JP3250313B2 - スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法 - Google Patents
スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸条の糸長手方向に集
束した部分と、嵩高い部分とが交互に存在するスパン調
太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法に関するもので
ある。
束した部分と、嵩高い部分とが交互に存在するスパン調
太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】一般に、伸度の異なる2種以上の糸条を合
糸してフイードローラに供給し、加撚−熱固定−解撚の
仮撚加工を行なうと、加撚ゾーンでは伸度の小なる糸条
は芯部を構成し、伸度の大なる糸条は伸びやすいため糸
条の外層部を取り巻くように加撚され、この状態で熱固
定−解撚を行なうと、伸度の小なる糸条は芯糸となり、
伸度の大なる糸条がその周りを交互ヨリ状に取り巻いた
複合仮撚糸が得られることが知られている。
糸してフイードローラに供給し、加撚−熱固定−解撚の
仮撚加工を行なうと、加撚ゾーンでは伸度の小なる糸条
は芯部を構成し、伸度の大なる糸条は伸びやすいため糸
条の外層部を取り巻くように加撚され、この状態で熱固
定−解撚を行なうと、伸度の小なる糸条は芯糸となり、
伸度の大なる糸条がその周りを交互ヨリ状に取り巻いた
複合仮撚糸が得られることが知られている。
【0003】一方、この複合仮撚糸は、糸加工速度が速
くなると交互ヨリ状に取り巻いた複合仮撚構造は変化
し、それぞれの糸条は分離してしまうため、特公昭61
−19733号公報、特公昭61−20662号公報、
特公昭61−52254号公報において、2種以上の糸
条を合糸して予め交絡処理を施した後、フイードローラ
へ供給し仮撚加工する複合仮撚糸の製造方法が提案され
ている。これらの複合仮撚糸は、スパンライクな外観お
よび風合を有しているので、秋冬用アウター素材として
編織物製品に採用されてきた。
くなると交互ヨリ状に取り巻いた複合仮撚構造は変化
し、それぞれの糸条は分離してしまうため、特公昭61
−19733号公報、特公昭61−20662号公報、
特公昭61−52254号公報において、2種以上の糸
条を合糸して予め交絡処理を施した後、フイードローラ
へ供給し仮撚加工する複合仮撚糸の製造方法が提案され
ている。これらの複合仮撚糸は、スパンライクな外観お
よび風合を有しているので、秋冬用アウター素材として
編織物製品に採用されてきた。
【0004】しかしながら、商品多様化や高級化志向が
進む近年におけるニーズは、画一的な外観や風合ではな
く、自然感覚のスパン調太さムラ感やスパンライクな風
合等を要求するものであるが、上記従来の技術ではそれ
らに対応することは困難であった。
進む近年におけるニーズは、画一的な外観や風合ではな
く、自然感覚のスパン調太さムラ感やスパンライクな風
合等を要求するものであるが、上記従来の技術ではそれ
らに対応することは困難であった。
【0005】また、糸の長手方向に沿って複屈折率の高
い部分と低い部分とが交互に存在している糸と、糸の長
手方向に沿って均一な複屈折率を有する糸とを引揃えて
同時に仮撚加工する特殊捲縮糸の製法が特開昭55−9
3823号公報に提案されている。しかしながら、得ら
れる糸は未だ画一的な外観・風合であって、自然感覚の
スパン調太さムラ感やスパンライクな風合等を満足する
ものでなかった。
い部分と低い部分とが交互に存在している糸と、糸の長
手方向に沿って均一な複屈折率を有する糸とを引揃えて
同時に仮撚加工する特殊捲縮糸の製法が特開昭55−9
3823号公報に提案されている。しかしながら、得ら
れる糸は未だ画一的な外観・風合であって、自然感覚の
スパン調太さムラ感やスパンライクな風合等を満足する
ものでなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、糸条の糸長
手方向における任意の箇所に集束部分と嵩高部分から構
成される自然感覚のスパン調太さムラ感を有する複合仮
撚糸を得ることのできる製造方法を提供することを目的
とする。
手方向における任意の箇所に集束部分と嵩高部分から構
成される自然感覚のスパン調太さムラ感を有する複合仮
撚糸を得ることのできる製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】さらに詳しくは、太さや細さ及びそれぞれ
の部分の長さの組み合せにより変化に富んだ表面効果、
新鮮なスパンライク風合、スパン調太さムラを有する複
合仮撚糸を得ることのできる製造方法を提供するもので
ある。
の部分の長さの組み合せにより変化に富んだ表面効果、
新鮮なスパンライク風合、スパン調太さムラを有する複
合仮撚糸を得ることのできる製造方法を提供するもので
ある。
【0008】また他の目的は、糸条の糸長手方向におけ
る任意の箇所に集束部分と嵩高部分とを、高精度に長さ
を制御し付与することのできるスパン調太さムラを有す
る複合仮撚糸の製造方法を提供することである。
る任意の箇所に集束部分と嵩高部分とを、高精度に長さ
を制御し付与することのできるスパン調太さムラを有す
