された信号入力波形でフィードローラを制御す
ることにより達成される。
【0014】フィラメント糸Bは延伸フィードローラ3
とフィードローラ5との周速差により、種々のパターン
で延伸加工されるため、十分に延伸された部分(延伸
部)と、延伸が十分でない部分(未延伸部もしくは半延
伸部)とを有するフィラメント糸となり、さらに各延伸
部においても延伸フィードローラの回転数の違いによ
り、配向度の比較的高い延伸部、比較的低い延伸部、ま
た未延伸部もしくは半延伸部においても、配向度の比較
的高い未延伸部もしくは半延伸部、比較的低い未延伸部
もしくは半延伸部を形成する。したがって、引揃え−交
絡処理−仮撚加工することにより最終的に得られる糸
は、集束部分であってもその集束形態が各集束部分によ
ってそれぞれ微妙に異なり、嵩高部分においてもその捲
縮形態がそれぞれ変化に富んだ糸とすることができる。
【0015】なお図4〜6は、それぞれ延伸フィードロ
ーラ3により不規則的あるいは規則的に行なう延伸加工
の一例を示す工程概略図である。すなわち、延伸方法と
して、冷延伸方法(図4)、熱ピン13に巻き付けまた
は接触させる熱ピン延伸方法(図5)、延伸ローラ3か
ら直接交絡ノズル6へ導く半延伸糸と、フィードローラ
5から直接交絡ノズル6へ導く完全延伸糸1をガイド1
4で引き揃えて交絡処理する方法(図6)などを挙げる
ことができる。
【0016】また本発明の製造方法の特徴の一つは、延
伸フィードローラ3の回転数を高速回転下において瞬時
に変化・制御する点にあり、その応答速度は極めて高い
精度であることが重要で、増速変更、あるいは減速変更
したとき信号入力時点に対する実稼動時点の遅れ時間
(立上がり、立ち下がりまでの遅れ時間)が30msec以
下という応答速度であることが好ましい。具体的には、
例えばロボットに使用されている位置決め用のサーボモ
ータ等を採用しフィードローラを駆動することにより、
高速回転においてフィードローラの回転数を瞬時に可変
制御することができる。
【0017】一方、延伸糸からなるフィラメント糸1
(フィラメント糸A)をガイド4を介して解舒し、不規
則的あるいは規則的に延伸加工したフィラメント糸2
(フィラメント糸B)と引き揃えフィードローラ5へ供
給する。引き揃えた両フィラメント糸をフィードローラ
7との間で、交絡ノズル6により交絡処理を施す。その
後、仮撚ツイスター9により加撚を施しヒータ8で熱固
定し、解撚後デリベリーローラ10から引き出し、巻取
ローラ11によってチーズに巻き上げる。
【0018】引揃えた後交絡ノズル6により交絡処理を
施すことにより、フィラメント糸Aとフィラメント糸B
の延伸部分、未延伸部分もしくは半延伸部分とにランダ
ムな交絡が付与された状態で次の仮撚加工に供される。
そのことにより、フィラメント糸Aとフィラメント糸B
の延伸部分は交絡を有する捲縮糸からなる嵩高部分を形
成し、一方フィラメント糸Aとフィラメント糸Bの未延
伸部分もしくは半延伸部分は交絡されて仮撚加工される
ため、ランダムに混繊交絡された状態においてフィラメ
ント糸Aが芯部となり、フィラメント糸Bが芯部を取り
巻いてなる集束部分を形成するので、自然感覚のスパン
調太さムラを有する複合仮撚糸とすることができる。
【0019】また、仮撚のトルクを軽減したり伸縮性を
調整する目的で、一旦巻き上げた糸やデリベリーローラ
10から引き出した糸に再熱処理を施したり、糸にさら
に集束性を付与し工程通過性向上や風合い改善を目的と
して撚を加えてもよい。
【0020】本発明において用いられるフィラメント糸
は、ポリエステルあるいはポリアミドなどから通常の紡
糸方法により得られる未延伸糸、半延伸糸、延伸糸であ
る。なかでもポリエステルフィラメント糸を用いた場合
には、延伸倍率を広範囲に設定できるため太細ムラの変
化を大きく取ることができるので本発明の効果が大き
く、好ましい。
【0021】未延伸糸もしくは半延伸糸(フィラメント
糸B)として、例えば、複屈折率Δnが100×10-3
未満のポリエステルフィラメント糸を用いることがで
き、延伸糸(フィラメント糸A)では複屈折率Δnが1
00×10-3以上のポリエステルフィラメント糸が採用
される。なお、高速紡糸方法により得られた複屈折率Δ
