JP2008284903A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】石等の突起物を踏んだ場合に対する、破断耐久性を高めた重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】ラジアルカーカス6のクラウン部の半径方向外側に、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本のスチールコード8a、8bを隣接層間で交差する向きに配列させたベルト9を配設し、ベルト層のラジアルカーカス6に近接させて配置した二層の内側ベルト層10aは、横断面輪郭形状が円形をなすスチールコード8aのゴム被覆層からなり、他の外側ベルト層10bは、横断面輪郭形状が楕円状をなし、長径がタイヤ半径方向と直交する姿勢に引き揃えたスチールコード8bのゴム被覆層からなることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、重荷重用空気入りラジアルタイヤ、特にそのトレッド部の補強を司るベルトの改良によって、直接的にはベルト層の耐久性の向上を図った重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するものである。
トラックや建設車両等に使用される、例えば、六層のベルト層からなるベルトを具える重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、タイヤ周方向に対して15°以下の角度で傾斜して延びるコードにより形成してなる内側ベルト層と、タイヤ周方向に対してそれより大きい角度で傾斜するコードにより形成してなる外側ベルト層とを組み合わせて、ベルトを構成するのが一般的である。
六層のベルト層を有し、タイヤ周方向に対して15°以下の角度で傾斜したコードからなる内側ベルト層である1および2ベルト層と、タイヤ周方向に対してそれより大きい角度で傾斜するコードからなる外側ベルト層である3〜6ベルト層とを設けた建設車両用タイヤでは、タイヤが走行時に路面の石等を踏むことで、ベルト層が曲げ変形を受けた場合に、1、2ベルト層にかかる張力は全ベルト層にかかる張力の60%を超えることになる。これがため、その張力によって1、2ベルト層がしばしば破断することがあった。
さらに、1、2ベルト層が破断に至ると、2ベルト層と、それの外周側に隣接する3ベルト層との層間においてセパレーションが発生して、タイヤバーストに至るおそれもある。
そこで従来は、その張力に耐えうるように、1、2ベルト層のコード径の増加や、単位幅当たりのコード配設本数の増加等によって、ベルト層の耐張力を高めることで対応していた。
しかしながら、1、2ベルト層の耐張力を高めすぎた場合には、ベルト層全体ひいては、ベルトの剛性が上がって変形しにくくなるため、石等を踏んだ場合、石の先端に大きな力がかかり、石がトレッド部内に容易に貫入し、ベルト層を切断することがある。
また、特許文献1には、ベルト、特に内側ベルト層の広幅化を可能とするべく、ベルトのカーカス側に配した二層のベルト層が、タイヤの赤道面に対して15°以下の傾斜角度で延びる多数本のコードのゴム引き層になる小傾斜ベルト層であり、それらの小傾斜ベルト層を、タイヤ幅方向にトレッド幅の0.25〜0.50倍の幅にわたって設けたラジアルタイヤが開示されている。
しかるに、この特許文献1に記載されたタイヤでは、ベルトのコード末端付近における亀裂の成長進展を有効に阻むことができるものの、1、2ベルト層にかかる張力負担を軽減できないことから、1、2ベルト層の破断のおそれは依然として残っていた。
特開2002−362109号公報
そこで、本発明の目的は、石等の突起物を踏んだ場合に対する、ベルト、なかでも、カーカスに近接して位置する、内側の二層のベルト層の破断耐久性を高めた重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
この発明にかかる重荷重用空気入りラジアルタイヤは、一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスのクラウン部の半径方向外側に、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本のスチールコードを隣接層間で交差する向きに配列させた三層以上、例えば六層のベルト層からなるベルトを配設させるものであり、ベルト層のうち、ラジアルカーカスに近接させて配置した二層の内側ベルト層は、横断面輪郭形状が円形をなすスチールコードのゴム被覆層からなり、他の外側ベルト層は、横断面輪郭形状が楕円状をなし、長径がタイヤ半径方向と直交する姿勢に引き揃えたスチールコードのゴム被覆層からなることを特徴とするものである。
ここで、横断面輪郭形状が楕円状とは、スチールコードの軸線と直交する断面内での輪郭線が、その面内の、ある二定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる文字通りの楕円形のみならず、長円形等をも含むものとする。
このようなタイヤにおいてより好ましくは、外側ベルト層のスチールコードの間隔Cと、このスチールコードの断面積Dとの比であるC/Dが、6〜35%の範囲であるものとする。
