JP2009196548A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッド部の径成長を抑制し、ベルトの耐久性能および摩耗性能を向上し、さらに、突起乗り越し性能を向上した空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、前記周方向ベルト層のコードは、初期伸びを有する伸張性のコードであり、前記周方向ベルト層の径方向内側に、少なくとも1層のベルト補強層を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルトとして、コードやフィラメント等の補強素子がタイヤ赤道に沿う向きに延びる周方向ベルト層を有する空気入りタイヤ、特に、重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
この種のタイヤにおいて、周方向ベルト層は、トレッドの径方向成長を抑制するのに寄与している。この周方向ベルト層にて径成長を抑制する技術について、特許文献1には、カーカスの周りにタイヤ赤道に対し、10〜40゜の傾斜角にて互いにタイヤ赤道を挟み交差する多数のコード又はフィラメントを補強要素とする、少なくとも2層の傾斜ベルトを有し、さらに傾斜ベルトの下に位置する、少なくとも1層よりなり、波形もしくはジグザグ形をなす多数のコード又はフィラメントの補強要素を全体としてタイヤ赤道に沿う配向としたストリップによる周方向ベルト層を有する構造が開示されている。
特開平2−208101号公報
ところで、近年、車両の高速化や低床化の要求により、装着タイヤはより扁平化され、これに伴って標準内圧付与時のトレッド部の径方向成長量は一層増大してゆく傾向にある。このトレッド部における径方向成長量の増加は、ベルト端部での応力集中を増幅して当該部分での耐久性の低下を招くため、特にベルトエンドセパレーションを早期に発生させる要因となる。
すなわち、扁平比の小さいタイヤでは、内圧付与時のトレッド部、特にショルダー部近傍の径成長量が増大することが問題になるから、タイヤの周方向に配置した補強素子による周方向ベルト層にて径成長を抑制する必要がある。
更に扁平比が小さくなった場合は、周方向ベルト層の幅を更に広げないと、所期した径成長の抑制が困難となる。
一方、タイヤの基本性能である耐摩耗性能を確保するには、傾斜ベルト層を幅広に配置し、トレッド部の面内せん断剛性を高くする必要がある。
ところが、周方向ベルト層並びに傾斜ベルト層の幅を広げることは、以下の新たな問題をまねくことになる。
すなわち、タイヤ走行に伴い、接地領域において周方向ベルト層の幅方向端部が周方向に曲げ変形してベルト層が周方向に伸びる結果生じる、引張入力(以下、引張振幅入力)が繰り返し強く作用することになり、その結果、周方向ベルト層の幅方向端部において、コードが疲労破断し易くなる。
このように、周方向ベルト層並びに傾斜ベルト層の幅を広げた場合、最も問題となるのが、周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの疲労破断である。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張振幅入力が作用するためであり、引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。
上記の問題を解決するために、周方向ベルト層を、初期伸びを有する伸張性のコードで構成することが考えられる。かかる構成により、周方向ベルト層端部のコードにおける引張振幅入力を抑制することはできるが、当該コードは剛性が低いために、特に突起乗り越し時にコード破断に至るおそれがあり、この点の改善が必要であった。
そこで、本発明の目的は、特に周方向ベルト層端部におけるコードの耐疲労性並びに耐摩耗性を向上し、さらに突起乗り越し性能を向上した空気入りタイヤ、中でも扁平比の小さい重荷重用ラジアルタイヤを提供することにある。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
前記周方向ベルト層のコードは、初期伸びを有する伸張性のコードであり、
前記周方向ベルト層の径方向内側に、少なくとも1層のベルト補強層を有する、
ことを特徴とする空気入りタイヤ。
(2)前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする上記(1)に記載の空気入りタイヤ。
