JPH0665877A - 中、重荷重用空気入りタイヤのベルト部補強用スチールコード - Google Patents

中、重荷重用空気入りタイヤのベルト部補強用スチールコード

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JPH0665877A
JPH0665877A JP5136938A JP13693893A JPH0665877A JP H0665877 A JPH0665877 A JP H0665877A JP 5136938 A JP5136938 A JP 5136938A JP 13693893 A JP13693893 A JP 13693893A JP H0665877 A JPH0665877 A JP H0665877A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 6〜8本の素線で以て断面形状を略楕円形に
した単層撚りオープン構造のスチールコードにおいて、
素線径d=0.23〜0.38mm、撚りピッチP=4
0d〜80dmm、楕円形の短径A=2d〜3dmm、
楕円形の偏平比(楕円形の長径B/楕円形の短径A)=
1.2〜2.5、剛性比(楕円形の長径軸方向の曲げ剛
性/楕円形の短径軸方向の曲げ剛性)=1.05〜1.
2にして成る。 【効果】タイヤの耐久性、走行安定性において優れた特
性を有し、かつ特に撚りコストが極めて低く経済的効果
も大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラック、バス等の中、
重荷重用空気入りタイヤのベルト部補強材として使用さ
れる新規な撚り構造のスチールコードに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のスチールコードは、多
数本が平行に引揃えられた状態でゴム材により被覆され
て、自動車用タイヤのゴム製品の補強材として使用され
るものである。従って、スチールコードとして必要不可
欠な条件は、機械的強度に優れることは勿論のこと、ゴ
ム材との化学的な接着が良好であること、及びスチール
コード内部へのゴム材の浸入が良好であることである。
即ち、スチールコードがゴム製品の補強材としての役割
を充分に果たすためには、ゴム材との完全な複合材とな
ることが必要である。
【0003】従来、トラック、バス等の中、重荷重用空
気入りタイヤのベルト部を補強するスチールコードとし
ては、図6に示すように、略中央に配置した3本の素線
の周囲に9本の素線を配置し、これら同一線径からなる
12本の素線10を同一方向、同一ピッチで稠密に撚り
合わせた断面多角形状のスチールコード、所謂1×12
構造のスチールコード11が知られている。
【0004】また、上記スチールコード11と同一素線
本数のスチールコードとして、図7に示すように、稠密
に撚り合わせた3本の素線12からなるストランド13
の周囲に、上記撚りとは異なる方向或いはピッチで9本
の素線14を稠密に撚り合わせた、所謂3+9構造のス
チールコード15が知られている。
【0005】上記1×12構造のスチールコード11
は、前記3+9構造のスチールコード15が二回の撚り
工程を必要とするのに対し、一回の撚り工程で生産可能
であるため、高価な撚線設備を多数保有することなく、
生産時間の短縮化も可能で、生産コストを低減できると
いう利点を有する。
【0006】しかしながら、上記1×12構造のスチー
ルコード11においては、各隣接する素線10同士が密
接或いは極めて近接しているため、タイヤ成形時にゴム
材が上記各素線間より内部に浸入できず、単にコードの
外周部分を被覆するのみで、ゴム材との完全な複合体を
形成できなかった。従って、上記スチールコード11を