nが120〜140×10-3の高速製糸糸もフィラメン
ト糸Aとして採用できる。フィラメント糸Aは50〜3
00デニール、フィラメント糸Bは延伸前において50
〜300デニールのものが好ましく用いられる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中のU%は、計測器工業株式
会社製のKET−80Bにより測定し求めた値である。
【0023】実施例1 図3のような工程にて、完全延伸糸(フィラメント糸
1)としてポリエステルフィラメント糸の75デニール
36フィラメントを、半延伸糸(フィラメント糸2)と
してポリエステルフィラメント糸の85デニール48フ
ィラメントを用いて、ムラ延伸パターンの繰り返し単位
は図7のようなSIN波の入力信号を採用して300〜
400m/min の範囲でフィードローラの回転を制御
し、また延伸フィードローラ3とフィードローラ5の間
隔を10cmに設定し、交絡処理圧力4Kg/cm2
交絡フィード率+2%、仮撚延伸倍率1.01、セット
温度170℃、仮撚数2300T/m、加工速度400
m/min の条件によりスパン調太さムラを有する複合仮
撚糸を製造した。なお、図7のe及びe′の部分におい
て10msecの時間でピーク速度は400m/min とし3
00〜400m/min の範囲で変速制御(なお、eと
e′とは波形が異なる)し、fの部分において1sec の
時間で300m/min 一定とした。また、立上り・立ち
下がり遅れ時間は、それぞれ1.5msecであった。その
結果、糸ムラ(U%)8.5%、嵩高部分の平均長さ
6.7m、嵩高部分の見掛け繊度135デニール、集束
部分の平均長さ7cm、集束部分の見掛け繊度157デ
ニールであるスパン調太さムラを有する複合仮撚糸を得
た。さらに、仮撚の加撚方向に追撚数1500t/mの
追撚加工を施し、撚止めセットとして80℃×60min
の湿熱セットを行なった。得られた糸を緯糸に用い、経
糸には通常のポリエステルフィラメント(丸断面、ブラ
イト、75デニール36フィラメント)平織組織の織物
を製織した。その後、ソーダ灰2g/l、60℃×30
min の精練、98℃×60min 自由状態でリラックス熱
水処理、乾熱180℃×90sec でリラックス熱水処理
後の幅・長さのいずれも5%緊張状態の中間セット、N
aOH(30g/l)を用いて98℃×60min の減量
加工(減量率21%)、190℃×90sec で中間セッ
トの有幅・有長で処理による仕上げセットを行ない、織
物を製造した。得られた織物は集束部が自然なカスリ調
の外観を示し、凹凸感を有するスパンライクな風合いで
あった。
【0024】実施例2 ムラ延伸パターンの繰り返し単位に図8のようなSIN
波の入力信号を採用し、図8のg及びg′の部分におい
て時間は10msecでピーク速度は300m/min とし3
00〜400m/min の範囲で変速制御(なお、gと
g′とは波形が異なる)し、hの部分において時間は1
sec で速度は400m/min 一定(また、立上り・立ち
下がり遅れ時間はそれぞれ1.3msecであった)とした
他は、実施例1と同様の方法により、スパン調太さムラ
を有する複合仮撚糸を製造した。その結果、糸ムラ(U
%)7.5%、嵩高部分の平均長さ7cm、嵩高部分の
見掛け繊度130デニール、集束部分の平均長さ6.7
m、集束部分の見掛け繊度154デニールであるスパン
調太さムラを有する複合仮撚糸を得た。さらに、得られ
た複合仮撚糸を実施例1と同様に追撚加工、湿熱セット
を行ない、得られた糸を緯糸に用いて、実施例1と同様
に製織、精練、リラックス熱水処理、中間セット、減量
加工(減量率22%)、仕上げセットを行ない、織物を
製造した。得られた織物は嵩高部が自然なカスリ調の外
観を示し、凹凸感のある手触りを有するスパンライクな
風合いであった。
【0025】比較例1 半延伸糸(フィラメント糸2)を延伸フィードローラ3
を用いないで直接、仮撚フィードローラ5に供給した他
は、実施例1と同様の条件により複合仮撚糸を製造し
た。その結果、糸ムラ(U%)2.1%、見掛け繊度1
59デニールである太さムラの全く無い糸形態が均一な
複合仮撚糸を得た。
【0026】
【発明の効果】以上詳述の通り、本発明のスパン調太さ
