JP2002305944A - コンバインにおけるフィードチェーンの駆動装置 - Google Patents

コンバインにおけるフィードチェーンの駆動装置

Info

Publication number
JP2002305944A
JP2002305944A JP2001111586A JP2001111586A JP2002305944A JP 2002305944 A JP2002305944 A JP 2002305944A JP 2001111586 A JP2001111586 A JP 2001111586A JP 2001111586 A JP2001111586 A JP 2001111586A JP 2002305944 A JP2002305944 A JP 2002305944A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
feed chain
driving
traveling
processing unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001111586A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002305944A5 (ja
JP5248725B2 (ja
Inventor
Keiichi Omoto
啓一 大本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd filed Critical Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Priority to JP2001111586A priority Critical patent/JP5248725B2/ja
Publication of JP2002305944A publication Critical patent/JP2002305944A/ja
Publication of JP2002305944A5 publication Critical patent/JP2002305944A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5248725B2 publication Critical patent/JP5248725B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手扱ぎ作業を効率よく行うことが
できるコンバインにおけるフィードチェーンの駆動装置
を提供することを課題としている。 【解決手段】 エンジン1からの出力を走行伝動
系とフィードチェーン18及び前処理部17への前処理
伝動系とに分岐せしめ、フィードチェーン18及び前処
理部17の駆動速度を走行速度に連動して変更せしめる
速度連動手段側に、走行速度が予め設定された所定の速
度より小さな場合にフィードチェーン18及び前処理部
17の駆動速度を予め設定された速度に維持する駆動速
度維持手段を設け、手扱ぎ状態への切換操作に連動して
手扱ぎ作業時のフィードチェーン18の駆動速度を上昇
せしめる手扱ぎ速度上昇手段を作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はコンバインにおけ
るフィードチェーンの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンバインにおけるフィードチェーンの
駆動装置として、エンジンからの出力を走行伝動系とフ
ィードチェーン及び前処理部への前処理伝動系とに分岐
せしめ、フィードチェーン及び前処理部の駆動速度を走
行速度に連動して変更せしめる速度連動手段を設け、該
速度連動手段側に、走行速度が予め設定された所定の速
度より小さな場合にフィードチェーン及び前処理部の駆
動速度を予め設定された速度に維持する駆動速度維持手
段を設けたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記駆動速度維
持手段により維持されるフィードチェーン及び前処理部
の駆動速度は、機体の走行速度の低下に伴いフィードチ
ェーン及び前処理部の駆動速度が必要以上に低下して刈
り取り等に不都合が発生することを防止するためのもの
であり、このため機体の停止状態で行う手扱ぎ作業時に
フィードチェーン及び前処理部の駆動が上記速度で維持
されると、手扱ぎ作業の効率が悪化し、作業性が低下す
るという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のコンバインにおけるフィードチェーンの駆動
装置は、エンジン1からの出力を走行伝動系とフィード
チェーン18及び前処理部17への前処理伝動系とに分
岐せしめ、フィードチェーン18及び前処理部17の駆
動速度を走行速度に連動して変更せしめる速度連動手段
を設け、該速度連動手段側に、走行速度が予め設定され
た所定の速度より小さな場合にフィードチェーン18及
び前処理部17の駆動速度を予め設定された速度に維持
する駆動速度維持手段を設けたコンバインにおいて、手
扱ぎ作業時のフィードチェーン18の駆動速度を上昇せ
しめる手扱ぎ速度上昇手段を設け、該手扱ぎ速度上昇手
段を手扱ぎ状態への切換操作に連動して作動させたこと
を第1の特徴としている。
【0005】また駆動速度維持手段を停止せしめる速度
維持キャンセル手段と、手扱ぎ状態への切換操作に連動
して速度維持キャンセル手段の作動を停止させる速度維
持キャンセル規制手段とを設けたことを第2の特徴とし
ている。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明のコンバインにおけ
る穀稈搬送伝動装置を採用したコンバインの伝動系統図
であり、エンジン1の駆動軸(出力軸)1aには出力取
り出し用の2つのプーリ2,3が取り付けられている。
そしてエンジン1からの駆動力はプーリ2を介して走行
伝動系として走行用の油圧伝動装置であるHST4に、
またプーリ3を介して作業機伝動系として扱胴6に駆動
力を伝動せしめる扱胴入力軸7にそれぞれ分岐して出力
されている。
【0007】そして上記走行用HST4を備えた走行伝
動用のトランスミッション(走行トランスミッション)
8から左右の走行装置用の駆動力が変速されて出力さ
れ、これにより左右の走行装置は変速駆動され、機体が
変速走行せしめられる構造となっている。
【0008】一方エンジン1側のプーリ3と扱胴入力軸
7に取り付けられたプーリ9との間には、駆動力伝動用
のベルト11が巻き掛けられており、該ベルト11側に
はテンションクラッチが脱穀クラッチ12として設けら
れている。つまり作業機伝動系にはエンジン1から脱穀
クラッチ12を介して駆動力が断接自在に伝動されてい
る。
【0009】そして扱胴入力軸7に脱穀クラッチ12を
介して入力される作業機伝動系の駆動力は、扱胴入力軸
7に取り付けられたプーリ13を介して作業機伝動用の
トランスミッション(作業機トランスミッション)14
に備えられる油圧伝動装置である作業機HST16(作
業機HST16の入力プーリ15)に伝動せしめられて
おり、作業機トランスミッション14からコンバインに
おける前処理部17への伝動系と、脱穀フィードチェー
ン18への伝動系が分岐して出力されている。
【0010】このとき作業機トランスミッション14に
は、前処理部17への駆動力出力用の前処理出力軸19
と、脱穀フィードチェーン18への駆動力出力用のフィ
ードチェーン出力軸21との2つの出力軸が設けられて
おり、脱穀フィードチェーン18はフィードチェーン出
力軸21の端部側に設けられたスプロケット22により
駆動せしめられている。また扱胴6は扱胴入力軸7から
ベベルギヤ23を介して直接(トランスミッションを介
さず)駆動力が入力されて駆動されている。
【0011】すなわち作業機伝動系は脱穀部24への伝
動系(扱胴6及び脱穀フィードチェーン18への駆動力
の伝動)を含み、この脱穀部24への駆動力の伝動は作
業機トランスミッション14への駆動力の伝動と共に、
作業機伝動系における作業機トランスミッション14へ
の伝動上流側に設けられた脱穀クラッチ12により断接
せしめられる。
【0012】一方前処理部17は、従来同様穀稈の刈取
装置(カッタ)41と引起装置42とスターホイールや
扱深搬送体43等の穀稈搬送装置等を備え、前処理部1
7への駆動力の伝動は、前処理部17側の駆動力の入力
軸26に取り付けられたプーリ27と、前述の前処理出
力軸19に取り付けられたプーリ28との間に巻き掛け
られた伝動用のベルト29を介して行われる。
【0013】なお前処理部17は、従来同様入力軸26
