JP5275655B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、ベルトとして、コードやフィラメント等の補強素子がタイヤ赤道に沿う向きに延びる周方向ベルト層を有する空気入りタイヤ、特に、重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
近年、車両の高速化や低床化の要求により、装着タイヤはより扁平化され、これに伴って標準内圧付与時のトレッド部の径方向成長量は一層増大してゆく傾向にある。このトレッド部における径方向成長量の増加は、ベルト端部での応力集中を増幅して当該部分での耐久性の低下を招くため、特にベルトエンドセパレーションを早期に発生させる要因となる。
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術が必要となる。
周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術について、特許文献1には、カーカスの周りにタイヤ赤道に対し、10〜40゜の傾斜角にて互いにタイヤ赤道を挟み交差する多数のコード又はフィラメントを補強要素とする、少なくとも2層の傾斜ベルトを有し、さらに傾斜ベルトの下に位置する、少なくとも1層よりなり、波形もしくはジグザグ形をなす多数のコード又はフィラメントの補強要素を全体としてタイヤ赤道に沿う配向としたストリップによる周方向ベルト層を有する構造が開示されている。
特開平2−208101号公報
しかし、更に扁平比が小さくなった場合、具体的には、タイヤの断面幅に対する断面高さの比である扁平比が0.70以下の場合には、周方向ベルト層の幅を更に広げないと、所期した径成長の抑制が困難となる。ところが、周方向ベルト層幅を広げることは、以下の新たな問題をまねくことになる。
すなわち、周方向ベルト層幅を広げると、タイヤ走行に伴い、接地領域において周方向ベルト層の幅方向端部が周方向に曲げ変形してベルト層が周方向に伸びる結果生じる、引張入力(以下、引張振幅入力)が繰り返し強く作用することになり、その結果、周方向ベルト層の幅方向端部において、コードが疲労破断し易くなる。
周方向ベルト層を広くした場合、最も問題となるのが、周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの疲労破断である。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張振幅入力が作用するためであり、引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。
また、耐摩耗性能を確保するには、傾斜ベルト層を周方向ベルト層より幅広に配置し、トレッド部の面内せん断剛性を高くする必要がある。
上記の問題を解決するものとして、出願人会社は先に、「周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、さらに、周方向ベルト層において、その幅方向端部側に配置されたコードの弾性率が当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低いことを特徴とする空気入りタイヤ」を開発し、特願2006−349481号明細書において提案した。
この技術は、周方向ベルト層に埋設したコードの幅方向の弾性率を調整することによって、コードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性の向上を図ろうとするものである。さらに、傾斜ベルト層の幅を周方向ベルト層の幅よりも広くしてトレッド部の面内せん断剛性を高くして耐摩耗性能を確保している。
上記した特願2006−349481号明細書に提案の空気入りタイヤにおいて、弾性率が高いコードと弾性率が低いコードとの境界部分は、鋭利な突起を乗り越す際の耐久性がその他の部分に比較して弱いことが改善点として挙げられる。
そこで、本発明の目的は、上記した特願2006−349481号明細書に提案の空気入りタイヤの改良することにあり、上記の問題を未然に防ぐことによって、ベルト耐久性や耐摩耗性の一層の改善に加えて、突起乗り越し性能を改善した空気入りタイヤ、中でも扁平比の小さい重荷重用ラジアルタイヤを提供することにある。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
前記幅方向端部域の幅方向最内側に配置されたコードと、前記幅方向中央域の幅方向最外側に配置されたコードとの最小間隔が5mm以下であ
タイヤ赤道を境とするタイヤ半部において、一方の周方向ベルト層における幅方向端部域の幅方向最内側に配置されたコードの端部が、他方の周方向ベルト層における幅方向中央域の幅方向最外側に配置されたコードの端部より、幅方向内側に位置する、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記周方向ベルト層は、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップ材を、前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回して成ることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記幅方向端部域に配置されたコードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、
前記幅方向中央域に配置されたコードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものである、