使用したタイヤは、コードとゴム材との接着が充分でな
く、自動車の走行時にコードとゴム材とが剥離する、所
謂セパレーツ現象を起こしたり、また隣接する素線同士
の接触によるフレッティング現象によりコードの一部が
破断されてタイヤの機能を著しく阻害する。さらに、ゴ
ム材中の水分或いはタイヤの切疵より浸入した水分がコ
ード内部の空隙E内に至り、コード長手方向に伝播して
スチールコードを腐食させ、機械的強度を大巾に低下さ
せることとなる。また上記3+9構造のスチールコード
15においても、上記スチールコード11と同様に、素
線14同士が密接或いは極めて接近しているため、ゴム
材の浸入性が悪いものであった。
【0007】近年、上記事情に鑑みて、この種の撚り構
造のスチールコードで、ゴム材がコード内部に充分に浸
入するようにしたスチールコードが種々提案されてい
る。
【0008】例えば、図8に示すように、スチールコー
ド16は、略中央に配置した稠密に撚り合わせた3本の
素線17からなるストランド18の周囲に、上記ストラ
ンド18よりも若干線径を小さくした6本の素線19
を、上記ストランド18の撚りとは異なる撚り方向或い
は異なる撚りピッチで撚り合わせて成る。上記スチール
コード16は、周囲に配列した素線19同士間に隙間C
を設け、その隙間Cよりコード内部へ充分にゴム材を浸
入させようとしたもので、所謂3+6構造のスチールコ
ードとして知られている。また、図9に示すように、同
一線径の素線を9本用い、そのうちの2本の素線20を
稠密に撚り合わせてストランド21とし、その周囲に7
本の素線22を上記ストランド21の撚りとは異なる撚
り方向或いは異なる撚りピッチで撚り合わせた、所謂2
+7構造のスチールコード23も公知である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記スチール
コード16、23は、その構造より、ストランド18、
21を先ず加工し、その後、上記ストランド18、21
の周囲に6本の素線19或いは7本の素線22をストラ
ンド18、21の撚りとは異なる撚り方向或いは異なる
撚りピッチで撚り合わせるという二工程の撚り合わせ工
程が必要となり、撚り合わせコストが高くつくという問
題があった。
【0010】また、上記スチールコード16において、
ゴム材の浸入性を良くするために、6本の素線19を細
径化(例えば線径0.38mm→0.35mm)して、
素線間に大きな隙間Cを設ける試みがなされている。し
かし、この場合でも、ゴム材がコード中央の3本の素線
17からなるストランド18の素線同士の接触部や3本
の素線17によって囲まれた空隙Eには浸入せず、その
ため前述した種々の弊害を招くこととなっていた。
【0011】さらに、上記スチールコード16、23
は、そのコードの伸び特性が小さいため、タイヤに用い
ると、タイヤの柔軟性を得るためにはタイヤのベルト部
の最外層にコードの伸び特性の大きいスチールコードを
用いる必要があり、タイヤの製造コストを高くするよう
な複雑な補強構造を採用せざるを得なかった。
【0012】ところで、中、重荷重用空気入りタイヤは
安定した走行性能を得るためにベルト層の面内曲げ強さ
が必要とされており、スチールコードにおいても横方向
の剛性に優れ、かつ乗り心地(タイヤの柔軟性)にも優
れたものが要求されている。
【0013】本発明は上記問題に鑑みてなしたもので、
撚りコストが安価で、ゴム材の浸入性を向上させてゴム
材との完全な複合体となり、さらにベルト層の面内曲げ
強さを向上させ、タイヤ性能を向上させた中、重荷重用
空気入りタイヤのベルト部補強用スチールコードを提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の中、重荷重用空気入りタイヤのベルト部補
