JP2002362109A - ラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
ける亀裂の発生を抑制し、小傾斜ベルト層のより広い幅
での適用を可能にする方途について提案する。 【解決手段】 カーカスのクラウン部の径方向外側に、
タイヤの赤道面に対して傾斜して延びる多数本のコード
によるゴム引き層の少なくとも3層を、そのコードが隣
接層間で交差する向きに配置したベルトを有するラジア
ルタイヤにおいて、該ベルトのカーカス側に配した2層
は、タイヤの赤道面に対して15°以下の傾斜角度で延び
る多数本のコードによるゴム引き層を、タイヤ幅方向に
トレッド幅の0.25〜0.50倍の幅にわたって設けた、小傾
斜ベルト層であり、該小傾斜ベルト層のカーカス側のベ
ルト層の幅W1と残るベルト層の幅W2との比W2/W
1を1.1 〜1.3 の範囲とする。
Description
にそのトレッド補強を司るベルトの改良によって、耐久
性の向上を図った重荷重用ラジアルタイヤに関するもの
である。
用タイヤなどの重荷重用ラジアルタイヤのベルトは、タ
イヤの赤道面に対して大きな傾斜角度、例えば20〜70°
の傾斜角度で並行配列をなすコードが通常等間隔に埋設
されたゴム引き層による大傾斜ベルト層と、タイヤの赤
道面に対して小さな傾斜角度、例えば5〜15°の傾斜角
度で並行配列をなすコードが通常等間隔に埋設されたゴ
ム引き層による小傾斜ベルト層と、を組み合わせて、ベ
ルトの主層を構成するのが一般的である。
トの面に沿った変形に対する剛性(以下、面内曲げ剛性
という)を確保している。一方、小傾斜ベルト層は、そ
の傾斜角度の小さいコード配置によってトレッド周方向
の張力を負担し、トレッドの径成長を抑制して走行時に
クラウン形状が変化するのを防いでいる。
方向外側へ順に、小傾斜ベルト層の2層および大傾斜ベ
ルト層の1層または2層の計3〜4層から成るのが通例
である。ここで、小傾斜ベルト層は、トレッド周方向の
張力を負担するために、各層のコードを隣接層間で交差
する向きに配置すること、また小傾斜ベルト層の外側の
大傾斜ベルト層が2層の場合は、面内曲げ剛性を高める
ために、各層のコードを隣接層間で交差する向きに配置
すること、そして小傾斜ベルト層と大傾斜ベルト層との
隣接層間においても、最もカーカス側の小傾斜ベルト層
での歪み集中を防ぐために、コードを交差する向きに配
置すること、がそれぞれ有効である。
ルト層のコードが隣接層間で相互に交差する配置となる
ことが、トレッドの径成長の抑制、面内曲げ剛性の向上
およびベルト端での歪みの分散を図る上で有利である。
いる際、ベルトの端部域には剪断歪みの発生が不可避で
ある。特に、ベルトのコードの傾斜角度が小さいほど、
そしてベルト幅が広いほど、発生する剪断歪みは大きく
なり、ゴムと非接着のコード端末が位置するベルト端に
亀裂が生じて、これがベルト層間のセパレーションへと
進展し、ひいてはタイヤの破壊へと繋がる。
角度が大きく発生する剪断歪みが小さいため、ベルト幅
を広くすることが可能であり、その主目的である面内曲
げ剛性の確保は容易である。
るトレッド径成長の抑制を実現するのに、コードの傾斜
角度を小さくかつ最低限のベルト幅を確保することが不
可欠であるが、タイヤの負荷転動中の剪断歪みを小さく
するには、ベルト幅を狭くするか、或いはコードの傾斜
角度を大きく設定せざるを得ない。しかしながら、いず
れにしても、トレッドの径成長の抑制が不十分になり、
走行に伴って径成長量が大きくなり、耐カットセパレー
ション性、耐発熱性および耐磨耗性を著しく悪化するこ
とになる。すなわち、コードの傾斜角度が小さい小傾斜
ベルト層は、より幅を広く、そしてコードの傾斜角度を
より小さくすることが、トレッドの径成長抑制には有利
であるが、上記のベルト端を起点とするセパレーション
の発生が、これらの実現を阻んでいたのである。
歪みの発生し易い小傾斜ベルト層の端部における亀裂の
発生を抑制し、小傾斜ベルト層のより広い幅での適用を
可能にする方途について、提案することを目的とする。
トにおけるコードの傾斜角度およびベルト幅と、トレッ
ド部の径成長およびベルト耐久性との関係について、種
々の検討を行った。すなわち、コードの傾斜角度および
ベルト幅を表1に示すように種々に変化し、それぞれの
条件でのトレッド部の径成長およびベルト耐久性を調査
した。その結果を表1に併記するとともに、各評価項目
