JP3240699B2 - シルキー様光沢を有するファンシーヤーンの製造方法 - Google Patents

シルキー様光沢を有するファンシーヤーンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯糸と鞘糸から成る混
繊糸であって糸長手方向に太糸部分と生糸部分が交互に
存在し、各部分の長さ、太さはランダムで、シルキー様
光沢を有するファンシーヤーンの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、マルチフィラメント糸を複合化し
た糸条を用いた編織物製品は、ハリ、腰、嵩高性、防し
わ性、高密度化など、風合いや機能的に優れた特徴を持
ちあわせていることから、衣料用製品の中で幅広い領域
を占める位置を確立してきた。しかし近年、マルチフィ
ラメント糸条による編織物製品は、その単調な外観や風
合の点から消費者に敬遠される傾向が強まり、自然な太
さ斑や嵩高斑の変化に富んだ表面効果と新鮮な手触り感
が強く望まれている。例えば、特開昭61−18654
4号公報には、斑を有するフィラメント糸を得るための
可変速糸条供給方法が提案されている。しかしながら、
得られる糸は未だ自然感に乏しいものであり、またマル
チフィラメント糸条を流体噴射加工するに際し、糸供給
量の変速としてインバータを用いた糸加工方法であるた
め、可変信号に対する糸供給の応答速度つまり時間遅れ
(立上がり、立ち下がり)が大きく、斑の太さ、長さは
粗野なものであり、製品を高級化したり特品化したりす
るには問題となっていた。また、特に加工速度が速くな
ると糸供給量変化は緩慢になって上記の傾向が強くなる
ので、合理的な生産を実現するには不都合となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題点を解決し、自然な太さ斑、嵩高斑の変化に富んだ表
面、新鮮な紡錘形状を有し、高級な手触り感及びシルキ
ー様光沢を有するファンシーヤーンを提供することを目
的とする。また他の目的は、糸加工速度が速くなって
も、流体噴射加工における糸条の供給量を瞬時に高精度
で制御し、太さ、長さの変化に富んだ表面効果、新鮮な
紡錘形状およびシルキー様光沢を有するファンシーヤー
ンの製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は次の構成を有する。すなわち、2糸条以
上のマルチフィラメント糸を用いた流体噴射処理による
芯鞘型混繊加工によるファンシーヤーンの製造方法であ
って、芯糸供給量は引取量に対して+3%以下とし、か
つ鞘糸供給量はフィードローラの回転数の制御により変
化させながら芯糸に対して瞬時下限−5%以上の範囲で
増減速制御され、かつ前記フィードローラの回転数を制
御する信号の入力時点に対する実稼働時点までの遅れ時
間が30msec以下の応答速度で鞘糸供給量を制御し
加工することを特徴とするシルキー様光沢を有するファ
ンシーヤーンの製造方法である。
【0005】以下、さらに詳しく本発明について説明す
る。図1は、本発明に係る製造方法の一例を示す工程概
略図である。芯糸と鞘糸のマルチフィラメント糸条を流
体噴射処理を施すことにより、ループやタルミの嵩高性
を付与する糸加工法において、マルチフィラメント糸条
1はニップ型フィードローラ2から一定の糸供給量で供
給され、次いで水付与ローラ5によって水付与されてノ
ズル6に供給される。一方、マルチフィラメント糸条3
は巻き付け型フィードローラ4から糸供給量を制御しな
がら瞬時に増減速制御されてノズル6に供給される。
【0006】フィードローラ4の回転数はコンピュータ
装置9で瞬時可変制御されているので、糸供給量はプロ
グラムソフトの信号によって不規則的あるいは規則的に
コンピュータ装置で制御され変化しながら流体乱流処理
ノズル6へ供給される。流体乱流処理を受けた該マルチ