る複合仮撚糸の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は以下の構成を有する。
ため、本発明は以下の構成を有する。
【0010】すなわち、未延伸糸もしくは半延伸糸から
なるフイラメント糸Aを、フイード量を瞬時に変更でき
るように制御されたフイードローラを用いて、不規則的
もしくは規則的に、予め弛緩熱処理、緊張熱処理または
熱延伸して、(a)延伸部および(b)未延伸部もしくは半延
伸部とを有するフィラメント糸とした後、延伸糸からな
るフイラメント糸Bと引き揃え、次いで交絡処理を施し
て複合交絡フイラメント糸とし、その後加撚−熱固定−
解撚の仮撚加工を行なうことを特徴とするスパン調太さ
ムラを有する複合仮撚糸の製造方法である。
なるフイラメント糸Aを、フイード量を瞬時に変更でき
るように制御されたフイードローラを用いて、不規則的
もしくは規則的に、予め弛緩熱処理、緊張熱処理または
熱延伸して、(a)延伸部および(b)未延伸部もしくは半延
伸部とを有するフィラメント糸とした後、延伸糸からな
るフイラメント糸Bと引き揃え、次いで交絡処理を施し
て複合交絡フイラメント糸とし、その後加撚−熱固定−
解撚の仮撚加工を行なうことを特徴とするスパン調太さ
ムラを有する複合仮撚糸の製造方法である。
【0011】以下、本発明を図面を参照しながら詳細に
説明する。
説明する。
【0012】図1は、本発明の複合仮撚糸の製造方法の
一例を示す工程概略図である。
一例を示す工程概略図である。
【0013】未延伸糸あるいは半延伸糸からなるフイラ
メント糸2(フイラメント糸A)を解舒し、瞬時に回転
数を変化させることのできるフイードローラ3へ供給
し、フイードローラ5との間で不規則的あるいは規則的
に弛緩熱処理、緊張熱処理または熱延伸加工を予め施
す。フイードローラ3の速度はコンピュータを装備する
フイードローラ駆動制御装置12により制御されてお
り、プログラムソフトの信号によって、不規則的あるい
は規則的に条件を変更することができるようになってお
り、長さや太さを高精度に変更して弛緩熱処理、緊張熱
処理または熱延伸加工を行なうことができ、スパン調太
さムラを有する加工糸を自由に設計することができる。
メント糸2(フイラメント糸A)を解舒し、瞬時に回転
数を変化させることのできるフイードローラ3へ供給
し、フイードローラ5との間で不規則的あるいは規則的
に弛緩熱処理、緊張熱処理または熱延伸加工を予め施
す。フイードローラ3の速度はコンピュータを装備する
フイードローラ駆動制御装置12により制御されてお
り、プログラムソフトの信号によって、不規則的あるい
は規則的に条件を変更することができるようになってお
り、長さや太さを高精度に変更して弛緩熱処理、緊張熱
処理または熱延伸加工を行なうことができ、スパン調太
さムラを有する加工糸を自由に設計することができる。
【0014】ここでいう規則的な熱処理または熱延伸加
工とは、フイードローラの回転数がある一定の形の繰り
返しからなる入力信号で制御される場合のことをいい、
不規則な熱処理または熱延伸加工とはフイードローラの
回転数が不定形の入力信号で制御される場合のことをい
う。不規則な熱処理または熱延伸加工は、例えば乱数発
生装置により任意に選び出された信号入力波形でフイー
ドローラを制御することにより達成される。
工とは、フイードローラの回転数がある一定の形の繰り
返しからなる入力信号で制御される場合のことをいい、
不規則な熱処理または熱延伸加工とはフイードローラの
回転数が不定形の入力信号で制御される場合のことをい
う。不規則な熱処理または熱延伸加工は、例えば乱数発
生装置により任意に選び出された信号入力波形でフイー
ドローラを制御することにより達成される。
【0015】フイラメント糸Aはフイードローラ3とフ
イードローラ5との周速差により、種々のパターンで加
工されるため、延伸された部分((a)延伸部)と、延伸
が十分でない部分((b)未延伸部もしくは半延伸部)と
を有するフイラメント糸となり、さらに各延伸部におい
てもフイードローラ3の回転数の違いにより、配向度の
比較的高い延伸部、比較的低い延伸部が存在し、また未
延伸部もしくは半延伸部においても、配向度の比較的高
い未延伸部もしくは半延伸部、比較的低い未延伸部もし
くは半延伸部を形成し、さらにまた熱処理の程度が種々
異なる部分が存在したフイラメント糸となる。
イードローラ5との周速差により、種々のパターンで加
工されるため、延伸された部分((a)延伸部)と、延伸
が十分でない部分((b)未延伸部もしくは半延伸部)と
を有するフイラメント糸となり、さらに各延伸部におい
てもフイードローラ3の回転数の違いにより、配向度の
比較的高い延伸部、比較的低い延伸部が存在し、また未
延伸部もしくは半延伸部においても、配向度の比較的高
い未延伸部もしくは半延伸部、比較的低い未延伸部もし
くは半延伸部を形成し、さらにまた熱処理の程度が種々
異なる部分が存在したフイラメント糸となる。
【0016】このフイラメント糸(加工後のフイラメン
ト糸A)を、延伸糸からなるフイラメント糸Bと引揃え
−交絡処理−仮撚加工することにより最終的に得られる
糸は、集束部分があってもその集束形態が各集束部分に
よってそれぞれ微妙に異なり、嵩高部分においてもその
捲縮形態がそれぞれ変化に富んだ糸とすることができ