に入力される駆動力により上記各機構が、該駆動力の回
転数(速度)に応じた駆動速度によって駆動される構造
となっている。また上記ベルト29側には前処理部24
(入力軸26)への駆動力の伝動を断接するテンション
クラッチが前処理クラッチ31として備えられている。
【0014】以上により前処理クラッチ31の「切り」
状態において、脱穀クラッチ12を「入り」作動させる
ことによって、エンジン1から扱胴入力軸7に駆動力が
入力され、前処理部17が停止した状態のまま、扱胴6
及び脱穀フィードチェーン18が駆動され、さらに前処
理クラッチ31を「入り」作動させることにより、前処
理部17に駆動力が伝動され、前処理部17(上記各機
構)が駆動される。
【0015】このとき作業機トランスミッション14は
図2,図3に示されるように作業機HST16と一体構
成されており、作業機HST16により変速される構造
となっている。そして前処理出力軸19及びフィードチ
ェーン出力軸21は作業機HST16より後段(下流)
に設けられている。
【0016】すなわち作業機トランスミッション14
は、作業機HST16の出力軸16aに軸支されたギヤ
G1が前処理出力軸19に軸支されたギヤG2と噛合し
ているとともに、前処理出力軸19に軸支されたギヤG
3と出力軸16aに自由回転自在に軸支されたギヤG4
とが噛合しており、出力軸16aに自由回転自在に軸支
され、ギヤG4と一体回転するスプロケットP1とフィ
ードチェーン出力軸21に一体回転可能に軸支されたス
プロケットP2とがチェーンCを介して伝動連結された
構造となっている。
【0017】このときフィードチェーン出力軸21とス
プロケットP2との間にはトルクリミッタ機構20が介
設されている。これにより前処理出力軸19及びフィー
ドチェーン出力軸21からの駆動力は共に作業機HST
16より変速され、つまりフィードチェーン18及び前
処理部17の駆動速度は作業機HST16によって同調
して変速される。なお脱穀クラッチ12を「切り」作動
させることによって扱胴入力軸7への駆動力が断たれる
ため、前処理部17,扱胴6,脱穀フィードチェーン1
8はいずれも停止して駆動されない。
【0018】一方前述の走行トランスミッション8に
は、走行HST4にエンジン1側から駆動力が入力され
ており、走行HST4により変速される駆動力が走行ト
ランスミッション8側に備えられた副変速機構32を介
して副変速されて走行装置側に出力されるように構成さ
れている。
【0019】すなわち走行トランスミッション8側には
走行HST4を操作して走行HST4からの出力を変速
する主変速レバー33と副変速機構32を操作する副変
速レバー(図示せず)とが取り付けられており、主変速
レバー33及び副変速レバーの操作によって走行装置側
への走行駆動力を変速して、機体の走行速度の変速を行
う。
【0020】このとき上記副変速機構31には副変速さ
れた駆動力(変速操作後の駆動力)を出力する副変速出
力軸34が取り付けられており、該副変速出力軸34に
は走行回転センサ36が取り付けられ、副変速出力軸3
4の回転数(走行速度)を検出することが可能となって
いる。また作業機トランスミッション14の前処理出力
軸19には、該前処理出力軸19の回転数(前処理部1
7の駆動速度)を検出する前処理回転センサ37が設け
られている。
【0021】さらに上記作業機HST14の変速用のト
ラニオン軸(図示せず)側には、図1に示されるように
トラニオン軸(作業機HST14の斜板角)を操作して
作業機HST14の変速操作を行うアクチュエータ(モ
ータ)39が作業機HST14と一体的に取り付けられ
ている。また図4に示されるように上記両回転センサ3
6,37が制御装置であるマイコンユニット38に入力
されているとともに、モータ39がマイコンユニット3
8の出力側に接続されている。
【0022】そしてマイコンユニット38は、上記両回
転センサ36,37からの情報に基づいて上記モータ3
9を制御し、前処理部17(前処理出力軸19)と脱穀
フィードチェーン18(フィードチェーン出力軸21)
の駆動速度を同調して、走行速度に連動対応(同期)さ
せて前処理部17の駆動速度を自動変速するように構成
されている。
【0023】これは作業走行時には、走行速度に対応し
て所定の単位時間あたりの刈取穀桿の量が増減せしめら
れ、上記所定の単位時間あたりの前処理部17が処理す
るべき穀桿の処理量が変化するため、走行速度に応じて
(同期させて)前処理部17(カッタ41,引起装置4
2,扱深搬送体43等)の駆動速度を変化させる必要が
あるためである。
【0024】このため上記マイコンユニット38は走行
回転センサ36からの走行速度情報により、前処理部1
7を当該走行速度に応じた処理量を確保する駆動速度で
駆動するように前処理回転センサ37からの情報を監視
して作業機HST16の変速をモータ39により制御
し、図5のグラフに示されるように前処理部17の駆動
速度を走行速度に連動して変更する。すなわち前処理部
17の駆動速度を走行速度に連動して変更せしめる速度
連動手段が、モータ39,マイコンユニット38,前処
理回転センサ37,走行回転センサ36等から構成され
ている。
【0025】そしてマイコンユニット38(速度連動手
段)は、図5に示されるように、走行速度が所定の低速
(速度維持制御開始速度)V1以上の場合は、走行速度
に比例させて前処理の駆動速度を増加させ、走行速度が
速度維持制御開始速度V1以下(0を含む)となる場合
及び後進する際に、前処理部17の駆動を所定の低速速
度(維持速度)V2を保って継続するように構成されて
いる。
【0026】なお上記速度連動手段は、前述のように走
行速度が速度維持制御開始速度V1より小さくなると、
前処理部17の駆動を維持速度V2で固定して継続する
ように構成されているが、V1がほぼ0又は0であるよ
うに設定しても良い。また維持速度V2はコンバインが
刈取り搬送作業を行うことができる程度の速度となって
いる。
【0027】そして作業機トランスミッション14は、
前述の構造により前処理部17の駆動速度に対してフィ
ードチェーン18が所定の速度比で駆動せしめられるよ
うに、前処理出力軸19とフィードチェーン出力軸21
との駆動力(回転数)比が設定されている。
【0028】なお上記構造により作業機HST16の出
力回転方向は一方向(正回転)のみで良く、すなわち正
回転の変速のみで上記機構を実現することができ、逆回
転は不要である。むしろ作業機HST16が逆回転する
ことにより、前処理部17及びフィードチェーン18が
逆方向に作動するため、これを防止する必要があり、つ
まり作業機HST16の逆回転を規制する必要がある。
【0029】このため作業機HST16は、以下に示さ
れるような構造となっており、逆回転等の規制が行われ
ている。すなわち図6に示されるように作業機HST1
6は、エンジン1側からの駆動力により回転せしめられ
て駆動される可変容量型の油圧ポンプ16Pと、該油圧
ポンプ16Pに閉回路で接続された油圧モータ16M
と、該閉回路内にオイルを補給するチャージポンプ16
Cとを備えており、チャージポンプ16Cが油圧ポンプ
16Pと一体的に駆動されるように構成されている。
【0030】また上記閉回路内には、油圧モータ16M
を正回転又は逆転させる油圧ポンプ16Pから油圧モー
タ16M側への正転圧油又は逆転圧油を油圧モータ16
Mを迂回して油圧ポンプ16P側(油圧ポンプ16Pの
入力側)に戻す迂回経路66が設けられており、該迂回
経路66は正転圧油を油圧ポンプ16Pから油圧モータ
16M側へ送油する正転経路管67と、逆転圧油を油圧
ポンプ16Pから油圧モータ16M側へ送油する逆転経
路管68との間に設けられている。
【0031】なお正転経路管67を介して正転圧油を油
圧ポンプ16Pから油圧モータ16Mに送油すると、上
記正転圧油によって油圧モータ16Mが正転せしめられ
て、油圧モータ16Mからの排油が逆転経路管68を介
して油圧ポンプ16Pに戻され、また逆転経路管68を
介して逆転圧油を油圧ポンプ16Pから油圧モータ16
Mに送油すると、上記逆転圧油によって油圧モータ16
Mが逆転せしめられて、油圧モータ16Mからの排油が
正転経路管67を介して油圧ポンプ16Pに戻され、油
圧モータ16Mは以上のように回転駆動せしめられる。
【0032】一方迂回経路66は逆転経路管68側に接
続された逆転迂回経路管69と、正転経路管67側に接
続された正転迂回経路管71との間に正転規制バルブ7
2が介設された構造となっており、逆転経路管68側か
ら正転経路管67側には圧油を無条件に送油し、正転経
路管67側から逆転経路管68側には圧油が所定の油圧
