JPH09157971A - コイル状複合捲縮糸およびその製造方法 - Google Patents

コイル状複合捲縮糸およびその製造方法

Info

Publication number
JPH09157971A
JPH09157971A JP31532995A JP31532995A JPH09157971A JP H09157971 A JPH09157971 A JP H09157971A JP 31532995 A JP31532995 A JP 31532995A JP 31532995 A JP31532995 A JP 31532995A JP H09157971 A JPH09157971 A JP H09157971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
twisting
yarn
false
coiled
crimped yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31532995A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Kimura
俊彦 木村
Hisao Inuyama
久夫 犬山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP31532995A priority Critical patent/JPH09157971A/ja
Publication of JPH09157971A publication Critical patent/JPH09157971A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】複数の熱可塑性合成繊維マルチフィラメン
ト糸条からなる複合捲縮糸であって各糸条は間欠交絡部
を有し、該複合捲縮糸には仮撚り加撚方向と同方向に実
撚りがそれぞれ挿入されており、該複合捲縮糸の糸形態
は各糸条が一体となりながら仮撚り加撚の撚りくせが復
元したコイル状であることを特徴とするコイル状複合捲
縮糸およびその製造方法。 【効果】本発明によれば、製編織における糸切れや毛羽
立ちは起こりにくく、工程通過性がスムースになる。編
物に用いるとコイル状の部分が梨地調の表面効果とな
り、風合いが「サラサラ」したタッチのものが得られ
る。また、ドライな手触りのものとなる。一方、織物に
用いると、デシンや揚柳あるいはクレープなどとよばれ
る様な外観を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面凹凸効果と滑らか
かなドライタッチに優れた編織物用糸として最適に用い
られるコイル状複合捲縮糸およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シボ織物用原糸や、表面凹凸効果
をもつ原糸として、実撚り強撚糸や先撚り未解撚加工糸
が用いられてきた。
【0003】前者は、シボの発現能力に優れ非常に多種
の織物に使用され、ドレープ性やハリ、腰、シャリ感な
どの風合いに優れた特徴を有する製品が得られるが、多
くの実撚りを必要とするため生産性が低いという問題が
ある。
【0004】これに対し後者の先撚り未解撚加工糸は、
細かなシボを得ることはできるが、嵩高によるパサツキ
感があってドレープ性に欠け、やはり多くの追撚の実撚
りを必要とするため生産性が低くなることや、布帛の風
合いが固くなる問題がある。また、特公昭49−411
43号公報、特公昭56−13811号公報等には仮撚
り糸を追撚する方法が知られているが、かかる方法も多
くの実撚りを必要とするので、前述と同様な欠点を有す
る。さらに、特開昭54−101946号公報には2糸
条混繊による交絡仮撚り糸が知られているが、かかる糸
条では単繊維がバラバラになりやすく、シボ織物用途に
は満足できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パサツキの
