JP2002328109A - 水素ガス検出素子及びその製造方法 - Google Patents

水素ガス検出素子及びその製造方法

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JP2002328109A
JP2002328109A JP2001135345A JP2001135345A JP2002328109A JP 2002328109 A JP2002328109 A JP 2002328109A JP 2001135345 A JP2001135345 A JP 2001135345A JP 2001135345 A JP2001135345 A JP 2001135345A JP 2002328109 A JP2002328109 A JP 2002328109A
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gas
hydrogen gas
sensitive film
substrate
film
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Application number
JP2001135345A
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English (en)
Inventor
Masaaki Ueki
正聡 上木
Hitoshi Yokoi
等 横井
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素ガスに対する感度が高く、且つ十分な選
択性を有し、優れた応答性を備える水素ガス検出素子及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ダイアフラム型のシリコン基板1と、S
nO2、In23等の酸化物半導体からなるガス感応膜
5と、Pt等からなる一対の櫛歯電極4と、Pd、Pt
等の貴金属からなる触媒クラスタ6と、SiO2からな
る部分被毒体7と、を備え、部分被毒体の平均厚さが2
nm以下である水素ガス検出素子を得る。また、シリコ
ン基板のガス感応膜に対応する部位は異方性エッチング
され、キャビティ11が形成されている。素子を構成す
るガス感応膜、触媒クラスタ及び部分被毒体のうちの特
にガス感応膜はスパッタリング法により形成することが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素ガス検出素子
及びその製造方法に関する。更に詳しくは、水素ガスに
対する感度が高く、且つ十分な選択性を有し、優れた応
答性を備える水素ガス検出素子及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】SnO2、In23等の酸化物半導体を
主成分とするガス感応膜を有するガスセンサは従来より
知られており、可燃性ガスを検知するガスセンサなどと
して実用化されている。そして、ガス感応膜そのもの、
或いはその表面に形成される触媒層等の種類などにより
ガス選択性を向上させる多くの方法が提案されている。
それらのうちで、水素ガスに対する選択性を向上させた
ものとして、素子形成の最終工程において熱処理する方
法が知られている。これにより、水素ガスに対する感度
が向上するとともに、それ以外のガスに対する感度が低
下し、選択性が向上する。また、ガス感応膜の表面にア
ルミナ、シリカ等の酸化物からなる水素ガス選択性を有
する薄膜を形成し、水素ガス以外のガスの影響を低減
し、感度を高めたガスセンサも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、ガス感
応膜が印刷法等により形成されることも多く、この場合
は、感度、選択性等にばらつきを生ずるという問題があ
る。更に、素子形成の最終工程において熱処理する方法
では、熱処理に相当な時間を必要とし、生産性に劣る。
また、ガス感応膜の表面に酸化物からなる薄膜を形成す
る方法では、水素ガスは、薄膜を透過した後、ガス感応
膜と接触することになるため、感度及び応答性が低下す
るという問題がある。
【0004】本発明は、上記の従来技術の問題点を解決
するものであり、水素ガスに対する感度が高く、十分な
選択性を有するとともに、応答性に優れる水素ガス検出
