JP3261891B2 - スパン糸調複合仮撚糸およびその製造方法 - Google Patents

スパン糸調複合仮撚糸およびその製造方法

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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸長手方向に高嵩高部
分と低嵩高部分とが交互に混在するスパン糸調複合仮撚
糸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伸度の異なる2種以上の糸条を合糸して
加撚−熱固定−解撚の仮撚加工を行うと、仮撚ゾーンに
おいて伸度の小さい糸条が芯部になると共に、伸度の大
きい糸条が伸びやすいため鞘部になり、これを熱固定−
解撚すると伸度の小さい芯糸の周囲に伸度の大きい鞘糸
が交互撚り状態に取り巻いた複合仮撚糸が得られること
が知られている。
【0003】しかし、この複合仮撚加工法では、糸加工
速度を速くすると、その交互撚り状態の複合仮撚り構造
が変化し、それぞれの糸条に分離してしまうようにな
る。そのため、2種以上の糸条を引き揃えて予め交絡処
理を施した後に仮撚加工する複合仮撚加工方法が提案さ
れている(特公昭61−19733号公報,特公昭61
−20662号公報,特公昭62−52254号公報参
照)。この複合仮撚糸はスパンライクな外観と風合を有
しているため、秋冬用アウター素材として編織物製品に
採用されていた。
【0004】しかし、近年において商品の多様化や高級
化志向が進むに従い、市場ニーズは画一的な表面効果や
風合では満足せず、より自然感覚の高いスパン糸調の太
さムラ感や風合等を要求するようになってきている。し
かしながら、上述した従来の技術から得た複合仮撚糸
は、いずれも図4或いは図5に示すように太さムラ変化
が小さいため、市場ニーズに合った自然感覚の高いスパ
ン糸調の風合を満たすとはいえなかった。
【0005】すなわち、図4の複合仮撚糸の場合は、芯
糸A′の周囲を取り巻く嵩高な鞘糸B′の太さが糸長手
方向にほとんど変化していないため、自然感覚のスパン
糸調にはほど遠かった。また、図5の複合仮撚糸の場合
は、糸長手方向に高嵩高部分20に太さ変化はあるが、
その間隔がほぼ一定であり、しかも交絡が間欠的であっ
て、糸長方向に多数の非交絡部を散在するため、自然感
覚のスパン糸調の風合を得るに至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、より
一層自然感覚のあるスパン糸調の太さムラ変化に富んだ
表面効果および風合を有する複合仮撚糸の製造方法を提
供することにある。
【0007】
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のスパン糸調複合仮撚糸の製造方法は、延伸糸からな
るマルチフィラメント糸Aと未延伸糸又は半延伸糸から
なるマルチフィラメント糸Bとをそれぞれオーバフィー
ドしながら引き揃えて流体乱流処理するに当たり、前記
マルチフィラメント糸Aのオーバフィード率を+5〜+
20%の範囲で一定にし、前記マルチフィラメント糸B
のオーバフィード率を+5〜+100%の範囲で経時的
にランダムに曲線のピーク値を有するように変動させる
と共に、この変動するオーバフィード率の継続時間の最
大値/最小値の比を1.1〜100の範囲にして、該マ
ルチフィラメント糸Bを前記フィラメントAの周囲に巻
き付かせて糸長手方向に単糸フィラメントが互いに連続
交絡した複合嵩高フィラメント糸を形成し、次いで該複
合嵩高フィラメント糸を加撚−熱固定−解撚の仮撚加工
に供することを特徴とするものである。上記製造方法に
より、延伸糸からなるマルチフィラメント糸Aを芯部と
し、該芯部の周囲を未延伸糸又は半延伸糸からなるマル
チフィラメント糸Bを鞘部として筒状に取り巻くと共
に、糸長手方向に単糸フィラメントを互いに連続交絡さ
せながら紡錘状の高嵩高部分と低嵩高部分とをそれらの
太さと長さとがランダムに変化するように交互に形成
し、糸径の最大値/最小値の比が1.1〜3.5である
と共に、前記高嵩高部分の長さの最大値/最小値の比が
1.1〜10および前記低嵩高部分の長さの最大値/最
小値の比が1.1〜50であるスパン糸調複合仮撚糸を
得ることができる
【0009】本発明において、スパン糸調複合仮撚糸に
おける高嵩高部分及び低嵩高部分の「長さ」は、両部分
間の境界を次のような測定法により特定し、その特定さ
