JP2002349449A - 可変目標値の調節装置を備える可変容積形ベーンポンプ - Google Patents

可変目標値の調節装置を備える可変容積形ベーンポンプ

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JP2002349449A JP2001378160A JP2001378160A JP2002349449A JP 2002349449 A JP2002349449 A JP 2002349449A JP 2001378160 A JP2001378160 A JP 2001378160A JP 2001378160 A JP2001378160 A JP 2001378160A JP 2002349449 A JP2002349449 A JP 2002349449A
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Douglas G Hunter
ダグラス・ジー・ハンター
Albin Niemiec
アルビン・ニーミック
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】動力の使用が最小状態で満足させることができ
るようにポンプの吐出し状態の制御を向上させること。 【解決手段】本発明の可変容積形ポンプ10は、ポンプ
の効率的で且つ静粛な作動を保証すると共に、ポンプの
プライミングを容易にし得るようそのベーンを半径方向
に配置するとき流体静圧力及び機械的助力の双方を利用
することができる。また、本発明のベーンポンプ10
は、その封入リング又は偏心リング20の位置を制御
し、従ってポンプの出力を調節するため流体静圧力アク
チュエータ及び機械的アクチュエータの双方を利用する
こともできる。本発明の更に別の特徴によれば、入口流
れの狭小化すなわちキャビテーションを防止するため、
ポンプ出口18すなわち排出流れの一部がポンプ入口1
6内に吹き出されてポンプ入口16内への流体の流れに
対し必要な速度及びエネルギを提供することを許容する
弁150を設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全体として、流体
ポンプ、より具体的には、可変容積形ベーンポンプに関
する。
【0002】
【従来の技術】液圧動力伝動アセンブリ及び流体分配装
置は、ベーン型ポンプを利用することができる。かかる
ポンプは、典型的に、ロータと、ロータにより回転可能
に支持され且つロータに形成されたスロット内にてロー
タに対し摺動可能である、周方向に隔てた複数のベーン
とを備えている。ロータ及びベーンは、ロータ及びベー
ンの軸線に対して偏心状態に取り付けられた封入リング
又は偏心リングの内部輪郭と協働して封入リング又は偏
心リングと、ロータ及びベーンとの間に流体チャンバを
形成する。封入リング又は偏心リングとロータ及びベー
ンとの間の偏心状態のために、流体チャンバは、回転す
るロータと共に動くとき、容積を変化させ、入口ポート
を亙って動くとき、容積は増大し、また、出口ポートを
亙って動くとき、容積は減少する。封入リング又は偏心
リングとロータとの間の偏心度を変化させるため、封入
リング又は偏心リングは、ポンプハウジング内の固定し
た軸線上で回動させることができる。封入リング又は偏
心リングが回動すると、ポンプを使用するとき、流体チ
ャンバの容積が変化し、従って、ポンプの吐出し特性が
変化する。
【0003】ポンプハウジングにより支持された側板
は、封入リングすなわち偏心リング、ロータ及びベーン
を取り囲み、ロータ及びベーンへ且つロータ及びベーン
から流体が流れるための通路を提供する。これらの通路
は、タイミング溝及び封入リング又は偏心リングの輪郭
と共に、ポンプサイクル又は領域、すなわち充填領域す
なわち入口領域、入口から出口への前圧縮領域、変位領
域すなわち吐出し領域、及び出口から入口への減圧領域
を画定する。
【0004】現在のベーン型ポンプにおいて、封入リン
グすなわち偏心リングがピストンに又は直接封入リング
に加えられた流体圧力信号により回動され且つ方向決め
され、この圧力信号は、封入リング又は偏心リングを固
定ばねの偏倚力に抗して回動させる。換言すれば、封入
リング又は偏心リングを回動させるために単一の流体圧
力信号が使用される。従って、封入リング又は偏心リン
グの制御は、基本的に圧力逃がし型の制御にのみ限定さ
れ、この場合、封入リング又は偏心リングは、ピストン
又は封入リング又は偏心リングに十分な圧力が加わった
ときにのみばねの偏倚力に抗して回動する。ピストンに
加えられた流体圧力が封入リング又は偏心リングを固定
ばねの偏倚力に抗して動かすのに十分でないとき、封入
リング又は偏心リングの位置は、1つの制御プロフィー
ルの特徴に制限するばねによって決まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、ベーン型ポン
プが効率良く且つ静粛に作動するためには、ベーンを封
入リング又は偏心リングと連続的な接触状態に保つこと
が望ましい。一部のベーン型ポンプは、遠心力を利用し
て、ベーンと封入リング又は偏心リングとの接触状態を
保つ。これらのポンプは、ベーンと封入リング又は偏心
リングとの確実で且つ連続的な接触状態を欠如し、その
結果、好ましくない磨耗及びポンプ性能の劣化が生じる
可能性がある。ベーンと封入リング又は偏心リングとの
接触状態を改良する1つの方法は、ベーンが受け入れら
れたロータのチャンバ又はスロットに対し吐出流体の圧
力を加えることを含む。この流体圧力は、ベーンを半径
方向外方に駆動して、封入リング又は偏心リングと接触
させる。しかし、少なくとも幾つかの状態において、ベ
ーンは、ロータのスロット内に止まる傾向を有し、回転
するロータの遠心力はベーンに作用する粘性な抵抗力に
打ち勝つのに十分でない。ロータから半径方向外方に伸
びるベーンが存在しないならば、回転するロータは、流
体を多少は排出するものの、殆ど吐出せず、このため、
吐出し圧力は殆ど又は全く存在しない。従って、ベーン
スロットに伝達され且つベーンをロータから半径方向外
方に付勢しようとする吐出し圧力は殆ど又は全く存在し
ない。従って、ポンプはプライミングされない。
【0006】
【課題を解決するための手段】少なくとも一部分、一対
のパイロット圧力信号により制御され、調節した吐出し
量を有する可変容積形ベーン型流体ポンプが提供され
る。望ましくは、本発明のベーンポンプは、全ての速度
時、ポンプが内燃機関のいろいろな潤滑条件に適合し得
るようにポンプの吐出し量の調節を改良することを可能
にするようにする。勿論、ベーンポンプは、動力の伝動
及び流体の分配の用途にて利用できる。本発明の可変容
積形ベーンポンプは、ポンプの効率的で且つ静粛な作動
を保証すると共に、ポンプのプライミングを容易にすべ
く、そのベーンを半径方向に配置するとき、流体静圧力
及び機械的助力の双方を利用する。本発明のベーンポン
プは、その封入リング又は偏心リングの位置を制御し、