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記幅方向端部域に配置されたコードが有機繊維コードであり、
前記幅方向中央域に配置されたコードが金属コードである、
ことを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記幅方向端部域に配置されたコードおよび前記幅方向中央域に配置されたコードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、周方向ベルト層幅を広げて、特に扁平比の小さいタイヤで顕著なトレッド部の径成長を抑制し、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整することで特に周方向ベルト層端部におけるコードの疲労破断を抑制することができるため、ベルトの耐久性能を大幅に向上するとともに、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定することで摩耗性能を向上した扁平比の小さいタイヤを提供することができる。
さらに、周方向ベルト層のコード間隔を規定して突起乗り越し性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の空気入りタイヤの実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1は本発明に従うタイヤの幅方向断面である。一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨るカーカス1のクラウン部の径方向外側には、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、2層の周方向ベルト層2aおよび2bと、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層を層間でコード相互が交差する向きに配置した、図示例で2層の傾斜ベルト層3aおよび3bとを順に積層したベルト4を有し、さらに該ベルト4の径方向外側にトレッド5を配置している。
周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWは、タイヤの総幅TWの60%以上に設定することが好ましく、さらに、70%以上に設定することがより好ましい。なぜなら、径成長の大きい領域は、タイヤ総幅TWの60%〜70%の領域までであることから、その領域には、径成長を抑制する周方向ベルト層を配置する必要があるためである。周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWの上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
また、少なくとも1層の傾斜ベルト層、図示例では傾斜ベルト層3aの幅BW3aを周方向ベルト層2a、2bの幅BWよりも広くする必要がある。なぜなら、タイヤの摩耗性能およびコーナーリング性能に必要なトレッド部の面内剪断剛性を確保するためである。
残る傾斜ベルト層3bの幅BW3bは、周方向ベルト層2a、2bより幅広く配置することが、トレッド部の面内剪断剛性を向上させ、特にタイヤの摩耗性能を向上させる上で好ましい。また、図1に示した例では、傾斜ベルト層3aの幅BW3aが同3bの幅BW3bよりも広いが、このように、異なる幅に設定することが好ましい。なぜなら、同一幅になると急激な剛性変化を伴うため、ベルト層端部での耐セパレーション性が悪化する懸念があるためである。
また、傾斜ベルト層3a、3bの幅がタイヤの総幅TWの65%以上であることが好ましい。なぜなら、タイヤ総幅TWの65%以上の範囲で傾斜ベルト層3aのコードと同3bのコードとが交差することにより、摩耗性能を維持するためである。また、傾斜ベルト層3a、3bの幅の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
傾斜ベルト層のコードはタイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、摩耗性能と耐久性能を両立可能である。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ走行中の接地領域において、傾斜ベルトの周方向変形が大きくなり、前記周方向ベルト端部と傾斜ベルト層間のゴムのせん断変形が大きくなる。これにより、ゴムが破壊されタイヤの耐久性は著しく低下するおそれがあるからである。
なお、図1に示した例では、周方向ベルト層2aと2bとの幅は同じであるが、異なる幅にしてもよい。特に、周方向ベルト層の幅方向中央部の強度を大きくした場合には、1層だけ幅を広く配置し、もう1層は幅を狭くしても良い。
また、周方向ベルト層の幅を広くすると、周方向ベルト層の幅方向外側端部において、コードの疲労破断が発生し易くなり、十分に満足するタイヤ寿命を得ることが難しい。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張方向の振幅入力が作用するためであり、この引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。そこで、本発明では、周方向ベルト層の幅方向端部において、該幅方向外側に配置されたコードの弾性率を当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率よりも低くすることによって、上記した周方向ベルト層端部に集中する引張振幅入力を抑制する。