ない、シャリ感と梨地表面効果を有するコイル状複合捲
縮糸とその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のコイル状複合捲
縮糸は前記課題を解決するため以下の構成を有する。す
なわち、複数の熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸
条からなる複合捲縮糸であって各糸条は間欠交絡部を有
し、該複合捲縮糸には仮撚り加撚方向と同方向に実撚り
がそれぞれ挿入されており、該複合捲縮糸の糸形態は各
糸条が一体となりながら仮撚り加撚の撚りくせが復元し
たコイル状であって、かつ、コイル状のピッチ数が10
00個以上であることを特徴とするコイル状複合捲縮糸
である。
【0007】また、本発明のコイル状複合捲縮糸の製造
方法は前記課題を解決するため以下の構成を有する。
【0008】すなわち、複数の熱可塑性合成繊維マルチ
フィラメント糸条を用い、該複数のマルチフィラメント
糸条に+3%以上のオーバーフィード率でそれぞれ空気
交絡処理を施した後、仮撚加撚域中で該複数のマルチフ
ィラメント糸条を合流させ、仮撚り数28000/
(D)1/2 〜30000/(D)1/2 +1000(T/
m)で加撚−熱固定−解撚の仮撚り加工を施し、さらに
仮撚り加撚方向に追撚することを特徴とするコイル状複
合捲縮糸の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコイル状複合捲縮
糸を図を用いて説明する。図1は糸形態の一例を示すモ
デル図である。本発明では2糸条が一体となり、加撚に
よる撚り位相が同じピッチで復元した糸形状を有するも
のである。本発明では、撚り位相のピッチとは仮撚り加
撚撚り数に相当するものをいう。2糸条には甘撚りが若
干追撚されており、トルクはほとんどない状態とするこ
とができる。
【0010】コイル状複合捲縮糸について、構成されて
いる糸種は、複数の仮撚り捲縮糸であって、仮撚り加撚
方向に実撚りが挿入された複合捲縮糸とするものであ
る。糸種としては熱可塑性合成繊維からなるポリエステ
ル、ポリミドなどのフィラメント糸を用いることもで
き、さらに未延伸糸(以下UYと略す)、半延伸糸(以
下、POYと略す)および延伸糸(以下、DTと略す)
と呼ばれる延伸性の異なる原糸やデニール、単繊維フィ
ラメント数、収縮率、断面形状、光沢および染色性など
の点において糸条を同じ糸種同志の組み合わせ、あるい
は異なる糸種の組み合わせによって製造することができ
る。
【0011】仮撚り加撚方向に甘撚りの実撚りが挿入さ
れ、両糸条は一体化して加撚撚りが復元されている。甘
撚りの撚り数は、両糸条のデニールや仮撚り加工条件に
よって異なるが、例えば、50デニールの双糸で200
〜400T/m、75デニールの双糸で100〜300
T/mとするのが好ましい。仮撚り加撚方向に挿入する
のは、加撚撚りを復元するために同じ方向とするが、逆
方向ではオーバー解撚になり、まったく本発明の効果を
得ない問題がある。該複合捲縮糸を構成する各単糸の捲
縮糸は間欠交絡部を有しているので、各単糸の集束性は
高く、加撚撚りが復元されやすく、また糸の風合いは
「さらさら」感の手触りを与え、パサパサ感がなくな
る。
【0012】該複合捲縮糸は両糸条が一体となってコイ
ル状に集束した糸形状をなし、コイル状のピッチ数は糸
の太さによって異なるが、本発明では、1mあたり10
00個以上4000個以下とするのが好ましい。例え
ば、30デニール双糸(60デニール)で1mあたり1
000〜4000個、75デニール双糸(150デニー
ル)で1mあたり500〜2000個を有するのが好ま
しい。
【0013】コイル状に集束した糸形状は前記したよう
に加撚撚りが復元されて形成したものであり、コイル状
の復元性は仮撚り数が多く、加撚の熱固定が強い程大き
くなる。コイル状のピッチ数は1cm当たり10〜40
個が適している。10個以下ではコイルが粗すぎて表面
効果が弱く、40個以上では細か過ぎて表面効果が十分
現れない。コイル状のピッチの個数の測定方法は、0.