フィラメント糸条はデリベリローラ7を介し、ヒータ1
0で熱処理された後、巻取ローラ8によってチーズに巻
き取られる。フィードローラ4の回転数はコンピュータ
装置9で制御される信号のパターンを変更することで容
易に斑のパターンを設計変更できる。単位時間当たりの
糸供給量が多くなると太糸部分は太くなり、糸供給量が
少なくなると太糸部分は細くなって、太さに変化を付け
ることができる。また、糸供給時間が長いと太糸の糸長
は長く、糸供給時間が短いと太糸の糸長は短くなる。な
お、本発明でいう規則的な制御とは、フィードローラの
回転数がある一定の形(パターン)の繰返しからなる入
力信号で制御することをいい、不規則的な制御とはフィ
ードローラの回転数が不定の(パターンの単純な繰返し
でない)入力信号で制御することをいう。不規則的な制
御は、例えば乱数発生装置により任意に選び出された信
号、周波数を時々刻々変更させた信号、あるいはパター
ンの繰返し単位が長時間の信号等の信号入力波形でフィ
ードローラを制御することにより達成される。
【0007】フィードローラ4の回転数を制御するに
は、例えば、ロボットに使用されている位置決め用のサ
ーボモータを用いて、コンピュータを利用した信号入力
によって制御することができる。
【0008】なお、図1は流体噴射処理を施した後、熱
処理を行なう例を示すもので、本発明の製造方法は、図
1においてヒータ10、デリベリローラ11がない工程
でもよいが、デリベリローラ7から引き出したファンシ
ーヤーンをフィラメント糸の軟化点温度以上の温度で熱
処理することは、シルキーな外観や風合いをさらに向上
させることができるので好ましく採用される。その場
合、デリベリローラ7とデリベリローラ11との間のオ
ーバフィード率は、弛緩状態よりも緊張状態の方がシル
キー効果としては大きいので好ましい。また、軟化点温
度以上の温度でセットすることは、フィラメント糸を収
縮させるので、太糸部分においては芯糸に鞘糸が極めて
高密度で絡み、より紡錘形状に優れた糸形態となり、一
方生糸部分では、鞘糸のタルミが収縮して芯糸に絡み、
さらに芯糸は収縮して鞘糸を挟み込んで収縮するため、
よりストレート形状となるので好ましい。
【0009】図2は、信号入力時点から実稼働時点まで
の遅れ時間を説明するための説明図である。図2におい
て、(R)はフィードローラの回転数を、(S)はフィ
ードローラの回転数を制御するための信号の一例を示す
ものである。(a)においてフィードローラ回転数がパ
ルス的に増加するが、実際のフィードローラの回転数
は、(c)の時間遅れて増速設定値に到達し、(d)の
時間遅れて再び増速前の速度になる。この場合の(c)
あるいは(d)を信号入力時点から実稼働時点までの遅
れ時間という。図3は、フィードローラの回転数を制御
するための信号の他の一例を示す概略図である。(e)
の部分にて太糸部分が形成され、(f)の部分にて生糸
部分が形成される。
【0010】本発明の製造方法において、増速変更ある
いは減速変更した時、信号入力時点から実稼働時点まで
の遅れ時間(図2の立上がり時間(c)あるいは立ち下
がり時間(d)を参照)が30msec以下であることが
要であり、そのことによりフィードローラが高速回転で
あっても、瞬時に可変制御することができる。具体的に
は、例えば、300m/min で糸を走行させるとき、少
なくとも30msec以下の遅れ時間で増速変更あるい減速
変更できれば、30cm以下の短い太糸部を高精度で付
与することが出来る。30msecを越えると、増速変更あ
るいは減速変更の時間遅れが長くなり、得られる糸の紡
錘形状が粗野なものとなるので好ましくない
【0011】本発明の製造方法において、芯糸供給量は
糸引取量に比べて+3%以下とすることが重要である。
芯糸の供給量を+3%以下とすることにより、増減速制
御されている鞘糸の供給量が芯糸の供給量と同等になる
ところで、芯糸と鞘糸は引き揃えられてストレート形状