また好ましくは、外側ベルト層のスチールコードの横断面の、短径Aが1.52〜4.80mm、長径Bが2.12〜6.30mmの範囲であるものとする。
そしてまた好ましくは、内側ベルト層のスチールコードを、タイヤ周方向に対して15°以下の角度で傾斜させて延在させる。
ところで、外側ベルト層のスチールコードは、タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜させて延在させることが好ましい。
発明者は、石等の突起物を踏んだ場合に対する、ベルト、なかでも、カーカスに近接して位置する、内層側の二層のベルト層の破断耐久性を高めるべく鋭意研究を行って、以下のような知見を得た。
すなわち、一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスのクラウン部の半径方向外側に、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本のスチールコードを隣接層間で交差する向きに配列させた三層以上のベルト層からなるベルトを配設してなる重荷重用空気入りラジアルタイヤが、走行時に路面の石等の突起物を踏むことで、ベルトがタイヤ幅方向断面およびタイヤ周方向断面内で、タイヤ半径方向内側へ凸となる曲げ変形を受けた場合には、内側ベルト層に破断が生じるおそれがある。これが、ベルト層の耐久性の低下の一因となる。
これに対し、トレッド接地面が石等の突起物を踏んだときの、トレッド部における上述したような曲げ変形の、曲がりの中立軸を、従来の3ベルト層内から1、2ベルト層間に移動させることで、内側ベルト層に作用する張力が低減されることになる。その結果として、それらの内側ベルト層の破断耐久性が向上されることを見出した。
そこで、本発明では、三層以上のベルト層からなるベルトにあって、横断面輪郭形状が円形をなすスチールコードよりなる内側ベルト層と、横断面輪郭形状が楕円状をなすスチールコードよりなる外側ベルト層との組み合わせからなる配置構造を採用して、曲がりの中立軸を内側ベルト層間に移動させることで、内側ベルト層に作用する張力の低減をもたらす。
内側ベルト層の、曲がりの中立軸からの距離を短くするためには、全ベルト層の厚さを薄くする方法と、外側ベルト層の厚さを薄くする方法がある。全ベルト層の厚さを薄くするために、内側ベルト層に楕円状スチールコードを用いる場合は、打ち込み密度が制限されることになって、内側ベルト層の単位幅当りのコード打ち込みが減少するため、スチールコード一本当りの引張り応力が増加する。
しかるに、本発明では、ベルト層の、ラジアルカーカスに近接させて配列した二層の内側ベルト層は、横断面輪郭形状が円形をなすスチールコードのゴム被覆層から構成することで、単位幅当りのコード本数を減少させることなく、コード一本当りの引張り応力の負担を抑制できるという作用効果を奏することができる。
この一方で、他の外側ベルト層は、横断面輪郭形状が楕円状をなすスチールコードのゴム被覆層から構成することにより、そのベルト層の厚さを薄くして曲がりの中立軸を内側ベルト層間に移動させることができる。
併せてここでは、楕円状をなすスチールコードにつき、それの長径がタイヤ半径方向と直交する姿勢に引き揃えて配置して、楕円状スチールコードの、楕円の長径がタイヤ幅方向に沿うよう配列させることによって、そのベルト層の厚さを薄くして曲がりの中立軸を内側ベルト層間へ、より有利に移動させることができる。
図1は、本発明に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤの実施形態を、タイヤの半部について、一部を破断除去して示す斜視図である。図2(a)は図1のタイヤのベルトを示す部分展開平面図、図2(b)は図1に示すタイヤのそれぞれのベルト層を、各ベルトコードの軸線と直交する断面として模式的に示す横断面図である。
図1中の1はトレッド部を、2はトレッド部1のそれぞれの側部に連続してタイヤ半径方向内側へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3は各サイドウォール部2のタイヤ半径方向内側に連続するビード部をそれぞれ示す。
ここでは、ビード部3に配設した、例えば一対のビードコア4の周りに、それぞれの側部部分を巻上げて係留した、例えば一枚のカーカスプライ5からなるラジアルカーカス6のクラウン部の半径方向外側で、トレッド部1に、トレッド接地面を形成するトレッドゴム7を配設させる。
また、トレッドゴム7の半径方向内側で、カーカス6のクラウン部の半径方向外側に、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本のスチールコード8a、8bを整列させて配置してなる三層以上のベルト層、図では六層のベルト層からなるベルト9を配設する。これらのベルト層のうち、ラジアルカーカス6に近接させて配置した二層の内側ベルト層10aは、横断面輪郭形状が円形をなす円形スチールコード8aのゴム被覆層により構成する。そしてまた、これらの内側ベルト層10aの半径方向外側に近接させて配置した四層の外側ベルト層10bは、横断面輪郭形状が楕円状をなし、長径がタイヤ半径方向と直交する姿勢に引き揃えた楕円状スチールコード8bのゴム被覆層にて構成する。ところで、この図に示すところでは、ベルト9とトレッドゴム7との間に、これらの内側ベルト層10aに、例えば、有機繊維コードの螺旋巻回構造になり、ベルト9をその全幅にわたって覆うキャップ11を配設するとともに、そのキャップ11の各側部部分だけを覆う同様の構造のレイヤ12を配設する。