る。
ト糸A)を、延伸糸からなるフイラメント糸Bと引揃え
−交絡処理−仮撚加工することにより最終的に得られる
糸は、集束部分があってもその集束形態が各集束部分に
よってそれぞれ微妙に異なり、嵩高部分においてもその
捲縮形態がそれぞれ変化に富んだ糸とすることができ
る。
【0017】なおフイードローラ3により不規則的ある
いは規則的に行なうに際し、ヒータ13を設けることが
重要である。熱処理を施す方法としてチューブヒータ、
鞍型ヒータ、赤外線あるいは遠赤外線ヒータ、スチーム
ヒータを使用することができる。
いは規則的に行なうに際し、ヒータ13を設けることが
重要である。熱処理を施す方法としてチューブヒータ、
鞍型ヒータ、赤外線あるいは遠赤外線ヒータ、スチーム
ヒータを使用することができる。
【0018】本発明において、熱処理はフイードローラ
3がフイードローラ5より速い場合、つまり弛緩条件あ
るいはリラックス条件に設定した時、ヒータ13上で未
延伸糸もしくは半延伸糸を収縮させ(すなわち、弛緩熱
処理)、熱処理する前の原糸(元糸)より糸径を太くさ
せた後、フイードローラ5へ供給するのである。したが
って、糸の太さ変化を大きくつけることができる。もし
熱処理を施さない場合は、未延伸糸もしくは半延伸糸が
緩み過ぎて糸加工性を低下させたり、元糸より太くする
ことはできない。
3がフイードローラ5より速い場合、つまり弛緩条件あ
るいはリラックス条件に設定した時、ヒータ13上で未
延伸糸もしくは半延伸糸を収縮させ(すなわち、弛緩熱
処理)、熱処理する前の原糸(元糸)より糸径を太くさ
せた後、フイードローラ5へ供給するのである。したが
って、糸の太さ変化を大きくつけることができる。もし
熱処理を施さない場合は、未延伸糸もしくは半延伸糸が
緩み過ぎて糸加工性を低下させたり、元糸より太くする
ことはできない。
【0019】熱処理の温度は、加工性を低下させない温
度より高くすることが重要であり、具体的には例えばポ
リエステルフイラメント糸やポリアミドフイラメント糸
では70〜180℃が適しており、ポリエステルフイラ
メント糸で90〜110℃がより好ましい。
度より高くすることが重要であり、具体的には例えばポ
リエステルフイラメント糸やポリアミドフイラメント糸
では70〜180℃が適しており、ポリエステルフイラ
メント糸で90〜110℃がより好ましい。
【0020】フイードローラ3とフイードローラ5間の
フイード量変更範囲は、糸が緩み過ぎて加工できなくな
るオーバーフイード条件から未延伸糸もしくは半延伸糸
が切断するまでの広範囲を自由に設定することができ
る。たとえば紡糸速度3500m/min で得られたポリエ
ステルフイラメント糸では、フイードローラ3の周速が
フイードローラ5の周速の0.5〜1.8倍という範囲
で設定することができるので糸の太さ変化を大きくつけ
ることができる。
フイード量変更範囲は、糸が緩み過ぎて加工できなくな
るオーバーフイード条件から未延伸糸もしくは半延伸糸
が切断するまでの広範囲を自由に設定することができ
る。たとえば紡糸速度3500m/min で得られたポリエ
ステルフイラメント糸では、フイードローラ3の周速が
フイードローラ5の周速の0.5〜1.8倍という範囲
で設定することができるので糸の太さ変化を大きくつけ
ることができる。
【0021】また本発明の製造方法の特徴のひとつは、
フイードローラ3の回転数を高速回転下において瞬時に
変化・制御する点にあり、その応答速度は極めて高い精
度であることが重要で、増速変更、あるいは減速変更し
たとき信号入力時点に対する実稼働時点の遅れ時間(立
上がり、立ち下がりまでの遅れ時間)が30msec以下と
いう応答速度が好ましい。具体的には、ロボット等に使
用されている位置決め用のサーボモータなどを採用しフ
イードローラを駆動することにより、高速回転において
フイードローラの回転数を瞬時に可変制御することがで
きる。
フイードローラ3の回転数を高速回転下において瞬時に
変化・制御する点にあり、その応答速度は極めて高い精
度であることが重要で、増速変更、あるいは減速変更し
たとき信号入力時点に対する実稼働時点の遅れ時間(立
上がり、立ち下がりまでの遅れ時間)が30msec以下と
いう応答速度が好ましい。具体的には、ロボット等に使
用されている位置決め用のサーボモータなどを採用しフ
イードローラを駆動することにより、高速回転において
フイードローラの回転数を瞬時に可変制御することがで
きる。
【0022】一方、延伸糸からなるフイラメント糸1
(フイラメント糸B)をガイド4を介して解舒し、不規
則的あるいは規則的に延伸加工したフイラメント糸2
(フイラメント糸A)と引き揃えフイードローラ5へ供
給する。引き揃えた両フイラメント糸をフイードローラ
7との間で、交絡ノズル6により交絡処理を施す。その
後、仮撚ツイスター9により加撚を施しヒータ8で熱固
定し、解撚後デリベリーローラ10から引き出し、巻取
ローラ11によってチーズに巻き上げる。
(フイラメント糸B)をガイド4を介して解舒し、不規
則的あるいは規則的に延伸加工したフイラメント糸2
(フイラメント糸A)と引き揃えフイードローラ5へ供
給する。引き揃えた両フイラメント糸をフイードローラ
7との間で、交絡ノズル6により交絡処理を施す。その
後、仮撚ツイスター9により加撚を施しヒータ8で熱固