すなわち、走行中のタイヤでは、周方向ベルト層端部に引張振幅入力が作用する。この引張振幅入力は、タイヤのトレッド端部側の接地面において、コードが周方向に伸ばされて引張最大応力が作用し、トレッド端部の非接地域ではほぼ内圧充填時の引張応力が作用するためである。この引張応力の振幅を抑制するには、タイヤの負担を軽くする(タイヤの撓み量を小さくする)ことが考えられるが、この手法ではタイヤの乗り心地性を満足させることはできない。
そこで、接地面内においてコードがタイヤの周方向に伸ばされたとき、該接地面に対応する周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの弾性率が低ければ、コードにかかる引張応力は低くなる。しかし、周方向ベルト層の全てのコードの弾性率を低くしてしまうと、内圧充填による径方向成長量が大きくなり、タイヤの形状保持が困難になる。そこで、周方向ベルト層の幅方向において、その端部付近に相当する幅方向外側のコード弾性率を、同幅方向内側のコードの弾性率よりも低くすることによって、内圧充填時の径方向成長量の増加を極力同じにすれば、接地面における、周方向ベルト層の幅方向端部の応力振幅は効果的に抑制される結果、コードの疲労破断を抑制することができる。
なお、周方向ベルト層の幅方向外側に配置されたコードの弾性率は、当該コードの幅方向内側に配置されたコードの弾性率に対して、0.3〜0.8倍であることが、上記引張応力の振幅抑制に有効である。
ここで、図1(b)、(c)に周方向ベルト層の平面展開図を示すように、各周方向ベルト層を、幅方向中央域2Cとこの幅方向中央域2Cの幅方向外側に位置する幅方向端部域2E、2Eとに区画した際、幅方向端部域2E、2Eに配置されたコード6の弾性率を幅方向中央域2Cに配置されたコード7の弾性率よりも低くする。
すなわち、図1において周方向ベルト層2a、2bとして示すコード配列は、周方向ベルト層の幅方向端部域2E、2Eに、弾性率の低いコード6を複数本配置し、このコード6のベルト幅方向内側の幅方向中央域2Cに、コード6よりも弾性率の高いコード7の複数本を配置したものである。
このように、本発明に従う周方向ベルト層としては、幅方向端部域2E、2Eにコード6を1〜数十本配置し、幅方向中央域2Cにコード7を配置することを基本とする。
また、各幅方向端部域2E、2Eの幅tは、周方向ベルト層の幅BWの5%〜20%であることが好ましい。なぜなら、幅tが全幅の5%未満では、周方向ベルト層への応力振幅の大きい領域に弾性率の高いコードが存在してしまう為に未だ破断する可能性が高く、一方20%を超えると、径成長の増大を抑制するのが難しくなるからである。
さらに、周方向ベルト層2a、2bにおいて、幅方向中央域2Cの幅方向最外側に配置されたコード7と当該コード7に隣接するコード6との最小間隔が5mm以下であることが肝要である。
コード6とコード7との最小間隔が5mmを超えている場合、コード6とコード7との間の部分に突起物が当たった場合、具体的には、走行中のタイヤのこの部分で鋭利な突起物を踏み越えた場合に、突起物がカーカス1まで到達し、タイヤ内の充填気体が漏れて、タイヤのパンクにつながるおそれがある
なお、コード6とコード7との最小間隔とは、図1(b)、(c)に示すように、コード6を直線状のコードとし、コード7を波形のコードとする場合、図2に示す、周方向ベルト層のコード6とコード7との境界部分において、コード6と、振幅をもって波状に蛇行しているコード7がコード6に最も近づく部分との距離dを指す。
コード6とコード7とがともに直線状のコードである場合は、最小間隔とは、各コード間の距離dを指す。
また、本発明の周方向ベルト層は、1本または複数本のコード6およびコード7をそれぞれゴムで被覆したストリップ材を、前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回して成形することが、製造の時間短縮につながり、結果的にコストを抑制することができ、好適である。
しかし、このような製造方法を用いると、両者のストリップを巻きつける際、異なるストリップを幅方向に隣接して配置する際に、製造上の誤差で両者の間に隙間が生じることがある。コード6とコード7との間に大きく隙間が生じたタイヤにおいては、内圧充填後、タイヤトレッド部の径方向への成長量(径成長)は不均一となってしまう。これは、コード6とコード7との弾性率(剛性)が異なるためである。不均一な径成長分布は踏面にも影響し、偏摩耗の原因となる。
そこで、コード6とコード7との最小間隔を5mm以下となるように規制してストリップを巻きつけ、周方向ベルト層を製造すると、内圧充填時の径成長分布は略均一な範囲で抑制することができることがわかった。
また、コード6とコード7が接触すると、フレッティング疲労により、コードが損傷するおそれがあるため、コード6とコード7との間にわずかな隙間を確保することが好ましい。
また、例えば、コード6には、金属製の弾性コード、すなわち複撚りの4×0.28mm+6×0.25mmのコード、いわゆるハイエロンゲーションコードが好適であり、コード7には、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード(図1における周方向ベルト層2a、2bの構造を参照)、いわゆる波形コード、又は金属製の非伸張コード、すなわち層撚り(3+9+15)×0.23mmのコードが好適である。ハイエロンゲーションコードの引張歪1.8%における弾性率は、波状もしくはジグザグ状の型付けを施したコード、又は金属製の非伸張コードよりも小さいことが一般的である。
