JP4110753B2 - コンバイン - Google Patents

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JP4110753B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインに関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来からコンバインは、ミッションケ−スの上部から右側部に油圧無段変速装置を搭載して設け、この油圧無段変速装置を経由して変速された回転動力が、一度、ミッションケ−スに入力された後、刈取装置(穀稈引起し装置、穀稈搬送装置を含む)に伝動される伝動経路が構成されている。そして、ミッションケ−ス内のオイルと油圧無段変速装置の駆動に使用するオイルは、各々別々のものを使用していた。このため、油圧回路も別々に構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ミッションケ−ス内のオイルと油圧無段変速装置の駆動に使用するオイルは、各々別々のものを使用していたので、油圧無段変速装置に使用するオイルタンクを設ける必要があった。さらに、油圧回路も2系統設けていたので、油圧回路が複雑となり、多くの部品点数を必要とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために、つぎの如き技術手段を講ずるものである。即ち、請求項1記載の発明は、走行装置18を有する走行車体2の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取前処理装置5と、該刈取前処理装置5から搬送されてきた穀稈を受け継いでさらに後方に搬送する供給搬送装置5bを設け、前記走行車体2上には供給搬送装置5bから搬送されてきた穀稈を脱穀選別する脱穀装置3と、該脱穀装置3にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク3aと、操縦座席8とを設けたコンバインにおいて、前記走行装置18を駆動するミッションケース19内のオイルは、該ミッションケース19に動力を伝達する油圧無段変速装置14の駆動オイルに使用すると共に、前記刈取前処置装置5を昇降する油圧シリンダ5aにも使用する構成とし、1個の油圧ポンプ100にて油圧無段変速装置14と油圧シリンダ5aにオイル送油するように構成し、油圧ポンプ100から最も下流側に油圧無段変速装置14のチャージバルブ70を設け 、油圧無段変速装置14内へオイルを送油する配管61であって、油圧無段変速装置14の直前にはフィルタ62を設け、該フィルタ62はコンバインの正面視において刈取前処理装置5の後方に隠れるように設ける構成とし、正面視で刈取前処理装置5を右方向に横スライドさせると、前記フィルタ62が現れる構成としたことを特徴とするコンバインとしている。
【0005】
請求項1の作用は、走行装置18を駆動するミッションケース19内のオイルを、油圧無段変速装置14の駆動オイルに使用する。そして、走行装置18を駆動するミッションケース19内のオイルを、刈取前処置装置5を昇降する油圧シリンダ5aにも使用する。
【0006】
また、走行装置18を駆動するミッションケース19内のオイルは、1個の油圧ポンプ100で前記油圧無段変速装置14と油圧シリンダ5aに送油する。
【0007】
油圧無段変速装置14のチャージバルブ70は、油圧ポンプ100から最も下流側に存在するので、油圧ポンプ100にて油圧無段変速装置14の閉回路からリークした分のオイルのチャージが可能となる。
【0008】
また、油圧無段変速装置14内へオイルを送油する配管61であって、油圧無段変速装置14の直前にはフィルタ62が存在する。
フィルタ62はコンバインの正面視において刈取前処理装置5の後方に隠れており、正面視で刈取前処理装置5を右方向に横スライドさせると、フィルタ62が現れる。
【0009】
【発明の効果】
請求項1記載の発明においては、油圧無段変速装置に使用するオイルタンクが不要となり、また、油圧回路も一系統となるので簡素に構成可能となる。従って、部品点数も削減できて保守管理も容易に実行可能となる。そして、ミッションケース19内のオイルは、刈取前処理装置5を昇降する油圧シリンダ5aにも使用するので、油圧回路が簡素化でき、さらに、油圧シリンダ5aは、ミッションケース19の近傍に配置されているので、ミッションケース19から油圧シリンダ5aまでの配管が短くて済むようになる。