強用スチールコードは、コードの外接円がコード長手方
向に同一向の略楕円形を有するよう複数本の素線を撚り
合した単層撚りオープン構造のスチールコードにおい
て、素線本数n=6〜8、素線径d=0.23〜0.3
8mm、撚りピッチP=40d〜80dmm、楕円形の
短径A=2d〜3dmm、楕円形の偏平比(楕円形の長
径B/楕円形の短径A)=1.2〜2.5、剛性比(楕
円形の長径軸方向の曲げ剛性/楕円形の短径軸方向の曲
げ剛性)=1.05〜1.20であるように構成した。
【0015】また、上記スチールコードは、シャルピー
衝撃試験の荷重1734Kg(40Kg−cm)におけ
る衝撃吸収量が10〜40Kg−cmとなるように構成
した。
【0016】ところで、上記種々の数値限定は多数の実
験により得られた結果に基づいて定めたものであり、そ
の概要は次の如くである。
【0017】素線本数nは、6本未満では素線径dとの
関係もあって、機械的強度を満足させるために上記素線
径dの範囲よりも大きくしなければならず、その結果柔
軟性に劣り、また8本を超えると、撚り状態が安定せ
ず、素線の配列が乱れてゴム材の浸入性を悪くすると共
に、柔軟性に劣ることとなるので、6〜8本の範囲とし
た。
【0018】素線径dは、0.23mmより小さいと機
械的強度に劣り、また、0.38mmを超えると、楕円
形コードの短径、長径が大きくなると共に、柔軟性に劣
ることになるので、0.23〜0.38mmの範囲とし
た。
【0019】撚りピッチPは、40dmmより小さくな
ると、コードの伸び特性が大きくなって、タイヤが空気
圧によって変形し、補強材としての箍効果に劣り、また
80dmmを超えると、コード伸び特性が小さくなっ
て、柔軟性に劣り、自動車の乗り心地を低下させるの
で、40〜80dmmの範囲とした。
【0020】楕円形の短径Aを3dmm以下としたの
は、3dmmより大きくなると円形に近くなり、短径軸
方向の柔軟性に劣り、かつ長径方向の曲げ剛性に劣るこ
ととなるからである。
【0021】剛性比(楕円形の長径軸方向曲げ剛性/短
径軸方向曲げ剛性)は、1.05未満ではタイヤのベル
ト層の面内曲げ剛性に劣り、タイヤの走行安定性の向上
が期待できず、また1.20を超えると、ベルト層の面
内曲げ剛性が大きくなり過ぎ、かえって自動車の乗り心
地を悪くするものであるので、1.05〜1.20の範
囲とした。
【0022】楕円形の偏平比(楕円形の長径B/楕円形
の短径A)は、1.2未満であると、素線が外力によっ
て容易に移動し、ゴム加硫時に発生するゴムのフローに
よる圧力によって素線間の隙間が減少して、ゴム材の浸
入性に劣るばかりか、前記剛性比が低下する。また2.
5を超えると、楕円形の長径Bが大きくなり過ぎ、タイ
ヤのベルト層に並列して配置したとき、コード同士が接
近し過ぎて接触したり、コード間をあけて並列に配置す
るとコードの使用本数が減少することとなり、タイヤの
耐久性を低下させる。よって、上記楕円形の偏平比は
1.2〜2.5の範囲とした。
【0023】シャルピー衝撃試験の荷重1734Kg
(40Kg−cm)における衝撃吸収量は、10Kg−
cm未満であると、靭性に劣るため、タイヤが石や縁石
等を踏むと、コード自体が切断してタイヤ寿命が短くな
り、また40Kg−cmを超えると、コードの柔軟性が
劣り、突起物を抱き込んでしまうエンベロープ効果が充
分でなくなり走行安定性に劣ることとなるので、10〜
40Kg−cmの範囲とした。
【0024】なお、上記構成において、短径側に位置す
る隣り合う素線間距離Cは、0.04未満であるとゴム
浸入性に劣り、また0.25mmを超えると、長径が大
きくなると共に、コードの伸び特性が大きくなり、タイ
ヤの補強材としての箍効果に劣るので、0.04〜0.