素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水素ガス検出素
子は、少なくとも表層が絶縁性を有する基板と、該基板
上に形成された酸化物半導体からなるガス感応膜と、該
ガス感応膜と接して形成された一対の電極と、該ガス感
応膜と接する貴金属からなる触媒クラスタと、少なくと
も該触媒クラスタと接するSiO2からなる部分被毒体
と、を備え、該部分被毒体の平均厚さが2nm以下であ
ることを特徴とする。
【0006】基板は、全体が絶縁性の材料からなるもの
であってもよく、電極等の他の部材と電気的に絶縁し得
る程度の厚さの絶縁性の表層を有するものであってもよ
い。アルミナ等のセラミック、或いはガラスなどからな
る基板であれば、その全体が絶縁性を有する基板とな
る。また、シリコン等の半導体からなる基板の表面を酸
化させた半導体基板であれば、表層が絶縁性を有する基
板となる。この半導体基板を検出素子に用いることによ
り、一般的な半導体製造技術を応用して容易に検出素子
を小型化することができ、特に好ましい。
【0007】シリコンからなる半導体基板は、シリコン
を基板形状に成形した後、熱酸化することにより、その
全表面にSiO2からなる絶縁層を生成させて形成する
ことができる。絶縁層の厚さは、5〜1000nm、特
に30〜500nmとすることができ、これによって十
分な絶縁性を有する基板とすることができる。基板の厚
さは特に限定されず、100〜1000μm、特に20
0〜800μm程度とすることができる。
【0008】ガス感応膜を形成するための酸化物半導体
としては、SnO2、In23、TiO2、ZnO、Cu
2O、NiO、FeO、WO3等を使用することができ
る。これらの酸化物半導体のうちでは、SnO2、In2
3、SnO2を主成分とする酸化物半導体、及びIn2
3を主成分とする酸化物半導体が好ましい。これらの
酸化物半導体を用いれば、感度が高く、水素ガスに対す
る選択性に優れた水素ガス検出素子とすることができ
る。尚、この「主成分」とは、酸化物半導体に85質量
%以上、特に95質量%以上のSnO2又はIn23
含有されていることを意味する。
【0009】ガス感応膜の厚さは特に限定されず、10
nm以上、特に50nm以上とすることができる。ま
た、ガス感応膜をスパッタリング法により形成する場合
は、100nm以上、特に100〜300nmと比較的
厚膜にすることもできる。このようにガス感応膜を厚膜
にすることにより素子性能のばらつきを抑えることがで
きる。
【0010】水素ガスを検出するための一対の電極の材
質、形状等は特に限定されず、この種のガス検出素子に
おける一般的な材質及び形状等とすることができる。材
質としては、Pt、Au、Ni等が挙げられ、形状は、
平行電極及び櫛歯電極等とすることができる。この一対
の電極は、ガス感応膜の基板と接する面又は反対面のい
ずれかの表面に形成することができる。また、ガス感応
膜に埋設して形成することもできるが、表面に形成する
場合に比べて工程はやや煩雑になる。この電極はスパッ
タリング法、スクリーン印刷等の印刷法などにより形成
することができ、その厚さは、通常、スパッタリング法
では10〜200nm程度、印刷法では5〜30μm程
度とすることができる。尚、ガス感応膜及び電極の厚さ
は、光学式膜厚計、表面段差計等により測定することが
できる。
【0011】触媒クラスタを形成する貴金属は、Au、
Ag、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptのいずれで
あってもよいが、水素ガスに対する選択性が大きく向上
するPd又はPtであることが好ましい。また、触媒ク
ラスタの平均厚さは0.3〜3nm、特に0.5〜2n
mであることが好ましい。触媒クラスタの平均厚さが
0.3nm未満であると、感度が経時とともに低下する
傾向があり好ましくない。一方、3nmを越えると、相
隣るクラスタが接触して素子表面に電流が流れることに
より、素子性能が低下するため好ましくない。
【0012】この触媒クラスタは、基板上に形成しても
よいし、ガス感応膜の表面に形成してもよいが、検出素
子として機能させるためには、ガス感応膜と触媒クラス
タ、及び触媒クラスタと部分被毒体は、少なくともその
一部において必ず接していなければならない。従って、
触媒クラスタを基板上に形成する場合は、触媒クラスタ
