JP3595414B2 - 重荷重用空気入りラジアル・タイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアル・タイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は重荷重用空気入りタイヤに関するものであり、特に、主として荒れ地走行用の重荷重用空気入りラジアル・タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建設車両用空気入りタイヤなどに代表される重荷重用空気入りタイヤは、岩石や砕石などが散在する悪路や荒れ地で使用されることがあり、その場合カット・セパレーション故障が発生しやすい。ここに、カット・セパレーション故障とは、タイヤが岩石や砕石などの突起物を踏んだときに、ベルトに到達するような深いカット損傷をトレッド・ゴムが受け、やがてこのカット受傷部からベルトの外周面に沿って発生するセパレーション故障を指す。
このようなセパレーション故障を防止するために、従来の重荷重用空気入りラジアル・タイヤでは、ベルト層中のコードの周方向に対する配列角度を小さくして、ベルトの周方向曲げ剛性を高める設計手法が採用されていた。
しかしながら、周方向に対するコードの配列角度を小さくしてベルトの周方向曲げ剛性を高めると、タイヤが岩石や砕石などの突起物を踏んだときに突起物を包み込むエンベロップ・パワー特性が低下して、タイヤの耐カット貫通特性が低下する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本出願人は、耐カット・セパレーション特性と耐カット貫通特性に優れたタイヤを提供するために、周方向に対するコードの配列角度を小さくしたベルト層の断面幅を主交差ベルト層の最大幅の50乃至60%程度に狭くすることを、特願平6−200847で提案した。
このタイヤ設計手法によって、耐カット・セパレーション特性と比較的鈍い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性は高レベルで両立されるが、鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性が不十分であることが判明した。
【0004】
本発明の目的は、上述したような従来タイヤの欠点を除去し、耐カット・セパレーション特性と比較的鈍い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性および鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性に優れた、主として荒れ地走行用の重荷重用空気入りラジアル・タイヤを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるタイヤは、左右一対のビード部に設けられたビード・コアーと、一方のビード部から他方のビード部に延び、該ビード・コアーに巻回されてビード部に係留された、ラジアル・コード層よりなるカーカス・プライと、該カーカス・プライのクラウン部ラジアル方向外側に配置されたベルトとトレッドとを備えた空気入りタイヤにおいて、
(1)該ベルトは、実質的に非伸長性の複数本のコードを被覆ゴム中に埋設して成る少なくとも3層のゴム被覆コード層を、隣接する層間でコードが互いに交差するように、タイヤの赤道線におけるコード角度が周方向に対し5乃至40度で積層して成る主交差ベルト層を含み、
(2)該主交差ベルト層の最大断面幅は該トレッドの断面幅の70乃至85%であり、
(3)該主交差ベルト層を形成する少なくとも3層のベルト層のうち2層は、該主交差ベルト層の最大幅の50乃至65%の断面幅を有する狭幅ベルト層であって、該2層の狭幅ベルト層のコード角度が周方向に対し5乃至15度であり、
(4)該2層の狭幅ベルト層のうち一方は該主交差ベルト層のラジアル方向最内側に位置する第1ベルト層を形成し、他方は該第1ベルト層と該第1ベルト層に隣接しラジアル方向外側に位置する第2ベルト層とを除く任意の第nベルト層を形成し、
(5)該第1ベルト層のコード角度θ1 が該第nベルト層のコード角度θn より小さく、かつ、該第nベルト層のコード角度θn が該第1および該第nベルト層以外の該主交差ベルト層のコード角度より小さく、
(6)該第1ベルト層の断面幅W1 と該第nベルト層の断面幅Wn が、該第1および該第nベルト層以外の該主交差ベルト層の断面幅より小さい
ことを特徴とする主として荒れ地走行に供される重荷重用空気入りラジアル・タイヤである。
【0006】
本明細書において、「主交差ベルト層」とは、実質的に非伸長性の複数本のコードを被覆ゴム中に埋設して成る複数のゴム被覆コード層を、隣接する層のコードが互いに交差するように、タイヤの赤道線におけるコード角度が周方向に対し5乃至40度で積層して成るベルト層を意味する。
