JP4639618B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスを検出するガスセンサに関する。
可燃性ガスや還元性ガスを検出するガスセンサとして、n−型半導体をガス検出材料として用いたものが実用化されている。n−型半導体は還元性のガスを吸着すると電気抵抗が変化し、この電気抵抗の変化を検出することによりガスが検出される。
ガス検出材料の抵抗値は、ガス検出材料の温度によっても変化するため、通常、ガス検出材料を所定の温度に調節できるよう加熱部が設けられている。
ところで、ガスセンサは、応答速度や作動安定性に優れていることが求められている。また、ガスセンサは、使用される環境に応じて小型化や省電力化を図る必要があり、場合によっては振動や衝撃に対する耐久性も求められる。例えば、自動車などに用いられる場合などである。
従来のガスセンサとしては、例えば、図5に示す構造を有するガスセンサが市販されている。また、積層構造を有するガスセンサ(例えば、特許文献1及び2参照。)が開示されている。
特開平7−92125号公報 特開平8−94559号公報
しかしながら、図5に示されるものをはじめとする従来のガスセンサは、コイル状の加熱部が必要のない部分まで加熱しているために消費電力が大きかった。そのため、省電力化を図ると、ガス検出材料を所定の温度にすばやく調節することができないため、ガスセンサの応答速度を高めることや作動安定性を得ることが困難であった。また、その構造上、小型化が難しく、振動や衝撃によってセンサ部分20にクラックが入ることがあり耐久性も不足していた。
また、特許文献1及び2に記載のガスセンサをはじめとする積層構造を有する従来のガスセンサは、小型化することは容易であるが、温度変化の激しい環境下で用いられた場合、十分な応答速度や作動安定性が得られないことがあった。また、特許文献1及び2にはかかる場合に、応答速度や作動安定性を向上させる方法が示唆されていない。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、小型化および省電力化を図った場合であっても、優れた応答速度および作動安定性が得られ、十分な耐久性を有するガスセンサを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特許文献1及び2に記載のガスセンサは、加熱部からガス検出材料への熱伝導効率が不十分なため応答速度と省電力化との両立が困難となっていることを見出し、積層構造においてもさらにガス検出材料への熱伝導効率を向上させることが上記目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明のガスセンサは、抵抗体薄膜が形成された電気絶縁性基板の一方の面に、ガス検出材料膜を備えるガスセンサであって、抵抗体薄膜の膜厚が、50nm〜10μmの範囲内にあることを特徴とする。
本発明において、抵抗体とは、通電によって発熱するものを意味し、加熱部として機能するものである。
また、薄膜とは、その面積に比較して膜厚が極めて小さい膜のことを意味する。
本発明のガスセンサは、膜厚が50nm〜10μmの範囲内にある抵抗体薄膜を用いることにより、消費電力に対する発熱量を向上させている。そのため、ガス検知材料膜に伝わる単位時間あたりの熱量、すなわち熱伝導効率を大きくすることができ、省電力化を図りながらガスセンサの応答速度及び作動安定性を十分に向上させることができる。また、本発明のガスセンサは、抵抗体薄膜とガス検出材料膜とが電気絶縁性基板によって保持されて一体化した積層構造のため、小型化が可能であり優れた耐久性を有している。
抵抗体薄膜の膜厚が、50nm未満であると、抵抗値が大きくなるため高い印加電圧が必要となり、10μmを超えると、消費電力に対する発熱量が不十分となるため、本発明の効果を得ることができない。
さらに、本発明のガスセンサは、電気絶縁性基板の抵抗体薄膜が形成された面と異なる面にガス検出材料膜を備える場合、抵抗体薄膜を被覆する保温層をさらに備えることが好ましい。
抵抗体薄膜を被覆する保温層を設けることによって、抵抗体薄膜が発生する熱がセンサの外部に拡散するのを防止でき、抵抗体薄膜の熱がより効率よくガス検出材料膜へと伝導されるため、省電力化を図りながらガスセンサの応答速度及び作動安定性をより向上させることができる。また、ガス検出材料膜と抵抗体薄膜をそれぞれ電気絶縁性基板の別の面に設けることによって、抵抗体の形成の際に不可避に取り込まれる微量の不純物が、加熱に伴ってガス検出膜内部に拡散することを防止する効果を得ることができる。
さらに、抵抗体薄膜と保温層との間に、拡散防止層を備えることが好ましい。かかる拡散防止層を設けることによって、保温層を構成する成分が抵抗体薄膜に不純物として混入することを防止し、抵抗体薄膜の発熱温度域を安定して維持することができるため、ガスセンサの作動安定性をより確実に得ることができる。
