JP4309067B2 - ラジアルタイヤ用クラウン補強体 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、両側で少なくとも1つのビードワイヤに係止されたラジアルカーカス補強体を備えたタイヤであって、ラジアルカーカス補強体には少なくとも2つのいわゆるワーキングプライで形成されたクラウン補強体が重畳されており、ワーキングプライが、各プライにおいて平行でかつ一プライから他プライにかけて交差しかつタイヤの周方向に対して絶対値で大きくても45°の間の角度を形成しているワイヤまたはケーブルで形成されている構成のタイヤに関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、タイヤの最大軸線方向幅Sに対するリムから上方の高さHの比が大きくても0.80であり、ローリ、バス、トレーラ等の中積載トン数または大積載トン数の車両に装着することを意図した「重車両」用タイヤに関する。
【0003】
(背景技術)
「ハイウェイ」タイヤと呼ばれる現在の幾つかのタイヤは、全世界での道路網の整備および自動車道路網の発展により、長距離旅行時に高速で走行することを意図している。このようなタイヤが問題なく走行するのに必要なあらゆる条件によって、走行キロ数を増大できかつタイヤの摩耗を小さくできたが、タイヤより詳しくはクラウン補強体の耐久性に問題が生じている。
【0004】
耐久性の欠如は、クラウンプライの疲労抵抗、より詳しくはプライ端部間の分離に対する抵抗と、クラウン補強体の下に配置されるカーカス補強体の部分のケーブルの疲労抵抗との両者に関係し、第1の欠点は、真直路での走行であるかドリフト下での走行であるかに拘わらず、ワーキングプライの縁部の作動温度により大きな影響を受けることである。
【0005】
フランス国特許出願FR 2 728 510は第1解決法を開示しており、第1に、カーカス補強体と回転軸線に対して半径方向に最も近いクラウン補強体のワーキングプライとの間に、周方向に対して少なくとも60°の角度を形成する非伸長性金属ケーブルで形成されかつ少なくとも最短ワーキングクラウンプライの軸線方向幅に等しい軸線方向幅を有する軸線方向連続プライを配置し、第2に、2つのワーキングクラウンプライの間に、周方向に対して実質的に平行に配向された金属要素で形成されかつ少なくとも0.7S0の軸線方向幅を有する付加プライを配置することを提案している。
【0006】
ワーキングプライ間の分離およびカーカス補強ケーブルの疲労抵抗に関する問題は解決されかつ作動温度は低下されてきた。これに対し、このように構成されたタイヤには、いわゆる三角形プライが存在するか否かに拘わらず、長時間走行により、付加プライ(より詳しくは、該付加プライの縁部)のケーブルの疲労破壊が発生するようになった。
【0007】
関連する補強要素を変更すること、より詳しくは、異なる構造のケーブルまたはより大きい引張り強度をもつケーブルを選択することはいつでも可能である。
【0008】
かくして、これらの上記新しい欠点を解決することおよび本願で対象とする種類のクラウン補強体の耐久性を向上させるため、未だ公開されていないフランス国特許出願FR 97/14011は他の解決法を選択し、かつ赤道平面の両側でかつ周方向に対して実質的に平行な補強体からなる付加プライの軸線方向中間部で、或る軸線方向距離に亘って、一プライから次のプライにかけて交差する補強要素で形成された2つのワーキングクラウンプライを結合し、次に、前記2つのワーキングプライに共通な幅の少なくとも残部に亘って、前記ワーキングクラウンプライをゴム配合物の異形部材により分離することを提案している。
【0009】
プライの縁部での周方向要素の最小密度および最小破断抵抗が重視されない限り、周方向要素の疲労強度は最適なものとはならず、高コストの材料を必要とする。
【0010】
補強要素の疲労の問題に遭遇することなく、本願で対象とする種類のタイヤのクラウン補強体の耐久性を向上させるため、フランス国特許出願FR 98/06000は、前記ワーキングプライ間で半径方向に配置された付加プライの非伸長性補強要素(該要素はラジアル要素である)の配向を大きく変化させている。
【0011】
(発明の開示)
特に2つのワーキングクラウンプライが結合されている場合には、両プライ間の剪断応力は非常に大きく、このため、タイヤが疲労するとプライ間に剥離が生じる。上記欠点を解決しかつ対象とする種類のタイヤのクラウン補強体の耐久性を向上させるため、本発明は、この半径方向配向の長所を、2つのワーキングクラウンプライ間で半径方向に配置された付加プライの補強要素の周方向配向の長所と独創的に調和させることを提案する。