本発明による重荷重用空気入りラジアル・タイヤのベルトは、上記の主交差ベルト層だけで構成してもよいが、必要に応じてそのラジアル方向外側に主交差ベルト層を保護するための保護ベルト層を積層してもよい。主交差ベルト層の機能はタイヤの充填内圧によって生じる周方向張力を負担し、タイヤの断面を所望の形状に維持することであり、そのために実質的に非伸長性の複数本のコードを被覆ゴム中に埋設して成る複数のゴム被覆コード層を、隣接する層のコードが互いに交差するように、タイヤの赤道線におけるコード角度が周方向に対し5乃至40度で積層してある。
【0007】
従来のタイヤでは、岩石や砕石などの突起物を踏んだときにタイヤに局部的に加わる入力によってベルト外層部の張力が高くなって、鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性が低下する。
しかし、本発明のタイヤでは、上記のように、主交差ベルト層を形成する複数層のベルト層のうち2層は、主交差ベルト層の最大幅の50乃至65%の断面幅を有する狭幅ベルト層であって、この2層の狭幅ベルト層のコード角度が周方向に対し5乃至15度であり、2層の狭幅ベルト層のうち一方は主交差ベルト層のラジアル方向最内側に位置する第1ベルト層を形成し、この第1ベルト層のコード角度がその他の主交差ベルト層のコード角度より小さいので、ベルト外層部の張力が相対的に低下し、鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性が改良される。
内圧による張力負担の度合いはラジアル方向最内側のベルト層が最も大きいので、本発明のタイヤでは、上記のように、第1ベルト層のコード角度がその他の主交差ベルト層のコード角度より小さくなっている。
【0008】
本発明のタイヤでは、上記のように、2層の狭幅ベルト層は、主交差ベルト層の最大幅の50乃至65%の断面幅を有する狭幅ベルト層であって、2層の狭幅ベルト層以外の該主交差ベルト層の断面幅より小さいので、突起物を踏んだときにベルトが幅方向には曲がりやすく、周方向には曲がりにくいので、突起物を包み込むエンベロップ・パワー特性を確保しながらベルト張力の増加をまねくことがない。狭幅ベルト層の幅が主交差ベルト層の最大幅の50%より小さいと張力負担能力が不足し、鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性が低下する。一方、狭幅ベルト層の幅が主交差ベルト層の最大幅の65%より大きくなると、鋭い突起物であっても鈍い突起物であっても、突起物を包み込むエンベロップ・パワー特性が低下する。
また、本発明のタイヤでは、上記のように、第1ベルト層のコード角度は第1ベルト層に隣接しラジアル方向外側に位置する第2ベルト層のコード角度より小さくなっているが、これは、第2ベルト層のコード角度を第1ベルト層のコード角度と同程度に小さな角度にすると第1ベルト層と第2ベルト層との層間せん断歪みが大きくなってベルト耐久性が低下するので、これを避けるるためである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に従う実施例のタイヤについて図面を参照して説明すると、図1乃至図3は本発明に従う実施例のトラック用空気入りラジアル・タイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図で、タイヤ・サイズは275/80R22.5であって、図4乃至図6は本発明に従う実施例の建設車両用空気入りラジアル・タイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図で、タイヤ・サイズは37.00R57である。
図1に示す本発明に従う実施例1のタイヤは、左右一対のビード部に設けられたビード・コアー(図示省略)と、一方のビード部から他方のビード部に延び、ビード・コアーに巻回されてビード部に係留された、ラジアル・コード層よりなるカーカス・プライ(図示省略)と、カーカス・プライのクラウン部ラジアル方向外側に配置されたベルトBとトレッドTとを備えたトラック用空気入りラジアル・タイヤである。
ベルトBは、実質的に非伸長性の複数本のスチール・コードを被覆ゴム中に埋設して成る3層のゴム被覆コード層1B、2Bおよび3Bを積層して成る主交差ベルト層だけで形成されている。
主交差ベルト層の最大断面幅Wbは170mmであって、トレッドTの断面幅Wt(210mm)の81%である。
主交差ベルト層を形成する3層のベルト層1B、2Bおよび3Bの断面幅は、それぞれ、100mm、170mmおよび100mmであるから、3層のうちベルト層1Bとベルト層3Bの2層は、主交差ベルト層の最大幅Wb=170mmの59%の断面幅を有する狭幅ベルト層であって、この2層の狭幅ベルト層1Bおよび3Bのうち一方のベルト層1Bは主交差ベルト層のラジアル方向最内側に位置する第1ベルト層を形成し、他方のベルト層3Bは第3ベルト層を形成している。
