JP2596352Y2 - ゴム製品補強用スチールコード - Google Patents

ゴム製品補強用スチールコード

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JP2596352Y2
JP2596352Y2 JP3579893U JP3579893U JP2596352Y2 JP 2596352 Y2 JP2596352 Y2 JP 2596352Y2 JP 3579893 U JP3579893 U JP 3579893U JP 3579893 U JP3579893 U JP 3579893U JP 2596352 Y2 JP2596352 Y2 JP 2596352Y2
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金井 宏之
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    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/06Ropes or cables built-up from metal wires, e.g. of section wires around a hemp core
    • D07B1/0606Reinforcing cords for rubber or plastic articles
    • D07B1/062Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration
    • D07B1/0626Reinforcing cords for rubber or plastic articles the reinforcing cords being characterised by the strand configuration the reinforcing cords consisting of three core wires or filaments and at least one layer of outer wires or filaments, i.e. a 3+N configuration
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    • D07B1/0653Reinforcing cords for rubber or plastic articles comprising longitudinally preformed wires in the core

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  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は自動車用タイヤ、コンベ
アベルト等のゴム製品の補強材として使用されるゴム製
品補強用スチールコードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のスチールコードは、多
数本が平行に引揃えられた状態でゴム材により被覆され
て、自動車用タイヤ、コンベアベルト等のゴム製品の補
強材として使用されるものである。
【0003】従来のゴム製品を補強するスチールコード
としては、図3に示す如く、3本の略真直な素線21を
密接に撚り合わせたコア22と、このコアの周囲に9本
の略真直な素線23を密接に撚り合わせてシース24を
形成したスチールコード25が知られている。
【0004】しかし、上記スチールコード25において
は、上述の如き構成であるため、コア22を形成する素
線21、21は常に接触しており、又コアとシース間の
素線21、23も密接あるいは極めて近接して配置され
ている。従って、このスチールコード25は、ゴム製品
成形時に、ゴム材が上記各素線間より空洞部D内に浸入
できず、単にスチールコード25の外周を被覆するのみ
で、素線とゴムとの完全な複合体を形成することができ
なかった。
【0005】このため、上記スチールコード25を使用
したタイヤにあっては、素線とゴム材との接着が充分で
ないため、自動車の走行時に素線とゴム材とが剥離する
所謂セパレーツ現象を起こしたり、また隣接する素線同
士の接触によるフレッティング現象によって素線の一部
が破断したり、さらに素線間に存在する僅かな隙間が、
ゴム中の水分やタイヤの切り疵より浸入した水分の伝播