の生糸部分を形成することとなる。0%以下であれば、
より優れたシルキー様光沢が得られるので好ましい。芯
糸供給量が糸引取量に比べて+3%を越える場合には、
芯糸と鞘糸が引き揃えられてもループ・タルミ等を形成
しやすく、ストレート形状を形成し難くなるので好まし
くない。
【0012】一方、鞘糸の糸供給量の下限は、芯糸に対
して瞬時下限−5%以上の範囲にあることが好ましい。
−5%未満の範囲に鞘糸の糸供給量の下限がある場合に
は、芯糸への絡まりが不良になるので好ましくない。
【0013】図4は、鞘糸供給量の瞬時下限を説明する
説明図である。図4において、横軸は時間(T)を、縦
軸は糸引取量に対するオーバーフィード率(OF)を示
す。より詳細に図4を参照して説明すると、鞘糸供給量
が芯糸に対して瞬時下限−5%以上とは、瞬間的に最も
低くなる鞘糸のオーバーフィード率が芯糸に比べて−5
%以上である供給量をいう。図4では芯糸側のオーバー
フィード率が糸引取量に比べて0%(一定)であるのに
対し、鞘糸の瞬時下限のオーバーフィード率が糸引取量
に比べて−5%であるので、すなわち芯糸に対して瞬時
下限−5%ということになる。そしてこの場合、鞘糸の
供給量が芯糸より低い時点においては、斜線部(g)、
(h)の過剰供給された糸が取り込まれることになる。
それで残った分が太糸部分を形成する。
【0014】一方、太・細の斑を得るために、鞘糸供給
量の代わりに引取り量(すなわち図1に示したデリベリ
ローラ7の速度)を5%以下の範囲ならば変更してもよ
い。さらに、フィードローラ4に加えてフィードローラ
2の速度も同時に変更させてもよい。
【0015】本発明で用いられるマルチフィラメント糸
は、ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維、あるいは
アセテート、レーヨン等の半合成繊維からなるものであ
る。中でもポリアミドやポリエステルのマルチフィラメ
ント糸条が、ループやタルミの嵩高性を形成するのに適
している。構成フィラメント数は、例えば、50デニー
ルのマルチフィラメント糸では24〜150本が、75
デニールでは24〜96本が好ましい。また丸型よりY
型、三角などの異形断面の方が嵩高性を形成しやすく、
さらに異デニール糸、異収縮糸、異光沢糸などを組み合
わせることにより、さらに高品質の製品を得ることがで
きる。
【0016】図5は、本発明により得られるシルキー様
光沢を有するファンシーヤーンの一例を示す概略図であ
る。図5においてイは生糸部分を、ロは太糸部分を示
す。
【0017】生糸部分は、芯糸、鞘糸がストレートな状
態で混繊されており、表面にループやたるみは殆ど見ら
れず、全体的に集束し主としてストレートな形状の糸か
らなる。したがって、生糸部分は比較的平らな表面を形
成して光をよく反射し、シルキー様の光沢を有する。ま
た、芯糸に鞘糸が絡んでいる部分もあるので、生糸部分
が容易に開繊することはない。
【0018】太糸部分は、流体噴射処理を受けた多数の
ループ、絡まり、たるみにより形成された紡錘形状であ
る。なかでも嵩高性の大きい部分は比較的サイズの小さ
いループ、絡まり、たるみなどが多く存在し、嵩高性の
小さい部分ではそれらのサイズが大きく、少なく存在す
る。ここでいう紡錘形状とは紡績工程に用いられる管糸
あるいはコップの形状をいうものである。
【0019】太糸部分の長さは、短い部分で1cm、長
い部分では数千m以上の設計も可能であり製品の目的に
よって適宜選択できる。例えば、ネップ狙いで1〜3c
m、スラブ狙いで10〜15cm、玉糸狙いで15〜2
0mが好ましい範囲である。太糸の太さの範囲は、見掛
け太さ(糸径)からいえば生糸部分に比較して1.1〜
10.0倍であることが好ましい。10.0倍を越える
と工程通過性を下げるので好ましくない。また1.2〜
5.0倍の範囲であることはより好ましい。見掛け太さ
は、投影型の糸形態測定器により、デニール当たり0.