【0010】
ミッションケース19内のオイルは、1個の油圧ポンプ100にて前記油圧無段変速装置14と油圧シリンダ5aに送油するので、コンバインに搭載する部品点数が削減できて簡素に構成可能となる。
また、油圧無段変速装置14のチャージバルブ70は、油圧ポンプ100から最も下流側に存在するので、油圧ポンプ100にて油圧無段変速装置14の閉回路からリークした分のオイルのチャージが可能となる。これにより、専用のチャージポンプが不要となり、重量が軽くなると共に廉価な構成となる。
【0011】
また、油圧無段変速装置14内へオイルを送油する配管61であって、油圧無段変速装置14の直前にはフィルタ62が存在し、このフィルタ62はコンバインの正面視において刈取前処理装置5の後方に隠れており、正面視で刈取前処理装置5を右方向に横スライドさせると、フィルタ62が現れるので、保守管理や交換が容易となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1には、本発明の実施例を具現化したコンバインが示されている。
走行装置18を有する走行車体2の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取前処理装置5と、該刈取前処理装置5から搬送されてきた穀稈を受け取ってさらに後方のフィードチェン4向けて搬送する供給搬送装置5bが設けられている。前記走行車体2上には供給搬送装置5bから搬送されてきた穀稈をフィードチェン4で搬送しながら脱穀選別する脱穀装置3と、該脱穀装置3にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク3aと、操縦座席8が載置されている。また、前記グレンタンク3a内の一時貯溜していた穀粒を排出するために、縦オーガ101と横オーガ102が設置されている。
【0013】
そして、コンバインは、図3と図4に示すように、走行ミッション装置16を内装したミッションケ−ス19を走行車体2の前部に連結支持して設け、このミッションケ−ス19の前側上部に刈取懸架台20を設け、後側上部に油圧ポンプ14aと油圧モ−タ14bからなる油圧無段変速装置14を載置して構成している。
【0014】
そして、刈取フレ−ム21は、図2と図3に示すように、その基部を前記刈取懸架台20に上下回動自由に枢着して前方下方に延長し、前部から分草杆22、穀稈引起し装置23、刈取装置24、穀稈搬送装置6を設けて刈取穀稈を上記脱穀装置3まで搬送してフィ−ドチエン4の始端部に供給する刈取前処理装置5を構成している。
【0015】
この実施例の場合、上記フィ−ドチエン4は、図2に示すように、その始端部に、供給搬送装置5bの穀稈搬送装置6の終端部を臨ませて設け、穀稈の受け継ぎ搬送をする穀稈受継部7を構成している。
そして、前記した操縦座席8は、図2と図3に示すように、前側の低部に、オペレ−タが作業中に足を置いたり、又立ち姿の状態で仕事をするためのステップフロア11を配置し、その左側(走行車体2の中央側)に側部カバ−25を開閉自由に設けて構成している。なお、この側部カバ−25は、後述する油圧無段変速装置14の入力プ−リ15や刈取入力プ−リ17、及び伝動ベルトのメンテナンス作業を行なうときに、係止しているセットボルト26を緩めて開放する構成としている。
【0016】
そして、本明細書に記載している左側、又は右側の表現は、全てコンバインの前進方向に向かって見た状態を基準にして判断したものである。
このようなコンバインを前進させて刈取作業を実行すると、圃場面に植立している穀稈は、分草杆22にて分草されて穀稈引起装置23にて引き起こされて刈取装置24にて刈り取られる。その後、穀稈搬送装置6にて搬送され、後側の穀稈搬送装置である供給搬送装置5bへ引き継がれる。この供給搬送装置5bに引き継がれた穀稈は、さらに後方へと搬送されていく。そして、脱穀装置3のフィードチェン4へと引継ぎ搬送されて、後方へ搬送されながら穀稈は脱穀装置3にて脱穀選別される。
【0017】
このように脱穀選別された穀粒は、一番揚穀筒104を経由してグレンタンク3a内へと搬送されて、一時貯留される。該グレンタンク3a内に貯留される穀粒量が満杯となると、操縦座席8の報知手段でオペレータに報知される。するとオペレータは刈取作業を中断して、グレンタンク3a内の穀粒を機外へと排出する作業を開始する。