毎に整理した結果を図1および図2に示す。なお、トレ
ッド部の径成長は、タイヤの内圧を50kPa から700kPaに
変化した際の、トレッドセンター部分の径成長量を測定
し、その結果を指数表示したものであり、ベルト耐久性
は後述のドラム走行試験においてベルト故障により走行
が不能になるまでの走行可能時間を指数表示したもので
ある。
示すように、この角度が15°以下になるとベルト耐久性
が急激に低下する反面、図1(b)に示すように、トレ
ッド部の径成長は傾斜角度が小さくなるほど抑制される
ことがわかる。従って、コードの傾斜角度を15°以下に
設定した上でベルト端の亀裂を抑制することによって、
トレッド部の径成長の抑制が達成される。
に、そのトレッド幅に対する比が0.25倍以上と大きく、
つまり幅が広くなるほどベルト耐久性が悪化する反面、
図2(b)に示すように、トレッド部の径成長は幅が広
くなるほど抑制されることがわかる。従って、ベルト幅
をトレッド幅の0.25倍以上に設定した上でベルト端の亀
裂を抑制することによって、トレッド部の径成長の抑制
が達成される。
0.50倍をこえると、ベルト幅を拡げることによる径成長
の抑制効果が飽和するのに反して、歪みの増加による耐
久性の低下が大きくなるため、上記比は0.50倍以下とす
る。
幅、換言すると、負荷荷重、タイヤ内圧およびリムが次
の条件下にある場合の、トレッド接地面の最大幅をい
う。すなわち、負荷荷重とは、JATMA Year Book に記載
されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負
荷能力)をいい、タイヤ内圧とは、上記の規格に記載さ
れている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷
能力)に対応する空気圧をいい、リムとは、上記規格に
記載されている適用サイズにおける標準リムをいう。
斜ベルト層および大傾斜ベルト層を組み合わせたベルト
について、ベルト端部における亀裂の発生について詳細
に検討した。すなわち、図3にタイヤの赤道面Oを境と
するベルト半部を示すように、カーカス側から順に、小
傾斜ベルト層1Bおよび2Bと大傾斜ベルト層3Bおよ
び4Bとからベルト主層が構成され、さらに大傾斜ベル
ト層4B上に、保護ベルト層5Bを配置した、ベルト構
造において、各ベルト層のコードのタイヤ赤道面Oに対
する傾斜角度および幅を表2に示す仕様とした、従来の
ベルトについて検討した。
ト層1Bおよび2Bの端部での歪みについて解析したと
ころ、小傾斜ベルト層1B、2Bおよび大傾斜ベルト層
3Bの各層のコードが全ての層間で相互に交差してい
て、ベルト層2B端を挟むベルト層1Bおよび3Bのコ
ードが、それぞれベルト層2Bのコードと交差する配置
であるため、タイヤの負荷転動時に荷重の加わる直下の
ベルト端部に周方向の伸びが生じた際、ベルト層1Bお
よび3Bの変位に対してベルト層2Bが逆向きに変位す
る結果、ベルト層2Bの端部の径方向外側(以下、上と
示す)および同内側(以下、下と示す)に剪断歪みが集
中することが、新たに判明した。
の上方に位置するベルト層3Bのコードはベルト層1B
のコードと同じ向きに配置されているが、ベルト層3B
が径方向内側(曲げ変形の中立軸より内側)にあるため
に、ベルト層1Bの端部にかかる引張量が大きく、かつ
幅が広いため、比較的に大きい歪みが発生する。一方、
ベルト層1Bの端部下では、コードの傾斜角度が小さい
こと、そしてカーカスまでの距離が比較的に存在するこ
と、から歪みの発生は極めて小さいものである。従っ
て、歪みは、ベルト層1B端上と同2B端の上下におい
て問題になる。
ドラム耐久試験に供した際の、ベルト端での亀裂の発生
と、その進展について調査した結果を、図4(a) 〜(c)
に模式的に示す。すなわち、ドラム走行過程においてタ
イヤの走行を停止して、ベルト端での亀裂の発生状態を
調査した。まず、ドラム走行距離:1000kmの時点では、
図4(a)に示すように、ベルト層1B上およびベルト層
2B上下に3つの亀裂K1〜K3が発生した。これは、
各ベルト層端の歪みの大きさに応じて発生しているもの
である。
は、図4(b) に示すように、上記の各亀裂K1〜K3が
成長すると同時に、ベルト層1B上およびベルト層2B
下の亀裂K1とK2とが繋がる。
は、図4(c) に示すように、一度繋がった亀裂K1およ