以上となった場合にのみ正転規制バルブ72が開き圧油
の送油を行うように構成されている。
【0033】すなわち上記正転規制バルブ72は、チェ
ックアンド高圧リリーフバルブとなっており、一方向の
(逆転経路管68側から正転経路管67側への)圧油
(逆転圧油)の送油を許容し、反対方向の(正転経路管
67側から逆転経路管68側への)圧油(正転圧油)の
送油は、正転圧油の油圧が所定の油圧(正転迂回経路通
過圧力)以上の場合のみ許容する構造となっている。
【0034】なお上記チャージポンプ16Cの出力は逆
転迂回経路管69に接続されており、逆転経路管68側
及び正転経路管67側にチャージポンプ16Cから補給
オイルを送油することが可能となっている。
【0035】上記構造により油圧モータ16Mが正転方
向に駆動され、前処理部17及びフィードチェーン18
が通常作動している場合は、図6に示されるように、油
圧ポンプ16Pからの正転圧油は正転経路管67を介し
て油圧モータ16Mに送られ、正転駆動される油圧モー
タ16Mからの排油は逆転経路管68を介して油圧ポン
プ16Pに戻される他、チャージポンプ16Cにより補
給用オイルが逆転迂回経路管69を介して逆転経路管6
8に送られ、上記排油とともに油圧ポンプ16Pに送ら
れる。
【0036】一方誤って油圧ポンプ16Pから油圧モー
タ16M側に逆転経路管68を介して逆転圧油が送油さ
れた場合は、図7(a)に示されるように逆転経路管6
8を送油される逆転圧油は、油圧モータ16Mを回転さ
せる際の油圧モータ16M側の抵抗により、油圧モータ
16M側には送油されず逆転迂回経路管69から正転規
制バルブ72と正転迂回経路管71を介して正転経路管
67に送られ、正転経路管67を介して油圧ポンプ16
Pに戻される。
【0037】すなわち逆転圧油は迂回経路66を介して
油圧モータ16Mを迂回して油圧ポンプ16Pに戻さ
れ、逆転圧油によって油圧モータ16Mが逆回転される
ことはなく、油圧モータ16Mの逆回転規制が行われ
る。これにより逆転圧油を油圧モータ16Mを迂回させ
て油圧ポンプ16P側に戻す逆転迂回経路に一方向クラ
ッチ等を設けることなく、上記のような簡単な構成で油
圧モータ16M(作業機HST16)の逆回転を規制す
ることができる。
【0038】一方前処理部17やフィードチェーン18
のわら詰まり等による異常停止時には油圧モータ16M
が停止し(ロックされ)、正転経路管67内の正転圧油
の油圧が上昇し、該油圧は通常(前処理部17やフィー
ドチェーン18の作動時)の正転圧油の油圧より高い異
常圧力となる。
【0039】このため本実施形態においては前述の正転
迂回経路通過圧力が上記異常圧力とほぼ同一値となるよ
うに設定されており、これにより正転規制バルブ72が
トルクリミッタとして機能し、前処理部17やフィード
チェーン18の異常停止時には、図7(b)に示される
ように正転規制バルブ72が開状態となり、正転経路管
67を送油される正転圧油は、油圧モータ16Mがロッ
クされていることにより、正転迂回経路管71から正転
規制バルブ72に送られ、正転規制バルブ72が開き逆
転迂回経路管69から逆転経路管68に送られ、油圧モ
ータ16Mを迂回して油圧ポンプ16Pに戻され、油圧
モータ16Mの正回転が停止せしめられる。
【0040】以上のように上記迂回経路66は、逆転圧
油を逆転経路管68から正転経路管67に油圧モータ1
6Mを迂回して常時無条件に油圧ポンプ16Pの入力側
に戻し、油圧モータ16Mの逆回転を規制する逆転迂回
経路と、正転圧油を正転経路管67から逆転経路管68
に油圧モータ16Mを迂回して正転圧油の油圧が正転迂
回経路通過圧力を越えた場合に油圧ポンプ16Pの入力
側に戻し、油圧モータ16Mの正回転を規制する正転迂
回経路を兼用したものとなっている。
【0041】すなわち本実施形態においては油圧モータ
16Mを逆転駆動する必要がないため、迂回経路66
(逆転迂回経路)に逆転圧油の油圧が所定の圧力を越え
た場合にのみ逆転圧油の逆転迂回経路通過を許容して、
逆転圧油を油圧モータ16Mを迂回させて油圧ポンプ1
6Pの入力側に戻す逆転規制バルブや、前述の一方向ク
ラッチ等が不要であり、逆転迂回経路を逆転迂回経路管
69等の単純な管等により構成することができ、作業機
HST16の構造を単純にすることができる。
【0042】また油圧モータ16Mの逆回転は常時無条
件に規制されるため、確実に油圧モータ16Mの逆回転
を規制することができる。一方前述のように正転規制バ
ルブ72がトルクリミッタとして機能するため、前処理
部17等の異常停止時に前処理部17等の駆動が停止さ
れるため、前処理部17やフィードチェーン18等の破
損が防止される他、前処理部17やフィードチェーン1
8のわら詰まり等を容易に取り除くこともできる。
【0043】一方上記マイコンユニット38の制御に
は、エンジン1の作動を緊急停止せしめるエンジン停止
手段(機能)が備えられており、図4に示されるように
マイコンユニット38の入力側に、上記正転経路管67
側に設けられて正転圧油の油圧を検知する油圧センサ7
3が接続され、エンジン停止手段が油圧センサ73から
の情報により、正転圧油の油圧が所定のエンジン停止圧
力を越えるとエンジン1を停止せしめるように構成され
ている。
【0044】これにより前処理部17やフィードチェー
ン18の異常停止等に起因して正転圧油の油圧が必要以
上に増大することが防止され、作業機HST16等の油
圧機器の寿命を短くしたり、油圧機器を破損したりする
ことが防止される。なおエンジン停止圧力は正転迂回経
路通過圧力より小さく設定されており、油圧モータ16
Mのロック時にはまずエンジン停止機能によりエンジン
1が停止されるが、故障等によりエンジン停止機能が作
動しない場合に、迂回経路66を介して油圧モータ16
Mの正転を規制して作業機HST16の作動を停止せし
める正転規制機能が作動する。
【0045】すなわちエンジン停止機能によりエンジン
1が、又は正転規制機能により作業機HST16の出力
が停止せしめられ、前処理部17やフィードチェーン1
8側又は油圧機器等を容易に破損することはない。また
場合によってはエンジン停止機能と作業機HST16側
の上記正転規制機能のいずれか一方のみを備えたものと
しても良い。
【0046】以上に示される構造により前処理部17の
駆動速度は走行速度にシンクロ(追従)して変化せしめ
られ、走行速度に対応して穀稈の刈り取り及び下流側へ
の穀稈搬送を円滑に行い、さらにフィードチェーン18
が前処理部17の駆動速度変化に追従して駆動速度が変
化せしめられ、前処理部17の扱深さ搬送体43によっ
て搬送される穀桿を円滑に受け継ぎ扱胴6側に搬送する
ことができる。
【0047】このとき前処理部17側とフィードチェー
ン18側とが同一のトランスミッション(作業機トラン
スミッション14)によって駆動され、駆動速度が常に
同調していることによって、両者の駆動速度の誤差によ
る穀稈の搬送乱れ等が防止される。
【0048】一方作業機トランスミッション14は上記
作業機HST16を用いて構成されているため、前処理
部17と脱穀フィードチェーン18の入力側に共通の作
業機HST16が配置されることとなり、作業機トラン
スミッション14側の構造がコンパクトになる他、走行
装置だけでなく、前処理部17及び脱穀フィードチェー
ン18のいずれも無段階変速されるため、走行速度との
関係や刈取量の関係で生じる穀稈の搬送乱れを円滑に防
止することができる。
【0049】また前処理部17と脱穀フィードチェーン
18の駆動力が、脱穀クラッチ12の下流側に配置され
た作業機トランスミッション14から同調して出力され
ると共に、扱胴6の駆動力も脱穀クラッチ12の下流側
からとる構造となっているため、脱穀クラッチ16を
「切り」状態とすることによって、前処理部17,脱穀
フィードチェーン18,扱胴6等が停止し、脱穀部6停
止時に前処理部17を停止させ又は駆動させないための
牽制装置が不要となり、構造を簡略化できる。
【0050】一方前処理クラッチ31が作業機トランス
ミッション14の伝動下流側(作業機トランスミッショ
ン14の前処理出力軸19と前処理部17の入力軸26
との間)に配置されているため、脱穀クラッチ12が入
り作動している状態においては、作業機HST16は駆
動(回転)状態となっている。
【0051】このため前処理クラッチ31「入」時に
は、作業機HST16における回転駆動力が入力されて
油圧モータ16Mを回転せしめる油圧ポンプ16Pが既
に回転しており、該油圧ポンプ16Pと共にチャージポ
ンプ16C(油圧ポンプ16Pと油圧モータ16Mとの
間で漏れるオイルの補充用のポンプ)が回転せしめられ
ている。
【0052】これにより前処理クラッチ31の入り作動
