JP2002322415A - 帯電防止用塗料組成物、その被膜および帯電防止方法 - Google Patents

帯電防止用塗料組成物、その被膜および帯電防止方法

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JP2002322415A
JP2002322415A JP2001128959A JP2001128959A JP2002322415A JP 2002322415 A JP2002322415 A JP 2002322415A JP 2001128959 A JP2001128959 A JP 2001128959A JP 2001128959 A JP2001128959 A JP 2001128959A JP 2002322415 A JP2002322415 A JP 2002322415A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】温度依存性がなく、帯電防止性能およびその持
続性、ブロッキング防止性などに優れた塗膜を形成でき
る帯電防止用塗料組成物、その被膜および帯電防止方法
を提供する。 【解決手段】(A)分子内に少なくとも1個のシラノー
ル基を有するポリウレタン樹脂(a1)、強塩基性第三級ア
ミン(a2)、導電性無機フィラー(b)およびブロッキング
防止剤(c)を含有する主剤と、(B)メラミン系硬化剤
含有成分とからなる二液型帯電防止用塗料組成物(塗
料)。これら塗料から形成された帯電防止性塗膜。この
塗料から形成された帯電防止性塗膜によって被覆された
基材(転写フィルムを除く。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、帯電防止用塗料組成物、
その被膜および帯電防止方法に関し、さらに詳しくは、
温度依存性がなく、帯電防止性能、ブロッキング防止能
などに優れた塗膜を形成できる帯電防止用塗料組成物、
その被膜および帯電防止方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】プラスチックは、一般に、電気絶
縁性に優れているため、絶縁体等の電気絶縁性を必要と
する分野には極めて有用であると共に、その表面に静電
気を生じやすく、粉塵の付着や汚れ等が生じやすく、ま
た電気分野に用いる場合には半導体デバイスの誤動作、
破壊等を生ずる恐れがある。このため、導電性のよいプ
ラスチック材料の開発が求められている。さらに、メー
ター類の窓、テレビのブラウン管、クリーンルームの
窓、半導体包装材料、携帯電話等の液晶表示パネル、電
磁場遮断壁などのように透明性を必要とする分野におい
ても、かかる導電性を向上する必要性が増大している。
【0003】そこで、プラスチック成形品やその表面に
塗装される塗料に、金属粉末やカーボン粉末などの導電
性粉末、界面活性剤、シロキサン系その他の高分子系帯
電防止剤などを配合して、導電性を付与している。しか
しながら界面活性剤は、特開平7−166092号公報
の従来技術の項にも記載されているように、一般に低分
子化合物であり、該化合物が塗膜表面にブリードするこ
とで導電性を維持するという導電性付与メカニズム的に
も次第にプラスチックや塗膜などの表面にブリードアウ
トする傾向があり、塗膜付き基材同士が付着するブロッ
キング現象が生じたり、また表面の界面活性剤は洗剤等
で容易に拭きとられて効果が次第に低下するなどの問題
がある。また、界面活性剤では、吸着した水分によりそ
の界面活性剤中の親水基が導電性を発現するため、低湿
度の雰囲気中では効果を発揮しないという問題点もあ
る。
【0004】シロキサン系その他の従来の高分子型帯電
防止剤は、界面活性剤のようなブリードアウトは起こら
ず、効果が減少することは少ないが、界面活性剤と同
様、水分で導電性を発現するため、ある程度の高湿度の
雰囲気中でしか効果を発揮せず、帯電防止効果も十分で
ないという問題点がある。これに対して、上記金属粉末
等の導電性無機充填剤を用いると、導電機構が水の吸着
に依らないため、周囲の湿度条件に左右されないという
利点がある。しかしながら、金属粉末等を配合した従来
の導電性塗料では、塗料中に凝集物が発生したり、塗料
の流動性が経時的に低下して固形状になり塗装困難にな
ったり、塗装しても十分な硬度の塗膜が得られないなど
の問題点があった。
【0005】そこで本発明者らは、上記問題点を解決す
べく鋭意研究したところ、特定の水系ウレタン樹脂と導
電性無機フィラーとブロッキング防止剤とを含有する主
剤と、メラミン系硬化剤含有成分とからなる二液型帯電
防止用塗料組成物では、塗料中に凝集物(ダマ)が発生
したり、塗料の流動性が経時的に低下して固形状(ゲ
ル)になり塗装困難になるということがなく塗料の流動
性に優れ、しかも、該塗料を塗布・硬化すれば、帯電防
止性能およびその持続性能、塗膜硬度に優れ、塗膜同士
が付着し剥離困難になるということがなくブロッキング
防止性などにも優れた塗膜を形成できることなどを見出
して本発明を完成するに至った。
【0006】なお、:特公平6−69748号公報に
は、結晶配向が完了する前のポリエステルフイルムの少
なくとも片面にアンチモンドープ酸化スズと100%モ
ジュラスが20Kg/cm2以下かつ破断伸びが700
%以上の特性を有する有機高分子バインダーとを含む水
性塗液を塗布し、次いで乾燥,延伸,熱処理を施してフ
イルムの結晶配向を完了させた、塗布側の表面抵抗値が
106〜109Ωである導電性フィルムが記載され、該フ
ィルムは表面抵抗値が湿度依存性を持たない旨記載され
ている。
【0007】上記有機高分子バインダーとしては、ポリ
ウレタン樹脂、アクリル樹脂が挙げられ、水溶液型、水
分散型の何れでもよい旨記載されている。すなわち、該
公報に記載の塗料は、塗布対象となる基材の種類が結晶
配向が完了する前のポリエステルフイルムに限定されて
おり、塗装後には、延伸して用いることが予定されてい
る。
【0008】:特開平3−284757号公報には、
導電性支持体上に光導電体層が積層された電子写真感光
材料において、該導電性支持体はポリエステルフィルム
及び金属蒸着層からなり、該ポリエステルフィルムは溶
剤膨張率が50%以下の水系自己乳化型熱反応性ウレタ
ンを主成分とする改質層と塗布後、少なくとも1方向に延
伸することにより得られたものである電子写真感光材料
が記載され、該感光材料は、金属蒸着膜の密着性、耐水
性、耐湿性があり、高湿度雰囲気下でも十分な耐久性を
有する旨記載されている。
【0009】また、該公報には、上記改質層には、帯電
防止剤などの添加剤を含有させてもよい旨記載され、ま
た、反応性ウレタンが均一分散された水系塗料の塗装な
どを行って改質層を設け、さらにその表面に金属チタン
膜を設けたポリエステルフィルムを得たことが記載され
ている。 :特開平5−173000号公報には、ポリエステル
フィルムの片面に水溶性または水分散性樹脂を含む塗布
層を設け、その上に樹脂層および蛍光体層を順次積層し
てなる放射線増感紙が記載され、該増感紙は、層間接着
性に優れる旨記載されている。
【0010】上記水溶性または水分散性樹脂を含む塗布
液には、架橋剤としてメチロール化あるいはアルキロー
ル化した尿素系、メラミン系などの化合物、帯電防止剤
等を含有していてもよい旨記載され、塗布液として、水
分散性ポリウレタン樹脂、水分散性ポリエステル樹脂、
メチロール化メラミンおよびシリカゾルを配合したもの
が挙げられている。
【0011】:特開平6−23473号公報には、配
向結晶化の完了していないポリエステルフイルムの少な
くとも片面に、(A)ゼラチン及び/またはその誘導体
と(B)ポリエステル、ポリウレタン、アクリルポリマ
ー、ポリエチレンイミン及びそれらの共重合体から選ば
れる少なくとも一種とを含有する水性塗布液を塗布し、
次いで乾燥、延伸、熱固定の処理を行ってポリエステル
フイルムの配向結晶化を完了せしめる易接着性ポリエス
テルフイルムの製造方法が記載されており、該公報に
は、上記水性塗布液に帯電防止剤を含有させてもよい旨
記載されている。
【0012】また、このような製法で得られた易接着性
ポリエステルフィルムは、感光性層に対する接着性に優
れ、さらには帯電防止性に優れた写真用下引きフイルム
として有用である旨記載されている。 :特開平7−166092号公報には、スズ酸アンモ
ニウム水溶液とイソシアネート成分が脂環式イソシアネ
ートである水性ポリウレタン樹脂エマルションから成る
帯電防止剤、および該帯電防止剤をコーティングした熱
可塑性樹脂成形品が記載され、該帯電防止剤は、透明
性、長期耐熱性、密着性に優れ、低湿度下でも導電性に
優れる旨記載されている。
【0013】:特開平9−12864号公報には、分
子内に少なくとも1個のシラノール基を含有するポリウ
レタン樹脂と、硬化触媒として強塩基性第3級アミンと
を含有してなるポリウレタン水性組成物が記載され、該
ポリウレタン水性組成物は室温乾燥下でも塗膜の耐水
性、耐溶剤性などが良好である旨記載されている。ま
た、該公報には、強塩基性第3級アミンのpKaが11
以上であることが好ましい旨記載され、該強塩基性第3
級アミンとして、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]ウンデセン−7(DBU)、又は1,6−ジアザビ
シクロ[3.4.0]ノネン−5が挙げられている。
【0014】しかしながら、該公報に記載のポリウレ
タン水性組成物では、得られた塗膜の帯電防止能、硬化
速度、付着性等の点で十分でない。このように上記公報
〜に記載の水性塗布液、塗料、帯電防止剤などで
は、その流動性が経時的に低下して固形状(ゲル)にな
り塗装困難になったり、これら塗料などを塗布してなる
塗膜では、硬化不十分でベタツキが生じたり、帯電防止
性能の湿度依存性が大きかったり、あるいは帯電防止性
能が十分でなく、帯電防止効果の持続性の点で十分でな
く、ブロッキング防止性が十分でないなど、何れかの点
で改良の余地があった。
【0015】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、塗料中に凝集
物が発生せず、流動性に優れ、得られる塗膜は、温度依
存性がなく、かつ帯電防止性能およびその持続性に優
れ、硬度やブロッキング防止性に優れ、しかもこれら特
性バランスの良好な塗膜を形成できる、二液型の帯電防
止用塗料組成物、その被膜および帯電防止方法を提供す
ることを目的としている。
【0016】
【発明の概要】本発明に係る二液型の帯電防止用塗料組
成物は、(A)分子内に少なくとも1個のシラノール基
を有するポリウレタン樹脂(a1)、強塩基性第三級アミン
(a2)、導電性無機フィラー(b)およびブロッキング防止
剤(c)を含有する主剤と、(B)メラミン系硬化剤含有
成分と、からなることを特徴としている。
【0017】本発明においては、上記ポリウレタン樹脂
(a1)が、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分
と、加水分解性ケイ素基含有化合物との反応物であり、
該ポリイソシアネート成分がジイソシアネートであり、
該ポリオール成分がジオールであることが好ましい。さ
らには、上記ポリイソシアネート成分が、脂肪族ジイソ
シアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシ
アネートまたは芳香脂肪族ジイソシアネートであり、上
記ポリオール成分が、ポリカーボネート系ジオールであ
ることが望ましい。
【0018】本発明においては、上記強塩基性第三級ア
ミン(a2)のpKaが11以上であることが好ましく、さ
らには、上記強塩基性第三級アミン(a2)が、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DB
U)、または1,6−ジアザビシクロ[3.4.0]ノ
ネン−5であることが望ましい。本発明においては、上
記ブロッキング防止剤(c)が、シリカ、アルミノシリケ
ート、アルミナおよびゼオライトからなる群から選ばれ
た少なくとも1種の無機ブロッキング防止剤であること
が望ましい。
【0019】また本発明においては、上記ブロッキング
防止剤(c)が、シリカ、アルミノシリケート、アルミナ
およびゼオライトからなる群から選ばれた少なくとも1
種の無機ブロッキング防止剤と、ポリシロキサン系ブロ
ッキング防止剤との混合物であることが好ましい。ま
た、本発明においては、上記主剤(A)にブロッキング
防止剤(c)が含まれると共にメラミン系硬化剤含有成分
(B)にもブロッキング防止剤(c)が含まれており、主
剤(A)に含まれるブロッキング防止剤(c)が、ポリシ
ロキサン系ブロッキング防止剤であり、上記メラミン系
硬化剤含有成分(B)に含まれるブロッキング防止剤
(c)が、シリカ、アルミノシリケート、アルミナおよび
ゼオライトからなる群から選ばれた少なくとも1種の無
機ブロッキング防止剤であることが好ましい。
【0020】本発明においては、上記何れの態様におい
ても、上記ポリシロキサン系ブロッキング防止剤が、水
酸基含有ポリシロキサン系ブロッキング防止剤であるこ
とが望ましい。本発明においては、上記導電性無機フィ
ラー(b)が、アンチモンドープ二酸化スズであることが
望ましい。
【0021】また、本発明においては、上記メラミン系
硬化剤含有成分(B)が、イミノメチロール基型メチル
化メラミン樹脂あるいは該樹脂を含むものであることが
望ましい。本発明に係る帯電防止性塗膜は、上記の二液
型帯電防止用塗料組成物から形成されたことを特徴とし
ている。
【0022】本発明に係る基材(転写フィルムを除
く。)は、上記の二液型帯電防止用塗料組成物から形成
された帯電防止性塗膜によって被覆されたことを特徴と
している。本発明に係るプラスチックフィルム(転写フ
ィルムを除く。)は、上記の二液型帯電防止用塗料組成
物から形成された帯電防止性塗膜によって被覆されたこ
とを特徴としている。
【0023】本発明に係る帯電防止方法は、基材表面
上、好ましくはコロナ放電処理、光洗浄処理、プライマ
ー塗装の何れかが行われた基材表面上に、上記二液型帯
電防止用塗料組成物からなる帯電防止性塗膜を形成させ
ることを特徴としている。本発明によれば、塗料中に凝
集物が発生せず、流動性に優れ、得られる塗膜は、温度
依存性がなく、かつ帯電防止性能およびその持続性に優
れ、硬度、ブロッキング防止性に優れ、しかもこれら特
性バランスの良好な塗膜を形成できる、二液型の帯電防
止用塗料組成物、その被膜および帯電防止方法が提供さ
れる。
【0024】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る二液型の帯電
防止用塗料組成物、その被膜および帯電防止方法につい
て具体的に説明する。<二液型帯電防止用塗料組成物> 本発明に係る二液型帯
電防止用塗料組成物(単に「帯電防止用塗料組成物」、
「塗料」などとも言う。)は、分子内に少なくとも1個
のシラノール基を有するポリウレタン樹脂(a1)、強塩基
性第三級アミン(a2)、導電性無機フィラー(b)およびブ
ロッキング防止剤(c)を含有する主剤(A)と、メラミ
ン系硬化剤含有成分(B)とからなっている。[主剤(A)] (ポリウレタン樹脂(a1)) この主剤(A)に含まれるウ
レタン樹脂には、一般に、水系(水中への乳化・分散
系)と溶剤系(溶剤への溶解・分散性)との2種がある
が、本発明では、公害や環境汚染の恐れのない水系のも
のが用いられる。
【0025】このポリウレタン樹脂(a1)は、ウレタン樹
脂あるいはウレタンエラストマーを水等の水性媒体中に
乳化・分散させたものであり、その乳化方法から自己乳
化型と強制乳化型とに分類できる。自己乳化型ウレタン
樹脂すなわち、ウレタン樹脂の親水性基またはウレタン
樹脂に導入された親水性セグメントにより、実質上界面
活性剤を不使用または殆ど使用せずに乳化・分散させて
なるウレタン樹脂(含有液)としては、ウレタン樹脂中
に含まれる親水性基の種類により、アニオン型[親水性
の例:−COO-+(H)−R、(R:アルキル基
等)]、ノニオン型[親水性の例:−(C24O)n
R、(R:アルキル基等、n:繰り返し単位数)]、あ
るいはカチオン型に分類され、これらのうちでは、親水
性が高く、水中への分散性に優れる点では、イオン型
(アニオン型、カチオン型)が好ましく、さらにアニオ
ン型が望ましい。
【0026】本発明では、上記ポリウレタン樹脂(a1)
は、分子内に少なくとも1個のシラノール基を有してい
る。すなわち、上記水酸基を有するポリウレタン樹脂(a
1)としては、分子中に少なくとも1個のシラノール基
「−Si(OH)p(R33-p、p:1〜3の整数、R3
は、C1〜10程度のアルコキシ基等のような、後述す
る加水分解性基。」を有するポリウレタン樹脂(a1)であ
ることが望ましい。
【0027】このシラノール基含有ポリウレタン樹脂中
に含まれるシラノール基の存在(結合)部位は特に限定
されず、該ポリウレタン樹脂の両端、何れか一方端ある
いは中間部分の何れの部位に結合(存在)していてもよ
い。また、シラノール基含有ポリウレタン樹脂中には、
親水性基、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、ス
ルホネート基、エポキシ基、ポリオキシエチレン基、中
でもカルボキシル基、スルホン酸基が導入されているこ
とが該樹脂の主剤中(水相)での安定性の点から好まし
い。
【0028】本発明では、このようなポリウレタン樹脂
(a1)の中でも、後述するようにヘキサキシレンジイソシ
アネートを原料に用いた水性樹脂(水性ウレタン樹脂)
であることが望ましい。本発明では、このようなポリウ
レタン樹脂(a1)の重量平均分子量(Mw)は、通常、4
万〜20万、好ましくは8万〜12万であることが望ま
しい。
【0029】このようなポリウレタン樹脂(a1)は、好ま
しくはポリイソシアネート成分(ポリイソシアネート化
合物(ロ))と活性水素基含有化合物(イ)(好ましく
はポリオール成分)と加水分解性ケイ素基含有化合物
(ハ)との反応物であり、より好ましくは、特開平9−
12864号公報[0031]〜[0064]段に記載の方
法により得られる。
【0030】すなわち、ポリイソシアネート化合物
(ロ)中のイソシアネート基と反応可能な活性水素基
(例:ヒドロキシ基)の個数が1分子当たり少なくとも
2個の従来より公知の活性水素基含有化合物(イ)
(例:ポリオール化合物)、1分子当たり少なくとも2
個のイソシアネート基を含有する従来より公知のポリイ
ソシアネート化合物(ロ)及び「分子内に親水性基を有
し、少なくとも1個の活性水素基を有する化合物(親水
性基含有化合物」(ニ)を反応させて、ポリウレタンプ
レポリマー(D)を製造する。
【0031】次に、該ポリウレタンプレポリマー(D)
中の親水性基をトリエチルアミン等の中和剤(f)により
中和し、硬化触媒として強塩基性第三級アミン(a2)を添
加し、この中和剤(f)や強塩基性第三級アミン(a2)の加
えられたポリウレタンプレポリマー(D)(溶液あるい
は分散液)を加水分解性ケイ素基含有化合物(ハ)(す
なわち、1分子中にイソシアネート基と反応可能な少な
くとも1個の活性水素基と加水分解性ケイ素基との両方
の基を含有する加水分解性ケイ素基含有化合物(ハ))
及び他の鎖伸長剤(g)を溶解した水中に溶解、又は分散
させることにより、生成したシラノール基含有ポリウレ
タン樹脂(a1)(プレポリマーでもよい。)を含む反応液
が得られる。
【0032】このようにして得られたシラノール基含有
ポリウレタン樹脂(a1)を含む反応液(ポリウレタン水性
組成物)には、シラノール基含有ポリウレタン樹脂(a1)
と強塩基性第三級アミン(a2)とが含有されている。本発
明では、このようなポリウレタン水性組成物を、上記主
剤(A)中のシラノール基含有ポリウレタン樹脂(a1)と
強塩基性第三級アミン(a2)とに代えてそのまま用いるこ
とができる。
【0033】上記ウレタン化反応の際には、通常、ウレ
タン化触媒の他、必要により溶剤などが用いられる。ま
た必要により、分子量が62〜200程度の下記低分子
量ポリオール、分子量が300以下程度の低分子量モノ
アルコール(例:メタノール)、鎖延長剤、造膜助剤等
を配合してもよい。上記活性水素基含有化合物(イ)と
ポリイソシアネート化合物(ロ)との反応は、有機溶剤
(例:アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリ
ル、N−メチルピロリドン)の存在下又は非存在下に行
われ、溶剤の存在下では、例えば、30〜100℃程度
の温度で行うことができる。
【0034】上記活性水素基含有化合物(イ)として
は、それぞれ活性水素基を有する基であるアミノ基、水
酸基、メルカプト基を有する化合物等が挙げられ、イソ
シアネート基との反応速度、得られる塗膜の機械的物性
等の点から、水酸基を有する化合物、特にポリオールが
好ましい。また、前記水酸基を有する化合物の分子量
は、塗膜性能、製造時の作業性の点から200〜10,
000が好ましく、300〜5,000が特に好まし
い。
【0035】上記活性水素基含有化合物(イ)のうち
で、水酸基を有する化合物としては、例えばポリエステ
ルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル
エステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、
アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポ
リヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオ
ール又はそれらの混合物が挙げられる。
【0036】前記ポリエステルポリオールとしては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバチン酸等の二塩基酸もしくはそれらのジアルキ
ルエステル又はそれらの混合物と、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類もしくはそ
れらの混合物とを反応させて得られるポリエステルポリ
オール等が挙げられる。
【0037】ポリエーテルポリオールとしては、例えば
水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリン等の低分子量ポリオー
ルを開始剤として用いて、例えばエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフ
ラン等のオキシラン化合物を重合させることにより得ら
れるポリエーテルポリオール等が挙げられる。
【0038】ポリエーテルエステルポリオールとして
は、例えば上記二塩基酸もしくはそれらのジアルキルエ
ステル又はそれらの混合物と、上記ポリエーテルポリオ
ールとを反応させて得られるポリエーテルエステルポリ
オール等が挙げられる。ポリエステルアミドポリオール
としては、上記ポリエステル化反応に際し、例えばエチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン等のアミノ基を有する脂肪族ジアミンを原料とし
て前記ポリエステル化反応物の原料に追加して反応させ
ることによって得られるもの等が挙げられる。
【0039】アクリルポリオールとしては、1分子中に
1個以上のヒドロキシル基を有する重合性モノマー、例
えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシブチル等と、例えば(メタ)アクリル酸又はその
エステルとを共重合させることによって得られるもの等
が挙げられる。
【0040】ポリカーボネートポリオールとしては、上
記したような例えばエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール
−A及び水添ビスフェノール−Aからなる群から選ばれ
た1種又は2種以上のグリコールとジメチルカーボネー
ト、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、
ホスゲン等とを反応させることにより得られるもの等が
挙げられる。
【0041】ポリヒドロキシアルカンとしては、イソプ
レン、ブタジエン、又はブタジエンとアクリルアミド等
とを共重合させて得られる液状ゴム等が挙げられる。ポ
リウレタンポリオールとしては、例えば1分子中にウレ
タン結合を有するポリオールが挙げられ、該ポリオール
は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリエーテルエステルポリオール等と後述する1分
子当たり少なくとも2個のイソシアネート基を有するイ
ソシアネート基含有化合物とを(NCO基/OH基)の
モル数が1未満で反応させることにより得られるものが
挙げられる。
【0042】ポリイソシアネート化合物(ロ)として
は、脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の何れでもよ
い。ポリイソシアネート化合物(ロ)のうちで、脂肪族
ジイソシアネート化合物としては、例えばトリメチレン
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイ
ソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、
1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレン
ジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネー
ト、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメ
チルカプロエート等;脂環族ジイソシアネート化合物と
しては、例えば1,3−シクロペンタンジイソシアネー
ト、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3
−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネー
トメチル−3、5,5−トリメチルシクロヘキシルイソ
シアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシル
イソシアネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジ
イソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイ
ソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)
シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン等;芳香族ジイソシアネート化合物
としては、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネートもしく
はその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネー
ト、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルエーテルジイソシアネート等;芳香脂肪族ジイソシ
アネート化合物としては、例えば1,3−又は1,4−
キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物、ω、
ω’−ジイソシアネート−1、4−ジエチルベンゼン、
1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−
メチルエチル)ベンゼンもしくはその混合物等;イソシ
アネート基が3個の芳香脂肪族ポリイソシアネート化合
物としては、例えばトリフェニルメタン−4,4’,
4”−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシア
ネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトル
エン、1,3,5−トリイソシアネートヘキサン等;イ
ソシアネート基が4個の芳香脂肪族ポリイソシアネート
化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルジメチル
メタン−2,2’−5,5’−テトライソシアネート等
のポリイソシアネート単量体;等が挙げられる。
【0043】加水分解性ケイ素基含有化合物(ハ)は、
上述したように1分子中にイソシアネート基と反応可能
な少なくとも1個の活性水素基と加水分解性ケイ素基と
の両方の基を含有するが、該加水分解性ケイ素基含有化
合物(ハ)における加水分解性ケイ素基は、シラノール
縮合触媒の存在下又は非存在下で水分により加水分解を
受ける加水分解性基がケイ素原子に結合している基をい
い、該加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメ
ート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカ
プト基、アルケニルオキシ基等が挙げられ、アルコキシ
基が好ましい。前記加水分解性基は、通常、前記したよ
うに1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合している
が、塗布後の加水分解性シリル基の反応性、耐水性、耐
溶剤性などの点から2〜3個結合しているものが好まし
い。
【0044】イソシアネート基と反応可能な活性水素基
としては、例えばメルカプト基、水酸基、アミノ基等が
挙げられる。活性水素基としてメルカプト基を有し、加
水分解性基としてアルコキシ基を有する加水分解性ケイ
素基含有化合物(ハ)としては、例えばγ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエト
キシシラン等が挙げられ、活性水素基としてアミノ基を
有し、加水分解性基としてアルコキシ基を有する加水分
解性ケイ素基含有化合物(ハ)としては、例えばγ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
ジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルジエトキシシラン等が挙げられ、2個以上の活性水
素基を有するものが好ましい。
【0045】活性水素基含有化合物(イ)に対するポリ
イソシアネート化合物(イソシアネート基含有化合物)
(ロ)の割合は、活性水素基含有化合物(イ)中の活性
水素基に対するポリイソシアネート化合物(ロ)中のイ
ソシアネート基の比が1.0を超えた値が好ましい。ま
た、加水分解性ケイ素基含有化合物(ハ)の使用量は、
本発明の二液型帯電防止用塗料組成物に十分な硬化性を
発現させるため、例えば活性水素基含有化合物(イ)と
ポリイソシアネート化合物(ロ)とを反応させ、イソシ
アネート基を末端に有するポリウレタンプレポリマーを
合成し、その後加水分解性ケイ素基含有化合物(ハ)を
反応させる場合には、ポリウレタンプレポリマー中のイ
ソシアネート基に対する加水分解性ケイ素基含有化合物
(ハ)中の活性水素基の割合が0.05〜1.0になる
量が好ましい。
【0046】上記親水性基含有化合物(ニ)としては、
例えば分子内に少なくとも1個以上の活性水素基を有
し、かつカルボキシル基、スルホン酸基、スルホネート
基、エポキシ基、ポリオキシアルキレン基等の親水性基
を有する化合物が挙げられる。親水性基含有化合物を反
応させる時期は特に限定されない。(強塩基性第三級アミン(a2)) ウレタン化触媒として
は、本発明では第3級アミン化合物が好ましく、さらに
は強塩基性第三級アミン(a2)が望ましく、特に、上記強
塩基性第三級アミン(a2)のpKaが11以上のものが常
温程度の温度でも効率よく架橋が促進でき、耐水性、耐
溶剤性に優れた塗膜が形成できるなどの観点からより望
ましい。
【0047】このような強塩基性第三級アミン(a2)とし
ては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ
ン−7(DBU)、1,6−ジアザビシクロ[3.4.
0]ノネン−5などが挙げられる。この強塩基性第3級
アミン(a2)の含有量は、ポリウレタン樹脂(a1)(固形
分)100重量部に対して例えば、0.001〜10
部、好ましくは0.001〜7重量部、さらに好ましく
は0.001〜5重量部の量で用いられる。このような
量で強塩基性第3級アミンが含有されていると、硬化速
度が良好であり、形成された塗膜の耐溶剤性、耐水性な
ども良好となる傾向がある。
【0048】このようにして得られる自己乳化型ウレタ
ン樹脂、すなわちシラノール基含有ポリウレタン樹脂(a
1)と強塩基性第三級アミン(a2)とを含有する水性ウレタ
ン樹脂(組成物)として上市されているものとしては、
例えば、側鎖にシラノール基を含有するアニオン型の
「タケラックWSシリーズ」(武田薬品工業(株)製)が
挙げられ、水分が蒸発することなどによって、常温下ま
たは加熱下に架橋構造のシロキサン結合を形成して乾燥
硬化可能であり、加熱すればより短時間に強靱な塗膜形
成が可能である。その他の自己乳化型ウレタン樹脂とし
ては、「タケラックWシリーズ」(武田薬品工業(株)
製)が挙げられ、この「タケラックWシリーズ」には、
下記の強制乳化型も上市されており、何れも室温下また
は加熱下に硬化可能であり、本発明ではこれらの何れも
使用できる。
【0049】強制乳化型ウレタン樹脂は、疎水性のウレ
タン樹脂を界面活性剤の存在下に強力な剪断力をもっ
て、媒体に乳化・分散させたものである。このような強
制乳化型ウレタン樹脂には、上記「タケラックWシリー
ズ」(武田薬品工業(株)製)が挙げられる。このように
主剤(A)は、いわゆる一液自己架橋型ポリウレタンデ
ィスパージョンであり、水分が蒸発すれば、仮に架橋剤
が存在せず、また加熱しなくともそれ自体で架橋硬化で
きるが、本発明では、この主剤(A)とメラミン系硬化
剤含有成分(B)とを配合し、かつ好ましくは加熱(焼
き付け)硬化しているので、短時間で強靱で割れが生じ
にくく、表面の粘着がないという優れた特性を有する乾
燥塗膜を形成できる。(導電性無機フィラー(b)) 導電性無機フィラー(b)とし
ては、従来より公知のものを広く使用でき、例えば、炭
素系粉体、金属酸化物、金属粉体等が挙げられる。
【0050】炭素系粉体としては、例えば、導電性カー
ボンブラック(商品名「ケッチェンブラックFC」(ラ
イオン(株)製))、グラファイトが用いられる。金属
酸化物としては、例えば、導電性スズ・アンチモン複合
酸化物[商品名「HYTEC SN2001」(東邦化
学(株)製)、商品名「デットールWK200B」(大塚
化学(株))製]、アンチモン・インジウム・スズ複合
酸化物、インジウム・スズ複合酸化物、酸化インジウム
にSn、F、Cl等をドープした導電性酸化インジウ
ム;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン等の金属酸
化物に、他の金属酸化物である酸化アンチモン、酸化ス
ズ等を1種以上ドープした導電性酸化スズ、導電性酸化
インジウム、導電性酸化チタン;酸化亜鉛、酸化インジ
ウム、酸化アンチモン、酸化チタンが用いられる。
【0051】金属粉末としては、例えば、銅、ニッケ
ル、銀、金、アルミニウム等の各種金属粒子(粉体)ま
たは繊維が用いられる。本発明では、これらの導電性無
機フィラー(b)を1種または2種以上組み合わせて用い
ることができる。本発明では、このような導電性無機フ
ィラー(帯電防止剤)(b)のうちでは、アンチモンドー
プ二酸化スズ(酸化スズ)が好ましい。アンチモンドー
プ酸化スズは、アンチモン/スズ(モル比)が、0.0
05〜0.3であると電気伝導性に優れる点で望まし
い。
【0052】このようなアンチモンドープ酸化スズは、
例えば、特開平7−166092号公報の[0008]
欄に記載されているようなスズ酸アンモニウム水溶液と
して用いられる。すなわち、このスズ酸アンモニウム水
溶液は、アンチモンを含有し、スズ及びアンチモンが共
にイオンとして均一に分散した水溶液であって、この水
溶液を加熱処理することによって、アンチモンが固溶化
した均一かつ微細な酸化スズ微粒子が得られ、帯電防止
に効果を示す。スズ酸アンモニウム水溶液の製造方法に
ついては特開平2−261886号公報及び特公平5−
43647号公報に開示されており、一般には炭酸水素
アンモニウム水溶液に塩化第二スズ水溶液を、撹拌を行
いながら徐々に添加して生成したゲルに三酸化二アンチ
モン、アンモニア水及び水を添加し、これを加熱処理を
して製造する方法がある。スズ酸アンモニウム水溶液と
しては、その固形分が5〜30重量%のものが市販され
ている。
【0053】このようなスズ酸アンモニウム水溶液とし
て上市されているものとしては、例えば、「HYTEC
SN2001」(東邦化学(株)製)等が挙げられる。
またこのような導電性無機フィラー(b)の平均粒径は、
10ミリミクロン(mμ)〜500ミリミクロン(m
μ)の範囲にあると、得られた塗膜から導電性無機フィ
ラー(b)の脱落がなく、接触抵抗も少なく、電気伝導
性、透明性等に優れた塗膜が得られるため好ましい。
【0054】また、このような導電性無機フィラー(b)
は、長軸/短軸の長さの比が、5〜30の範囲にある
と、塗料中の導電性無機フィラーの絡み合いが減少し、
塗料調製時の粘度上昇もなく塗装性に優れ、また導電性
に優れた塗膜(層)が得られる傾向がある。(ブロッキング防止剤(c)) ブロッキング防止剤(c)は、
本発明の二液型帯電防止用塗料組成物中にあって、得ら
れる塗膜のブロッキング(フィルム、シートなどを積層
しておくと、フィルムやシート同士が被着し剥離困難に
なる現象)を防止するなどの機能を有し、このようなブ
ロッキング防止剤(アンチブロッキング剤)(c)として
は、非ポリシロキサン系ブロッキング防止剤である「シ
リカ、アルミノシリケート(特開昭58-213031号公報=
特許第1441046号参照)、アルミナ、ゼオライト、酸化
ナトリウム、またはそれらの複合物などの無機系ブロッ
キング防止剤(ポリシロキサン系ブロッキング防止剤を
除く)」(イ);ポリシロキサン系ブロッキング防止剤
(例:水酸基含有ポリシロキサン系ブロッキング防止
剤)(ロ);などが挙げられる。本発明では、これらの
ブロッキング防止剤を1種または2種以上組み合わせて
もよい。
【0055】すなわち、本発明では、これらのブロッキ
ング防止剤のうちで、非ポリシロキサン系ブロッキング
防止剤の「シリカ、アルミノシリケート、アルミナ、ゼ
オライト、酸化ナトリウム、またはそれらの複合物など
の無機系ブロッキング防止剤(ポリシロキサン系ブロッ
キング防止剤を除く)からなる群から選ばれた少なくと
も1種の無機ブロッキング防止剤」(イ)を単独で用い
てもよく、また、ポリシロキサン系ブロッキング防止剤
(ロ)を単独で用いてもよいが、本発明では、特に、上
記(イ)と(ロ)の併用すなわち、「シリカ、アルミノシリ
ケート、アルミナ、ゼオライト、酸化ナトリウム、また
はそれらの複合物などの無機系ブロッキング防止剤(ポ
リシロキサン系ブロッキング防止剤を除く)からなる群
から選ばれた少なくとも1種の無機ブロッキング防止
剤」(イ)と、ポリシロキサン系ブロッキング防止剤
(ロ)とを混合するなど、両者((イ)+(ロ))を併
用することが望ましい。
【0056】このように無機ブロッキング防止剤(イ)
とポリシロキサン系ブロッキング防止剤(ロ)の両者を
併用する場合、例えば、これら(イ)と(ロ)の両者を
主剤(A)に配合してもよく、メラミン系硬化剤含有成
分(B)に配合してもよく、(イ)と(ロ)の何れか一
方を主剤(A)に配合し、他方を(B)に配合してもよ
いが、本発明では、(イ)と(ロ)の両者を主剤(A)
に配合するか、ポリシロキサン系ブロッキング防止剤
(ロ)を主剤(A)に配合すると共に、アルミノシリケ
ート等の無機ブロッキング防止剤(イ)を(B)に配合
することが好ましく、さらには、ポリシロキサン系ブロ
ッキング防止剤(ロ)を主剤(A)に配合すると共に、
アルミノシリケート等の無機ブロッキング防止剤(イ)
をメラミン系硬化剤含有成分(B)に配合することが望
ましい。
【0057】何れの態様においてもこのポリシロキサン
系ブロッキング防止剤としては、水酸基含有ポリシロキ
サン系ブロッキング防止剤が好ましい。このポリシロキ
サン系ブロッキング防止剤(ロ)と、それ以外の無機系
ブロッキング剤(イ)とを併用する場合には、両者は任
意の量比で用いることができるが、その好ましい態様に
おいては、上記無機系ブロキング剤((ロ)を除く)(イ)
100重量部に対してポリシロキサン系ブロッキング防
止剤(ロ)は、通常10〜90重量部、好ましくは30〜
70重量部の量で用いられる。
【0058】本発明においては、主剤(A)(全固形
分)中には、前記シラノール基含有ポリウレタン樹脂(a
1)は、固形分として、通常、20〜80重量%、好まし
くは、30〜60重量%の量で、また、上記導電性無機
フィラー(b)は、通常、20〜80重量%、好ましく
は、30〜60重量%の量で、また、上記ブロッキング
防止剤(c)は、通常、0.5〜10重量%、好ましく
は、1〜5重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0059】また、本発明の塗料組成物中には、シラノ
ール基含有ポリウレタン樹脂(a1)(固形分)と、導電性
無機フィラー(b)と、ブロッキング防止剤(c)との合計1
00重量部中に、シラノール基含有ポリウレタン樹脂(a
1)(固形分)は、通常20〜80重量部、好ましくは、
30〜60重量部の量で、導電性無機フィラー(b)(固
形分)は、通常20〜80重量部、好ましくは、30〜
60重量部の量で、ブロッキング防止剤(c)は残部量で
含まれていることが望ましい。
【0060】なお、ブロッキング防止剤(c)の一部をメ
ラミン系硬化剤含有成分(B)に配合する場合には、主
剤(A)中に配合するブロッキング防止剤(c)量をその
分低減できる。このような量でシラノール基含有ポリウ
レタン樹脂(a1)と導電性無機フィラー(b)とブロッキン
グ防止剤(c)とが主剤(A)中に含まれていると、得ら
れた塗膜は、導電性に優れ、塗膜中にクラックの発生が
なく、塗膜のブロッキング防止性に優れ、また塗装性に
優れる傾向がある。[メラミン系硬化剤含有成分(B)] メラミン系硬化剤
含有成分(B)は、メラミン系硬化剤のみからなってい
てもよく、メラミン系硬化剤の他、例えば、上記ブロッ
キング防止剤(c)の一部である、ソジウムカルシウムア
ルミノシリケート等の無機ブロッキング防止剤(イ)
や、テフロン(R)パウダー、溶剤、分散媒など、通
常、塗料に配合され得る各種成分が含まれていてもよ
い。
【0061】メラミン系硬化剤としては、アルキル基
型、メチロール基型、イミノ基型、メチロール/イミノ
基型などの何れでもよい。一例を挙げれば、メラミン系
硬化剤としては、例えば、特開2000−191982
号公報[0046]〜[0054]段、特開2000−19
1980号公報[0039]〜[0045]段、特開平10
−195343号公報[0023]段などに記載されてい
るような、従来より公知のメラミン系硬化剤を広く使用
できる。
【0062】このようなメラミン系硬化剤としては、例
えば、アミノ樹脂及び/又はブロックポリイソシアネー
ト化合物が挙げられる。上記アミノ樹脂としては特に限
定されず、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、グリコールウリル樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0063】上記メラミン樹脂は、アルキルエーテル化
(アルコキシ化)してアルキルエーテル化メラミン樹脂
(アルコキシメラミン樹脂)とすることができ、このう
ちメトキシ基及び/又はブトキシ基で置換されたメラミ
ン樹脂が好ましい。上記メトキシ基及び/又はブトキシ
基で置換されたメラミン樹脂としては、メトキシ基を単
独で有するもの(例:ヘキサメトキシメチルメラミンな
ど)としては、例えば、三井サイテック社製の「サイメ
ル325、327、370」、住友化学工業社製の「ス
ミマールM−100C」など、メトキシ基とブトキシ基
との混合タイプとしては、三井サイテック社製の「サイ
メル202、204、232、235、236、23
8、254」など、ブトキシ基を単独で有するもの(ヘ
キサブトキシメチルメラミン)としては、三井サイテッ
ク社製の「マイコート506」など、三井化学社製の
「ユーバン20N60、20SE」等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。また、上記ベンゾグアナミン樹脂についても同様に
置換されたものが使用できる。
【0064】上記ブロックポリイソシアネート化合物
は、ポリイソシアネート化合物をブロック剤でブロック
したものである。上記ポリイソシアネート化合物は、1
分子中に少なくと2個のイソシアネート基をもつ化合物
であれば特に限定されず、前述したシラノール基含有ポ
リウレタン樹脂(a1)合成時に用いたようなイソシアネー
ト化合物が挙げられる。
【0065】すなわち、前記脂肪族、脂環式、芳香族脂
肪族、芳香族ジイソシアネート類の他に、ダイマー酸ジ
イソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HT
DI)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化さ
れたMDI(H12MDI)等の水添ジイソシアネート
類;これらのジイソシアネート化合物の2量体、3量
体、更に高分子量のポリイソシアネート類;トリメチロ
ールプロパン等の多価アルコール若しくは水、又は、低
分子量ポリエステル樹脂との付加物等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記ブロック剤としては特に限定されず、例えば、
メチルエチルケトオキシム、アセトキシム、シクロヘキ
サノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェ
ノンオキシム等のオキシム類;m−クレゾール、キシレ
ノール等のフェノール類;メタノール、エタノール、ブ
タノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノー
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコ
ール類;ε−カプロラクタム等のラクタム類、マロン酸
ジエチル、アセト酢酸エステル等のジケトン類;チオフ
ェノール等のメルカプタン類;チオ尿素等の尿素類;イ
ミダゾール類;カルバミン酸類等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上
記ブロックポリイソシアネート化合物としては、市販品
を用いることができ、例えば、デスモジュールシリーズ
(商品名、住友バイエルウレタン社製)、バーノックD
シリーズ(商品名、大日本インキ化学工業社製)、タケ
ネートBシリーズ(商品名、武田薬品工業社製)、コロ
ネート2500シリーズ(商品名、日本ポリウレタン工
業社製)等が挙げられる。
【0066】さらに本発明で使用可能なメラミン系硬化
剤としては、エポキシ変成メラミン、メチロール化メラ
ミン(メチロール基数が1〜6,好ましくは1〜3のも
の。)、トリ(アルコキシメチル)メラミン[該アルコ
キシ基としては、炭素数が1〜10,好ましくは、1〜
5のもの、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基など。]などが挙げられ、変成物で
は、用途に応じて各種変成度のものが適宜用いられ、ま
た自己縮合度も適宜選ぶことができる。
【0067】本発明では、これらメラミン系硬化剤のう
ちで、アルキル基型、メチロール基型、イミノ基型、メ
チロール/イミノ基型などが好ましく、さらにそれらの
ブチル化タイプ、メチル化タイプ、またはその混合物が
望ましい。また、本発明では、メラミン系硬化剤として
は、得られる二液型帯電防止用塗料組成物の硬化反応温
度が、例えば、140〜180℃程度となるようなもの
が用いられる。
【0068】本発明に係る二液型帯電防止用水系塗料組
成物には、このようにシラノール基含有ポリウレタン樹
脂(a1)と、強塩基性第三級アミン(a2)と導電性無機フィ
ラー(b)とブロッキング防止剤(c)とを含有する主剤
(A)と、メラミン系硬化剤例えば、トリメチロールメ
ラミン[2,4,6−トリ(ヒドロキシメチル)アミノ
−1,3,5−トリアジン]とが含有されているので、
メラミン樹脂中のアミノ基同士の架橋、メラミン樹脂中
のアミノ基とポリウレタン樹脂(a1)中の水酸基(好まし
くは、モノ、ジ、トリ−ヒドロキシシリル基)との架橋
などが生じて、含まれる成分の硬化・一体化が行われ、
得られる塗膜は塗膜強度、耐割れ性、非粘着性、耐溶剤
性等に優れるのであろうと考えられる。
【0069】このようなメラミン系硬化剤は、上記ポリ
ウレタン樹脂(a1)(固形分)100重量部に対して、通
常、10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部
の量で、さらに好ましくは、20〜50重量部の量で用
いられる。このメラミン系硬化剤含有成分(B)中のメ
ラミン系硬化剤量が上記範囲にあると、十分に硬化し、
素材(基材)への付着性に優れ、帯電防止効果に優れた
塗膜が得られる傾向がある。(その他の成分) このような本発明に係る二液型帯電防
止用水系塗料組成物には、通常の塗料に配合されるよう
な各種添加剤が配合されていてもよい。
【0070】このような任意成分(添加剤)としては、
例えば、分散剤(例:イオン交換水、アルコール)、消
泡剤(例:疎水性粒子破泡性ポリシロキサンとポリグリ
コールとの混合物)、レベリング剤(例:ポリエーテル
変性ポリジメチルシロキサン)、着色顔料(例:二酸化
チタン、カーボンブラック、酸化鉄、各種焼成顔料、シ
アニンブルー、シアニングレーなど)、体質顔料(例:
炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウムなど)、アルミ
ニウム粉などの金属粉、シリカ、アルミナなどの艶消し
剤、たれ止剤、表面調整剤、粘性調整剤、分散剤、紫外
線吸収剤、ワックス、シラノール基含有ポリウレタン樹
脂(a1)の水相中での安定化に寄与する特開平9−128
64号公報[0024]段に記載の界面活性剤(例:ノニ
オン系界面活性剤のポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンブロ
ック共重合物等;アニオン系界面活性剤のラウリル硫酸
ソーダ、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等。)、シ
ラノール基含有ポリウレタン樹脂(a1)などとメラミン系
硬化剤との硬化反応促進用の下記酸触媒等が含まれてい
てもよい。
【0071】本発明においては、メラミン樹脂によって
シラノール基含有ポリウレタン樹脂(a1)を架橋して硬化
する際には、ポリエステル樹脂やヒドロキシル基含有ア
クリル樹脂をメラミン樹脂によって架橋して硬化する際
に使用される公知の酸触媒を、必要により使用し得る。
このような酸触媒としては、有機酸でも無機酸でもよ
く、有機酸としては、例えば、スルホン酸、ホスホン
酸、クエン酸、マレイン酸、フタル酸等が挙げられる。
また、無機酸としては、例えば、塩酸、燐酸、酢酸等が
挙げられる。上記スルホン酸としてさらに具体的には、
ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸などの芳香族スルホン
酸類が用いられる。上記ホスホン酸としてさらに具体的
には、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジア
ミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリア
ミンペンタ(メチレンホスホン酸)などの有機ホスホン
酸が挙げられる。これらは一般にアミンで中和して用い
られる。
【0072】<塗料の調製方法およびその使用方法>
のような本発明に係る二液型帯電防止用水系塗料組成物
(塗料)は、その保存、運搬時には、常法に従い、主剤
(A)とメラミン系硬化剤含有成分(B)とに分けて取
り扱い、使用時には主剤(A)とメラミン系硬化剤含有
成分(B)との両者を混合し、必要により、水等の分散
・希釈剤や、消泡剤、レベリング剤その他の添加剤を本
発明の目的に反しない範囲で添加して用いられる。ま
た、本発明では、主剤(A)用の配合成分であるシラノ
ール基含有ポリウレタン樹脂(a1)、強塩基性第三級アミ
ン(a2)、導電性無機フィラー(b)およびブロッキング防
止剤(c)をも別々に保存、運搬等行い、これら配合成分
(a1)、(a2)、(b)、(c)と、メラミン系硬化剤含有成分
(B)とを塗装現場などで、混合して用いてもよい。
【0073】このような塗料は、より具体的には、例え
ば、下記のような方法で調製される。すなわち、より具
体的には、シラノール基含有ポリウレタン樹脂(a1)と強
塩基性第三級アミン(a2)とを含有する前述したような水
性ウレタン樹脂分散液(ポリウレタン水性組成物)と、
導電性無機フィラー(b)と、表面調整剤(例:シリコー
ン系消泡剤、シリコーン系レベリング剤)と、イオン
水、ポシリロキサン系ブロッキング防止剤の水酸基含有
ジメチルポリシロキサン、非ポリシロキサン系ブロッキ
ング防止剤の無機ブロッキング防止パウダー(例:シリ
カ、アルミノシリケート、アルミナ、ゼオライト、酸化
ナトリウム、それらの複合物)等などとを配合して主剤
(A)を調製する。
【0074】一方、メラミン系硬化剤のみからなるか、
メラミン系硬化剤に、上記主剤(A)には配合されなか
ったブロッキング防止剤(c)の一部などを配合してなる
メラミン系硬化剤含有成分(B)を準備する。次いで、
この主剤(A)とメラミン系硬化剤含有成分(B)など
とを一定の比率で配合して、現場攪拌ディスパーにて適
宜時間分散処理を行い、所定固形分濃度になるように水
にて希釈すればよい。このようにして得られた塗料は、
基材に塗布するなどの方法で使用される。
【0075】なお、上記したように本発明では、ブロッ
キング防止剤(c)の一部であるポリシロキサン系ブロッ
キング防止剤は主剤(A)に配合し、上記無機ブロッキ
ング防止パウダーの非ポリシロキサン系ブロッキング防
止剤は、メラミン系硬化剤含有成分(B)に配合して用
いてもよい。また例えば、本発明の塗料は、特に現場施
行用としては、顔料と顔料分散用樹脂とで分散ペースト
を作り、これにシラノール基含有ポリウレタン樹脂(a1)
および強塩基性第三級アミン(a2)を含有する上記水性ウ
レタン樹脂(分散液)、導電性無機フィラー(b)、ブロ
ッキング防止剤(c)、その他の各種添加剤、溶剤、メラ
ミン系硬化剤含有成分(B)、触媒等を加えて調製して
もよい。
【0076】また、本発明の塗料は、上記シラノール基
含有ポリウレタン樹脂(a1)および強塩基性第三級アミン
(a2)を含む水性ポリウレタン樹脂分散液や専用の顔料分
散樹脂で顔料、導電性無機フィラー(b)、ポリシロキサ
ン系ブロッキング防止剤などのペーストを作っておき、
これに各種添加剤を添加混合し、最後にメラミン系硬化
剤含有成分(B)、上記非ポリシロキサン系ブロッキン
グ防止剤および必要により触媒などを添加して調製して
もよい。
【0077】顔料分散には、ローラーミル、ペイントシ
ェーカー、ポットミル、ディスパー、ビーズミルなどの
通常の機械が用いられる。このような本発明に係る二液
型帯電防止用水系塗料組成物は、使用時に主剤(A)と
メラミン系硬化剤含有成分(B)とを混合しても、塗料
中に凝集物が発生せず流動性が良好で塗装性に優れ、得
られる塗膜は、温度依存性がなく、かつ帯電防止性能お
よびその持続性に優れ、硬度に優れ、塗膜間のブロッキ
ングが防止され、しかもこれら特性バランスも良好であ
る。
【0078】<塗装方法、塗料の用途など>本発明にお
いては、基材表面に上記帯電防止用塗料組成物を塗布
(塗装)、硬化して帯電防止塗膜を形成している。この
ようにして得られる塗膜は、温度依存性がなく、かつ帯
電防止性能およびその持続性に優れ、硬度、ブロッキン
グ防止性に優れ、しかもこれら特性バランスが良好であ
る。
【0079】該塗料の塗装では、ロールコーター、エア
ースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコータ
ーなど一般の塗装方法が可能である。また塗装後、該塗
料を硬化させるには、常温下の自然乾燥も可能である
が、塗装品の生産効率の点などから好ましくは、加熱硬
化(焼き付け)させる。加熱硬化条件は、メラミン系硬
化剤の反応温度などに応じて適宜変更すればよいが、通
常、温度140〜240℃の温度で30秒〜20分の範
囲で、高温ほど短時間の加熱硬化を行えばよい。
【0080】このようにして得られた乾燥(硬化)塗膜
の膜厚は、特に限定されないが、通常、0.3〜3.0
μm厚、好ましくは、0.5〜1.5μm厚程度であ
る。本発明の塗料は、1コートで基材に直接塗装できる
が、密着性や、耐食性確保のため、コロナ放電処理を行
い、あるいはプライマー塗装を行ってから塗装するのが
好ましい。プライマーは通常のものでよく、エポキシ樹
脂系プライマー、ポリウレタン変性エポキシ樹脂系プラ
イマー、ポリエステル樹脂系プライマー、アクリル樹脂
系プライマー、塩素化ポリプロピレン変性プライマーな
どが挙げられる。
【0081】焼き付け方法は一般に実施される2コート
/2ベークでもよいし、2コート/1ベークでもよい。
基材としては、プラスチックフィルム(転写フィルムを
除く。)などの有機素材、FRPなど複合プラスチック
材、人造大理石、スレート、金属板その他の成形体など
の無機素材が挙げられる。
【0082】これらの基材には直接塗装してもよいが、
表面処理を施してもよい。一般には、プラスチック素材
には、上記したようにコロナ放電処理、プライマー塗装
が好ましく、金属基材には、りん酸亜鉛処理、反応型ク
ロメート処理、塗布型クロメート処理などが施される。
またクロメートの上の薄膜型有機複合被覆を施してもよ
い。
【0083】上記金属板その他の成形体としては、亜鉛
めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、亜鉛/アルミニウ
ムめっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム
またはアルミニウム合金、ステンレス鋼板、銅又はその
合金、チタン又はその合金、冷延鋼板、金属蒸着物など
の板状物、シート状物、該金属素材製の各種成形体など
が挙げられる。
【0084】本発明の塗料は、PCM、ポストコートに
も使用可能であり、建築物の屋根材、壁材、道路資材
(フェンス、ポール、ガードレール、高速道路の桁カバ
ー、トンネル内装材など)、その他エクステリア材(フ
ェンス、ポール、ベンチなど)自動車などの車輛、航空
機など屋外金属製品にも使用できる。本発明において
は、このように基材(転写フィルムを除く。)の表面
が、上記の帯電防止用塗料組成物(塗料)から形成され
た帯電防止性塗膜によって被覆されているので、効率よ
く帯電防止でき、しかも塗膜表面の洗浄、汚れ拭き取り
などを繰り返し行っても優れた帯電防止効果が長期間持
続する。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、温度依存性が極めて小
さく、かつ帯電防止性能に優れ、その効果を長期間持続
でき、硬度、ブロッキング防止性などにバランスよく優
れた塗膜を形成可能な帯電防止用塗料組成物、その被膜
および帯電防止方法が提供される。
【0086】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づいてさら
に具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により
何等限定されるものではない以下の実施例、比較例で用
いた配合成分、試験方法等は以下の通り。 <主剤(A)>(a)水系樹脂 (a-1)水溶性エポキシ樹脂:商品名「エポキーXDE20
16」、三井化学(株)製、水酸基含有水系樹脂、固形分
27重量%。 (a-2)シラノール基含有ポリウレタン樹脂ベースディス
パージョン:商品名「タケラックWS−4000」、武
田薬品工業(株)製、水酸基含有水系自己架橋型ウレタン
樹脂、固形分30重量%。全成分中に、強塩基性第三級
アミン(a2)を0.001〜5重量%含有。 (a-3)水分散ポリウレタン:商品名「スーパーフレックス
410」、第一工業製薬(株)製、強制乳化型水系樹脂、
固形分40重量%。
【0087】(b)導電性充填剤(帯電剤)含有樹脂など (b-1)水系変性スチレンアクリル樹脂:商品名「ELポ
リマーWS−52U」、新中村化学(株)製、水酸基含有
アニオン系帯電防止有機ポリマー。 (b-2)アンチモンドープ二酸化スズ混合ポリオレフィン
樹脂:商品名「HYTEC SN−2001」、該二酸
化スズの粒径φ:0.01〜0.03μm(平均粒径
φ:0.02μm)と、その含量(アンチモンドープ二
酸化スズとポリオレフィン樹脂の合計固形分100重量
%中の含量)50重量%、東邦化学(株)製、導電性無機
充填剤配合。(c)アンチブロッキング性シリコン添加剤(ブロッキン
グ防止添加剤) (c-1)変性シリコンオイル;商品名「ペインタッド5
7」、固形分100重量%、ダウコーニング社製。 (c-2)ジメチルポリシロキサン:商品名「BYK−33
3」、固形分40重量%、ビックケミー社製。 (c-3)水酸基含有ジメチルポリシロキサン:商品名「B
YK−375」、固形分40重量%、ビックケミー社
製。 <硬化剤含有成分(B)>(d)架橋剤 (d-1)水分散低温解離型ブロックイソシアネート:商品
名「エラストロンBN−69」、第一工業製薬(株)製、
架橋剤。 (d-2)アルキル型メチル化メラミン:商品名「サイメル3
03」、三井サイテック(株)製、架橋剤。 (d-3)メチロール・イミノ基含有メチル化メラミン:商品
名「サイメル701」、三井サイテック(株)製、架橋
剤。(e)無機アンチブロッキングパウダー (e-1)ソジュウムカルシウムアルミノシリケート:商品
名「シルトンAMT−08」、水沢化学(株)製。 (e-2)非結晶微粉末シリカ:商品名「GASIL 20
0DF」、クロスフィールド社製。 (e-3)テフロン(R)パウダー:商品名「SL90
3」、エレメンテスジャパン社製。<その他> (f)分散媒あるいは溶剤(主剤(A)あるいはメラミン
系硬化剤含有成分(B)に配合):イオン交換水、ブチ
ルセルソルブ、ブタノールなど。 <塗料状態の評価>塗料調製後、その塗料を25℃の温
度で1時間静置して、凝集物の発生の有無を目視にて観
察した。
【0088】 評価3:凝集物等の発生がなく、良好。 評価2:流動性は維持しているが、凝集物の発生あり。 評価1:流動性が低下し、固形状になる。 <硬化性の評価>指触にて判定した。
【0089】 評価3:爪で傷がつかず、ベタツキ感もなく、十分に硬
化。 評価2:ベタツキ感はないが容易に傷がつく。 評価1:硬化不十分でベタツキ感が著しい。 <帯電防止性>低湿度雰囲気(湿度30%)下で、表面
抵抗計(三菱油化(株)製、型番:MCP−TESTE
R、MODEL HT−210)にて測定した。
【0090】 評価3:表面抵抗値1010Ω以下で良好。 評価2:表面抵抗値1010Ωを超え、1011Ω以下。 評価1:表面抵抗値1011Ωを超え、1012Ω以下。 <アンチブロッキング性(ブロッキング防止性)>印刷
インキ層/離型剤層(シリコン系離型剤)/PETフィ
ルム(水系帯電防止塗膜(供試塗料、1μm厚))の順
で積層されたテストピースを作製した。
【0091】各供試配合組成の塗料を用いた面積2cm
×2cmの上記テストピースを作成し、表裏/表裏の順
で10枚積み重ね、その上に500gの荷重をかけて、
60℃で24時間保持して、アンチブロッキング性を測
定した。 評価3:抵抗なく剥離可能。 評価2:剥離可能であるが、抵抗あり。
【0092】評価1:剥離時に離型剤層から剥がれる。
【0093】
【実施例1】シラノール基含有ポリウレタン樹脂ベース
ディスパージョン(商品名「タケラックWS−400
0」、武田薬品工業(株)製、水酸基含有水系樹脂)30
重量部と、アンチモンドープ二酸化スズ混合ポリオレフ
ィン樹脂[商品名「HYTECSN−2001」、二酸
化スズの粒径φ:0.01〜0.03μm(平均粒径
φ:0.02μm)とその含量50重量%、東邦化学
(株)製、導電性無機充填剤]20重量部と、水酸基含有
ジメチルポリシロキサン[商品名「BYK−375」、
固形分40重量%、ビックケミー社製、アンチブロッキ
ング性シリコン添加剤]1.5重量部と、イオン交換水
42重量部とからなる主剤(A)と、メチロール・イミ
ノ基含有メチル化メラミン(商品名「サイメル70
1」、三井サイテック(株)製、架橋剤)5重量部と、ソ
ジュウムカルシウムアルミノシリケート[商品名「シル
トンAMT−08」、水沢化学(株)製、無機アンチブロ
ッキング剤]1.5重量部とを含有する硬化剤含有成分
(B)とを、常温(温度:25℃)下に混合機:特殊機
化工業(株)製、型番:MODEL−SL)にて5分間攪
拌・混合して、帯電防止用塗料組成物を調製した。
【0094】得られた帯電防止用塗料組成物を25℃の
温度で1時間静置して、凝集物の発生の有無を目視にて
観察したところ、配合成分が良好に分散しており、導電
性無機充填剤の二酸化スズなどの凝集もなく、塗料性状
は良好(評価:3、合格)となった。また、該帯電防止
用塗料組成物を、コロナ放電処理されたポリエチレンテ
レフタレートフィルム(PETフィルム、融点:256
℃)の表面に、その乾燥膜厚が約1μm厚となるように
バーコーターにて塗布し、170℃の温度で熱風乾燥機
にて1分間加熱して硬化させてその性能評価試験を行っ
た。
【0095】硬化性は、指触にて判定した。その結果は
ベタツキなく硬化十分であり良好(評価:3、合格)と
なった。また、帯電防止性は、低湿度雰囲気(湿度:3
0%)下でその塗膜の表面抵抗値を、表面抵抗計[三菱
油化(株)製、型番:MCP−TESTER、MODEL
HT−210]にて測定した。
【0096】その結果、表面抵抗値は、1010Ω以下
(評価:3,合格)となった。またアンチブロッキング
性は、抵抗なく剥離可能(評価:3、合格)となった。
結果を併せて表1に示す。
【0097】
【実施例2〜4、比較例1〜7】実施例1において、配
合成分を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同
様にして帯電防止用塗料組成物を調製し、その性能を評
価した。結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落 合 洋 之 滋賀県野洲郡野洲町字三上2306番地の7 中国塗料株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA35 AB33 AB37 AB65 AB72 AB74 AB76 BA07 DA04 EA01 EA03 4F100 AA28A AA28H AK03 AK12 AK25 AK36 AK42B AK52 AK52A AK53 AL05A AL06 AT00B BA02 CA02 CC00A EH46 EH46B EH462 EJ08 EJ082 EJ42 EJ422 EJ55B GB15 GB41 JG03 JK12 JM01B JM02A JN01 4J038 DA162 DG001 DG091 DG261 DG271 GA03 HA216 HA446 HA466 JB26 JB36 KA03 KA08 NA20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)分子内に少なくとも1個のシラノー
    ル基を有するポリウレタン樹脂(a1)、強塩基性第三級ア
    ミン(a2)、導電性無機フィラー(b)およびブロッキング
    防止剤(c)を含有する主剤と、(B)メラミン系硬化剤
    含有成分と、からなることを特徴とする二液型帯電防止
    用塗料組成物。
  2. 【請求項2】上記ポリウレタン樹脂(a1)が、ポリイソシ
    アネート成分と、ポリオール成分と、加水分解性ケイ素
    基含有化合物との反応物であり、該ポリイソシアネート
    成分がジイソシアネートであり、該ポリオール成分がジ
    オールである請求項1に記載の二液型帯電防止用塗料組
    成物。
  3. 【請求項3】上記ポリイソシアネート成分が、脂肪族ジ
    イソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイ
    ソシアネートまたは芳香脂肪族ジイソシアネートであ
    り、 上記ポリオール成分が、ポリカーボネート系ジオールで
    ある請求項2に記載の二液型帯電防止用塗料組成物。
  4. 【請求項4】上記強塩基性第三級アミン(a2)のpKaが
    11以上である請求項1〜3の何れかに記載の二液型帯
    電防止用塗料組成物。
  5. 【請求項5】上記強塩基性第三級アミン(a2)が、1,8
    −ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DB
    U)、または1,6−ジアザビシクロ[3.4.0]ノ
    ネン−5である請求項1〜4の何れかに記載の二液型帯
    電防止用塗料組成物。
  6. 【請求項6】上記ブロッキング防止剤(c)が、シリカ、
    アルミノシリケート、アルミナおよびゼオライトからな
    る群から選ばれた少なくとも1種の無機ブロッキング防
    止剤である請求項1〜5の何れかに記載の二液型帯電防
    止用塗料組成物。
  7. 【請求項7】上記ブロッキング防止剤(c)が、シリカ、
    アルミノシリケート、アルミナおよびゼオライトからな
    る群から選ばれた少なくとも1種の無機ブロッキング防
    止剤と、ポリシロキサン系ブロッキング防止剤との混合
    物である請求項1〜6の何れかに記載の二液型帯電防止
    用塗料組成物。
  8. 【請求項8】上記主剤(A)にブロッキング防止剤(c)
    が含まれると共にメラミン系硬化剤含有成分(B)にも
    ブロッキング防止剤(c)が含まれており、 主剤(A)に含まれるブロッキング防止剤(c)が、ポリ
    シロキサン系ブロッキング防止剤であり、 上記メラミン系硬化剤含有成分(B)に含まれるブロッ
    キング防止剤(c)が、シリカ、アルミノシリケート、ア
    ルミナおよびゼオライトからなる群から選ばれた少なく
    とも1種の無機ブロッキング防止剤である請求項1〜6
    の何れかに記載の二液型帯電防止用塗料組成物。
  9. 【請求項9】上記ポリシロキサン系ブロッキング防止剤
    が、水酸基含有ポリシロキサン系ブロッキング防止剤で
    ある請求項7〜8の何れかに記載の二液型帯電防止用塗
    料組成物。
  10. 【請求項10】上記導電性無機フィラー(b)が、アンチ
    モンドープ二酸化スズである請求項1〜9の何れかに記
    載の二液型帯電防止用塗料組成物。
  11. 【請求項11】上記メラミン系硬化剤含有成分(B)
    が、イミノメチロール基型メチル化メラミン樹脂である
    請求項1〜10の何れかに記載の二液型帯電防止用塗料
    組成物。
  12. 【請求項12】請求項1〜11の何れかに記載の二液型
    帯電防止用塗料組成物から形成されたことを特徴とする
    帯電防止性塗膜。
  13. 【請求項13】請求項1〜11の何れかに記載の二液型
    帯電防止用塗料組成物から形成された帯電防止性塗膜に
    よって被覆されたことを特徴とする基材(転写フィルム
    を除く。)。
  14. 【請求項14】請求項1〜11の何れかに記載された二
    液型帯電防止用塗料組成物から形成された帯電防止性塗
    膜によって被覆されたことを特徴とするプラスチックフ
    ィルム(転写フィルムを除く。)。
  15. 【請求項15】基材表面上に、請求項1〜11の何れか
    に記載された二液型帯電防止用塗料組成物からなる帯電
    防止性塗膜を形成させることを特徴とする帯電防止方
    法。
  16. 【請求項16】上記基材は、コロナ放電処理、光洗浄処
    理、プライマー塗装の何れかが行われたポリエチレンテ
    レフタレート樹脂(PET)である請求項15に記載の
    帯電防止方法。
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