びK2は、他の亀裂K3や繋がる前の亀裂K1およびK
2に比べて、その成長が極めて速いため、ベルト層1B
およびベルト層2B間をベルト層に沿って亀裂が早期に
進展し、ここを起点としてベルト層間セパレーション故
障が容易に発生することが判明した。従って、ベルト層
間セパレーションは、ベルト層1B上およびベルト層2
B下において、特に問題となるのである。
ンの発生過程に関する知見に基づいて、この亀裂の進展
を回避する手段について鋭意究明したところ、2層の小
傾斜ベルト層の幅を規制することが亀裂の原因である歪
みを低減するのに極めて有効であることを見出し、この
発明を完成するに到った。
おりである。 (1) カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤
道面に対して傾斜して延びる多数本のコードによるゴム
引き層の少なくとも3層を、そのコードが隣接層間で交
差する向きに配置したベルトを有するラジアルタイヤに
おいて、該ベルトのカーカス側に配した2層は、タイヤ
の赤道面に対して15°以下の傾斜角度で延びる多数本の
コードによるゴム引き層を、タイヤ幅方向にトレッド幅
の0.25〜0.50倍の幅にわたって設けた、小傾斜ベルト層
であり、該小傾斜ベルト層のカーカス側のベルト層の幅
W1と残るベルト層の幅W2との比W2/W1が1.1 〜
1.3 の範囲にあることを特徴とするラジアルタイヤ。
は、その層内を占める個々に独立したコードを数本以内
の束毎に区分し、その各束内の隣接コード間隔に比し、
束とこの束に隣接するコードとの間隔を広げた、コード
の配列になることを特徴とするラジアルタイヤ。
の径が2.5 〜4.0 mmであるラジアルタイヤ。
て、各束内のコード本数が2〜5本であるラジアルタイ
ヤ。
て、各束内の隣接コード間隔が0.2〜0.5 mm、かつ束と
この束と隣接するコードとの間隔が 2〜10mmであるラジ
アルタイヤ。
メントを撚り合わせたコードまたは単線からなるモノフ
ィラメントコードを使用することができ、その材質はス
チールまたは化学繊維の適用が可能である。
アルタイヤの幅方向断面の要部を示す。このタイヤは、
一対のビード部(図示せず)間に跨がってトロイダル状
に延びるカーカスCのクラウン部の径方向外側に、少な
くとも3層、図示例で5層のベルトBおよびトレッドT
をそなえる。
外側へ順に、2層の小傾斜ベルト層1Bおよび2B、2
層の大傾斜ベルト層3Bおよび4B、そして1層の保護
ベルト層5Bを積層して成る。すなわち、ベルトBの各
ベルト層1B〜5Bは、タイヤの赤道面Oに対して斜め
の並行配列をなす、多数本のコードのゴム引き層を隣接
層間でコードが交差する向きに配置したものであり、ベ
ルト層1Bおよび2Bは、そのコードがタイヤの赤道面
Oに対して15°以下、好ましくは3〜12°の傾斜角度で
延び、かつ幅W1およびW2がトレッド幅TWの0.25〜
0.50倍の幅を有する小傾斜ベルト層であり、一方ベルト
層3Bおよび4Bは、小傾斜ベルト層1Bおよび2Bと
比較して、幅が広くかつコードの傾斜角度の大きい大傾
斜ベルト層である。
を有し、そのコードがタイヤの赤道面Oに対して比較的
大きな傾斜で延びるコード配列になるゴム引き層であ
り、主に外傷を受けた場合の保護層としての機能をもつ
ものである。
は、特に小傾斜ベルト層2B下での歪みを低減すること
が、ベルト層間セパレーション故障を回避するのに有効
である。すなわち、図5に示したベルト構造において、
各ベルト層のコードのタイヤ赤道面Oに対する傾斜角度
および幅を表3に示す仕様としたベルトについて、亀裂
の発生原因である、小傾斜ベルト層1Bおよび2Bの端
部での歪みを解析したところ、小傾斜ベルト層2B下で
は同1B下と同様に歪みの発生が極めて僅かになること
が判明した。また、小傾斜ベルト層1B上での歪みは、
該ベルト層の幅が狭くなった分の低減が得られた。一
方、小傾斜ベルト層2B上では、該ベルト層の幅が広い
分不利となるが、小傾斜ベルト層2B下に小傾斜ベルト
層1Bによる制約がないため、在来ベルト構造に比べて
歪みが増加することはない。
をドラム耐久試験に供した際の、ベルト端での亀裂の発
生と、その進展について調査した結果を、図6(a) 〜
(c) に模式的に示す。すなわち、ドラム走行過程におい
てタイヤの走行を停止して、ベルト端での亀裂の発生状
態を調査した。まず、ドラム走行距離:1000kmの時点で