ここで、拡散防止層が、シリカ、窒化ケイ素及びアルミナからなる群より選択される少なくとも1種からなることが好ましい。これらの材料は薄膜形成において緻密な構造を形成すること、構造の熱的安定性が高いことにより、形成される拡散防止層が、基板に残留する金属イオン等の不純物の移動を防ぎ、ガス検出膜の劣化を防止する効果を得ることができる。
また、本発明のガスセンサは、電気絶縁性基板の抵抗体薄膜が形成された面と同一面にガス検出材料膜を備える場合、電気絶縁性基板の抵抗体薄膜が形成された面と異なる面に保温層をさらに備えることが好ましい。
かかる保温層を設けることにより、抵抗体薄膜が発生する熱が電気絶縁性基板を通してセンサの外部に拡散するのを防止でき、省電力化を図りながらガスセンサの応答速度及び作動安定性をより向上させることができる。
また、本発明では、ガス検出材料膜が、酸化亜鉛粒子と、酸化亜鉛粒子の表面に存在する塩素化合物と、を含む水素ガス検出材料からなることが好ましい。酸化亜鉛粒子と、酸化亜鉛粒子の表面に存在する塩素化合物と、を含む水素ガス検出材料は、水素ガスとの接触前後における電気抵抗の差が大きく、水素ガスとの接触後から定常状態に戻るまでの時間が短いことから、水素ガスに対する応答性が優れている。この特性を生かすためには、水素ガス検出材料膜を所定の温度に、より短時間で調節できることが要求されるが、従来のガスセンサでは不十分であった。しかしながら、上記の本発明のガスセンサの構成を用い、ガス検出材料膜が、酸化亜鉛粒子と、酸化亜鉛粒子の表面に存在する塩素化合物と、を含む水素ガス検出材料からなることにより、応答性に優れた水素ガスセンサを得ることができる。
さらに本発明では、抵抗体薄膜が、金属、窒化物、サーメット、シリサイド、ポリシリコン、炭化ケイ素、又は炭素からなることが好ましい。かかる材料からなる抵抗体薄膜は、応答性に優れ、発熱温度域が高く、より大きな発熱が得られることから、省電力化を図りながらガスセンサの応答速度及び作動安定性をより確実に向上させることができる。
金属材料としては、例えば、Fe−Cr−Al、Ni−Cr、Pt、Mo、Ta及びWが挙げられる。窒化物系材料としては、例えば、BN、TaN、TiN及びAlNが挙げられる。サーメット系材料としては、例えば、TaSiO、TaSiC、NbSiO及びCrSiOが挙げられる。シリサイド系材料としては、例えば、TaSi、CrSi及びMoSiが挙げられる。
また、本発明では、電気絶縁性基板が、金属、アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化タングステン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、ジルコニア、ムライト、ホウケイ酸ガラス、又は石膏からなることが好ましい。金属としては、例えば、タングステン、モリブデン、白金、鉄、各種ステンレス材料が挙げられる。
さらに、電気絶縁性基板の材料は、ガス検出材料膜と抵抗体薄膜の位置関係によって熱伝導率を考慮し、選択することが好ましい。
電気絶縁性基板の同一面上に、ガス検出材料膜と抵抗体薄膜とを形成した構造の場合、電気絶縁性基板の材料は熱伝導率が比較的低い材料が好ましく、例えば、石膏、シリカ、ホウケイ酸ガラス、ムライト、ジルコニア等が好ましい。
電気絶縁性基板の異なった面上に、ガス検出材料膜と抵抗体薄膜とを形成した構造の場合、電気絶縁性基板の材料は熱伝導率が比較的高い材料が好ましく、例えば、タングステン、モリブデン、白金、鉄、各種ステンレス材料等の金属や、アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化タングステン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等が好ましい。
電気絶縁性基板を上記の構成とすることにより、抵抗体からガス検出材料への熱伝導をより確実に得ることができる。また、上記の電気絶縁性基板の材料は機械強度にも優れていることから、ガスセンサの耐久性をより確実に得ることができる。
さらに本発明では、保温層が、耐火セメント、石膏、シリカ、ムライト、ジルコニア、及びホウケイ酸ガラスからなる群より選択される少なくとも1種からなることが好ましい。かかる材料からなる保温層は、断熱性に優れているため、抵抗体薄膜が発生する熱がセンサの外部に拡散することを防止でき、抵抗体薄膜の熱が効率よくガス検出材料膜へと伝導されるため、省電力化を図りながらガスセンサの応答速度及び作動安定性をより確実に向上させることができる。また、このような効果が得られる要因として以下のことも考えられる。従来のガスセンサでは、断熱膜や絶縁膜にガラスが使用されており、このガラスにはNa、K、Ca、Mg、B、Fe等が含まれている。これらの成分は、ガラス成分から外部への拡散が著しく、金属酸化物半導体膜やヒーターを劣化させるものである。そのため、ガラスを用いる従来のガスセンサでは応答速度が経時的に劣化しやすく、作動状況も不安定となる傾向にあった。一方、上記材料からなる保温層は、不純物拡散が著しく低いため、高い応答速度と作動安定性を有するガスセンサをより確実に得ることができる傾向にあると考えられる。