ムラを有する複合仮撚糸は、嵩高部分は多数の開繊した
仮撚捲縮を有し、かつ交絡処理された形態であることか
らスパンライクな風合いを有し、一方、集束部分によ
り、張り腰のあるタッチの風合いを有する糸である。ま
た、集束部分を有するので、解舒性や製編織性などの工
程通過性、取扱い性に優れる。さらに、芯糸あるいは鞘
糸を構成するフィラメント糸に太い糸を用いれば張り腰
が強い風合い、細い糸を用いればソフトな風合いを得る
ことができるし、また集束部分の長さを長くすれば張り
腰が強く、強撚糸風のいわゆるサラサラしたタッチの風
合いが得られ、ニーズに合わせて糸を設計することがで
きる。一方、スパン調斑および長さ斑の周期は、コンピ
ュ−タの入力信号のパターンを変更するにより自由に設
定・変更することができるので、織物とした時にそれら
斑の周期が重なり合ってイラツいたり、縞状の斑が生じ
たりしないように容易に設計できる。また、加工糸の集
束部分を多く設計すれば、太さが目立つムラ製品が得ら
れ、加工の嵩高部分を多く設計すれば、細さが目立つ透
け感のある製品が得られる。さらにまた、芯糸と鞘糸に
染色性の異なるフィラメント糸もしくは異色の原着糸を
使用することにより、カスリムラやカラーミックスある
いは杢調の効果を表現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合仮撚糸の一例を示す概略図で
ある。
【図2】従来の複合仮撚糸の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の複合仮撚糸の製造方法の一例を示す工
程概略図である。
【図4】延伸フィードローラ3により不規則的あるいは
規則的に行なう延伸加工の一例を示す工程概略図であ
る。
【図5】延伸フィードローラ3により不規則的あるいは
規則的に行なう延伸加工の他の一例を示す工程概略図で
ある。
【図6】延伸フィードローラ3により不規則的あるいは
規則的に行なう延伸加工のさらに他の一例を示す工程概
略図である。
【図7】本発明の製造方法においてフィード量変更のた
めの用いられる入力信号の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の製造方法においてフィード量変更のた
めの用いられる入力信号の他の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1:延伸糸からなるフィラメント糸A 2:未延伸糸もしくは半延伸糸からなるフィラメント糸
B 3:延伸フィードローラ 4:ガイド 5:フィードローラ 6:交絡ノズル 7:フィードローラ 8:ヒータ 9:仮撚ツイスター 10:デリベリーローラ 11:巻取ローラ 12:フィードローラ駆動制御装置 13:熱ピン 14:ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/02 - 3/36 D02J 1/00 D03D 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未延伸糸もしくは半延伸糸からなるフィ
    ラメント糸Bのフィード量を瞬時に増加、減少、または
    一定となるように変更し得る制御を行ない予め不規則的
    あるいは規則的に延伸し、延伸部と未延伸部もしくは半
    延伸部とが長手方向に交互に存在するフィラメント糸と
    した後、延伸糸からなるフィラメント糸Aと引き揃え、
    次いで交絡処理を施して複合交絡フィラメント糸とし、
    その後加撚−熱固定−解撚の仮撚加工を行なうことを特
    徴とするスパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 信号入力によりフィード量を変更でき、
    かつ信号入力時点に対する実稼動時点までの遅れ時間が
    30msec以下であるフィードローラ駆動制御を行ないフ
    ィラメント糸Bのフィード量を制御することを特徴とす
    る請求項記載のスパン調太さムラを有する複合仮撚糸
    の製造方法。
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