【0012】
本発明の第1実施形態によれば、最大軸線方向幅S0のラジアルカーカス補強体を備えたタイヤPであって、一プライから他プライにかけて交差しかつ周方向に対して10〜45°の間の角度を形成している非伸長性補強要素からなる少なくとも2つのワーキングクラウンプライで形成されたクラウン補強体を有し、前記プライが前記幅S0の少なくとも80%に等しい軸線方向幅L32、L34を備えている構成のタイヤPにおいて、最小幅のワーキングプライの幅L32(L33)より前記幅S0の少なくとも15%だけ小さい幅L33をもつ補強要素の少なくとも1つのプライで形成された付加プライが、軸線方向に3つの部分、すなわち実質的に半径方向の非伸長性金属補強要素で形成されかつ幅S0の少なくとも45%に等しい軸線方向幅L'33をもつプライで形成された中央部分と、ストリップの形態をなす2つの側方部分とからなり、各ストリップは周方向の弾性金属要素で形成され、側方ストリップの単位幅当りの引張り弾性係数は、大きくても、同じ条件で測定した最も伸長性の大きいワーキングプライの引張り弾性係数に等しく、各ストリップの幅L"33は大きくても幅S0の10%であることを特徴とするタイヤが提供される。
【0013】
「非伸長性要素」とは、破断荷重の10%に等しい引張り力を受けたときに0.2%より小さい相対伸びが生じる要素、ケーブルまたはモノフィラメントを意味すると理解すべきである。本願で対象とするタイヤの場合には、非伸長性補強要素は、スチールで作られた非伸長性金属ケーブルが好ましい。
【0014】
周方向に対して実質的に平行に配向された金属要素は、周方向に対して約0°±2.5°の範囲内の角度を形成する。
【0015】
実質的に半径方向の補強要素、コードまたはケーブルは、子午線方向に対して約0°±5°の範囲内の角度を形成する。
【0016】
金属補強要素は、これらが破断荷重の10%に等しい引張り力を受けたときに、2%より大きい相対伸びを生じる弾性をもつ要素をいう。金属補強要素の引張り応力対相対伸び曲線は、伸びが小さいときには勾配が小さく、伸びが大きくなると実質的に一定の大きい勾配を有し、購買の変化は、0.2〜0.8%の間の相対伸びの範囲内で生じる。このため、前記要素は「バイモジュラ(bimodular)」要素と呼ぶことができる。
【0017】
単位幅当りのプライの引張り弾性係数Eは補強要素の方向に生じる引張り応力σから得られ、相対伸びεが求められる。「大きくても、最も伸長性の大きいワーキングプライの同名称の係数に等しい付加プライの側方部分の弾性係数」とは、付加プライの前記部分の係数が、相対伸びの如何に拘わらず、大きくても、最も伸長性の大きいワーキングプライの係数に等しいことを意味するものと理解すべきである。最も伸長性の大きいプライとは、各引張り応力の値について、同応力についての他のプライの相対伸びより大きい相対伸びを有するプライである。
【0018】
好ましくは、付加プライの側方部分の弾性係数は、0〜0.5%の間の小さい相対伸びに対しては小さく、0.5%を超える相対伸びに対しては、大きくても、最も伸長性の大きなワーキングプライの最大引張り弾性係数に等しい。前記弾性係数は、所与の相対伸びεに対しては、この相対伸びεについての補強要素の接線弾性係数と、プライの金属の体積分割(volume fraction)との積にほぼ等しい。
【0019】
第2実施形態では、付加プライの側方部分は、半径方向内方のワーキングプライの周囲より非常に小さい長さ(但し、前記周囲の0.1倍より大きいことが好ましい)のセクションを形成すべく切断された周方向の非伸長性金属要素(セクション間のカットは互いに軸線方向にオフセットしている)で形成することもできる。この実施形態は、簡単な方法で、付加プライの側方部分に、(同一連続部のセクション間のギャップを選択することにより)容易に調節できる係数を付与できるが、この係数は、あらゆる場合に、同じ金属要素で形成されたプライの係数より小さい。しかしながら、連続プライでは、付加プライの係数はタイヤから取り出した切断要素からなる加硫プライについて測定される。
【0020】
最も伸長性の大きいワーキングプライの引張り弾性係数より小さい引張り弾性係数をもつ側方ストリップを得るための第3実施形態では、前記側方部分の補強要素として、周方向の波状金属要素を使用することが好ましく、波長に対する波の振幅の比a/λは大きくても0.09である。