と部分被毒体とを基板上に形成した後、ガス感応膜を形
成することになる。また、触媒クラスタをガス感応膜の
表面に形成する場合は、基板上にガス感応膜を形成した
後、このガス感応膜の表面に触媒クラスタと部分被毒体
とを形成することになる。触媒クラスタと部分被毒体の
形成順序は限定されず、どちらが先であっても、ガス感
応膜と触媒クラスタ、及び触媒クラスタと部分被毒体が
接した状態で形成することができる。
【0013】触媒クラスタの表面にSiO2からなる部
分被毒体を接触させることにより、感度及び応答性を何
ら損なうことなく、水素ガスに対する選択性を向上させ
ることができる。
【0014】この部分被毒体の平均厚さは、2nm以下
であり、0.05〜2nm、特に0.1〜1.5nmで
あることが好ましい。部分被毒体の平均厚さが2nmを
越えると、又は0.05nm未満であると、部分被毒効
果が低下し、水素ガスに対する選択性を十分に向上させ
ることができない。部分被毒体は、基板上又はガス感応
膜の表面に形成された触媒クラスタと接して形成される
が、通常の製法では基板及びガス感応膜などとも接する
ことになる。この基板及びガス感応膜等と接して形成さ
れた部分被毒体は素子性能を損なうことはなく、特に除
去する必要はない。
【0015】尚、触媒クラスタは、粒子や不連続膜等の
島状構造を形成しており、部分被毒体は、同様に島状構
造を形成している場合もあり、より連続した膜であるこ
ともある。従って、それらの平均厚さとは、均一な厚さ
の連続膜であるとして換算した値である。この平均厚さ
は、膜厚算出のために形成した膜の厚さから求められた
成膜速度を基に、同じ条件で成膜した場合の検出素子に
おける成膜時間から算出することができる。膜厚算出の
ために形成した膜の厚さは、触媒クラスタについては表
面段差計、部分被毒体についてはエリプソメータにより
測定することができる。
【0016】この水素ガス検出素子では、半導体からな
り、少なくともガス感応膜に対応する部位にキャビティ
が形成されたダイアフラム型の基板を使用することが好
ましい。キャビティはエッチング等の技術を応用して容
易に形成することができる。このようにキャビティを設
けた場合は、ガス感応膜等を周囲から熱的に絶縁するこ
とができる。それにより、短時間で起動し、且つより優
れた応答性を有する検出素子とすることができる。
【0017】また、キャビティが形成された部位を含む
基板の一表面に絶縁層が設けられ、この絶縁層にガス感
応膜の活性化を促進するためのヒータが埋設された素子
とすることが好ましい。このようにヒータが取り付けら
れた場合も、周囲と熱的に絶縁されていることにより、
昇温、降温を短時間で行うことができ、ヒータの消費電
力も低減することができる。ヒータは、ガス感応膜を所
定温度まで容易に昇温させることができるものであれば
よく、Pt、Au、Ru等の貴金属からなるヒータ或い
はシリコンヒータなどを使用することができる。絶縁層
の材質も特には限定されないが、一般的には、Si酸化
膜、Si窒化膜、Si酸窒化膜、Ta25、アルミナ等
の少なくとも1種により形成することができる。
【0018】本発明の水素ガス検出素子は、ガス感応
膜、触媒クラスタ及び部分被毒体のうちの少なくともガ
ス感応膜をスパッタリング法により形成し、製造するこ
とが好ましい。ガス感応膜は、アルゴンガスと酸素ガス
との混合雰囲気等におけるスパッタリング法により形成
される。これにより、均質であり、且つ100nm以上
の膜厚であっても十分な感度を有する検出素子とするこ
とができる。このガス感応膜を真空蒸着法により形成す
る場合に、特に、金属単体を蒸着させた後、熱酸化させ
て、酸化物半導体とする方法がある。しかし、この方法
では、厚膜のガス感応膜とした場合に感度が大きく低下
する。
【0019】スパッタリング法であればガス感応膜が1
00nmを越える厚膜であっても十分な感度を有する検
出素子とすることができるのは、膜を形成するSnO2
等の粒径が小さいためであると考えられる。SnO2
の粒径は、スパッタリング法では10nm以下であり、
真空蒸着法では50〜100nmである。この粒径の相
違をガス感応膜の真上から走査型電子顕微鏡(SEM)
により観察し、撮影した倍率30000倍の写真を、図
6及び図7に比較して示す。
【0020】尚、触媒クラスタ及び部分被毒体の成膜
は、スクリーン印刷等の印刷法、真空蒸着法、スパッタ