時のチャージポンプ16C側への負荷が小さく、チャー
ジポンプ16Cにおける高圧発生がなくなり、また既に
チャージポンプ16Cが回転しているため、ピストンの
焼き付き等のトラブルも防止でき油圧機器(HST)の
耐久性も向上する。
【0053】なお本実施形態の場合は、走行トランスミ
ッション8及び作業機トランスミッション14が共にH
STを変速装置として使用したものとなっており、HS
T(作業機HST16)を電子制御により制御し、作業
機トランスミッション14を自動変速する構造であるた
め、速度連動手段の走行速度に対する追従性が高く、且
つ走行HST4又は作業機HST16に油温,圧力によ
る容積効率の変化等が発生した場合においても、走行速
度と前処理部17の駆動速度とが正確にシンクロする。
【0054】さらに上記マイコンユニット38の制御に
は、前述のように走行速度が所定の低速V1以下及び後
進する際に前処理部17の駆動を速度V2を維持して継
続する駆動速度維持手段(機能)が備えられているた
め、例えば枕地近傍まで刈り取り作業を行い、主変速
(走行HST4)により停止又は後進する際も、駆動速
度維持機能によって、前処理部17,フィードチェーン
18,扱胴6の駆動が継続する。
【0055】すなわち上記速度維持機能は、上記のよう
に機体の後進の際にも前処理部17の駆動を速度V2を
維持して継続する後進速度維持手段の機能も備えてお
り、これにより穀稈の刈り残し及び搬送残し等が防止さ
れ、稈こぼれ等の穀稈の刈取り搬送乱れ等を防止するこ
とができる。また前処理部17の駆動速度が必要以上に
低下して刈り取り作業が十分行われずに株の引き抜きや
押し切りが発生する等の不都合も防止される。
【0056】一方上記マイコンユニット38の制御に
は、上記駆動速度維持機能を停止(キャンセル)する速
度維持キャンセル手段(機能)が備えられており、切換
手段となる、図4に示されるようにマイコンユニット3
8の入力側に接続された強制掻き込み解除スイッチ53
の操作(ON,OFF)により、速度維持キャンセル機
能の作動及び非作動(駆動速度維持機能を作動)を設定
することができるように構成されている。
【0057】すなわち強制掻き込み解除スイッチ53を
ON(入り)操作することによって、速度維持キャンセ
ル機能を作動させ、図8のグラフに示されるように、走
行速度が0又は限りなく0に近い所定の低速(近停止速
度)V3以下及び後進状態となると作業機HST16を
ニュートラルとして前処理部17及び脱穀フィードチェ
ーン18を停止させることができる。
【0058】これにより通常の刈り取り脱穀作業(条刈
り)中は強制掻き込み解除スイッチ53をONとして速
度維持キャンセル機能を作動させ、走行速度が0又は近
停止速度V3以下及び後進状態となると前処理部17及
び脱穀フィードチェーン18を停止させるようにするこ
とによって、例えば脱穀詰まり等が発生し、扱胴6が停
止した場合等に、機体を停止させることによって前処理
部17及び脱穀フィードチェーン18を停止させ、詰ま
りの除去等を容易に行うことができる。
【0059】また前処理部17や脱穀フィードチェーン
18等が停止しているため、あぜ際等における回向時に
は機体の後方側に排わら等が排出されず、回向に際して
後進して排わらを踏みつける等の不都合は防止される。
また未刈稈が不要に掻き込まれることも防止される。
【0060】一方前述の前処理部17は従来同様上下昇
降自在となっており、前処理部17側には前処理部17
の高さを検出する前処理高さポテンションメータ44が
取り付けられ、図4に示されるように上記マイコンユニ
ット38にポテンションメータ44からの情報が入力さ
れている。
【0061】そしてマイコンユニット38には、上記ポ
テンショメータ44からの情報により、前処理部17が
予め設定された所定の設定高さに上昇せしめられるとモ
ータ39により作業機HST16を操作して作業機HS
T16の出力を0とし、前処理部17及び脱穀フィード
チェーン18の駆動を停止せしめる自動停止手段(機
能)が備えられている。
【0062】これにより例えばあぜ際等における回向時
に前処理部17を上昇させた場合に、前処理部17の所
定高さへの上昇によって自動停止機能が作動し、前処理
部17及び脱穀フィードチェーン18の駆動が停止され
るため、排わら等の排出が行われない。このため旋回場
所にわら等を落下させることが無く、回向時に機体が排
わらを踏みつける等の不都合が防止される。このとき前
述のように前処理部17及び脱穀フィードチェーン18
の駆動が同調して停止するため、搬送乱れや穀稈の詰ま
り等は防止される。
【0063】なお前処理部17を上記上昇状態から下降
させると、上記設定高さ以下に下降した場合は、自動停
止機能が解除され、マイコンユニット38はモータ39
を作動せしめ、再度前処理部17及び脱穀フィードチェ
ーン18を走行速度に同調させて駆動し、刈り取りや搬
送等が再開される。
【0064】またマイコンユニット38には図4に示さ
れるようにリフトシャット解除スイッチ46も入力せし
められており、該リフトシャット解除スイッチ46がO
Nの状態においては、自動停止機能の作動が停止せしめ
られ、これによりリフトシャット解除スイッチ46がO
Nの場合は、前処理部17が前記設定高さに上昇せしめ
られても、前処理部17及び脱穀フィードチェーン18
の駆動は継続する。
【0065】ただしマイコンユニット38側には、前処
理部17に稈が入っているか否かを感知する扱深さ搬送
体43側のメインセンサ47も入力されており、メイン
センサ47からマイコンユニット38側への情報によ
り、リフトシャット解除スイッチ46がONの場合であ
っても前処理部17が稈を流し終えると前処理部17及
び脱穀フィードチェーン18の駆動を停止せしめる駆動
停止手段(機能)が備えられている。
【0066】すなわちマイコンユニット38は、駆動停
止機能によって、前処理部17を上昇させた後にメイン
センサ47がOFFとなり稈を流し終えたことを検知す
ると、モータ39を駆動して作業機HST16の出力を
0とし、前処理部17及び脱穀フィードチェーン18の
駆動を停止せしめ、必要以上の駆動を防止する。
【0067】一方プーリ2と走行HSTの入力プーリ4
8との間にはメインクラッチ51が設けられており、該
メインクラッチ51を切り作動させることにより走行装
置側(走行伝動系)への駆動力の伝動を断ち、機体を停
止させることが可能となっている。
【0068】このときメインクラッチ51を操作する走
行用のクラッチペダル側にはクラッチペダルの踏み操作
(メインクラッチ51の切り操作)を検知するセンサ
(セーフティースイッチ)52が設けられており、該セ
ーフティースイッチ52からの情報はマイコンユニット
38に入力されている。そしてマイコンユニット38に
は、セーフティースイッチ38のON(クラッチペダル
の踏み操作時)によりモータ39を駆動して作業機HS
T16の出力を0(ニュートラル)とし、前処理部17
及び脱穀フィードチェーン18の駆動を停止せしめる作
動停止手段(機能)も設けられている。
【0069】なおクラッチペダルの踏み操作の際には、
主変速レバー33も強制的にニュートラルに戻され、走
行HST4も出力が0(ニュートラル)に切り換えられ
る。これによりオペレータは走行用のクラッチペダルを
踏み込み、メインクラッチ51を切り作動させることに
より機体を緊急停止させることができ、緊急停止の操作
が容易であり、且つ確実に緊急停止することができる。
【0070】ところで未刈穀稈が倒伏している状態での
刈り取り作業は、引き起こしの性能上前処理部17の駆
動速度を上昇させる必要がある。すなわち本コンバイン
の場合、走行速度に対する前処理部17の駆動速度の比
例係数高くして、前述のように側高速度に対して速度連
動手段により設定される前処理部17の駆動速度を早く
する必要がある。
【0071】このため本実施形態においては、マイコン
ユニット38の制御に、走行速度に対する前処理部17
の駆動速度を上昇させる速度上昇手段(機能)が備えら
れており、マイコンユニット38は、図4に示されるよ
うにマイコンユニット38に接続されている倒伏スイッ
チ58のON,OFFにより速度上昇機能の入り切りを
設定するように構成されている。
【0072】これにより本実施形態のコンバインにより
倒伏穀稈の刈り取り脱穀作業を行う場合は、オペレータ
がマニュアル(手動)で倒伏スイッチ58をONするこ
とによって、速度上昇機能を作動させ、図9に示される
ように、図5と同様の駆動速度S1(図9の点線)に比
較して、走行速度に対して前処理部17を高速S2(図
9の実線)で駆動し、これにより倒伏穀稈の刈り取りを
容易に且つ安定して行うことができる。なお倒伏スイッ