従って、ポンプの出力を調節するため流体静圧力アクチ
ュエータ及び機械式アクチュエータの双方を利用するこ
ともできる。本発明の更に別の特徴によれば、入口流れ
の狭小化、すなわち、キャビテーションを防止するた
め、ポンプ出口流すなわち吐出流も一部分がポンプ入口
内に吐出されて、ポンプ入口内の流体流に対し、必要と
される速度エネルギを提供することを可能にすべく弁を
設けることができる。
【0007】ポンプ出力の二重のパイロット圧力調節を
実現するため、ベーンポンプは、各々が所望に応じて、
封入リング又は偏心リングを位置決めするように作用可
能である、一対のアクチュエータを備えている。本発明
の1つの実施の形態において、アクチュエータは、各々
が圧力信号の関数としてカムを回動させるように別個の
パイロット圧力信号により作動される対向したピストン
である。別の実施の形態において、封入リング又は偏心
リングと別個のチャンバを画定するポンプハウジングと
の間にシールを設けることができ、チャンバは、封入リ
ング又は偏心リング上に直接、加わる圧力流体を受け、
該リングを位置決めし且つ流体信号と封入リング又は偏
心リングとの間にピストンが無いアクチュエータとして
機能する。何れの実施の形態においても、カムは、1つ
以上のばね等によって、その回動動作の一方又は双方の
方向に向けて偏倚させることができる。
【0008】ポンプのプライミング及び排出圧力の発生
を確実にするため、ベーンの半径方向内方にロータに隣
接して1つ以上のリングが存在し、ベーンの少なくとも
一部分がロータを超えて半径方向外方に伸び且つ連続的
に所要形状のリングと接触していることを確実にする。
好ましくは、ベーンの後側のチャンバ内にて流体静圧力
を採用し、ベーンを完全に伸長させ且つ該ベーンを封入
リング又は偏心リングと連続的な接触状態に保つことを
可能にするようにする。
【0009】従って、本発明の目的、特徴及び有利な点
の幾つかは、ポンプの吐出状態の制御を改良し、ポンプ
のプライミングを保証し、入口流の狭小化及びキャビテ
ーションを減少させ、ポンプの吐出状態を調節するため
に液圧回路内の2つ以上の箇所からの圧力信号を使用す
ることを可能にし、偏心リングが回動するとき、偏心リ
ングの所望の動作方向に対し垂直な方向への動きを最小
にし、比較的簡単な設計で且つ経済的に製造し、組み立
てることができ、耐久性があり且つ高信頼性であり、ま
た、長く且つ有用な有効寿命を有する偏心ポンプを提供
することを含む。
【0010】本発明の上記及びその他の目的、特徴及び
有利な点は、好ましい実施の形態の以下の詳細な説明、
特許請求の範囲及び添付図面から明らかになるであろ
う。
【0011】
【実施の形態の説明】図面をより詳細に参照すると、図
1乃至図3には可変容積形ベーンポンプ10が図示さ
れ、その可変容積ベーンポンプは、流体をポンプ入口1
6を通じて吸引し、流体圧力を上昇させ、圧力下の流体
をポンプ10の出口18から排出し得るように回転可能
に駆動されるロータ12及び関係したベーン14を有す
る。封入リング又は偏心リング20は、ポンプ10のハ
ウジング22により支持され且つロータ12に対して回
動されてポンプの吐出し量を変化させる。かかるポンプ
10は、エンジンの潤滑及び動力の伝動の用途を含む、
複数の流体の用途にて広く使用されている。しかし、本
発明のポンプはまた、ステアリング装置、ブレーキ装置
又は可変容積形ポンプを必要とするその他の流体装置に
て利用することも可能であることを理解すべきである。
【0012】ハウジング22は、封入リング又は偏心リ
ング20及びロータ12が受け入れられた内部チャンバ
26を画定する中央本体24を備えることが好ましい。
該ハウジング22は、チャンバ26を取り囲み得るよう
に中央本体24の平坦な両側部に一対の端板28、30
を更に備えている。中央本体24の内面34に形成され
た溝32は、封入リング又は偏心リング20とハウジン
グ22との間にて枢着ピン36を受け入れ、ハウジング
22に対する封入リング又は偏心リング20の回動動作
を許容し且つ制御し得るような構造とされている。溝3
2から隔てられ且つ好ましくは、全体として直線上の隔
たった位置にて座面38が中央本体24に設けられてい
る。座面38は、封入リング又は偏心リングの少なくと
も特定の位置にて、封入リング又は偏心リング20と係
合して、封入リング又は偏心リングの間に流体密のシー
ルを提供することができる。封入リング又は偏心リング
20及び中央本体24の一方又はその双方は、少なくと
も一部分座面を画定し、封入リング又は偏心リング20
とハウジング22との間の漏洩を減少させるエラストマ
ー的シール又はその他の型式のシール40を支持するこ
とができる。
【0013】封入リングすなわち偏心リング20は、開
口部41を有して環状であり且つハウジング22のチャ
ンバ26内に受け入れられている。封入リング又は偏心
リング20は、その外面に溝42を有しており、該溝は
一部分、枢着ピン36を受け入れて封入リング又は偏心
リング20と中央本体24との間の回動動作を許容す
る。封入リング又は偏心リング20のかかる回動動作
は、封入リング又は偏心リング20の外面が中央本体2
4の内面34と係合することで制限される。図4及び図
10に図示するように、封入リング又は偏心リング20
は、ポンプ10が最大吐出し量を有する位置たるその第
一の位置にて、反時計回り方向に回動されてハウジング
22と係合する。図3及び図10に最も良く図示するよ
うに、封入リング又は偏心リング20は、その第一の位
置からポンプ10がその最小吐出し量を有する位置た
る、第二の位置まで時計回りに回動可能である。勿論、
封入リング又は偏心リング20は、その第一の位置及び
第二の位置を含んで、その第一及び第二の位置の間の任
意の方向に作動させて所望に応じて、ポンプの吐出し量
を変化させることができる。封入リング又は偏心リング
20は、全体として円形であるが、ポンプ10の性能を
向上させ又は変更し得るように所要形状とし又は偏心状
態とすることができる内面を有する。また、封入リング
又は偏心リング20は、中央本体24の内面34と係合
し、封入リング又は偏心リング20と中央本体24との
間に流体密のシールを提供することのできるシール40
を支持し得るようにされた第二の溝44をその内面に備
えることができる。該流体密のシールは、そのシールの
両側部にてチャンバ26を実質的に2つの部分26a、
26bに分離し、分離したチャンバ部分26a、26b
の間に差圧が発生されることを可能にする。この差圧
は、封入リング又は偏心リング20をその第一の位置及
び第二の位置の間で又はその第一の位置及び第二の位置
まで回動させポンプの排出量を制御するために使用する
ことができる。
【0014】流体をポンプ10を通じて移動させるた
め、ハウジング22内には多数の回転吐出し要素群50
が設けられている。回転吐出し要素群50は、中央駆動
軸52と、駆動軸52により支持され且つ回転駆動され
るロータ12と、ロータ12と共に回転し得るようにロ