【0021】
第2および第3実施形態では、金属要素は、好ましくはスチールケーブルである。
【0022】
好ましくは、ワーキングプライは、赤道平面の両側でかつ付加プライの直ぐ軸線方向延長部において、幅S0の少なくとも3.5%に等しい軸線方向距離1(エル)に亘って結合されており、次に、前記2つのワーキングプライに共通な幅の少なくとも残部がゴム配合物の異形部材により分離されている。前記結合部の存在は、該結合部に最も近接して配置された縁部の周方向ケーブルに作用する引張り応力を低減できる。
【0023】
最小幅ワーキングプライの端部のレベルで測定したワーキングプライ間の分離異形部材の厚さは少なくとも2mmに等しく、好ましくは2.5mmより大きい。
【0024】
「結合されたプライ(coupled plies)」とは、プライのそれぞれの補強要素が、大きくても1.5mmだけ半径方向に分離されている構成のプライを意味すると理解すべきである。前記ゴムの厚さは、前記補強要素のそれぞれ上下の母線間で半径方向に測定される。
【0025】
一般に、ワーキングプライは、不等長の軸線方向幅を有する。半径方向最外方のワーキングプライが半径方向最内方のワーキングプライの軸線方向幅より小さいか否かに拘わらず、クラウン補強体は、保護プライと呼ばれる少なくとも1つの付加プライにより半径方向外方を完成するのが好ましく、前記保護プライは、これに半径方向に隣接するワーキングプライの非伸長性要素により形成される角度と同方向の10〜45°の間の角度で、周方向に対して配向されたいわゆる補強要素からなる。
【0026】
保護プライ用の弾性補強要素は、前述の条件と同じ条件に適合し、かつ破断荷重の10%の引張り力を受けたときに2%より大きい相対伸びが生じる。前記要素はまた、スチールからなる金属ケーブルで形成することもできる。
【0027】
保護プライは最小幅のワーキングプライの軸線方向幅より小さい軸線方向幅を有し、両ワーキングプライ間の結合ゾーンを全体的に覆う長さを有することが好ましい。このことは、本願の対象とするタイヤのトレッドが、両ワーキングプライ間の結合ゾーン上に半径方向に配置された周方向または準周方向の軸線方向溝を有するため一層好ましい。前記保護プライはまた、最小幅のワーキングプライの軸線方向幅より大きい軸線方向幅を有し、これにより、保護プライが最小幅のワーキングプライの縁部を覆うようにする。半径方向上方のプライが最小幅のワーキングプライとして設けられている場合には、保護プライが、付加補強体の軸線方向延長部において、幅S0の少なくとも2%の軸線方向距離に亘って最大幅のワーキングクラウンプライに結合され、次に軸線方向外方に向かって、少なくとも2mmの厚さの異形部材により前記最大幅のワーキングプライから分離される。弾性補強要素で形成された保護プライは、上記場合には、第1に、2つのワーキングプライの縁部を分離する異形部材の厚さよりかなり小さい厚さをもつ異形部材により前記最小幅の縁部から分離させることができ、第2に、最大幅のクラウンプライの軸線方向幅より小さい(または大きい)軸線方向幅を有する。
【0028】
上記いずれの解決法を採用しようとも、クラウン補強体は、カーカス補強体と、該カーカス補強体に最も近接した半径方向内方のワーキングプライとの間の半径方向内方が、カーカス補強体に対して半径方向に最も近接した補強要素により形成される角度と同方向でかつ周方向に対して60°より大きい角度を形成するスチールで作られた非伸長性金属補強要素からなる三角形プライにより完成される。三角形プライは最小幅のワーキングプライより小さい軸線方向幅を有するものでもよいが、最大幅のワーキングプライ、該ワーキングプライより半径方向上方の保護プライまたは最大幅のワーキングプライ等の他のプライに結合できるのに充分な必要幅をもつものでもよい。
【0029】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の特徴および長所は、本発明の一実施形態を非制限的態様で示す図面に関連して述べる以下の説明からより良く理解されよう。
【0030】
図1において、495/45 R 22.5 Xの寸法をもつタイヤPは、0.45のH/S形状比を有する。ここで、Hは、リムに取り付けられたタイヤPの高さ、Sは、タイヤPの最大軸線方向幅である。タイヤPは、各ビードにおいて少なくとも1つのビードワイヤに係止されてアップターンを形成するラジアルカーカス補強体(1)を有し、該ラジアルカーカス補強体(1)は金属ケーブルの単一プライで形成されている。このカーカス補強体(1)はクラウン補強体(3)によりフープされすなわち取り巻かれており、該クラウン補強体(3)は、半径方向内方から外方にかけて下記の部材で形成されている。すなわち、