1gの張力で糸長さを固定した状態の糸について、太糸
部の最大投影糸径を測定して求められる。
【0020】太糸部分において芯糸と鞘糸が絡み合う密
度は、高いほうが太糸形状として好ましく、例えば、鞘
糸の長さが芯糸の長さの1.1倍以上で絡み合うことが
好ましい。1.1倍未満では絡み合う密度が小さく、太
糸としての効果が小さくなるので好ましくない。ここで
いう芯糸と鞘糸との長さの比は、デニール当たり0.1
gの張力下で、芯糸(短い長さの糸)の見掛け糸長を測
定し(この長さをL1とする)、次いで芯糸を切断して
鞘糸(長い長さの糸)の見掛け糸長を測定し(この長さ
をL2とする)、L1に対するL2の比(L2/L1)
から求められる。
【0021】太糸部分と生糸部分の長さの組み合わせで
は、太糸部分より生糸部分の糸長さが長くなるような組
み合わせのパターンであると、より自然的に見える傾向
がある。平均長さ比率(太糸部長さ:生糸部長さ)では
1:1〜1:1000の範囲が好ましいが、この比率を
逆転させて、例えば1000:1〜1:1の範囲も可能
である。
【0022】太糸部分と生糸部分は、それぞれが任意の
長さで糸長手方向に交互に存在するが、交互に存在する
周期は規則的あるいは不規則的のいずれであってもよ
い。規則的になるほど人工的あるいは幾何学的な模様の
表面効果となる傾向がある。周期は不規則的である方が
自然感のある表面が得られるので好ましい。
【0023】また、本発明により得られる糸において、
太糸部分もしくは生糸部分の長さ、太さはそれぞれ糸長
手方向に不規則的あるいは規則的に変化して存在してい
ることが特徴である。すなわち、太糸部分は生糸部分を
挟んで存在するが、糸長手方向に存在するそれぞれの太
糸部分の長さ、太さがより規則的(画一的)になるほど
加工糸は幾何学的あるいは人工的になる傾向があり、不
規則的になるほどより自然感を表現することができる。
自然感を表現するためには、不規則的に変化して存在す
るもの、あるいは規則的に変化する場合で繰り返し単位
の長さが長いもの(例えば、1000m以上にわたって
繰り返すもの)が好ましい。同様のことが生糸部分につ
いてもいえる。一方、それぞれの太糸部分(もしくは生
糸部分)の長さ、太さが一定であるものの繰返しでは、
自然なシルキー感が得られなくなるので好ましくない。
本発明により得られる糸は糸斑の程度を表すU%におい
て3〜15%の範囲が好ましい。
【0024】布帛の風合はフィラメント糸の生糸が元に
なるものが好ましく、芯糸がよりストレート形状を形成
し生糸様の非嵩高性であると、より高級感・高感覚のシ
ルキーなスパンライク風合を得ることができる。また、
鞘糸として用いるフィラメント糸のデニールが細くなれ
ば柔らかいタッチになり、収縮率の異なる単繊維フィラ
メント糸を混繊するとふくらみ感が得られる。糸断面形
状を異形化して光沢、ハリ、腰あるいはドレープ性を生
かす形状の組み合わせにすることもできる。さらにま
た、芯糸と鞘糸に異染性のフィラメント糸を使用するこ
とによって、異色効果に優れた製品を得ることができ
る。
【0025】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の特性値は、次に方法により
求めたものである。
【0026】見掛け太さ デニール当たり0.1gの張力をかけて糸長さを固定し
た状態で、投影型の糸形態測定器であるリーダプリンタ
ー(リコーマイクロ写真株式会社製、RIMAC350
0型)により5倍に太糸部を拡大し、最大投影糸径を測
定した。
【0027】糸長比 デニール当たり0.1gの張力下で、芯糸(短い長さの
糸)の見掛け糸長を測定し(この長さをL1とする)、
次いで芯糸を切断して鞘糸(長い長さの糸)の見掛け糸
長を測定し(この長さをL2とする)、L1に対するL
2の比(L2/L1)から求められる。
【0028】U%計測器工業株式会社製のKET−80
Bにより測定し求めた。
【0029】実施例1 ヒータ10及びデリベリローラ11を用いない他は図1
と同様の加工工程において、フィラメント糸1(芯糸)
としてポリエステルマルチフィラメント糸(30デニー
ル6フィラメント、ブライト、丸断面、沸水収縮率23
%)、フィラメント糸3(鞘糸)としてポリエステルマ
ルチフィラメント糸(50デニール72フィラメント、
ブライト、丸断面、沸水収縮率8%)を用い、流体乱流
処理ノズル6圧力6.0kg/cm2 、フィードローラ
2の表面速度198m/min、デリベリローラ7の表
面速度200m/min(すなわち芯糸供給量は引取量
に対して−1%)とし、鞘糸供給量変更の繰り返し単位
は図2のような矩形波の入力信号((a)10msec×3
00m/min、(b)5 sec×197m/min、
(c)立上がり遅れ時間3.5msec、(d)立下がり遅