ータ12により摺動可能に支持された複数のベーン14
とを備えている。駆動軸52は、それ自体の軸線53の
周りで回転可能であるように所定の位置に固定されてい
る。ロータ12は、軸52の軸線の周りで駆動軸52と
共に回転し得るように駆動軸52に固定されている。
【0015】図示するように、ロータ12は、周方向に
隔てられ且つ軸方向及び半径方向に伸びる複数のスロッ
ト54を有する全体として円筒状部材であり、該複数の
スロットは、ロータ12の外面56に対して開放し且つ
外面56の内方にて終わっている。スロット54の各々
は別個のベーン14を摺動可能に受け入れ得るような構
造とされており、ベーンは引っ込んだ位置と伸長した位
置との間にてロータ12に対して可動である。ロータ1
2のスロット54の各々は、加圧流体を受け入れ得る構
造とされた小さいチャンバ58にて終わることが好まし
い。チャンバ58内の加圧流体は、関係したスロット5
4内でベーン14に作用して、ベーンが封入リング又は
偏心リング20の内面34と係合する迄、ベーン14を
半径方向外方に摺動させる。好ましくは、ポンプ10の
作動中、チャンバ58及びスロット54内の流体圧力は
ベーン14と封入リング又は偏心リング20の内面との
間に実質的に連続的な接触状態を保つのに十分であるよ
うにする。
【0016】本発明の1つの特徴によれば、ベーン伸長
部材60は、ベーン14の1つ以上に係合し、かかるベ
ーン14がロータ12の周縁を越えて半径方向外方に伸
びるようにすべくロータ12上に可動に配置されてい
る。このことは、ベーン14の少なくとも2つが常時、
ロータ12の周縁を越えて伸びることを保証することに
よりポンプ10のプライミングを容易にする。伸長部材
60が存在しない場合、ベーン14は、ロータ12の外
面56を越えて伸びずにその引っ込んだ位置に止まろう
とし、このため、外方に伸びるベーン14が全く存在せ
ずに、ロータ12をその後に回転させてもポンプ10を
プライミングし且つポンプの出力圧力を上昇させるのに
十分な流体は吐出されない。従って、ロータ12のチャ
ンバ58又はスロット54内で発生される流体圧力は存
在せず、このため、ベーンを外方に伸びるようにする圧
力はベーン14に全く作用せずポンプ10はプライミン
グされない。かかる状態は、例えば、自動車の低温の始
動時おけるように低温の気候時に冷えた自動車を始動さ
せるとき、移動体及び自動車の適用例にて経験されるで
あろう。
【0017】図2に図示した実施の形態において、ベー
ン伸長部材60は、ロータ12の端面に形成された環状
凹所62内に摺動可能に受け入れられたリングであり、
該リングは、ベーン14の少なくとも2つが、常時、ロ
ータ12の周縁を越えて伸びることを保証するのに十分
な直径を有する。凹所62は、外側肩部64及び内側肩
部66を提供し、これら肩部の間をリング60が摺動す
ることができる。リング60は、封入リング又は偏心リ
ング20との係合を介して半径方向内方に変位されたベ
ーン14の作用を受けたとき、凹所62内で摺動し、こ
れにより、リング60を直線上で対向したベーン14に
向けて押して該ベーンがロータ12の周縁を越えて伸び
るようにする。リング60は、ロータ12とポンプ10
のアセンブリ内のハウジング22の隣接する側板との間
に保持されている。所望であるならば、ロータの反対面
に第二のリングを設けることもできる。
【0018】望ましくは、図6及び図7に図示するよう
に、ロータ12のスロット54は、ベーン14の各々の
前面68及び後面69の上に流体膜が形成されるのを許
容する寸法とされている。この流体膜は、ロータ12が
回転するとき、ベーン14を支持する。該流体膜は、支
持面に効果的に着座する流体スロットの磨耗を防止す
る。更に、スロット54の寸法は、ベーンの傾動が存在
する程度まで、ベーンが傾動するならば、その接触領域
内でロータ12とベーン14との間の接触シールに流体
が入るのを遅くしつつ、ベーンの傾動を防止し得るよう
にすることが望ましい。接触シールはベーン14に作用
する加圧流体を保ち且つ流体が漏洩するすなわちスロッ
ト54から流れ出るのを防止する。さもなければ、ポン
プサイクル(ポンプの出口を除く略全て)のポンプ出口
圧力及びより低圧部分である、チャンバ58及びスロッ
ト54内の流体間の圧力差に起因してかかる漏洩が生ず
る可能性がある。この漏洩を防止することにより、十分
な流体静圧力はベーン14を封入リング又は偏心リング
20に向けて半径方向外方に偏倚させ、ベーン14と封
入リング又は偏心リング20との間の接触の連続性を向
上させることが保証される。
【0019】流体を吐出するため、封入リングすなわち
偏心リング20が駆動軸52及びロータ12に対して偏
心状態に取り付けられている。この偏心度は、封入リン
グすなわち偏心リング20とロータ12との間に可変隙
間すなわち空隙を形成することになる。この可変隙間
は、隣接するベーン14、ロータ12及び封入リング又
は偏心リング20の内面との間に流体圧送チャンバ70
を形成し、このチャンバは、使用時、回転されるとき、
可変容積を有する。具体的には、圧送チャンバ70の各
々は、その回転動作の一部分の間、容積を増大させ、こ
れにより、該圧送チャンバ70内でチャンバ内に流体を
吸引しようとする圧力降下を生じさせる。最大容積に達
した後、圧送チャンバ70の各々は、容積が減少し始
め、圧送チャンバが出口と整合され、流体がポンプ10
の吐出し圧力にて上記出口を通じて押し出される迄、そ
の内部の圧力を上昇させる。このように、偏心度は、圧
送チャンバ70を拡大し且つ縮小させ、このことは、ポ
ンプ10の入口を通じて流体を吸引する降下した圧力を
提供すると共に、その後、流体の圧力を上昇させ且つ流
体を圧力下にてポンプ10の出口から吐出する。
【0020】偏心度は、ポンプ10の作動特徴を決定
し、より大きい偏心度はポンプ10を通る流体の流量を
増し、また、より小さい偏心度は圧力下の流体の流量を
減少させる。いわゆる「零吐出し位置」すなわち、図3
に図示した封入リング又は偏心リング20の第二の位置
にて、開口部41は、ロータ12と実質的に同軸状に整
合され、このため、流体圧送チャンバ70はその回転の
全体に亙って実質的に一定の容積を有する。この方向に
あるとき、圧送チャンバ70は、その内部に流体を吸引
するように拡大せず、また、その内部の流体圧力を上昇
させ、ポンプ10の最小性能状態すなわち零吐出し量状
態を形成することもない。封入リング又は偏心リング2
0がその第一の位置すなわち最大変位位置にあるとき、
圧送チャンバ70は、ロータ12が回転するとき、その
最大容積と最小容積との間にてその寸法を変化させ、ポ
ンプの排出量を増大させる。
【0021】図3及び図4に図示するように、封入リン
グ又は偏心リング20の回動動作及び位置を制御するた
め、一対のピストン72、74を利用することができ、
ピストン72、74は、反対方向に作動して封入リング
又は偏心リング20をその第一の位置と第二の位置との
間にて回動させる。望ましくは、ピストン72、74の
各々は、流体回路内の2つの異なる箇所から得ることの