第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が周方向に対し右10度で、第2ベルト層2Bのコード角度θ2 が周方向に対し左20度で、第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し右15度である。ここに、右および左はそれぞれ右上がりおよび左上がり方向に配列されていることを示す。したがって、第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が第3ベルト層3Bのコード角度θ3 より小さく、かつ、この第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が第1と第3ベルト層1Bと3Bを除く主交差ベルト層のコード角度(すなわち第2ベルト層2Bのコード角度θ2 )より小さくな関係となっている。
【0010】
実施例2のタイヤは、
ベルトBが実質的に非伸長性の複数本のスチール・コードを被覆ゴム中に埋設して成る4層のゴム被覆コード層1B、2B、3Bおよび4Bを積層して成る主交差ベルト層形成されていて、
主交差ベルト層の最大断面幅Wbは175mmであって、トレッドTの断面幅Wt(210mm)の83%で、
ベルト層1B、2Bおよび4Bの断面幅は、それぞれ、90mm、175mmおよび140mmで、
4層のうちベルト層1Bとベルト層3Bの2層は、それぞれ、主交差ベルト層の最大幅Wb=175mmの51%および57%の断面幅を有する狭幅ベルト層であり、
第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が周方向に対し右5度で、第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し左15度で、第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が周方向に対し右25度である
こと以外は実施例1のタイヤとほぼ同じである。
【0011】
実施例3のタイヤは、
ベルト層1B、3Bおよび4Bの断面幅は、それぞれ、105mm、140mmおよび90mmで、
4層のうちベルト層1Bとベルト層4Bの2層は、それぞれ、主交差ベルト層の最大幅Wb=175mmの60%および51%の断面幅を有する狭幅ベルト層であり、
第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が周方向に対し左5度で、第2ベルト層2Bのコード角度θ2 が周方向に対し右25度で、第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し左20度で、第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が周方向に対し右15度である
こと以外は実施例2のタイヤとほぼ同じである。
【0012】
従来例1のタイヤは、
ベルト層1B、2Bおよび3Bの断面幅は、それぞれ、175mm、155mmおよび125mmで、それぞれ、主交差ベルト層の最大幅Wb=175mmの100%、89%および71%であるから主交差ベルト層の最大幅Wb=175mmの50乃至65%断面幅を有する狭幅ベルト層を備えておらず、
第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が周方向に対し右25度で、第2ベルト層2Bのコード角度θ2 が周方向に対し左20度で、第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し右21度である
こと以外は実施例1のタイヤと同じである。
比較例1のタイヤは、
ベルト層3Bの断面幅は100mmで、主交差ベルト層の最大幅Wb=175mmの57%であり、
第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し右12度である
こと以外は従来例1のタイヤと同じである。
【0013】
図4に示す本発明に従う実施例4のタイヤは、左右一対のビード部に設けられたビード・コアー(図示省略)と、一方のビード部から他方のビード部に延び、ビード・コアーに巻回されてビード部に係留された、ラジアル・コード層よりなるカーカス・プライ(図示省略)と、カーカス・プライのクラウン部ラジアル方向外側に配置されたベルトBとトレッドTとを備えた建設車両用空気入りラジアル・タイヤで、タイヤ・サイズは37.00R57である。
ベルトBは、実質的に非伸長性の複数本のスチール・コードを被覆ゴム中に埋設して成る4層のゴム被覆コード層1B、2B、3Bおよび4Bを積層して成る主交差ベルト層と高伸長性の複数本のスチール・コードを被覆ゴム中に埋設して成る1層のゴム被覆コード層5Bより成る保護ベルト層とで形成されている。主交差ベルト層は、タイヤの充填内圧によって生じる周方向張力を主として負担する機能を備えた層であり、保護ベルト層は主交差ベルト層を外傷から保護する機能を備えた層である。