1g/dの荷重を一端つるし、除重後2mg/dの荷重
をつるしながら、実体顕微鏡で1cm間のコイル(凹
凸)個数を読み取った。
【0014】この細かなコイル状のピッチを有する複合
捲縮糸を編織物に用いると、表面はあたかもシボが発現
したような表面効果を得られ、凹凸状の手触り感を与え
る。一般的にはコイル状のピッチが細かくなればなるほ
ど、細かな凹凸状の表面効果が得られ、逆にピッチが粗
くなればなるほど、粗い凹凸状の表面効果が得られる。
【0015】次に、トルク撚り数について50回/m以
下が好ましく、より好ましくは10回/m以下である。
トルク撚り数の下限値は0回/mであってもよい。トル
ク撚り数の測定方法は、サンプルとして1mの試長をと
り、サンプルの一端に0.1g/dの荷重をつるし、試
長の中央に0.4gの荷重をつるした。次にサンプルの
両端をゆるめて中央に寄せ合せた。50cmあたりの撚
り数を測定し、1mあたりに換算した。
【0016】沸騰水収縮率は5%以上が好ましい。トル
ク撚り数が50回/m以下となるのは、仮撚り加撚方向
に追撚するために、トルク撚り数が低下するためであ
り、ヒートセットを施さずともトルク撚り数をゼロに設
定することができる。その結果、編織工程通過性が向上
して停台回数が少なくなったり、糸の扱い性が容易にな
るので作業能率が向上する。なおトルク撚り数が50回
/m以上になれば、トルクによる障害が次第に大きくな
るため、熱セットやトルク防止用具を必要とするなど、
作業性が低下する。
【0017】沸騰水収縮率が5%以下になると、織編物
の染色加工における収縮が小さくなり、ふくらみ感の風
合い調整が困難になる。
【0018】次に、本発明のコイル状複合捲縮糸の製造
方法について説明する。
【0019】図2を用いて本発明のコイル状複合捲縮糸
の製造方法を具体的に説明する。例えば、図2において
熱可塑性合成繊維マルチフイラメント糸条1と熱可塑性
合成繊維マルチフイラメント糸条2がそれぞれ解舒さ
れ、フィードローラ3、4へそれぞれ供給され、交絡ノ
ズル5、6によって空気交絡処理が施され、両糸条が引
き揃えられて合流ガイド9で合流させられる。仮撚りツ
イスター11により、仮撚り加撚を行いヒータ10で熱
セットされる。仮撚りツイスター11で解撚後、デリベ
リローラ12から引き出され、巻取ローラ13を介して
チーズに巻き上げられ得る。
【0020】まず、用いるフィラメント糸は前記した様
に熱可塑性合成繊維のいかなる品種であってもよく、特
にポリエステルフィラメント糸やポリアミドフィラメン
ト糸が適しており、高光沢タイプ、三、四、五、八角、
Yおよび中空などの異形断面タイプなどは風合や梨地表
面効果に優れた特徴を与える。また、2糸条間に収縮差
を設けることにより、「ふくらみ」感と梨地表面効果を
得ることができ、繊度差を設けることにより、太い側の
糸条に細い側の糸条が巻き付けられて、嵩高性と凹凸表
面効果の特徴を得ることができる。交絡ノズル5、6に
おける空気交絡処理のオーバフィード率は、仮撚りフィ
ードローラ7、8より糸条のフィードローラ3、4は高
く取ることが効果的であり、本発明においては+3%以
上の高オーバフィード率とするものである。空気交絡処
理圧力を高めたり、ノズル口径を多くしたりして、強い
交絡部を形成するほど大きなコイル状捲縮の効果が得ら
れる。合流ガイドの位置は、ヒータへの入り付近
(9)、ヒータ中(15)、ヒータ出口(14)付近の
いずれであってもよいが、ヒータ出口付近に移るにつれ
て効果が大きくなる。
【0021】交絡処理に代わり、流体乱流処理あるいは
空気仮撚り処理等であっても構わない。
【0022】仮撚り数は、通常、デニール当たり挿入す
る範囲はほぼ決まっているが、その範囲より20〜40
%さらに大きく設定するのが好ましい。仮撚り加工する
糸の仮撚り数の範囲は、トータルデニール(以下、Dと
略す)との間に次の関係を満足するものである。すなわ
ち、28000/(D)1/2 〜30000/(D)1/ 2
+1000(T/m)の範囲とするものである。例え
ば、50デニールの複合糸であれば、Dは100とな
り、仮撚り数は2800〜4000(T/m)となる。
【0023】28000/(D)1/2 (T/m)以下で
はコイル状の効果が弱く、30000/(D)1/2 +1
000(T/m)以上では糸強度の低下が大きくなる問
題がある。
【0024】熱セット温度について、温度が高くなるほ
ど本発明の効果は大きくなり、糸強度の低下や染色差の
観点から、弱い融着もしくは融着直前の温度が最も好ま
