JP2002323773A - フォトレジスト・パターンの形成方法 - Google Patents

フォトレジスト・パターンの形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエーハなどの電子部品基板上のフォ
トレジスト・パターンを現像する装置および方法を提供
する。 【解決手段】 特定の現像液組成物と、特定のリンス液
組成物とを順次用いて、露光したフォトレジスト・パタ
ーンを現像し、次いで現像したパターンをリンスする。
現像液組成物およびリンス液組成物はどちらもアニオン
界面活性剤を含んでおり、これらの溶液を順次用いる
と、約3を超えるアスペクト比で線幅150nm未満な
どの小さいフィーチャを形成するときでも、パターンの
崩れが防止されたレジスト・パターンが得られる。好ま
しいアニオン界面活性剤は、ペルフルオロアルキルスル
ホン酸アンモニウムおよびペルフルオロアルキルカルボ
ン酸アンモニウムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に集積回路用
半導体などの電子部品の製作に関し、特に、後続のエッ
チング除去ステップまたは材料付加ステップのためにウ
エーハ表面上にレジスト・パターンを形成する、集積回
路製造のマイクロリソグラフィ・ステップにおけるレジ
スト・パターンの崩れ(collapse)を回避する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ウエーハなどの、薄膜集積回路や半導体
デバイスなどの電子部品基板上に電気回路を製作するに
は、マイクロリソグラフィ・プロセスを用いて回路パタ
ーンを画定する必要がある。リソグラフィ・プロセス
は、後続のエッチング除去または材料付加のために基板
のある領域を画定するものである。集積では、電気回路
の線幅を含めたフィーチャ寸法を引き続き縮小する傾向
にある。
【0003】フォトリソグラフィでは、パターン付き露
光に基づいて3次元のレリーフ像を生成し、その後でウ
エーハ表面上の感光性フォトレジストを現像する。半導
体業界では超微細パターンをプリントするためにマイク
ロリソグラフィが使用されているが、レジスト像を形成
するための基本ステップは、通常の光学的リソグラフィ
と本質的に同じである。
【0004】大まかに言って、放射線感応性フォトレジ
ストをウエーハなどの基板に塗布し、次いで通常はマス
クを通してイメージの露光をフォトレジストに移す。露
光によって、現像液と呼ばれる適当な溶媒による露光領
域の溶解性が、使用するフォトレジストの種類に応じて
増大または低下する。ポジ型フォトレジスト材料は、露
光領域で溶けやすくなり、一方、ネガ型フォトレジスト
は、露光領域で溶けにくくなる。露光後、基板のある領
域では現像液で溶解されて、パターン付きフォトレジス
ト膜で覆われなくなるので、開いたパターンの領域内
に、エッチングまたは材料を付着させることによって、
回路パターンを形成することができる。
【0005】マイクロリソグラフィ用フォトレジスト処
理に係わる基本ステップは、まず基板を洗浄し、フォト
レジストを付着させるために基板を下塗りすることであ
る。次いで、通常はレジストをウエーハ表面にスピン・
コーティングすることによって、ウエーハ基板をフォト
レジストで被覆する。スピン・コーティング法は、通常
3段階からなる。すなわち、フォトレジストをウエーハ
表面に配量し、ウエーハを最終回転速度へ加速し、次い
でウエーハを定速でスピンさせてレジスト膜を広げ、乾
燥する。スピニング段階の後、コーティングは、通常、
厚さ約0.1〜10マイクロメートルの比較的均一で対
称的な流れプロフィル(profile)となる。スピン・コ
ーティングを、通常、3,000〜7,000rpmの
速度で20〜60秒間実施して、直径150mmのウエ
ーハ全面に均一性±100Åのコーティングを生成す
る。スピン・コーティングの後、通常、ウエーハをソフ
ト・ベークしてレジストから溶媒を除去する。
【0006】次いで、フォトレジストを露光して、レジ
ストに所望のパターンを形成する。次いで、通常、露光
前ベークを行い、次いでレジストを現像液で現像してレ
ジストの不要部分を除去し、所望のレジストパターンを
形成する。現像は、ウエーハを現像液に浸漬するか、レ
ジスト表面に現像液の溶液をスプレイすることによって
行う。パドル技術を用いることもできる。これは、現像
液の溶液をウエーハの表面にパドルまたは滴下し、次い
でウエーハを(レジスト材料の塗布と同様に)スピニン
グさせて現像液をウエーハ表面全体に同時に広げるもの
である。上記の現像技術は、米国特許第6,159,6
62号明細書に記載されており、この特許を本明細書中
で参考として援用する。
【0007】次いで現像プロセスを停止させるために、
現像液をリンス溶液で基板表面からリンスする。これ
も、通常、上記のように、浸漬、スプレイ、またはパド
リングによって行われる。
【0008】現像後ベーク・ステップは、通常、残留溶
媒の除去、接着性改良、およびレジストのエッチング耐
性の増大のために実施する。ウエーハは、次いで所望の
結果に応じて、エッチングまたは材料の付加によって処
理することができる。
【0009】困ったことに、業界の需要はより小さいフ
ィーチャ寸法を必要としているので、レジストによって
画定される線幅も同様により狭くなっている。しかし、
レジスト・パターンの高さを著しく小さくすることはで
きない。機能性を保つためには、パターンはある高さま
たは厚さを持たなければならないからである。レジスト
の高さとレジストによって画定される直立線の幅の比
は、アスペクト比と呼ばれ、アスペクト比が高い線付き
パターンが形成されるときは、このレジスト・パターン
は倒れたり崩れやすいので深刻な問題が起こる。
【0010】日本のTanaka等の論文「Mechanism
of Resist Pattern Collapse During Development Proc
ess」(J. Appl. Phys. vol. 32 (1993) pps. 6059-606
4)が、微細レジスト・パターンの崩れの問題を論じてい
る。崩れの一形態では、パターンの先端が互いに接触
し、パターンの崩れによって、レジスト・パターンの曲
がり、破れ、引き裂き、または剥れをもたらし、そのた
めに、パターン付きウエーハは、その後の処理に不適当
なものになってしまう。
【0011】イメージの崩れは、ウエーハ上のフィーチ
ャがより小さくなると、例えば、アスペクト比が約3よ
り大きく線の幅が150nmより狭い場合に特に深刻な
問題である。当分野の技術者なら理解するように、アス
ペクト比が増大し線幅が狭くなるにつれてこの問題はよ
り顕著になり、アスペクト比6でかつ線幅100nmの
線では、崩れの問題は非常に重大である。
【0012】当業界では、崩れの問題を解決するため
に、いくつかの解決方法を試みてきた。上記のTana
ka論文では、レジスト・パターン崩れの原因はリンス
液の表面張力であると推論し、第三ブチルアルコールと
水の、容積パーセント混合比が50:50の混合物な
ど、低表面張力リンス液が提案された。Namatsu
等の論文「Super Critical Resist Dryer」(J. Vac. Sc
i. Technol. B 18(2), March/April 2000)には、パター
ン崩れを防ぐために超臨界レジスト・ドライヤを用いる
ことが提案されている。米国特許第4,784,937
号明細書は、フォトレジスト層の露光領域と非露光領域
の間の溶解選択性を向上させるために、ポジ型フォトレ
ジスト用組成物について、水酸化テトラメチルアンモニ
ウムなど有機塩基およびアニオン性または非イオン性の
フッ素含有界面活性剤を含んだ現像水溶液の使用を開示
している。米国特許第5,474,877号明細書は、
フォトレジスト・パターンの崩れを回避するために、沸
点付近のリンス液を使用してリンス液の表面張力を低下
させたフォトレジスト・パターンの現像方法を開示して
いる。上記の文献および特許を、本明細書中で参考とし
て援用する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の問題および
欠陥を念頭におくと、本発明の一目的は、現像したフォ
トレジストのパターン崩れを防止するための、半導体ウ
エーハなどの電子部品基板上のフォトレジスト・パター
ンを現像する方法を提供することである。
【0014】本発明の他の目的は、現像したフォトレジ
ストのパターン崩れを防止するための、半導体ウエーハ
などの電子部品基板上のフォトレジスト・パターンを現
像する装置を提供することである。
【0015】本発明の他の目的は、本発明の方法および
装置を用いて現像した、半導体ウエーハを含む電子部品
基板を提供することである。
【0016】本発明の他の目的は、本発明の方法および
装置を用いて現像した電子部品基板を用いて製造した、
半導体ウエーハなどの電子部品を提供することである。
【0017】本発明の他の目的および利点は、一部は自
明であり、一部は本明細書から明らかであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】当分野の技術者には明白
な上記および他の目的および利点は、第1の態様におい
て、現像したパターンの崩れを防止するための、半導体
ウエーハなどの電子部品基板上のフォトレジスト・パタ
ーンを現像する方法を対象とした、本発明において達成
される。この方法は、以下のステップを含む。電子部品
基板上にフォトレジスト膜をコーティングするステッ
プ、前記フォトレジスト膜を所定のパターンに露光する
ステップ、露光した前記フォトレジスト膜に現像液組成
物を供給して、前記フォトレジスト・パターンを現像す
るステップであって、前記現像液組成物が、前記パター
ンの崩れを防止するのに十分な量のアニオン界面活性剤
を含んでいるステップ、前記フォトレジスト膜を現像し
て、所定の前記フォトレジスト・パターンを形成し、前
記基板を濡れた状態に保つステップ、現像した濡れた前
記基板上にリンス水溶液を供給するステップであって、
前記リンス水溶液が、前記パターンの崩れを防止するの
に十分な量の純水およびアニオン界面活性剤を含むステ
ップ、現像した前記基板をリンスするステップ、およ
び、現像した前記基板を乾燥して、所定のフォトレジス
ト・パターンを有する電子部品基板を形成するステッ
プ。
【0019】本発明の他の態様では、現像したパターン
の崩れを防止するための、半導体ウエーハなどの電子部
品基板上のフォトレジスト・パターンを現像する装置を
提供する。この装置は、以下の手段を含む。フォトレジ
スト膜を電子部品基板にコーティングするコーティング
手段、前記フォトレジスト膜を所定のパターンに露光す
る露光手段、露光した前記フォトレジスト膜上に現像液
組成物を供給する供給手段であって、前記現像液組成物
が、前記パターンの崩れを防止するのに十分な量のアニ
オン界面活性剤を含んでいる手段、前記フォトレジスト
膜を現像して、所定の前記フォトレジスト・パターンを
形成し、前記基板を濡れた状態に保つ現像手段、現像し
た濡れた前記基板上にリンス液組成物を供給する供給手
段であって、前記リンス液組成物が、前記パターンの崩
れを防止するのに十分な量の水およびアニオン界面活性
剤を含む手段、現像した前記電子部品基板をリンスする
リンス手段、および、現像した前記基板を乾燥して、所
定のフォトレジスト・パターンを有する電子部品基板を
形成する乾燥手段。
【0020】本発明の他の態様では、電子部品基板上の
フォトレジストを現像して、現像した基板のパターン崩
れを防止するために、本発明の方法および装置が用いら
れる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、プリント回路板、集積
回路、マイクロ電子機械式デバイス、磁気ディスク部品
などの様々な電子部品基板上のフォトレジスト・パター
ンの現像に適用でき、特に、150nm未満の線幅およ
び約3を超える高いアスペクト比を特徴とする、フィー
チャ寸法が小さい半導体ウエーハ上のフォトレジスト・
パターンの現像に適用できる。便宜上、以下の説明は、
半導体ウエーハへのポジ型フォトレジストの使用を対象
とするが、他のタイプのフォトレジストおよび他のタイ
プの電子部品基板も本発明の方法および装置で使用でき
ることを、当分野の技術者なら理解されよう。ネガ型レ
ジストも使用することができる。
【0022】本発明を大まかに言えば、半導体ウエーハ
上のフォトレジスト・パターンを現像するための方法お
よび装置を含み、その際、現像液組成物およびリンス液
組成物の両方を順次使用し、両方がアニオン界面活性剤
を含有しているものである。現像液組成物およびリンス
液組成物のどちらにもアニオン界面活性剤を用いると、
現像したウエーハ基板のパターン崩れの問題を最少限に
抑えまたは防止することができ、あるいはそのどちらも
できることがわかった。
【0023】本発明の方法および装置には、どんなフォ
トレジストを使うこともできるが、上記のように、以下
の説明は、米国特許第6,043,003号明細書に記
載のKRS(ケタール・レジスト・システム)などのポ
ジ型フォトレジストを対象とする。同様に、所定のパタ
ーンにフォトレジスト膜を露出させる、紫外線、電子ビ
ーム、X線、イオン・ビームなど、どんな方法も使用す
ることができる。
【0024】半導体ウエーハ表面上にフォトレジスト膜
を形成した後、膜をソフトベークして溶媒を除去するこ
とが好ましく、これは通常、ホット・プレート上で、温
度約90℃〜150℃で30〜120秒間行う。ただ
し、用いるフォトレジストに応じて、任意の適切な時
間、温度、およびベーキング装置を使用することができ
る。
【0025】次いでフォトレジストを露光するが、これ
は、投影や直接描画など、当分野の任意の標準技術およ
び従来技術を用いて行うことができる。露光の後、潜像
を増幅するために、70〜150℃で約1〜2分間、露
光したフォトレジスト膜をベークすることが好ましい。
【0026】半導体ウエーハ上のフォトレジスト像を現
像するために用いられる方法には、基本的に4つの方法
があり、これには、静止、浸漬、スプレイ、およびパド
ル現像が含まれる。それぞれの方法では、当技術分野の
技術者なら理解するように、現像時間および温度を注意
深く制御する必要がある。上記の米国特許第6,15
9,662号明細書は、現像プロセスを論じている。
【0027】静止方法では、露光したウエーハ表面に現
像液を加え、パターンを現像するのに十分な時間経過
後、ウエーハ表面にリンス液組成物を加える。リンスの
後、ウエーハを乾燥する。
【0028】浸漬プロセスは、露光した半導体ウエーハ
を現像液組成物の浴に所定時間浸漬し、次いでウエーハ
を浴から取り出すことから基本的に構成されている。ウ
エーハを浸漬浴から取り出した後、リンス液組成物の浴
に浸漬する。現像用浸漬およびリンスのどちらにも同じ
タンクを使用する置換リンス法を使うことができる。現
像したウエーハを浸漬する代わりに、浸漬したウエーハ
にスプレイすることによってリンスすることもできる。
【0029】スプレイ現像法では、露光したウエーハ
に、所定時間、通常約1〜2分間、現像液組成物をスプ
レイしてパターンを現像する。次いで現像したウエーハ
にリンス液組成物をスプレイして、ウエーハ表面から現
像液をリンスする。リンス組成物は、通常、約1〜2分
間スプレイし、次いで空気乾燥など通常の技術を用いて
乾燥する。
【0030】好ましい実施形態では、その効果が実証さ
れているので、パドル現像プロセスを用いている。この
プロセスでは、ウエーハが静止している状態で、露光し
た半導体ウエーハ上に現像液組成物をパドルし、次いで
ゆっくりと、例えば100rpmでウエーハをスピニン
グさせて現像液組成物をウエーハ表面の全面に分配す
る。次いで、パターンを現像するのに十分な現像時間、
例えば1〜2分間、ウエーハ表面上に現像液が付着した
まま放置する。次いで通常はウエーハが静止している状
態で、濡れたままのウエーハ表面上にリンス液組成物を
パドルし、現像液組成物と同様にスピニングさせてウエ
ーハをリンスする。リンス処置の後、リンスしたウエー
ハを、通常はスピン乾燥によって乾燥する。
【0031】現像液組成物に関しては、この現像液組成
物が以下に定義するアニオン界面活性剤を含むという条
件で、任意の適当な市販の現像液組成物を本発明で使用
することができる。通常、現像液組成物は塩基性であ
り、主成分として水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
ケイ酸ナトリウムなどを含むこともできるが、塩基性成
分が水酸化テトラメチルアンモニウムなど金属イオンの
ない塩基性有機化合物であることが特に好ましい。
【0032】上記の米国特許第4,784,937号明
細書に記載されているように、金属イオンのない塩基性
有機化合物が、本発明の方法で用いられる現像液組成物
の主成分であり、このタイプの現像溶液で通常用いられ
るどんな既知の化合物でもよい。こうした塩基性有機化
合物の代表的なものは、アルキレンジアミン、例えば
1,3−ジアミノプロパン、およびアリールアミン、例
えば4,4’−ジアミノジフェニルアミンなどの脂肪族
および芳香族アミン化合物、さらにビス(ジアルキルア
ミノ)イミン、環構成原子として3〜5個の炭素原子お
よび窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され
たヘテロ原子1個または2個から形成された環構造を有
する複素環塩基、例えばピロール、ピロリジン、ピロリ
ドン、ピリジン、モルホリン、ピラジン、ピペリジン、
オキサゾール、およびチアゾール、低級アルキル第四ア
ンモニウム塩基、その他である。
【0033】上記の中で特に好ましいのは、アルキル基
がC1〜C4、または置換したC1〜C4である水酸化
テトラアルキルアンモニウムである。代表としては、水
酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、および水
酸化2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、す
なわちコリンがある。その他の水酸化アンモニウムに
は、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプ
ロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウ
ム、水酸化トリエチルメチルアンモニウム、水酸化エチ
ルトリメチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルア
ンモニウム、水酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウム、水酸化ジ(2−ヒドロキシエチル)
ジメチルアンモニウム、水酸化ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)ジエチルアンモニウム、水酸化トリ(2−ヒドロキ
シエチル)メチルアンモニウム、水酸化エチルトリ(2
−ヒドロキシエチル)アンモニウム、および水酸化テト
ラ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムが含まれる。
上記の金属イオンのない有機塩基は、必要に応じて単独
または2種以上の組み合わせとして使うことができる。
【0034】本発明の現像溶液は、通常、約11.0〜
13.5のpH範囲で、上記の塩基化合物を純水に溶解
することによって調製する。
【0035】通常の現像液組成物に使用されている任意
選択の添加物を、本発明の現像液組成物に使用すること
もでき、これには、安定剤および溶解助剤、および一価
アルコールが含まれる。この一価アルコールは、フォト
レジスト残渣を除去する働きをするものであり、これを
除去しないと、現像後この残渣は露光領域に残ったまま
である。これらの任意選択の添加剤は、本発明の現像溶
液に、必要に応じて単独または2種以上の組み合わせと
して添加することができる。
【0036】アニオン界面活性剤を、本発明の現像液組
成物およびリンス水組成物のどちらにも使用するのが、
本発明の重要な特徴である。
【0037】アニオン界面活性剤は、油溶性の大きな非
極性炭化水素末端と水溶性の極性末端とを備えているこ
とが特徴である。例えばラウリル硫酸ナトリウムの場合
は、C1122CH2基が非極性末端であり、OSO3 -
+が極性末端である。
【0038】アニオン性の洗剤類には、約8〜約24個
の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を
含む高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩、アルキルアンモニウム塩など一般のアルカリ金
属石鹸が含まれる。
【0039】この洗剤類にはまた、分子構造中に、約8
〜約22個の炭素原子を含むアルキル基と、スルホン酸
基、または硫酸基、または硫酸エステル基とを有する有
機硫黄反応生成物の水溶性の塩、特に非金属アンモニウ
ム塩が含まれる。(このアルキルという用語には、高級
アシル基のアルキル部分も含まれる。)本発明の好まし
い洗剤組成物の一部を形成するこの合成洗剤群の例に
は、アルキル硫酸アンモニウム、特に高級アルコール
(C8〜C19の炭素原子)を硫酸と反応させることによ
って得られるもの、およびアルキルベンゼンスルホン酸
アンモニウムがある。ただし、アルキル基は、直鎖また
は分枝鎖配置で約9〜約15個の炭素原子を含む。
【0040】アニオン性リン酸エステル界面活性剤もま
た本発明において有用である。これらは、疎水性部分に
結合しているアニオン性の可溶化基が、リンのオキシ酸
である界面活性材料である。より一般的な可溶化基は、
−SO4H、−SO3H、および−CO2Hである。(R
−O)2PO2H、およびROPO32などのアルキルリ
ン酸エステルが有用である。ただし、Rは、約8〜約3
0個の炭素原子を含むアルキル鎖を表す。
【0041】好ましいアニオン界面活性剤は、以下の一
般式で表されるフッ素含有界面活性剤である。 RfCOOM または R’fSO3M 上式で、RfおよびR’fは、それぞれ2〜20個の炭素
原子を有する一価の炭化水素基を示し、その水素原子の
少なくとも一部はフッ素原子で置換されている。Mは、
水素原子H、アンモニウムNH4、または第四アンモニ
ウムNR4を示し、Rはそれぞれ、他から独立して、水
素原子または1〜3個の炭素原子を有するアルキル基で
ある。より具体的には、界面活性剤としての活性を有す
る上記のタイプのフッ素含有カルボン酸およびスルホン
酸、ならびにこれらの塩には、直鎖または分枝鎖の、式
n2n+1COOHのペルフルオロカルボン酸、式Cn
2n+1SO3Hのペルフルオロアルカンスルホン酸、式Cn
2n+1m2mCOOHの部分フッ化カルボン酸、式Cn
2n+1C=CHCm2mCOOHの部分フッ化不飽和カ
ルボン酸、式Cn2n+1m2mSO3Hの部分フッ化ア
ルカンスルホン酸、および式Cn2n+1CH=CHCm
2mSO3Hの部分フッ化アルケンスルホン酸、ならび
に、これらのアンモニウム塩およびテトラアルキルアン
モニウム塩が含まれる。上式で、nおよびmは、それぞ
れ、1〜10および1〜15の正の整数である。
【0042】これらの分類に属する独特の化合物には、
ペルフルオロカプリル酸 C715COOH、ペルフル
オロオクタンスルホン酸 C817SO3H、ペルフルオ
ロカプリン酸アンモニウム C919COONH4、ペル
フルオロカプリル酸テトラメチルアンモニウム C7
15COON(CH34、C511(CH23COOH、
CF3(CF23CF(CF3)(CH210COON
4、CF3(CF26CH=CH(CH22COONH
4などが含まれるが、これらに限定されない。これらの
化合物は、必要に応じて単独または2種以上の組み合わ
せとして使うことができる。
【0043】現像液組成物は、約12〜13のpHを得
るために、通常、塩基を約10〜40g/lの量で含む
ものである。通常、0.21Nまたは0.26Nの溶液
が用いられる。アニオン界面活性剤は、本発明の方法お
よび装置で用いられる組成物について所望の抗崩れ性
(anti-collapse properties)を得るのに十分な量を現
像液組成物中に入れてあり、この量は、一般に約100
〜10,000ppm、またはそれ以上、好ましくは5
00〜5,000ppmである。
【0044】現像液組成物は、35℃までの様々な温度
またはそれ以上で用いることができるが、通常は約19
〜25℃、好ましくは21℃である。
【0045】リンス液組成物は、本発明の方法および装
置に所望の抗崩れ性を与えるために、純水と、約100
〜10,000ppm、またはそれ以上、好ましくは5
00〜5,000ppmの上記のアニオン界面活性剤と
を含む。
【0046】リンス液組成物は、35℃までの様々な温
度またはそれ以上で用いることができるが、通常は約1
9〜25℃、好ましくは21℃である。
【0047】実施例 半導体ウエーハを、パドル法を用いたスピン・コーティ
ングによって、KRSポジ型レジストでコーティングし
た。レジストをコーティングしたウエーハを露光して、
約6のアスペクト比をもつ約100nmの線幅およびス
ペース幅を得た。露光したウエーハは、TMAH 0.
263N、およびFC−93(25%活性) 1重量%
の脱イオン水の溶液を、ウエーハが静止している状態で
ウエーハ表面上にパドルすることによって現像した。F
C−93は、3M Chemicalsによって販売されているペル
フルオロアルキルスルホン酸アンモニウム系界面活性剤
である。現像後ウエーハがまだ濡れている間に、まだ濡
れているウエーハを、脱イオン水と濃度1重量%のアニ
オン界面活性剤FC−93とを含むリンス液組成物でリ
ンスした。リンス液組成物を静止中のウエーハに塗布
し、このウエーハをスピニングによってリンスし、次い
で空気乾燥した。この結果によれば、レジスト・パター
ンは崩れず、商業的見地から満足できるものであった。
コントロール・サンプル(現像液およびリンス液に界面
活性剤を加えなかった)は、アスペクト比3.5で崩れ
た。
【0048】上記の実施例を、ペルフルオロアルキルカ
ルボン酸アンモニウム系界面活性剤を含むアニオン界面
活性剤であり、同じく3M Chemicalsによって販売されて
いるFC−143を用いて繰り返した。現像したレジス
ト・パターンは崩れず、商業的に許容できるものであっ
た。
【0049】アニオン界面活性剤として、ラウリル硫酸
アンモニウムを約0.5重量%の量で用いて、上記の実
施例を繰り返した。この場合は、上限としてアスペクト
比4を達成した。
【0050】まとめとして、本発明の構成に関して以下
の事項を開示する。
【0051】(1)フォトレジスト・パターンを形成す
る方法であって、電子部品基板上にフォトレジスト膜を
コーティングするステップと、前記フォトレジスト膜を
所定のパターンに露光するステップと、露光した前記フ
ォトレジスト膜に現像液組成物を供給して、フォトレジ
スト・パターンを現像するステップであって、前記現像
液組成物が、前記フォトレジスト・パターンの崩れを防
止するのに十分な量のアニオン界面活性剤を含んでいる
ステップと、前記フォトレジスト膜を現像して、所定の
前記フォトレジスト・パターンを形成し、前記基板を濡
れた状態に保つステップと、現像し、濡れた状態の前記
基板上にリンス水溶液を供給するステップであって、前
記リンス水溶液が、前記フォトレジスト・パターンの崩
れを防止するのに十分な量のアニオン界面活性剤を含む
ステップと、現像した前記基板をリンスするステップ
と、現像した前記基板を乾燥して、所定のフォトレジス
ト・パターンを有する電子部品基板を形成するステップ
とを含む方法。 (2)前記アニオン界面活性剤が、以下の一般式で表さ
れるフッ素含有界面活性剤である上記(1)に記載の方
法。 RfCOOM または R’fSO3M [上式で、RfおよびR’fは、それぞれ2〜20個の炭
素原子を有する一価の炭化水素基を示し、その水素原子
の少なくとも一部はフッ素原子で置換されている。M
は、水素原子H、アンモニウムNH4、または第四アン
モニウムNR4を示し、Rはそれぞれ、他から独立し
て、水素原子または1〜3個の炭素原子を有するアルキ
ル基である] (3)前記現像液組成物およびリンス溶液を供給するた
めにパドル法を用いる上記(1)に記載の方法。 (4)前記現像液組成物およびリンス溶液を供給するた
めにスプレイ法を用いる上記(1)に記載の方法。 (5)前記電子部品が半導体ウエーハである上記(1)
に記載の方法。 (6)フォトレジスト・パターンを形成する装置であっ
て、フォトレジスト膜を電子部品基板にコーティングす
るコーティング手段と、前記フォトレジスト膜を所定の
パターンに露光する露光手段と、前記露光したフォトレ
ジスト膜上に現像液組成物を供給する供給手段であっ
て、前記現像液組成物が、前記パターンの崩れを防止す
るのに十分な量のアニオン界面活性剤を含んでいる手段
と、前記フォトレジスト膜を現像して、所定の前記フォ
トレジスト・パターンを形成し、前記基板を濡れた状態
に保つ現像手段と、現像した濡れた前記基板上にリンス
液組成物を供給する供給手段であって、前記リンス液組
成物が、前記パターンの崩れを防止するのに十分な量の
水およびアニオン界面活性剤を含む手段と、現像した前
記電子部品基板をリンスするリンス手段と、現像した前
記基板を乾燥して、所定のフォトレジスト・パターンを
有する電子部品基板を形成する乾燥手段とを含む装置。 (7)前記現像液組成物中の前記アニオン界面活性剤
が、以下の一般式で表されるフッ素含有界面活性剤であ
る上記(6)に記載の装置。 RfCOOM または R’fSO3M [上式で、RfおよびR’fは、それぞれ2〜20個の炭
素原子を有する一価の炭化水素基を示し、その水素原子
の少なくとも一部はフッ素原子で置換されている。M
は、水素原子H、アンモニウムNH4、または第四アン
モニウムNR4を示し、Rはそれぞれ、他から独立し
て、水素原子または1〜3個の炭素原子を有するアルキ
ル基である] (8)前記現像液組成物およびリンス液組成物両方への
前記供給手段が、パドラである上記(6)に記載の装
置。 (9)前記現像液組成物およびリンス液組成物両方への
前記供給手段が、スプレイ装置である上記(6)に記載
の装置。 (10)上記(1)ないし(5)のいずれかの方法を用
いて製造した電子部品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スコット・エイ・メシック アメリカ合衆国12569 ニューヨーク州プ レザント・バレー メドー・ロード 55 (72)発明者 ウェイン・エム・モロー アメリカ合衆国12590 ニューヨーク州ワ ッピンガース・フォールス リディア・ド ライブ 10 (72)発明者 クリストファー・エフ・ロビンソン アメリカ合衆国12538 ニューヨーク州ハ イド・パーク シェーカー・レーン 15 Fターム(参考) 2H096 AA25 GA11 GA18 GA20 GA30 4D075 AA01 BB24Z BB57Z BB60Y CA22 DA06 DB11 DC22 EA05 EA45 EC35 5F046 LA03 LA04 LA12 LA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フォトレジスト・パターンを形成する方法
    であって、 電子部品基板上にフォトレジスト膜をコーティングする
    ステップと、 前記フォトレジスト膜を所定のパターンに露光するステ
    ップと、 露光した前記フォトレジスト膜に現像液組成物を供給し
    て、フォトレジスト・パターンを現像するステップであ
    って、前記現像液組成物が、前記フォトレジスト・パタ
    ーンの崩れを防止するのに十分な量のアニオン界面活性
    剤を含んでいるステップと、 前記フォトレジスト膜を現像して、所定の前記フォトレ
    ジスト・パターンを形成し、前記基板を濡れた状態に保
    つステップと、 現像し、濡れた状態の前記基板上にリンス水溶液を供給
    するステップであって、前記リンス水溶液が、前記フォ
    トレジスト・パターンの崩れを防止するのに十分な量の
    アニオン界面活性剤を含むステップと、 現像した前記基板をリンスするステップと、 現像した前記基板を乾燥して、所定のフォトレジスト・
    パターンを有する電子部品基板を形成するステップとを
    含む方法。
  2. 【請求項2】前記アニオン界面活性剤が、以下の一般式
    で表されるフッ素含有界面活性剤である請求項1に記載
    の方法。 RfCOOM または R’fSO3M [上式で、RfおよびR’fは、それぞれ2〜20個の炭
    素原子を有する一価の炭化水素基を示し、その水素原子
    の少なくとも一部はフッ素原子で置換されている。M
    は、水素原子H、アンモニウムNH4、または第四アン
    モニウムNR4を示し、Rはそれぞれ、他から独立し
    て、水素原子または1〜3個の炭素原子を有するアルキ
    ル基である]
  3. 【請求項3】前記現像液組成物およびリンス溶液を供給
    するためにパドル法を用いる請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記現像液組成物およびリンス溶液を供給
    するためにスプレイ法を用いる請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記電子部品が半導体ウエーハである請求
    項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】フォトレジスト・パターンを形成する装置
    であって、 フォトレジスト膜を電子部品基板にコーティングするコ
    ーティング手段と、 前記フォトレジスト膜を所定のパターンに露光する露光
    手段と、 前記露光したフォトレジスト膜上に現像液組成物を供給
    する供給手段であって、前記現像液組成物が、前記パタ
    ーンの崩れを防止するのに十分な量のアニオン界面活性
    剤を含んでいる手段と、 前記フォトレジスト膜を現像して、所定の前記フォトレ
    ジスト・パターンを形成し、前記基板を濡れた状態に保
    つ現像手段と、 現像した濡れた前記基板上にリンス液組成物を供給する
    供給手段であって、前記リンス液組成物が、前記パター
    ンの崩れを防止するのに十分な量の水およびアニオン界
    面活性剤を含む手段と、 現像した前記電子部品基板をリンスするリンス手段と、 現像した前記基板を乾燥して、所定のフォトレジスト・
    パターンを有する電子部品基板を形成する乾燥手段とを
    含む装置。
  7. 【請求項7】前記現像液組成物中の前記アニオン界面活
    性剤が、以下の一般式で表されるフッ素含有界面活性剤
    である請求項6に記載の装置。 RfCOOM または R’fSO3M [上式で、RfおよびR’fは、それぞれ2〜20個の炭
    素原子を有する一価の炭化水素基を示し、その水素原子
    の少なくとも一部はフッ素原子で置換されている。M
    は、水素原子H、アンモニウムNH4、または第四アン
    モニウムNR4を示し、Rはそれぞれ、他から独立し
    て、水素原子または1〜3個の炭素原子を有するアルキ
    ル基である]
  8. 【請求項8】前記現像液組成物およびリンス液組成物両
    方への前記供給手段が、パドラである請求項6に記載の
    装置。
  9. 【請求項9】前記現像液組成物およびリンス液組成物両
    方への前記供給手段が、スプレイ装置である請求項6に
    記載の装置。
  10. 【請求項10】請求項1ないし5のいずれかの方法を用
    いて製造した電子部品。
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