【0018】
まず、コンバインを任意の位置(トラック近傍位置)へと移動させ、横オーガ102をオーガ受け105から離脱させて穀粒排出口102aをトラックの荷台等の位置へ移動させる。横オーガ102の旋回は、縦オーガ101に設けられているモータ(図示せず)にて実行されるので、横オーガ102は縦オーガ101と共に旋回することとなる。そして、操縦座席8の穀粒排出レバー106を入り状態として、グレンタンク3a内の穀粒を機外へと排出する。グレンタンク3a内の穀粒排出が終了すると、横オーガ102をオーガ受け105内へと収納させて、再び、コンバインを植立穀稈に沿って前進させて刈取作業を再開する。
【0019】
このようなコンバインの走行ミッション装置16の構成について説明する。
走行ミッション装置16は、図4に示すように、ミッションケ−ス19に入力軸27と変速軸28とを軸架し、更に、その伝動下手側に、サイドクラッチ軸29、及び左右の走行出力軸30L、30Rの順に軸架し、従来から公知の副変速装置103を設けた一連のミッション機構を構成している。そして、ミッションケ−ス19は既に説明した図3に示すように、コンバインの前部において、エンジン9の前側に配置して走行車体2に連結して搭載している。
【0020】
そして、実施例の場合、エンジン9は、既に図2と図3を参照して述べた操縦座席8の下側空間に配置して走行車体2上に搭載し、図2から解るように、外側の防塵網31の内側に、ラジエ−タ32と冷却ファン33とを設けて構成している。
【0021】
つぎに、油圧無段変速装置14は、図2から図4に基づいて前述したように、油圧ポンプ14aと油圧モ−タ14bとから構成し、図4で解るように、ミッションケ−ス19の上部に装備している。そして、油圧無段変速装置14は、図4に示すように、油圧モ−タ14bの出力軸34に軸着している出力ギヤ35から中間軸36の中間ギヤ37に伝動し、更に、下手側の入力ギヤ38に伝動してミッションケ−ス19内の入力軸27に変速した回転動力を伝動する構成としている。
【0022】
そして、上記各ギヤ35、37、38は、図面から解るように、出力軸34、中間軸36、入力軸27がミッションケ−ス4の左壁に軸受されて外側に延長された部位にそれぞれ軸着され、迂回伝動ケ−ス39の内部に迂回伝動装置39aが構成されている。そして、この迂回伝動ケ−ス39は、ミッションケ−ス19で各軸34、36、27を片持状に軸架し、その外側から伝動カバ−40によって着脱自由に覆う構成としている。
【0023】
そして、迂回伝動ケ−ス39は、図4と図5に示すように、下部にミッションケ−ス19側に連通する連通口44を開口し、ミッションケ−ス19との間にオイルの循環経路を構成している。更に、迂回伝動ケ−ス39は、図4と図5で解るように、上部に給油口45を開口し、給油時にも一連のギヤを潤滑できる構成としている。
【0024】
さらに、迂回伝動ケ−ス39は、図4と図5に示すように、下端部にドレン46を設け、前述した伝動カバ−40を取外して迂回伝動装置39aのメンテナンスが、ミッションケ−ス19とは関係なく行なうことができる構成としている。
なお、ミッションケ−ス19は、従来から公知のとおり、図5で解るように、下端部にドレン47を設け、オイル交換時にケ−ス内のオイルの排油が自由にできる構成としている。
【0025】
以上述べたミッションケ−ス19、及び迂回伝動ケ−ス39は、一連の油圧機構のタンクの機能を有し、ミッションケ−ス19内のオイルが油圧機構の作動油であって、尚且つミッション機構の潤滑油を兼ねた機能を持っている。そして、オイルは、通常、回転に伴なって下部のギヤから順次汲み上げながら上部のギヤを潤滑する、いわゆる、汲み上げ潤滑をしているが、本願発明では、作動油が戻るときや上部の給油口45から給油するときには強制潤滑が行われる構成としている。
【0026】
この強制潤滑の構成について、図4から図6に基づいて説明する。
図6は、走行ミッション装置16を中心とした油圧回路図である。走行ミッション装置16の下部からオイルが吸いだされる配管107が設けられ、該配管107の他端には、フィルタ108を介して油圧ポンプ100が接続している。この油圧ポンプ100の下流側には、操縦座席8のパワステレバー109によって切り換えられる切換弁60が接続していて、さらに、この切換弁60の下流には、刈取前処理装置5の昇降をする油圧シリンダ5aと電磁切換弁111が接続している構成である。
【0027】