ここでより好ましくは、内側ベルト層10aが、その傾斜角度の小さいスチールコード8aを配列することによってタイヤ周方向の張力を負担し、トレッド5の径成長を抑制して走行時にクラウン部の形状が変化するのを防ぐ点で、内側ベルト層10aの円形スチールコード8aが、タイヤ周方向に対して好ましくは5〜15°の範囲の角度α、βで傾斜して延びる。
図2では、それぞれの円形スチールコード8aは、タイヤ赤道面に対し、隣接層間で相互に逆方向に延びる。
内側ベルト層10aが、その傾斜角度の小さいスチールコード8aを配列することによってタイヤ周方向の張力を負担し、トレッド5の径成長を抑制して走行時にクラウン部の形状が変化するのを防ぎ、路面の石等の侵入を防ぐ点で、外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bが、タイヤ周方向に対して好ましくは15〜30°の範囲の角度γ、δ、εで傾斜して延びる。
図2では、それらの楕円状スチールコード8bもまた、タイヤ赤道面に対し、隣接層間で相互に逆方向に延びる。
図3(a)は横断面輪郭形状が楕円状をなす、外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの配列形態を部分的に例示する横断面図、図3(b)は横断面輪郭形状が円形をなす、内側ベルト層10aの円形スチールコード8aの配列を部分的に例示する横断面図である。
以上のような重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、より好ましくは、図3(a)に示す外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの間隔Cと、このスチールコードの断面積Dとの比C/Dを、6〜35%、さらに好ましくは7〜22%の範囲とする。
また好ましくは、外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの横断面の、短径Aを1.52〜4.80mm、長径Bを2.12〜6.30mmとする。
このように構成してなる重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、とくには、ベルト層のうち、ラジアルカーカス6に近接させて配置した二層の内側ベルト層10aは、横断面輪郭形状が円形をなすスチールコード8aのゴム被覆層からなり、他の外側ベルト層10bは、横断面輪郭形状が楕円状をなし、長径がタイヤ半径方向と直交する姿勢に引き揃えたスチールコード8bのゴム被覆層からなることより、先に述べたように、二層の内側ベルト層10aに作用する張力が低減され、その結果、それらのベルト層10aの破断耐久性を向上させることができる。
以下に、本発明に係るタイヤの、破断耐久性に関する作用を、図4および図5に示すところに基づいて説明する。
図4(a)は、空気圧を充填した本発明に係るタイヤのトレッド部1を、その中央部分について示す、タイヤ幅方向の部分断面図であり、図4(b)は、外側ベルト層10bをもまた円形断面スチールコード8aをもって構成したタイヤのトレッド部1を示す同様の断面図である。
また、図5(a)は、図4(a)に示すタイヤのトレッド部1が接地面で突起物を踏んだ時の、トレッド部1の曲がり変形形態を例示するタイヤ幅方向の断面図、図5(b)は、図4(b)に示すタイヤのトレッド部1の接地面が突起物を踏んだ時の、トレッド部1の変形形態を例示するタイヤ幅方向の断面図である。
空気圧を充填したタイヤの非接地時(無負荷時)には、図4に示すように、ベルト9は、外側に凸となる所要の形状を有しており、そのベルト9には一様な張力が作用している。
一方、このようなタイヤの負荷転動には、トレッド部1の接地域内のベルト9は、接地面と平行な平坦形状に押し込み変形されることとなり、これにより、トレッド部1の曲がりの中立軸Nよりタイヤ半径方向内側に位置する内側ベルト層10aには大きな張力が作用することになる。このような張力は、タイヤ転動によって繰り返し作用することになる。
そして、タイヤのこのような負荷転動に当たって、トレッド部1の接地面が石等の突起物を踏んだ場合は、従来のタイヤでは、図5(b)に示すように、トレッド部1がタイヤ半径方向内側に凸となる向きの局所的な曲げ変形を受けることになり、トレッド部1のこのような曲げ変形の際は、曲がりの中立軸Nの内側にあって、タイヤ半径方向内側に離れた二層の内側ベルト層10aは、特に大きな張力を受けることになる。そのため、それらの内側ベルト層10aの耐張強度が不足するおそれがあった。
これに対し、本発明のタイヤでは、トレッド部1が突起物を踏んでタイヤ半径方向内側へ撓み変形する場合、楕円状スチールコード8bからなる外側ベルト層10bの作用下で、図5(a)に例示するように、曲がりの中立軸Nが、1、2ベルト層間に変位する。その結果、1ベルト層に作用する張力は、従来タイヤに比べてはるかに低減されることになり、2ベルト層には、引張り応力というよりは圧縮力が作用することになるので、1、2ベルト層の破断を有効に抑制して、2ベルト層と、それに隣接する3ベルト層との間へのセパレーションの発生、ひいては、タイヤバーストの発生のおそれを効果的に取り除くことができる。そしてこのことは、横断面輪郭形状が楕円状をなす、楕円状スチールコード8bを、長径がタイヤ半径方向と直交する姿勢に引き揃えた場合により一層効果的である。