リング法、CVD法等、この種の薄膜を形成する際の一
般的な方法により行うことができる。但し、印刷法では
均質な薄膜を形成するのは容易ではない。また、部分被
毒体は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等に
より触媒クラスタ等の表面にSiを付着させ、形成させ
たSi膜を加熱し、Siを酸化させてSiO2とするこ
とにより形成することもできる。
【0021】本発明によれば、ガス感応膜の厚さを20
〜200nmとし、400〜4000ppmの水素ガス
を含有する乾燥雰囲気において、後記の実施例における
方法により評価した感度(Ra/Rg)が約80〜40
00倍である水素ガス検出素子とすることができる。
【0022】本発明の水素ガス検出素子は、適宜の容器
等に組み込んで水素ガスセンサとすることができる。こ
のセンサは感度が高く、水素ガスに対する選択性に優れ
る。水素ガスを使用する機器において、水素ガスの漏洩
を完全に防止することは極めて困難である。また、水素
ガス自体は生体にとって無毒である。そのため、水素ガ
スセンサでは水素ガスの有無を検出する必要は特にな
く、爆発の危険性を感知することができればよい。従っ
て、現実的濃度の水素ガス以外の妨害ガスに対する出力
に比して、爆発の危険性のある濃度の水素ガスに対する
出力が十分大きければ、実用に供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の水素ガス検出素子
について実施例により更に詳しく説明する。 [1]アルミナ基板を用いた水素ガス検出素子の作製 厚さ0.6mmのアルミナ基板を洗浄し、乾燥した後、
スクリーン印刷法によりPtからなる厚さ20μmの櫛
歯電極を所定位置に形成した。次いで、この櫛歯電極の
表面も含め、基板上にスパッタリング法によりSnO2
からなるガス感応膜を成膜した。この際の基板の加熱温
度は75℃とした。尚、SnO2膜の成膜時に、酸素欠
陥の調整を目的としてスパッタリングガスに酸素ガスを
含有させてもよい。このSnO2膜の厚さを光学式膜厚
計により測定したところ200nmであった。
【0024】その後、ガス感応膜の表面に、スパッタリ
ング法によりPdからなる触媒クラスタを形成した。ま
た、この触媒クラスタの表面も含め、ガス感応膜の表面
に、スパッタリング法によりSiO2からなる部分被毒
体を形成した。触媒クラスタ及び部分被毒体を形成する
際の基板の加熱温度は75℃とした。このようにして、
アルミナ基板上に、Ptからなる櫛歯電極、SnO2
らなるガス感応膜、Pdからなる触媒クラスタ及びSi
2からなる部分被毒体がこの順に形成されてなる水素
ガス検出素子を作製した。
【0025】[2]ダイアフラム型のシリコン基板を使
用し、ヒータを付設した水素ガス検出素子の作製 (1)水素ガス検出素子の構造 図1は、水素ガス検出素子の縦断面図である。また、図
2は、図1におけるヒータより上方の部分、特に、触媒
クラスタ及び部分被毒体を拡大して示すための縦断面図
である。シリコン基板1の表面には熱酸化膜からなる絶
縁層(図示せず)が形成され、その上に窒化珪素からな
る絶縁層21が設けられている。また、シリコン基板1
の裏面にはキャビティ11が形成されている。絶縁層2
1の表面のキャビティ11に対応する部位にはヒータ3
が形成されており、このヒータ3は窒化珪素からなる絶
縁層22により被覆されている。また、ヒータ3の両端
にはヒータ用端子(図示せず)が形成されており、ヒー
タ3に電力が供給される。
【0026】絶縁層22の表面には櫛歯電極4が形成さ
れており、その両端には櫛歯電極4に通電するための電
極用端子(図示せず)が形成されている。櫛歯電極4を
含む絶縁層22の表面にはガス感応膜5が形成されてい
る。更に、このガス感応膜5の表面には触媒クラスタ6
が形成され、触媒クラスタ6の表面を含むガス感応膜5
の表面には部分被毒体7が形成されている。
【0027】(2)水素ガス検出素子の作製 ヒータの形成 厚さ400μmのシリコン基板1を洗浄、乾燥し、シリ
コン基板の表面に、熱酸化によりSiO2からなる厚さ
100nmの絶縁層を形成した後に、PCVD法によ
り、その一面に窒化珪素からなる厚さ400nmの絶縁
層21を、他面に厚さ200nmの絶縁層23を形成し
た。次いで、絶縁層21の表面にスパッタリング法によ