なお、接地面内における引張歪はおおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているから、コード弾性率は、この引張歪1.8%でのコード弾性率を規定する。
ちなみに、コードの弾性率とは、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除した値である。
また、コード6に有機繊維コードを用いて、コード7に金属製コードを用いても、上述の弾性率の条件を満足できる。
コード6の弾性率は、引張歪み1.8%において、40GPa以上100GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が40GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、100GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断し、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
コード7の弾性率は、引張歪み1.8%において、80GPa以上210GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が80GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、210GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断しやすくなり、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
図3に、図1に示した幅方向断面図のベルト部分の拡大図を示す。
図3の例は、各4本のコード6およびコード7のゴム引き布であるストリップを巻きつけてなるベルト構造である。
ここで、周方向ベルト層2a、2bの製造方法について説明する。まず、径方向内側の周方向ベルト層2bを製造するために、コード7のゴム引き布であるストリップを幅方向中央域の幅方向いずれか一端から他端に向かってらせん状に巻きつける。すなわち、図において、ストリップ2bSa、2bSb、2bScの順に巻きつけ、所定の幅を巻きつけたら、続けてコード6のゴム引き布であるストリップ2bSdを巻きつける。周方向ベルト層2bの端部まで巻きつけたら、次に、径方向内側の周方向ベルト層2aを製造するために、コード6のゴム引き布であるストリップ2aSdを巻きつけ、所定の幅を巻きつけたら、続けてコード7のゴム引き布であるストリップ2aSc、2aSb、2aSaを幅方向内側に向かって順に巻きつけていく。
この例では、周方向ベルト層2aにおけるコード6とコード7の境界部分と、周方向ベルト層2bにおけるコード6とコード7の境界部分とが、タイヤ径方向に一致しており、コード6とコード7との最小間隔dが5mm以下である。
次に、図4に、本発明に係るベルトの幅方向断面図を示す。図4の例は、各1本のコード6およびコード7のゴム引き布であるストリップを巻きつけてなるベルト構造である。
周方向ベルト層2a、2bの製造方法は上述したとおりであるが、周方向ベルト層2bを製造するために、コード7のゴム引き布であるストリップを所定の幅を巻きつけた後、コード6のゴム引き布であるストリップを幅方向外側に向かって4周巻きつける。続けて、周方向ベルト層2aを製造するために、コード6のゴム引き布であるストリップを幅方向内側に向かって5周巻きつける。このように、周方向ベルト層2aにおけるコード6とコード7の境界部分と、周方向ベルト層2bおけるコード6とコード7の境界部分と、タイヤ径方向に一致させずに、コード6aとコード7aとの距離dおよびコード6bとコード7bとの距離dをともに5mm以内としている。コード6aのコード端6Eが、コード7bのコード端7Eより幅方向内側に位置するように、各周方向ベルト層2a、2bにおける境界部分を幅方向にずらすことで、突起乗り越し性能をさらに向上させ、不均一な径成長をさらに抑制することができる。
以下に示す仕様の下、発明例タイヤ、従来例タイヤ、および比較例タイヤをサイズ495/45R22.5で試作し、各試作タイヤについて、耐久試験、摩耗試験、および小突起貫通試験を行ったので以下に説明する。
発明例タイヤ1〜4および比較例タイヤ2、3は、図3に示すベルト構造に表1に示す仕様を適用したものである。周方向ベルト層は、弾性率の低いコード(以下、「低弾性率コード」という)を含む幅方向端部域2E、2Eと、弾性率の高いコード(以下、「高弾性率コード」という)を含む幅方向中央域2Cとからなる。
比較例タイヤ1および従来例タイヤは、周方向ベルト層を、高弾性率コードを含む幅方向中央域2Cのみから形成したベルト構造を有する。
これら試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、正規荷重:5800kgおよびドラム回転速度:60.0km/hの条件にてドラム走行を30000kmの距離で実施し、その後、タイヤを解剖して周方向ベルト層におけるコードの疲労強度を測定した(耐久試験)。疲労強度は新品時の従来例タイヤの強度を100として指数で表し、数値が大きいほど疲労強度が大きい、すなわち、耐久性能が良好であることを示している。また、同時に、トレッド摩耗量を測定した(摩耗試験)。トレッド摩耗量は新品時の従来例タイヤの摩耗量を100として指数で表し、数値が大きいほど摩耗量が少ない、すなわち、摩耗性能が良好であることを示している。