非伸長性の27.23フープ状金属ケーブルで形成された第1ワーキングプライ(32)。該第1ワーキングプライ(32)は、プライの全幅に亘って連続しておりかつ図示の実施形態では18°に等しい角度αで配向されている。前記プライ(32)は、ケーブル間の選択された間隔を考慮に入れて、単位幅当り5,300daN/mm2の弾性係数を有している。
【0031】
第1ワーキングプライ(32)上には付加補強体(33)が重畳されており、該付加補強体(33)は、下記中央部分(33')および両側方部分(33")からなる。すなわち、
・スチールで作られた同じ非伸長性金属ケーブルで形成されたプライからなる中央部分(33')。前記ケーブルは周方向に対して90°の角度に配向されており、中央部分(33')の軸線方向外縁部は、薄厚のゴム層によりワーキングクラウンプライ(32)から分離されている。および
・スチールで作られた連続弾性バイモジュラ金属ケーブルで形成されたプライの形態をなす両側方部分(33")。前記ケーブルは、例えば0.4%までの小さい相対伸びに対して、約5,000daN/mm2の小さい接線引張り弾性係数と、10,000daN/mm2より大きい係数とを有し、前記側方部分に、0.6%より大きい相対伸びに対して実質的に4,000daN/mm2に等しい単位幅当りの接線弾性係数を付与する。
【0032】
次に、第2ワーキングプライ(34)で形成されている。該第2ワーキングプライ(34)は、第1ワーキングプライ(32)と同じ非伸長性金属ケーブルであって、周方向に対して角度αとは反対方向の角度β(図示の実施形態では、この角度βは18°の角度αに等しいが、異なる角度にすることもできる)を形成している非伸長性ケーブルで形成されている。
【0033】
最後に、いわゆる弾性ケーブルからなる最終プライ(35)で形成されている。弾性ケーブルは、周方向に対して角度γ(図示の実施形態では角度βに等しくかつ同方向であるが、異なる角度にすることもできる)に配向されている。この最終プライは、弾性金属ケーブルで形成された保護プライである。
【0034】
第1ワーキングプライ(32)の軸線方向幅L32は、カーカス補強体(1)の中央部分の最大軸線方向幅S0の0.87倍すなわち416mmに等しく、これは、トレッドの幅L1(図示の実施形態では430mmに等しい)より実質的に小さい。第2ワーキングプライ(34)の軸線方向幅L34は、軸線方向幅S0の0.83倍すなわち400mmに等しい。付加プライ(33)の全軸線方向幅L33は320mmに等しい。前記幅は、次のように分析される。すなわち、ラジアルケーブルで形成された中央プライ(33')は240mmの幅L'33を有し、これは幅S0の50%である。波状周方向ケーブルで形成された各側方プライ(33")は40mmの軸線方向幅L"33を有し、波状ケーブルを備えたプライの幅は、波のピークからピークまで測定される。保護プライと呼ばれる最終クラウンプライ(35)は、実質的に370mmに等しい幅L35を有する。
【0035】
2つのワーキングプライ(32)、(34)は、赤道平面の両側でかつ付加プライ(33)の軸線方向延長位置で、この実施形態では15mmに等しい軸線方向幅l(エル)に亘って結合されている。第1ワーキングプライ(32)のケーブルおよび第2ワーキングプライ(34)のケーブルは、両プライの結合部の軸線方向幅l(エル)に亘って、ゴム層により互いに半径方向に分離されている。ゴム層の厚さは最小で、かつ各ワーキングプライ(32、34)を形成するフープ状金属27.23ケーブルのゴムカレンダリング層の厚さの2倍すなわち0.8mmに等しい。両ワーキングプライ(32、34)は、これらに共通の残余の幅(すなわち両側の約20mmの幅)に亘って、実質的に三角形の形状を有するゴム異形部材(4)により分離されている。異形部材(4)の厚さは、結合ゾーンの軸線方向端部から最小幅ワーキングプライの端部に向かって増大しており、該端部で4mmに達している。異形部材(4)は、最大幅ワーキングプライ(32)(この実施形態ではカーカス補強体(1)に対して半径方向に最も近接したワーキングプライ)の端部を半径方向に覆うのに充分な幅を有する。タイヤのクラウンは、両側壁(6)を介してビードに連結されたトレッド(5)により仕上げられている。赤道平面の両側でカーカス補強体(1)に対して半径方向に隣接している三角形プライはここから軸線方向外方に向かって延びており、ゴムの三角形異形部材(7)を介してカーカス補強体(1)に結合されている。