れた境界と境界との間の糸長手方向の長さとして定義さ
れる。すなわち、 長さ1mのサンプル糸を採取し、これに0.1g/
dの荷重を掛けて吊り下げ、これをリーダープリンター
により10倍に拡大した写真にプリントし、このプリン
トを基に糸長手方向に0.5cm毎に糸径を測定し、そ
の糸径と糸長との関係を図6に示すようにプロットした
グラフにする。
【0010】 次いで、上記グラフにプロットされた
糸径のうち、低嵩高部分と高嵩高部分との境界域にプロ
ットされたものについて、互いに隣接しあう二つのプロ
ット間の糸径増加率を計算し、その糸径増加率が高嵩高
部分側に最初に10%以上に変化した二つのプロット間
において、その低嵩高部分側のプロットに糸長手方向に
平行な近似直線L1 を引く。また、この二つのプロット
間の高嵩高部分側のプロットを含む高嵩高部分側全ての
プロットを結ぶ凸状の近似曲線L2 を引く。
【0011】 上記近似直線L1 と近似曲線L2 との
交点をもって、高嵩高部分と低嵩高部分との境界とす
る。 このようにして得られた境界から、高嵩高部分を挟んだ
二つの境界間の長さは高嵩高部分の長さに相当し、また
低嵩高部分を挟んだ二つの境界間の長さは低嵩高部分の
長さに相当する。本発明において、この高嵩高部分の長
さ及び低嵩高部分の長さの最大値と最小値は、少なくと
も20本のサンプル糸を採取し、それぞれのサンプル糸
から得た最大値および最小値の平均値を使用するものと
する。また、糸径の最大値と最小値は、各サンプル糸毎
に上記において得た最大値と最小値を少なくとも20
本のサンプル糸についてそれぞれ得た値の平均値を採用
するものとする。
【0012】また、本発明において、高嵩高部分の「見
掛け繊度」及び低嵩高部分の「見掛け繊度」とは、それ
ぞれ上記のようにして高嵩高部分と低嵩高部分との境界
を切断して各部分を取り出し、各部分の重量と長さとを
測定し、それを9000m相当の長さの重量(g)に換
算した値を意味する。以下、本発明を図に示す実施例を
参照しながら詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明に係る複合仮撚糸の一例を
示す。複合仮撚糸は、延伸糸からなるマルチフィラメン
ト糸Aと未延伸糸又は半延伸糸からなるマルチフィラメ
ント糸Bが糸長手方向に沿って互いに連続交絡し、かつ
仮撚加工によってマルチフィラメント糸Aが主として芯
部になり、またマルチフィラメント糸Bが主として鞘部
になって筒状に取り巻く構造になっている。さらに、こ
のような連続交絡のもとに糸長手方向に紡錘状の高嵩高
部分20と低嵩高部分30とが交互に混在し、かつそれ
らの太さと長さとがランダムに変化している。
【0014】高嵩高部分20を構成するマルチフィラメ
ント糸Bの部分は、低嵩高部分30を構成するマルチフ
ィラメント糸Bの部分よりも単糸繊度が太く、かつ芯部
のマルチフィラメント糸Aに連続交絡しながら低嵩高部
分30よりも過剰に巻き付いている。一方、低嵩高部分
30を構成するマルチフィラメント糸Bも同様に芯部の
マルチフィラメント糸Aに連続交絡しながら高嵩高部分
20よりも少ない量で巻き付いている。
【0015】このようにマルチフィラメント糸Bがマル
チフィラメント糸Aの芯部に巻き付く構造において、糸
断面は同心円の筒状になっており、かつ糸側面では糸長
手方向に非交絡部を存在させることなく連続交絡してい
る。本発明の複合仮撚糸は、高嵩高部分と低嵩高部分と
の太さと長さがそれぞれ糸長手方向に不規則な変化をし
ながら混在している。高嵩高部分及び低嵩高部分の太さ
と長さの繰り返しが規則的になるほど、織物の表面効果
は幾何学的或いは人工的になる傾向があり、逆に不規則
的になるほどより自然なムラ感を有する表面効果を表現
するようになる。
【0016】本発明において、嵩高部分の太さと長さと
の変化の不規則度は、それぞれ太さ、長さの最大値と最
小値とのバラツキ度によって表すことができる。すなわ
ち、このバラツキ度を最大値/最小値の比で表すとき、
糸径の最大値/最小値の比が1.1〜3.5、さらに好
ましくは1.5〜3.0であると共に、前記高嵩高部分
の長さの最大値/最小値の比が1.1〜10、さらに好
ましくは2〜10、および前記低嵩高部分の長さの最大
値/最小値の比が1.1〜50、さらに好ましくは2〜
30であるようにすることによって、自然感覚なスパン
糸調の表面効果や風合を強調することができる。
【0017】このバラツキ度を表す最大値/最小値の比