できる異なる流体圧力の信号−その信号の一方は調節弁
から来るものでなければならない−に応答可能である。
従って、流体回路の異なる2つの部分を使用して封入リ
ング又は偏心リング20の変位を制御し、従って、ポン
プ10の作動及び吐出し状態を制御することができる。
ピストン72、74は、加圧流体信号からピストンに作
用する力を変化させ得るように所望に応じて異なる寸法
とすることができる。更に、ピストン72、74の一方
又は双方は、封入リング又は偏心リング20の動作及び
ポンプの作動を制御するのに役立つばね又はその他の機
構により偏倚されたスプール型弁とすることができる。
1つの代替例として、封入リング又は偏心リング20と
ハウジング22との間にシール40が設けられるなら
ば、圧力流体の制御された容積はシール40の両側部に
画定されたチャンバ部分26a、26b内に直接配置す
ることができる。封入リング又は偏心リング20の動作
を制御し得るようにシール40の両側部に異なる容積及
び圧力の流体を作用させることができる。勿論、ポンプ
10を使用するとき、封入リング又は偏心リング20の
動作及び位置を制御し得るようにこれらアクチュエータ
の任意の組合わせ体を使用することができる。
【0022】望ましくは、図10に最も良く図示するよ
うに、本発明の更なる特徴によれば、封入リング又は偏
心リング20がその周りで回動する軸線76は、その第
一及び第二の位置の間にて封入リング又は偏心リング2
0の実質的に直線状の動作を提供し得るように配置され
ている。これを行うためには、封入リング又は偏心リン
グ20は、その第一及び第二の位置の間にて封入リング
又は偏心リング20の偏心方向への移動距離の1/2だ
け駆動軸の軸線53からずらした軸線76の周りで回動
させる。換言すれば、封入リング又は偏心リング20の
回動軸線76は、駆動軸の軸線53に対する、従って、
ロータ12に対する封入リング又は偏心リング20の最
大偏心度の1/2だけ駆動軸の軸線53からずらしてあ
る。封入リング又は偏心リング20の回動動作は、少な
くとも略円弧状の経路に沿って行われる。封入リング又
は偏心リング20の回動軸線76を上述のように配置す
ることにより、封入リング又は偏心リング20の動作経
路は、その第一の位置と第二の位置との間で実質的に直
線状となる。封入リング又は偏心リング20の非直線状
の動作すなわち複合動作は、ロータ12と封入リング又
は偏心リング20との間の空隙すなわち隙間に影響を与
える。ポンプ10の性能及び作動上の特徴は、この空隙
すなわち隙間によって決まる。従って、封入リング又は
偏心リング20が回動するときの該リングの非直線状の
動作は、ポンプ10の全体に亙って、重要なことは、ポ
ンプの入口16及び出口18の領域内で流体チャンバの
寸法を変化させることができる。例えば、圧送チャンバ
70は、出口18に接近するとき、その容積を僅かに増
大させ、その内部の流体の圧力を降下させ且つ排出ポー
トにおける流体の加圧程度を不十分なものとする可能性
がある。望ましくは、本発明に従って、封入リング又は
偏心リング20の回動軸線76をずらすことは、封入リ
ング又は偏心リング20の動作を生じさせ、このこと
は、かかる中心決め誤差を減少させ且つポンプの作動特
徴の制御を容易にして、ポンプの性能及び効率を向上さ
せる。また、本発明の構成は、封入リング又は偏心リン
グの開口部41の中心点が実質的に直線状の経路に沿っ
て移動する、より簡単なポンプの設計をも可能にする。
更に、ポンプ10は、空気又は流体伝播のノイズが少な
い状態で作動するものとなる。
【0023】好ましくは、封入リング又は偏心リング2
0の動作を制御するアクチュエータへの流体圧力信号の
付与を制御するため、単一の制御弁80は、2つのパイ
ロット圧力信号、及びアクチュエータへのその信号の付
与に応答する。図5に図示するように、制御弁80は、
複数の環状溝を有するスプール部分82と、スプール部
分82が受け入れられた穴84と密封係合することを可
能にする、隣接する溝間のランド部とを備えている。弁
80は、外側スリーブ88を備えるピストン部分86
と、スリーブ88により摺動可能に保持された内側ビス
トン90とを更に備えている。スプール部分82の位置
を弾性的に偏倚させるためプランジャ90とスプール部
分82との間に第一のばね92が配置されており、ま
た、プランジャ90をスリーブ88から弾性的に偏倚し
て離すため、スリーブ88とプランジャ90との間に第
二のばね94が配置されている。
【0024】図5及び図8に図示するように、弁80
は、第一の入口96を有しており、ポンプ10から吐出
された流体はこの第一の入口96を通じて、プランジャ
90が受け入れられたチャンバ98に通され、第二のば
ね94の偏倚力と反対方向に向けてプランジャ90に作
用する力を提供する。第二の入口100は、ポンプ10
から吐出された流体をスプール部分82に通す。第三の
入口102は、流体回路の第二の部分から下流の流体回
路源からの流体圧力をプランジャ90と外側スリーブ8
8との間に画定されたチャンバ104に通す。第四の入
口106は、流体回路の第二の部分をプランジャ90と
対向する位置に配置されたスプール部分82の一端10
8と連通させる。入口に加えて、弁80は、溜めすなわ
ちリザーバ112と連通する第一の出口110と、第一
のアクチュエータ74と連通する第二の出口114と、
第二のアクチュエータ72と連通する第三の出口116
とを備えている。上述したように、第一及び第二のアク
チュエータ72、74は、ポンプ10の吐出し量を変化
させ得るように封入リング又は偏心リング20の動作を
制御する。
【0025】より詳細には、プランジャ90は、第一の
ばね92の一端を受け入れ且つ保持する盲穴122を有
する円筒体120を備えている。プランジャ90の一端
における拡張ヘッド部124は、チャンバ98内に密に
摺動可能に受け入れられ、該チャンバ98は、例えば、
ポンプハウジング22に形成され、また、その方向への
プランジャ90の動きを制限し得るように外側スリーブ
88に係合する構造とされている。外側スリーブ88
は、チャンバ98内で動かないように圧力嵌めし、又は
その他の方法で固定されることが好ましい。外側スリー
ブ88は、プランジャ90の本体120を摺動可能に受
け入れる穴126と、プランジャ90に向けたスプール
部分82の動きを制限し得るように、一端に設けられた
半径方向内方伸長縁部128と、第二のばね94が受け
入れられた環状チャンバ104を画定する縮小径の他端
130とを備えている。環状チャンバ104は、また、
プランジャ90に作用する圧力下の流体を受け入れるこ
ともできる。
【0026】スプール部分82は、円筒状であり、ま
た、ポンプハウジング22のような、本体の穴84内に
受け入れられる。スプール部分82は、盲穴132を有
しており、一端134にて開放し、その他端108にて
閉じられている。スプール部分82の外側の第一の凹所
136は、盲穴132内に開放する1つ以上の通路13