また、前記切換弁60の油圧シリンダ5aからの戻り配管61は、フィルタ62を介して油圧無段変速装置14に接続していて、この配管61と油圧ポンプ100との間には、油圧シリンダ5aを作動させた場合のリリーフ作動を実行するリリーフ弁63が設けられている。
【0028】
前記電磁切換弁11の下流側には、走行ミッション装置16内の左右サイドクラッチ114L,114Rと、左右ブレーキ115L,115Rとを作動させる左右の油圧シリンダ112L,112Rとが接続している。即ち、左右サイドクラッチ114L,114Rを切り作動させ、その後、左右ブレーキ115L,115Rを入り作動させる左右のリンクアーム113L,113Rに、左右の油圧シリンダ112L,112Rの左右のピストンアーム116L,116Rが接続している構成である。
【0029】
前記左右の油圧シリンダ112Lと112Rは、各々配管66で接続されている。そして、右油圧シリンダ112Rには、配管67が接続し、その他端は前記配管61と接続している構成である。さらに、配管67には、リリーフ弁68が設けられている構成である。
【0030】
また、電磁切換弁11からの戻り配管117は、前記切換弁60からの戻り配管61と接続しているので、配管61と配管117のオイルは、共に油圧無段変速装置14内に流れる構成である。油圧無段変速装置14内の油圧ポンプ14aは、エンジン9から伝動ベルト57,油圧変速プーリ15、そして、回転軸64を経由して回転する構成であり、さらに、回転軸64には、油圧無段変速装置14やその周辺の部材を冷却する冷却ファン10が設けられている。
【0031】
油圧無段変速装置14には、前記配管65が接続していて、この配管65の他端は、迂回伝動ケ−ス39の上部に接続している構成である。即ち、この配管65は、前記配管61から油圧無段変速装置14内に投入されたオイルを、走行ミッション装置16内に戻すためであり、また、配管61から油圧無段変速装置14内に投入されたオイルは、該油圧無段変速装置14内の閉回路のリークした分のオイルを補給するためのものである。
【0032】
この油圧回路の作用を説明する。
エンジン9を始動すると、動力は伝動ベルト57と油圧変速プーリ15を介して回転軸64が回転する。回転軸64には、冷却ファン10が回転するので、油圧無段変速装置14やその周辺の部材が冷却される。また、回転軸64は、油圧ポンプ14aを回転させる。油圧ポンプ14aの斜板118が中立であれば、油圧ポンプ14aの回転力は、油圧モータ14bには伝達されない。また、斜板118を正転側に傾斜させると油圧モータ14bが正転し、斜板118を逆転側に傾斜させると油圧モータ14bが逆転する。そして、油圧モータ14bに伝達された動力は、前述した迂回伝動ケース39,走行ミッション装置16内を通過して、走行出力軸30L,30Rに伝達されていく。
【0033】
また、エンジン9が始動すると、油圧回路内にオイルを送油する油圧ポンプ100も作動する。すると、走行ミッション装置16内のオイルは、配管107から吸いだされて切換弁60に送油される。切換弁60が作動しないときは、切換弁60の60aから配管110を経由して電磁切換弁111に送油される。パワステレバー109を後方に傾動させると、切換弁60は60b側に切り換わり油圧シリンダ5aに送油される。この場合、油圧ポンプ100と油圧シリンダ5aの間にはオイルが逃げる場所がないので、リリーフ弁63が作動して、オイルは配管61から油圧無段変速装置14内へ送油される。
【0034】
パワステレバー109を前方に傾動させると、切換弁60は60c側に切り換わるので、刈取前処理装置5は下方へと下がる。この場合、油圧シリンダ5aからの戻りオイルは、配管61へと流れ、また、油圧ポンプ100からのオイルは、配管110へと流れる。そして、パワステレバー109を中立位置に戻すと、切換弁60は60aの位置に戻る。
【0035】
前記配管110から電磁切換弁111に流れたオイルは、この電磁切換弁111が111aの位置、即ち、切り換えられていない場合には、配管117へと流れて、さらに、前述したように、配管61と合流する。そして、配管61は油圧無段変速装置14内へと入っていく。
【0036】