は、図6(a)に示すように、ベルト層1B上およびベル
ト層2B上に2つの亀裂K1およびK3が発生した。こ
れは、各ベルト層端上の歪みによって発生しているもの
であるであり、亀裂の成長は、図4(a) に示した亀裂K
1およびK3と同等か、それ以下であった。
は、図6(b) に示すように、上記の亀裂K1およびK3
が成長するが、従来ベルトのように、亀裂同士が繋がる
ことはなく、亀裂発生初期と同様の進展速度で成長す
る。
は、図6(c) に示すように、各亀裂K1およびK3は、
その後も一定速度で成長し、急速に進展することがない
ため、ベルト層間セパレーション故障の発生が回避され
ることが判明した。
2Bの幅比を従来ベルトの場合と逆にすることによっ
て、ベルト端での歪みの発生を各ベルト層端下側で低減
し、亀裂が伝播して繋がらない、亀裂進展形態に改良し
得ることが見出された。
幅を種々に変化して、ドラム走行試験のドラム走行距
離:2000kmの時点で生じる、小傾斜ベルト層2Bの端部
の亀裂長さを調査した。その結果を、図7に示すよう
に、小傾斜ベルト層2B下の亀裂の発生がないことを基
本とし、かつ同ベルト層2B上並びにベルト層1B上の
亀裂の発生を許容範囲(亀裂長さ:45mm)に抑えるに
は、比W2/W1を1.1 〜1.3 の範囲に規制する必要の
あることが判明した。なお、図7には、同じ比W2/W
1の下に、ベルトのコード配列を後述する束化した場合
の結果についても、束コードとして示した。
従来のベルト構造と同様に、小傾斜ベルト層2B下に亀
裂が発生し、小傾斜ベルト層1B端上からの亀裂と繋が
ることによって、亀裂の進展速度が極めて増大してベル
ト層間セパレーション故障が容易に発生する。
傾斜ベルト層2B下に亀裂が発生することはないが、小
傾斜ベルト層1B対比で同ベルト層2Bの幅が広くなる
ため、ベルト層2B端上での歪みが増加する結果、ベル
ト層2B端上の亀裂が増大してしまう。
おいて、そのベルト構造を図8に展開して示すように、
各ベルト層内を占める個々に独立したコード1を数本以
内の束2毎に区分し、その各束2内の隣接コード1の間
隔Pi に比し、束2とこの束2に隣接するコード1との
間隔Qi を広げた、コードの配列を与えることが有利で
ある。
イヤの小傾斜ベルト層の幅端におけるゴム破壊の過程は
コードの端末に生じた微細な亀裂がコードの表面に沿っ
て進む初期段階はともかくとして、図9に従来のベルト
構造を展開して示すように、従来の技術に従い等間隔で
コード1が並行配列された場合にいち早くコード1の隣
接相互間にまたがって成長し始めるや即座にベルトの積
層相互間につながって急拡大し、ベルトセパレーション
に進展する不利があった。
に図8のX−X線断面を示すように、束2と束2との間
隔Qi (又は束に属しないコード1が混在するときはそ
のコード1と束2との間隔)が、従前の等間隔配列の場
合の隣接コード間隔に比しはるかに広がるため、この間
隔Qi を隔てて隣接するコード間での亀裂成長に到らず
に、従ってその後にベルトセパレーションに急進展する
ようなベルトの積層相互間への亀裂拡大は有効に抑制さ
れるのである。
した1.1 〜1.3 の範囲内に規制した、小傾斜ベルト層1
Bおよび2Bについて、各ベルト層のコードを束の配列
とした場合の、ドラム走行試験のドラム走行距離:2000
kmの時点で生じる、小傾斜ベルト層端部の亀裂長さを調
査した。その結果を、表4に示すように、ベルト層のコ
ード配列を束に区分することによって、亀裂長さが1/
3程度まで低減できることがわかる。
ためにコードを数本の束にするに当り、ベルトの総強力
を従来対比で具体的には、図8および図9との対比から
判るように、コード径を太く(具体的には2.5 〜4.0 mm
径程度)してベルトの総強力を同程度に維持しつつコー
ド打ち込み数を減らすことによって、束内の隣接コード
間隔Pi が従来のコード間隔Pi (図9参照)に比べて
狭くならない配慮をした上で、上記間隔Qi を拡げるこ
とが好ましい。
5本であることが好ましい。なぜなら、束間の間隔を大
きくするためには、束内のコード本数を2本以上にする
ことが必要であるが、5本をこえるとベルトトリート内
での剛性が極端に不均一になり、ベルトの面内剛性が確
保されずにコーナリングパワーの不足をまねくため、2
〜5本の範囲とする。
i は0.2 〜0.5 mm、かつ束2とこの束2に隣接するコー