経路となり、スチールコード全体に錆を発生させ、スチ
ールコードの機械的強度を大巾に低下させる原因ともな
っていた。
【0006】近年、上記問題点を除去するため、コード
内部へゴム材を充分に浸入できるようシースを形成する
素線の本数を減らして隣接素線間に隙間を設けたスチー
ルコードが開発されている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記スチール
コードのコアにおいても、互いに素線が密接しており、
空洞部D内にゴム材が浸入できない為、前記セパレーツ
現象、フレッティング現象或いは機械的強度の低下とい
う弊害を十分に解消することはできていない。また、上
記で述べた2種類のスチールコードは、いずれも撚り工
程数が2回必要であり、撚りコストが高い欠点があっ
た。
【0008】本考案は、上記問題点を除去するためにな
されたものであり、コード外周よりコード中央に通ずる
ゴム材の浸入経路を設け、スチールコードを構成する各
素線間へのゴム材の浸入性を大巾に向上し、ゴムとの完
全な複合体を形成でき、かつ、撚りコストの安価なゴム
製品補強用スチールコードを提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案のゴム製品補強用
スチールコードは、上記課題を解決するためになされた
ものであり、2〜6本の素線を撚り合わせず略並列に配
置して成るコアと、そのコアの周囲に5〜9本の素線を
撚り合わせ形成したシースより成るスチールコードにお
いて、上記各素線径が0.10〜0.40mmで、かつ
コアの少なくとも1本の素線が式、 P1 =6d〜30d d1 =(d+2/100mm)〜(d+2/10mm) (ただし、P1 :くせピッチ(mm)、d:素線径(m
m)、d1 :見掛けの外径(mm))を満足する略スパ
イラル状のくせを有し、更にシースを形成する少なくと
も1の隣接素線間に0.04〜0.15mmの隙間Cを
有してなる。
【0010】ところで、上記種々の数値限定は多数の実
験により得られた結果に基づいて定めたものであり、そ
の概要は次の如くである。
【0011】各素線の線径を0.10〜0.40mmと
したのは、0.10mm未満であるとスチールコードの
強力が不足し、0.40mmを超えると柔軟性に劣るた
めである。
【0012】また、略スパイラル状のくせにおいて、素
線径をdとしたとき、くせピッチP1 がP1 =6d〜3
0d、かつ見掛けの外径d1 =(d+2/100mm)
〜(d+2/10mm)の範囲としたのは、以下の理由
による。くせピッチP1 を6dより小さくすると、くせ
付け時に素線に無理な塑性変形を加えることとなり、素
線が折れ易くなるとともに、生産性が低下するためであ
る。一方、30dより大きいと、ゴム製品成形時のゴム
材のフローによる引張力、あるいはコード表面に付加さ
れるしごき力によって素線間の隙間が減少し、ゴム材の
浸入が充分でなくなるためである。さらに、見掛けの外
径d1 がd+2/100mmより小さいと、流動性の良
いゴム材を使用しても、加圧加硫時にゴム材がスチール
コード内部へ充分に浸入することができず、d+2/1
0mmより大きいと、撚りの安定性が悪くなり、耐疲労
性の低下をきたすためである。
【0013】また、シースを形成する少なくとも1の隣
接素線間に0.04〜0.15mmの隙間Cを設けたの
は、0.04mmより小さいとスチールコード内部まで
充分なゴム材の浸入がのぞめず、0.15mmより大き
いと素線の形状安定性が悪くなるためである。
【0014】なお、本考案でいう略スパイラル状のくせ
とは、正確にスパイラル状になっていることを必要とせ
ず、単に波状となっていてもよく、スパイラル状と同等
の効果を示すものである。
【0015】
【作用】上記のように構成されたスチールコードを、2
枚のゴムシート間に挟んで加圧加硫すると、スチールコ
ードの各層間および同一層間の隣接する素線間に形成さ
れた微少隙間により、ゴム材がコード内部へ充分に浸入
する。このゴム材により各素線の周囲は被覆され、ゴム
とコードとの完全な複合体となり、セパレーツ現象、フ
レッティング現象および機械的強度の低下が防止され
る。
【0016】
【実施例1】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて
説明する。図1において、6は線径0.22mmの並行
に引揃えられた3本の素線よりなるコア3の周囲に線径
0.20mmの9本の素線4を撚り合わせて成るスチー
ルコードである。上記コア3は、くせピッチP1 が6.