25mmの範囲にするのが好ましい。
【0025】
【実 施 例】以下、本発明の中、重荷重用空気入りタ
イヤのベルト部補強用スチールコードの実施例を図面に
基づいて具体的に説明する。
【0026】(実施例1)図1に示すように、素線径d
が0.38mmで、表面に真鍮めっきを施した6本の素
線1を、撚り方向がS方向になるように撚り合わせて1
×6構造の単層撚りでオープン構造の断面円形のコード
を形成し、そして上記コードを押圧加工して、コードの
外接円がコードの長手方向において同一方向の略楕円形
を有し、短径側に位置する隣り合う素線間の隙間Cが
0.12〜0.20mmであり、撚りピッチPが16m
mで、楕円形の短径Aが0.79mmで、楕円形の長径
Bが1.66mmで、楕円形の偏平比が2.10で、衝
撃吸収量が33Kg−cmのスチールコード2を形成し
た。なお、このスチールコード2に用いた硬鋼線材は、
C:0.82重量%、Si:0.20重量%、Mn:
0.54重量%、P:0.007重量%、S:0.00
5重量%以下、残部Feおよび不可避的不純物の化学成
分を有するものである。
【0027】(実施例2)図2に示すように、素線径d
が0.28mmで、表面に真鍮めっきを施した8本の素
線3を撚り方向がS方向になるように撚り合わせて1×
8構造の単層撚りでオープン構造の断面円形のコードを
形成し、そして上記コードを押圧加工して、コードの外
接円がコードの長手方向に於いて同一方向の略楕円形を
有し、短径側に位置する隣り合う素線間の隙間Cが0.
09〜0.20mmであり、撚りピッチPが14mm
で、楕円形の短径Aが0.82mmで、楕円形の長径B
が1.41mmで、楕円形の偏平比が1.72で、衝撃
吸収量が22Kg−cmのスチールコード4を形成し
た。なお、このスチールコード4に用いた硬鋼線材に
は、上記実施例1と略同一の化学成分を有するものを使
用した。
【0028】(実施例3)図3に示すように、素線径d
が0.30mmで、表面に真鍮めっきを施した7本の素
線5を撚り方向がS方向になるように撚り合わせて1×
7構造の単層撚りでオープン構造の断面円形のコードを
形成し、そして上記コードを押圧加工して、コードの外
接円がコードの長手方向に於いて同一方向の略楕円形を
有し、短径側に位置する隣り合う素線間の間隙Cが0.
15〜0.20mmであり、撚りピッチPが16mm
で、楕円形の短径Aが0.80mmで、楕円形の長径B
が1.56mmで、楕円形の偏平比が1.95で、衝撃
吸収量が28Kg−cmのスチールコード6を形成し
た。なお、このスチールコード6に用いた硬鋼線材に
も、上記各実施例と略同一の化学成分を有するものを使
用した。
【0029】(実施例4)図1とその概要が酷似するた
め図示は省略するが、素線径dが0.25mmで、表面
に真鍮めっきを施した6本の素線を撚り方向がS方向に
なるように撚り合わせて1×6構造の単層撚りでオープ
ン構造の断面円形のコードを形成し、そして上記コード
を押圧加工して、コードの外接円がコードの長手方向に
於いて同一方向の略楕円形を有し、短径側に位置する隣
合う素線間の隙間Cが0.04〜0.10mmであり、
撚りピッチPが12mmで、楕円形の短径Aが0.68
mmで、楕円形の長径Bが0.95mmで、楕円形の扁
平比が1.40で、衝撃吸収量が16Kg−cmのスチ
ールコードを形成した。なお、この実施例のスチールコ
ードには、C:0.85重量%、Si:0.68重量
%、Mn:0.54重量%、P:0.004重量%、
S:0.005重量%以下、Ni:0.19重量%、残
部Feおよび不可避的不純物の化学成分からなる硬鋼線
材を使用した。
【0030】次に、本発明のスチールコードの性能特性
を確認するため、表1に示すようなスチールコードを作
成し、シャルピー衝撃試験による衝撃吸収量、ゴム材の
浸入性、長径方向と短径方向の剛性、およびその剛性
比、疲労性、撚りコスト、破断強力について評価した。