定し、解撚後デリベリーローラ10から引き出し、巻取
ローラ11によってチーズに巻き上げる。
【0023】引き揃えた後交絡ノズル6により交絡処理
を施すことにより、フイラメント糸B(延伸糸)と、加
工後のフイラメント糸Aの熱延伸部分、未延伸部分もし
くは半延伸部分(弛緩熱処理部分、緊張熱処理部分)と
に、ランダムな交絡が付与された状態で次の仮撚加工に
供される。そのことにより、フイラメント糸Bと加工後
のフイラメント糸Aの延伸部分は交絡を有する捲縮糸か
らなる嵩高部分を形成し、一方フイラメント糸Bと加工
後のフイラメント糸Aの未延伸部分もしくは半延伸部分
は交絡されて仮撚加工されるため、ランダムに混繊交絡
された状態においてフイラメント糸Bが芯部となり、加
工後のフイラメント糸Aが芯部を取り巻いてなる集束部
分を形成するので、自然感覚のスパン調太さムラを有す
る複合仮撚糸とすることができる。
を施すことにより、フイラメント糸B(延伸糸)と、加
工後のフイラメント糸Aの熱延伸部分、未延伸部分もし
くは半延伸部分(弛緩熱処理部分、緊張熱処理部分)と
に、ランダムな交絡が付与された状態で次の仮撚加工に
供される。そのことにより、フイラメント糸Bと加工後
のフイラメント糸Aの延伸部分は交絡を有する捲縮糸か
らなる嵩高部分を形成し、一方フイラメント糸Bと加工
後のフイラメント糸Aの未延伸部分もしくは半延伸部分
は交絡されて仮撚加工されるため、ランダムに混繊交絡
された状態においてフイラメント糸Bが芯部となり、加
工後のフイラメント糸Aが芯部を取り巻いてなる集束部
分を形成するので、自然感覚のスパン調太さムラを有す
る複合仮撚糸とすることができる。
【0024】また、仮撚のトルクを軽減したり伸縮性を
調整する目的で、一旦巻き上げた糸やデリベリーローラ
10から引き出した糸に再熱処理を施したり、糸にさら
に集束性を与え工程通過性向上や風合い改善を目的と
し、撚を加えてもよい。
調整する目的で、一旦巻き上げた糸やデリベリーローラ
10から引き出した糸に再熱処理を施したり、糸にさら
に集束性を与え工程通過性向上や風合い改善を目的と
し、撚を加えてもよい。
【0025】本発明に用いられるフイラメント糸は、ポ
リエステルあるいはポリアミドなどから通常の紡糸方法
により得られる未延伸糸、半延伸糸、延伸糸である。な
かでもポリエステルフイラメント糸を用いた場合には、
延伸倍率を広範囲に設定できるため太細ムラの変化を大
きく取ることができるので本発明の効果が大きく好まし
い。
リエステルあるいはポリアミドなどから通常の紡糸方法
により得られる未延伸糸、半延伸糸、延伸糸である。な
かでもポリエステルフイラメント糸を用いた場合には、
延伸倍率を広範囲に設定できるため太細ムラの変化を大
きく取ることができるので本発明の効果が大きく好まし
い。
【0026】本発明でいう延伸糸とは、通常の紡糸延伸
方法により得られた糸または紡糸速度5000m以上で
引き取られる高速紡糸した糸のことをいう。また、未延
伸糸とは延伸される前の糸で分子鎖がほとんど配向して
いない糸のことであり、半延伸糸とは延伸が十分されて
おらず、分子鎖の配向が不十分である糸のことをいう。
方法により得られた糸または紡糸速度5000m以上で
引き取られる高速紡糸した糸のことをいう。また、未延
伸糸とは延伸される前の糸で分子鎖がほとんど配向して
いない糸のことであり、半延伸糸とは延伸が十分されて
おらず、分子鎖の配向が不十分である糸のことをいう。
【0027】具体的には例えば、未延伸糸もしくは半延
伸糸(フイラメント糸A)として、例えば、複屈折率Δ
nが100×10-3未満のポリエステルフイラメント糸
を用いることができ、延伸糸(フイラメント糸B)では
複屈折率Δnが100×10-3以上のポリエステルフイ
ラメント糸が好ましく採用される。なお、毎分6000
m以上で製糸され高速紡糸方法により得られた複屈折率
Δnが120〜140×10-3の高速紡糸糸はフイラメ
ント糸Bとして採用できる。
伸糸(フイラメント糸A)として、例えば、複屈折率Δ
nが100×10-3未満のポリエステルフイラメント糸
を用いることができ、延伸糸(フイラメント糸B)では
複屈折率Δnが100×10-3以上のポリエステルフイ
ラメント糸が好ましく採用される。なお、毎分6000
m以上で製糸され高速紡糸方法により得られた複屈折率
Δnが120〜140×10-3の高速紡糸糸はフイラメ
ント糸Bとして採用できる。
【0028】フイラメント糸Bは50〜300デニー
ル、フイラメント糸Aは延伸前において50〜300デ
ニールのものが好ましく用いられる。
ル、フイラメント糸Aは延伸前において50〜300デ
ニールのものが好ましく用いられる。
【0029】本発明の製造方法により得られる複合仮撚
糸は、以下の特徴を有する。
糸は、以下の特徴を有する。
【0030】図2は本発明の製造方法により得られる複
合仮撚糸の糸形態を示す概略図である。(イ)は嵩高い
部分を(ロ)は集束部分を示した。
合仮撚糸の糸形態を示す概略図である。(イ)は嵩高い
部分を(ロ)は集束部分を示した。
【0031】図3は、従来技術による複合仮撚糸の糸形
態を示したものである。
態を示したものである。
【0032】図2においてイは嵩高部分であり、見掛上
は太く見える部分である。嵩高部分は、両フィラメント
糸が仮撚捲縮を有しており、互いに空気処理によって交