れ時間3.5msec)の条件で糸加工を行なった。その結
果、U%が6.6%で下記のようなシルキー様光沢を有
するファンシーヤーンを得た。 太糸部 生糸部に対する太糸部の最大見掛け太さの比 3.5 平均長さ 3.3cm 平均見掛け繊度 95デニール 平均糸長比(芯糸:鞘糸) 1:1.2 生糸部 平均長さ 1670cm 平均見掛け繊度 79デニール 平均糸長比(芯糸:鞘糸) 1:1 得られた糸を緯糸とし、縦糸には通常のポリエステルフ
ィラメント糸(50デニール36フィラメント、ブライ
ト、丸断面)を用いて下記の条件で製織し、さらに染色
加工した。その結果、カスリ調の外観と凹凸感のある手
触りを有するシルキー様光沢を有するスパンライク風合
いの織物製品を得た。 追撚条件 S850T/m ヨリ止めセット80℃(湿熱)×60min 製織条件 経糸 ポリエステルフィラメント糸50デニール36フィラメント 緯糸 実施例1のファンシーヤーン 密度 縦糸130(本/インチ)、横糸75(本/インチ) 組織 平織 染色条件 精練 ソーダ灰2g/l、60℃×40min 湿熱リラックス処理 熱水98℃×60min自由状態で処理 乾熱リラックス処理 乾熱170℃×90sec自由状態で処理 中間セット 乾熱180℃×90sec(乾熱リラックス 処理後の有幅・有長で処理) 減量加工 NaOH 30g/l×98℃×60min (25%減量) 高圧染色 分散染料で130℃×60min 仕上げセット 乾熱180℃×90sec有幅・有長で処理 実施例2 図1に示すような加工工程において、フィラメント糸1
(芯糸)としてポリエステルマルチフィラメント糸(3
0デニール12フィラメント、ブライト、丸断面、沸水
収縮率25%)、フィラメント糸3(鞘糸)としてポリ
エステルマルチフィラメント糸(50デニール36フィ
ラメント、ブライト、三角断面、沸水収縮率12%)を
用い、流体乱流処理ノズル6圧力6.0kg/cm2
フィードローラ2の表面速度200m/min、デリベ
リローラ7の表面速度200m/min(すなわち芯糸
供給量は引取量に対して0%)とし、鞘糸供給量変更の
繰り返し単位は図3のようなSIN波の入力信号
((e)20msec×350m/min(ピーク速度)、
(f)2sec ×198m/min)、さらに熱セット温
度180℃、熱セット時オーバーフィード率0%の条件
で糸加工を行なった。その結果、U%が5.1%で下記
のようなシルキー様光沢を有するファンシーヤーンを得
た。 太糸部 生糸部に対する太糸部の最大見掛け太さの比 3.1 平均長さ 6.7cm 平均見掛け繊度 92デニール 平均糸長比(芯糸:鞘糸) 1:1.3 生糸部 平均長さ 670cm 平均糸長比(芯糸:鞘糸) 1:1.01 得られた糸を緯糸に用い、縦糸には通常のポリエステル
フィラメント糸(75デニール、36フィラメント、ブ
ライト、三角断面)を用いて下記の条件で製織し、さら
に染色加工した。その結果、カスリ調の外観、凹凸感の
ある手触り、ハリ・コシを有するシルキー様のスパンラ
イク風合いの織物製品を得た。 追撚条件 S850T/m ヨリ止めセット80℃(湿熱)×60min 製織条件 縦糸 ポリエステルフィラメント糸75デニール36フィラメント 横糸 実施例2のシルキー様ファンシーヤーン 密度 経糸90(本/インチ)、緯糸75(本/インチ) 組織 平織 染色条件 精練 実施例1と同一条件 湿熱リラックス処理 実施例1と同一条件 乾熱リラックス処理 実施例1と同一条件 中間セット 実施例1と同一条件 減量加工 NaOH 30g/l×98℃×70min (23%減量) 高圧染色 実施例1と同一条件 仕上げセット 実施例1と同一条件 実施例3 実施例1と同様のフィラメント糸を用いて、フィードロ
ーラ2の表面速度206m/min(すなわち芯糸供給
量は引取量に対して+3%)とし、他の製造条件は実施
例1と同様にして糸加工を行ない、U%が5.5%で下
記のようなシルキー様光沢を有するファンシーヤーンを
得た。 太糸部 生糸部に対する太糸部の最大見掛け太さの比 3.8 平均長さ 3.5cm 平均見掛け繊度 98デニール 平均糸長比(芯糸:鞘糸) 1:1.1 生糸部 平均長さ 1640cm 平均見掛け繊度 82デニール 平均糸長比(芯糸:鞘糸) 1:1 得られた糸は、実施例1に比べて生糸部にやや膨らみ感
があり、交絡性が良かった。太糸部は見掛けの嵩もやや
大きく緊密に絡んでいた。光沢は実施例1に比べてやや
低下するが、生糸部と太糸部のコントラストが大きいの
でシルキーな光沢感が得られた。
【0030】比較例1 実施例1と同様のフィラメント糸を用いて、フィードロ
ーラ2の表面速度210m/min(すなわち芯糸供給
量は引取量に対して+5%)とし、他の製造条件は実施
例1と同様にして糸加工を行なったところ、得られた糸
は実施例1,2に比べて生糸部にタルミや小ループを多