試験No.1〜3は従来例、試験No.4〜11は実施
例、試験No.12〜16は比較例である。そして、そ
の結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】この評価に際して、下記に述べるテスト条
件、評価方法を用いた。
【0034】衝撃吸収量(Kg−cm)は、シャルピー
衝撃試験による衝撃吸収量であり、荷重=1734Kg
(40Kg−cm)、持ち上げ角度=150度、支持距
離=90mmとしたときの値を示すものである。
【0035】ゴム材の浸入性(%)は、各コードに5K
gの引張荷重をかけた状態で、100%モジュラスが3
5Kg/cm2のゴム材中に埋め込んで加硫した後、ス
チールコードを取り出し、そのコードを分解して各素線
間の一定長さを観察し、観察した長さに対してゴム材と
接触した形跡のある長さの比を百分率で求め、その平均
値を表示した。
【0036】剛性比は、図4に示すように、3点曲げ試
験により、テストピース7のスパン(L)=20mmに
おける5mm押さえ込み時の荷重Gを計算し、楕円形の
長径軸方向の曲げ剛性(荷重G)/楕円形の短径軸方向
の曲げ剛性(荷重G)より算出したものである。そして
テストピース7は、図5に示すように、5本のテストコ
ード8を横一列に100%モジュラスが35Kg/cm
2よりなる所要寸法のゴムシート9に埋め込んで作成し
た。上記ゴムシート9の寸法は厚み4mm、巾15m
m、長さ100mmとした。なお短径方向の曲げ剛性の
測定は、図5(イ)に示すように、テストコード8を横
に倒して埋め込み、長径方向の曲げ剛性の測定は、図5
(ロ)に示すように、コード8を立てて埋め込んだ。
【0037】疲労性は、コードを複数本、100%モジ
ュラスが35Kg/cm2のゴム材よりなるゴムシート
に埋め込み、このシートを用いて三点プーリ曲げ疲労試
験機により、フレッティング摩耗、座屈等を経てコード
が破断するに至るまでの繰り返し回数を求め、実施例の
試験No.4を100として指数で表示した。
【0038】撚りコストは、撚りの工程数により評価し
たもので、従来の3+6構造を100として指数で表示
した。
【0039】次に、表2より明らかなように、試験N
o.4〜11の本発明のスチールコードは、試験No.
1、2、3の従来例のものと比較して、ゴム材の浸入
性、疲労性、撚りコストに優れており、特に撚りコスト
においては半減した。また衝撃吸収量においても、本発
明のスチールコードは、従来例より強度が若干低くても
比較的高い水準を示しており、衝撃吸収量に優れてい
た。さらに、比較例である試験No.15、16では、
素線本数を9本と多くしたもので、撚り上がり状態をチ
ェックしたところ、本発明には見られない部分的に素線
配列の乱れる現象があり、素線間の隙間が殆ど存在しな
い箇所を有するものとなり、ゴム材の浸入を悪くして疲
労性を低下させることとなった。また試験No.12の
比較例のものは、偏平比を小さくしたため、ゴム加硫時
に素線間の隙間が減少し、ゴム材の浸入を悪くして疲労
性を低下させることとなった。
【0040】また、試験No.4〜11の本発明のスチ
ールコードは、剛性比(長径方向の剛性/短径方向の剛
性)が1.06〜1.19の値を示し、長径方向には強
い剛性を有しながらも、短径方向は柔軟性を有すること
が判明した。
【0041】そして、本発明のスチールコードは、コー
ドの断面形状が楕円形状であるため、楕円形の短径が従
来例の円形の直径よりも小さくなり、タイヤに使用する
際、ベルト層の厚み方向と楕円の短径の方向を一致させ
るように配置することで、ベルト層の厚みを薄くするこ
とができ、タイヤの軽量化が可能となる。また、スチー
ルコードの材料として、実施例4でも使用しているよう
なC、Si等の化学成分を増量した高強度用鋼線材(例
えばC:0.85重量%、Si:0.68重量%、M
n:0.54重量%、P:0.004重量%、S:0.