(3)前記ベルト補強層が、前記周方向ベルト層と前記カーカスとの間に配置されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の空気入りタイヤ。
(4)前記ベルト補強層が、前記カーカスの径方向内側に配置されることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記ベルト補強層の幅がタイヤの総幅の30%以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記ベルト補強層が、タイヤ赤道を含む領域に配置されることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(7)前記コードの引張歪み1.8%における弾性率が40GPa以上100GPa以下の範囲にあることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
本発明によれば、周方向ベルト層幅を広げて、特に扁平比の小さいタイヤで顕著なトレッド部の径成長を抑制し、周方向ベルト層に初期伸びを有する伸張性のコードを埋設することにより、特に周方向ベルト層端部におけるコードの疲労破断を抑制して、ベルトの耐久性能を大幅に向上するとともに、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定することにより摩耗性能を向上した、扁平比の小さいタイヤを提供することができる。
さらに、周方向ベルト層の径方向内側に、少なくとも1層のベルト補強層を設けることにより、ベルトの耐久性能をさらに向上するとともに突起乗り越し性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明の空気入りタイヤの実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1は本発明に従うタイヤの幅方向断面である。一対のビード部(図示せず)間にトロイダル状に跨るカーカス1のクラウン部の径方向外側には、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例では1層のベルト補強層10と、タイヤ赤道CLに沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層、図示例で2層の周方向ベルト層2aおよび2bと、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層を層間でコード相互が交差する向きに配置した、図示例で2層の傾斜ベルト層3aおよび3bと、を順に積層したベルト4を有し、さらに該ベルト4の径方向外側にトレッド5を配置している。
周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWは、タイヤの総幅TWの60%以上に設定することが好ましく、さらに、70%以上に設定することがより好ましい。なぜなら、径成長の大きい領域は、タイヤ総幅TWの60%〜70%の領域までであることから、その領域には、径成長を抑制する周方向ベルト層を配置する必要があるためである。周方向ベルト層2aおよび2bの幅BWの上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
また、少なくとも1層の傾斜ベルト層、図示例では傾斜ベルト層3aの幅BW3aを周方向ベルト層2a、2bの幅BWよりも広くする必要がある。なぜなら、タイヤの摩耗性能およびコーナーリング性能に必要なトレッド部の面内剪断剛性を確保するためである。
残る傾斜ベルト層3bの幅BW3bは、周方向ベルト層2a、2bより幅広く配置することが、トレッド部の面内剪断剛性を向上させ、特にタイヤの摩耗性能を向上させる上で好ましい。また、図1に示した例では、傾斜ベルト層3aの幅BW3aが同3bの幅BW3bよりも広いが、このように、異なる幅に設定することが好ましい。なぜなら、同一幅になると急激な剛性変化を伴うため、ベルト層端部での耐セパレーション性が悪化する懸念があるためである。
また、傾斜ベルト層3a、3bの幅がタイヤの総幅TWの65%以上であることが好ましい。なぜなら、タイヤ総幅TWの65%以上の範囲で傾斜ベルト層3aのコードと同3bのコードとが交差することにより、摩耗性能を維持するためである。また、傾斜ベルト層3a、3bの幅の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
傾斜ベルト層のコードはタイヤ赤道CLに対して40°以上、好ましくは50°以上傾斜していると、摩耗性能と耐久性能を両立可能である。なぜなら、傾斜ベルト層のコードのタイヤ赤道CLに対する傾斜角度が40°未満では、タイヤ走行中の接地領域において、傾斜ベルトの周方向変形が大きくなり、前記周方向ベルト端部と傾斜ベルト層間のゴムのせん断変形が大きくなる。これにより、ゴムが破壊されタイヤの耐久性は著しく低下するおそれがあるからである。
なお、図1に示した例では、周方向ベルト層2aと2bとの幅は同じであるが、異なる幅にしてもよい。特に、周方向ベルト層の幅方向中央部の強度を大きくした場合には、1層だけ幅を広く配置し、もう1層は幅を狭くしても良い。
また、周方向ベルト層の幅を広くすると、周方向ベルト層の幅方向外側端部において、コードの疲労破断が発生し易くなり、十分に満足するタイヤ寿命を得ることが難しい。これは、タイヤ走行に伴い、周方向ベルト層端部のコードに引張方向の振幅入力が作用するためであり、この引張振幅入力を抑制することが、この問題を解決するためには不可欠である。そこで、本発明では、周方向ベルト層に、初期伸びを有する伸張性のコードを用いることによって、上記した周方向ベルト層端部に集中する引張振幅入力を抑制する。
すなわち、走行中のタイヤでは、周方向ベルト層端部に引張振幅入力が作用する。この引張振幅入力は、タイヤのトレッド端部側の接地面において、コードが周方向に伸ばされて引張最大応力が作用し、トレッド端部の非接地域ではほぼ内圧充填時の引張応力が作用するためである。この引張応力の振幅を抑制するには、タイヤの負担を軽くする(タイヤの撓み量を小さくする)ことが考えられるが、この手法ではタイヤの乗り心地性を満足させることはできない。
そこで、接地面内においてコードがタイヤの周方向に伸ばされたとき、該接地面に対応する周方向ベルト層の幅方向端部における、コードの弾性率が低ければ、コードにかかる引張応力は低くなる。しかし、周方向ベルト層の全てのコードの弾性率を低くしてしまうと、内圧充填による径方向成長量が大きくなり、タイヤの形状保持が困難になる。そこで、本発明では、周方向ベルト層2a、2bの径方向内側に、少なくとも1層のベルト補強層10を設けることによって、内圧充填時の径方向成長量の増加を極力同じにすれば、接地面における、周方向ベルト層の幅方向端部の応力振幅は効果的に抑制される結果、コードの疲労破断を抑制することができる。
さらに、初期伸びを有する伸張性のコードを用いた周方向ベルト層2a、2bは、幅方向剛性をほとんど有していないため、例えば、突起乗り越し時等にタイヤトレッド側から曲げ変形が加わると、曲げの中立軸を境に引張側に位置するカーカス1に大きな引張入力が作用し、カーカス1に過度の変形が生じるおそれがある。そこで、周方向ベルト層2a、2bの径方向内側に、少なくとも1層のベルト補強層10を設けて周方向ベルト層の幅方向剛性を補強することによって、突起乗り越し時などに生じる、カーカス1への引張入力を低減し、カーカス1の変形を抑制し、カーカス1の耐久性を向上する。
ここで、周方向ベルト層およびベルト補強層の構造を詳しく説明する。まず周方向ベルト層について、図1(b)に平面展開図を示すように、周方向ベルト層2aのコード6は、タイヤ赤道CLと平行に延在する配置を有する。
コード6には、例えば、金属製の弾性コード、すなわち複撚りの4×0.28mm+6×0.25mmのコード、いわゆるハイエロンゲーションコードが好適である。コード6は、有機繊維コードでも良い。
また、コード6は、タイヤ製品(加硫後)でのコードの破断伸びが1.5%以上、好ましくは1.6%以上である。
次に、図1(c)にベルト補強層の平面展開図を示すように、コード11は、タイヤ赤道CLと垂直、すなわち、タイヤ軸方向に延在する配置を有する。
ベルト補強層10は、幅方向剛性を増加するために用いられることから、タイヤ赤道CLに対するコード11の傾斜角度は、40°以上であることが好ましく、50°以上であるとさらに好ましく、図1(c)に示すように、90°であるのが最も好ましい。
ベルト補強層10は、タイヤ赤道CLを含む領域であるタイヤ中央部に配置されることが好ましい。これは、突起乗り越し時の変形は、タイヤトレッドセンター部で突起を乗り越した場合最も大きく、カーカス1への入力はこの場合が最も大きいからである。
以上、図1に示した例では、ベルト補強層10は、周方向ベルト層2bとカーカス1との間に配置したが、この配置に限定されることはなく、様々な配置が可能である。他の事例について、図2(a)〜(c)に示す。
まず、図2(a)に示す例は、図1と同様に、カーカス1のクラウン部の径方向外側に、タイヤ赤道CLに対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した1層のベルト補強層10と、2層の周方向ベルト層2a、2bと、2層の傾斜ベルト層3a、3bと、を順に積層したベルト4を有する。
この図示例のように、ベルト補強層10は、突起入力時のカーカス1への入力を緩和するために、周方向ベルト層2aとカーカス1との間に配置されることが好ましい。これは、突起乗り越し時にトレッド側から曲げ変形が加わった際、曲げの引張側にあるベルト補強層10のコード11により、幅方向剛性が増加するため、カーカス1にかかる張力が低減するからである。
一方、図2(b)に示すように、ベルト補強層10は、カーカス1の径方向内側に配置されてもよい。この構成であっても、上記同様、カーカス1にかかる引張入力の低減が可能であるからである。図2(b)の例は、ベルト補強層10をカーカス1のクラウン部の径方向内側に配置した点以外は、図2(a)に示すベルト構造と同様である。
また、図2(c)に、ベルト補強層10の幅が周方向ベルト層2a、2bの幅よりも広い例を示す。図2(c)は、ベルト補強層10の幅が周方向ベルト層2a、2bの幅よりも広い点以外は、図2(a)に示すベルト構造と同様である。
なお、ベルト補強層10の幅BW10は、タイヤの総幅TWの30%以上に設定することが好ましい。なぜなら、幅BW10が30%未満の場合、突起乗り越し時におけるカーカス1への入力低減効果が不充分のためである。一方、幅BW10の上限は、タイヤ形状を規定の寸法内に収めることの制約から、90%とすることが好ましい。
コード6の弾性率は、引張歪み1.8%において、40GPa以上100GPa以下の範囲にあることが好ましい。弾性率が40GPaより低い場合、内圧充填による径成長が抑制できない可能性があり、100GPaより高い場合、タイヤ転動時にかかるコードへの入力(応力振幅)により、コードが破断し、タイヤ内圧を保持することが難しくなる可能性がある。
なお、接地面内における引張歪はおおよそ1.8%程度であることが実測値として知られているから、コード弾性率は、この引張歪1.8%でのコード弾性率を規定する。
ちなみに、コードの弾性率とは、空気入りタイヤを解体して採り出したゴム被覆状態のコードについて、引張り試験を行い、その結果から応力−歪み線図を作成し、該線図における歪みが1.8%における接線の勾配(傾き)を算出し、その値をコードの断面積で除した値である。
表1に示す仕様の下、発明例タイヤ、従来例タイヤ、および比較例タイヤをサイズ495/45R22.5で試作し、各試作タイヤについて、耐久試験、摩耗試験、および小突起貫通試験を行ったので以下に説明する。
発明例タイヤ1、2は、図2(a)のベルト層構造を有し、ベルト補強層のタイヤ赤道に対する角度を変えたものである。発明例タイヤ3、4は、それぞれ図2(b)、(c)のベルト層構造を有する。発明例タイヤ1〜4の周方向ベルト層2a、2bは、4×(1×0.28mm+6×0.25mm)のハイエロンゲーションコードを打ち込み数20本/50mmで適用し、表1では「ハイエロ」と表記している。
従来例タイヤは、図3(a)に示すように、カーカス1のクラウン部の径方向外側に、2層の周方向ベルト層2c、2dと、2層の傾斜ベルト層3a、3bと、を順に積層したベルト構造を有する。傾斜ベルト層3aの幅が周方向ベルト層2c、2dの幅より広く、傾斜ベルト層3bの幅が周方向ベルト層2c、2dの幅より狭い。
比較例タイヤ1は、図3(b)に示すベルト構造を有し、2層の傾斜ベルト層3a、3bの幅がともに、周方向ベルト層2c、2dの幅より広い点以外図3(a)に示す従来例タイヤのベルト構造と同様である。
従来例タイヤおよび比較例タイヤ1の周方向ベルト層2c、2dは、(3+9+15)×0.23mmの波状の非伸長コードを打ち込み数22.5本/50mmで適用し、表1では「WAVY」と表記している。
比較例タイヤ2は、図3(c)に示すベルト構造を有し、ベルト補強層10を有さない点以外図2(a)に示す発明例タイヤ1、2のベルト構造と同様である。
比較例タイヤ3は、図3(d)に示すベルト構造を有し、ベルト補強層10を傾斜ベルト層3a、3bの径方向外側に設け、このベルト補強層10のコード角度がタイヤ赤道に対して40°である点以外図2(a)に示す発明例タイヤ1、2のベルト構造と同様である。
これら試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、荷重:5800kgおよびドラム回転速度:60.0km/hの条件にてドラム走行を30000kmの距離で実施し、その後、タイヤを解剖して周方向ベルト層におけるコードの疲労強度を測定した(耐久試験)。疲労強度は従来例タイヤの強度を100として指数で表し、数値が大きいほど疲労強度が大きい、すなわち、耐久性能が良好であることを示している。また、同時に、トレッド摩耗量を測定した(摩耗試験)。トレッド摩耗量は従来例タイヤの摩耗量を100としてその逆数を指数で表し、数値が大きいほど摩耗量が少ない、すなわち、摩耗性能が良好であることを示している。
また、試作タイヤを、サイズ17.00×22.5のリムに組み込み、内圧を900kPaに調整した上で、直径25mmの丸型突起物をトレッド部に1箇所、30kNの力で押し当て、丸型突起物の最大押込量を測定した(小突起貫通試験)。押込量は従来例タイヤの押込量を100として指数で表し、数値が大きいほど押込量が少ない、すなわち、小突起貫通性能が良好であることを示している。
Figure 2009196548
表1の結果より、発明例タイヤ1〜4および比較例タイヤ2、3は、周方向ベルト層にハイエロンゲーションコードを用いたことによって、従来例タイヤに比較して耐久性能が向上したことが分かる。
また、発明例タイヤ1〜4および比較例タイヤ1〜3は、2層の傾斜ベルト層の幅を周方向ベルト層の幅より広げることによって、従来例タイヤに比較して摩耗性能が向上したことが分かる。
また、発明例タイヤ1〜4は、ベルト補強層を周方向ベルト層の径方向内側に設けることによって、小突起貫通性能が向上したことが分かる。
以上により、周方向ベルト層に埋設したコードを、初期伸びを有する伸張性のコードとしベルトの耐久性能を向上し、周方向ベルト層に対する傾斜ベルト層の幅を規定することにより摩耗性能を向上し、さらに、周方向ベルト層の径方向内側に、少なくとも1層のベルト補強層を設けることにより突起乗り越し性能を向上した空気入りタイヤを提供することができる。
(a)は本発明に従うタイヤの幅方向断面図であり、(b)、(c)はベルトの展開図である。 (a)〜(c)は本発明の空気入りタイヤの実施例である。 (a)〜(d)は従来例タイヤおよび比較例タイヤである。
符号の説明
1 カーカス
2a、2b、2c、2d 周方向ベルト層
3a、3b 傾斜ベルト層
4 ベルト
5 トレッド
6、11 コード
10 ベルト補強層
CL タイヤ赤道

Claims (7)

  1. 一対のビード部間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部の径方向外側に、タイヤの赤道面に沿って延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも1層の周方向ベルト層と、タイヤの赤道面に対して傾斜した向きに延びるコードの多数本をゴムで被覆した、少なくとも2層の傾斜ベルト層とを順に配置して成るベルトを有し、該ベルトの径方向外側にトレッドを配置したタイヤであって、
    前記周方向ベルト層の幅がタイヤの総幅の60%以上であり、
    少なくとも1層の傾斜ベルト層の幅が周方向ベルト層の幅よりも広く、
    前記周方向ベルト層のコードは、初期伸びを有する伸張性のコードであり、
    前記周方向ベルト層の径方向内側に、少なくとも1層のベルト補強層を有する、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記傾斜ベルト層の幅がタイヤの総幅の65%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト補強層が、前記周方向ベルト層と前記カーカスとの間に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルト補強層が、前記カーカスの径方向内側に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ベルト補強層の幅がタイヤの総幅の30%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルト補強層が、タイヤ赤道を含む領域に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記コードの引張歪み1.8%における弾性率が40GPa以上100GPa以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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