前記パワステレバー109を左方向又は右方向に傾動させると、電磁切換弁111が111c側又は111b側に切り換わる作動をするので、オイルは左の油圧シリンダ112L又は右の油圧シリンダ112R内へと流れていく。パワステレバー109を左側に傾動させると、左の油圧シリンダ112L内へとオイルが流れていくので、左リンクアーム113L作動する。すると、左移動体119Lの左サイドクラッチ114Lが切り状態となる。この状態は、左の走行出力軸30Lに動力が伝達されていない状態であるので、コンバインの自動方向制御に用いられる。
【0037】
さらに、左油圧シリンダ112L内へオイルを送油すると、左移動体119Lは移動して前記左サイドクラッチ114Lの他端側に設けられている左ブレーキ115Lが入り状態となる。この左ブレーキ115Lは、複数枚のディスク板から構成されている。これにより、コンバインは左旋回を実行する。右旋回の場合は、前述の左旋回と左右対称なので説明は省略する。
【0038】
前記左油圧シリンダ112L内への送油量が多くなると、リリーフ弁68が作動するので、オイルは配管66を通過して右油圧シリンダ112R内へと送油され、さらに、配管67を通って配管61と合流する。そして、油圧無段変速装置14内へと入っていく。
【0039】
配管61から油圧無段変速装置14内へ入ってきたオイルは、この油圧無段変速装置14内の閉回路のオイルのチャージを実行して、再び、配管65から外に出ていく。配管65に流れ出たオイルは、迂回伝動ケース39内へ上部から投入される。そして、迂回伝動ケース39内の各ギヤ等を潤滑しながら下方に流れていくので、下側に連なる一連のギヤトレ−ン(ギヤ35、37、38)に順次オイルが流下して潤滑でき耐久性を高めることができる。
【0040】
その後、オイルは走行ミッション装置16内上部へと流れていき、再び、油圧ポンプ100により配管107から吸いだされて油圧回路内を流れていく。走行ミッション装置16内には、常時所定量のオイルが溜っているので、走行ミッション装置16自体がオイルタンクの役目を果たしている。従って、別部品としてオイルタンクを設ける必要がないので、部品点数の削減とコストダウンとなる。また、コンバイン全体も軽量化される。
【0041】
前述のように、走行ミッション装置16内のオイルを、油圧無段変速装置14に使用するオイルと共用したので、油圧無段変速装置に使用するオイルタンクが不要となり、また、油圧回路も1系統となるので簡素に構成可能となる。従って、部品点数も削減できて保守管理も容易に実行可能となる。
【0042】
特にコンバインにおいては、走行ミッション装置16は縦に長い構成であり、この縦長の走行ミッション装置16の上部に油圧無段変速装置14を設ける構成なので、油圧無段変速装置14からの戻りオイルは、走行ミッション装置16内のオイル溜りの位置まで到達するのに時間がかかる。このためその時間の間は、冷却ファン10による作用等によりオイルが冷却されるので、オイル温度の所定以上の上昇を抑えることができる。従って、油圧装置等に悪影響を与えるのを防止できるようになる。また、油圧無段変速装置14で発生した熱は、走行ミッション装置16に伝わりにくくなるので、走行ミッション装置16の温度上昇を防止できる。
【0043】
また、逆にオイルの温度が極端に低い場合には、電磁切換弁111(ソレノイド)の作動が鈍くなってしまう。このような状況においては、コンバインの左右旋回がスムーズに実行できないので、危険を生じることがある。特に、本実施例のように、左右の油圧シリンダ112L,112R(プッシュシリンダ)と左右のサイドクラッチ114L,114R及び左右のブレーキ115L,115Rのような場合には、サイドクラッチ114L,114Rが切れるのに時間がかかるので、危険である。
【0044】
しかしながら、本願発明は、走行ミッション装置16内のオイルと油圧無段変速装置14のオイルを共用する構成としているので、オイルが極端に冷えていても、オイルは油圧無段変速装置14を通過することにより急速に温まる。油圧無段変速装置14の発熱量が大きいので、オイルはいち早く温まるのである。これにより、電磁切換弁111の作動がスムーズに実行されるので、左右方向の旋回もスムーズに実行されることとなり、危険を防止できるようになる。もちろん、冷却ファン10は、オイル温度が所定以上になることを防止するためのものであって、オイル温度が極端に下がっていても、油圧無段変速装置14を通過することにより、オイル温度は速やかに所定温度まで上昇するので問題はない。
【0045】