0mmで、見掛けの外径d1 が0.38mmを有する略
スパイラル状のくせを有した素線2が1本と略真直な素
線1が2本並行に引揃えられており、上記コア3の周囲
には、略真直な9本の素線4が、撚りピッチ12.5m
mでS撚り方向に撚り合わされシース5が形成されてい
る。
【0017】
【実施例2】図2に示されるように、線径dが0.22
mmで、くせピッチP1 が6.0mm、見掛けの外径d
1 が0.38mmの略スパイラル状のくせを有する素線
8と、略真直な線径0.22mmの2本の素線7とを並
行に引揃え、その周囲に線径0.22mmの略真直な素
線10を8本撚りピッチ12.5mmでS撚り方向に撚
り合わせてシース11を形成しゴム製品補強用スチール
コード12を構成した。
【0018】尚、各上記実施例における略スパイラル状
のくせを有するスチールコード6、12の作成は、チュ
ーブラー型撚線機を用いて行った。
【0019】上記各実施例においては、コアを形成する
素線を3本、シースを形成する素線を9又は8本とした
が、コアを形成する素線は2〜6本、シースを形成する
素線は5〜9本の範囲の素線を使用することが可能であ
る。
【0020】また、上記シースの撚りピッチは10.0
〜16.0mmの範囲内であることが好ましい。その理
由は、撚りピッチが10.0mm未満であると、スチー
ルコードの強力が低くなり過ぎ、16.0mmを超える
と耐疲労性が低下するからである。
【0021】スチールコードを構成する素線には通常、
炭素含有量0.70〜0.90wt%の鋼線が用いられ
るが、スチールコードに高強力かつ良好な靱性をもたせ
るため、炭素含有量0.80〜0.85wt%の鋼線を
用いることがより好ましいものである。
【0022】尚、ゴム材とスチールコードとの接着を良
好にするため、上記各素線にはブラスメッキ、ブロンズ
メッキ等のメッキを施したものを使用することが好まし
い。
【0023】次に、本考案のスチールコードを、従来例
と共にゴム浸入率、疲労値、撚り工程数、コストについ
て評価したところ表1に示すような結果を得た。なお、
テストに使用した各コードを構成する素線は、全て炭素
含有量を0.82wt%とし、その表面にブラスメッキ
を施している。
【0024】また、評価に際して、ゴム浸入率は、各コ
ードに5kgの引張荷重をかけた状態でゴム材中に埋め
込み、加圧加硫をした後、コードを抜き出し、そのコー
ドを分解して各素線について一定長さを観察し、観察し
た面積に対してゴム材と接触した形跡のある面積の比を
百分率で求め、その平均値を表示した。
【0025】疲労値とは、各スチールコードを複数本、
100%モジュラスが35kg/cm2 のゴム材中に埋
込んで複合体シートを形成し、このシートを用いて3点
プーリ曲げ疲労試験機により、フレッティング摩耗、座
屈等を経て、コードが破断するに至るまでの繰返し回数
を求め、従来例1のコードを100として指数で表示し
た。
【0026】
【表1】
【0027】表1より明らかなように、本考案のスチー
ルコードは、ゴム浸入率、疲労値共に満足することので
きるものであり、例えば、本考案のスチールコードをタ
イヤに使用した場合、タイヤの寿命および乗心地性をさ
らに向上することが期待できる。また、本考案のスチー
ルコードは一工程で撚りを付与できるため、従来のスチ
ールコードに比べコストを大巾に(撚りコストで20〜
30%)低減することができる。
【0028】
【考案の効果】本考案のゴム製品補強用スチールコード
は、上記構成であるため、コード外周よりコード内部に
至るゴム浸入経路が形成され、ゴム材がコード内部まで
確実に浸入し、コードとゴム材との完全な複合体とな
る。このため、本考案のスチールコードを例えばタイヤ
に使用した場合、セパレーツ現象、フレッティング現象
および機械的強度の低下を著しく減少することができ
る。
【0029】また、スチールコードとしての強力も充分
であり、撚りも安定しているため、タイヤの寿命を大
に延長することができ、さらに、撚りコストも大巾に低
減することができるという優れた実用的効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のスチールコードの一実施例を示す概略
断面図である。
【図2】本考案のスチールコードの他の実施例を示す概
略断面図である。
【図3】従来のスチールコードの概略断面図である。
【符号の説明】
1、4、7、10、21、23 素線 2、8 略スパイラル状のくせを有する素線 3、9、22 コア 5、11、24 シース 6、12、25 スチールコード

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2〜6本の素線を撚り合わせず略並列に
    配置して成るコアと、そのコアの周囲に5〜9本の素線
    を撚り合わせ形成したシースより成るスチールコードに
    おいて、上記各素線径が0.10〜0.40mmで、か
    つコアの少なくとも1本の素線が式、 P1 =6d〜30d d1 =(d+2/100mm)〜(d+2/10mm) (ただし、P1 :くせピッチ(mm)、d:素線径(m
    m)、d1 :見掛けの外径(mm))を満足する略スパ
    イラル状のくせを有し、更にシースを形成する少なくと
    も1の隣接素線間に0.04〜0.15mmの隙間Cを
    設けたことを特徴とするゴム製品補強用スチールコー
    ド。
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