8に達している。第一の凹所136は、第三の出口11
6と選択的に整合されて、第二のアクチュエータ72の
変位量を高く保ちつつ、加圧流体の制御された容積が、
第一の凹所136、相応する通路138、盲穴132、
及び溜めすなわちリザーバ112に達する第一の出口1
10を介してスプール部分82を通じて後方に吐出する
ことを許容する。このことは、第二のアクチュエータ7
2における流体の容積及び圧力を減少させることにな
る。同様に、スプール部分82は、盲穴132内に開放
する相応する通路142に達する第二の凹所140を有
しており、該第二の凹所140は、第二の出口114と
選択的に整合して、第一のアクチュエータ74における
変位量を低に保ちつつ、加圧流体の流体制御された容積
が、第二の凹所140、相応する通路142、盲穴13
2及び溜めすなわちリザーバ112への第一の出口11
0を介して弁80を通じて後方に排出することを許容す
る。
【0027】スプール部分82は、第一の凹所136と
第二の凹所140との間に配置され且つ全体として第二
の入口100と整合された第三の凹所144を更に備え
ている。第三の凹所144は、第二の入口100と第二
の出口114との間の距離よりも長く且つ第二の入口1
00と第三の出口116との間の距離よりも長い軸方向
長さを有する。従って、スプール部分82がプランジャ
部分86に向けて十分に変位されるとき、第三の凹所1
44は、第二の出口114を第二の入口100と連通さ
せて、排出圧力の流体が第二の入口100から第二の出
口114を通って流れるのを許容する。このことは、第
一のアクチュエータ74に作用する圧力及び流体の量を
増大させることになる。同様に、スプール部分82がプ
ランジャ部分86から十分に変位されたとき、第三の凹
所144は、第二の入口100を第三の出口116と連
通させ、ポンプの吐出し圧力の流体が第二の入口100
から第三の出口116を通じて流れるのを許容する。こ
のことは、第二のアクチュエータ72に作用する圧力及
び流体の量を増大させることになる。上述の説明から、
スプール部分82の変位は、第一及び第二の凹所13
6、140が第二及び第三の出口114、116とそれ
ぞれ整合されたとき、これらの凹所をそれぞれ通じて吐
出し制御チャンバの排出状態を制御することが分かる。
また、スプール部分82の変位は、第三の凹所144が
第二及び第三の出口114、116とそれぞれ整合され
たとき、第三の凹所144を通してパイロット圧力信号
を加え、すなわち、その信号を増大させることも許容す
る。
【0028】望ましくは、スプール部分82の変位は、
少なくとも一部分、流体回路の2つの別個の部分からの
2つの別個の流体信号により制御可能であるようにす
る。図示するように、ポンプの吐出し圧力の流体はチャ
ンバ98に供給されて、その流体がプランジャ90のヘ
ッド部124に付与され且つプランジャ90をスプール
部分82に向けて変位させようとする。このことは、ス
プール部分82を変位させようとする力(第一のばね9
2を通じて伝達される力)を提供する。この力は、少な
くとも一部分、第二のばね94及び流体回路内の第二の
個所からの流体圧力信号により反作用を受け、この流体
圧力信号はスプール部分82の末端108及び外側スリ
ーブ88とプランジャ90との間のチャンバ104に付
与され、また、この圧力信号は、プランジャを外側スリ
ーブから分離させようとする方向に向けてプランジャ9
0のヘッド部124に作用する。スプール部分82の動
作は、所望に応じて適当なばね92、94、流体圧力信
号及び/又は圧力信号が作用するプランジャヘッド12
4及びスプール部分の端部108の相対的な表面積によ
り制御することができる。望ましくは、弁80の較正を
容易にし得るように、第二のばね94は、第一のばね9
2の最初の圧縮状態すなわち休止圧縮状態を制御し、該
ばねがスプール部分82及びプランジャ90に付与する
力を制御し得るように選ぶようにする。
【0029】ばね92、94により及びプランジャ90
及びスプール部分82に作用する流体圧力信号により提
供されるこれらのいろいろな力に応答して、スプール部
分82は所望の凹所を所望の入口又は出口ポートと整合
させ得るように移動して、第一及び第二のアクチュエー
タ72、74へ及び第一及び第二のアクチュエータから
の流体の流れを制御する。より具体的には、図5に図示
するように、スプール部分82が下方に駆動されたと
き、第三の凹所144は第二の入口100と第三の出口
116との間の空隙を架橋し、ポンプ10から吐出され
た加圧流体が第二のアクチュエータ72に提供されるよ
うにする。このスプール部分82の動作は、また、第二
の凹所140を第二の出口114と整合させ、第一のア
クチュエータ74における流体量及び圧力を溜めすなわ
ちリザーバ112に排出するようにすることが好まし
い。従って、封入リング又は偏心リング20はその第一
の位置に向けて第二のアクチュエータ72により変位さ
れてポンプ10の吐出し量を増大させる。図5に図示す
るように、スプール部分82が上方に駆動されると、第
三の凹所144は第二の入口110と第二の出口114
との間の空隙を架橋してポンプ吐出し圧力の流体を第一
のアクチュエータ74に提供する。このスプール部分8
2の動作は、また、第一の凹所136を第三の出口11
6と整合させ、第二のアクチュエータ72における流体
容積及び圧力を溜めすなわちリザーバ112に排出し得
るようにすることも好ましい。従って、封入リング又は
偏心リング20はその第二の位置に向けて移動し、ポン
プ10の吐出し量を減少させる。このようにして、相対
的な制御された容積及び圧力は流体回路の2つの異なる
部分から得ることのできる2つの別個の圧力信号によっ
て制御される。図示した実施の形態において、第一の圧
力信号はポンプ10から吐出された流体であり、第二の
圧力信号は下流の流体回路源からのものである。このよ
うにして、ポンプの効率及び性能を向上させることがで
きる。
【0030】図9に最も良く図示するように、周囲圧力
がポンプ10に流体を充填するのに不十分な速度にてポ
ンプ10が作動するとき、ポンプ吐出し圧力の流体がポ
ンプ入口16に流れて戻るのを選択的に許容すべく流体
回路内に入口流れ弁150を設けることができる。この
ことは、キャビテーションを減少させ且つポンプ10の
入口16への流体の流れの何らかの狭小化を解消する。
これを実現するため、入口流れ弁150は、ポンプハウ
ジング22のような、本体の穴152内に摺動可能に受
け入れられたスプール型弁とし、該弁がポンプ出口18
から排出された流体と連通するようにする。図示するよ
うに、流体回路はポンプ10を備え、ポンプ出口18は
入口流れ弁150を保持する穴152を通る供給通路1
56を通じてエンジン潤滑回路154に達している。エ
ンジン潤滑回路154の下流にて、流体はリザーバ11
2に戻され、所望であるならば、その流体の一部分が入
口流れ弁150に達するパイロット流体通路158を通
じて供給され、入口流れ弁150にてパイロット圧力信
号を提供する。また、入口流れ弁150を偏倚させるた