絡された糸形態で構成されている。
は太く見える部分である。嵩高部分は、両フィラメント
糸が仮撚捲縮を有しており、互いに空気処理によって交
絡された糸形態で構成されている。
【0033】一方、ロは集束部分であり見掛上細く見え
る部分である。集束部分は、交絡部分を有する芯糸と鞘
糸であって、芯糸に鞘糸が撚回反転しながら巻き付いた
糸構造であり実質無撚りである。
る部分である。集束部分は、交絡部分を有する芯糸と鞘
糸であって、芯糸に鞘糸が撚回反転しながら巻き付いた
糸構造であり実質無撚りである。
【0034】集束部分を構成する加工後のフィラメント
糸Aの未延伸部もしくは半延伸部は、嵩高部分を構成す
る加工後のフィラメント糸Aの延伸部より単糸繊度が大
きく、かつ高伸度の糸であり、芯糸(フィラメント糸
B)に緊密に巻き付いているため、集束部分の繊度は嵩
高部分より大きくなる傾向がある。一方、嵩高部分を構
成する加工後のフィラメント糸Aの延伸部は、集束部分
を構成する加工後のフィラメント糸Aの未延伸部もしく
は半延伸部より単糸繊度が小さいので、嵩高部分の繊度
は集束部分より小さくなるが、捲縮を有しており嵩高い
構造であるため肉眼観察では見掛上太く見える。
糸Aの未延伸部もしくは半延伸部は、嵩高部分を構成す
る加工後のフィラメント糸Aの延伸部より単糸繊度が大
きく、かつ高伸度の糸であり、芯糸(フィラメント糸
B)に緊密に巻き付いているため、集束部分の繊度は嵩
高部分より大きくなる傾向がある。一方、嵩高部分を構
成する加工後のフィラメント糸Aの延伸部は、集束部分
を構成する加工後のフィラメント糸Aの未延伸部もしく
は半延伸部より単糸繊度が小さいので、嵩高部分の繊度
は集束部分より小さくなるが、捲縮を有しており嵩高い
構造であるため肉眼観察では見掛上太く見える。
【0035】本発明の製造方法により得られる複合仮撚
糸において、集束部分の繊度は嵩高部分の繊度より5%
以上大きい糸形態であることが好ましい。5%未満では
太さムラ感がなくなってしまうので好ましくない。
糸において、集束部分の繊度は嵩高部分の繊度より5%
以上大きい糸形態であることが好ましい。5%未満では
太さムラ感がなくなってしまうので好ましくない。
【0036】本発明の製造方法により得られる複合仮撚
糸は、糸長手方向における集束部分と嵩高部分の見掛け
長さもしくは太さが不規則的あるいは規則的に変化して
存在している。集束部分と嵩高部分の糸長手方向の見掛
け長さ・太さの繰り返しがより規則的になるほど加工糸
は幾何学的あるいは人工的になる傾向があり、不規則的
になるほどより自然なムラ感を表現することができる。
自然なムラ感を表現するためには、不規則的に変化して
存在するもの、あるいは規則的に変化する場合で繰り返
し単位の長さが長いもの(例えば、100m以上にわた
って繰り返すもの)が好ましい。
糸は、糸長手方向における集束部分と嵩高部分の見掛け
長さもしくは太さが不規則的あるいは規則的に変化して
存在している。集束部分と嵩高部分の糸長手方向の見掛
け長さ・太さの繰り返しがより規則的になるほど加工糸
は幾何学的あるいは人工的になる傾向があり、不規則的
になるほどより自然なムラ感を表現することができる。
自然なムラ感を表現するためには、不規則的に変化して
存在するもの、あるいは規則的に変化する場合で繰り返
し単位の長さが長いもの(例えば、100m以上にわた
って繰り返すもの)が好ましい。
【0037】また、加工糸の大半が集束部分の糸である
場合には、嵩高部分が特異的に太く見え「太さムラ感」
を表現することができ、逆に加工糸の大半が嵩高部分の
糸である場合には集束部分が特異的に細く見え「細さム
ラ感」を表現することができる。
場合には、嵩高部分が特異的に太く見え「太さムラ感」
を表現することができ、逆に加工糸の大半が嵩高部分の
糸である場合には集束部分が特異的に細く見え「細さム
ラ感」を表現することができる。
【0038】例えば、嵩高部分の長さを1〜10cmと
し、集束部分と交互に付与することにより、通常の紡績
糸の様なスパン調太さムラのあるムラ感を表現すること
ができる。
し、集束部分と交互に付与することにより、通常の紡績
糸の様なスパン調太さムラのあるムラ感を表現すること
ができる。
【0039】糸ムラの大きさはU%において3%以上で
あることが好ましい。U%が3%未満では、ムラ感を織
編製品として表現することができなくなるので好ましく
ない。また、工程安定性の観点よりU%は25%以下で
あることが好ましい。
あることが好ましい。U%が3%未満では、ムラ感を織
編製品として表現することができなくなるので好ましく
ない。また、工程安定性の観点よりU%は25%以下で
あることが好ましい。
【0040】なお、通常の紡績糸ではU%が10%前後
であり半延伸糸を部分的に延伸したシックアンドシン糸
では15%前後である。
であり半延伸糸を部分的に延伸したシックアンドシン糸
では15%前後である。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中のU%は、計測噐工業株式
会社製のKET−80Bにより測定し求めた値である。
に説明する。なお、実施例中のU%は、計測噐工業株式
会社製のKET−80Bにより測定し求めた値である。
【0042】実施例1 図1のような工程にて、完全延伸糸(フイラメント糸1
