JPH05278411A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JPH05278411A
JPH05278411A JP4077312A JP7731292A JPH05278411A JP H05278411 A JPH05278411 A JP H05278411A JP 4077312 A JP4077312 A JP 4077312A JP 7731292 A JP7731292 A JP 7731292A JP H05278411 A JPH05278411 A JP H05278411A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤの補強層の端部にてゴム中に補強素
子、特に簡素化された補強素子の末端に面して発生する
微細な亀裂の、その後の成長進展に由来する、補強層耐
久性の劣化に対して有効適切な解決を与える。 【構成】 簡素化コードまたはモノフィラメントによる
補強素子3を並行配列させたゴム引き層として、タイヤ
の補強に供した補強層をそなえる空気入りタイヤであっ
て、該補強層は、その層内を占める個々に独立した上記
補強素子3を数本以内の束毎に区分し、その束4とこれ
に隣接する補強素子3との分散間隔を広げた補強素子の
配列になり、さらに各束4は、その補強層の厚み方向
に、補強素子3を少なくとも2段に重ねてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気入りタイヤ、特
にその補強層、すなわち、タイヤの骨格をなすカーカ
ス、トレッド補強を司るベルトまたはビード部補強材の
改良によって、耐久性の向上を図ったタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りタイヤの補強層、例えばベルト
は、タイヤの赤道に対して斜めの並行配列をなす補強素
子が通常等間隔に埋設されたゴム引き層として一般に用
いられる。従来、スチールコードによる補強素子には、
複撚りの補強素子が用いられてきたが、撚り工程が複雑
で生産性が低いため、さらにはタイヤの軽量化を促進す
るため、複撚りのものから、層撚りおよび単撚りのも
の、すなわち簡素化されたコードへ移行する傾向にあ
る。層撚り補強素子としては、特に1または2層のもの
が用いられている。
【0003】また、有機繊維においては、マルチフィラ
メントヤーンに適宜撚りを加えた片撚りコードを、さら
に撚り合わせたコードが用いられてきたが、上記と同様
の理由から、マルチフィラメントヤーンからなるコー
ド、片撚りコードおよびモノフィラメント、すなわち簡
素化されたコードが用いられてきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】補強素子の並行配列が
等間隔とされて来た従来のベルトにあっては、ベルト層
の幅端にて各補強素子の端末に面するゴムがタイヤの接
地変形の度毎につつかれるため、微細な亀裂を生じる。
すなわちベルト層の幅端における各補強素子の端面には
接着層がなく、この端面とゴムとは接着されていないた
め、タイヤ転動時の接地変形によって補強素子の端末が
それに面するゴムをつつくことになり、ここにゴムが剥
離し続いて微細な亀裂へ成長するのである。そして亀裂
は、やがて補強素子の隣接相互間にまたがって成長し、
その後ベルトの積層相互間にもつながって拡大する。こ
の亀裂の拡大は、タイヤの荷重負荷転動中にベルト層間
で発生する剪断歪みに助けられて急速に進み、いわゆる
ベルトセパレーションに至る亀裂進展速度は格段に速く
なり、これがタイヤベルト部の耐久性を決定づける。
【0005】一方、補強素子の並行配列が等間隔とされ
て来た従来のカーカスプライにあっては、特にカーカス
折返し部の終端にて各補強素子の端末に面するゴムがタ
イヤの接地変形の度毎につつかれるため、はじめに微細
なクラックを生じ、やがて補強素子の隣接相互間にまた
がって成長し、その後はサイドウォール部やスティフナ
ーへ向かって進展して急速に拡大し、これがタイヤビー
ド部の耐久性を決定づける、一つの要因である。
【0006】さらに、補強素子の並行配列が等間隔とさ
れて来た従来のビード部補強層にあっては、その補強素
子のタイヤ軸方向外側での端末、およびビード部補強層
がビードコア付近からさらにタイヤの内方に延ばされて
いる場合は、補強素子のタイヤ軸方向内側での端末にお
いて、各補強素子の端末に面するゴムがタイヤの接地変
形の度毎につつかれるため、はじめに微細なクラックを