前記の内容に加えて、走行ミッション装置16内のオイルは、コンバインに搭載している作業手段にも共用する構成とする。これにより、さらに、油圧回路が簡素化できるようになる。この作業手段は何でもよいが、特に、刈取前処理装置5を昇降する油圧シリンダ5aとした場合、コンバインにおいては走行ミッション装置16の近傍に油圧シリンダ5aが設けられているので、ミッションケース19から油圧シリンダ5aまでの配管が短くすむようになる。
【0046】
さらに、油圧回路は、走行ミッション装置16と油圧無段変速装置14と作業手段(刈取昇降の油圧シリンダ)と共用する構成としているので、油圧ポンプ100は、1個を設ける構成でよくなる。これにより、コンバインに搭載する部品点数が削減できて簡素に構成可能となる。
【0047】
図6にて説明した油圧回路において、油圧無段変速装置14にオイルが流入する直前の配管61には、フィルタ62を設ける構成としている。このフィルタ62により、油圧無段変速装置14内にはきれいなオイルが流れていくので、油圧無段変速装置14の故障が少なくなると共に、寿命も長くなる。ところが、フィルタ62はオイルにとって抵抗となるので、このフィルタ62により背圧が発生してしまい、パワステレバー109を左右方向に傾動させていないにもかかわらず、この背圧が左右の油圧シリンダ112L,112Rに作用して作動させてしまう不具合が発生することがある。
【0048】
そこで、この背圧の発生する配管117と左右の油圧シリンダ112L,112Rとの間に配管120,121を設けて連通させる構成とする。もちろん、配管120,121を配置する位置は、左右の油圧シリンダ112L,112Rがピストンに作用する位置とは反対側のシリンダ室である。
【0049】
これにより、背圧により左右の油圧シリンダ112L,112Rが作動して、不用意に左右のサイドクラッチ114L,114Rが切れるのを防止できるようになり、安全性能が向上するようになる。
次に、パワステレバー109のリリーフ弁63は、図7で示しているように、走行ミッション装置16には設けず、この走行ミッション装置16から離れた操縦座席8の近傍に設置する構成としている。具体的には、パワステレバー109の基部であって、操作ポスト75内に設けている。操縦座席8の近傍は、走行ミッション装置16の近傍と比べて周辺温度が低いので、リリーフ弁63を通過するオイルが冷却される。冷却ファン10以外の場所においても、このようにオイルが冷却されるので、油圧無段変速装置14やその他の油圧機器に与える悪影響を防止できるようになる。
【0050】
次に、図8について説明する。
図6の油圧回路図で説明したように、配管61は油圧無段変速装置14にオイルを投入する構成であるが、この配管61は、油圧無段変速装置14の下部側に接続するように構成する。そして、油圧無段変速装置14から出ていくオイルの配管65は、油圧無段変速装置14の上部側に接続する構成とする。これにより、オイル、油圧無段変速装置14の下部から流入して、油圧無段変速装置14の上部から出ていく。即ち、油圧無段変速装置14内のオイルは、下方から常時押し上げられた状態で油圧無段変速装置14の上部から出ていくので、油圧無段変速装置14内のオイル量はいつも満杯の状態である。これにより、油圧無段変速装置14の温度上昇が抑制されると共に、オイル不足による悪影響も防止できるようになる。
【0051】
また、油圧ポンプ100の最も下流側に、油圧無段変速装置14のチャージバルブ70を構成しているので、油圧ポンプ100にて油圧無段変速装置14の閉回路からリークした分のオイルのチャージが可能となっている。即ち、従来の構成は、油圧無段変速装置14の閉回路からリークしたオイルを補給するために、別のチャージポンプが油圧無段変速装置14自体に設けられていた。このため、油圧無段変速装置14の本体重量が重くなると共に、コスト高となっていた。
【0052】
しかし、前述のごくと構成したので、専用のチャージポンプが不要となった。これいより、重量が軽くなると共に、コストも下がった。
さらに、図6の油圧回路で示すように、リリーフ弁63が作動しても、配管61から油圧無段変速装置14へオイルが送油可能な構成となっている。従来は、リリーフ弁63が作動すると、オイルは直接オイルタンク内に戻っていたが、前述のような構成とすることにより、油圧無段変速装置14内には常時オイルが送油されることとなるので、油圧無段変速装置14の閉回路内でのオイル不足を防止できるようになる。これにより、キャビテーションの発生やオイル温度の上昇を防止できるので、耐久性が向上するようになる。
【0053】
オイルの冷却のために、さらに、次のように構成する。