が、糸径の比が1.1未満、高嵩高部分の長さが1.1
未満、低嵩高部分の長さが1.1未満であっては人工的
な表面効果が顕れ、自然感覚のスパン糸調の表面効果や
風合を得ることは難しくなる。しかし、この比が大きく
なり、糸径の比が3.5超、高嵩高部分の長さが10
超、低嵩高部分の長さが50超にもなって、バラツキ個
数が多くなると、人工的な表面効果は薄れていくように
なる。
【0018】高嵩高部分と低嵩高部分との太さを不規則
に変化させる場合、例えば長さ方向に大半を低嵩高部分
が占める場合には、高嵩高部分が太く見える「太さムラ
感」を表現することができる。逆に、大半を高嵩高部分
が占める場合には、低嵩高部分が細く見える「細さムラ
感」を表現することができる。高嵩高部分及び低嵩高部
分の長さは特に限定されないが、好ましくは高嵩高部分
の長さは5〜20cmにし、低嵩高部分の長さは20〜1
00cmにすることが望ましい。
【0019】また、本発明の複合仮撚糸において、高嵩
高部分が有する見掛け繊度DH は、低嵩高部分が有する
見掛け繊度DL よりも5〜100%大きくすることが好
ましい。すなわち、〔(DH −DL )/DL 〕×100
の比率を5〜100%にすることである。この見掛け繊
度の差が5%未満では、自然感覚のスパン糸調の太さム
ラ感を出すことが難しくなる。しかし、100%を超え
るほどに大きくなると、製織工程における糸通過性が低
下したり、製品の太・細感が大きすぎてスパン糸調の微
妙な凹凸感の風合を出すことができなくなる。
【0020】本発明の複合仮撚糸に用いるフィラメント
糸としては、合成繊維フィラメント糸であれば特に限定
されないが、好ましくはポリエステルフィラメント糸や
ポリアミドフィラメント糸を使用するのがよい。本発明
でいう延伸糸とは、通常の紡糸延伸方法により得られた
糸、または紡糸速度5000m/min 以上で引き取られ
た高速紡出糸のことをいう。また、未延伸糸とは、延伸
される前の糸で、分子鎖の配向がほとんど進んでいない
不十分な糸のことをいう。
【0021】例えば、ポリエステルフィラメント糸の場
合であれば、複屈折Δn が100×10-3未満のものは
未延伸糸もしくは半延伸糸に相当し、また100×10
-3以上のものは延伸糸に相当する。フィラメント糸の太
さとしては、延伸糸では50〜300デニール、未延伸
糸或いは半延伸糸では50〜500デニールの範囲のも
のが好ましく使用される。
【0022】本発明のスパン糸調複合仮撚糸は、図2に
示すような方法によって製造することができる。図2に
おいて、延伸糸からなるマルチフィラメント糸Aがフィ
ードローラ3から、また未延伸糸又は半延伸糸からなる
マルチフィラメント糸Bがフィードローラ4からそれぞ
れオーバフィードされると共に、引き揃えられて流体乱
流ノズル5で流体乱流処理され、単糸フィラメントが相
互に連続交絡した複合嵩高フィラメント糸を形成する。
【0023】このうちフィードローラ3は供給速度が一
定で、オーバフィード率が一定であるが、フィードロー
ラ4は可変制御装置11により供給速度が瞬時可変に制
御され、オーバフィード率が経時的に変化するようにな
っている。上記流体乱流処理において、各マルチフィラ
メント糸A,Bに水を付与して流体乱流ノズル5へ給糸
すると、ループ形成やループ形成後の安定性を向上する
ことができる。流体乱流処理が施された複合嵩高フィラ
メント糸は、次の仮撚加工ゾーンのフィードローラ6へ
供給され、仮撚りツイスター8により加撚を施されてヒ
ータ7で熱固定され、さらに解撚後にデリベリーローラ
9から引き出されて本発明のスパン糸調複合仮撚糸にな
り、最後に巻取ローラ10によりチーズに巻き上げられ
るようになっている。
【0024】上述した複合仮撚糸の製造工程において、
フィードローラ3によるマルチフィラメント糸Aのオー
バフィード率は+5〜+20%の範囲で一定にする。こ
れに対し、フィードローラ4によるマルチフィラメント
糸Bのオーバフィード率は+5〜+100%の範囲で不
規則に変動させるようになっている。かつ、この変動す
るオーバフィード率の継続時間の最大値/最小値の比を
1.1〜100の範囲でばらつかせるようにしている。
【0025】このようなマルチフィラメント糸Bの不規
則なオーバフィードのため、フィードローラ4の回転数
は極めて高い精度の応答速度で瞬時に変動するように制
御する。すなわち、瞬時変速が重要であって、増減速し
たときの信号入力時点に対する実稼働時点の遅れ時間
(立ち上がり、立ち下がりまでの遅れ時間)を30ms
(ミリセカンド)以下という極めて速い応答速度にする
ことが好ましい。このような瞬時制御のため、駆動手段
としてはロボット等に使用される位置決め用サーボモー
タを単錘駆動として使用するのがよい。
【0026】図3は、マルチフィラメント糸Bのオーバ
フィード率をランダムに瞬時制御するプログラムの一例
を示す。このグラフは、横軸に時間(ms)、縦軸にオー
バフィード率(フィードローラの回転数)をとってい
る。この制御プログラムにおいて、a,c,eはフィー
ド量が多く、b,d,fはフィード量が少ない制御プロ
グラムになっている。フィード量の多い部分は、複合嵩
高フィラメント糸においてマルチフィラメント糸Bが嵩
高い高嵩高部分を形成し、またフィード量の少ない部分
はマルチフィラメント糸Bが低嵩高部分になっている。
【0027】また、各フィード量を継続する時間は糸加
工速度に関係するが、同じくランダムに変化させてあ
り、例えば糸速が300m/分のレベルであれば、高嵩
高部分では13,25,40ms、低嵩高部分では30,
80,200msである。両マルチフィラメント糸A,B
は、流体乱流処理後によって長手方向に沿って相互に連
続交絡の付与された状態になるが、その連続交絡状態の
まま次の仮撚加工に供される。その仮撚加工方式は、糸
加工性からみてスピナー式よりも摩擦式、或いはベルト
ニップ式が有利である。
【0028】仮撚加工におけるヒータ7の熱固定温度と
しては、マルチフィラメント糸Bに未延伸糸又は半延伸
糸を用いるので、延伸糸を加工するような高い温度は好
ましくない。例えば、マルチフィラメント糸Bにポリエ
ステルのPOY(半延伸糸)が使用される場合には、1
50〜200℃が適している。ただし、未延伸糸あるい
は半延伸糸を一部融着させるようにする場合には、20
0℃以上で加工することも可能である。
【0029】また、複合仮撚糸の仮撚トルクを軽減した
り、伸縮性を調整することにより風合を改善しようとす
る場合には、いったん巻き上げたチーズから、或いはデ
リベリーローラ10から加工後の複合仮撚糸条を引き出
し、それを再熱処理するようにしてもよい。また、製織
工程通過性を向上したり、或いは製品の風合を改善する
ため、さらに加工後の複合仮撚糸条に追撚したり、或い
は他の糸と引き揃えて合撚するようにしてもよい。
【0030】
【実施例】図2の複合仮撚糸の製造工程を使用して、下
記条件にてスパン糸調複合仮撚糸を製造した。 使用原糸 マルチフィラメント糸A:75デニール,24フィラメントのポリエス テルフィラメント延伸糸 マルチフィラメント糸B:85デニール,48フィラメントのポリエス テルフィラメント半延伸糸 オーバフィード率 マルチフィラメント糸A:+5% マルチフィラメント糸B:+5%〜+50% 変動制御プログラム: 図3のプログラムにおいて a; +20%×15ms c; +30%×25ms e; +50%×40ms b; +5%×30ms d; +5%×80ms f; +5%×200ms (オーバフィード率はピーク値) 流体乱流処理圧力 5kg/cm2 水付与 なし セット温度 170℃ 仮撚数 2300T/m 加工速度 300m/min 仮撚りフィード率 −1.5% 得られたスパン糸調複合仮撚糸は、高嵩高部分の長さの
分布7.5〜20cm、高嵩高部分の見掛け繊度(平均)
186デニール、低嵩高部分の長さの分布15〜120
cm、低嵩高部分の見掛け繊度(平均)155デニールで
あり、高嵩高部分の低嵩高部分に対する繊度アップ率が
20%であった。
【0031】その結果、スパン糸調の自然な表面効果と
スパン糸調の柔らかく嵩高性に富んだ風合を有してい
た。さらに、上記スパン糸調複合仮撚糸を緯糸に使用
し、また経糸に75デニール,36フィラメントのポリ
エステルフィラメント(丸断面、ブライト)を使用し
て、下記条件にて平織を製織した。
【0032】 追撚数 仮撚り加撚方向に1500t/m 撚止めセット温度 80℃×60min の湿熱 次いで、得られた織物を下記条件にて染色仕上げ加工し
た。 精錬 ソーダ灰2g/Lで60℃×30min リラックス 98℃×60min 熱水処理 中間セット 乾熱180℃×90sec (幅・長さのいずれも5%緊張状態) 減量加工 NaOH(30g/L)98℃×60min 減量加工(減量率23%) 仕上げセット 190℃×90sec 染色仕上げされた織物は、自然感覚の凹凸の手触り感を
有するスパン糸調の風合いであった。
【0033】
【比較例】上記実施例と同じマルチフィラメント糸Aと