一方ここでは、ベルト層のうち、ラジアルカーカス6に近接させて配置した二層の内側ベルト層10aを、横断面輪郭形状が円形をなす円形スチールコード8aのゴム被覆層にて構成することにより、それらのベルト層内では、コード間隔を保った上で、単位幅当りの所要のコード密度を確保することができ、コード一本当りの引張り応力の増加を十分に抑制することができる。
そしてまた、外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの間隔Cと、この楕円状スチールコード8bの断面積Dとの比C/Dを、6〜35%、なかでも7〜22%の範囲とすることは、楕円状スチールコード8bの強度保持と、外側ベルト層10bの耐久性の確保の点で好ましい。
/Dが、6%未満では、図6にグラフで示すように、外側ベルト層10bの亀裂耐久性が低下するおそれがある。一方それが、35%を超えると、外側ベルト層10bの単位幅当りのコード打ち込み本数が減少して、楕円状スチールコード8bの一本当りの引張り応力が増加することになる。
なお、タイヤ周方向の張力を負担して、トレッド5の径成長の抑制を図り、ベルト層の耐久性を確保する点からは、外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの間隔Cは、0.4〜1.5mmの範囲とすることが好ましい。
またここで、外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの横断面の、短径Aを1.52〜4.80mm、長径Bを2.12〜6.30mmとしたときは、タイヤ周方向の張力を負担するために十分な強度をもちつつ、曲がりの中立軸Nを従来の3ベルト層内から1、2ベルト層間に移動させることができる。
しかもここでは、外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの横断面の短径Aを1.52〜4.80mmすることにより、楕円状スチールコード8bの強度保持と外側ベルト層10bの耐久性の両立させることができる。
外側ベルト層10bの楕円状スチールコード8bの横断面の長径Bを、2.12〜6.30mmすることにより、楕円状スチールコード8bの強度保持と外側ベルト層10bの耐久性の両立させることができる。
すなわち、短径Aが、1.52mm未満では、所用の断面積でタイヤ周方向の張力負担に十分な強度がとれず、短径Aが、4.80mmを超えると、曲がりの中立軸Nを1、2ベルト層間に移動させる効果が小さくなる。
また、長径Bが、2.12mm未満では、曲がりの中立軸Nを1、2ベルト層間に移動させる効果が小さくなり、長径Bが、6.30mmを超えると、タイヤ周方向への張力負担に十分な強度がとれない。
ところで、コード一本当りの引張り応力の増加を抑制することと、ベルト層の耐久性を確保する観点からは、内側ベルト層10aの円形スチールコード8aの間隔Cを、0.4〜1.0mmの範囲とすることが好ましい。
また、内側ベルト層10aの円形スチールコード8aの横断面の直径Eを、2.4〜4.0mmとすることで、円形スチールコード8aの強度を保持することができる。
円形スチールコード8aおよび楕円状スチールコード8bのそれぞれは、強度確保の点で複撚り構造とすることが好ましい。
なお、上述したところは、本発明の代表的な実施形態を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、図では、六層のベルト層からなるベルトを配設する場合を示しているが、六層未満又は七層以上の層数のベルト層を配設することも可能である。
次に、本発明に従うタイヤを試作し、内側ベルト層の、引張り破断についての評価を行ったので、以下に説明する。
実施例タイヤ1および2は、図1および図2に示す構造を有し、タイヤサイズが46/90R57、タイヤ外径:3575mm、トレッド幅:1045mm、ベルト上トレッドゲージ:112mmとした。
実施例タイヤ1および2のそれぞれのベルト層のスチールコードの諸元については表1〜4にまとめて示す。なお、本発明ではベルト層以外のタイヤ構造については改変を要しないため、従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤの構造とほぼ同様とした。
Figure 2008284903
Figure 2008284903
Figure 2008284903
Figure 2008284903
ここで、比較例タイヤ1は、外側ベルト層のスチールコードの、横断面輪郭形状を円形とする以外は実施例タイヤ1と同様とした。
Figure 2008284903
Figure 2008284903
(試験方法)
半径70mmの球状体を先端に設けた円柱にタイヤを押しつけ、1ベルト層が破断するまで円柱の高さを高くしていき、この測定値によって評価した。また、TRAに基づく正規内圧、荷重、TRA正規リムで行った。