しく、融着する条件でもさしつかえない。具体的な範囲
は、融点以下30℃が好ましく、通常のポリエステル延
伸糸では225〜250℃が好ましく、ポリアミド延伸
糸では170〜190℃が好ましい。
【0025】仮撚り加工のオーバーフィード率は、加撚
張力が高いほどコイル状の効果が大きくなるので、通常
アンダーサイドのオーバーフィード率が好ましい。具体
的な範囲は、0.2g/d〜0.4g/dが好ましい。
【0026】仮撚り加工における加撚手段は、通常の仮
撚り具を用い得るが、特にフリクションタイプやベルト
ニップタイプは、加撚張力を高くしても解撚張力を下げ
ることができるので好ましい。
【0027】仮撚り加工後、加撚方向に追撚を施すが、
加撚のトルクがなくなる程度の撚り数が好ましく、コイ
ル状の効果も大きい。例えば、ポリエステル30デニー
ルの双糸であれば、100〜400T/mが好ましく、
75デニールの双糸であれば、50〜300T/mが好
ましい。
【0028】また、追撚に代わり空気交絡処理を施して
も構わない。
【0029】そのほか、トルクを小さくし、風合いを改
良するために、再熱処理を施しても構わないが、コイル
状の効果がやや低下する傾向にある。
【0030】
【実施例】 [実施例1〜8、比較例1〜6]図2に示すような製造
工程に従って、同種の30デニール、12フイラメント
のポリエステルマルチフイラメント糸条に、圧力4kg
/cm2 、オーバフィード率+5%の交絡処理をそれぞ
れ施し、2糸条を引き揃えて仮撚り加工のフィードロー
ラに供給した。合流ガイドに合流させて、ディスク型仮
撚りツイスターでS方向に仮撚り数4200T/mの仮
撚り加撚を施し、225℃の温度でヒートセットし、解
撚後300m/minで引取り、引き揃え状態のコイル
状複合捲縮糸を得た。
【0031】該複合捲縮糸にS方向の追撚200T/m
を施し、集束したコイル状複合捲縮糸を製造した。
【0032】該複合捲縮糸を2糸条に分繊し、各糸条の
1m当たりの交絡数を測定したところ、153個と14
6個の交絡部分を有し、該捲縮糸ではコイル状のピッチ
が1mあたり1862個であった。
【0033】また、トルク撚り数は3回/m、沸騰水収
縮率が6.7%であり、このコイル状複合捲縮糸を、2
8G丸編機にてインターロックに編成したところ、「さ
らさら」したドライ感を有する風合いの編地を得た。
【0034】一方、タテ糸がポリエステルフィラメント
の50デニール18フィラメントを用意し、ヨコ糸とし
て、コイル状複合捲縮糸を打ち込み平織物を製造した。
ヨコ方向の織物収縮率は5.5%であり、デシン調の凹
凸表面効果を有する外観と手触りは「さらさら」したド
ライな風合いが得られた。
【0035】一方、交絡処理におけるオーバーフィード
率と仮撚り数について、それぞれの条件を変更した場合
の、コイル状捲縮糸の特性および評価結果を表1に示し
た。
【表1】 オーバーフィード率が+3%未満である比較例1〜3は
外観に劣ったものしか得られなかった。
【0036】仮撚り数が本発明の範囲から外れる比較例
4〜6も外観に劣ったものであった。
【0037】[実施例9]図2に示すような製造工程に
従って、同種の75デニール、36フイラメントの三角
断面のポリエステルマルチフイラメント2糸条に、圧力
4kg/cm2 、オーバフィード率+5%の交絡処理を
それぞれ施し、2糸条を引き揃えて、仮撚り加工のフィ
ードローラに供給した。合流ガイドに合流させて、ディ
スク型仮撚りツイスターでS方向に仮撚り数2910T
/mの仮撚り加撚を施し、235℃の温度でヒートセッ
トし、解撚後300m/minで引取り、引き揃え状態
のコイル状捲縮糸を製造した。
【0038】該捲縮糸にS方向の追撚300T/mを施
し、集束したコイル状複合捲縮糸を製造した。
【0039】該捲縮糸を分繊し各単糸1m当たりの交絡
数を測定したところ、それぞれ131、145個の交絡
部分を有し,コイル状のピッチは1mあたり1630個
であった。
【0040】また、トルク撚り数は5回/m、沸騰水収
縮率が6.5%であった。このコイル状複合捲縮糸を、
24G丸編機にてインターロックに編成したところ、
「さらさら」したドライ感の風合いと、シルバー調光沢
の凹凸表面効果を有する編地を得た。
【0041】[実施例10]図2に示すような製造工程
に従って、異種のフィラメント糸を用いた例として、沸
騰水中収縮率が19.8%の75デニール、36フイラ
メントと、沸騰水中収縮率が8.9%の75デニール、
72フイラメントのポリエステルマルチフイラメント糸