り膜厚25nmのTi膜、膜厚250nmのPt膜を積
層した。Ti膜はPt膜の基板に対する密着強度を向上
させるために用いた。そして、Pt/Ti膜をエッチン
グすることにより、ヒータパターンを形成した。その
後、ヒータ3が形成された絶縁層21上にPCVD法に
より窒化珪素からなる厚さ1000nmの絶縁層22を
更に堆積した。次いで、ヒータ3と外部回路との接続の
ため、絶縁層22のうち、ヒータ3のボンディングパッ
ド(図示せず)に該当する部位をエッチングした。
【0028】櫛歯電極及びシリコン基板のキャビティ
の形成 において形成した絶縁層22の一面にスパッタリング
法により膜厚25nmのTi膜、膜厚40nmのPt膜
を積層し、エッチングすることにより櫛歯電極4を形成
した。次いで、においてシリコン基板1の他面に形成
された絶縁層23の表面にフォトリソグラフィ法により
キャビティ用パターンを形成した。その後、この絶縁層
23のキャビティに対応する部位をドライエッチングに
より除去した。次いで、85℃に加熱された22容量%
のTMAH溶液に10〜14時間浸漬し、シリコンの異
方性エッチングによりキャビティ11(ダイヤフラム)
を形成した。その後、超純水で洗浄し、自然乾燥させ
た。
【0029】ガス感応膜の成膜、及び触媒クラスタ及
び部分被毒体の形成 櫛歯電極4が形成された絶縁層22の表面に、[1]の
場合と同様にして、SnO2からなる厚さ20、50及
び200nmのガス感応膜5、Pdからなる平均厚さ
0.6nmの触媒クラスタ6及びSiO2からなる平均
厚さ0.12nmの部分被毒体7をこの順に形成した。
尚、ガス感応膜5の形成は、メタルマスクを使用し、こ
のガス感応膜5がシリコン基板1のキャビティ11に対
応する部位に形成されるようにして行った。このように
して、ダイアフラム型のシリコン基板と、絶縁層に埋設
されたヒータとを備える他は、[1]における素子と同
様の構成を有する水素ガス検出素子を作製した。
【0030】(3)性能評価 (2)において作製した水素ガス検出素子を使用し、こ
の検出素子と電源とコンデンサとが直列に接続された回
路によって性能を評価した。測定条件は下記の通りであ
る。 素子温度;220℃ 印加電圧;5V 測定管路内径;80mm 被検ガス流量;8リットル/分 被検ガス流速;約0.03m/秒 ベースガス;20.9質量%の酸素ガスを含む乾燥窒
素ガス 被検ガス及びベースガス温度;30℃ 被検ガス種類;ベースガスにH2、CO及びNO2の各
ガスをそれぞれ所定量含有させたガス 各々の被検ガスでの測定時間;5分
【0031】尚、感度(Ra/Rg)は下記の式より算
出される。この値が大きいほど感度が高いことになる。 Ra/Rg=検出素子をベースガスに晒した場合のガス
感応膜の抵抗値/検出素子を各々の被検ガスに曝した場
合のガス感応膜の抵抗値
【0032】(a)水素ガス濃度を変化させた場合のガ
ス感応膜の厚さと素子抵抗又は感度との相関 ベースガス、並びにこのベースガスに400ppm、1
000ppm及び4000ppmの水素ガスが含有され
た各種測定雰囲気において、ガス感応膜の厚さを20n
m、50nm、200nmと変化させた場合の素子抵抗
を測定した。結果を図3に示す。また、各々の水素ガス
濃度におけるそれぞれの厚さのガス感応膜の感度を図4
に示す。
【0033】図3によれば、素子抵抗は、ベースガス雰
囲気ではガス感応膜が厚くなるとともに大きく低下して
いる。一方、水素ガスを含有する雰囲気では、ベースガ
ス雰囲気の場合に比べて膜厚によらず素子抵抗が低く、
且つ膜厚による抵抗の変化は小さい。従って、水素ガス
に対する素子の感度は主にガス感応膜の初期抵抗値によ
り決まるといえる。また、図4によれば、感度は、膜厚
が小さいほど、且つ水素ガス濃度が高いほど向上してい
る。
【0034】(b)各種ガスに対するガス感応膜の厚さ
と感度との相関 ベースガス、並びにこのベースガスに400ppmのH
2ガス、100ppmのCOガス、又は2ppmのNO2
ガスが含有された測定雰囲気とし、ガス感応膜の厚さを
20nm、50nm、200nmと変化させた場合の感
度を測定した。結果を図5に示す。この図5によれば、
通常の大気に近似の濃度のCOガス又はNO2ガスを含
有する雰囲気に比べて、水素ガス雰囲気の場合の感度は
非常に高く、この素子は、水素ガスに対する十分な選択
性を有していることが分かる。
【0035】