005重量%以下、Ni:0.19重量%)を用いるこ
とで、素線の強力を増して細径化が可能となり、コード
の重量を軽くすることができ、タイヤの軽量化が可能と
なる。
【0042】さらに、本発明のスチールコードは、楕円
形の短径方向の柔軟性に優れているため、上記コードの
配列によってタイヤ接地面の凹凸に対しエンベロープ効
果に優れ、さらに、コードの長径方向がベルト部の面内
曲げ方向に向いているため、ベルト部補強材として重要
なベルト層の面内曲げ剛性を高くすることができる。ま
た本発明のものは、破断強力を測定する際の引張り試験
の結果、4〜7%の伸びを有するため、従来技術のよう
にベルト部の最外層にコードの伸び特性が大きいスチー
ルコードを用いることなく、タイヤの柔軟性を確保する
ことができる。なお、コード破断強力は、コードの補強
本数を必要最小限にするにはその数値が高い程良いが、
通常中、重荷重用空気入りタイヤのベルト部補強用コー
ドにはコード破断強力60〜120Kgfのものが使用
されているので、特に中、重荷重用空気入りタイヤのベ
ルト部補強用に使用する場合は80Kgf以上あれば充
分である。
【0043】
【発明の効果】本発明の中、荷重用空気入りタイヤのベ
ルト部補強用スチールコードは、単層撚り構造であるた
め、撚りコストが低く、ベルト部に要求される補強特性
である柔軟性、衝撃吸収量、剛性、軽量に優れ、トラッ
ク、バス等の中、重荷重用の空気入りタイヤに使用する
と、従来技術の3+6構造および2+7構造のスチール
コードと比較して、タイヤの耐久性、走行安定性におい
て優れた特性を有し、かつ特に撚りコストが極めて低い
点より経済的効果も大きい等の優れた効果を有するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のスチールコードを示す断面図であ
る。
【図2】実施例2のスチールコードを示す断面図であ
る。
【図3】実施例3のスチールコードを示す断面図であ
る。
【図4】三点曲げ試験方法を示す概略図である。
【図5】三点曲げ試験に用いたテストピースを示し、
(イ)は短径方向の曲げ剛性に、(ロ)は長径方向の曲
げ剛性にそれぞれ用いたテストピースの概略図である。
【図6】従来の1×12構造のスチールコードを示す断
面図である。
【図7】従来の3+9構造のスチールコードを示す断面
図である。
【図8】従来の3+6構造のスチールコードを示す断面
図である。
【図9】従来の2+7構造のスチールコードを示す断面
図である。
【符号の説明】
1、3、5・・・素線 2、4、6・・・スチールコード 7・・・テストピース 8・・・テストコード 9・・・ゴム材 A・・・短径 B・・・長径 C・・・隙間 E・・・空間(空隙) G・・・荷重 L・・・スパン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60C 9/00 M 8408−3D 9/18 G 8408−3D C08J 5/04 7310−4F // B29K 105:06 4F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コードの外接円がコード長手方向に同一向
    の略楕円形を有するよう複数本の素線を撚り合した単層
    撚りオープン構造のスチールコードにおいて、素線本数
    n=6〜8、素線径d=0.23〜0.38mm、撚り
    ピッチP=40d〜80dmm、楕円形の短径A=2d
    〜3dmm、楕円形の偏平比(楕円形の長径B/楕円形
    の短径A)=1.2〜2.5、曲げ方向による剛性比
    (楕円形の長径軸方向の曲げ剛性/楕円形の短径軸方向
    の曲げ剛性)=1.05〜1.20であることを特徴と
    する中、重荷重用空気入りタイヤのベルト部補強用スチ
    ールコード。
  2. 【請求項2】シャルピー衝撃試験の荷重1734Kg
    (40Kg−cm)における衝撃吸収量が10〜40K
    g−cmである請求項1記載の中、重荷重用空気入りタ
    イヤのベルト部補強用スチールコード。
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