主交差ベルト層の最大断面幅Wbは620mmであって、トレッドTの断面幅Wt(840mm)の74%である。
主交差ベルト層を形成する4層のベルト層1B、2B、3Bおよび4Bの断面幅は、それぞれ、390mm、620mm、550mmおよび360mmであるから、4層のうちベルト層1Bとベルト層4Bの2層は、主交差ベルト層の最大幅Wb=620mmの63%と58%の断面幅を有する狭幅ベルト層であって、この2層の狭幅ベルト層1Bおよび4Bのうち一方のベルト層1Bは主交差ベルト層のラジアル方向最内側に位置する第1ベルト層を形成し、他方のベルト層4Bは第4ベルト層を形成している。
第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が周方向に対し右10度で、第2ベルト層2Bのコード角度θ2 が周方向に対し左23度で、第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し右20度で、第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が周方向に対し左15度である。ここに、右および左はそれぞれ右上がりおよび左上がり方向に配列されていることを示す。したがって、第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が第4ベルト層4Bのコード角度θ4 より小さく、かつ、この第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が第1と第4ベルト層1Bと4Bを除く主交差ベルト層のコード角度(すなわち第2ベルト層2Bのコード角度θ2 および第3ベルト層3Bのコード角度θ3 )より小さくな関係となっている。
保護ベルト層を形成する層5Bのコード角度θ5 は左22度で、断面幅は720mmである。
【0014】
実施例5のタイヤは、
ベルト層3Bおよび4Bの断面幅は、360mmおよび550mmで、
4層のうちベルト層1Bとベルト層3Bの2層は、主交差ベルト層の最大幅Wb=620mmの58%の断面幅を有する狭幅ベルト層であり、
第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し右15度で、第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が周方向に対し左20度である
こと以外は実施例4のタイヤとほぼ同じである。
【0015】
実施例6のタイヤは、
ベルト層1B、3Bおよび4Bの断面幅は、それぞれ、320mm、330mmおよび500mmで、
4層のうちベルト層1Bとベルト層3Bの2層は、それぞれ、主交差ベルト層の最大幅Wb=620mmの52%および53%の断面幅を有する狭幅ベルト層であり、
第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が周方向に対し右5度で、第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し左15度で、第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が周方向に対し右20度である
こと以外は実施例5のタイヤとほぼ同じである。
【0016】
従来例2のタイヤは、
ベルト層1B、2B、3Bおよび4Bの断面幅は、それぞれ、560mm、620mm、550mmおよび480mmで、それぞれ、主交差ベルト層の最大幅Wb=620mmの90%、100%、89%および77%であるから主交差ベルト層の最大幅Wb=620mmの50乃至65%断面幅を有する狭幅ベルト層を備えておらず、
第1ベルト層1Bのコード角度θ1 が周方向に対し右22度で、第2ベルト層2Bのコード角度θ2 が周方向に対し左22度で、第3ベルト層3Bのコード角度θ3 が周方向に対し右22度、第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が周方向に対し左22度である
こと以外は実施例4のタイヤと同じである。
比較例2のタイヤは、
ベルト層4Bの断面幅は340mmで、主交差ベルト層の最大幅Wb=620mmの55%であり、
第4ベルト層4Bのコード角度θ4 が周方向に対し左11度である
こと以外は従来例2のタイヤと同じである。
【0017】
上記実施例1乃至3のタイヤと従来例1のタイヤおよび比較例1のトラック用タイヤと、上記実施例4乃至6のタイヤと従来例2のタイヤおよび比較例2の建設車両タイヤとを比較試験するために、耐カット・セパレーション特性と比較的鈍い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性および鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性の試験を行った。