チ58をOFFにすると、前処理部17はS1の速度で
駆動される。
【0073】また前処理部17からフィードチェーン1
8側に搬送される穀稈が適正姿勢となる前処理部17の
駆動速度は材料条件(稲の立毛角や稈剛性等)や圃場条
件等により異なり、上記のようにいかなる条件の場合に
おいても、速度連動手段や速度上昇機能により予め設定
された駆動速度(標準速度)で前処理部17を駆動する
と穂先又は株元先行等の穀稈搬送に乱れが発生する場合
がある。
【0074】この不都合を避けるため、本実施形態にお
いてはマイコンユニット38の制御に、走行速度に対す
る前処理部17の駆動速度の速度比(上記比例係数)の
変更を行い、前処理部17の駆動速度を上記標準速度に
対して変更する速度変更手段(機能)を設け、マイコン
ユニット38は、図4に示されるようにマイコンユニッ
ト38に接続されている前処理速度変更ダイヤルスイッ
チ59の切換により速度変更機能の入り切りを設定する
ように構成されている。
【0075】このとき前処理速度変更ダイヤルスイッチ
59は図10に示されるように複数の切換ポジションを
有したものとなっており、各ポジションに切り換えるこ
とにより、図11のグラフに示されるように標準速度に
対して駆動速度が増減するように構成されている。すな
わち前処理速度変更ダイヤルスイッチ59をポジション
1に切り換えると図11の1の比例係数で駆動され、以
下ポジション7まで同様に駆動される。
【0076】これにより走行速度(標準速度)に対して
前処理部17の駆動速度を上げると穂先が先行し、下げ
ると株元が先行する(穂先が遅れる)こととなり、圃場
条件により穂先又は株元先行等の穀稈搬送の乱れが発生
した場合に、前処理速度変更ダイヤルスイッチ59を適
当なポジションに切り換えることによって穀稈搬送の乱
れを補正することができる。なお前処理速度変更ダイヤ
ルスイッチ59としてバリアブル抵抗(ボリューム等)
を使用して、駆動速度の増減を無段階に設定するように
構成しても良い。
【0077】またフィードチェーン18の前処理部17
からの受け継ぎ部分に、図4に示されるようにマイコン
ユニット38の入力側に接続してカメラ61を設け、該
カメラ61により撮影される穀稈の姿勢に基づき速度変
更機能を作動させ、前処理部17の駆動速度の調節によ
って穀稈の搬送姿勢を自動補正するように構成しても良
い。
【0078】なお本発明のコンバインを手扱ぎ作業に使
用する場合、走行速度が0となるため、速度維持キャン
セル機能を作動させている(強制掻き込み解除スイッチ
53をON)と前処理部の駆動速度が0、速度維持キャ
ンセル機能を非作動(強制掻き込み解除スイッチ53を
OFF)としていると駆動速度維持機能が作動して前処
理部の駆動速度がV2となる。
【0079】つまり手扱ぎ作業の場合、フィードチェー
ン18の駆動速度が0又は比較的低速(V2)となり、
作業性ができない又は悪化する。この不都合を避けるた
め本発明のマイコンユニット38には手扱ぎ速度上昇手
段(機能)が備えられており、該手扱ぎ速度上昇機能に
より手扱ぎ作業時のフィードチェーン18の駆動速度を
上昇させ、手扱ぎ作業を効率よく行うことができるよう
に構成されている。
【0080】すなわちマイコンユニット38には図4に
示されるように手扱ぎ状態を検知する手扱ぎスイッチ5
6が接続されており、マイコンユニット38は該手扱ぎ
スイッチ56のON,OFFにより手扱ぎ速度上昇機能
の入り切りを設定するように構成されている。
【0081】ところで本実施形態においては、図12に
示されるように従来同様フィードチェーン18の上方に
は、フィードチェーン18と共に穀稈を挾持する挾扼レ
ール62と、該挾扼レール62の前端部62aにおいて
フィードチェーン18に対して上下揺動自在に支持され
た穀稈押え杆63とが備えられており、該穀稈押え杆6
3は、フィードチェーン18に対して起立させる手扱ぎ
作業位置Hと、フィードチェーン18に対して前端を倒
伏させる通常作業位置Aとに姿勢切換えが自在となって
いる。
【0082】そして本実施形態の場合、上記手扱ぎスイ
ッチ56は挾扼レール62側に設けられており、穀稈押
え杆63を起立姿勢(手扱ぎ作業位置H)に切り換える
と、穀稈押え杆63の支持ユニット64によりONとな
り、マイコンユニット38が手扱ぎ速度上昇機能を入り
作動せしめる。
【0083】また前述の前処理クラッチ31側には前処
理クラッチ31の入り切りを操作するアクチュエータ
(前処理クラッチモータ)が、図4に示されるようにマ
イコンユニット38の出力側に接続されて設けられてお
り、該前処理クラッチモータ57の駆動により前処理ク
ラッチ31の入り切りを前述の手動以外に自動で操作す
ることができるように構成されている。
【0084】これにより穀稈押え杆63を手扱ぎ作業位
置Hに切り換え、上記手扱ぎスイッチ56がONとなる
と、マイコンユニット38は、手扱ぎ速度上昇機能を作
動させ、図13に示されるように、走行速度が所定速度
以下となったときの前処理部17の駆動速度を維持速度
V2から手扱ぎ作業を効率よく行うことができる手扱ぎ
維持速度V4に上昇させるとともに、前処理クラッチモ
ータ57を駆動して前処理クラッチ31を切り作動させ
る。
【0085】この場合は前処理部17の駆動が停止せし
められ状態で、フィードチェーン18が予め設定された
手扱ぎ維持速度V4に対応する速度で駆動される。これ
により手扱ぎ作業時に作業効率が低下することなく、手
扱ぎ作業を効率よく行うことができる。
【0086】なおマイコンユニット38は、速度維持キ
ャンセル機能の作動に対して、強制掻き込み解除スイッ
チ53のON,OFFの他、手扱ぎスイッチ56のO
N,OFFもチェックしており、手扱ぎスイッチ56が
ONの場合は、たとえ強制掻き込み解除スイッチ53が
ONであっても速度維持キャンセル機能を作動させない
速度維持キャンセル規制手段(機能)が備えられてい
る。
【0087】これにより手扱ぎ作業時には、手扱ぎスイ
ッチ56がONとなるため速度維持キャンセル規制機能
が作動して、速度維持キャンセル機能が作動(強制掻き
込み解除スイッチ53がON)していた場合であって
も、速度維持キャンセル機能が自動的に停止せしめら
れ、フィードチェーン18の駆動速度が0となる不都合
は自動的に防止される。
【0088】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造に
よれば、手扱ぎ状態への切換操作に連動して手扱ぎ速度
上昇手段が作動するため、手扱ぎ作業時の機体の停止状
態におけるフィードチェーンの駆動速度が上昇せしめら
れ、前処理部の駆動を停止させることにより、手扱ぎ作
業を容易に且つ効率よく行うことができ、手扱ぎ作業時
に作業効率が低下する等の不都合を防止することができ
るという効果がある。
【0089】また速度維持キャンセル手段を作動させる
ことにより、機体の停止時にフィードチェーンの駆動が
停止せしめられるが、速度維持キャンセル規制手段によ
り手扱ぎ作業時には速度維持キャンセル手段の作動が停
止され、手扱ぎ作業時にフィードチェーンが停止される
不都合が防止され、手扱ぎ作業を容易に且つ効率よく行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの伝動線図である。
【図2】作業機トランスミッションの平断面図である。
【図3】作業機トランスミッションの正面図である。
【図4】マイコンユニット部分のブロック図である。
【図5】走行速度と前処理駆動速度との関係を示すグラ
フ図である。
【図6】作業機HSTの通常作動時の圧油の流れを示し
た油圧回路である。
【図7】(a),(b)は、作業機HSTの油圧ポンプ
から逆転圧油を送り出した場合と、油圧モータがロック
した場合の圧油の流れを示した油圧回路である。
【図8】速度維持キャンセル機能を作動させた状態の走
行速度と前処理駆動速度との関係を示すグラフ図であ
る。
【図9】速度上昇機能を作動させた状態の走行速度と前
処理駆動速度との関係を示すグラフ図である。
【図10】前処理速度変更ダイヤルスイッチの平面図で
ある。
【図11】速度変更機能を作動させた場合の走行速度と
前処理駆動速度との関係を示すグラフ図である。
【図12】フィードチェーンの前端部分の側面図であ
る。
【図13】手扱ぎ速度上昇機能を作動させた状態の走行
速度と前処理駆動速度との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 エンジン 17 前処理部 18 フィードチェーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01F 12/10 A01F 12/10 L

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(1)からの出力を走行伝動系
    とフィードチェーン(18)及び前処理部(17)への
    前処理伝動系とに分岐せしめ、フィードチェーン(1
    8)及び前処理部(17)の駆動速度を走行速度に連動
    して変更せしめる速度連動手段を設け、該速度連動手段
    側に、走行速度が予め設定された所定の速度より小さな
    場合にフィードチェーン(18)及び前処理部(17)
    の駆動速度を予め設定された速度に維持する駆動速度維
    持手段を設けたコンバインにおいて、手扱ぎ作業時のフ
    ィードチェーン(18)の駆動速度を上昇せしめる手扱
    ぎ速度上昇手段を設け、該手扱ぎ速度上昇手段を手扱ぎ
    状態への切換操作に連動して作動させたコンバインにお
    けるフィードチェーンの駆動装置。
  2. 【請求項2】 駆動速度維持手段を停止せしめる速度維
    持キャンセル手段と、手扱ぎ状態への切換操作に連動し
    て速度維持キャンセル手段の作動を停止させる速度維持
    キャンセル規制手段とを設けた請求項1のコンバインに
    おけるフィードチェーンの駆動装置。
JP2001111586A 2001-04-10 2001-04-10 コンバイン Expired - Fee Related JP5248725B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001111586A JP5248725B2 (ja) 2001-04-10 2001-04-10 コンバイン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001111586A JP5248725B2 (ja) 2001-04-10 2001-04-10 コンバイン

