JP2005017182A - 薄膜ガスセンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高湿下でもセンサ抵抗値の経時安定性が優れた、電池駆動式の薄膜ガスセンサを提供する。
【解決手段】薄膜状の支持膜の外周部または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板1,2上に薄膜のヒータ3を形成し、この薄膜のヒータ3を絶縁層4で覆い、その上にガス感知膜用の電極5を形成し、さらに半導体薄膜からなるガス感知層(SnO2)6を形成し、ガス感知層6を被覆するように選択燃焼層7を形成した薄膜ガスセンサにおいて、ガス感知層6の表面層にPd,Ptなどの貴金属触媒を担持させることにより、経時変化安定性を保有させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電池駆動を念頭においた低消費電力型薄膜ガスセンサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、ガスセンサはガス漏れ警報器などの用途に用いられ、或る特定のガス、例えばCO,CH,C,COH等に選択的に感応するデバイスであり、その性格上、高感度,高選択性,高応答性,高信頼性,低消費電力が必要不可欠である。ところで、家庭用として普及しているガス漏れ警報器には、都市ガス用やプロパンガス用の可燃性ガス検知を目的とするものと、燃焼機器の不完全燃焼ガス検知を目的とするもの、または両方の機能を併せ持ったものなどがあるが、いずれもコストや設置性の問題から普及率はそれほど高くはない。
【0003】
このような事情から、普及率の向上を図るべく、設置性の改善、具体的には電池駆動としコードレス化することが望まれている。電池駆動を実現するためには低消費電力化が最も重要であるが、接触燃焼式や半導体式のガスセンサでは、100℃〜500℃の高温に加熱して検知する必要がある。このことから、SnOなどの粉体を燒結する従来の方法では、スクリーン印刷等の方法を用いたとしても厚みを薄くするには限界があり、電池駆動に用いるには熱容量が大きすぎる。そこで、ヒーター,感知膜を1μm以下の薄膜で形成し、さらに、深堀エッチング加工プロセスによりダイアフラム構造などの低熱容量,断熱構造とした薄膜ガスセンサの出現が待たれていた。
【0004】
そこで、ダイアフラム構造などの超低熱容量構造とした薄膜ガスセンサが、例えば特許文献1に提案されたが、このようなガスセンサを用いたガス漏れ警報器においても、電池の交換無しで5年以上の寿命を持たすためには、薄膜ガスセンサのパルス駆動が必須となる。通常、ガス漏れ警報器は30〜150秒の一定周期に1回の検知が必要であり、この周期に合わせた検知部を室温から100〜500℃の高温に加熱する。上記電池の交換無しで5年以上の寿命要請にこたえるため、この加熱時間は100ms以下が目標となる。
【0005】
パルス駆動の薄膜ガスセンサにおいても、低消費電力化のためには検出温度の低温化,検出時間の短縮,検出サイクルの長期化(通電をオフ(off)する時間を長くする)が重要である。薄膜ガスセンサにおける検出温度はガス種に対する検出感度などからCOセンサでは〜100℃、CH4センサでは〜450℃、検出時間はセンサの応答性から〜500ms、検出サイクルはCH4センサでは30秒、COセンサでは150秒とされる。
また、off時間にセンサ表面に付着する水分その他の吸着物を脱離させSnO表面をクリーニングすることが、電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサの経時安定性を向上する上で重要であり、検出前に一旦センサ温度を400〜500℃に加熱し(時間100ms)、その直後にそれぞれのガスの検出温度でガス検知を行なっている。
【0006】
このことから、低消費電力化のため薄膜ガスセンサではセンサのoff時間が、センシングのための時間に比べて圧倒的に長い、すなわち、圧倒的に長時間センサは室温状態にあることになる。検知ガスは活性炭を通じてガス拡散で、センサの検知部であるSnO表面に到達するようなセンサ構造であり、センサを劣化させる被毒ガスまたは検知を阻害するNOx,SOxもしくは炭化水素系ガスなどは活性炭に吸着することで、検知部であるSnO表面に到達しないような配慮がされており、長期にわたり経時安定性を維持するような工夫がされている。
【0007】
しかし、このような対策を施した電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサでも、高温高湿雰囲気が長時間継続するような極端な雰囲気にセンサをさらした場合、抵抗値が不安定になり経時安定性が悪くなることがある。その原因は明確ではないが、高湿度に長時間さらされた結果、雰囲気の水分が活性炭層を破過してセンサの検知部であるSnO表面に到達し、SnO表面が高湿度雰囲気に晒されるためと推定される。また、活性炭層が水分吸着により飽和することで、本来活性炭層で吸着すべき検知阻害物質NOx,SOxまたは炭化水素系ガスなどがSnO表面に到達することによる影響とも推定される。すなわち、センサのoff時間に、ガス感度を向上させるため多孔質にしたSnOの細孔への水分の吸着または検知阻害ガスの吸着により、センサ抵抗値が不安定になるものと考えられる。
【0008】
本来、400〜500℃に加熱するクリーニングにより吸着物を脱離し、SnO表面を常時クリーニングすることで経時安定性が確保されるはずであるため、クリーニング時間を数倍に延長しての試験を行なったが、経時安定性は改善されていない。このような現象は、特に低温でガス検知を行なうCOセンサでの経時安定性に顕著に出現する。
そこで、上記のような問題を解決すべく、出願人はSnO薄膜のスパッタ時に、貴金属触媒を同時にスパッタ(co−sputtering)する手法を例えば特許文献2で提案している。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−298108号公報(図3、第3−4頁)
【特許文献2】
特開2000−292398号公報(図1、第3頁)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献2の方法ではSnO最表面だけでなく、SnO薄膜の内部細孔への貴金属触媒の担持が期待されたが、ほとんどの貴金属触媒成分がSnO結晶格子にとり込まれてしまってアクセプタ的な振るまいを示し、SnO薄膜の抵抗が顕著に高抵抗化するなどの問題を含むため実用化に到っていない。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、高温高湿下でも経時安定性に優れた電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成した後、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサにおいて、
前記ガス感知膜は、SnO感知膜の最表面層に貴金属触媒を成膜したことを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明においては、前記SnO感知膜の最表面層に成膜した貴金属触媒は、成膜厚みが0.5nm〜20nm、好ましくは1nm〜10nmの薄膜であることができ(請求項2の発明)、請求項1または2の発明においては、前記貴金属触媒のSnOに対する濃度が0.1wt%〜20wt%、好ましくは0.5wt%〜10wt%であることができ(請求項3の発明)、請求項1〜3のいずれかの発明においては、前記貴金属触媒はPdまたはPt、もしくはPdとPtの混合物を主成分とするものであることができる(請求項4の発明)。
【0013】
請求項5の発明では、薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成した後、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサにおいて、
前記貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜が、SnO薄膜と貴金属触媒薄膜を交互に成膜した積層構造で、貴金属同士が互いに孤立したアイランド状に成膜されており、貴金属触媒薄膜の面内および面間のいずれの方向にも貴金属同士の電気的な導通がないことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明においては、前記SnO粒子は粒界を介して相互に接しており、膜面内および膜面間方向で電気的に導通していることができ(請求項6の発明)、請求項5または6の発明においては、前記貴金属触媒薄膜の膜厚は0.5nm〜10nm、好ましくは1nm〜6nmであり、SnO薄膜の膜厚は1nm〜100nm、好ましくは5nm〜50nmであることができ(請求項7の発明)、請求項5〜7の発明においては、前記貴金属触媒のSnOに対する濃度は0.1〜75重量%、好ましくは0.5〜20重量%であることができ(請求項8の発明)、請求項5〜8の発明においては、前記貴金属触媒はPdまたはPt、もしくはPdとPtの混合物を主成分とするものであることができる(請求項9の発明)。
【0015】
請求項10の発明では、薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成し、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサを製造するに当たり、
前記SnOからなるガス感知膜を成膜後、貴金属触媒層をアイランド状に成膜形成することを特徴とする。
【0016】
請求項11の発明では、薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成し、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサを製造するに当たり、
前記SnOからなるガス感知膜を成膜後、貴金属触媒化合物水溶液をSnOに含浸し、貴金属触媒をSnO薄膜表面に担持させることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明においては、前記貴金属触媒薄膜の成膜厚みが0.5nm〜20nm、好ましくは1nm〜10nmであることができ(請求項12の発明)、請求項11または12の発明においては、前記貴金属触媒のSnOに対する濃度が0.1wt%〜20wt%、好ましくは0.5wt%〜10wt%であることができ(請求項13の発明)、請求項10〜13の発明においては、前記貴金属触媒はPdまたはPt、もしくはPdとPtの混合物を主成分とするものであることができる(請求項14の発明)。
【0018】
SnO薄膜の表面にPdまたはPt、もしくはPdとPtの混合触媒などの貴金属触媒を分散,担持することで、ガス検知前のクリーニングによりセンサのoff時間にSnO薄膜表面に吸着した水分または検知阻害ガスを完全に脱離できるため、経時安定性に優れた電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサが得られる。特に、低温動作のCOセンサにおいては、貴金属触媒の分散,担持により、CO検出反応の安定性が向上することの相乗効果で顕著な経時安定性が得られる。
すなわち、図2の模式図に示されるように、貴金属触媒へ解離吸着した原子状酸素がスピルオーバ(あふれるまたはこぼれる)により、SnO薄膜表面上へ潤沢に供給されることで、クリーニング時のSnO薄膜表面上に吸着している検知阻害ガスの酸化分解が促進、またはOH基の脱離が促進され、SnO薄膜表面が充分リフレッシュされることで、経時安定性が向上する。さらに、低温動作のCOセンサにおいては、貴金属触媒へ解離吸着した原子状酸素がスピルオーバにより、SnO薄膜表面上へ潤沢に供給することで、CO酸化またはCO吸着の反応速度が向上し、経時安定性が向上する。
【0019】
また、積層構造のものでは、各貴金属触媒薄膜層は貴金属粒子が互いに孤立したアイランド状に成膜されており、貴金属触媒薄膜の面内および面間のいずれの方向にも貴金属同士の電気的な導通が無く、また各SnO薄膜においてはSnO粒子が相互に粒界を介して接しており、膜面内および膜面間のいずれの方向にも電気的な導通を有するように成膜することが重要である。
具体的には、貴金属触媒薄膜の膜厚は0.5nm以上で10nm以下、好ましくは1nm以上で6nm以下であり、SnO薄膜は1nm以上で100nm以下、好ましくは5nm以上で50nm以下であり、少なくとも4層(基板/SnO/触媒/SnO/触媒)以上繰り返した積層構造が必要である。積層構造では、貴金属触媒薄膜の膜厚が10nm以上では貴金属触媒がアイランド状にならず導通を生じる場合があり、0.5nm以下では触媒としての機能が弱い。
積層数が多いほど、また貴金属触媒薄膜の膜厚が厚いほど、貴金属触媒が多く担持されることとなり、センサの安定化に効果がある。担持量(貴金属触媒重量のSnO重量に対する割合(wt%:重量パーセント)は、貴金属触媒薄膜の膜厚とSnO薄膜の膜厚積層数とにより任意に決めることができる。貴金属の担持量は0.1wt%から75wt%、好ましくは0.5wt%から20wt%である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施の形態を示すセンサ断面図である。
両面に熱酸化膜を0.3μm形成したSi基板1の表面に、ダイアフラム構造の支持層2となるSiNとSiO膜を、順次プラズマCVD法にてそれぞれ0.15μm,1μm形成する。その上に接合層(1)としてTaを0.05μm形成後、連続して、ヒータ層3としてPtW(Pt+4wt%W)膜を0.5μm形成し、さらに連続して接合層(2)としてTaを0.05μm形成する。成膜はマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング方法によって行なう。条件は、成膜温度100℃、成膜パワー100W、成膜圧力1Paである。
【0021】
その後、微細加工により、ヒーターパターンを形成する。ウエットエッチングのエッチャントとして、Taには水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液を、Ptには王水をそれぞれ90℃に加熱して用いた。さらに、SiOなどの絶縁膜4をスパッタ法により1.0μm形成した後、微細加工により図示されていないヒータの電極パッド部分をHFによりエッチングして窓明け後、導通の確保とワイヤボンディング性を向上させるため、接合層(2)のTaを水酸化ナトリウムと過酸化水素混合液で除去する。
【0022】
次に、下地のSiOとの密着性向上のため中間層Taを0.05μm形成後、連続してPt感知膜電極5を0.2μm成膜する。成膜はマグネトロンスパッタリング装置を用い、通常のスパッタリング方法によって行なう。条件は、成膜温度100℃、成膜パワー100W、成膜圧力1Paである。その後、ヒータ層3と同様ウエットエッチにより、一対の感知膜SnOの抵抗測定用感知膜電極5をパターニングする。
その後、微細加工でSnO感知膜を成膜する部分のみ開口し、それ以外をレジストで被覆してパターンを形成する。次に、上記のパターニングが施されたウエハーをスパッタチャンバーにセットし、ガスの感知膜であるSnO6をスパッタで成膜する。SnO感知膜6のサイズは100μmで、成膜条件は300W,1Pa,Ar+O2中100℃で、膜厚は約2μmである。
【0023】
続いて、この発明に関わるSnO感知膜上へ触媒層を形成する方法について説明する。
SnO感知膜を成膜後、さらにPdをスパッタで成膜する。Pdのスパッタ成膜は、真空を破ることなく連続成膜しても良いし、一旦真空を破って別のスパッタ装置で成膜しても構わない。Pdの成膜条件は30W,1Pa,Ar+O2中100℃で、膜厚は▲1▼0.5nm、▲2▼1nm、▲3▼5nm、▲4▼10nm、▲5▼100nm、▲6▼500nmで試作した。比較のために、No.13にPd無しの素子も用意した。なお、丸付き数字は素子の番号を示し、以下同様とする。No.1〜No.9までは丸付き数字「▲1▼〜▲9▼」を使用する場合もあるが、No.10以上は専ら「No.」のみで表現することとする。
【0024】
図3に、スパッタで成膜したPd層/SnO感知膜の模式断面図を示す。同図(a)は全体を示し、同図(b)に部分的に拡大して示す。
図3(b)から、スパッタで成膜したPd層は、SnO感知膜の表層部に殆どが付着し、柱状成長したSnOの細孔内への付着は少ないことが分かる。
Pd成膜後(Pd無しの素子は、SnO成膜後)レジストを剥離液で除去し、
Pd触媒付きSnO感知膜、およびPd触媒無しSnO感知膜を試作した。なお、Pd触媒無しSnO感知膜素子は、比較のための従来構造の素子として用いるとともに、以下に述べる含浸法により貴金属触媒を担持する素子の実験に用いた。
【0025】
以下、含浸法について説明する。
Pd触媒無しSnO感知膜ウエハーを、貴金属の化合物の水溶液に含浸し、熱分解によりSnO感知膜表面に貴金属触媒を分散させるものである。なお、この発明の成膜条件でスパッタ成膜した、SnO感知膜の細孔がもたらす空孔容積は約20%である。
1wt%のPdを含むジニトロジアミンPd硝酸水溶液中にウエハーを10分間浸漬し、SnO感知膜の細孔へジニトロジアミンPd硝酸水溶液を含浸する。取り出したウエハー表面に余分に付着したジニトロジアミンPd硝酸水溶液を、Nブローなどで吹き飛ばす。このとき、SnO感知膜の細孔へ含浸されたジニトロジアミンPd硝酸水溶液は毛細管力で保持されており、Nブローで飛散することはない。
【0026】
その後、ウエハーを電気炉で空気気流中150℃で60分乾燥後、さらに空気気流中で500℃で1時間分解し、Pdを担持する。1回の操作で約0.3wt%のPdがSnO感知膜に担持される。この操作を繰り返すことで、操作回数×0.3wt%のPdがSnO感知膜に担持されることになる。ジニトロジアミンPd硝酸水溶液中のPd濃度を上昇させることで、1回の操作でのPd担持量を多くすることも可能であり、逆にPd濃度を減少させることで、1回の操作でのPd担持量を少なくすることも可能である。Pd濃度を上昇させる場合は、ジニトロジアミンPd硝酸水溶液への溶解度から7wt%以下が好ましい。
【0027】
上記操作により、▲7▼0.05wt%、▲8▼0.1wt%、▲9▼1wt%、5wt%(No.10)、10wt%(No.11)、20wt%(No.12)のPdを担持したSnO感知膜を得ることができた。
図4に、以上のような含浸法で得たPd/SnO感知膜の模式断面図を示す。同図(a)は全体を示し、同図(b)に部分的に拡大して示す。
図4(b)から、含浸法で担持したPd層はSnO感知膜の表層部だけでなく、柱状成長したSnOの細孔内への付着も均一であることが分かる。なお、Pdは空気気流中で分解しているため、大部分がPdOになっている。また、No.13は、比較のために試作したSnO感知膜にPdを担持していない従来構造の素子である。
【0028】
次に、アルミナ粒子にPtおよびPd触媒を担持させた粉末をバインダとともにペーストとし、スクリーン印刷によりSnOの表面に塗布,焼結させて約30μm厚の選択燃焼層(触媒フィルタ)7を形成する。この選択燃焼層7により、ガスセンサの感度,ガス種選択性,信頼性が向上する。最後に、基板の裏面からドライエッチによりSiを400μm経の大きさにて完全に除去し、ダイアフラム構造とする。
ここで、ヒータ層(Ta/PtW/Ta)と感知膜電極(Ta/Pt)のパターニングの際には、きのこかさ状に形成された2種のメタル層をマスクとした一種のリフト法(例えば、特開2000−065773号公報参照)を用いても良い。
【0029】
続いて、上記方法により作製されたパルス駆動の薄膜ガスセンサNo.1〜No.13を40℃、相対湿度80%の環境下で動作させた場合の、300ppmCO/空気に対する抵抗値の経時変化を表1に示す。なお、スパッタ成膜法でPd層を形成したセンサはNo.1〜No.6(▲1▼〜▲6▼)であり、含浸法でPd層を形成したセンサはNo.7〜No.12で、比較のための従来構造センサはNo.13である。また、パルス駆動条件/測定条件は以下の通りである。
検出サイクル:150秒
クリーニング温度×時間=450℃×200msec
CO検出温度×検出タイミング=100℃×100℃に加熱後500msec後
【0030】
【表1】
Figure 2005017182
【0031】
上記表1から、この発明の素子No.2〜No.5(▲2▼〜▲5▼)、No.8〜No.11が高温,高湿の厳しい条件下でも、300ppmCO/空気に対する抵抗値の経時変化がなく安定していることが分かる。それに比べPdの付着量,担持量が少ないNo.1とNo.7の素子は、比較のために試作した従来構造の素子(No.13)と同様、試験時間とともに抵抗値が増加し、50日後には抵抗値が1桁以上変化する。Pdの付着量,担持量が最も多いNo.6,No.12は初期で抵抗値が1桁低い。これは、本来アイランド状にならないPd粒子が、Pdの付着量,担持量が多すぎてお互いに接するため、Pdに電気的な導通が生じたためと考えられる。No.6,No.12の素子のCOが無い空気中抵抗値を測定したところ、300ppmCO/空気に対する抵抗値とほとんど同じであり、CO感度が無いことも分かっている。2000ppmCH4/空気でも300ppmCO/空気に対する経時変化ほど顕著ではないが、同様の結果が得られており、SnOにPd触媒を付着,担持することで、抵抗値の経時変化が無く安定したパルス駆動の薄膜ガスセンサが得られた。
【0032】
このような高温高湿下での抵抗値の経時変化は、パルス駆動の薄膜ガスセンサに特有の現象であり、No.13の素子を常時100℃以上に加熱する駆動モードで試験すると、上記抵抗値の経時変化は起こらない。
高温高湿下でのパルス駆動の薄膜ガスセンサの抵抗値の経時変化は、off時間における水分などの吸着が原因と推定されるが、明確には分からない。この発明では、PdをSnO表面に付着,担持することで顕著な改善が認められているが、その原因は図2に示すようなPd上でのスピルオーバ酸素のSnO表面への潤沢な供給、それに伴うクリーニング反応の促進、Pd触媒のCO,CH4検知反応の促進などいろいろ考えられる。
また、以上ではPd触媒の例で説明したが、その代わりにPt,Pt−Pdの合金触媒などの貴金属触媒を用いることができる。さらに、含浸法で触媒を担持する化合物としてジニトロジアミン化合物を用いたが、塩化物などの化合物でも良い。
【0033】
次に、SnO薄膜と貴金属触媒薄膜を交互に成膜して積層構造の感知膜(Pt/SnO)nを形成する例について説明する。
感知膜のサイズは、100μmとする。また、SnO層の成膜条件は成膜パワー50W,成膜圧力1Pa,成膜雰囲気Ar+O2中,成膜温度100℃で、各層の膜厚は成膜時間で制御される。上記条件でSnOとPtの成膜レートは、それぞれ5nm/2.5nmとなる。なお、積層膜(Pt/SnO)nのトータル膜厚は〜1μmとする。スパッタ装置はSnO,Ptの両ターゲットを具備しており、ターゲットを切り替えることでSnO,Ptと交互に成膜することができる。
【0034】
最初にSnO層を、100nm成膜する。その後Ptを3nm成膜し、次にSnOを18nm成膜する。さらに、Ptを2nm、SnOを18nmの成膜を45回繰り返し、最表面はPt成膜で終了する。これにより、トータル膜厚は1μmの感知膜(Pt/SnO)nを得る。Ptの担持量は約30wt%となる。
図5に積層膜(Pt/SnO45の模式断面図を示す。SnOはPt上にもSnO上と同様な成膜をするため、Ptの一部はSnOに被覆される。従って、気相と接する(表面にでている)Ptの濃度としては<10%と推定される。図5に示すように、SnO粒子とPt粒子が帯状に成膜され、Ptはアイランド(島)状になる。SnO粒子は3次元的に連結し、電気的には互いに導通する。スパッタでPtを成膜するとその殆どはSnO粒子最表面に堆積し、一部はSnO粒子同士が作る細孔の中にも堆積する。SnO粒子同士が作る細孔径は10〜20nmと狭いため、細孔の深いところまではPt粒子は入り込まない。こうして感知膜を成膜した素子を「A」とする。
【0035】
比較のため、感知膜を1μm厚のSnOにした従来素子(素子C)と、1μm厚のSnO感知膜を成膜後、さらに連続してPtを3nmスパッタで成膜した素子(素子B)とを試作し、この発明の素子Aとともに後工程を進めた。素子Bでは1μm厚のSnOの最表面に3nm厚のアイランド状Ptが堆積した感知膜構造となる。
上記の感知膜構造を成膜後、レジストを剥離液で除去し、積層膜(Pt/SnO45感知膜,SnO感知膜,3nmPt/SnO感知膜を有する3種類の素子A,B,Cを試作した。
【0036】
次に、アルミナ粒子にPtおよびPd触媒を担持させた粉末をバインダとともにペーストとし、スクリーン印刷により感知膜の表面に塗布,焼結させ約30μm厚の選択燃焼層(触媒フィルタ)を形成する。選択燃焼層によりガスセンサの感度,ガス種選択性,信頼性が向上する。最後に基板の裏面からドライエッチにより、Siを400μm径の大きさにて完全に除去し、ダイアフラム構造とする。
ここで、ヒータ層(Ta/PtW/Ta)と感知膜電極(Ta/Pt)のパターニングの際には、先に挙げた特開2000−065773号公報のように、きのこかさ状に形成された2種のメタル層をマスクとした一種のリフト法を用いても良い。
続いて、上記方法により作製されたパルス駆動の薄膜ガスセンサA,B,Cを40℃,相対湿度80%の環境下で動作させた場合の300ppmCO/空気に対する抵抗値の経時変化を表2に示す。
【0037】
【表2】
Figure 2005017182
表2のパルス駆動条件/測定条件は以下の通りである。
検出サイクル:150秒
クリーニング温度×時間=450℃×200msec
CO検出温度×検出タイミング=100℃×100℃に加熱後500msec後
【0038】
表2から素子Aが高温高湿の厳しい試験条件下で150日経過後も、300ppmCO/空気に対する抵抗値の経時変化が無く安定していることが分かる。これに比べ素子Cは2桁以上も素子抵抗が上昇する。また、素子Bでは50日程度では安定であるが、それ以上の経過日数でやや抵抗値が上昇する傾向がある。
2000ppmCH4/空気でも、300ppmCO/空気に対する経時変化ほど顕著ではないが同様の結果が得られており、SnO薄膜最表面だけでなく内部の細孔内部へ高分散でPtを担時することで、抵抗値の経時変化が無く安定したパルス駆動の薄膜ガスセンサを得ることができる。このような高温高湿下での抵抗値の経時変化は、パルス駆動の薄膜ガスセンサに特有の現象であり、上記素子B,Cを常時100℃以上に加熱する駆動モードで試験しても、抵抗値の経時変化は起こらない。
【0039】
高温高湿下でのパルス駆動の薄膜ガスセンサの抵抗値の経時変化は、off時間における水分などの吸着が原因と推定されるが、明確には分からない。この発明ではSnO薄膜最表面だけでなく内部の細孔内部へ高分散でPtを担時することで、顕著な改善が認められているが、その原因は先の図2で説明したPt上でのスピルオーバ酸素のSnO表面への均一で潤沢な供給、それに伴うクリーニング反応の促進、Pd触媒のCO,CH4検知反応の促進などいろいろ考えられる。
以上では、Pt触媒の例を説明したが、Ptの代わりにPd,Pt−Pdの合金触媒などの貴金属触媒を用いても良い。
【0040】
また、積層構造のものでは、最初にSnO層を100nm成膜したが、最初からPtを2nm,SnOを18nmの繰り返しでも同様の効果が得られる。また、Pt/SnOの膜厚比は一定でなくても良く、さらに成膜の最初をSnOで最後はPtとしたがその逆でも良いし、成膜の最初と最後が同一でも良い。
成膜方法もスパッタでなく蒸着やCVD(化学気相成長)法によっても良い。
【0041】
【発明の効果】
請求項1〜4,10〜14の発明によれば、スパッタなどで成膜したSnO薄膜の表面にPdまたはPt、もしくはPd+Pt混合触媒などの貴金属触媒を分散,担持することで、高温高湿下でも可燃性ガス検出時の抵抗値の経時変化安定性に優れた電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサを得ることができる。
請求項5〜9の発明によれば、PdまたはPt、もしくはPd+Pt混合触媒などの貴金属触媒を、SnO薄膜最表面だけでなく内部の細孔内部へ高分散で担持することで、ガス検知前のクリーニングによりセンサのoff時間にSnO薄膜表面に吸着した水分、または検知阻害ガスを完全に脱離できるため、経時安定性に優れた電池駆動(パルス駆動)の薄膜ガスセンサを得ることができる。特に、低温動作のCOセンサにおいては、貴金属触媒の分散,担持により、CO検出反応の安定性が向上するという相乗効果で顕著な経時安定性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す薄膜ガスセンサの断面構成図
【図2】酸素のスピルオーバを説明する説明図
【図3】スパッタ法で製造された感知膜の模式図
【図4】含浸法で製造された感知膜の模式図
【図5】スパッタ法で製造された積層感知膜の模式図
【符号の説明】
1…Si基板(ダイアフラム)、2…支持層及び熱絶縁層、3…ヒーター層、4…絶縁層、5…感知層電極、6…感知層、7…選択燃焼層(触媒フィルタ)。

Claims (14)

  1. 薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成した後、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサにおいて、
    前記ガス感知膜は、SnO感知膜の最表面層に貴金属触媒を成膜したことを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  2. 前記SnO感知膜の最表面層に成膜した貴金属触媒は、成膜厚みが0.5nm〜20nm、好ましくは1nm〜10nmの薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜ガスセンサ。
  3. 前記貴金属触媒のSnOに対する濃度が0.1wt%〜20wt%、好ましくは0.5wt%〜10wt%であることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜ガスセンサ。
  4. 前記貴金属触媒はPdまたはPt、もしくはPdとPtの混合物を主成分とするものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜ガスセンサ。
  5. 薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成した後、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサにおいて、
    前記貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜が、SnO薄膜と貴金属触媒薄膜を交互に成膜した積層構造で、貴金属同士が互いに孤立したアイランド状に成膜されており、貴金属触媒薄膜の面内および面間のいずれの方向にも貴金属同士の電気的な導通がないことを特徴とする薄膜ガスセンサ。
  6. 前記SnO粒子は粒界を介して相互に接しており、膜面内および膜面間方向で電気的に導通していることを特徴とする請求項5に記載の薄膜ガスセンサ。
  7. 前記貴金属触媒薄膜の膜厚は0.5nm〜10nm、好ましくは1nm〜6nmであり、SnO薄膜の膜厚は1nm〜100nm、好ましくは5nm〜50nmであることを特徴とする請求項5または6に記載の薄膜ガスセンサ。
  8. 前記貴金属触媒のSnOに対する濃度は0.1〜75重量%、好ましくは0.5〜20重量%であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の薄膜ガスセンサ。
  9. 前記貴金属触媒はPdまたはPt、もしくはPdとPtの混合物を主成分とするものであることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の薄膜ガスセンサ。
  10. 薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成し、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサを製造するに当たり、
    前記SnOからなるガス感知膜を成膜後、貴金属触媒層をアイランド状に成膜形成することを特徴とする薄膜ガスセンサの製造方法。
  11. 薄膜状の支持膜の外周または両端部をSi基板により支持し、外周部または両端部が厚く中央部が薄く形成されたダイアフラム様の支持基板上に薄膜のヒータを形成し、この薄膜のヒータをSiOを含む電気絶縁膜で覆い、その上にガス感知膜用の電極を形成し、さらに貴金属触媒とSnOを主成分とする薄膜からなるガス感知膜を形成し、その最表面にガス感知膜を完全に被覆するように形成した触媒担持多孔質アルミナからなる触媒フィルタ層(選択燃焼層)を具備した薄膜ガスセンサを製造するに当たり、
    前記SnOからなるガス感知膜を成膜後、貴金属触媒化合物水溶液をSnOに含浸し、貴金属触媒をSnO薄膜表面に担持させることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  12. 前記貴金属触媒薄膜の成膜厚みが0.5nm〜20nm、好ましくは1nm〜10nmであることを特徴とする請求項10に記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
  13. 前記貴金属触媒のSnOに対する濃度が0.1wt%〜20wt%、好ましくは0.5wt%〜10wt%であることを特徴とする請求項11または12に記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
  14. 前記貴金属触媒はPdまたはPt、もしくはPdとPtの混合物を主成分とするものであることを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載の薄膜ガスセンサの製造方法。
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