条とを用いて、それぞれ圧力4kg/cm2 、オーバフ
ィード率+5%の交絡処理をそれぞれ施し、2糸条を引
き揃えて仮撚り加工のフィードローラに供給した。合流
ガイドに合流させて、ディスク型仮撚りツイスターでS
方向に仮撚り数2910T/mの仮撚り加撚を施し、2
25℃の温度でヒートセットし、解撚後300m/mi
nで引取り、引き揃え状態のコイル状捲縮糸を製造した
後、S方向の追撚300T/mを施しコイル状複合捲縮
糸を製造した 各単糸を分繊し1m当たりの交絡数を測定したところ、
75デニール、36フイラメントは143個の交絡部分
を有し,75デニール、72フイラメントは161個の
交絡部分を有し、コイル状ピッチは1mあたり1110
個であるコイル状複合捲縮糸であった。
【0042】また、トルク撚り数は7回/m、沸騰水収
縮率が17.5%であった。このコイル状複合捲縮糸
を、24G丸編機にてインターロックに編成したとこ
ろ、「ふくらみ」感と「さらさら」感を有する編地を得
た。
【0043】一方、タテ糸としてポリエステルフィラメ
ントの75デニール24フィラメントを用い、ヨコ糸と
して、コイル状複合捲縮糸を打ち込み平織物を製造し
た。
【0044】その結果、デシン調の表面効果と手触りは
嵩高く「さらさら」したドライ感を有する風合いが得ら
れた。
【0045】[実施例11]図2に示すような製造工程
に従って、異種のフィラメント糸を用いた例として、7
5デニール、24フイラメントと、50デニール、72
フイラメントのポリエステルマルチフイラメント糸条と
に、それぞれ圧力4kg/cm2 、オーバフィード率+
5%の交絡処理をそれぞれ施し、2糸条を引き揃えて仮
撚り加工のフィードローラに供給した。合流ガイドに合
流させて、ディスク型仮撚りツイスターでS方向に仮撚
り数3300T/mの仮撚り加撚を施し、235℃の温
度でヒートセットし、解撚後300m/minで引取
り、引き揃え状態のコイル状捲縮糸を製造した。そして
S方向の追撚350T/mを施し、集束したコイル状複
合捲縮糸を製造した。各単糸に分繊し1m当たりの交絡
数を測定したところ、75デニール、24フイラメント
は112個の交絡部分を有し,50デニール、72フイ
ラメントは232個の交絡部分を有し、コイル状のピッ
チは1mあたり1220個であるコイル状複合捲縮糸で
あった。
【0046】また、トルク撚り数は6回/mであった。
このコイル状複合捲縮糸を、28G丸編機にてインター
ロックに編成したところ、ふくらみと「さらさら」感を
有する編地を得た。
【0047】一方、タテ糸のポリエステルフィラメント
の75デニール24フィラメントに、ヨコ糸として、コ
イル状複合捲縮糸を打ち込み平織物を製造した。デシン
調の凹凸の大きなシボが表面効果としてあらわれ、手触
りは嵩高く「さらさら」したドライ感を有する風合いが
得られた。
【0048】[実施例12]図2に示すような製造工程
に従って、異種のフィラメント糸を用いた例として、ブ
ライトタイプの光沢のある三角断面75デニール、36
フイラメントと、セミダルの光沢が小さい60デニー
ル、144フイラメントのポリエステルマルチフイラメ
ント糸条とに、それぞれ圧力4kg/cm2 、オーバフ
ィード率+5%の交絡処理をそれぞれ施し、2糸条を引
き揃えて仮撚り加工のフィードローラに供給した。合流
ガイドに合流させて、ディスク型仮撚りツイスターでS
方向に仮撚り数2800T/mの仮撚り加撚を施し、2
30℃の温度でヒートセットし、解撚後300m/mi
nで引取り、引き揃え状態のコイル状捲縮糸を製造し
た。そして、S方向の追撚250T/mを施しコイル状
複合捲縮糸を製造した 各単糸1m当たりの交絡数は、75デニール、36フイ
ラメントは123個の交絡部分を有し,60デニール、
144フイラメントは275個の交絡部分を有し、コイ
ル状のピッチは1mあたり1220個であるコイル状仮
撚り捲縮糸であった。
【0049】また、トルク撚り数は5回/mであった。
このコイル状複合捲縮糸を、28G丸編機にてインター
ロックに編成し,染色加工したところ、マイルドな光沢
を有する編地を得た。
【0050】[実施例13]図2に示すような製造工程
に従って、異種のフィラメント糸を用いた例として、カ
チオン可染タイプの75デニール、24フイラメント
と、レギュラータイプの75デニール、36フイラメン
トのポリエステルマルチフイラメント糸条とに、それぞ
れ圧力4kg/cm2 、オーバフィード率+5%の交絡
処理をそれぞれ施し、2糸条を引き揃えて、仮撚り加工
のフィードローラに供給した。合流ガイドに合流させ
て、ディスク型仮撚りツイスターでS方向に仮撚り数2
800T/mの仮撚り加撚を施し、220℃の温度でヒ
ートセットし、解撚後300m/minで引取り、引き
揃え状態のコイル状複合捲縮糸を製造し、そしてS方向
の追撚250T/mを施しコイル状複合捲縮糸を製造し
た 各単糸の1m当たりの交絡数を測定したところ、75デ
ニール、24フイラメントは101個の交絡部分を有
し,75デニール、36フイラメントは205個の交絡
部分を有しコイル状のピッチは1mあたり1100個で
あるコイル状仮撚り捲縮糸であった。
【0051】また、トルク撚り数は5回/mであった。
このコイル状複合捲縮糸を、28G丸編機にてインター
ロックに編成し,カチオン染料にて染色加工したとこ
ろ、杢調の染色効果と「さらさら」したドライ感を有す
る編地を得た。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、製編織における糸切れ
や毛羽立ちは起こりにくく、工程通過性がスムースにな
る。編物に用いるとコイル状の部分が梨地調の表面効果
となり、風合いが「サラサラ」したタッチのものが得ら
れる。また、ドライな手触りとなる。
【0053】一方、織物に用いると、デシンや揚柳ある
いはクレープなどとよばれる様な外観を得ることができ
る。
【0054】さらに、凹凸感が大きく嵩高い梨地表面効
果、シルバー調のマイルドな光沢感および杢調の色調効
果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル状複合捲縮糸の外観の一例をモ
デル的に示す概略図である。
【図2】本発明のコイル状複合捲縮糸の製造方法の一例
をモデル的に示す概略図である。
【図3】熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸条の合
流位置とヒータとの関係の一例をモデル的に示す概略図
である。
【図4】熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸条の合
流位置とヒータとの関係の他の一例をモデル的に示す概
略図である。
【図5】本発明の製造方法において施す交絡処理の一例
をモデル的に示す概略図である。
【符号の説明】
1:熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸条 2:熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸条 3:フィードローラ 4:フィードローラ 5:交絡ノズル 6:交絡ノズル 7:フィードローラ 8:フィードローラ 9:合流ガイド 10:ヒータ 11:ツイスター 12:デリベリローラ 13:巻取ローラ 14:合流ガイド 15:合流ガイド 16:交絡ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の熱可塑性合成繊維マルチフィラメン
    ト糸条からなる複合捲縮糸であって各糸条は間欠交絡部
    を有し、該複合捲縮糸には仮撚り加撚方向と同方向に実
    撚りがそれぞれ挿入されており、該複合捲縮糸の糸形態
    は各糸条が一体となりながら仮撚り加撚の撚りくせが復
    元したコイル状であることを特徴とするコイル状複合捲
    縮糸。
  2. 【請求項2】コイル状のピッチ数が1mあたり1000
    個以上であることを特徴とする請求項1に記載のコイル
    状複合捲縮糸。
  3. 【請求項3】トルク撚り数が50回/m以下、沸騰水収
    縮率が5%以上であることを特徴とする請求項1または
    2に記載のコイル状複合捲縮糸。
  4. 【請求項4】複数の熱可塑性合成繊維マルチフィラメン
    ト糸条を用い、該複数のマルチフィラメント糸条に+3
    %以上のオーバーフィード率でそれぞれ空気交絡処理を
    施した後、仮撚加撚域中で該複数のマルチフィラメント
    糸条を合流させ、仮撚り数28000/(D)1/2 〜3
    0000/(D)1/2 +1000(T/m)で加撚−熱
    固定−解撚の仮撚り加工を施し、さらに仮撚り加撚方向
    に追撚することを特徴とするコイル状複合捲縮糸の製造
    方法。
JP31532995A 1995-12-04 1995-12-04 コイル状複合捲縮糸およびその製造方法 Pending JPH09157971A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31532995A JPH09157971A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 コイル状複合捲縮糸およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31532995A JPH09157971A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 コイル状複合捲縮糸およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09157971A true JPH09157971A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18064105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31532995A Pending JPH09157971A (ja) 1995-12-04 1995-12-04 コイル状複合捲縮糸およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09157971A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006002279A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Kawabou Textured Kk 特殊複合糸及びその製造方法並びにその織物、編物
JPWO2018198846A1 (ja) * 2017-04-25 2020-05-14 帝人フロンティア株式会社 布帛および繊維製品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006002279A (ja) * 2004-06-16 2006-01-05 Kawabou Textured Kk 特殊複合糸及びその製造方法並びにその織物、編物
JP4531454B2 (ja) * 2004-06-16 2010-08-25 カワボウテキスチャード 株式会社 特殊複合糸の製造方法
JPWO2018198846A1 (ja) * 2017-04-25 2020-05-14 帝人フロンティア株式会社 布帛および繊維製品
EP3617356B1 (en) * 2017-04-25 2022-09-28 Teijin Frontier Co., Ltd. Fabric and fiber product

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2652918B2 (ja) 複合捲縮糸及び織物
JPH09273035A (ja) 部分融着仮撚加工糸及びその製造方法
JPH09157971A (ja) コイル状複合捲縮糸およびその製造方法
JP2000144540A (ja) 多層複合嵩高糸の製造方法
JP2687513B2 (ja) カサ高毛羽系の製造方法
JPH02175935A (ja) ストレッチ性複合加工糸の製造方法
JPS6356331B2 (ja)
JPH0711531A (ja) スパン複合嵩高糸
JPS6113013B2 (ja)
JP3253685B2 (ja) 不均一複合加工糸及びその製造方法
JP3399661B2 (ja) 複合嵩高加工糸の製造方法
JPS6136103B2 (ja)
JPS6152253B2 (ja)
JP2813525B2 (ja) 仮撚複合糸及びその製造方法
JPS63315632A (ja) 複合交絡糸
JPH10280238A (ja) 複合意匠糸、複合意匠糸の製造方法、及び複合意匠糸を使用した編織成物
JP3423826B2 (ja) カットパイル織編物およびその製造方法
JPH05247757A (ja) 複合糸および織物の製造法
JP2006348431A (ja) 複合仮より加工糸
JPS6328139B2 (ja)
JP4824866B2 (ja) 特殊仮撚加工糸及びその製造方法並びに織編物
JP2840189B2 (ja) 凹凸感に優れた織編物及びその製造方法
JPH09157979A (ja) 捲縮糸およびその製造方法
JPH02259134A (ja) 嵩高性意匠糸及びその製造方法
JPS60104543A (ja) 紡績糸様フイラメント糸