生じ、やがて補強素子の隣接相互間にまたがって成長
し、その後は隣接するビード部補強層間でつながるか、
さらにはカーカスプライやタイヤの外側へ向かって進展
して急速に拡大し、これがタイヤビード部の耐久性を決
定づける、別の要因となる。
【0007】ここに上記した補強素子の隣接相互間にま
たがる過程でのクラックの成長を抑えることが重要で、
そのためには補強素子の隣接相互間の間隔の広い方がも
ちろん有利である。ところで、補強素子の生産性および
タイヤの軽量化の要請から適用される、スチール製補強
素子からなる簡素化補強素子にあっては、該補強素子の
断面積が在来の複撚り補強素子に比較して小さいから、
補強層(ベルト、カーカスプライ、ビード部補強層)に
おける強力または剛性を保持するために、当然乍ら補強
素子の打ち込みを多くする外はなく、補強素子の間隔は
却って狭くなり亀裂の成長抑制とは相容れないところで
ある。
【0008】また、有機繊維からなる簡素化補強素子に
あっては、該補強素子の断面積が在来の片撚りコードを
撚り合わせたものに比較して小さいから、補強層(ベル
ト、カーカスプライ、ビード部補強層)における強力ま
たは剛性を保持するために、当然乍ら補強素子の打ち込
みを多くする外はなく、この場合も、補強素子の間隔は
却って狭くなり亀裂の成長抑制とは相容れないところで
ある。
【0009】そこで補強層の端部にてゴム中に補強素
子、特に簡素化された補強素子の末端に面して発生する
微細な亀裂の、その後の成長進展に由来する、補強層耐
久性の劣化に対して有効適切な解決を与えることが、こ
の種の補強層に課される問題であり、この課題に対して
有利に適合し得るように改良した補強層をそなえる空気
入りタイヤを与えることが、この発明の目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、次に要約
する構成により的確に成就される。簡素化コードまたは
モノフィラメントによる補強素子を並行配列させたゴム
引き層として、タイヤの補強に供した補強層をそなえる
空気入りタイヤであって、該補強層は、その層内を占め
る個々に独立した上記補強素子を数本以内の束毎に区分
し、その束とこれに隣接する補強素子との分散間隔を広
げた補強素子の配列になり、さらに各束は、その補強層
の厚み方向に、補強素子を少なくとも2段に重ねてなる
ことを特徴とする、空気入りラジアルタイヤ。なお、補
強素子に用いる簡素化コードには、スチール製の場合は
単撚りおよび層撚りのコードが適合し、また有機繊維に
おいては、マルチフィラメントヤーンからなるコード、
片撚りコードまたはモノフィラメントが適合する。
【0011】ここに、束が同一本数の補強素子よりなる
こと、そして束が異なる本数の補強素子よりなること、
束内にて隣り合う少なくとも一部の補強素子が、互いに
接触する配列になること、そして束内にて隣り合う補強
素子の離間間隔が束の分散間隔よりも狭い配列になるこ
との各場合が含まれる。
【0012】ここで、ベルト、カーカスプライおよびビ
ード部補強層に必要とされる補強素子の総本数の如何に
よって束の区分上の剰余を生じることがあり得るので、
束の区分からはみ出した補強素子については、タイヤの
全周にわたってほぼ均整になるような分散配置とするを
可とする。
【0013】この発明では、補強層に供する補強素子の
ゴム引き層を用意するため、特に櫛歯形ロールを改良し
たカレンダがけロールによってトリートをまずつくる。
この櫛歯形ロールは、補強素子を数本毎、例えば2本宛
の束の区分を想定した場合、補強素子径の1〜1.3 倍程
度の溝幅を有する周溝をもち、カレンダがけロールによ
りゴムシートと合体するように役立てる。
【0014】櫛歯形ロールは、補強素子の上記配列のた
めの複数の周溝を有し、この周溝は区分束の隣接相互間
をへだてるためのカラー状櫛歯によって区画する。なお
周溝は、束を構成する補強素子の段数に対応する溝深さ
と、束を構成する、並置配列方向の補強素子の数に対応
する溝幅を有する。さらに、周溝の底部は、必ずしも平
らである必要はなく、段付きでも構わない。またカレン
ダーロール通過に際して補強素子がゴムにより押しつぶ
されて、トリートの幅方向に並列させないために、補強
素子に所定の張力を付与してカレンダがけするとよい。
さらに束内の補強素子を2段以上に重ねるために、櫛歯
形ロールの溝深さを適宜調節して、重なる段数を調整す
る。
【0015】このようにしてつくられるトリートは、こ
れを、例えばベルト補強に用いるとき、補強素子のタイ
ヤの赤道に対する必要な傾斜に応じてトリート幅を斜め