(B))としてポリエステルフイラメント糸の75デニ
ール36フイラメント(ブライト、丸断面)を、半延伸
糸(フイラメント糸2(A))としてポリエステルフイ
ラメント糸の85デニール48フイラメント(ブライ
ト、丸断面)を用いて、熱処理・熱延伸パターンの繰り
返し単位は図4のようなSIN波の入力信号を採用して
300〜500m/minの範囲でフイードローラ3の
回転を制御し、またフイードローラ3とフイードローラ
5の間に30cmのプレートヒータを設定し、交絡処理
圧力4kg/cm2 、交絡フイード率+2%、仮撚延伸倍率
1.01、セット温度170℃、仮撚数2300T/
m、加工速度400m/minの条件によりスパン調太
さムラを有する複合仮撚糸を製造した。
(B))としてポリエステルフイラメント糸の75デニ
ール36フイラメント(ブライト、丸断面)を、半延伸
糸(フイラメント糸2(A))としてポリエステルフイ
ラメント糸の85デニール48フイラメント(ブライ
ト、丸断面)を用いて、熱処理・熱延伸パターンの繰り
返し単位は図4のようなSIN波の入力信号を採用して
300〜500m/minの範囲でフイードローラ3の
回転を制御し、またフイードローラ3とフイードローラ
5の間に30cmのプレートヒータを設定し、交絡処理
圧力4kg/cm2 、交絡フイード率+2%、仮撚延伸倍率
1.01、セット温度170℃、仮撚数2300T/
m、加工速度400m/minの条件によりスパン調太
さムラを有する複合仮撚糸を製造した。
【0043】ここで、フイラメント糸2は加工速度が4
00m/minであるのに対し、300〜500m/m
inの範囲で速度が変速制御されるため、延伸部分、延
伸されない部分、弛緩熱処理部分または緊張熱処理部分
が糸長さ方向に混在し、大きく太細差のあるシックアン
ドシンの状態でフイードローラに供給される。延伸部分
は実質繊度が細く仮撚捲縮に交絡部を有してなり、延伸
されない部分はフイラメント糸1にフイラメント糸2が
SあるいはZ方向に巻き付き集束してなり、弛緩熱処理
部分では弛緩されて太くなったフイラメント糸2がフイ
ラメント糸1にSあるいはZ方向に巻き付き集束した実
質繊度が太くなった糸構造になる。
00m/minであるのに対し、300〜500m/m
inの範囲で速度が変速制御されるため、延伸部分、延
伸されない部分、弛緩熱処理部分または緊張熱処理部分
が糸長さ方向に混在し、大きく太細差のあるシックアン
ドシンの状態でフイードローラに供給される。延伸部分
は実質繊度が細く仮撚捲縮に交絡部を有してなり、延伸
されない部分はフイラメント糸1にフイラメント糸2が
SあるいはZ方向に巻き付き集束してなり、弛緩熱処理
部分では弛緩されて太くなったフイラメント糸2がフイ
ラメント糸1にSあるいはZ方向に巻き付き集束した実
質繊度が太くなった糸構造になる。
【0044】なお、図4(a)および(c)の部分にお
いて10msecの時間でピーク速度は500m/minと
し300〜500m/minの範囲で変則制御(なお、
a,cとは波形が異なる)し、(b)部分において1se
c の時間で300m/min一定とした。また、立上が
り・立下がり遅れ時間は、それぞれ1.4msecであっ
た。
いて10msecの時間でピーク速度は500m/minと
し300〜500m/minの範囲で変則制御(なお、
a,cとは波形が異なる)し、(b)部分において1se
c の時間で300m/min一定とした。また、立上が
り・立下がり遅れ時間は、それぞれ1.4msecであっ
た。
【0045】その結果、糸ムラU%が9.7%、嵩高い
部分の長さ7.1m、嵩高い部分の見掛け繊度138デ
ニール、集束部分の長さ7.2cm、集束部分の見掛け
繊度175デニールである変化に富んだスパン調太さム
ラを有する複合仮撚糸を得た。
部分の長さ7.1m、嵩高い部分の見掛け繊度138デ
ニール、集束部分の長さ7.2cm、集束部分の見掛け
繊度175デニールである変化に富んだスパン調太さム
ラを有する複合仮撚糸を得た。
【0046】さらに、仮撚の加撚方向に追撚数1500
T/mの追撚加工を施し、撚止めセットとして80℃×
60min の湿熱セットを行なった。得られた糸を緯糸に
用い、経糸には通常のポリエステルフイラメント(丸断
面、ブライト、75デニール36フイラメント)を用い
平織組織の織物を製織した。その後、ソーダ灰2g/l
で60℃×30minの精練、98℃×60min自由
状態でリラックス熱水処理、乾熱180℃×90sec リ
ラックス熱水処理後の幅・長さのいずれも5%緊張状態
の中間セット、NaOH(30g/l)を用いて98℃
×60min 減量加工(減量率23%)、190℃×90
sec で中間セットの有幅・有長で処理による仕上げセッ
トを行ない、織物を製造した。
T/mの追撚加工を施し、撚止めセットとして80℃×
60min の湿熱セットを行なった。得られた糸を緯糸に
用い、経糸には通常のポリエステルフイラメント(丸断
面、ブライト、75デニール36フイラメント)を用い
平織組織の織物を製織した。その後、ソーダ灰2g/l
で60℃×30minの精練、98℃×60min自由
状態でリラックス熱水処理、乾熱180℃×90sec リ
ラックス熱水処理後の幅・長さのいずれも5%緊張状態
の中間セット、NaOH(30g/l)を用いて98℃
×60min 減量加工(減量率23%)、190℃×90