即ち、フィルタ62の下手側においてオイルクーラ69を設ける構成とする。しかも、このオイルクーラ69は、図9に示すようにエンジン9のラジエータ32の外側方に配置する構成とする。前記ラジエータ32のエンジン9側には、冷却ファン33が設けられているので、この冷却ファン33の作用により、ラジエータ32,エンジン9及びその他の部材が冷却されるので、オイルクーラ69を通過するオイルも一緒に冷却される。これにより、高温のオイルが油圧無段変速装置14や走行ミッション装置16等に与える影響を防止できる。
【0054】
そして、前述のごとく、油圧無段変速装置114の回転軸64には、冷却ファン10を設けているので、ラジエータ32側の冷却ファン33と、油圧無段変速装置14側の冷却ファン10との相互作用により、冷却効率が向上するようになる。
【0055】
油圧無段変速装置14側の冷却ファン10を設けていない場合は、ラジエータ32側の冷却ファン33により起風された風は、走行ミッション装置16付近で弱くなってしまい、その結果、ラジエータ32やラジエータ32の外側方に設けたオイルクーラ69の冷却効率も下がってしまうが、前述のごとく、油圧無段変速装置14側にも冷却ファン10を設ける構成としているので、風の通りが良くなり、従って、オイルクーラ69の冷却効率も向上するようになる。
【0056】
次に、図10と図11について説明する。
油圧無段変速装置14内へオイルを送油する配管61であって、油圧無段変速装置14の直前にはフィルタ62を設けているが、このフィルタ62は所定時間毎に交換する必要がある。従って、フィルタ62は交換しやすい場所に設置する必要がある。そこで、刈取前処理装置5が横方向にスライド可能なコンバインにおいては、フィルタ62は刈取前処理装置5の後方に設ける構成とする。即ち、図10の正面視においては、フィルタ62は刈取前処理装置5の後方に隠れているが、図11のように刈取前処理装置5を左方向(正面視では右方向)に横スライドさせると、フィルタ62が現れる構成である。これにより、フィルタ62の保守管理や交換が容易に実行できるよになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの左側面図
【図2】 コンバインの平面図
【図3】 コンバインの右側面図
【図4】 ミッションケースの断面図
【図5】 ミッションケースの左側面図
【図6】 油圧回路図
【図7】 コンバインの平面図
【図8】 ミッションケースの断面図
【図9】 コンバインの平面図
【図10】 コンバインの正面図
【図11】 コンバインの正面図
【符号の説明】
2…走行車体、3…脱穀装置、3a…グレンタンク、5…刈取前処理装置、5a…油圧シリンダ、5b…供給搬送装置、8…操縦座席、14…油圧無段変速装置、18…走行装置、19…ミッションケース、61…配管、62…フィルタ、70…チャージバルブ、100…油圧ポンプ。

Claims (1)

  1. 走行装置18を有する走行車体の前方には、植立穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取前処理装置と、該刈取前処理装置から搬送されてきた穀稈を受け継いでさらに後方に搬送する供給搬送装置5bを設け、前記走行車体上には供給搬送装置5bから搬送されてきた穀稈を脱穀選別する脱穀装置と、該脱穀装置にて脱穀選別した穀粒を一時貯溜するグレンタンク3aと、操縦座席とを設けたコンバインにおいて、前記走行装置18を駆動するミッションケース19内のオイルは、該ミッションケース19に動力を伝達する油圧無段変速装置14の駆動オイルに使用すると共に、前記刈取前処置装置(5)を昇降する油圧シリンダ(5a)にも使用する構成とし、1個の油圧ポンプ(100)にて油圧無段変速装置(14)と油圧シリンダ(5a)にオイル送油するように構成し、油圧ポンプ(100)から最も下流側に油圧無段変速装置(14)のチャージバルブ(70)を設け、油圧無段変速装置(14)内へオイルを送油する配管(61)であって、油圧無段変速装置(14)の直前にはフィルタ(62)を設け、該フィルタ(62)はコンバインの正面視において刈取前処理装置(5)の後方に隠れるように設ける構成とし、正面視で刈取前処理装置(5)を右方向に横スライドさせると、前記フィルタ(62)が現れる構成としたことを特徴とするコンバイン。
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