【0036】
試験された第2解決法は、付加プライ(33)の側方部分(33")の周方向補強要素に、ワーキングクラウンプライに使用されるようなスチールで作られた非伸長性金属ケーブルを使用することである。しかしながら、このケーブルは、ケーブルのセクションを形成するため切断されており、かつケーブルの周方向長さはプライの周方向長さの1/6に等しい。ここに言及している前記付加プライは、0.4%の相対伸びに対して単位幅当り3,500daN/mm2の接線引張り弾性係数を有する。
【0037】
第3解決法は、ワーキングプライで使用されるような付加プライ(33)の側方部分(33")の周方向補強要素に、スチールで作られた非伸長性金属ケーブルを使用することである。しかしながら、このケーブルは波状であり、波形のa/λ比は大きくても0.09である(ここで、aは波の振幅、λはその波長である)。前記比は、強いドリフトの下での走行の場合にケーブルの充分な伸びを可能にすると同時に、ワーキングクラウンプライ間の結合幅の近傍でのクラウン補強体の軸線方向部分の満足のいく強化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるクラウン補強体の好ましい実施形態を示す子午線方向断面図である。
Claims (11)
- 最大軸線方向幅S0のラジアルカーカス補強体を備えたタイヤであって、一プライ(32)から他プライ(34)にかけて交差しかつ周方向に対して10〜45°の間の角度を形成している非伸長性補強要素からなる少なくとも2つのワーキングクラウンプライ(32、34)で形成されたクラウン補強体(3)を有し、前記プライ(32、34)が前記幅S0の少なくとも80%に等しい軸線方向幅L32、L34を備えている構成のタイヤにおいて、最小幅のワーキングプライの幅L32(L34)より前記幅S0の少なくとも15%だけ小さい幅L33をもつ補強要素の少なくとも1つのプライで形成された付加補強体(33)が、軸線方向に3つの部分、すなわち実質的に半径方向の非伸長性補強要素で形成されかつ幅S0の少なくとも45%に等しい軸線方向幅L'33をもつプライ(33')で形成された中央部分と、ストリップ(33")の形態をなす2つの側方部分とからなり、各ストリップ(33")は周方向の弾性金属要素で形成され、側方ストリップ(33")の単位幅当りの引張り弾性係数は、大きくても、同じ条件で測定した最も伸長性の大きいワーキングプライ(32、34)の引張り弾性係数に等しく、各ストリップの幅L"33は大きくても幅S0の10%であることを特徴とするタイヤ。
- 最大軸線方向幅S0のラジアルカーカス補強体を備えたタイヤであって、一プライ(32)から他プライ(34)にかけて交差しかつ周方向に対して10〜45°の間の角度を形成している非伸長性補強要素からなる少なくとも2つのワーキングクラウンプライ(32、34)で形成されたクラウン補強体(3)を有し、前記プライ(32、34)が前記幅S0の少なくとも80%に等しい軸線方向幅L32、L34を備えている構成のタイヤにおいて、最小幅のワーキングプライの幅L32(L34)より前記幅S0の少なくとも15%だけ小さい幅L33をもつ補強要素の少なくとも1つのプライで形成された付加補強体(33)が、軸線方向に3つの部分、すなわち実質的に半径方向の非伸長性補強要素で形成されかつ幅S0の少なくとも45%に等しい軸線方向幅L'33をもつプライ(33')で形成された中央部分と、ストリップ(33")の形態をなす2つの側方部分とからなり、各ストリップ(33")は、半径方向内方のワーキングプライ(32)の周方向長さより小さいが該周方向長さの0.1倍より大きい長さのセクションを形成すべく切断された周方向の弾性金属要素で形成され、セクション間のカットは互いに軸線方向にオフセットしており、側方ストリップ(33")の単位幅当りの引張り弾性係数は、同じ条件で測定した最も伸長性の大きいワーキングプライ(32、34)の引張り弾性係数より小さく、各ストリップの幅L"33は大きくても幅S0の10%であることを特徴とするタイヤ。
- 最大軸線方向幅S0のラジアルカーカス補強体を備えたタイヤであって、一プライ(32)から他プライ(34)にかけて交差しかつ周方向に対して10〜45°の間の角度を形成している非伸長性補強要素からなる少なくとも2つのワーキングクラウンプライ(32、34)で形成されたクラウン補強体(3)を有し、前記プライ(32、34)が前記幅S0の少なくとも80%に等しい軸線方向幅L32、L34を備えている構成のタイヤにおいて、最小幅のワーキングプライの幅L32(L34)より前記幅S0の少なくとも15%だけ小さい幅L33をもつ補強要素の少なくとも1つのプライで形成された付加補強体(33)が、軸線方向に3つの部分、すなわち実質的に半径方向の非伸長性補強要素で形成されかつ幅S0の少なくとも45%に等しい軸線方向幅L'33をもつプライ(33')で形成された中央部分と、ストリップ(33")の形態をなす2つの側方部分とからなり、各ストリップ(33")は周方向の非伸長性波状金属弾性要素で形成され、波の波長λに対する振幅aの比a/λは大きくても0.09であり、側方ストリップ(33")の単位幅当りの引張り弾性係数は、同じ条件で測定した最も伸長性の大きいワーキングプライ(32、34)の引張り弾性係数より小さく、各ストリップの幅L"33は大きくても幅S0の10%であることを特徴とするタイヤ。
- 前記付加プライ(33)の側方部分(33")の弾性金属補強要素の、相対伸びεと引張り応力σとの関係を示す曲線は、小さい伸びに対しては小さい勾配を有しかつ大きい伸びに対しては実質的に一定の大きい勾配を有し、勾配の変化は0.2〜0.8%の間の相対伸びの範囲内で生じることを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
- 前記付加プライ(33)の各側方部分(33")の引っ張り弾性係数は、0〜0.4%の間の相対伸びに対しては小さく、0.4%を超える相対伸びに対しては、大きくても、最も伸長性の大きいワーキングプライ(32、34)の最大引張り弾性係数に等しいことを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
- 前記プライ(32、34、33')の非伸長性補強要素は、好ましくは、スチールで作られた金属ケーブルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のタイヤ。
- 前記ワーキングプライ(32、34)は、赤道平面の両側でかつ付加プライ(33)の直ぐ軸線方向延長部において、幅S0の少なくとも3.5%に等しい軸線方向距離1(エル)に亘って結合されており、次に、前記2つのワーキングプライ(32、34)に共通な幅の少なくとも残部がゴム配合物の異形部材により分離されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のタイヤ。
- 前記クラウン補強体(3)は、保護プライと呼ばれる少なくとも1つの付加プライ(35)により半径方向外面が完成されており、付加プライ(35)は、これに半径方向に隣接するワーキングプライ(32、34)の非伸長性要素により形成される角度と同方向に、周方向に対して10〜45°の角度で配向されたいわゆる弾性補強要素からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のタイヤ。
- 前記保護プライ(単一または複数)(35)の弾性補強要素はスチールで作られた金属ケーブルであることを特徴とする請求項8記載のタイヤ。
- 前記保護プライ(35)は最小幅をもつ半径方向上方のワーキングプライ(34)の軸線方向幅より大きい軸線方向幅L35を有し、これにより、保護プライ(35)は前記最小幅のワーキングプライ(34)の縁部を覆い、かつ付加補強体(33)の軸線方向延長部において、前記幅S0の少なくとも2%の軸線方向距離に亘って最大幅のワーキングクラウンプライ(32)に結合され、次に軸線方向外方に向かって、少なくとも2mmの厚さの異形部材により前記最大幅のワーキングプライ(32)から分離されていることを特徴とする請求項8記載のタイヤ。
- 前記クラウン補強体(3)は、カーカス補強体(1)と、該カーカス補強体(1)に最も近接する半径方向内方のワーキングプライ(32)との間の半径方向内方が、ワーキングプライ(32)の補強要素により形成される角度と同方向でかつ周方向に対して60°より大きい角度を形成するスチールで作られた非伸長性金属補強要素からなる三角形プライにより完成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のタイヤ。
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