ここで、TRAに基づく正規内圧、荷重、TRA正規リムとは、TRA(TIRE AND RIM ASSOSIATION INC)が発行するYEAR BOOKに記載されている、適用サイズに用いられるリム、適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大付加能力)および適用サイズにおける単輪の最大荷重に対応する空気圧をいうものとする。
その評価結果を図7に示す。
図7の結果から、実施例タイヤ1および2の両者は、比較例タイヤ1に比べて、同一荷重をかけた場合、1ベルト層が破断に至る突起高さが高かった。
これはすなわち、実施例タイヤはいずれも、内側ベルト層の破断耐久性が向上されることを意味するものである。
上記実施例タイヤ1、実施例タイヤ2および比較例タイヤ1のそれぞれにつき、内側ベルト層の、張力についての評価を行ったので、以下に説明する。
(試験方法)
半径70mmの球状体を先端に設けた円柱にタイヤを押しつけ、1ベルト層が破断するまで円柱の高さを高くしていき、この測定値によって評価した。また、TRAに基づく正規内圧、荷重、TRA正規リムで行った。
表7は、全ベルト層に作用する張力の、1、2ベルト層の負担率を指数をもって示す。表7中の評価結果の数値はいずれも比較例1の評価結果を100としたときの指数比で示してあり、数値が小さいほど優れている。
Figure 2008284903
表7の結果から、実施例タイヤ1および2の両者は、比較例タイヤ1に比べて1、2ベルト層にかかる張力が優れていた。
図7および表7の結果から、実施例タイヤ1および2の両者は、比較例タイヤ1に比べて、曲げ変形が小さいことで1、2ベルト層にかかる張力が優れていた。
本発明に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤの実施形態をタイヤ半部について一部を破断除去して示す斜視図である。 (a)は図1のタイヤのベルトを示す展開平面図、(b)は図1のタイヤのベルトを示す横断面図である。 (a)は楕円状スチールコードを配列した概略図、(b)は円形スチールコードを配列した概略図である。 (a)は本発明の空気圧を充填したタイヤのトレッド部を示すタイヤ幅方向の断面図、(b)は外側ベルト層を円形スチールコードとしたタイヤのトレッド部を示すタイヤ幅方向の断面図である。 (a)は本発明の空気圧を充填したタイヤのトレッド部の接地面が突起物を踏んだ時のトレッド部を示すタイヤ幅方向の断面図、(b)は外側ベルト層を円形スチールコードとしたタイヤが突起物を踏んだ時のトレッド部を示すタイヤ幅方向の断面図である。 市場走行品の引き上げ解析を表す図である。 内側ベルト層の1ベルト層破断時の突起高さを表した図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカスプライ
6 ラジアルカーカス
7 トレッドゴム
8a 円形スチールコード
8b 楕円状スチールコード
9 ベルト
10a 内側ベルト層
10b 外側ベルト層
11 キャップ
12 レイヤ
N 中立軸

Claims (5)

  1. 一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスのクラウン部の半径方向外側に、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる複数本のスチールコードを隣接層間で交差する向きに配列させた三層以上のベルト層からなるベルトを配設してなる重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、
    ベルト層のうち、ラジアルカーカスに近接させて配置した二層の内側ベルト層は、横断面輪郭形状が円形をなすスチールコードのゴム被覆層からなり、他の外側ベルト層は、横断面輪郭形状が楕円状をなし、長径がタイヤ半径方向と直交する姿勢に引き揃えたスチールコードのゴム被覆層からなることを特徴とする重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 外側ベルト層のスチールコードの間隔Cと、このスチールコードの断面積Dとの比C/Dが、6〜35%である請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  3. 外側ベルト層のスチールコードの横断面の、短径Aが1.52〜4.80mm、長径Bが2.12〜6.30mmである請求項1または請求項2に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  4. 内側ベルト層のスチールコードが、タイヤ周方向に対して15°以下の角度で傾斜して延びる請求項1〜3のいずれかに記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  5. 外側ベルト層のスチールコードが、タイヤ周方向に対して30°以下の角度で傾斜して延びる請求項1〜4のいずれかに記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
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