さらに、上記材料は多孔体であることが好ましく、保温層の断熱性をより向上させることができる。あるいは、保温層内部に無機中空体を封入することにより、保温層の断熱性をより向上させることができる。
本発明によれば、小型化および省電力化を図った場合であっても、優れた応答速度および作動安定性が得られ、十分な耐久性を有するガスセンサを提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明のガスセンサについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明のガスセンサの好適な第一の実施形態の基本構成を示す模式断面図である。図1に示すガスセンサ100は、電気絶縁性基板1と、電気絶縁性基板1の一方の面に形成された抵抗体薄膜2と、別の面に形成されたガス検出材料膜3と、抵抗体薄膜2を被覆する拡散防止層4と、さらに拡散防止層4を被覆する保温層5とから構成されている。
このガスセンサ100では、抵抗体薄膜2の同一面上に一対の電極31が設けられており、この電極間に電圧を印加することにより抵抗体薄膜2が発熱する。発生した熱は、電気絶縁性基板1を伝わりガス検出材料膜3の温度を上昇させる。ガス検出材料膜3の同一面上にも一対の電極30が設けられており、この電極間に電圧を印加することによりガス検出材料膜3の電気抵抗が測定できるようになっている。所定の温度になったガス検出材料膜3に特定のガスが接触すると、ガス検出材料膜3の電気抵抗が変化する。このときの電気抵抗変化率を検出することにより、特定のガスが検出される。
保温層5は、抵抗体薄膜2が発生する熱が周囲に拡散するのを防止し、抵抗体薄膜2の熱を効率よくガス検出材料膜3へと伝導させる機能を有している。
拡散防止層4は、保温層5の構成成分が抵抗体薄膜2に不純物として混入するのを防止している。ガスセンサの作動安定性の観点から、このような拡散防止層を設けることが好ましい。
図1のガスセンサ100では、ガス検出材料膜3と抵抗体薄膜2とが、電気絶縁性基板1の異なる面に設けられていること、及び、拡散防止層4が設けられていることにより、抵抗体薄膜2から発生する不純物がガス検出材料膜3に混入する程度がより確実に低減されるため、ガスセンサ100の寿命が飛躍的に向上している。
図1に示される電気絶縁性基板1は、基材10と、基材10の表面に設けられた絶縁層11とから構成されている。電極が接続された抵抗体薄膜2及びガス検出材料膜3を保持し、これらの絶縁体として機能する電気絶縁性基板1は、抵抗体薄膜2の発生する熱がガス検出材料膜3に効率よく移動するよう熱伝導性に優れていることが好ましい。また、耐熱性や機械強度にも優れていることが好ましい。
基材10を構成する材料としては、例えば、金属、アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化タングステン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。金属としては、例えば、タングステン、モリブデン、白金、鉄、各種ステンレス材料などが挙げられる。
基材10の厚さについては、特に限定されないが、熱伝導効率と機械強度を両立させる観点から、0.1〜1.5mmの範囲であることが好ましく、0.5〜1.0mmがより好ましい。また、形状についても、特に限定されず、正方形状、矩形状など所望の形状にすることができる。また、基材10の面積についても、特に限定されないが、ガスセンサの大きさは基材の大きさに依存するため、ガスセンサを小型化する度合いに応じて基材10の大きさを設定することが好ましい。実用上、基材10の面積は1mm〜25mmが好ましい。
絶縁層11は、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化炭素、又は窒化ケイ素等の材料を用いて、薄膜プロセス(例えば、スパッタ法、CVD法、蒸着法など)により基材10の表面に形成することができる。絶縁層11は、基材10と抵抗体薄膜2、及び基材10とガス検出材料膜3との間に介在して設けられていればよく、その形状については特に限定されない。絶縁層11の膜厚については、50〜500nmが好ましく、100〜300nmがより好ましい。膜厚が、50nm未満であると、電流のリークが発生しやすくなる傾向にあり、500nmを超えると、成膜に長時間を要すると共に絶縁層11の内部応力の影響が顕著になる傾向にある。
本発明では、電気絶縁性基板は上記の構成に限られず、例えば、基材10を構成する材料としてアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の材料を用いれば、絶縁層11を設けず単層の電気絶縁性基板にすることができる。
抵抗体薄膜2は、スパッタやCVD等の薄膜プロセスで形成されており、50nm〜10μmの範囲内にある薄膜とすることにより発熱効率が高められている。そのため、通電してから短時間でガス検出材料膜3を所定の温度に加熱でき、また、ガス検出材料膜3の温度を一定に維持させることができる。これにより、ガスセンサの省電力化を図ることができ、また、ガスセンサの小型化にも寄与している。
さらに、抵抗体薄膜2の膜厚は、50nm〜8μmが好ましく、50nm〜5μmがより好ましい。膜厚が、50nm未満であると、発熱量や耐久性が不十分となる傾向にあり、8μmを超えるとガスセンサの小型化が困難となる傾向にあり、また、消費電力が大きくなる傾向にある。
抵抗体薄膜2を構成する材料としては、金属、窒化物、サーメット、シリサイド、ポリシリコン、炭化ケイ素、炭素などが挙げられ、これらの材料は、薄膜に形成した場合であっても、温度変化等に対する耐久性に優れているため好ましい。
金属としては、例えば、Fe−Cr−Al、Ni−Cr、Pt、Mo、Ta及びWが挙げられる。窒化物としては、例えば、BN、TaN、TiN及びAlNが挙げられる。サーメットとしては、例えば、TaSiO、TaSiC、NbSiO及びCrSiOが挙げられる。シリサイドとしては、例えば、TaSi、CrSi及びMoSiが挙げられる。
また、抵抗体薄膜2を構成する材料によって抵抗体薄膜2の発熱温度が左右されるため、必要とする温度域に応じて上記の材料を選択することが好ましい。本発明では、発熱温度域が200〜550℃であることが好ましい。発熱温度が200℃未満であると、十分な検出感度が得られなくなる傾向にあり、550℃を超えると、周囲の材料の劣化を早めると共に、検出ガス(例えば、水素)の着火温度付近の温度となるため安全な使用が困難となる傾向にある。
抵抗体薄膜2の形状については、特に限定されないが、正方形、長方形等であることが好ましい。
ガス検出材料膜3は、検出するガスの種類に応じて適宜選択することができる。例えば、検出するガスが可燃性ガスや還元性ガスの場合、ガス検出材料膜3を構成する材料としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタンなどのn−型半導体の金属酸化物が挙げられる。また、白金族元素を添加して、ガス選択性を高めてもよい。
本発明では、ガス検出材料膜3として、酸化亜鉛粒子を含む水素ガス検出材料膜を用いることにより、ガスセンサ100が水素ガスを選択的に検出することが可能となる。
さらに、水素ガス検出材料としては、酸化亜鉛粒子と、酸化亜鉛粒子の表面に存在する塩素化合物とを含むものが好ましい。
また、酸化亜鉛粒子は、酸化亜鉛を主成分とし、他の金属酸化物等をさらに有してもよい。他の金属酸化物を有する場合、酸化亜鉛粒子は、金属酸化物全体100モル%に対して、95モル%以上の酸化亜鉛を有することが好ましい。
塩素化合物は、酸化亜鉛粒子の少なくとも表面に存在していることが好ましい。酸化亜鉛粒子の表面に存在することにより、水素ガス選択性改善の効果がより顕著に発現する。これは、金属酸化物を用いた水素ガス検出材料においては、水素ガスと接触したときに、主としてその表面近傍の領域において電気抵抗が変化するためと考えられる。なお、塩素化合物は、酸化亜鉛粒子の内部にもさらに存在してよい。
塩素化合物は、塩素原子を有する化合物であればよいが、水との接触により塩素イオンを生成する化合物であることが、水素ガス選択性の点から好ましい。水との接触により塩素イオンを生成するような塩素化合物においては、塩素原子は、他の原子とのイオン結合等により、負の電荷を帯びた、イオンまたはイオン的な状態で存在していると考えられ、このことが何らかのメカニズムで水素ガス選択性の改善に寄与していると推察される。
塩素化合物が水との接触により塩素イオンを生成することは、例えば、塩素化合物が酸化亜鉛固体の表面に存在する場合、水素ガス検出材料を中性の水に浸漬させたときに、水中に溶出してくる塩素イオンの存在を検出することにより、確認できる。
塩素化合物が有する塩素原子の量は、酸化亜鉛100重量%に対して0.01〜3.0重量%であることが好ましく、0.1〜1.0重量%であることがより好ましい。塩素原子をこのような範囲の量とすることは、例えば、水素ガス検出材料を製造する際の、原料として用いる塩素含有化合物の仕込み量や、後述する製造方法における加熱温度等を適正化すること等により、達成可能である。また、水素ガス検出材料に含まれる塩素原子の量は、例えば、蛍光X線分析等により定量することができる。
水素ガス検出材料は、検出感度をさらに高めるために、BET比表面積が0.1〜100m/gであることが好ましい。水素ガス検出材料を、微細な孔が形成された多孔質体からなるものとすることで、効率的に表面積を増大させることができ、このような範囲のBET比表面積を有するものを得ることが容易になる。
この多孔質体は、凝集している酸化亜鉛粒子を加熱すること等により、酸化亜鉛粒子が互いに連結して形成された集合体として、好適に得ることができる。
また、上記水素ガス検出材料は、上記成分に加えて、Zr、In、Nb、La、Re、Yb、Ho、Er、Hf、Dy、Ga及びAlからなる群より選択される少なくとも一種の添加元素の酸化物や、白金族元素系化合物等の他の成分をさらに含んでもよい。
以上述べた水素ガス検出材料を得る方法としては、例えば、以下に述べるような二つの製造方法を好適に採用できる。
第一の製造方法においては、塩化亜鉛水溶液をアンモニア水に接触させて沈殿物を生成させ、該沈殿物から水を除去して水素ガス検出材料を得る。
この製造方法においてはまず、塩化亜鉛水溶液及びアンモニア水をそれぞれ準備し、両水溶液を混合して接触させることで、水酸化亜鉛を主成分とする沈殿物を生成させる。具体的には、例えば、塩化亜鉛水溶液とアンモニア水とを均一に混合して沈殿物を生成させる。
原料として用いる塩化亜鉛水溶液は、亜鉛イオンの濃度が0.01〜1モル/Lであるものが好ましく、アンモニア水は、アンモニアの濃度が0.01〜1モル/Lであるものが好ましい。このとき、沈殿物の溶解度を十分低くするために、両水溶液を均一に混合したときの混合液のpHが、6.5〜7.5となるように調整しながら混合することが好ましい。
次に、加熱工程において、得られた沈殿物を、好ましくはこれをデカンテーション、遠心分離、ろ別等してから加熱することにより、酸化亜鉛粒子と、酸化亜鉛粒子の表面に存在する塩素化合物とを含む水素ガス検出材料が得られる。
上記の加熱温度は、400〜800℃が好ましく、500〜700℃がより好ましい。このような温度範囲で加熱することで、酸化亜鉛粒子が互いに連結して多孔質体を形成している水素ガス検出材料を得ることができる。加熱温度が400℃未満であると、水素ガス検出のために加熱されたときに材料特性が安定しない場合があり、800℃を超えると、塩素化合物の揮発や変質、あるいは、水素ガス検出材料の比表面積の低下等を招きやすくなる場合がある。
第二の製造方法は、酸化亜鉛粒子に塩化アンモニウム水溶液を付着させて付着体を得る付着工程と、該付着体から水を除去する除去工程とを備える。
第二の製造方法においてはまず、付着工程において、酸化亜鉛粒子に塩化アンモニウム水溶液を含浸させることにより付着させて、付着体を得る。このとき用いる塩化アンモニウム水溶液の塩素イオンの濃度は、0.1〜2モル/Lであることが好ましい。塩化アンモニウム水溶液を付着させる量は、塩素イオンが、酸化亜鉛100重量%に対して、0.01〜3.0重量%となるような量とすることが好ましい。なお、この付着工程においては、酸化亜鉛粒子に、塩化アンモニウム水溶液に代えて塩化アンモニウム及び水をそれぞれ混合して、付着体において塩化アンモニウム水溶液を生成させてもよい。
次に、得られた付着体から水を除去する除去工程により、酸化亜鉛粒子と、酸化亜鉛粒子の表面に存在する塩素化合物とを含む水素ガス検出材料が得られる。水の除去は、常圧または減圧下で、スプレードライ等の方法により、あるいは、付着体を加熱することにより行うことができる。この加熱温度は、50〜200℃であることが好ましく、100〜150℃であることがより好ましい。なお、このとき、付着体に付着していた水が必ずしも完全に除去されてなくてもよく、得られる水素ガス検出材料に微量の水が残存してもよい。
ガス検出材料膜3は、上記の材料を用いてスパッタ法、CVD法、蒸着法、印刷法、ディップコート法などにより形成することができる。ガス検出材料膜3の膜厚については、1〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。膜厚が1μm未満であると、ガス検出感度が低下する傾向に有り、200μmを超えると、加熱により膜に亀裂が生じやすくなる傾向に有る。
抵抗体薄膜2の同一面上に設けられる電極31、及びガス検出材料膜3の同一面上に設けられる電極30の形状、材質等については、本発明では特に限定されないが、高温下においても損傷を受けにくいものが好ましい。例えば、抵抗体薄膜2あるいはガス検出材料膜3が形成される絶縁層11の上に、タングステン、アルミニウム、ロジウム、イリジウム、モリブデン、白金などの薄膜をスパッタ法などにより成膜して、次いでフォトリソグラフィー法などにより所定のパターンの電極を形成することができる。また、電極が設けられる場所は、抵抗体薄膜2及びガス検出材料膜3の同一面上に限らず、異なる面、又はそれぞれの膜の端部に設けてもよい。また、これらの電極は外部にある電源部に電気的に接続可能となっている。
拡散防止層4は、シリカ、窒化ケイ素及びアルミナからなる群より選択される少なくとも1種から構成されるものが好ましい。かかる材料からなる拡散防止層は、緻密かつ熱的に安定であるため好ましい。拡散防止層4は、抵抗体薄膜2が形成された後、上記の材料の1種又は複数種を用いて、スパッタ法等により成膜することにより形成することができる。
拡散防止層4の形状については、抵抗体薄膜2を被覆して抵抗体薄膜2に不純物が混入することを防止できるものであればよく、特に限定されない。また、拡散防止層4の厚さについても、特に限定されないが、量産効率の観点から、10〜100nmが好ましい。
保温層5は、断熱性の観点から、耐火セメント、石膏、シリカ、ムライト、ジルコニア、及びホウケイ酸ガラスからなる群より選択される少なくとも1種を用いて形成されることが好ましい。さらに、これらの多孔体を用いることがより好ましい。また、これらの材料中に無機質の中空ビーズを混合すると、断熱効果をさらに高めることができるため、より好ましい。保温層5は、例えば、発砲体ジルコンセメントをディップコート法により、拡散防止層4を被覆するように塗布し、次いで塗膜を温度50〜80℃で1時間硬化させることにより形成することができる。
保温層5の厚さは、特に限定されないが、0.1〜1.5mmが好ましい。保温層5の厚さが0.1mm未満であると保温特性が不十分となる傾向に有り、1.5mmを超えると形状が必要以上に大きくなる傾向にある。
図1のガスセンサ100は、ガス検出材料膜3が電気絶縁性基板1の抵抗体薄膜2が形成されている面の反対側に設けられているが、本発明では、ガス検出材料膜を電気絶縁性基板の抵抗体薄膜が形成されている面と同一の側に設けることができる。
このような構造のガスセンサを具体的に説明する。図2は、本発明のガスセンサの好適な第二の実施形態の基本構成を示す模式断面図である。
図2に示すガスセンサ101は、電気絶縁性基板1aと、電気絶縁性基板1aの一方の面に形成された抵抗体薄膜2と、抵抗体薄膜2上に形成された絶縁層7と、絶縁層7上に形成されたガス検出材料膜3と、ガス検出材料膜3の上部露出面以外の部位を被覆するように設けられた拡散防止層4と、拡散防止層4をさらに被覆するように設けられた保温層5とから構成されている。また、電気絶縁性基板1aは、基材10と絶縁層11とから構成されている。絶縁層11は、基材10の表面であって抵抗体薄膜2を形成する側の面に設けられている。基材10を構成する材料は図1のガスセンサ100の場合と異なり熱伝導性の低い材料が用いられ、例えば、石膏、シリカ、ムライト、ジルコニア、ホウケイ酸ガラスが用いられる。これらの材料を用いることによって、抵抗体薄膜2から発生した熱を無駄に電気絶縁性基板1aに拡散させることなく、効率よくガス検出材料膜3に伝導することができる。
このガスセンサ101では、抵抗体薄膜2の同一面上に一対の電極31が設けられており、この電極間に電圧を印加することにより抵抗体薄膜2が発熱する。発生した熱は、絶縁層を介してガス検出材料膜3に伝わりガス検出材料膜3の温度を上昇させる。ガス検出材料膜3の同一面上にも一対の電極30が設けられており、この電極間に電圧を印加することによりガス検出材料膜3の電気抵抗が測定できるようになっている。所定の温度になったガス検出材料膜3に特定のガスが接触すると、ガス検出材料膜3の電気抵抗が変化し、このときの電気抵抗変化率を検出することにより、特定のガスが検出される。
拡散防止層4は、保温層5の構成成分が抵抗体薄膜2に不純物として混入するのを防止するために設けられている。
保温層5は、抵抗体薄膜2が発生する熱が周囲に拡散するのを防止し、特に電気絶縁性基板1aを通じて外部に熱が拡散するのを防止し、抵抗体薄膜2の熱を効率よくガス検出材料膜3へと伝導させる機能を有している。
図2のガスセンサ101では、ガス検出材料膜3と抵抗体薄膜2とが、電気絶縁性基板1の同一面に設けられていること、及び、保温層5が設けられていることにより、抵抗体薄膜2から発生する熱が一層効率よくガス検出材料膜3に移動できる。この構造により、特に、ガスセンサ101の応答性及び作動安定性がより向上している。
図2に示すガスセンサ101を構成する、抵抗体薄膜2、ガス検出材料膜3、拡散防止層4、保温層5、電極30、及び電極31は、図1のガスセンサ100と同様の材料を用いることができる。また、各層の厚さ及び形状、並びに形成方法についても同様とすることができる。
図1及び図2に示すガスセンサにおいて、ガス検出材料膜3を温度検出素子として機能させることもできる。予め、ガス検出材料膜3の電気抵抗値を測定し、そのデータに基づいて、ガス検出材料膜3の温度を知ることができる。
本発明では、ガス検出材料膜3とは別に、ガス検出材料膜3の温度を検出する温度検出素子を備えていてもよい。
このような温度検出素子を備える本発明のガスセンサを具体的に説明する。図3は、本発明のガスセンサの好適な第三の実施形態の基本構成を示す模式断面図である。
図3に示されるガスセンサ200は、図1のガスセンサ100において電気絶縁性基板1とガス検出材料膜3との間にさらに温度検出素子6が設けられており、ガス検出材料膜3と温度検出素子6との間にはさらに絶縁層8が設けられている構成を有している。絶縁層8は、温度検出素子6が外部に露出しないように、温度検出素子6を被覆するように設けられている。
温度検出素子6は、温度によってその電気抵抗が変化する材料からなり、温度検出素子6の同一面上には一対の電極32が設けられている。この電極間に電圧を印加することにより温度検出素子6の電気抵抗が測定され、この電気抵抗値に基づいてガス検出材料膜3の温度を求めることができる。
温度検出素子6を構成する材料としては、例えば、Cu、Ni、Co、Fe、Mn、Sn、Zn等の酸化物や、SiC、Pt、Rh、Ni、Cr、Fe、Cu、Ir、Re、Mo、Au、Pd、Wなどを含有する材料が挙げられる。
温度検出素子6の膜厚は、50〜1000nmが好ましい。温度検出素子6の膜厚が50nm未満であると温度検出特性が不安定となる傾向にあり、1000nmを超えると温度検出精度が低下するの傾向にある。
温度検出素子6は、外部にある温度補正回路(制御部)(図示せず)に電気的に接続可能であり、この温度補正回路が、温度検出素子6の電気抵抗値に基づいて抵抗体薄膜2への供給電力を制御して抵抗体薄膜2の温度を調節することにより、ガス検出材料膜3を所定の温度に調節することができ、ガスセンサの作動安定性および応答速度がより向上する。
本発明のガスセンサは、水素、一酸化炭素、低分子アルカン、アルコール、ケトンなどの検出に好適に利用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
(実施例1)
純度99%の石英製基板(縦横:2×2mm、厚さ:0.5mm)の片面の全面に、ソースとしてのシラン(日本酸素社製)及びジボラン(日本酸素社製)と、ホウ素とを用い、減圧CVD法(温度:650℃、圧力:1Pa)により、ホウ素を1モル%含有する多結晶シリコン薄膜(膜厚:5μm)を成膜して抵抗体薄膜を形成した。
次いで、多結晶シリコン薄膜の上面全部に、膜厚が500nmのタングステン薄膜をスパッタ法により成膜した。さらに、この薄膜に対してフォトリソグラフィー法を用い、電極としてのタングステンリード層を形成した。
次いで、タングステンリード層が形成された多結晶シリコン薄膜の上面に、シリカからなる絶縁層(膜厚:100nm)をスパッタ法により形成した。さらに、この絶縁層の上面に膜厚が500nmのタングステン薄膜をスパッタ法により成膜した後、この薄膜に対してフォトリソグラフィー法を用い、電極としてのタングステンリード層を形成した。
次いで、タングステンリード層が形成された絶縁層の上面に、酸化スズからなるガス検知材料膜(膜厚:10μm)を印刷法により形成した。
次いで、ガス検知材料膜をマスキングテープでマスクして、シリカからなる拡散防止層(膜厚:100nm)をスパッタ法により形成し、ガス検知材料膜以外の領域を全て拡散防止層で被覆した。その後、試料の全面に発砲体ジルコンセメントをディップコート法により塗布して塗膜を形成し、次いでこの塗膜を60℃、1時間の養生によって硬化させることにより保温層(層厚:1mm)を形成した。マスキングテープを除去し、図2に示すガスセンサと同様の構成を有するガスセンサを作製した。
(実施例2)
純度98%の焼結アルミナ製基板(縦横:2×2mm、厚さ:0.5mm)の片面の全面に、膜厚が500nmのタングステン薄膜をスパッタ法により成膜した。さらに、この薄膜に対してフォトリソグラフィー法を用い、電極としてのタングステンリード層を形成した。
次いで、タングステンリード層が形成された基板の上面に、ソースとしてのシラン(日本酸素社製)及びジボラン(日本酸素社製)と、ホウ素とを用い、減圧CVD法(温度:650℃、圧力:1Pa)により、ホウ素を1モル%含有する多結晶シリコン薄膜(膜厚:5μm)を成膜して抵抗体薄膜を形成した。
次いで、抵抗体薄膜の全面を覆うように、シリカからなる拡散防止層(膜厚:100nm)をスパッタ法により形成した。さらに、拡散防止層の全体を覆うように発泡体ジルコニアセメントをディップコート法により塗布して60℃、1時間の養生によって硬化させ、保護層(膜厚:1mm)を形成した。
一方、焼結アルミナ製基板の、抵抗体薄膜が形成されていない側の面の全面に、膜厚が500nmのタングステン薄膜をスパッタ法により成膜した。さらに、この薄膜に対してフォトリソグラフィー法を用い、電極としてのタングステンリード層を形成した。
次いで、タングステンリード層が形成された基板の上面に、酸化亜鉛からなるガス検知材料膜(膜厚:10μm)を印刷法により形成し、ガスセンサを作製した。
(比較例1)
純度98%の焼結アルミナ製基板(縦横:2×2mm、厚さ:0.5mm)の片面の全面に、膜厚が500nmのタングステン薄膜をスパッタ法により成膜した。さらに、この薄膜に対してフォトリソグラフィー法を用い、電極としてのタングステンリード層を形成した。
次いで、タングステンリード層が形成された基板の上面に、酸化ルテニウムペーストを塗布して膜厚が20μmの抵抗体を形成した。
一方、焼結アルミナ製基板の、抵抗体薄膜が形成されていない側の面の全面に、膜厚が500nmのタングステン薄膜をスパッタ法により成膜した。さらに、この薄膜に対してフォトリソグラフィー法を用い、電極としてのタングステンリード層を形成した。
次いで、タングステンリード層が形成された基板の上面に、酸化スズからなるガス検知材料膜(膜厚:10μm)を印刷法により形成し、ガスセンサを作製した。
実施例1、実施例2、及び比較例1で得られたガスセンサについて、各ガスセンサの抵抗体に電圧を印加した際のガス検知膜の温度変化を調べた。抵抗体に電圧を印加してから1秒後、5秒後、及び10秒後のガス検知膜の温度を表1に示す。
Figure 0004639618
表1に示すように、実施例1及び2のガスセンサのガス検知膜の温度は、電圧を印加してから1秒後には到達最高温度に対して、それぞれ87%、70%の値まで上昇しており、5秒後には到達最高温度に対して、それぞれ97%、92%の値まで上昇していることが確認された。一方、比較例1のガスセンサのガス検知膜の温度上昇の速度は、実施例に比べて低かった。これらの結果から、本発明のガスセンサは、加熱部からガス検出材料への熱伝導効率が高く、省電力化を図った場合であっても、優れた応答速度および作動安定性が得られることが分かった。
本発明のガスセンサの好適な第一の実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 本発明のガスセンサの好適な第二の実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 本発明のガスセンサの好適な第三の実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 従来の市販の半導体式ガスセンサの基本構成を示す部分切欠き斜視図である。
符号の説明
1、1a…電気絶縁性基板、2…抵抗体薄膜、3…ガス検出材料膜、4…拡散防止層、5…保温層、6…温度検出素子、7、8…絶縁層、30、31、32…電極、100、101、200…ガスセンサ


Claims (6)

  1. 電気絶縁性基板と、該電気絶縁性基板の一方の面に形成された抵抗体薄膜と、該抵抗体薄膜上に形成された絶縁層と、該絶縁層上に形成されたガス検出材料膜と、該ガス検出材料膜の前記絶縁層側とは反対側の面は露出し、それ以外の部位は被覆するように設けられた拡散防止層と、該拡散防止層を被覆するように設けられた保温層と、を備え、
    前記抵抗体薄膜の膜厚が、50nm〜10μmの範囲内にあり、
    前記拡散防止層は、前記保温層の構成成分が前記抵抗体薄膜に拡散するのを防止する層であることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記拡散防止層が、シリカ、窒化ケイ素及びアルミナからなる群より選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記ガス検出材料膜が、酸化亜鉛粒子と、該酸化亜鉛粒子の表面に存在する塩素化合物と、を含む水素ガス検出材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記抵抗体薄膜が、金属、窒化物、サーメット、シリサイド、ポリシリコン、炭化ケイ素、又は炭素材料からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 前記電気絶縁性基板が、金属、アルミナ、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化ホウ素、窒化タングステン、窒化アルミニウム、石膏、シリカ、ムライト、ジルコニア、又はホウケイ酸ガラスからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  6. 前記保温層が、耐火セメント、石膏、シリカ、ムライト、ジルコニア及びホウケイ酸ガラスからなる群より選択される少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ。
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