【発明の効果】本発明の水素ガス検出素子によれば、水
素ガスを選択的に、且つ効率よく測定することができ、
この検出素子は、環境における水素ガス濃度の測定等の
各種の分野において有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ダイアフラム型の基板を有する水素ガス検出
素子の縦断面図である。
【図2】図1に記載の水素ガス検出素子の、ヒータより
上方の部分、特に、触媒クラスタと部分被毒体とを拡大
して示すための縦断面図である。
【図3】水素ガス濃度を変化させた場合のガス感応膜の
厚さと素子抵抗との相関を示すグラフである。
【図4】水素ガス濃度を変化させた場合のガス感応膜の
厚さと感度との相関を示すグラフである。
【図5】各種ガスに対する感度をガス感応膜の厚さを変
化させて評価した結果を示すグラフである。
【図6】スパッタリング法により形成したSnO2から
なるガス感応膜をSEM写真により説明する図である。
【図7】真空蒸着法により形成したSnO2からなるガ
ス感応膜をSEM写真により説明する図である。
【符号の説明】
1;シリコン基板、11;キャビティ、21、22、2
3;絶縁層、3;ヒータ、4;櫛歯電極、5;ガス感応
膜、6;触媒クラスタ、7;部分被毒体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 崇文 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G046 AA05 BA01 BA06 BA09 BB02 BC03 BE03 BF01 EA04 EA08 EA12 FB02 FE00 FE02 FE03 FE11 FE12 FE15 FE16 FE25 FE26 FE29 FE31 FE34 FE35 FE38 FE39 FE41 FE44 FE46 FE48

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表層が絶縁性を有する基板
    と、該基板上に形成された酸化物半導体からなるガス感
    応膜と、該ガス感応膜と接して形成された一対の電極
    と、該ガス感応膜と接する貴金属からなる触媒クラスタ
    と、少なくとも該触媒クラスタと接するSiO2からな
    る部分被毒体と、を備え、該部分被毒体の平均厚さが2
    nm以下であることを特徴とする水素ガス検出素子。
  2. 【請求項2】 上記酸化物半導体が、(1)SnO2
    (2)In23、(3)SnO2を主成分とする酸化物
    半導体又は(4)In23を主成分とする酸化物半導体
    である請求項1記載の水素ガス検出素子。
  3. 【請求項3】 上記貴金属がPd又はPtである請求項
    1又は2に記載の水素ガス検出素子。
  4. 【請求項4】 上記触媒クラスタの平均厚さが0.3〜
    3nmである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水
    素ガス検出素子。
  5. 【請求項5】 上記基板が半導体材料からなり、該基板
    の上記ガス感応膜に対応する部位にキャビティが形成さ
    れている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水素ガ
    ス検出素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    水素ガス検出素子の製造方法であって、上記ガス感応
    膜、上記触媒クラスタ及び上記部分被毒体のうちの少な
    くとも該ガス感応膜をスパッタリング法により形成する
    ことを特徴とする水素ガス検出素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記ガス感応膜が100nm以上の厚さ
    に形成される請求項6記載の水素ガス検出素子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記基板が半導体材料からなり、該基板
    の上記ガス感応膜に対応する部位をエッチングしてキャ
    ビティを形成する請求項6又は7に記載の水素ガス検出
    素子の製造方法。
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