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002305944A true JP2002305944A (ja) 2002-10-22
JP2002305944A5 JP2002305944A5 (ja) 2008-05-22
JP5248725B2 JP5248725B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=18963159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001111586A Expired - Fee Related JP5248725B2 (ja) 2001-04-10 2001-04-10 コンバイン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5248725B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007174971A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Iseki & Co Ltd 作業車輌
JP2014068538A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Iseki & Co Ltd コンバイン
JP2014087297A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Iseki & Co Ltd コンバイン
JP2016019550A (ja) * 2015-11-04 2016-02-04 井関農機株式会社 コンバイン
JP2016026498A (ja) * 2015-10-05 2016-02-18 井関農機株式会社 コンバイン

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04341115A (ja) * 1991-05-17 1992-11-27 Iseki & Co Ltd コンバインの操作装置
JPH0582231U (ja) * 1992-04-14 1993-11-09 ヤンマー農機株式会社 コンバインにおける刈取部及びフィードチェンの同調制御機構
JPH08130964A (ja) * 1994-11-07 1996-05-28 Iseki & Co Ltd コンバインの穀稈搬送装置
JPH09275749A (ja) * 1996-04-19 1997-10-28 Yanmar Agricult Equip Co Ltd コンバインの操作装置
JPH11220934A (ja) * 1998-02-03 1999-08-17 Kubota Corp 刈取収穫機の伝動装置
JP2000004651A (ja) * 1998-06-18 2000-01-11 Yanmar Agricult Equip Co Ltd コンバイン