マルチフィラメント糸Bを用いて下記条件にて製造し
た。 オーバフィード率 マルチフィラメント糸A +2% マルチフィラメント糸B +2〜+6% 変動制御プログラム: 図3のプログラムに準じて a; +4%×15ms c; +5%×25ms e; +6%×40ms b; +2%×30ms d; +2%×80ms f; +2%×200ms 流体交絡処理圧力 4kg/cm2 セット温度 170℃ 仮撚数 2300T/m 加工速度 300m/min 仮撚りフィード率 −1.5% 得られた複合仮撚糸は、オーバフィード率の経時的変動
範囲が、本発明が規定する5〜100%の範囲を外れて
いるため、その高嵩高部分の長さ方向に非交絡部が間欠
的に認められ、また低嵩高部分においても間欠的に非交
絡部が認められた。高嵩高部分の見掛け繊度(平均)は
163デニール、低嵩高部分の見掛け繊度(平均)は1
57デニールであり、高嵩高部分の低嵩高部分に対する
繊度アップ率は3.8%であった。実施例と同じ条件の
製織条件、染色条件で織物を製造したが、自然感覚なス
パン糸調の表面効果や風合いは弱いものであった。
【0034】
【発明の効果】上述したように、本発明の製造方法によ
り得られるスパン調複合仮撚糸は、延伸糸のマルチフィ
ラメント糸Aを芯部とし、その周囲を鞘部として取り巻
いた未延伸糸又は半延伸糸のマルチフィラメント糸Bが
糸長手方向に連続交絡すると共に、高嵩高部と低嵩高部
とが太さと長さをランダムに変動する構成になっている
ので、自然感覚なスパン糸調の表面効果と風合を呈する
ことができる。
【0035】また、本発明の製造方法によれば、マルチ
フィラメント糸Aとマルチフィラメント糸Bとを引き揃
えてオーバフィードして流体乱流処理するとき、マルチ
フィラメント糸Bのオーバフィード率を不規則に変動さ
せるため、上記スパン糸調複合仮撚糸を効率よく製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスパン糸調複合仮撚糸の一例を示
す外観図である。
【図2】本発明のスパン糸調複合仮撚糸を製造する工程
概略図である。
【図3】実施例におけるマルチフィラメント糸Bのオー
バフィード率のプログラムパターン図である。
【図4】従来技術による複合仮撚糸の外観図である。
【図5】従来技術による複合仮撚糸の他の例を示す外観
図である。
【図6】複合仮撚糸の高嵩高部分と低嵩高部分との境界
を定めるのに使用するグラフの説明図である。
【符号の説明】
A 延伸糸よりなるマルチフィラメント糸 B 未延伸糸又は半延伸糸よりなるマルチフィラメント
糸 20 高嵩高部 30 低嵩高部 3 フィードローラ 4 フィードローラ 5 流体乱流ノズル 6 フィードローラ 7 ヒータ 8 仮撚ツイスター 11 可変制御装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 3/36 - 3/38 D02G 1/00 - 1/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延伸糸からなるマルチフィラメント糸A
    と未延伸糸又は半延伸糸からなるマルチフィラメント糸
    Bとをそれぞれオーバフィードしながら引き揃えて流体
    乱流処理するに当たり、前記マルチフィラメント糸Aの
    オーバフィード率を+5〜+20%の範囲で一定にし、
    前記マルチフィラメント糸Bのオーバフィード率を+5
    〜+100%の範囲で経時的にランダムに曲線のピーク
    値を有するように変動させると共に、この変動するオー
    バフィード率の継続時間の最大値/最小値の比を1.1
    〜100の範囲にして、該マルチフィラメント糸Bを前
    記フィラメントAの周囲に巻き付かせて糸長手方向に単
    糸フィラメントが互いに連続交絡した複合嵩高フィラメ
    ント糸を形成し、次いで該複合嵩高フィラメント糸を加
    撚−熱固定−解撚の仮撚加工に供するスパン糸調複合仮
    撚糸の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マルチフィラメント糸Bのオーバフ
    ィード率をランダムに変動させるときの応答速度を遅れ
    時間30ms以下に制御する請求項に記載のスパン糸調
    複合仮撚糸の製造方法。
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