めばね159を設けることもできる。流体は、リザーバ
から入口通路160を通じて燃料ポンプ10の入口16
に供給される。入口通路160は、入口流れ弁150を
保持する穴152を通ることができ、また、本体に対し
実質的に流体密のシールを提供する入口流れ弁150の
ランド部162によって供給通路156から分離されて
いる。
【0031】従って、ポンプ10から吐出された流体
は、出口管157と連通した通路156を介してランド
部162に作用し、ばね159により及びパイロット流
体通路158を通じて入口流れ弁150に付与されたパ
イロット圧力信号により抵抗を受ける方向に入口流れ弁
150を変位させようとする。ポンプ10から排出され
た流体の圧力がばねに打勝ち且つ通路158からのパイ
ロット圧力に打勝つのに十分に高圧であるとき、入口流
れ弁150は、変位されて、このため、そのランド部1
62は、入口通路160を開放するのに十分に遠方に動
き、図9に図示するように、穴152及び通路161を
通じて供給通路156と入口通路160とを連通させる
ことを許容する。このように、ポンプ10から排出され
た流体の一部分は、上述した理由のため、リザーバ11
2から供給された流体と共に、ポンプ10の入口16に
供給されて戻る。この入口16内へ吸引された加圧流体
の流れは、ポンプ入口を過給して、ポンプ10が液体を
圧送するが、空気又はガスは圧送しないことを保証す
る。このことは、キャビテーションを防止し且つポンプ
の効率及び性能を向上させることになる。
【0032】弁150及びその過給効果の目的は、圧力
エネルギを入口における速度エネルギに変換して、過給
作用を提供することである。従って、ポンプ10は、ポ
ンプの設計及び作動を容易にし、ポンプの作動パラメー
タ及び出力に対する著しく改良された制御を可能にし、
ポンプ全体の性能及び効率を向上させる多くの特徴を備
えている。望ましくは、本発明のベーンポンプは、全て
の速度時、内燃機関に対するいろいろな潤滑条件を満た
すことができるようにする。勿論、ベーンポンプは、動
力の伝動及びその他の流体の分配の用途にて利用するこ
ともできる。
【0033】最後に、本発明の好ましい実施の形態を多
少、詳細に説明したが、本発明の範囲は特許請求の範囲
によって画定される。本発明の精神及び範囲に完全に属
する本発明の改変例及び適用例は、当該技術分野の当業
者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による可変容積形偏心ベーンポンプの斜
視図である。
【図2】ポンプの内部構成要素を示すため側板を除去し
た、図1のベーンポンプの斜視図である。
【図3】その零吐出し位置にある封入リング又は偏心リ
ングを示す、図2のポンプの平面図である。
【図4】その最大吐出し位置にある封入リング又は偏心
リングを示す、図2のポンプの平面図である。
【図5】本発明の1つの特徴に従ってポンプの封入リン
グ又は偏心リングを回動させる可変目標値の二重パイロ
ット調節弁の概略図的な断面図である。
【図6】本発明によるロータの一部分及びベーンを示す
拡大部分断面図である。
【図7】ベーンがロータのそのスロット内で傾動したと
きのベーンとロータとの間のシールを示す、ロータ及び
ベーンの拡大断面図である。
【図8】三方向可変目標値の二重パイロット調節弁を完
成させることを含む、本発明の1つの実施の形態のベー
ンポンプの液圧回路の概略図である。
【図9】三方向可変目標値の二重パイロット調節弁及び
キャビテーション防止弁を含む、本発明によるベーンポ
ンプの液圧回路の概略図である。
【図10】その零吐出し位置及び最大吐出し位置にある
ベーンポンプの封入リング又は偏心リングの概略図であ
る。
【符号の説明】
10 可変容積形ベーンポンプ 12 ロータ 14 ベーン 16 ポンプ入口 18 ポンプ出口 20 封入リング又
は偏心リング 22 ポンプハウジング 24 中央本体 26 チャンバ 26a、26b チ
ャンバ部分 28、30 端板 32 溝 34 中央本体の内面 36 枢着ピン 38 座面 40 シール 41 開口部 42、44 溝 50 回転吐出し要素群 52 中央駆動軸 53 軸線 54 スロット 56 ロータの外面 58 チャンバ 60 ベーン伸長部
材/リング 62 環状凹所 64 外側肩部 66 内側肩部 68 ベーンの前面 69 ベーンの後面 70 流体圧送チャ
ンバ 72 ピストン/第二のアクチュエータ 74 ピストン/第一のアクチュエータ 76 回動軸線 80 制御弁 82 スプール部分 84 穴 86 ピストン部分 88 外側スリーブ 90 内側ピストン/プランジャ 92 第一のばね 94 第二のばね 96 第一の入口 98 チャンバ 100 第二の入口 102 第三の入口 104 環状チャン
バ 106 第四の入口 108 スプール部
分の一端 110 第一の出口 112 溜めすなわ
ちリザーバ 114 第二の出口 116 第三の出口 120 円筒体 122 盲穴 124 拡張ヘッド部 126 穴 128 半径方向内方伸長縁部 130 外側スリー
ブの他端 132 盲穴 134 スプール部
分の一端 136 第一の凹所 138 通路 140 第二の凹所 144 第三の凹所 150 入口流れ弁 152 本体の穴 154 エンジン潤滑回路 156 供給通路 157 出口管 158 パイロット
流体通路 159 ばね 160 入口通路 161 通路 162 ランド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダグラス・ジー・ハンター アメリカ合衆国ミシガン州48315,シェル ビー・タウンシップ,クロフトン・ドライ ブ 14993 (72)発明者 アルビン・ニーミック アメリカ合衆国ミシガン州48065,ロメオ, ヒップ・ロード 79700 Fターム(参考) 3H040 AA03 BB05 BB11 CC22 DD03 3H044 AA02 BB05 CC26 CC28 DD02 DD03 DD31 DD33 DD36

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容積形ベーンポンプにおいて、 チャンバを画定するハウジングであって、流体がハウジ
    ングに入るときに通るポンプ入口と、流体が圧力下にて
    ハウジングから排出されるときに通るポンプ出口とを画
    定するハウジングと、 第一の位置と第二の位置との間で動き得るようにハウジ
    ングにより回動可能に支持され且つ内面を有する1つの
    開口部を画定する封入リングすなわち偏心リングと、 内面に対して回転し得るようハウジングにより支持され
    たロータであって、該ロータの外側から内方に該ロータ
    内まで伸びる複数のスロットを有するロータと、 ロータにより支持された複数のベーンであって、各々の
    ベーンがロータのスロット内に摺動可能に受け入れられ
    た複数のベーンと、 圧力下の流体の付与に応答可能であり且つ封入リングす
    なわち偏心リングを第一の方向に回動させるように作用
    可能な第一のアクチュエータと、 圧力下の流体の付与に応答可能であり且つ封入リングす
    なわち偏心リングを第二の方向に回動させるように作用
    可能な第二のアクチュエータとを備える、可変容積形ベ
    ーンポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1のポンプにおいて、第一のアク
    チュエータが、本体により摺動可能に支持されて、第一
    の作動圧力信号に応答可能なピストンである、ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1の可変容積形ベーンポンプにお
    いて、前記第二の方向が第一の方向と反対の方向であ
    る、可変容積形ベーンポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1のポンプにおいて、第二のアク
    チュエータが、本体により摺動可能に支持されて、第二
    の作動圧力信号に応答可能なピストンである、ポンプ。
  5. 【請求項5】 請求項2のポンプにおいて、第二のアク
    チュエータが、本体により摺動可能に支持されて、第二
    の作動圧力信号に応答可能なピストンである、ポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項1のポンプにおいて、第一のアク
    チュエータが、封入リングすなわち偏心リングを前記第
    一の方向に弾性的に偏倚するばねを備える、ポンプ。
  7. 【請求項7】 請求項1のポンプにおいて、封入リング
    すなわち偏心リングとハウジングとの間にシールを更に
    備え、該ハウジングが該ハウジングと封入リングすなわ
    ち偏心リングとの間に流体チャンバを画定し、流体チャ
    ンバ内の圧力下の流体が第一のアクチュエータを画定す
    る、ポンプ。
  8. 【請求項8】 請求項7のポンプにおいて、少なくとも
    一部分が前記シールにより画定された別の流体チャンバ
    を更に備え、前記別の流体チャンバ内の圧力下の流体が
    第二のアクチュエータを画定する、ポンプ。
  9. 【請求項9】 請求項1のポンプにおいて、前記第一の
    アクチュエータに対する圧力下の前記流体の付与を制御
    し得るよう第一の流体圧力信号に応答可能であり、ま
    た、前記第二のアクチュエータに対する圧力下の前記流
    体の付与を制御し得るよう第二の流体圧力信号に応答可
    能である制御弁を更に備える、ポンプ。
  10. 【請求項10】 請求項1のポンプにおいて、封入リン
    グすなわち偏心リングがその周りを回動する枢着ピンを
    更に備え、該枢着ピンが、ロータに対する封入リングす
    なわち偏心リングの最大偏心度の約1/2だけロータの
    軸線からずらした封入リングすなわち偏心リングの回動
    軸線を画定する、ポンプ。
  11. 【請求項11】 請求項1のポンプにおいて、少なくと
    も幾つかの流体流れ状態の間にポンプの出口から吐出さ
    れた流体の一部分がポンプ入口内に流れるのを許容し得
    るように、閾値圧力以上の流体圧力信号に応答可能な入
    口流れ弁を更に備える、ポンプ。
  12. 【請求項12】 請求項11のポンプにおいて、入口流
    れ弁が、ポンプ出口から排出された流体がポンプの入口
    に流れ込むのを防止する位置に弾性的に偏倚され、ま
    た、ポンプ出口から吐出された流体がポンプ入口内に流
    れ込むのを許容する位置まで十分に高い流体圧力信号に
    より変位される、ポンプ。
  13. 【請求項13】 請求項1のポンプにおいて、ハウジン
    グにより支持され且つロータが少なくとも特定の位置に
    ある間、ベーンと係合可能であり、少なくとも2つのベ
    ーンが常時、ロータの外側から外方に伸びることを保証
    するベーンの伸長部材を更に備える、ポンプ。
  14. 【請求項14】 請求項13のポンプにおいて、ベーン
    の伸長部材が、常時、少なくとも2つのベーンに係合し
    得るようにロータにより支持されたリングである、ポン
    プ。
  15. 【請求項15】 請求項1のポンプにおいて、ロータの
    スロットが該ロータの半径方向内方に伸びる、ポンプ。
  16. 【請求項16】 請求項7のポンプにおいて、シール
    が、封入リングすなわち偏心リングとハウジングとが直
    接的に接触することにより画定される、ポンプ。
  17. 【請求項17】 請求項7のポンプにおいて、シール
    が、封入リングすなわち偏心リングにより支持される、
    ポンプ。
  18. 【請求項18】 請求項7のポンプにおいて、シールが
    ハウジングにて支持される、ポンプ。
  19. 【請求項19】 請求項12のポンプにおいて、圧力下
    の流体がロータのスロットと連通されてベーンを偏倚さ
    せ、カム面と接触させる、ポンプ。
  20. 【請求項20】 請求項13のポンプにおいて、ベーン
    の伸長部材が、前記2つのリング及び前記ベーンに作用
    してベーンを外方に伸長させる油圧力に係合するリング
    部分を更に備える、ポンプ。
  21. 【請求項21】 請求項9のポンプにおいて、特定の流
    体流れ状態下にて流体チャンバ内の流体が吐出されると
    きに通るハウジングの吐出し開口部を更に備え、制御弁
    が、前記第一及び第二のパイロット圧力の特定の流体圧
    力に応答して吐出し開口部を通じて流体チャンバからの
    流体の流れを制御する、ポンプ。
  22. 【請求項22】 請求項1のポンプにおいて、ベーン
    が、前面及び後面を有し、ロータのスロットが、該スロ
    ット内に受け入れられたベーンよりも僅かに幅が広く、
    ロータと各ベーンの前面及び後面との間に流体膜が形成
    されるようにする、ポンプ。
  23. 【請求項23】 請求項22のポンプにおいて、ベーン
    とロータとの間の流体の流れを制限し得るように該ベー
    ン及びロータ間にシールを更に備える、ポンプ。
  24. 【請求項24】 請求項23のポンプにおいて、前記シ
    ールが、ベーンとロータとの接触により形成される、ポ
    ンプ。
  25. 【請求項25】 請求項12のポンプにおいて、入口流
    れ弁がばねにより偏倚される、ポンプ。
  26. 【請求項26】 請求項25のポンプにおいて、入口流
    れ弁がパイロット圧力信号により更に偏倚される、ポン
    プ。
  27. 【請求項27】 可変容積形ベーン型式流体ポンプにお
    いて、 流体がポンプに入るときに通るポンプ入口と、流体が圧
    力下にて吐出されるときに通るポンプ出口と、ポンプ入
    口とポンプ出口との間の流体チャンバとを画定するハウ