sec で中間セットの有幅・有長で処理による仕上げセッ
トを行ない、織物を製造した。
【0047】得られた織物は、嵩高部分が多く、集束部
が細く目立つ透け感のある製品で、また集束部が自然な
カスリ調の外観を示し、凹凸感を有するスパンライクな
風合いであった。なおカスリ部は濃染していた。
が細く目立つ透け感のある製品で、また集束部が自然な
カスリ調の外観を示し、凹凸感を有するスパンライクな
風合いであった。なおカスリ部は濃染していた。
【0048】実施例2 ムラ延伸パターンの繰り返し単位は図5のようなSIN
波の入力信号を採用して図5の(d)および(f)の部
分において時間は10msecで下方ピーク速度は300m
/minとし300〜500m/minの範囲で変速制
御(なお、dとfとは波形が異なる)し、(e)の部分
において時間は1sec で500m/min 一定(また、立上
がり・立下がり遅れ時間は、それぞれ1.2msecであっ
た)とした他は、実施例1と同様の方法により、スパン
調太さムラを有する複合仮撚糸を製造した。
波の入力信号を採用して図5の(d)および(f)の部
分において時間は10msecで下方ピーク速度は300m
/minとし300〜500m/minの範囲で変速制
御(なお、dとfとは波形が異なる)し、(e)の部分
において時間は1sec で500m/min 一定(また、立上
がり・立下がり遅れ時間は、それぞれ1.2msecであっ
た)とした他は、実施例1と同様の方法により、スパン
調太さムラを有する複合仮撚糸を製造した。
【0049】その結果、糸ムラU%が8.5%、集束部
分の平均長さ6.9m、集束部分の見掛け繊度169デ
ニール、嵩高い部分の平均長さ7.1cm、集束部分の
見掛け繊度135デニールであるスパン調太さムラを有
する複合仮撚糸を得た。
分の平均長さ6.9m、集束部分の見掛け繊度169デ
ニール、嵩高い部分の平均長さ7.1cm、集束部分の
見掛け繊度135デニールであるスパン調太さムラを有
する複合仮撚糸を得た。
【0050】さらに得られた複合仮撚糸を実施例1と同
様に追撚加工、湿熱セットを行ない、得られた糸を緯糸
に用いて、実施例1と同様に製織、精練、リラックス熱
水処理、中間セット、減量加工(減量率24%)、仕上
げセットを行い、織物を製造した。
様に追撚加工、湿熱セットを行ない、得られた糸を緯糸
に用いて、実施例1と同様に製織、精練、リラックス熱
水処理、中間セット、減量加工(減量率24%)、仕上
げセットを行い、織物を製造した。
【0051】得られた織物は、集束部分が多く、嵩高部
分が太く目立つムラ製品が得られ、嵩高部が自然なカス
リ調の外観を示し、凹凸感を有するスパンライクな風合
いであった。
分が太く目立つムラ製品が得られ、嵩高部が自然なカス
リ調の外観を示し、凹凸感を有するスパンライクな風合
いであった。
【0052】比較例1 半延伸糸(フイラメント糸2(A))をフイードローラ
3を用いないで直接、仮撚フイードローラ5に供給した
他は、実施例1と同様の条件により複合仮撚糸を製造し
た。
3を用いないで直接、仮撚フイードローラ5に供給した
他は、実施例1と同様の条件により複合仮撚糸を製造し
た。
【0053】その結果、糸ムラU%が3.5%,見掛け
繊度160デニールである太さムラが少なく画一的な加
工糸を得た。
繊度160デニールである太さムラが少なく画一的な加
工糸を得た。
【0054】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の製造方法によ
り得られた複合仮撚糸は、嵩高部分が多数の開繊した仮
撚捲縮を有し、かつ交絡処理された形態であることから
スパンライクな風合いを有し、一方、集束部分により、
張り腰のあるタッチの風合いを有する糸である。
り得られた複合仮撚糸は、嵩高部分が多数の開繊した仮
撚捲縮を有し、かつ交絡処理された形態であることから
スパンライクな風合いを有し、一方、集束部分により、
張り腰のあるタッチの風合いを有する糸である。
【0055】また、集束部分を有するので、解舒性や製
編織性などの工程通過性、取扱いに優れる。
編織性などの工程通過性、取扱いに優れる。
【0056】さらに芯糸あるいは鞘糸を構成するフイラ
メント糸に太い糸を用いれば張り腰が強い風合い、細い
糸を用いればソフトな風合いを得ることができるし、ま
た集束部分の長さを長くすれば張り腰が強く、強撚糸風
のいわゆるサラサラしたタッチの風合いが得られ、ニー
ズにあわせて糸を設計することができる。
メント糸に太い糸を用いれば張り腰が強い風合い、細い
糸を用いればソフトな風合いを得ることができるし、ま
た集束部分の長さを長くすれば張り腰が強く、強撚糸風
のいわゆるサラサラしたタッチの風合いが得られ、ニー
ズにあわせて糸を設計することができる。
【0057】一方、スパン調斑および長さ斑の周期は、
コンピュータの入力信号のパターンを変更することによ
り自由に設定・変更すことができるので、織物とした時
にそれらの斑の周期が重なり合ってイラツいたり、縞状
の斑が生じたりしないように、容易に設計できる。
コンピュータの入力信号のパターンを変更することによ
り自由に設定・変更すことができるので、織物とした時
にそれらの斑の周期が重なり合ってイラツいたり、縞状
の斑が生じたりしないように、容易に設計できる。
【0058】また加工糸の集束部分を多く設計すれば、
太さが目立つムラ製品が得られ、加工の嵩高部分を多く
設計すれば、細さが目立つ透け感のある製品が得られ
る。さらにまた、芯糸と鞘糸に染色性の異なるフイラメ
ント糸もしくは異色の原着糸を使用することにより、カ
スリ斑やカラーミックスあるいは杢調の効果を表現する
こともできる。
太さが目立つムラ製品が得られ、加工の嵩高部分を多く
設計すれば、細さが目立つ透け感のある製品が得られ
る。さらにまた、芯糸と鞘糸に染色性の異なるフイラメ
ント糸もしくは異色の原着糸を使用することにより、カ
スリ斑やカラーミックスあるいは杢調の効果を表現する
こともできる。
【図1】本発明に係る複合仮撚糸の製造方法の一例を示
す工程概略図である。
す工程概略図である。
【図2】本発明の製造方法により得られる複合仮撚糸の
一例を示す外観図である。
一例を示す外観図である。
【図3】従来技術による複合仮撚糸の一例を示す外観図
である。
である。
【図4】本発明の製造方法においてフィード量変更のた
めに用いられる入力信号の一例を示す概略図である。
めに用いられる入力信号の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の製造方法においてフィード量変更のた
めに用いられる入力信号の他の一例を示す概略図であ
る。
めに用いられる入力信号の他の一例を示す概略図であ
る。
1:延伸糸からなるマルチフイラメント糸 2:未延伸糸あるいは半延伸糸からなるマルチフイラメ
ント糸 3:フイードローラ 4:ガイド 5:フイードローラ 6:交絡ノズル 7:フイードローラ 8:ヒータ 9:仮撚ツイスター 10:デリベリローラ 11:巻取りローラ 12:コンピュータ 13:ヒータ
ント糸 3:フイードローラ 4:ガイド 5:フイードローラ 6:交絡ノズル 7:フイードローラ 8:ヒータ 9:仮撚ツイスター 10:デリベリローラ 11:巻取りローラ 12:コンピュータ 13:ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/02 - 3/26 D02J 1/22 D03D 15/00
Claims (2)
- 【請求項1】未延伸糸もしくは半延伸糸からなるフイラ
メント糸Aを、フイード量を瞬時に変更できるように制
御されたフイードローラを用いて、不規則的もしくは規
則的に、予め弛緩熱処理、緊張熱処理または熱延伸し
て、(a)延伸部および(b)未延伸部もしくは半延伸部とを
有するフィラメント糸とした後、延伸糸からなるフイラ
メント糸Bと引き揃え、次いで交絡処理を施して複合交
絡フイラメント糸とし、その後加撚−熱固定−解撚の仮
撚加工を行なうことを特徴とするスパン調太さムラを有
する複合仮撚糸の製造方法。 - 【請求項2】信号入力によりフイード量を変更でき、か
つ信号入力時点に対する実稼働時点までの遅れ時間が3
0msec以下であるフイードローラ駆動制御を行ないフイ
ラメント糸Aのフイード量を制御することを特徴とする
請求項1記載のスパン調太さムラを有する複合仮撚糸の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08211793A JP3250313B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08211793A JP3250313B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06294031A JPH06294031A (ja) | 1994-10-21 |
JP3250313B2 true JP3250313B2 (ja) | 2002-01-28 |
Family
ID=13765473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08211793A Expired - Fee Related JP3250313B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | スパン調太さムラを有する複合仮撚糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3250313B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101848872B1 (ko) * | 2017-03-30 | 2018-04-13 | 주식회사 이화에스알씨 | 속도 조절용 풀리가 구비된 제트와인더 |
-
1993
- 1993-04-08 JP JP08211793A patent/JP3250313B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101848872B1 (ko) * | 2017-03-30 | 2018-04-13 | 주식회사 이화에스알씨 | 속도 조절용 풀리가 구비된 제트와인더 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06294031A (ja) | 1994-10-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |