JP2002138254A - 防汚性粉体塗料組成物 - Google Patents

防汚性粉体塗料組成物

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JP2002138254A
JP2002138254A JP2001257051A JP2001257051A JP2002138254A JP 2002138254 A JP2002138254 A JP 2002138254A JP 2001257051 A JP2001257051 A JP 2001257051A JP 2001257051 A JP2001257051 A JP 2001257051A JP 2002138254 A JP2002138254 A JP 2002138254A
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Japan
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acid
carbon atoms
compound
vinyl
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JP2001257051A
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English (en)
Inventor
Masahiro Fujimoto
正弘 藤本
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】粉体塗料の保存中にシリケート化合物等の加水
分解が促進されることなく、かつ、塗膜形成後にシリケ
ート化合物の加水分解反応が速やかに行われ、塗膜表面
を汚染されにくくする粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】一般式(1)または(2)で表されるシリ
ケート化合物、酸無水物および/または熱潜在性化合
物、ならびに加水分解非促進反応性官能基を有する硬化
性樹脂を含有してなることを特徴とする防汚性粉体塗料
組成物。 (R1O)4Si (1) 〔式(1)で、R1は炭素数1〜12のアルキル基、シ
クロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキ
ル基またはアルキルアリール基を示す。〕 〔式(2)で、R1は一般式(1)のR1と同じであ
り、nは2〜100の整数を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防汚性粉体塗料組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装されたガードレールやフェンスなど
は長期にわたって屋外曝露されると、大気に含まれる埃
や自動車などの排気ガスを取り込んだ雨に濡れることで
表面が汚染されてくる。これを防止するため、粉体塗料
に加水分解性シリケート化合物やその縮合物を配合し、
塗膜形成後にシリケート化合物やその縮合物を加水分解
させシラノール基を生成させて、このシラノール基によ
り汚染されにくくする方法が提案されている(国際公開
公報WO94/06870)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、粉体塗料はそ
の形態上、空気中の水分と接触しやすい。このためシリ
ケート化合物等の加水分解を促進する酸やアミン等を含
有する場合、粉体塗料の保存中に該シリケート化合物等
の加水分解が促進され、凝集塊が生成し得られる塗膜に
凝集塊による外観不良が発生するため、粉体塗料は製造
後すぐに塗装する必要があった。また、シリケート化合
物等の加水分解を促進する酸やアミンを含有しない場
合、塗膜形成後のシリケート化合物等の加水分解反応が
遅くシラノール基を生成させるには長時間要するため、
塗膜表面を酸等で処理する必要があった。すなわち、本
発明の目的は、粉体塗料の保存中にシリケート化合物等
の加水分解が促進されることなく、かつ、塗膜形成後に
シリケート化合物の加水分解反応が速やかに行われ、塗
膜表面を汚染されにくくする粉体塗料組成物を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果本発明に至った。すなわ
ち本発明は、一般式(1)または(2)で表されるシリ
ケート化合物(A)、酸無水物(B1)および/または
熱潜在性化合物(B2)、ならびに(A)の加水分解非
促進反応性官能基を有する硬化性樹脂(C)を含有して
なる防汚性粉体塗料組成物である。
【0005】
【化3】 (R1O)4Si (1) (式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基ま
たはアルキルアリール基を示す。)
【0006】
【化4】 (式中、R1は一般式(1)のR1と同じであり、nは2
〜100の整数を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】一般式(1)および(2)におい
て、R1の炭素数は、1〜12であり、好ましくは1〜
8、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2で
ある。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、
n−又はi−プロピル、2−エチルヘキシルおよびドデ
シル等が挙げられる。アルケニルとしては、例えば、ビ
ニル、プロペニル、アリル、ブテニル、オクテニルおよ
びドデセニル等が挙げられる。アリールとしては、例え
ば、フェニル及びナフチル等が挙げられる。アラルキル
としては、例えば、ベンジルおよびフェニルエチル等が
挙げられる。アルキルアリールとしては、例えば、トル
イルおよびエチルフェニル等が挙げられる。これらのう
ち、防汚性の観点から、アルキル基が好ましく、さらに
好ましくはメチル、エチル、n−又はi−プロピル、2
−エチルヘキシルおよびドデシル、特に好ましくはメチ
ルおよびエチルである。
【0008】一般式(2)において、nは、2〜100
の整数であり、好ましくは3〜70、さらに好ましくは
4〜50、特に好ましくは4〜18、最も好ましくは4
〜10である。一般式(1)または(2)で表されるシ
リケート化合物(A)としては、シリケート(一般式
(1))およびこの縮合物(一般式(2))等が使用で
きる。
【0009】シリケートとしては、公知のものが使用で
き、例えば、テトラアルキルシリケート(テトラメチル
シリケート、テトラエチルシリケート、テトラ−n−ま
たは−i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシ
リケートなど)、テトラアルケニルシリケート(テトラ
ブテニルシリケートなど)、テトラアリールシリケート
(テトラフェニルシリケートなど)、テトラアラルキル
シリケート(テトラベンジルシリケートなど)およびテ
トラアルキルアリールシリケート(テトラトルイルシリ
ケートなど)等が挙げられる。また、縮合物としては、
公知のものが使用でき、シリケートを部分加水分解して
直鎖状または分岐状に縮合させたもの等が使用できる。
これらのうち、粉体塗料の流動性と防汚性の観点から、
一般式(2)においてR1がメチル基および/またはエ
チル基である縮合物が好ましい。市場より入手できる縮
合物としては、例えば、テトラメチルシリケート縮合物
(商品名:メチルシリケート51、コルコート社)、テ
トラエチルシリケート縮合物(商品名:エチルシリケー
ト40、商品名:エチルシリケート48、コルコート
社]などが挙げられる。一般式(1)または(2)で表
されるシリケート化合物(A)は、それぞれ単独で使用
してもよく、混合物として使用してもよいが、一般式
(2)で表されるシリケート化合物を主成分として含ま
れていることが好ましく、さらに好ましくは一般式
(2)で表されるシリケート化合物単独で使用すること
である。
【0010】(A)の添加量としては、防汚性の観点か
ら、硬化性樹脂(C)の重量に対して、0.2〜20重
量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜10重量
%、特に好ましくは2〜9重量%、最も好ましくは4〜
7重量%である。
【0011】酸無水物(B1)としては、塗料組成物の
保存温度(0〜50℃、好ましくは10〜40℃、さら
に好ましくは20〜30℃)で不活性で、一定温度(7
0〜200℃、好ましくは110〜180℃、さらに好
ましくは140〜160℃)で、カルボキシル基(カル
ボン酸)を生成し、加水分解性シリル基の加水分解を促
進(触媒作用が発現)するものなら制限なく使用でき
る。なお、一定温度以上でカルボキシル基を生成するに
は、例えば、硬化性樹脂(C)が有する加水分解非促進
反応性官能基のうち水酸基と反応する必要がある。
【0012】酸無水物(B1)としては、ポリカルボン
酸の酸無水物等が使用でき、例えば、ジカルボン酸の酸
無水物、テトラカルボン酸の酸無水物、ヘキサカルボン
酸の酸無水物およびこれらの混合物等が使用できる。酸
無水物は、硬化剤(C2)として作用するものも含まれ
る。ジカルボン酸としては、炭素数8〜35の芳香族ジ
カルボン酸、炭素数2〜24の脂肪族ジカルボン酸およ
び炭素数7〜20の脂環式ジカルボン酸等が用いられ
る。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸等
が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、
マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデセ
ニルコハク酸、n−オクチルコハク酸およびドデカン2
酸等が挙げられる。脂環式ジカルボン酸としては、例え
ば、シクロヘキサン−3,4−ジカルボン酸、シクロヘ
キサン−4,5−ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,
4−ジカルボン酸、シクロヘキセン−4,5−ジカルボ
ン酸およびシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸等が
挙げられる。テトラカルボン酸としては、例えば、ピロ
メリット酸、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン
酸および1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボ
ン酸等が挙げられる。ヘキサカルボン酸としては、例え
ば、ヘキサヒドロメリット酸等が挙げらる。
【0013】これらのうち、ジカルボン酸の酸無水物お
よびテトラカルボン酸の酸無水物が好ましく、さらに好
ましくは芳香族ジカルボン酸の酸無水物、脂肪族ジカル
ボン酸の酸無水物、脂環式ジカルボン酸の酸無水物およ
びテトラカルボン酸の無水物、特に好ましくは無水フタ
ル酸、無水マロン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、
無水グルタル酸、無水ドデセニルコハク酸、無水n−オ
クチルコハク酸、無水ドデカン2酸、シクロヘキサン−
3,4−無水ジカルボン酸、シクロヘキサン−4,5−
無水ジカルボン酸、シクロヘキセン−3,4−無水ジカ
ルボン酸、シクロヘキセン−4,5−無水ジカルボン
酸、シクロヘキサン−1,2−無水ジカルボン酸、無水
ピロメリット酸、1,2,5,6−ヘキサン無水テトラ
カルボン酸および1,2,4,5−シクロヘキサン無水
テトラカルボン酸、さらに特に好ましくは無水マレイン
酸、無水フタル酸、シクロヘキセン−3,4−無水ジカ
ルボン酸、シクロヘキセン−4,5−無水ジカルボン
酸、シクロヘキサン−1,2−無水ジカルボン酸および
無水ピロメリット酸、最も好ましくは無水マレイン酸お
よび無水フタル酸である。
【0014】熱潜在性化合物(B2)としては、塗料組
成物の保存温度(0〜50℃、好ましくは10〜40
℃、さらに好ましくは20〜30℃)では不活性で、一
定温度(70〜200℃、好ましくは110〜180
℃、さらに好ましくは140〜160℃)で酸性触媒ま
たは塩基性触媒が生成し、加水分解性シリル基の加水分
解を促進(触媒作用が発現)するものなら制限なく使用
できる。酸触媒または塩基触媒が生成する温度は、示差
走査熱量計(DSC、昇温速度3℃/分)により吸発熱
ピーク温度として測定される(以下、触媒生成温度と略
する。)。熱潜在性化合物(B2)としては、例えば、
プロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸を
ルイス塩基で中和した化合物、カルボン酸エステル、ス
ルホン酸エステル、リン酸エステル、アミンイミド化合
物、各種オニウム化合物およびこれらの2種以上の混合
物等が挙げられる。
【0015】プロトン酸としては、例えば、炭素数2〜
4のハロゲノカルボン酸(例えば、モノクロル酢酸、ジ
クロル酢酸、トリクロル酢酸、モノブロム酢酸、ジブロ
ム酢酸、トリブロム酢酸、モノヨード酢酸、ジヨード酢
酸およびトリヨード酢酸等)、炭素数1〜14のスルホ
ン酸(例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタリン−α−スルホ
ン酸およびナフタリン−β−スルホン酸等)、炭素数1
〜18の硫酸モノエステル(例えば、メチル硫酸、エチ
ル硫酸、ブチル硫酸、フェニル硫酸およびステアリル硫
酸等)、炭素数1〜36のリン酸モノ−またはジ−エス
テル(例えば、リン酸モノメチル、リン酸ジエチル、リ
ン酸モノエチル、リン酸ジエチル、リン酸モノブチル、
リン酸ジブチル、リン酸モノフェニル、リン酸ジフェニ
ル、リン酸モノステアリルおよびリン酸ジステアリル
等)、炭素数1〜36のホウ酸モノ−またはジ−エステ
ル(例えば、ホウ酸モノメチル、ホウ酸ジエチル、ホウ
酸モノエチル、ホウ酸ジエチル、ホウ酸モノブチル、ホ
ウ酸ジブチル、ホウ酸モノフェニル、ホウ酸ジフェニ
ル、ホウ酸モノステアリルおよびホウ酸ジステアリル
等)等が挙げられる。
【0016】ルイス酸としては、プロトン酸以外のもの
使用でき、例えば、三フッ化ホウ素(BF3)、第二塩
化鉄(FeCl3)、第2塩化スズ(SnCl4)、塩化
アルミニウム(AlCl3)および塩化亜鉛(ZnC
2)などが挙げられる。
【0017】ルイス塩基としては、アンモニア、炭素数
1〜22の脂肪族アミン(飽和または不飽和1級もしく
は2級アミン、例えば、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、エチルアミン、メチルエチルアミン、プロピルアミ
ン、プロペニルアミン、メチルプロペニルアミン、ブチ
ルアミン、ブテニルアミン、ヘキシルアミン、オクチル
アミン、2−エチルヘキシルアミンおよびドデシルアミ
ン等)、炭素数4〜22の脂環式アミン(飽和または不
飽和1級もしくは2級アミン、例えば、シクロブチルア
ミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキセニルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミンおよびメチルシクロヘキセ
ニルアミン等)、炭素数6〜30の芳香(脂肪)族アミ
ン(1級もしくは2級アミン、例えば、アニリン、o
−,m−またはp−トルイジン、ジフェニルアミン、α
−ナフチルアミンおよびベンジルアミン等)、炭素数2
〜22のアルカノールアミン(1級もしくは2級アミ
ン、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン、
ジエタノールアミンおよびブタノールアミン等)、ホス
フィン化合物[トリアルキル(アルキルの炭素数1〜2
0)ホスフィン(例えば、トリメチルホスフィン、トリ
エチルホスフィン、ジメチルブチルホスフィンおよびジ
メチルデシルホスフィン等)およびトリアリール(アリ
ールの炭素数6〜20)ホスフィン(例えば、トリフェ
ニルホスフィン、トリトリルホスフィンおよびトリス
(p−クロロフェニル)ホスフィン等]、ホスファイト
化合物[トリアルキル(アルキルの炭素数1〜20)ホ
スファイト(例えば、トリメチルホスファイト、トリエ
チルホスファイトおよびジメチルエチルホスファイト
等)、トリアリール(アリールの炭素数6〜20)ホス
ファイト(例えば、トリフェニルホスファイト、トリト
リルホスファイトおよびトリス(p−クロロフェニル)
ホスファイト等)等]等が挙げられる。
【0018】また、ルイス酸をルイス塩基で中和した化
合物としては、たとえば、BF3、FeCl3、SnCl
3、AlCl3、ZnCl2などのルイス酸を前記のルイ
ス塩基で中和した化合物などが挙げられる。
【0019】カルボン酸エステルとしては、カルボン酸
[炭素数1〜17の脂肪族(1価:ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸な
ど、多価:シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、トリカルバニル酸、ドデカン二酸な
ど)、炭素数4〜17の脂環式(1価:シクロプロパン
カルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタン
カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘプタ
ンカルボン酸など、多価:シクロプロパンジカルボン
酸、シクロプロパントリカルボン酸、シクロブタンジカ
ルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シク
ロヘプタンジカルボン酸、シクロヘプタントリカルボン
酸など)、炭素数7〜20の芳香(脂肪)族(1価:安
息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸など、多価:フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸など)など]と前記
(ハ)で述べたアルコールとの反応で得られるもの(触
媒生成温度:約70℃以上)などが挙げられる。
【0020】スルホン酸エステルとしては、スルホン酸
[炭素数1〜18の脂肪族スルホン酸(メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸など)、炭素数6〜15の芳香族
スルホン酸(ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタリン−α−
スルホン酸、ナフタリン−β−スルホン酸など)]と前
記(ハ)で述べたアルコールとの反応で得られるものな
どが挙げられる。
【0021】リン酸エステルとしては、リン酸と前記
(ハ)で述べたアルコールとの反応で得られるリン酸モ
ノエステルおよび/またはジエステルが挙げられる。こ
れらのうち好ましいのは、脂肪族1級アルコール(炭素
数3〜18、たとえばn−プロパノール、n−ブタノー
ル、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール)また
は脂肪族2級アルコール(炭素数3〜18、たとえばイ
ソプロパノール、2−ブタノール、2−ヘキサノールな
ど)もしくは脂環式2級アルコール(炭素数5〜12、
たとえばシクロヘキサノール)のリン酸モノエステルお
よび/またはジエステルである。
【0022】アミンイミド化合物としては、前記カルボ
ン酸エステル、ジメチルヒドラジンおよびエポキシドか
ら得られるもの(触媒生成温度:約130℃以上)など
が挙げられる。これらのうち好ましいのは、1,1,1
−トリメチルアミンブチルイミド(C49CON-
+(CH33)、1,1−ジメチル−1−(2−ヒドロ
キシプロピル)アミンエチルイミド(C25CON-+
(CH3)CH2CH(OH)CH3)などである。
【0023】オニウム化合物としては、4級アンモニウ
ム塩(例えば、一般式(3)で表される化合物等)、ホ
スホニウム塩(例えば、一般式(4)で表される化合物
等)、オキソニウム塩(例えば、一般式(5)で表され
る化合物等)、スルホニウム塩(例えば、一般式(6)
で表される化合物等)およびヨードニウム塩(例えば、
一般式(7)で表される化合物等)(触媒生成温度:約
70℃以上)等が挙げられる。
【0024】
【化5】 [R2 3NR3+・X- (3) [R2 3PR3+・X- (4) [R2 2OR3+・X- (5) [R2 2SR3+・X- (6) [R2 I R3+・X- (7)
【0025】一般式(3)〜(7)中、R2は炭素数1
〜12のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アル
キルアリール基、アラルキル基またはシクロアルキル基
を表す。ただし、3個のR2とN、P、OまたはS各原
子とが複素環(ピロール環、ピリジン環、フラン環、γ
−ピラン環、チオフェン環など)を形成していてもよ
い。R3は炭素数1〜12のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基ま
たは水素原子を表す。X-はSbF6 -、AsF6 -、PF6
-またはBF6 -を表す。
【0026】一般式(3)で表される4級アンモニウム
塩としては、例えば、N,N−ジメチル−N−ベンジル
アニリウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N
−ベンジルアニリウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチ
ル−N−(4−クロロベンジル)アニリウム六フッ化ア
ンチモン、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウ
ム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジ
ルトリフルオロメタンスルホン酸、N,N−ジメチル−
N−(4−メトキシベンジル)ピリジニウム六フッ化ア
ンチモン、N,N−ジエチル−N−(4−メトキシベン
ジル)ピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエ
チル−N−(4−メトキシベンジル)トルイジニウム六
フッ化アンチモンおよびN,N−ジメチル−N−(4−
メトキシベンジル)トルイジニウム六フッ化アンチモン
などが挙げられる。
【0027】一般式(4)で表されるホスホニウム塩と
しては、例えば、エチルトルフェニルホスホニウム六フ
ッ化アンチモンおよびテトラブチルホスホニウム六フッ
化アンチモンなどが挙げられる。一般式(5)で表され
るオキソニウム塩としては、例えば、トリエチルオキソ
ニウム四フッ化ホウ素などが挙げられる。
【0028】一般式(6)で表されるスルホニウム塩と
しては、例えば、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホ
ウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、
トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素およびトリ(4
−メトキシフェニル)スルホニウム塩型化合物[トリフ
ェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フ
ェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、商品
名:アデカCP−66(旭電化工業製)、商品名:アデ
カCR−77(旭電化工業製)、商品名:サンエイドS
I−60(三新化学工業製、触媒生成温度:124
℃)、商品名:サンエイドSI−80(三新化学工業
製、触媒生成温度:140℃)、商品名:サンエイドS
I−100(三新化学工業製、触媒生成温度:117
℃)、商品名:サンエイドSI−145(三新化学工業
製)、商品名:サンエイドSI−150(三新化学工業
製、触媒生成温度:約150℃)、商品名:サンエイド
SI−160(三新化学工業製)、商品名:サンエイド
SI−110(三新化学工業製、触媒生成温度:149
℃)および商品名:サンエイドSI−180(三新化学
工業製、触媒生成温度:180℃)など]などが挙げら
れる。
【0029】一般式(7)で表されるヨードニウム塩と
しては、例えば、ジフェニルヨードニウム六フッ化ヒ
素、ジ−4−クロロフェニルヨードニウム六フッ化ヒ
素、ジ−4−ブロムフェニルヨードニウム六フッ化ヒ
素、ジ−P−トリルヨードニウム六フッ化ヒ素およびフ
ェニル(4−メトキシフェニル)ヨードニウム六フッ化
ヒ素などが挙げられる。
【0030】熱潜在性化合物(B2)のうち、オニウム
化合物が好ましく、さらに好ましくはスルホニウム塩、
特に好ましくは一般式(6)で示される化合物、最も好
ましくはトリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモ
ン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素およびトリ
(4−メトキシフェニル)スルホニウム塩型化合物[ト
リフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4
−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、
商品名:アデカCP−66(旭電化工業製)、商品名:
アデカCR−77(旭電化工業製)、商品名:サンエイ
ドSI−100(三新化学工業製)、商品名:サンエイ
ドSI−145(三新化学工業製)、商品名:サンエイ
ドSI−150(三新化学工業製)、商品名:サンエイ
ドSI−160(三新化学工業製)、商品名:サンエイ
ドSI−110(三新化学工業製)および商品名:サン
エイドSI−180(三新化学工業製)など]である。
酸無水物(B1)および熱潜在性化合物(B2)のう
ち、酸無水物およびオニウム化合物が好ましく、さらに
好ましくはオニウム化合物である。
【0031】酸無水物(B1)および熱潜在性化合物
(B2)の配合量は、その種類およびシリケート化合物
(A)中の加水分解性シリル基の含有量・種類等によっ
て適宜選択できるが、外観および物性に優れた塗膜を得
る観点から、酸無水物(B1)のみを使用する場合、
(B1)の配合量は、(A)および(B1)の合計重量
に対して、0.01〜10重量%が好ましく、さらに好
ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量
%である。また、熱潜在性化合物(B2)のみ使用する
場合、(B2)の配合量は、(A)および(B2)の合
計重量に対して、0.01〜10重量%が好ましく、さ
らに好ましくは0.02〜0.2重量%、特に好ましく
は0.03〜0.1重量%である。酸無水物(B1)お
よび熱潜在性化合物(B2)を併用する場合、(B1)
および(B2)の配合量は、(A)および(B2)の合
計重量に対して、0.01〜10重量%が好ましく、さ
らに好ましくは0.02〜5重量%、特に好ましくは
0.03〜3重量%である。
【0032】本発明における硬化性樹脂(C)は、
(A)の加水分解非促進反応性官能基を有するものな
ら、公知の熱硬化性粉体塗料に使用される樹脂が使用で
きる。加水分解非促進反応性官能基とは、塗料組成物の
保存温度(0〜50℃、好ましくは10〜40℃、さら
に好ましくは20〜30℃)では(A)の加水分解性シ
リル基に対して不活性であり、加水分解性シリル基の加
水分解を促進(触媒作用)しない反応性官能基であっ
て、塗料組成物の加熱硬化時(70〜200℃、好まし
くは110〜180℃、さらに好ましくは140〜16
0℃)に架橋反応し得る反応性官能基である。従って、
遊離カルボキシル基および遊離アミノ基等は、硬化反応
し得るが加水分解性シリル基の加水分解を促進するので
加水分解非促進反応性官能基とはなり得ない。加水分解
非促進反応性基としては、例えば、エポキシ基、水酸
基、ブロック化カルボキシル基、ブロック化アミノ基お
よびブロック化イソシアネート基(ブロック化していな
いイソシアネート基でもよいが、防汚性粉体塗料組成物
の製造時および保管時にイソシアネート基が例えば、湿
気およびポリオールなどと反応するため、ブロック化イ
ソシアネート基が好ましい。)等が挙げられる。これら
のうち、水酸基およびブロック化イソシアネート基が好
ましい。加水分解非促進反応性官能基は、樹脂分子の側
鎖、末端またはその両方のいずれに存在していてもよ
い。加水分解非促進反応性官能基の数としては、硬化性
樹脂(1分子)中に、少なくとも1個有していればよい
が、2個以上が好ましく、さらに好ましくは2〜20
個、特に好ましくは2〜15個、最も好ましくは3〜1
0個である。
【0033】ブロック化カルボキシル基としては、アミ
ドからなる基(H2NCO−)およびエステルからなる
基(ROCO−、Rはアルキル基などを表す。)等が用
いられ、例えば、1−オキソ−2−アザエチル(H2
CO−)、1−オキソ−2−オキサ−3,3−ジメチル
ブチル((CH33COCO−)、1−オキソ−2−オ
キサ−3,3−ジエチルペンチル((CH3CH23
OCO−)、1−オキソ−2−オキサ−3,3−ジブチ
ルヘプチル((CH3CH2CH2CH23COCO−)
および1−オキソ−2−オキサ−3,3,3−トリフェ
ニルプロピル((C653COCO−)等が挙げられ
る。
【0034】カルボキシル基をブロック化カルボキシル
基とするには、カルボキシル基にブロック化剤を作用さ
せることにより容易に得ることができる。カルボキシル
基のブロック化剤としては、アンモニアおよび炭素数4
〜19の3級アルコール(例えば、t−ブチルアルコー
ル、トリエチルカルビノール、トリブチルカルビノール
およびトリフェニルカルビノール等)等が挙げられる。
【0035】ブロック化アミノ基としては、オキシムか
らなる基(R2C=N−、Rはアルキル基などを表
す。)等が用いられ、例えば、イソプロピリデンアミノ
(CH3C(CH3)=N−)および3−メチルペンチリ
−4−デンアミノ(CH3CH2CH2(CH3)C(CH
3)=N−)等が挙げられる。アミノ基のブロック化剤
としては、炭素数3〜15のケトン(例えば、アセトン
およびメチルイソブチルケトン等)等が挙げられる。
【0036】ブロック化イソシアネート基としては、例
えば、1−アザ−2−オキソ−3−オキサブチル(CH
3OCONH−)、1−アザ−2−オキソ−3−オキサ
−4−メチルペンチル(CH3CH2(CH3)OCON
H−)、1−アザ−3−オキサ−4−ジメチルペンチル
((CH33COCONH−)、2−フェノキシ−1−
アザ−2−オキソエチル(C65OCONH−)、2−
ニトロフェニルオキシ−1−アザ−2−オキソエチル
(NO2−C65OCONH−)およびイソシアネート
基をε−カプロラクタムでブロック化した化合物(以下
の構造を有するもの)等が挙げられる。
【0037】
【化6】
【0038】イソシアネート基のブロック化剤として
は、炭素数1〜6のモノオール(例えば、メチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコー
ル)、炭素数6〜15の1価フェノール(例えば、フェ
ノール、ニトロフェノール)および炭素数6〜15のラ
クタム(例えば、たとえばε−カプロラクタム)などが
挙げられる。
【0039】硬化性樹脂(C)中にこれらの加水分解非
促進反応性官能基を導入する方法としては、加水分解非
促進反応性官能基を有するモノマーおよび/または加水
分解非促進反応性官能基を有する重合開始剤を用いて
(共)重合を行う方法が挙げられ、この他に(共)重合
を行った後に(共)重合樹脂を変性して加水分解非促進
反応性官能基を導入する方法なども適用できる。
【0040】硬化性樹脂(C)としては、加水分解非促
進反応性基を有する主剤(C1)と、加水分解非促進反
応性基を有する硬化剤(C2)とからなる。主剤(C
1)としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シドおよびウレタン樹脂からなる群から選ばれる1種以
上の樹脂が好ましく、塗膜の外観および耐候性が優れる
という観点から、さらに好ましくはビニル樹脂およびポ
リエステル樹脂である。
【0041】加水分解非促進反応性官能基を有するビニ
ル樹脂は、加水分解非促進反応性官能基を有するビニル
モノマーを単独重合するか、それらを必須成分として他
の各種ビニルモノマーと共重合させることによって得ら
れる。なお、加水分解非促進反応性官能基を有するビニ
ルモノマーは、2種以上を併用してもよい。 加水分解
非促進反応性官能基を有するビニルモノマーとしては、
(a)〜(e)が挙げられる。
【0042】(a)エポキシ基含有ビニルモノマー ・炭素数6〜15のエポキシ基含有(メタ)アクリレー
ト、たとえばグリシジル(メタ)アクリレート、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなど
【0043】(b)水酸基含有ビニルモノマー ・炭素数8〜15の水酸基含有スチレン化合物、たとえ
ばヒドロキシスチレンなど ・炭素数4〜10の水酸基含有(メタ)アクリルアミ
ド、たとえば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド
など〕 ・炭素数5〜12の水酸基含有不飽和カルボン酸エステ
ル ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)(メタ)アクリ
レート、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなど ポリ(n=2〜30、好ましくは5〜15、さらに好
ましくは8〜12)オキシアルキレン(アルキレン基の
炭素数2〜4)鎖を有する水酸基含有モノマー、たとえ
ばポリオキシアルキレン不飽和モノカルボン酸エステル
[ポリ(n=10)オキシエチレンモノ(メタ)アクリ
レートなど;ポリ(n=2〜30、好ましくは10〜1
5、さらに好ましくは8〜12)オキシアルキレン(ア
ルキレン基の炭素数2〜4)不飽和ジカルボン酸ジエス
テル[ポリ(n=10)オキシエチレンマレイン酸ジエ
ステルなど]〕
【0044】・炭素数3〜8の不飽和アルコール、たと
えば(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、
イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2
−ブテン−1,4−ジオールなど ・炭素数4〜12の水酸基含有エーテル、たとえばヒド
ロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3
〜6)エーテル[2−ヒドロキシエチルプロペニルエー
テル、多価アルコール(後述のもの)のアリルエーテル
(蔗糖アリルエーテルなど)] ・ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜
4)(メタ)アリルエーテル、たとえばポリ(n=1
0)オキシエチレン(メタ)アリルエーテルなど
【0045】(c)ブロック化カルボキシル基含有ビニ
ルモノマー ・炭素数3〜15の不飽和モノカルボン酸をカルボキシ
ル基のブロック化剤でブロックした構造を有するもの、
たとえば(メタ)アクリル酸t−ブチルエステル、クロ
トン酸t−ブチルエステルおよび桂皮酸t−ブチルエス
テルなど ・炭素数4〜15の不飽和ジカルボン酸(不飽和無水カ
ルボン酸)をカルボキシル基のブロック化剤でブロック
した構造を有するもの、たとえば無水マレイン酸t−ブ
チルジエステル、フマル酸t−ブチルジエステル、イタ
コン酸t−ブチルジエステルおよびシトラコン酸t−ブ
チルジエステルなど
【0046】(d)ブロック化アミノ基含有ビニルモノ
マー ・炭素数5〜15の1級アミノ基含有(メタ)アクリレ
ートをアミノ基のブロック化剤でブロックした構造を有
するもの、たとえばアミノエチル(メタ)アクリレート
とアセトンとの反応から生成する構造を有するケチミン
など ・炭素数3〜10の1級アミノ基含有アリル化合物をア
ミノ基のブロック化剤でブロックした構造を有するも
の、たとえば(メタ)アリルアミンとアセトンとの反応
から生成する構造を有するケチミンなど ・炭素数5〜10の1級アミノ基含有アクリルアミド、
たとえばN−アミノアルキル(炭素数1〜6)(メタ)
アクリルアミド、具体的にはN−アミノエチル(メタ)
アクリルアミド、N,N−ビス(アミノアルキル)(メ
タ)アクリルアミドなど〕のアミノ基を上記ブロック化
剤でブロックしたもの
【0047】(e)ブロック化イソシアネート基含有ビ
ニルモノマー ・脂肪族ビニルモノマー 炭素数5〜15のイソシアネート基含有脂肪族ビニルモ
ノマー、たとえばイソシアネートアルキル(炭素数1〜
6)(メタ)アクリレート[イソシアネートエチル(メ
タ)アクリレートなど]など〕のイソシアネート基を上
記ブロック化剤でブロックしたもの ・芳香族ビニルモノマー 炭素数9〜20のイソシアネート基含有芳香脂肪族ビニ
ルモノマー(m−イソプロペニル−α,α−ジメチルメ
チルベンジルイソシアネートなど)のイソシアネート基
を上記ブロック化剤でブロックしたもの
【0048】これらの加水分解非促進反応性官能基を有
するビニルモノマーのうち、塗膜の強度の観点から、ブ
ロック化イソシアネート基含有ビニルモノマー、エポキ
シ基含有ビニルモノマー及び水酸基含有ビニルモノマー
が好ましく、さらに好ましくはエポキシ基含有ビニルモ
ノマー及び水酸基含有ビニルモノマー、特に好ましくは
グリシジル(メタ)アクリレート及びヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートである。
【0049】加水分解非促進反応性官能基を有さず、ビ
ニルモノマー(a)〜(e)との共重合に用いられる他
のビニルモノマーとしては、下記の(f)〜(k)等が
使用できる。 (f)ビニル炭化水素 (f1)脂肪族ビニル炭化水素:炭素数2〜18または
それ以上のアルケン、たとえばエチレン、プロピレン、
ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブ
チレン、オクテン、ドデセンおよびオクタデセンなど;
炭素数4〜10またはそれ以上のジエン、たとえばブタ
ジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−
ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエンなど (f2)脂環式ビニル炭化水素:炭素数4〜18または
それ以上の脂環式ビニル炭化水素、たとえばシクロヘキ
セン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、
インデン、ビニルシクロヘキセンおよびエチリデンビシ
クロヘプテンなど (f3)芳香族ビニル炭化水素:炭素数8〜20または
それ以上の芳香族ビニル炭化水素、たとえばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチ
ルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、
ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルス
チレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ビニル
ナフタレン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジ
ビニルキシレンおよびトリビニルベンゼンなど
【0050】(g)アルキル(メタ)アクリレート アルキル基(炭素数1〜50)を有するアルキル(メ
タ)アクリレート、たとえば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプ
タデシル(メタ)アクリレートおよびエイコシル(メ
タ)アクリレートなど(ただし、炭素数4〜19の3級
アルコールと(メタ)アクリル酸との反応により生成す
る構造を有するエステルは含まない。)
【0051】(h)(ポリ)(n=1〜30)オキシア
ルキレン(炭素数2〜4)鎖を有するジビニルモノマー ポリアルキレングリコール[数平均分子量(以下Mnと
略記;測定法はGPCによる)100〜1,000]ジ
(メタ)アクリレート、たとえばポリエチレングリコー
ル(Mn300)ジ(メタ)アクリレートおよびポリプ
ロピレングリコール(Mn500)ジ(メタ)アクリレ
ートなど;ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数1〜
18)エーテル(メタ)アクリレート、たとえばメチル
アルコールエチレンオキシド10モル付加物(メタ)ア
クリレートおよびラウリルアルコールエチレンオキシド
30モル付加物(メタ)アクリレートなど
【0052】(i)燐酸基含有ビニルモノマー ・(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(アルキル基
の炭素数2〜4)燐酸トリエステル、例えば、特許第3
052072号公報に記載のリン酸ジエステルとグリシ
ジル(メタ)アクリレートとの反応から生成する構造を
有するリン酸エステルなど ・(メタ)アクリル酸アルキル(アルキル基の炭素数2
〜4)ホスホン酸ジエステル、例えば2−アクリロイル
オキシエチルステアリルホスホン酸ジエステル、2−ア
クリロイルオキシエチルブチルホスホン酸ジエステルお
よび2−アクリロイルオキシエチルメチルホスホン酸な
【0053】(j)含窒素ビニルモノマー (j1)N−アルキルアミド基含有ビニルモノマー ・炭素数3〜20の(メタ)アクリルアミド化合物、た
とえば(メタ)アクリルアミド;N−アルキル(炭素数
1〜6)(メタ)アクリルアミド、たとえばN−メチル
(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレ
ン−ビス(メタ)アクリルアミド;N,N−ジアルキル
(炭素数1〜6)もしくはジアラルキル(炭素数7〜1
5)(メタ)アクリルアミド、たとえばN,N−ジメチ
ルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド ・上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4
〜20のアミド基含有ビニル化合物、たとえばメタクリ
ルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミ
ド、桂皮酸アミド、環状アミド(N−ビニルピロリド
ン、N−アリルピロリドンなど)、4級アンモニウム基
含有ビニル化合物〔ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミドなどの3級アミノ基含有ビニル化合物の4級化物
(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライ
ド、ジメチルカーボネートなどの4級化剤を用いて4級
化したもの)〕
【0054】(j2)(メタ)アクリレート化合物 炭素数6〜20のジアルキル(炭素数1〜4)アミノア
ルキル(炭素数1〜4)(メタ)アクリレート、たとえ
ばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミ
ノエチルメタクリレート、複素環含有(メタ)アクリレ
ート〔モルホリノエチル(メタ)アクリレートなど〕、
4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート〔ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレートなどの3級アミノ基含有
(メタ)アクリレートの4級化物(メチルクロライド、
ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネ
ートなどの4級化剤を用いて4級化したもの)〕、メチ
ル−α−アセトアミノアクリレートなど(ただし、炭素
数4〜19の含窒素3級アルコールと(メタ)アクリル
酸との反応により生成する構造を有するエステルは含ま
ない。)
【0055】(j3)複素環含有ビニル化合物 炭素数7〜14のビニル基含有ピリジン化合物、たとえ
ば4−ビニルピリジンおよび2−ビニルピリジンなど;
炭素数5〜12のビニル基含有イミダゾール化合物、例
えばN−ビニルイミダゾールなど;炭素数6〜13のビ
ニル基含有ピロール化合物、たとえばN−ビニルピロー
ルおよびN−メチル−β−ビニルピロールなど (j4)ニトリル基含有ビニル化合物 炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物、たとえ
ば(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレンおよびシ
アノアルキル(炭素数1〜4)アクリレートなど(ただ
し、炭素数4〜19のニトリル基含有3級アルコールと
(メタ)アクリル酸との反応により生成する構造を有す
るエステルは含まない。) (j5)その他ビニル化合物 炭素数8〜16のニトロ基含有ビニル化合物、たとえば
ニトロスチレンなど
【0056】(k)ビニルエステル、ビニルエーテル、
ビニルケトン、サルファイド基含有モノマー (k1) ビニルエステル、プロペニルエステル ・炭素数4〜15の脂肪族ビニルエステル、たとえば酢
酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテ
ート、ビニルメトキシアセテートおよびビニルベンゾエ
ートなど ・炭素数9〜20の芳香族ビニルエステル、たとえばジ
アリルフタレート、メチル−4−ビニルベンゾエートお
よびアセトキシスチレンなど
【0057】(k2)ビニルエーテル ・炭素数3〜15の脂肪族ビニルエーテル、ビニルアル
キル(炭素数1〜10)エーテル、たとえばビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエ
ーテル、ビニルブチルエーテルおよびビニル−2−エチ
ルヘキシルエーテルなど;ビニルアルコキシ(炭素数1
〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル、たとえばビ
ニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエ
ン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジ
ヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロ
キシジエチルエーテルおよびビニル−2−エチルメルカ
プトエチルエーテルなど;ポリ(2〜4)(メタ)アリ
ロキシアルカン(アルカンの炭素数2〜6)、たとえば
ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラア
リロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラア
リロキシブタンおよびテトラメタアリロキシエタンなど ・炭素数8〜20の芳香族ビニルエーテル、たとえばビ
ニルフェニルエーテルおよびフェノキシスチレンなど
【0058】(k3)ビニルケトン ・炭素数4〜25の脂肪族ビニルケトン、たとえばビニ
ルメチルケトンおよびビニルエチルケトンなど ・炭素数9〜21の芳香族ビニルケトン、たとえばビニ
ルフェニルケトンなど(k4)サルファイド基含有モノ
マー 炭素数4〜20のサルファイド基含有モノマー、たとえ
ばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルフ
ァイドおよびビニルエチルサルファイドなど (k5)不飽和ジカルボン酸ジエステル 炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル、たと
えばジアルキル(炭素数1〜22)、もしくはジシクロ
アルキル(炭素数5〜22)フマレート、ジアルキル
(炭素数1〜22)、もしくはジシクロアルキル(炭素
数5〜22)マレエートなど(ただし、炭素数4〜19
の3級アルコールと不飽和ジカルボン酸との反応により
生成する構造を有するジエステルは含まない。)
【0059】加水分解非促進反応性官能基を有するビニ
ルモノマーとの共重合に用いられる他のビニルモノマー
うち、(f)、(g)および(i)が好ましく、さらに
好ましいのは(f3)およびアルキル(炭素数1〜4)
(メタ)アクリレート、特に好ましくはスチレン、メチ
ル(メタ)アクリレートおよびブチル(メタ)アクリレ
ートである。
【0060】ビニル樹脂中の加水分解非促進反応性官能
基の含量は、1分子中に1個以上であり、好ましくは2
個以上、さらに好ましくは3〜20個、特に好ましくは
4〜15個、最も好ましくは5〜10である。上記ビニ
ルモノマーの重合方法としては、溶液重合、塊状重合、
懸濁重合、乳化重合などの通常の重合法が挙げられる。
これらのうち、溶液重合および懸濁重合が好ましく、さ
らに好ましくは溶液重合、分子量調節の観点から特に好
ましくは有機溶剤中で溶液重合後、脱溶剤をおこなう溶
液重合である。
【0061】ポリエステル樹脂としては、2価〜4価ま
たはそれ以上のポリカルボン酸と2価〜4価またはそれ
以上のポリオールとのポリエステル化物およびラクトン
の開環重合体等が使用できる。なお、ポリエステルの末
端にはカルボキシル基が存在しないことが必要である。
ポリカルボン酸としては、炭素数8〜35の芳香族ポリ
カルボン酸[たとえばフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれ
らの酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルコールとのエ
ステル化物等]、炭素数3〜24の脂肪族ポリカルボン
酸[たとえばマロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、ド
デカン2酸およびこれらの酸無水物、低級(炭素数1〜
4)アルコールとのエステル化物等]、および炭素数9
〜20の脂環式ポリカルボン酸[たとえば1,2,4−
シクロヘキサントリカルボン酸、およびこれらの酸無水
物、低級(炭素数1〜4)アルコールとのエステル化
物]などが挙げられる。
【0062】ポリオールとしては、炭素数6〜70の多
価フェノール[たとえばビスフェノールA、カテコール
およびフェノールノボラックなど]のアルキレン(炭素
数2〜4)オキシド(2〜40モル)付加物、炭素数4
〜12の脂肪族ポリオール[たとえばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよび
これらのアルキレン(炭素数2〜4)オキシド(2〜4
0モル)付加物]、炭素数8〜20の脂環式ポリオール
(たとえば1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添
ビスフェノールA、およびこれらのアルキレン(炭素数
1〜4)オキシド(2〜40モル)付加物]等が挙げら
れる。
【0063】ラクトンとしては、炭素数4〜18のγ−
ラクトン[たとえばγ−ブチロラクトンおよびγ−カプ
ロラクトン等]、炭素数5〜6のδ−ラクトン[たとえ
ばδ−バレロラクトンおよびδ−カプロラクトン等]お
よび炭素数9〜17の大環状ラクトン等が挙げられる。
【0064】これらのうち、芳香族ポリカルボン酸、こ
れらの酸無水物、および/または低級(炭素数1〜4)
アルコールエステル化物と脂肪族ポリオールとからなる
ポリエステルが好ましく、さらに好ましくはイソフタル
酸、テレフタル酸、これらの酸無水物、および/または
低級(炭素数1〜4)アルコールエステル化物と1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび/
またはこれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキシド
(2〜40モル)付加物、並びにビスフェノールAのア
ルキレン(炭素数2〜4)オキシド(2〜40モル)付
加物とからなるポリエステルである。
【0065】ポリエステル樹脂の製造方法としては、ポ
リカルボン酸とポリオールとの脱水重縮合反応、ポリカ
ルボン酸メチルエステルとポリオールとのエステル交換
反応などの通常のポリエステル重合方法が挙げられる。
ポリエステル樹脂中の加水分解非促進反応性官能基の含
量は、1分子中に1個以上であり、好ましくは2個以
上、さらに好ましくは2〜10個、特に好ましくは2〜
8個、最も好ましくは2〜4である。
【0066】エポキシドとしては、芳香族、複素環式、
脂環式および脂肪族の各エポキシド等が使用できる。芳
香族エポキシドとしては、芳香族ポリ(2価〜4価また
はそれ以上)カルボン酸のグリシジルエステル、多価
(2価〜4価またはそれ以上)フェノールもしくはその
アルキレン(炭素数2〜4)オキシド(2〜40モル)
付加物のグリシジルエーテルおよびグリシジル芳香族ア
ミンなどが用いられる。芳香族ポリカルボン酸のグリシ
ジルエステルとしては、炭素数14〜20のグリシジル
エステル等が用いられ、たとえばフタル酸ジグリシジル
エステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフ
タル酸ジグリシジルエステル及びトリメリット酸ジグリ
シジルエステル等が挙げられる。
【0067】多価フェノールもしくはそのアルキレン
(炭素数2〜4)オキシド(2〜40モル)付加物のグ
リシジルエーテルとしては、炭素数12〜80のグリシ
ジルエーテル等が用いられ、たとえばビスフェノールF
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジル
エーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノール
Aジグリシジル、テトラクロロビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、カテキンジグリシジルエーテル、レゾ
ルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグ
リシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテ
ル、1,5−ジヒドロキシナフタリンジグリシジルエー
テル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、
オクタクロロ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルジグ
リシジルエーテル、フェノールまたはクレゾールノボラ
ック樹脂(重合度2〜15)のグリシジルエーテル、ビ
スフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルとの
反応から得られるジグリシジルエーテル、フェノールと
グリオキザール、グルタールアルデヒド、またはホルム
アルデヒドとの縮合反応によって得られるポリフェノー
ル[重量平均分子量(以下Mwと略記)500〜10,
000]のポリグリシジルエーテル(エポキシ当量20
0〜1,000)、およびレゾルシンとアセトンの縮合
反応によって得られるポリフェノール(Mw500〜1
0,000)のポリグリシジルエーテル(エポキシ当量
200〜1,000)およびビスフェノールAのアルキ
レンオキシド(エチレンオキシドおよび/またはプロピ
レンオキシド付加個数2〜34)付加物のジグリシジル
エーテル等が挙げられる。
【0068】グリシジル芳香族アミンとしては、炭素数
12〜30のグリシジルアミン等が用いられ、たとえば
N,N−ジグリシジルアニリンおよびN,N,N’,
N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が
挙げられる。さらに、本発明における前記芳香族系エポ
キシ樹脂としては、炭素数9〜15の芳香族ジイソシア
ネート(トリレンジイソシアネートおよびジフェニルメ
タンジイソシアネートなど)とグリシドールの付加反応
によって得られるジグリシジルウレタン化合物も含まれ
る。
【0069】複素環式エポキシドとしては、炭素数12
〜30のエポキシド等が用いられ、たとえばトリスグリ
シジルメラミン等が挙げられる。
【0070】脂環式エポキシドとしては、炭素数8〜2
0のエポキシド等が用いられ、たとえばビニルシクロヘ
キセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペン
タジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペ
ンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジ
シクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシ−6’
−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,
4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジ
ペート、およびビス(3,4−エポキシ−6−メチルシ
クロヘキシルメチル)ブチルアミン等が挙げられる。ま
た、脂環式エポキシドとしては、前記芳香族ポリグリシ
ジルエーテル(多価フェノールもしくはそのアルキレン
オキシド付加物のグリシジルエーテル)の核水添化物も
含む。
【0071】脂肪族エポキシドとしては、脂肪族ポリオ
ール(2価〜4価またはそれ以上)のポリ(n=2〜2
0)グリシジルエーテル、脂肪族ポリカルボン酸(2価
〜4価またはそれ以上)のポリ(n=2〜20)グリシ
ジルエステル、およびグリシジル脂肪族アミンが挙げら
れる。脂肪族ポリオールのポリグリシジルエーテルとし
ては、アルキレン(炭素数2〜4)グリコールポリグリ
シジルエーテル、たとえばエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエー
テル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテ
ル;ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコールポリグ
リシジルエーテル、たとえばポリエチレングリコール
(Mw500〜2,000)ジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコール(Mw500〜2,000)ジ
グリシジルエーテル;3価〜4価またはそれ以上の多価
アルコールのポリグリシジルエーテル、たとえばトリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリ
スリトールテトラグリシジルエーテル、およびソルビト
ールヘキサグリシジルエーテルなどが挙げられる。脂肪
族ポリカルボン酸のポリグリシジルエステルとしては、
ジグリシジルアジペートなどが挙げられる。グリシジル
脂肪族アミンとしては、グリシジル脂肪族モノアミン
(N−グリシジルジプロピルアミンなど)、グリシジル
脂肪族ジアミン(N,N,N’,N’−テトラグリシジ
ルヘキサメチレンジアミンなど)、グリシジル脂肪族3
価またはそれ以上のアミン(N,N,N”,N’,N’
−ペンタグリシジルジエチレントリアミンなど)などが
挙げられる。
【0072】上記のエポキシドのうち、塗膜強度の観点
から、芳香族エポキシドおよび脂肪族エポキシドが好ま
しく、さらに好ましくは多価フェノールもしくはそのア
ルキレンオキシド付加物のグリシジルエーテルおよび脂
肪族ポリカルボン酸のポリグリシジルエステル、特に好
ましくはビスフェノールAジグリシジルエーテルおよび
ジグリシジルアジペートである。エポキシドは、加水分
解非促進反応性基としてエポキシ基を有していればよい
が、他の加水分解非促進反応性基を有していてもよい。
エポキシド中の加水分解非促進反応性官能基の含量は、
塗料焼き付け時の流動性と形成された塗膜の強度とのバ
ランスの観点から、1分子中に1個以上であり、好まし
くは2個以上、さらに好ましくは2〜10個、特に好ま
しくは2〜8個、最も好ましくは2〜4である。
【0073】ウレタン樹脂としては、分子中にウレタン
結合またはウレタン結合およびウレア結合を有する樹脂
であり、好ましくは主鎖にウレタンおよびウレア結合を
有する樹脂である。これらは、分子末端および/または
側鎖にイソシアネート基との反応性を有する官能基(水
酸基、1級アミノ基、2級アミノ基など)を持つ活性水
素含有多官能高分子化合物(イ)とイソシアネート化合
物(ロ)とを反応させて得られるものであるが、必要に
よりイソシアネート基と反応性を有する低分子化合物
(ハ)を用いて反応させてもよい。(イ)がアミノ基を
有する場合には(ハ)を用いる必要はない。
【0074】活性水素含有多官能高分子化合物(イ)と
しては、高分子ポリオール(アクリルポリオール、ポリ
ブタジエンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオールなど)などが使用できる。高分子ポ
リオールのうち、アクリルポリオールとしては、水酸基
を有するビニルモノマー[前記(b)、たとえばヒドロ
キシエチルメタクリレート]と他のビニルモノマー(た
とえば、メチルメタクリレート、スチレン、ブチルアク
リレート)を共重合したものなどが挙げられる。官能基
数としては通常2〜3、水酸基価は通常10〜150の
ものが挙げられる。アクリルポリオールの製造方法とし
ては、たとえば、水酸基を有するアゾ系ラジカル重合開
始剤と水酸基を有する連鎖移動剤共存下にラジカル重合
を行う方法、水酸基含有モノマーを(共)重合させる方
法などが挙げられる。
【0075】ポリブタジエンポリオール(水添物も含
む)としては、末端に水酸基を含有するブタジエンと他
のビニルモノマー(たとえば、スチレン、アクリロニト
リル)の共重合体で、官能基数2〜3、水酸基価10〜
150のものが挙げられる。ポリエステルポリオールと
しては、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポ
リエステルポリオール、ポリカーボネートジオールなど
が挙げられる。縮合系ポリエステルポリオールとして
は、ジカルボン酸(たとえば、アジピン酸)とジオール
(たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル)との脱水縮合反応で得られるものが挙げられる。官
能基数は通常2〜3、水酸基価は通常20〜500のも
のが挙げられる。ラクトン系ポリエステルポリオールと
しては、ε−カプロラクトンの開環重合で得られるポリ
エステルが挙げられる。官能基数は通常2〜3、水酸基
価は通常15〜600のものが挙げられる。ポリカーボ
ネートジオールとしては、ジオール(たとえば、1,6
−ヘキサングリコール)とエチレンカーボネートの付加
重合で得られるポリエステルが挙げられる。官能基数は
通常2、水酸基価は通常50〜250のものが挙げられ
る。ポリエーテルポリオールとしては、開始剤〔たとえ
ば、水、低分子ポリオール(ジオール、トリオールな
ど)〕にアルキレンオキシド(たとえば、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、THF)を付加重合させて
得られるものが挙げられる。官能基数は通常2〜3、水
酸基価は通常10〜600のものが挙げられる。活性水
素含有多官能高分子化合物(イ)の官能基数は通常2〜
4またはそれ以上、好ましくは2〜3であり、当量は通
常200〜4,000、好ましくは500〜2,000
である。
【0076】イソシアネート化合物(ロ)としては、炭
素数(イソシアネート化合物中のNCO基中の炭素を除
く、以下同じである。)2〜12の脂肪族イソシアネー
ト、炭素数4〜15の脂環式イソシアネート、炭素数7
〜12の芳香脂肪族イソシアネート、炭素数6〜15の
芳香族イソシアネート、これらのイソシアネートの変性
物およびこれらの2種以上の混合物等が使用できる。脂
肪族イソシアネートとしては、例えば、プロピルイソシ
アネート、イソプロピルイソシアネート、n−ブチルイ
ソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ドデシルイソ
シアネート等の単官能イソシアネート;エチレンジイソ
シアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレン
ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジ
イソシアナトメチルカプロエート等の2官能イソシアネ
ート等が挙げられる。
【0077】脂環式イソシアネートとしては、例えば、
シクロヘキシルイソシアネート等の単官能イソシアネー
ト;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレン
ジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシア
ネート等の2官能イソシアネート等が挙げられる。芳香
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ベンジルイソ
シアネート等の単官能イソシアネート;キシリレンジイ
ソシアネート等の2官能イソシアネート等が挙げられ
る。
【0078】芳香族イソシアネートとしては、例えば、
フェニルイソシアネート等の単官能イソシアネート;
1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、
2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(T
DI)、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネ
ート等の2官能イソシアネート、粗製TDI、粗製MD
Iなどの2官能またはそれ以上のイソシアネート等が挙
げられる。
【0079】これらのイソシアネートの変性物として
は、例えば、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボ
ジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート
変性MDI)、ウレタン変性TDI、ビューレット変性
HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレー
ト変性IPDIなどが挙げられる。
【0080】これらのうち、樹脂主鎖中にウレタンおよ
び/またはウレア結合を導入することのできる2官能ま
たはそれ以上のイソシアネートが好ましく、塗膜の可撓
性および耐光性の観点から、さらに好ましくは脂肪族イ
ソシアネートおよび脂環式イソシアネート、特に好まし
くはイソホロンジイソシアネートである。
【0081】必要により用いられる低分子化合物(ハ)
としては、アルコールおよびアミン等が用いられる。ア
ルコールとしては、1価のアルコール(炭素数1〜3
0)、2〜8価の多価アルコール(炭素数2〜30)、
該多価アルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜2
0、たとえばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、
1,2−、1,3−、2,3−もしくは1,4−ブチレ
ンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン)
付加物(Mn1,000以下)、1価フェノール化合物
および2〜6価の多価フェノール化合物のアルキレンオ
キシド(上記のもの)付加物(Mn1,000以下)、
燐系ポリオールおよびこれらの混合物等が挙げられる。
【0082】上記1価アルコールとしては、脂肪族アル
コール(炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和アルコー
ル:メタノール、エタノール、n−またはi−プロパノ
ール、n−、i−またはt−ブタノール、2−エチルヘ
キサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテルなど)、脂環式アルコール
(炭素数1〜30の飽和もしくは不飽和アルコール:シ
クロヘキシルアルコールなど)、芳香族アルコール(炭
素数7〜30のアルコール:ベンジルアルコールなど)
などが挙げられる。
【0083】多価アルコールのうち2価のアルコールと
しては炭素数2〜30の脂肪族、脂環式または芳香脂肪
族の飽和または不飽和アルコール[たとえばエチレング
リコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキ
サン、2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベ
ンゼン、フタリルアルコール]、3〜8価の多価アルコ
ールとしては炭素数3〜30の脂肪族または芳香族の飽
和または不飽和アルコール(たとえばグリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセ
リン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリト
ール、マンニトール、ジペンタエリスリトール、グルコ
ース、フラクトース、蔗糖)などが挙げられる。
【0084】1価フェノール化合物としては炭素数6〜
12、たとえばフェノール、o−、m−およびp−クレ
ゾール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモ
ール、α−およびβ−ナフトールが挙げられる。多価フ
ェノールとしては、炭素数6〜15、たとえばピロガロ
ール、カテコール、ヒドロキノンなどの単環多価フェノ
ール;ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールSなど)等が挙げられ
る。
【0085】燐系ポリオールとしては燐酸、亜燐酸、ホ
スホン酸、ジブチルピロリン酸などのアルキレンオキシ
ド(上記のもの)付加物(Mn1,000以下)などが
挙げられる。アルコールのうち、樹脂主鎖中にウレタン
結合を導入することのできる多価のアルコールが好まし
く、さらに好ましくは脂肪族多価アルコールおよび脂環
式多価アルコール、特に好ましくは1,6−ヘキサンジ
オールおよびネオペンチルグリコールである。
【0086】アミンとしては、炭素数1〜22の脂肪族
アミン(飽和または不飽和1級もしくは2級アミン)、
炭素数5〜22の脂環式アミン(飽和または不飽和1級
もしくは2級アミン)、炭素数6〜30の芳香(脂肪)
族アミン(1級もしくは2級アミン)、およびこれらの
混合物などが挙げられる。
【0087】脂肪族アミンとしては、モノアミン[例え
ば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エ
チルヘキシルアミン、ドデシルアミン、アルカノールア
ミン(モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン
など)]、ジアミン(エチレンジアミン、トリメチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミンおよび1,6−ヘキ
サメチレンジアミンなど)、および3価〜5価またはそ
れ以上のポリアミン(ジエチレントリアミンおよびトリ
エチレンテトラミンなど)が挙げられる。
【0088】脂環式アミンとしては、モノアミン(シク
ロブチルアミン、シクロペンチルアミンおよびシクロヘ
キシルアミンなど)、ジアミン、3価〜5価またはそれ
以上のポリアミンなどが挙げられる。芳香(脂肪)族ア
ミンとしては、モノアミン(アニリン、o−,m−また
はp−トルイジン、ジフェニルアミン、α−ナフチルア
ミンおよびベンジルアミンなど)、ジアミン(1,3−
または1,4−フェニレンジアミン、2,4−または
2,6−トリレンジアミン、2,4’−または4,4’
−ジフェニルメタンジアミンなど)、3価〜5価または
それ以上のポリアミンなどが挙げられる。
【0089】アミンのうち、樹脂主鎖中にウレア結合を
導入することのできる2価またはそれ以上のポリアミン
が好ましく、さらに好ましくは脂肪族ジアミン、特に好
ましくはエチレンジアミンおよび1,6−ヘキサメチレ
ンジアミンである。活性水素含有多官能高分子化合物
(イ)のウレタン樹脂中の含有量は、60〜95重量%
が好ましく、さらに好ましくは70〜90重量%であ
る。
【0090】イソシアネート基と、イソシアネート基と
反応する水酸基、アミノ基等の官能基との当量比は、塗
膜外観の安定性および塗膜の耐水性の観点から、1:
0.8〜1:2が好ましく、さらに好ましくは1:0.
9〜1:1.8である。 官能基の割合(水酸基/アミ
ノ基)は当量比で、塗膜の耐候性および樹脂の顔料分散
性の観点から、0.2〜10が好ましく、さらに好まし
くは0.7〜3である。ウレタン樹脂の末端は水酸基ま
たはイソシネート基のいずれであってもよいが、好まし
くは水酸基である。
【0091】ウレタン樹脂の製造方法としては一般的な
ウレタン樹脂を製造する方法であれば特に限定はされな
い。一般的なウレタン樹脂の製造方法としては、プレポ
リマー法とワンショット法などが挙げられる。ウレタン
結合および/またはウレア結合を導入するには、水酸基
を有する高分子ポリオールの水酸基と当量を超える多官
能イソシアネートを非反応性溶媒中で反応せしめ、イソ
シアネート末端プレポリマー溶液を得、さらにジアルカ
ノールアミン等の水酸基を有するアミンを溶媒中で反応
させて水酸基末端ウレタンウレア樹脂を得、その後減圧
下に溶媒を留去する方法、上記ウレタン結合とイソシア
ネート基を有する樹脂溶液にケチミン化された2官能ア
ミンとジアルカノールアミン等の水酸基を有するモノア
ミンを混合し、水に分散させつつ加温して反応させて末
端に水酸基を有するウレタンおよびウレア結合を有する
樹脂を得、しかる後加熱減圧下に脱水脱溶剤する方法な
どが挙げられる。
【0092】ウレタン樹脂を製造する方法のうち、粒子
形状が球状となり塗膜の平滑性に優れる、上記イソシア
ネート基を有する樹脂溶液にケチミン化された2官能ア
ミンとジアルカノールアミン等の水酸基を有するモノア
ミンを混合し、水に分散させつつ加温して反応した後加
熱減圧下に脱水脱溶剤する方法が好ましい。(イ)と
(ロ)、および必要により(ハ)との反応温度は官能基
やイソシアネートの種類によって異なるが、10〜16
0℃が好ましく、さらに好ましくは20〜130℃、特
に好ましくは50〜120℃である。反応時間は、1〜
20時間が好ましく、さらに好ましくは3〜10時間で
ある。
【0093】主剤(C1)のMnは、粉体塗料の保存安
定性と塗料表面の良好な平滑性の観点から、ビニル樹脂
およびポリエステル樹脂の場合、1,000〜20,0
00が好ましく、さらに好ましくは1,500〜15,
000、特に好ましくは2,500〜8,500であ
り、エポキシドおよびウレタン樹脂の場合、100〜1
0,000が好ましく、さらに好ましくは150〜8,
500、特に好ましくは200〜5,000である。
【0094】主剤(C1)のガラス転移点(Tg)は、
粉体塗料の保存安定性と塗料表面の良好な平滑性の観点
から、20〜120℃が好ましく、さらに好ましくは3
0〜100℃、特に好ましくは35〜80℃、最も好ま
しくは40〜60℃である。
【0095】硬化剤(C2)としては、加水分解非促進
反応性官能基を有する2官能〜6官能またはそれ以上の
化合物である。すなわち、硬化剤(C2)は、エポキシ
基、水酸基、ブロック化カルボキシル基、ブロック化ア
ミノ基、ブロック化イソシアネート基および酸無水物か
らなる基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能
基を1分子中に2〜6またはそれ以上有する化合物であ
る。硬化剤(C2)としては、上記のエポキシド、ポリ
オール、ラクトン、高分子ポリオールおよびイソシアネ
ート化合物の他に、ブロック化カルボキシル基を1分子
中に2個以上有する化合物、ブロック化アミノ基を1分
子中に2個以上有する化合物、ブロック化イソシアネー
ト基を1分子中に2個以上有する化合物、ウレトジオン
および酸無水物からなる基を分子中に1個以上有する化
合物などが使用できる。
【0096】ブロック化カルボキシル基を1分子中に2
個以上有する化合物としては、1分子中に2個以上のカ
ルボキシル基を有するカルボン酸(上記で例示したもの
など)のカルボキシル基をブロック化剤(アンモニア、
アルコール、ビニル化合物など)でブロックしたもの
で、ポリ(n=2〜4またはそれ以上)カルボン酸(炭
素数3〜70)のt−ブチルブロック化物(ドデカン2
酸ジ−t−ブチルエステルなど)などが挙げられる。
【0097】ブロック化アミノ基を1分子中に2個以上
有する化合物としては、前記アミンのうちのジアミンの
アミノ基のまたは2価を超える多価アミンのブロック化
物が用いられ、例えば、ケチミン(ヘキサメチレンジア
ミンのアセトンブロック化物など)など]が挙げられ
る。
【0098】ブロック化イソシアネート基を1分子中に
2個以上有する化合物としては、イソシアネート基を1
分子中に2個以上有する化合物(前記イソシアネート化
合物(ロ)のうち2官能以上のポリイソシアネートおよ
びこれらの2〜3量体)のイソシアネート基のブロック
化物などが挙げられる。ブロック化剤としては、オキシ
ム(炭素数3〜10、たとえばアセトキシム、メチルエ
チルケトキシム)、ラクタム(炭素数4〜15、たとえ
ばγ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、γ−バレ
ロラクタム)、モノオール(炭素数1〜18、たとえば
メチルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチ
ルアルコール)、フェノール(炭素数6〜20、たとえ
ばフェノール、m−クレゾール)、2級アミン(炭素数
4〜20、たとえばジエチルアミン、ジ−n−ブチルア
ミン)、塩基性窒素含有化合物(炭素数4〜20、たと
えばN,N−ジエチルヒドロキシアミン、2−ヒドロキ
シピリジン、ピリジンN−オキシド、2−メルカプトピ
リジン)、活性メチレン含有化合物(炭素数5〜15、
たとえばマロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト
酢酸エチル、アセチルアセトン)などが挙げられる。ブ
ロック化イソシアネート基を1分子中に2個以上有する
化合物としては、ポリイソシアネートをラクタムでブロ
ック化した化合物が好ましく、さらに好ましくはポリイ
ソシアネートをε−カプロラクタムでブロック化した化
合物、特に好ましくはIPDIの3量体をε−カプロラ
クタムでブロック化した化合物(ε−カプロラクタムブ
ロック化イソホロンジイソシアネート)であり、商品
名:ベスタゴンB1530(デグサ・ヒュルスジャパン
社)などが市場から入手できる。
【0099】ウレトジオンとしては、ジイソシアネート
(前記イソシアネート化合物(ロ)のうちジイソシアネ
ート)の多量体化したオリゴマー(ウレトジオン基含有
化合物)などが使用でき、例えば、HDIまたはTDI
のオリゴマー(重合度2〜15)およびこれらのオリゴ
マーの末端イソシアネート基と上記モノオールなどとを
反応させた構造を有する化合物などが挙げられる。こら
れのうち、上記オリゴマーの末端イソシアネート基と上
記モノオールなどとを反応させた構造を有する化合物が
好ましく、例えば、商品名:ベスタゴンBF1540、
ベスタゴンEP−BF1310およびベスタゴンEP−
BF1320(デグサ・ヒュルスジャパン社)などが市
場から入手できる。
【0100】酸無水物からなる基を分子中に1以上の有
する化合物としては、フタル酸無水物、ベンゾフェノン
テトラ酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ピロメ
リット酸ジ酸無水物などが挙げられる。
【0101】これらの硬化剤(C2)のうち、ε−カプ
ロラクタムブロック化イソホロンジイソシアネートおよ
びヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましい。硬化剤(C
2)の加水分解非促進反応性官能基の数は、1分子中に
1〜8個が好ましく、さらに好ましくは1〜6個、特に
好ましくは1〜4個、最も好ましくは1〜3個である。
【0102】硬化剤(C2)のMnは、樹脂粉体の耐ブ
ロッキング性および塗膜作成時の表面平滑性の観点か
ら、70〜10,000が好ましく、さらに好ましくは
80〜5,000、特に好ましくは100〜2,000
である。
【0103】主剤(C1)の加水分解非促進反応性官能
基/硬化剤(B2)の加水分解非促進反応性官能基の組
み合わせのうち、防汚効果と塗膜強度の観点から、エポ
キシ基/ブロック化カルボキシル基、水酸基/ブロック
化イソシアネート基、水酸基/ブロック化カルボキシ
基、ブロック化カルボキシル基/エポキシ基、ブロック
化イソシアネート基/水酸基、ブロック化カルボキシ基
/水酸基およびエポキシ基/酸無水物が好ましく、さら
に好ましくはグリシジル基/ブロック化カルボキシル
基、水酸基/ラクタムでブロック化したブロック化イソ
シアネート基、ブロック化カルボキシル基/グリシジル
基、ラクタムでブロック化したブロック化イソシアネー
ト基/水酸基およびグリシジル基/酸無水物基である。
【0104】主剤(C1)/硬化剤(C2)の組み合わ
せのうち、エポキシ基含有ビニルモノマーを必須構成モ
ノマーとしてなるビニル樹脂/酸無水物、水酸基含有ビ
ニルモノマーを必須構成モノマーとしてなるビニル樹脂
/ブロック化イソシアネート基を1分子中に2個以上有
する化合物、水酸基含有ビニルモノマーを必須構成モノ
マーとしてなるビニル樹脂/ウレトジオン、ポリエステ
ル樹脂/ブロック化イソシアネート基を1分子中に2個
以上有する化合物が好ましい。
【0105】主剤(C1)の加水分解非促進反応性官能
基と硬化剤(C2)の加水分解非促進反応性官能基の当
量比は、塗膜の経時安定性の観点から、(1:0.7)
〜(1:1.4)が好ましく、さらに好ましくは(1:
0.8)〜(1:1.2)であり、特に好ましくは
(1:0.9)〜(1:1.1)である。
【0106】本発明の防汚性粉体塗料組成物は(A)、
(B)および(C)を必須成分とし配合されるものであ
るが、これ以外に必要により着色剤、レベリング剤、光
安定剤および主剤(C1)と硬化剤(C2)との反応促
進剤等を添加することができる。
【0107】着色料としては特に限定されないが、たと
えば無機顔料、有機顔料および染料などが用いられる。
無機顔料としては、たとえば、白色顔料(酸化チタン、
リトポン、鉛白、亜鉛華など);コバルト化合物(オー
レオリン、コバルトグリーン、セルリアンブルー、コバ
ルトブルー、コバルトバイオレットなど);鉄化合物
(酸化鉄、紺青など);クロム化合物(酸化クロム、ク
ロム酸鉛、クロム酸バリウムなど);硫化物(硫化カド
ミウム、カドミウムイエロー、ウルトラマリンなど)な
どが挙げられる。有機顔料としては、たとえばアゾレー
キ系、モノアゾ系、ジアゾ系、キレートアゾ系などのア
ゾ顔料、ベンジイミダゾロン系、フタロシアニン系、キ
ナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、
チオインジゴ系、ペリレン系、キノフタロン系、アンス
ラキノン系等の多環式顔料等が挙げられる。染料として
は、たとえばアゾ系、アントラキノン系、インジゴイド
系、硫化系、トリフェニルメタン系、ピラゾロン系、ス
チルベン系、ジフェニルメタン系、キサンテン系、アリ
ザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール
系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系、アニリン系など
が挙げられる。着色料を使用する場合、着色料の配合量
は、(A)〜(C)の合計重量に基づいて5〜40重量
%が好ましく、さらに好ましくは15〜35重量%、特
に好ましくは20〜30重量%である。
【0108】レベリング剤としては、たとえばMw50
0〜5,000の低分子量ポリエチレン、Mw500〜
5,000の低分子量ポリプロピレンなどのオレフィン
系樹脂、エチレン−アクリル共重合体、エチレン−メタ
クリル共重合体などのMw500〜20,000のオレ
フィン系共重合体、Mw1,000〜20,000の
(メタ)アクリル共重合体[モダフロー(ソルーシア社
商品名)など]、Mw1,000〜20,000のポリ
ビニルピロリドン、およびベンゾインなどの低分子化合
物が挙げられる。レベリングザイを配合する場合、レベ
リングザイの配合量は、(A)〜(C)の合計重量に基
づいて、5重量%以下が好ましく、さらに好ましくは
0.1〜3重量%、特に好ましくは0.3〜1重量%で
ある。
【0109】光安定剤としては、ベンゾフェノン系(2
−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノンなど)、サリチレート系(フェニルサリチレ
ート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、ベン
ゾトリアゾール系[(2’−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メ
タクリロイルオキシエチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ルおよびその(共)重合体など]、アクリル系[エチル
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチ
ル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジ
ル)アクリレートなど]、金属錯塩系{ニッケル[2,
2’−チオビス−4−(t−オクチル)フェノレート]
−n−ブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカルバメ
ート、ニッケルビス[o−エチル−3,5−(ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)]ホスフェート、コ
バルトジシクロヘキシルジチオホスフェート、[1−フ
ェニル,3−メチル,4−デカノニル,ピラゾレート
(5)2]ニッケルなど}、ヒンダードアミン系[ビス
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−4−)
セバケート、フェニル−β−ナフチルアミンなど]、ヒ
ンダードフェノール系(2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾールなど)、硫黄系(ラウリルステアリルチオジ
プロピオネートなど)、リン系(トリデシルホスファイ
トなど)、ヒドラジン系(N−サリチロイル−N’−ア
ルデヒドヒドラジンなど)およびアミド系(N,N’−
ジフェニルオキサイドなど)などの光安定剤が挙げられ
る。これらのうち2種以上を同時に併用しても何ら問題
ない。これらのうち、ベンゾフェノン系、サリチレート
系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードフェノール系、
ヒンダードアミン系およびリン系の光安定剤が好まし
い。光安定剤を配合する場合、光安定剤の配合量は
(A)〜(C)の合計重量に基づいて、5重量%以下が
好ましく、さらに好ましくは0.1〜2重量%、特に好
ましくは0.3〜1重量%である。
【0110】反応促進剤としては、主剤(C1)と硬化
剤(C2)の加水分解非促進反応性官能基の組み合わせ
が、例えば、水酸基/ブロック化イソシアネート基また
はその逆の場合は、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラ
ウレート、スタナスオクトエート等が挙げられる。反応
促進剤を配合する場合、反応促進剤の配合量は、(A)
〜(C)の合計重量に基づいて、1重量%以下が好まし
く、さらに好ましくは0.005〜1重量%、特に好ま
しくは0.01〜0.5重量%である。
【0111】本発明における(A)〜(C)および他の
添加剤を混合する方法は特に限定されないが、たとえば
溶融混練機を用いて硬化性樹脂(C)中でシリケート
化合物(A)、酸無水物(B1)、熱潜在性化合物(B
2)および他の添加剤を加熱溶融混練する方法;硬化
性樹脂(C)の粉体に(A)、(B1)、(B2)およ
び他の添加剤を添加してヘンシェルミキサー等でドライ
ブレンドする方法、溶剤(トルエン、キシレンなど)
存在下(A)〜(C)および他の添加剤を混合後、脱溶
剤する方法などが挙げられるが、均一分散の観点から
の溶融混練する方法が好ましい。溶融混練は加熱ロー
ル、エクストルーダ、2軸押し出し機等の溶融混練機を
用いて硬化性樹脂(C)の軟化温度以上、酸無水物(B
1)および熱潜在性化合物(B2)の触媒作用発現温度
より少なくとも10℃低い温度範囲(通常60〜140
℃、好ましくは70〜130℃、さらに好ましくは90
〜120℃)で行われる。
【0112】たとえば、クリア系粉体塗料の場合、所定
割合の樹脂(A)、(B1)、(B2)、(C)および
必要によりその他の添加物をヘンシェルミキサー等で予
備混合した後、これらの混合物を2軸押し出し機等の溶
融混練装置で60〜140℃で溶融混合して均一化し、
次いで冷却して固化させる。得られる固体を公知の方法
で粉砕し、粗大粒子のもの(0.1mm以上の粒度のも
の)を分級除去することでクリア系の粉体塗料が得られ
る。粉体塗料の粒径は、通常10〜100μm(体積平
均粒径約50μm)である。
【0113】本発明の粉体塗料組成物の塗装方法は特に
制限はないが、一般的な粉体塗料の塗装方法、たとえば
流動浸漬法、並びにコロナ帯電法及び摩擦帯電法などの
静電塗装法等が挙げられる。これらのうち、薄膜塗布が
可能な静電塗装法が好ましく、さらに好ましくは粉体塗
料の回り込み性が良く、比較的複雑な形状の基材にも塗
布可能な、摩擦帯電法である。
【0114】本発明の粉体塗料組成物を塗工する基材は
特に制限はないが、一般的な粉体塗料の塗装基材、たと
えば鋼板基材、アルミ基材、プライマー処理されたプラ
スチック部材などが挙げられる。
【0115】塗布量としては特に制限はなく、膜厚で例
示すれば、焼き付け時のタレと塗膜の平滑性の観点か
ら、5〜200μmが好ましく、さらに好ましくは20
〜100μmである。硬化条件としては特に制限はない
が、通常80〜200℃において10〜40分間の条件
で焼き付けられる。
【0116】被塗物に塗布された本発明の粉体塗料の溶
融・平滑化工程で用いられる熱源としては、赤外線、遠
赤外線、電磁波および熱風等が適宜使用でき、赤外線、
遠赤外線および熱風が好ましい。
【0117】本発明の防汚性粉体塗料組成物は、自動車
外装および自動車のアルミホイールなどの自動車分野、
ガードレールおよびカーブミラー支柱部などの道路資材
分野、カーテンウォール、配電盤、分電盤、シャッータ
ー、門扉およびフェンスなどの建材分野、レンジフー
ド、システムキッチンおよび電子レンジなどのキッチン
分野、並びにエアコン室外機などの家電分野に広く用い
ることができる。
【0118】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが本
発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量
部を示す。 主剤作成例1 耐圧反応器に、キシレン350部を仕込み、反応容器内
の空気を窒素で置換した後、反応容器を密閉として16
0℃まで昇温した。ついで、スチレン/メチルメタクリ
レート/ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレー
ト(重量比30/35/10/25)の混合モノマー
1,000部とジ−t−ブチルパーオキサイド10部の
混合物を2時間かけて滴下した。さらに、同温度で2時
間熟成した後、170℃まで昇温しながら常圧で脱溶剤
し、170℃になったところで減圧に切り替え、2時間
かけて減圧で脱溶剤をおこない、グリシジル基含有アク
リル樹脂(C1−1)を得た。(C1−1)のTgは5
5℃、Mnは4,800、エポキシ当量は570であっ
た。
【0119】主剤作成例2 耐圧反応器に、キシレン350部を仕込み、反応容器内
の空気を窒素で置換した後、反応容器を密閉として16
0℃まで昇温した。ついで、スチレン/メチルメタクリ
レート/ブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタ
クリレート(重量比30/32/25/13)の混合モ
ノマー1,000部とジ−t−ブチルパーオキサイド1
0部の混合物を2時間かけて滴下した。さらに、同温度
で2時間熟成した後、170℃まで昇温しながら常圧で
脱溶剤し、170℃になったところで減圧に切り替え、
2時間かけて減圧で脱溶剤をおこない、水酸基含有アク
リル樹脂(C1−2)を得た。(C1−2)のTgは5
4℃、Mnは4,700、水酸基価は56であった。
【0120】主剤作成例3 反応器にビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物
(水酸基価320)、ジメチルテレフタレート600部
およびジブチルチンオキサイド4部を入れ、常温で18
0℃反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で3時間
反応させて、水酸基含有ポリエステル樹脂(C1−3)
を得た。(C1−3)のTgは55℃、Mnは4,70
0、水酸基価は55であった。
【0121】実施例1〜4、6〜8および比較例1〜5 表1に示す処方で、粉体塗料原料をヘンシェルミキサー
にて粉体混合後、2軸押し出し機「池貝PCM30型」
(池貝鉄工社製)を用いて、100℃の温度条件下で溶
融混練した。冷却後、粉砕機で20〜100μm程度に
粉砕、分級して、各粉体塗料組成物を調製した。得られ
た各粉体塗料組成物を市販のコロナ帯電方式スプレーガ
ンを用いて膜圧が40〜60μmになるようにリン酸亜
鉛処理鋼板標準板(日本テストパネル社製)に静電塗装
し、190℃で20分間焼き付けを行って試験板を得
た。塗装は、粉体塗料組成物作成直後および密閉容器に
入れて35℃で1ヶ月保管後に行い、作成した各粉体塗
料組成物および各試験板について性能評価を行った。そ
の結果を表2に示す。
【0122】実施例5 反応器にネオペンチルグリコール200部、エチレング
リコール93部、テレフタル酸538部を投入し、23
0℃に加熱し生成する水を留去しながら3時間反応を進
めた。その後0.2部のジブチルチンオキサイドを添加
し、酸価が0.5以下になるまで反応を続けた。100
℃まで冷却した後、1000部のトルエンを添加し、さ
らに40℃まで冷却した。ここに、80部のイソホロン
ジイソシアネートを添加し、トルエン還流下に120℃
で5時間反応を行った後、室温まで冷却し、38部のジ
エタノールアミンを添加し60℃で5時間反応を行った
後、トルエンを減圧下に留去し、両末端に水酸基を持ち
ウレタンおよびウレア結合を有する樹脂(C1−4)を
得た。(C1−4)のMnは4,700、水酸基価は4
8であった。
【0123】(C1−4)400部、酢酸エチル442
部を混合し、予め作成したポリビニルアルコール0.5
重量%水溶液2,000部に滴下しながら分散した。そ
の後40℃にて酢酸エチルを留去し、得られた樹脂を濾
紙濾過にて水中より取り出し、200部の水にて2回水
洗した後、40℃の循風乾燥機にて乾燥して微粒状樹脂
を得た。この微粒状樹脂100部に硬化剤(商品名:ベ
スタゴンB1530、旧商品名:アダクトB−153
0、ヒュルス社製、ε−カプロラクタム・ブロックド・
イソシアネート)24部、シリケート化合物(商品名:
エチルシリケート48、コルコート社製、エチルシリケ
ート縮合物)5部、熱潜在性触媒(商品名:サンエイド
SI−150、三新化学工業社製、芳香族スルホニウム
6フッ化アンチモン塩)0.1部、レベリング剤1(ベ
ンゾイン)1部およびレベリング剤2(商品名:モダフ
ロー、ソルーシア社製、アクリル共重合体)1部の混合
均一化したものを添加し、ヘンシェルミキサーにて30
分攪拌した後、音波式分級機により分級し、粒径20〜
60μmの粉体塗料組成物を得た。得られた粉体塗料組
成物を市販のコロナ帯電方式スプレーガンを用いて膜厚
が40〜60μmになるようにリン酸亜鉛処理鋼板標準
板(日本テストパネル社製)に静電塗装し、190℃で
20分間焼き付けを行って試験板を得た。塗装は、粉体
塗料作成直後および密閉容器に入れて35℃で1ヶ月保
管後に行い、作成した塗料および試験板について性能評
価を行った。
【0124】比較例6 「サンエイドSI−150」を配合しないこと以外は実
施例5と同様にして比較用の粉体塗料組成物を製造し、
性能評価を行った。その結果を表2に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】評価方法 1)塗料外観の評価 塗料の状態を目視で観察した。 2)塗膜外観の評価 得られた塗膜の状態を目視で観察した。 3)塗膜の純水に対する接触角の評価 試験板を温度25℃、相対湿度50%の条件下に3ヶ月
間放置した後、FACE自動接触角計(協和界面科学社
製)により、接触角を測定した。水はTORAYPUR
E LV−50(東レ社製)にて純水としたものを1測
定当たり50μl使用した。 4)汚れ除去性の評価 塗膜を温度25℃、湿度50%の条件下に3ヶ月間放置
した後、人工汚れ(カーボン/粘土物質=50/50重
量比)を付着させた。室温で24時間乾燥させた後、流
水下スポンジにより20回擦り、塗膜表面に残る汚れを
目視判定した。 ○:汚れが完全に取れる △:汚れがわずかに残る
×:汚れが残る
【0128】
【発明の効果】本発明の防汚性粉体塗料組成物は、粉体
塗料の保存中にシリケート化合物等の加水分解が促進さ
れることなく、かつ、塗膜形成後にシリケート化合物の
加水分解反応が速やかに行われ、塗膜表面を汚染されに
くくする効果を奏する。(本発明の防汚性粉体塗料組成
物は、保存安定性に優れるとともに塗膜形成後は優れた
親水性を発揮することで汚染を防止し、さらに付着した
汚れが雨により自然に洗い流される塗膜を形成できると
いう効果を奏する。)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/02 C09D 201/02 Fターム(参考) 4J038 CA121 CC091 CE011 CE051 CG141 CG151 CG171 CH121 CH171 CH191 CH201 CJ001 DB021 DB151 DD001 DE001 DG031 DG032 DG261 DL022 GA03 GA06 GA07 GA09 GA11 JA42 JA53 JA69 JB12 JB18 JB37 JC14 JC24 JC26 JC37 JC38 KA03 KA04 MA02 NA01 NA05 NA26 NA27 PB05 PB07 PB09 PC02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)または(2)で表されるシ
    リケート化合物(A)、酸無水物(B1)および/また
    は熱潜在性化合物(B2)、ならびに(A)の加水分解
    非促進反応性官能基を有する硬化性樹脂(C)を含有し
    てなることを特徴とする防汚性粉体塗料組成物。 【化1】 (R1O)4Si (1) (式中、R1は炭素数1〜12のアルキル基、シクロア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基ま
    たはアルキルアリール基を示す。) 【化2】 (式中、R1は一般式(1)のR1と同じであり、nは2
    〜100の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 (C)の加水分解非促進反応性官能基が
    エポキシ基、水酸基、ブロック化カルボキシル基、ブロ
    ック化アミノ基、ブロック化イソシアネート基および酸
    無水物からなる基からなる群から選ばれる少なくとも1
    種の官能基である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (C)が、ビニル樹脂、ポリエステル樹
    脂、エポキシドおよびウレタン樹脂からなる群より選ば
    れる樹脂を含有してなる請求項1または2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 熱潜在性化合物(B2)を必須としてな
    る請求項1〜3のいずれか記載の組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか記載の組成物を塗
    装してなる塗装物。
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