    ジングと、 第一の位置と第二の位置との間で動き得るように流体チ
    ャンバ内でハウジングにより回動可能に支持されて、内
    面を有する内部開口部を備える封入リングすなわち偏心
    リングと、 少なくとも一部分、封入リングすなわち偏心リングの内
    部開口部内でハウジングにより支持されたロータであっ
    て、内面に対して回転し得るように駆動され、該ロータ
    の外側から半径方向に該ロータ内まで内方に伸びる複数
    のスロットを有するロータと、 ロータにより支持された複数のベーンであって、1つの
    ベーンがロータの各々のスロット内に摺動可能に受け入
    れられた複数のベーンと、 第一の流体圧力に応答可能であり且つ封入リングすなわ
    ち偏心リングをその第一の位置に向けて回動させるよう
    に作用可能な第一のアクチュエータと、 第二の流体圧力に応答可能であり且つ封入リングすなわ
    ち偏心リングをその第二の位置に向けて回動させるよう
    に作用可能な第二のアクチュエータと、 前記第一のアクチュエータに対する前記第一の流体圧力
    の付与を制御し得るよう第一のパイロット圧力に応答可
    能であり、また、前記第二のアクチュエータに対する前
    記第二の流体圧力の付与を制御し得るよう第二のパイロ
    ット圧力に応答可能である制御弁とを備える、可変容積
    形ベーン型式流体ポンプ。
  28. 【請求項28】 可変容積形ベーン型式流体ポンプにお
    いて、 流体がポンプに入るときに通るポンプ入口と、流体が圧
    力下にて排出されるときに通るポンプ出口と、ポンプ入
    口とポンプ出口との間の流体チャンバとを画定するハウ
    ジングと、 第一の位置と第二の位置との間で動き得るようにハウジ
    ングにより回動可能に支持され且つ内面を画定する封入
    リングすなわち偏心リングと、 内面に対して回転し得るよう流体チャンバ内でハウジン
    グにより支持されたロータであって、該ロータの外側か
    ら内方に該ロータ内まで伸びる複数のスロットを有する
    ロータと、 ロータにより支持された複数のベーンであって、1つの
    ベーンがロータの各々のスロット内に摺動可能に受け入
    れられた複数のベーンと、 第一の制御圧力に応答可能であり且つ封入リングすなわ
    ち偏心リングを第一の方向に回動させる作用可能な第一
    のアクチュエータと、 第二の制御圧力に応答可能であり且つ封入リングすなわ
    ち偏心リングを第二の方向に回動させる作用可能な第二
    のアクチュエータと、 前記第一のアクチュエータに対する前記第一の流体圧力
    の付与を制御し得るよう制御パイロット圧力に応答可能
    であり、また、前記第二のアクチュエータに対する前記
    第二の流体圧力の付与を制御し得るよう第二の制御圧力
    に応答可能である制御弁と、 ハウジングにより支持され且つロータが少なくとも特定
    の位置にある間、ベーンと係合可能であり、少なくとも
    1つのベーンが常時、ロータの外側から外方に伸びるこ
    とを保証するベーンの伸長部材とを更に備える、可変容
    積形ベーン型式流体ポンプ。
  29. 【請求項29】 請求項28の可変容積形ベーン型式流
    体ポンプにおいて、前記第一のアクチュエータが、前記
    封入リングの一部分と前記ハウジングの一部分との間に
    形成されたチャンバである、可変容積形ベーン型式流体
    ポンプ。
  30. 【請求項30】 可変容積形ベーン型式流体ポンプにお
    いて、 流体がポンプに入るときに通るポンプ入口と、流体が圧
    力下にて排出されるときに通るポンプ出口と、ポンプ入
    口とポンプ出口との間の流体チャンバとを画定するハウ
    ジングと、 第一の位置と第二の位置との間で動き得るように流体チ
    ャンバ内でハウジングにより回動可能に支持されて、内
    面を有する内部開口部を備える封入リングすなわち偏心
    リングと、 少なくとも一部分、封入リングすなわち偏心リングの内
    部開口部内でハウジングにより支持されたロータであっ
    て、内面に対して回転し得るように駆動され、該ロータ
    の外側から半径方向に該ロータ内まで内方に伸びる複数
    のスロットを有するロータと、 ロータにより支持された複数のベーンであって、1つの
    ベーンがロータの各々のスロット内に摺動可能に受け入
    れられた複数のベーンと、 第一の制御圧力に応答可能であり且つ封入リングすなわ
    ち偏心リングをその第一の位置に向けて回動させるよう
    に作用可能な第一のアクチュエータと、 第二の制御圧力に応答可能であり且つ封入リングすなわ
    ち偏心リングをその第二の位置に向けて回動させるよう
    に作用可能な第二のアクチュエータと、 ポンプ出力の可変の目標値を提供し得るようにエンジン
    の状態に応答可能な制御回路とを備え、エンジン内の油
    回路からの圧力が第一のアクチュエータに作用し、出口
    からの圧力が第二のアクチュエータに作用して、これら
    の状態に応答して封入リングを可変に制御するようにし
    た、可変容積形ベーン型式流体ポンプ。
  31. 【請求項31】 請求項30の可変容積形ベーン型式流
    体ポンプにおいて、前記制御回路が、制御圧力に応答し
    て前記封入リングを動かし得るように前記複数のアクチ
    ュエータの1つに作用可能に接続されたアクチュエータ
    を備える、可変容積形ベーン型式流体ポンプ。
  32. 【請求項32】 可変容積形ベーンポンプにおいて、 チャンバを画定するハウジングであって、流体がハウジ
    ングに入るときに通るポンプ入口と、流体が圧力下にて
    ハウジングから排出されるときに通るポンプ出口とを画
    定するハウジングと、 第一の位置と第二の位置との間で動き得るようにハウジ
    ングにより回動可能に支持され且つ内面を有する1つの
    開口部を画定する封入リングすなわち偏心リングと、 内面に対して回転し得るようハウジングにより支持され
    たロータであって、該ロータの外側から内方に該ロータ
    内まで伸びる複数のスロットを有するロータと、 ロータにより支持された複数のベーンであって、各々の
    ベーンがロータのスロット内に摺動可能に受け入れられ
    た複数のベーンと、 圧力下の流体の付与に応答可能であり且つ封入リングす
    なわち偏心リングを第一の方向に回動させるように作用
    可能な第一のアクチュエータと、 圧力下の流体の付与に応答可能であり且つ封入リングす
    なわち偏心リングを第二の方向に回動させるように作用
    可能な第二のアクチュエータとを備え、 前記第一及び第二のアクチュエータが、前記封入リング
    に直接作用する流体である、可変容積形ベーンポンプ。
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