裁ちし、ついでトリートの幅端の耳同士を再接合したゴ
ムストリップとし、ライナーとともに原反コイルに巻き
とって、タイヤの造成工程に供される。また、カーカス
プライおよびビード部補強層において、補強素子をタイ
ヤの赤道に対して傾斜させる場合は、その必要な傾斜に
応じてプライ幅を斜め裁ちし、ついでプライの幅端の耳
同士を再接合したゴムストリップとし、ライナーととも
に原反コイルに巻きとって、タイヤの造成工程に供され
る。
【0016】
【作用】タイヤのベルトの幅端におけるゴム破壊の過程
は、既に述べたように、補強素子の端末に生じた微細な
亀裂が補強素子の表面に沿って進む初期段階はともかく
として、従来の技術に従い等間隔で補強素子が並行配列
された場合にいち早く補強素子の隣接相互間にまたがっ
て成長し始めるや即座に、補強層に沿って、またはその
積層相互間につながって急拡大し、セパレーションに進
展する不利があった。これに対しこの発明にあっては、
束と束又は束に属しない補強素子が混在するときはその
補強素子と束との分散間隔が、従前の等間隔配列の場合
に比しはるかに広がるため、この分散間隔を隔てて隣接
する補強素子間での亀裂成長に到らずに、従ってその後
にセパレーションに急進展するような、亀裂拡大は有効
に抑制される。
【0017】また、カーカスプライの終端およびビード
部補強層の端末におけるゴム破壊の過程は、同様に、補
強素子の端末に生じた微細な亀裂が補強素子の表面に沿
って進む初期段階はともかくとして、従来の技術に従い
等間隔で補強素子が並行配列された場合にいち早く補強
素子の隣接相互間にまたがって成長し始め、カーカスプ
ライでは、即座にタイヤ外皮に向かって、あるいはそれ
と逆方向に急拡大し、一方ビード部補強層では、該補強
層の積層相互間で、またはカーカスプライとつながって
急拡大する不利があった。これに対しこの発明にあって
は、束と束又は束に属しない補強素子が混在するときは
その補強素子と束との分散間隔が、従前の等間隔配列の
場合に比しはるかに広がるため、この分散間隔を隔てて
隣接する補強素子間での亀裂成長に到らずに、従ってそ
の後にセパレーションに急進展するような、亀裂拡大は
有効に抑制される。なお、上述のように、カーカスプラ
イの場合には、クラックの発生は主にカーカスプライの
終端である巻返し端部からであるので、少なくともこの
部分の補強素子を束にすればよい。
【0018】この亀裂拡大の抑制は、スチール製の補強
素子の場合においては、簡素化コードを用いて、その打
込み本数が複撚りコードでの場合より増加する場合に、
特に有利であり、タイヤの耐久性を低下することなし
に、簡素化コードを適用し得る。また、有機繊維の補強
素子の場合も、簡素化コードを用いて、その打込み本数
が片撚りコードを撚り合わせたコードを用いた場合より
も増加するときに、特に有利である。
【0019】なお束の分散間隔はゴム引き層の全域にわ
たって一定である必要はなく、ベルト、カーカスプライ
およびビード部補強層の基本性能を阻害しない限り、そ
の間隔が変化してもよい。
【0020】ここで、ベルト、カーカスプライおよびビ
ード部補強層の補強素子の総本数のうちごく一部の補強
素子のみを束として、タイヤの全周に渡ってほぼ均整に
なる様な分散配置としても、束とこれに隣接する補強素
子との間隔が従来の技術に従い等間隔配列とした場合の
補強素子の間隔に比べて広がることから、ベルトセパレ
ーションに急進展するベルトの積層相互間への亀裂の拡
大は抑制される。しかしながらその効果は著しいものと
は言えない場合もあるから束の区分に関しては全周の少
なくとも半数以上の補強素子を対象とし、その効果を著
しいものとする。
【0021】さらに束内の補強素子本数を数本以内とす
るのは、この本数が多い程分散間隔は広くできて有利で
はあるが、束内の補強素子端末の未接着部分が連なって
大きくなり、束内に起きる亀裂進展の不利を伴うことか
らせいぜい数本の束にすることが必要である。
【0022】
【実施例】 実施例1 図1に断面を示したサイズ235/75 SR15 の乗用車用ラジ
アルタイヤ1のトレッド補強用ベルト2として、従来例
における補強素子の等間隔配列による場合と、この発明
に関して上記したトリートを用いた場合における補強素
子の種々の配列を、対比して図2にてトレッド補強用ベ
ルト2の補強素子の軸方向に直交する断面で図解し、3
は補強素子、4はその束である。
【0023】トレッド補強用ベルト2は、図2の上段
(a) に示した、片撚りコードを2本撚り合わせたコード
を間隔Sa で等間隔配列した従来例と、この従来例より