また、試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、直径25mmの丸型突起物をトレッド部に1箇所、30kNの力で押し当て、丸型突起物の最大押込量を測定した(小突起貫通試験)。押込量は従来例タイヤの押込量を100として指数で表し、数値が大きいほど押込量が少ない、すなわち、小突起貫通性能が良好であることを示している。
また、いずれの試作タイヤも2層の周方向ベルト層を有し、各周方向ベルト層の幅方向端部域と幅方向中央域との境界は一致している。
なお、コードの弾性率は、コードをインストロン型引張試験機による引張試験に供し、そのときの引張歪1.8%でのコード弾性率である。
傾斜ベルト層には、(1+6)×0.32mmの層撚りのコードを打ち込み数24.5本/50mmで適用した。
周方向ベルト層の幅方向端部域2E、2Eには4×(1×0.28mm+6×0.25mm)の高伸長性コードを打ち込み数20本/50mmで適用し、幅方向中央域2Cには(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長コードを打ち込み数22.5本/50mmで適用した。ストリップ幅は、ともに20mmとした。
Figure 0005275655
表1の結果より、発明例タイヤ1〜3は、低弾性率コードの弾性率が80GPaであり、高弾性率コードの弾性率が150GPaであるため、いずれも良好な耐久性能を示したことが分かる。発明例タイヤ4は、低弾性率コードの弾性率が120GPaであり、耐久性能が従来例タイヤより劣り、これにより、好適な弾性率範囲を示すことができた。
また、発明例タイヤ1〜4は、傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅より広いため、いずれも良好な摩耗性能を示したことがわかる。比較例タイヤ2も傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅より広いが、幅の差がわずかしかないため、摩耗性能が悪化したと考えられる。
また、発明例タイヤ1〜4は、低弾性率コードと高弾性率コードとの距離を5mm以下であるため、いずれも良好な小突起貫通性能を示したことがわかる。
以上により、周方向ベルト層に埋設したコードの弾性率を調整してベルトの耐久性能を大幅に向上し、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定して摩耗性能を向上し、さらに、周方向ベルト層のコード間隔を規定して突起乗り越し性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
(a)は本発明に従うタイヤの幅方向断面図であり、(b)、(c)はベルトの展開図である。 周方向ベルト層のコードの境界部分を示す図である。 本発明に従うベルトの幅方向断面図である。 本発明に従うベルトの幅方向断面図である。
符号の説明
1 カーカス
2a、2b 周方向ベルト層
2C 幅方向中央域
2E、2E 幅方向端部域
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6、7 コード
CL タイヤ赤道

Claims (6)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
    前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
    少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
    各周方向ベルト層を、幅方向中央域と該幅方向中央域の幅方向外側に位置する幅方向端部域とに区画した際、前記幅方向端部域に配置されたコードの弾性率が前記幅方向中央域に配置されたコードの弾性率よりも低く、
    前記幅方向端部域の幅方向最内側に配置されたコードと、前記幅方向中央域の幅方向最外側に配置されたコードとの最小間隔が5mm以下であ
    タイヤ赤道を境とするタイヤ半部において、一方の周方向ベルト層における幅方向端部域の幅方向最内側に配置されたコードの端部が、他方の周方向ベルト層における幅方向中央域の幅方向最外側に配置されたコードの端部より、幅方向内側に位置する、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記周方向ベルト層は、1本または複数本のコードをゴムで被覆したストリップ材を、前記カーカスのクラウン部に螺旋状に巻回して成ることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記幅方向端部域に配置されたコードは、初期伸びを有する伸張性の金属コードであり、
    前記幅方向中央域に配置されたコードは、非伸張の金属コードを直線状、波形状もしくはジグザグ状に型付けしたものである、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記幅方向端部域に配置されたコードが有機繊維コードであり、
    前記幅方向中央域に配置されたコードが金属コードである、
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記幅方向端部域に配置されたコードおよび前記幅方向中央域に配置されたコードの引張歪み1.8%における、弾性率が、それぞれ、40GPa以上100GPa以下および80GPa以上210GPa以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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