く形成し、シルキー様の光沢は得られなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば糸加工速度が
速くなっても、流体噴射加工における糸条の供給量を瞬
時に容易に極めて精度良く制御できる技術により、太さ
斑や太細、長さ斑に富んだ自然感のある表面効果と新鮮
味のあるシルキー様スパンライク風合を有する糸を得る
ことができる。また、太糸形状は糸供給量を滑らかに制
御したSIN波の信号入力により製造することができ、
極めて糸足の長い紡錘形の糸形状と滑らかな凹凸感のあ
る風合いを得ることができる。太さの変化や長さ斑の周
期はコンピュータの入力信号により自由に変更すること
ができるので、編織物製品としたときに長さの周期が重
なり合ってイラツいたり縞状の斑が生じる場合には、容
易に設計変更できる。
【0032】また、本発明の製造方法により得られるの
シルキー様光沢を有するファンシーヤーンは、ストレー
トな形状の生糸部分を有するため絹様の優れた光沢を有
し、本発明の糸から得られる編織物製品の表面品位は良
好で、シルキーな光沢がありドレープ性の優れたものが
得られる。本発明により得られる糸は多数のループ、絡
まり、たるみを有した紡錘型の太糸形状を有するので、
ふくらみ感があり見栄えがよい。そして、太糸部分は鞘
糸が芯糸に強く絡み、ひきしまった糸構造であるため、
編織物に供した場合、例えば織りクリンプにより凹凸感
のある手触りを得ることができる。
【0033】太糸部分は、高精度で鞘糸供給量を瞬時に
制御して得られるので糸足の長い紡錘形の糸形状とな
り、生糸から太糸になる境界、あるいは太糸から生糸に
なる境界がハッキリとした形状でなく、より自然な太・
細感を得ることができる。
【0034】太糸の長さは、糸長手方向に不規則的ある
いは規則的に存在するので、斑の長さに自然感のある表
面効果を表現することができ、かつスパンライクな風合
いを同時に得ることができる。前記したように、太糸の
長さは糸長手方向に微少な長さ例えば1cm程度のも
の、あるいは数百、数千mもの長さを連続的に表現する
ことができるのでバラエテイに富んだ表面効果を得るこ
とができる。
【0035】生糸部分は芯糸と鞘糸とが絡み合いを有し
全体的に集束してなるので、部分的にクビれたり開繊す
ることは少なく、解舒性や製編織性などの工程通過性に
優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法の一例を示す工程概略図
である。
【図2】フィードローラの回転数を制御するための信号
の一例を示す概略図である。
【図3】フィードローラの回転数を制御するための信号
の他の一例を示す概略図である。
【図4】鞘糸供給量の瞬時下限を説明する説明図であ
る。
【図5】本発明に係るシルキー様光沢を有するファンシ
ーヤーンの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:マルチフィラメント糸(芯糸) 2:フィードローラ 3:マルチフィラメント糸(鞘糸) 4:フィードローラ 5:水付与ローラ 6:流体噴射ノズル 7:デリベリローラ 8:巻取ローラ 9:コンピュータ装置 10:ヒータ 11:デリベリローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D03D 15/00 D03D 15/00 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 3/34 - 3/38 D01D 5/34 D02G 3/04 D02J 1/00 D03D 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2糸条以上のマルチフィラメント糸を用い
    た流体噴射処理による芯鞘型混繊加工によるファンシー
    ヤーンの製造方法であって、芯糸供給量は引取量に対し
    て+3%以下とし、かつ鞘糸供給量はフィードローラの
    回転数の制御により変化させながら芯糸に対して瞬時下
    限−5%以上の範囲で増減速制御され、かつ前記フィー
    ドローラの回転数を制御する信号の入力時点に対する実
    稼働時点までの遅れ時間が30msec以下の応答速度
    で鞘糸供給量を制御し加工することを特徴とするシルキ
    ー様光沢を有するファンシーヤーンの製造方法。
  2. 【請求項2】流体噴射処理を施した後、熱処理を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載のシルキー様光沢を有する
    ファンシーヤーンの製造方法。
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