も小径の補強素子(片撚りコード)を用いて打込み本数
を増加した、同図(b) に示した比較例とで、ゴム引き層
中における補強素子3の配列が等間隔Sb である比較例
に対し、同じく下段(c) でこの発明の事例を示すよう
に、補強素子3の2本毎の区分束4として、比較例の補
強素子の等間隔配置に比しより広い離間間隔Sc に配列
されている。さらにこの発明の事例では、各束4を構成
する補強素子3を、ベルトの厚み方向に重なる2段配置
とした。
【0024】上記したところに従って試作した、次の表
1に示す各供試タイヤを内圧2.5 kgf/cm2 、荷重920 k
g、スリップアングル±1°(10秒間のアングル付与を1
0秒間隔で実施)の条件下で、ドラム試験機にかけ速度9
0km/hで6万km走行させたのちに解剖して、ベルト2の
幅端近くに生じた亀裂長さを測定した結果を表1に併記
する。
【0025】
【表1】
【0026】なおベルト2はこの例で2枚積層になり、
各層の補強素子はタイヤ赤道に対して、トレッド側から
左24°および右24°で互いに交差しており、トレッド側
の層の方が、カーカス側の層よりやや巾が狭くなってい
る。
【0027】上記したベルト幅端近くに生じた亀裂はト
レッド側から2枚めの層にのみ発生しており、従ってそ
の測定結果もその層のみについてである。この事実にも
とづけば、本発明のゴム引き層をかかるトレッド側から
2枚めの層にのみ用いることはもちろん可である。
【0028】実施例2 図3にビード部の断面を示したサイズ235/75 SR15 の乗
用車用タイヤのカーカスプライ5として、従来例(片撚
りコードを2本撚り合わせたコード)と、この従来例よ
りも小径の補強素子を用いて打込み本数を増加した比較
例(片撚りコード)とにおける補強素子の等間隔配列に
よる場合と、この発明に関して上記したトリートを用い
た場合における補強素子の配列を対比して、図4にてカ
ーカスプライ5の補強素子の軸方向に直交する断面で図
解した。
【0029】そして、図4に従って試作した、次の表2
に示す各供試タイヤを、内圧2.0 kgf/cm2 、荷重1000kg
の条件下で、ドラム試験機にかけ速度90km/hで6万km走
行させたのちに解剖して、カーカスプライ5の折返し端
近くに生じた亀裂長さを測定した結果を表2に併記す
る。なおカーカスプライ5の補強素子は、タイヤ赤道に
対して、実質直交する配向とした。
【0030】
【表2】
【0031】実施例3 図5に断面を示したサイズ10.00 R20 のトラック・バス
用ラジアルタイヤのトレッド補強用ベルト2として、従
来例(複撚りコードを間隔Sa で等間隔配列)と、この
従来例よりも小径の補強素子を用いて打込み本数を増加
した比較例(単撚りコード)とにおける補強素子の等間
隔配列による場合と、この発明に関して上記したトリー
トを用いた場合における補強素子の配列を対比して、図
6および7にてベルト2の補強素子の軸方向に直交する
断面で図解した。
【0032】そして、図6および7に従って試作した、
次の表3に示す各供試タイヤを、内圧8.0 kgf/cm2 、荷
重3000kg、スリップアングル±2°(30秒間のアングル
付与を30秒間隔で実施)の条件下で、ドラム試験機にか
け速度60km/hで8万km走行させたのちに解剖して、ベル
ト2の幅端近くに生じた亀裂長さを測定した結果を表3
に併記する。
【0033】
【表3】
【0034】なおベルト2はこの例で4枚積層になり、
各層の補強素子はタイヤ赤道に対して、トレッド側から
順に、左18°、左18°、右18°および右52°で傾斜して
いる。そして上記したベルト幅端近くに生じたき裂は、
トレッド側から2枚目の層にのみ発生しており、従って
その測定結果もトレッド側から2枚目の層のみについて
である。この事実に基づけば、この発明のゴム引き層を
トレッド側から2枚目のベルトにのみ適用することもも
ちろん可とするものである。
【0035】実施例4 図8(a) にビード部の断面を示したサイズ11R22.5 のト
ラック・バス用タイヤのカーカスプライ5として、従来
例(複撚りコード)と、この従来例よりも小径の補強素
子(単撚りコード)を用いて打込み本数を増加した比較
例とにおける補強素子の等間隔配列による場合と、この
発明に関して上記したトリートを用いた場合における補
強素子の配列を対比して、図9にてカーカスプライ5の
補強素子の軸方向に直交する断面で図解した。
【0036】そして、図9に従って試作した、次の表4
に示す各供試タイヤを、内圧7.7 kgf/cm2 、荷重2700kg
の条件下で、ドラム試験機にかけ速度60km/hで8万km走
行させたのちに解剖して、カーカスプライ5の折返し端
近くに生じた亀裂長さを測定した結果を表4に併記す
る。なおカーカスプライ5の補強素子は、タイヤ赤道に
対して実質直交する配向とした。
【0037】
【表4】
【0038】実施例5 図8(b) にビード部の断面を示したサイズ11R22.5 のト
ラック・バス用タイヤのビード部補強材6として、在来
例(複撚りコード)と、この在来例よりも小径の補強素
子(単撚りコード)を用いて打込み本数を増加した比較
例とにおける補強素子の等間隔配列による場合と、この
発明に関して上記したトリートを用いた場合における補
強素子の配列を対比して、図10にてビード部補強材6の
折返し端からタイヤ径方向内側へ数mmを隔てる位置にお
ける、タイヤ回転軸を中心とする円周の接線に沿う断面
で図解した。
【0039】そして、図10に従って試作した、次の表5
に示す各供試タイヤを、内圧8.0 kgf/cm2 、荷重2500kg
の条件下で、ドラム試験機にかけ速度60km/hで10万km走
行させたのちに解剖して、ビード部補強材6の折返し端
近くに生じた亀裂長さを測定した結果を表5に併記す
る。なおビード部補強材6の補強素子は、規定フランジ
高さにおける、タイヤ回転軸を中心とする円周と補強素
子との交点を仮想して、この交点における上記円周の接
線に対する補強素子の挟角が30°となる配置とした。ち
なみに、この傾斜角は、ビード部補強材6の補強素子に
あっては、10〜90°の範囲にあることが好ましい。
【0040】
【表5】
【0041】なお、補強素子の他の配置例を図11(a) お
よび(b) に示すように、各補強素子の配置は自由に選択
でき、さらに束内の補強素子の配置は、上記実施例1〜
5に限定されるものでなく、例えば図12(a) 〜(c) に示
されるような、3段以上の重なりで配置してもよい。
【0042】
【発明の効果】この発明により、空気入りタイヤの補強
層の弱点とされて来たゴム引き層の端部でのセパレーシ
ョンの原因である、補強素子の末端付近における亀裂の
成長進展を有効に阻むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用車用の供試タイヤの断面図である。
【図2】補強素子の配列を示す模式図である。
【図3】乗用車用の供試タイヤの断面図である。
【図4】補強素子の配列を示す模式図である。
【図5】トラック・バス用の供試タイヤの断面図であ
る。
【図6】補強素子の配列を示す模式図である。
【図7】補強素子の配列を示す模式図である。
【図8】トラック・バス用の供試タイヤの断面図であ
る。
【図9】補強素子の配列を示す模式図である。
【図10】補強素子の配列を示す模式図である。
【図11】補強素子の配列を示す模式図である。
【図12】補強素子の配列を示す模式図である。
【符号の説明】 1 タイヤ 2 トレッド補強用ベルト 3 補強素子 4 束 5 カーカスプライ 6 ビード部補強材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 簡素化コードまたはモノフィラメントに
    よる補強素子を並行配列させたゴム引き層として、タイ
    ヤの補強に供した補強層をそなえる空気入りタイヤであ
    って、該補強層は、その層内を占める個々に独立した上
    記補強素子を数本以内の束毎に区分し、その束とこれに
    隣接する補強素子との分散間隔を広げた補強素子の配列
    になり、さらに各束は、その補強層の厚み方向に、補強
    素子を少なくとも2段に重ねてなることを特徴とする、
    空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 束が同一本数の補強素子よりなる請求項
    1に記載のタイヤ。
  3. 【請求項3】 束が異なる本数の補強素子よりなる請求
    項1に記載のタイヤ。
  4. 【請求項4】 束内にて隣り合う少なくとも一部の補強
    素子が、互いに接触する配列になる請求項1,2または
    3に記載のタイヤ。
  5. 【請求項5】 束内にて隣り合う補強素子の離間間隔が
    束の分散間隔よりも狭い配列になる請求項4に記載のタ
    イヤ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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