ド1との間隔Qi が2〜10mmであることが有利である。
すなわち、間隔Pi が0.2 mm未満では、束内での亀裂進
展性が悪化し、同間隔Pi が0.5 mmをこえると、間隔Q
i を十分に確保することが難しくなる。一方、間隔Qi
が2mm未満では、束間の亀裂抑制効果が不十分になり、
同間隔Qi が10mmをこえると、コーナリングパワーの低
下を引き起こしてしまう。
アルタイヤ(トレッド幅:980mm )において、そのベル
トBの各ベルト層を表5に示す種々の仕様の下に適用し
て、供試タイヤを作製した。
700 kPa および荷重:The Tire andRim Association規
格の150 %負荷の下に、ドラム(5m径)走行を10km/
hで行い、ドラム耐久性試験によって小傾斜ベルト層1
Bと2Bとの間に発生する亀裂長さを測定した。なお、
同じ仕様のタイヤを複数作製して同時にドラム走行試験
を行うことによって、所定距離の走行毎に1つのタイヤ
を解剖に供して、亀裂長さの測定を行った。その測定結
果を、表6および図11に示す。
ベルトをそなえるタイヤでは、走行距離3800kmにてベル
ト故障が発生した。一方、この発明に従ってベルト幅を
規制したタイヤでは、走行距離4500kmまで完走すること
ができた。
斜ベルト層1Bと2Bとの間で亀裂が繋がり、走行距離
2000km以降の亀裂進展速度が約2倍になり、この亀裂が
200mm をこえた時点でベルト層間セパレーション故障が
発生し、走行不能になった。
タイヤでは、小傾斜ベルト層2B下に亀裂が発生しない
ため、ベルト層間での亀裂の繋がりが回避され、発生し
た亀裂は初期進展速度のまま成長し、走行距離4500km完
走時における亀裂長さは約100mm と従来例の半分であっ
た。さらに、ベルト層のコード配列を束としたものにあ
っては、亀裂長さが1/3程度まで抑制されていた。
2について、タイヤの内圧を50kPaから700kPaに変化し
た際の、トレッドセンター部の径成長量を測定したとこ
ろ、ほとんど差が生じることはなかった。これは、径成
長を支配する小傾斜ベルト層間でのコード交差角度およ
び交差幅が在来のベルトに対して変化していないため、
張力負担が適切に成されていることを意味している。
ッド補強の弱点とされて来たベルトの幅端でのセパレー
ションの原因である、ベルトのコードに用いたコードの
末端付近における亀裂の成長進展を有効に阻むことがで
きる。
レッドの径成長量との関係を示す図である。
レッドの径成長量との関係を示す図である。
である。
る。
模式図である。
を示す図である。
の配列を示す模式図である。
ドの配列を示す模式図である。
さとの関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 カーカスのクラウン部の径方向外側に、
タイヤの赤道面に対して傾斜して延びる多数本のコード
によるゴム引き層の少なくとも3層を、そのコードが隣
接層間で交差する向きに配置したベルトを有するラジア
ルタイヤにおいて、該ベルトのカーカス側に配した2層
は、タイヤの赤道面に対して15°以下の傾斜角度で延び
る多数本のコードによるゴム引き層を、タイヤ幅方向に
トレッド幅の0.25〜0.50倍の幅にわたって設けた、小傾
斜ベルト層であり、該小傾斜ベルト層のカーカス側のベ
ルト層の幅W1と残るベルト層の幅W2との比W2/W
1が1.1 〜1.3 の範囲にあることを特徴とするラジアル
タイヤ。 - 【請求項2】 請求項1において、小傾斜ベルト層は、
その層内を占める個々に独立したコードを数本以内の束
毎に区分し、その各束内の隣接コード間隔に比し、束と
この束に隣接するコードとの間隔を広げた、コードの配
列になることを特徴とするラジアルタイヤ。 - 【請求項3】 請求項1または2において、コードの径
が2.5 〜4.0 mmであるラジアルタイヤ。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
各束内のコード本数が2〜5本であるラジアルタイヤ。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
各束内の隣接コード間隔が0.2 〜0.5 mm、かつ束とこの
束に隣接するコードとの間隔が 2〜10mmであるラジアル
タイヤ。
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