カット・セパレーション特性は、それぞれの供試タイヤのトレッド中央部にベルトまで到達するカットを入れて、室内ドラム試験機によって正規内圧と正規荷重の条件下で一定時間走行後のセパレーションの長さを測定し比較するものである。
鈍い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性は、それぞれの供試タイヤを正規リムに正規内圧でリム組し、トレッド幅の約15%の直径を有する先端が半球状の突起を押し付けてタイヤを破壊してタイヤの強度を調べるプランジャー試験であり、破壊時の荷重と突起がタイヤに食い込んだ深さから破壊エネルギーを算出し評価するものである。
鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性は、それぞれの供試タイヤを正規リムに正規内圧でリム組し、トレッド幅の約15%の幅を有する正3角柱形状のカッターによるタイヤのトレッドの耐カット特性を調べる試験でり、破断までのエネルギーで評価するものである。
試験結果を、従来例のタイヤの結果を100として指数表示で表1(トラック用タイヤ)および表2(建設車両タイヤ)に示す。数字が大きいほどよい結果であることを示す。
【0018】
【表1】
Figure 0003595414
【0019】
【表2】
Figure 0003595414
【0020】
【発明の効果】
表1および表2に示す結果から、本発明によって、耐カット・セパレーション特性と比較的鈍い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性および鋭い突起物を踏んだときの耐カット貫通特性に優れた、主として荒れ地走行用の重荷重用空気入りラジアル・タイヤを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図である。
【図2】本発明のタイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図である。
【図3】本発明のタイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図である。
【図4】本発明のタイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図である。
【図5】本発明のタイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図である。
【図6】本発明のタイヤのベルト層の配置を示す左半分の断面略図である。
【符号の説明】
1B 第1ベルト層(主交差ベルト層)
2B 第2ベルト層(主交差ベルト層)
3B 第3ベルト層(主交差ベルト層)
4B 第4ベルト層(主交差ベルト層)
5B 第5ベルト層(保護ベルト層)
B ベルト層
T トレッド
Wb 主交差ベルト層の断面幅
Wt トレッド幅

Claims (1)

  1. 左右一対のビード部に設けられたビード・コアーと、一方のビード部から他方のビード部に延び、該ビード・コアーに巻回されてビード部に係留された、ラジアル・コード層よりなるカーカス・プライと、該カーカス・プライのクラウン部ラジアル方向外側に配置されたベルトとトレッドとを備えた空気入りタイヤにおいて、
    (1)該ベルトは、実質的に非伸長性の複数本のコードを被覆ゴム中に埋設して成る少なくとも3層のゴム被覆コード層を、隣接する層間でコードが互いに交差するように、タイヤの赤道線におけるコード角度が周方向に対し5乃至40度で積層して成る主交差ベルト層を含み、
    (2)該主交差ベルト層の最大断面幅は該トレッドの断面幅の70乃至85%であり、
    (3)該主交差ベルト層を形成する少なくとも3層のベルト層のうち2層は、該主交差ベルト層の最大幅の50乃至65%の断面幅を有する狭幅ベルト層であって、該2層の狭幅ベルト層のコード角度が周方向に対し5乃至15度であり、
    (4)該2層の狭幅ベルト層のうち一方は該主交差ベルト層のラジアル方向最内側に位置する第1ベルト層を形成し、他方は該第1ベルト層と該第1ベルト層に隣接しラジアル方向外側に位置する第2ベルト層とを除く任意の第nベルト層を形成し、
    (5)該第1ベルト層のコード角度θ1 が該第nベルト層のコード角度θn より小さく、かつ、該第nベルト層のコード角度θn が該第1および該第nベルト層以外の該主交差ベルト層のコード角度より小さく、
    (6)該第1ベルト層の断面幅W1 と該第nベルト層の断面幅Wn が、該第1および該第nベルト層以外の該主交差ベルト層の断面幅より小さい
    ことを特徴とする主として荒れ地走行に供される重荷重用空気入りラジアル・タイヤ。
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