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04341115A (ja) * 1991-05-17 1992-11-27 Iseki & Co Ltd コンバインの操作装置
JPH0582231U (ja) * 1992-04-14 1993-11-09 ヤンマー農機株式会社 コンバインにおける刈取部及びフィードチェンの同調制御機構
JPH08130964A (ja) * 1994-11-07 1996-05-28 Iseki & Co Ltd コンバインの穀稈搬送装置
JPH09275749A (ja) * 1996-04-19 1997-10-28 Yanmar Agricult Equip Co Ltd コンバインの操作装置
JPH11220934A (ja) * 1998-02-03 1999-08-17 Kubota Corp 刈取収穫機の伝動装置
JP2000004651A (ja) * 1998-06-18 2000-01-11 Yanmar Agricult Equip Co Ltd コンバイン

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007174971A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Iseki & Co Ltd 作業車輌
JP4529898B2 (ja) * 2005-12-28 2010-08-25 井関農機株式会社 コンバイン
JP2014068538A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Iseki & Co Ltd コンバイン
JP2014087297A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Iseki & Co Ltd コンバイン
JP2016026498A (ja) * 2015-10-05 2016-02-18 井関農機株式会社 コンバイン
JP2016019550A (ja) * 2015-11-04 2016-02-04 井関農機株式会社 コンバイン

Also Published As

Publication number Publication date
JP5248725B2 (ja) 2013-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4815479B2 (ja) コンバイン
JP2010252731A (ja) コンバイン
JP5088260B2 (ja) コンバイン
JP5248725B2 (ja) コンバイン
JP4983437B2 (ja) コンバイン
JP2010029105A5 (ja)
JP2011135780A (ja) コンバイン
JP4301743B2 (ja) コンバインにおける油圧無段変速装置
JP2008035737A (ja) コンバインの前処理駆動構造
JP2538297Y2 (ja) コンバインの駆動制御装置
JP2002305943A (ja) コンバインにおける前処理駆動システム
JP5408444B2 (ja) コンバイン
JP2002305942A (ja) コンバインにおける前処理駆動装置
JP2009284823A (ja) コンバイン
JP2012095660A (ja) コンバインにおける前処理駆動装置
JP3577738B2 (ja) コンバインの伝動機構
JP4110753B2 (ja) コンバイン
WO2005058010A1 (ja) コンバイン
JP2003169529A (ja) コンバインにおける前処理制御装置
JP2003214206A (ja) コンバインの前処理装置
JP4181931B2 (ja) コンバインの前処理装置
JP5928641B2 (ja) コンバイン
JP2012090640A (ja) コンバインにおける前処理駆動装置
JP5099353B2 (ja) コンバイン
JP3907846B2 (ja) コンバイン

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080408

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090902

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110419

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130411

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees