JP2002291910A - 薬剤及び遺伝子の分配に供する電気穿孔法を使用した方法及び装置 - Google Patents
薬剤及び遺伝子の分配に供する電気穿孔法を使用した方法及び装置Info
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Abstract
を提供する。 【解決手段】 電気穿孔療法(EPT)を用い、本発明
の装置(100)を用いる電気穿孔と化学治療剤との組
み合わせにより腫瘍を治療することにより生体内の腫瘍
を退化させる。1例において、細胞を死滅させるため低
電圧長パルス長を利用したEPT法を提供する。1例で
は臨床的電気穿孔のためのシステムは治療電圧パルスの
設定値および/または選択的アレイスイッチングパター
ンを決定する「キー」要素を有する針アレイ電極(11
4)を含む。多数の電極アプリケータ設計により種々の
組織部位へのアクセスおよび治療が可能となる。他の態
様においては腹腔鏡検査用針アプリケータが提供され、
これが好ましくは最小侵襲性EPTのため内視鏡と組み
合わせて用いられる。
Description
の電気パルスの使用に関し、特に、電気穿孔療法(EP
T)、また既知の細胞穿孔療法(CPT)及び電気化学
療法(ECT)によって、生体内で、薬剤及び遺伝子の
分配のための制御された電界を印加するための方法及び
装置に関する。
与えることなしに孔を穿設できることが発見された。こ
の発見によって、細胞の細胞質に高分子を注入すること
が可能となった。遺伝子や、薬理学的化合物等の分子
は、電気穿孔法というプロセスを介して、生きている細
胞に組み入れることが可能であることが知られている。
遺伝子その他の分子は、緩衝媒体内の生きている細胞に
混合され、高電界において短パルスが加えられる。この
細胞膜は一時的に多孔性となり、遺伝子または分子が細
胞の中に入り、これらは細胞のゲノムを改変する。
に、電極が配置される組織の皮膚に近接する組織または
細胞に限定される。従って、別の方法として、体系的な
薬物の投与や化学療法によって対処できる、例えば、腫
瘍等については、一般的に、電気穿孔のために使用され
る電極を適用することができない。ある種のガンを化学
療法で治療する際には、受け入れがたい程多くの通常細
胞を壊死させることなく、ガン細胞を殺すための多量の
薬物を使用する必要がある。もし、ガン細胞の内部に直
接化学薬物を注入できれば、この目的は達成される。あ
る種の抗ガン剤、例えば、ブレオマイシンは、通常、効
果的にある種のガン細胞の細胞膜を貫通することができ
ない。しかし、電気穿孔法によって、ブレオマイシンを
細胞の中に注入することが可能となる。
に注入し、一対の電極間の腫瘍に電界を形成することに
よって行われる。電界強さは、いかなる通常の細胞、す
なわちすべての健全な細胞を損傷させることなく、また
は最小限の損傷に留めるように腫瘍の細胞に電気穿孔が
行われるように、適切かつ精密に調整しなければならな
い。これは、電界が電極間に形成されるように、外部腫
瘍に対してその対向する電極の位置とすることによって
通常容易に行うことができる。電界が均一の場合には、
電極間の距離を計測することができ、式 E=V/dに
応じた適当な電圧を電極に加えることができる(Eは電
界強度で単位はV/cm、Vは電圧で単位はボルト、そ
して、dは距離であって単位はcmである)。大きな、
すなわち内部の腫瘍を治療する場合には、適当に電極を
配置し、これらの間の距離を計測するのは容易ではな
い。上記本出願の親出願は、生体内で、腫瘍に挿入でき
る電極を用いた電極システムを開示している。関連する
米国特許第5,273,525号において、電極として
も機能する注入針として利用できる、電気穿孔のために
分子及び高分子を注入する注射器が開示されている。こ
の構成によって、電極を表面下に位置させることが可能
となる。
って、典型的には制ガン剤または細胞毒性剤の適用に関
連する有害な影響を回避する手段を提供することができ
る。そのような治療によって、周囲の健全な細胞または
組織への影響を回避しながら、選択的に、好ましくない
細胞を損傷させ、または殺傷することができる薬剤を提
供することができる。
所定の電界を形成するため、便利かつ効果的に位置決め
することのできる改良装置を提供することが第1の目的
である。
応して、患者の身体の一部に電気穿孔を提供するための
本発明にかかる電極装置は、支持部材と、組織に挿入す
るため、前記支持部材に、互いに選択された位置及間隔
で搭載された複数の針電極と、所定の強度の電界を形成
するため、前記両電極の間の距離に比例した電極への電
気信号を提供するための前記距離信号に応答する信号発
生器を含む手段とで構成される。本発明は、治療物質を
組織に注入するように機能するとともに、前記組織の細
胞の部分に電界を形成する電極としても機能する針を含
む。
接点及び選択的な配列の変更パターンを決定する、抵抗
や能動回路等の「キー」素子を有する針アレイ電極を含
む臨床電気穿孔療法のためのシステムが含まれる(この
システムを有する装置はメドパルサ(MedPulser、登録
商標)と呼ばれる)。電極配置を種々変更することによ
って、種々の組織サイトへのアクセス及び処置を行うこ
とが可能となる。本発明のもう一つの実施例では、最小
限の侵襲を伴う電気穿孔治療法のため、内視鏡とともに
用いられる腹腔鏡用針アプリケータが提供される。本発
明は、細胞、特に腫瘍細胞の治療のための針アレイ装置
を利用した治療法を提供するものである。
方法を提供するものである。この方法には、化学治療剤
または分子の注入及びこれらの腫瘍への電気穿孔法が含
まれる。特に、ある種の薬剤または分子が組織に注入さ
れ、電圧パルスが組織に配置された「針状」電極に付加
される。すなわち、電界が組織の細胞に形成されるので
ある。後述するこの針状電極組立体は、試験管内または
生体内で、腫瘍その他の組織の表面下に、またはその近
傍に電極を位置決めすることができる。そのような治療
方法は、電気穿孔治療法(EPT)と呼ばれる。また、
電気化学的治療法と呼ばれることもある。以下ではEP
Tに焦点を当てているけれども、本発明は、生体のある
種の臓器の遺伝子治療等の他の治療法にも適用すること
ができる。
の同時係属出願である、1995年9月29日出願の出
願番号08/537,265号を参照されたい。この出
願は、1995年6月6日出願の出願番号08/46
7,566号の一部係属出願であって、この出願は、現
在は放棄されたが、1993年4月1日出願の出願番号
08/042,039号の一部係属出願である。これら
のすべては、本明細書に参考文献として記載されてい
る。
す断面図である。この針組立体100は、中空ステンレ
ス鋼またはナイロン等の医療用プラスチック等で形成さ
れた細長い管状支持体すなわちシャフト112を備え
る。このシャフトが導電体で形成されている場合には、
患者と内科医を保護するため、外側部分を電気的に絶縁
する必要がある。シャフト112は、その末端部に複数
の電極針114を含み、この電極針114はマルチ導電
ワイヤケーブル116の各々の導体と結合する。この電
極針114は、鋭利または鈍く形成され、中空または中
実に所望の長さに形成される。電極針114の材質は、
電気的に導体でなければならないが、金属で均一に形成
する必要はない(例えば、金属被覆プラスチックまたは
セラミック針のような合成物または層構造を使用するこ
とができる)。治療物質を注入するため、少なくとも1
本の中空電極針114を使用することができる。別の実
施例では、電極針114は、矩形状、六角形状、または
円形配置としている。しかし、他のパターンも適用する
ことができる。
ル116は、高電圧発生装置に接続される。図示した実
施例では、末端部近傍の摩擦Oリング120によって規
制される伸縮自在シールド118が、電極針114を保
護するとともに、露出させるため、シャフト112の本
体に沿って前後に移動することができる。
つかの電極例を図式的に示すものである。図2a及び図
2bは、直線的な本体を有する電極であって、異なる間
隔で針200が備えられる。例えば、図2aの針は、直
径0.5cmのアレイを構成するが、図2bのものは直
径1.4cmのアレイを構成する。また、種々の本体寸
法を採用することができる。例えば、図2aの電極は、
その本体に段付部が形成され、大径の後方部204に対
して前方部202は小径に形成されている。図2bの電
極は、本体206の径が均一に形成される。図2a及び
図2bに示す電極は、特に表面の狭い腫瘍の治療に適す
る。
対して傾斜した針先端部200を備えるものである、図
2cは、針先端部が本体206に対して約45゜傾斜し
たものを示している。図2dは、針先端部が本体206
に対して約90゜傾斜したものを示している。図2c及
び図2dに示す電極は、特に頭部及び頸部の腫瘍の治療
に適する。
て傾斜した針先端部200を備える、2重傾斜電極を示
す。大径後方部204も傾斜している。図2eの電極
は、特に喉頭の腫瘍を治療するのに適するが、身体の他
の空隙部についても使用することができる。
示す。針208の間隔は、例えば、0.65cmであ
る。図2gは、特に、内部腫瘍の治療に適する電極を示
す。針の間隔208は、例えば、1.0cmである。
の配置要素(例えば、本体寸法、本体配置、頭部及び本
体の角度等)についても好みに応じて組み合わせること
ができる。特別な寸法に合わせるとともに、針にアクセ
スするため、針組立体の他の配置を採用することも可能
である。
0を示す図である。電極アプリケータ312が、着脱可
能に装置300に接続され、電極アプリケータ312の
選択された電極針314に選択的に電圧パルスを加え
る。装置300によって出力される、パルス長さ、電圧
レベル、及び電極針のアドレスまたは切り換えパターン
のすべてについてプログラム化することができる。
を表示する。電極アプリケータ312にパルスを与える
ための足踏みスイッチ320を使用可能とするため、遠
隔治療能動結合部318が備えられる。この足踏みスイ
ッチ320によって、内科医が、患者の組織内の電極ア
プリケータ312を位置決めするために両手を自由にし
たまま装置300を動作させることができる。
を示すための指示ライト322が便宜のために備えられ
る。他の指示ライト324が、電極アプリケータ312
が装置300に接続されていることを積極的に示すた
め、及び針アレイの型を示すため(以下の説明を参照さ
れたい)設けられる。装置を「休止」させるとともに、
すべての装置の機能をリセットしてデフォルト状態に戻
すため、スタンバイ/リセットボタン326が備えられ
る。治療を行うにあたって装置を準備するため、準備ボ
タン328が備えられる。「治療中」であることを際だ
って指示するための指示ライト330が、電極針314
に電圧パルスが付加されていることを示す。さらに、装
置300は、ボタン押下、治療の開始または終了、治療
中であること等を示すための音声指示器を備えることも
可能である。
動を検出するフィードバックセンサに接続される。心臓
の近くにパルスを印加すると、通常の心臓のリズムと干
渉するおそれがある。パルスを鼓動の間の安全な期間に
同期させることによって、そのような干渉の可能性を低
減することができる。
る回路400のブロック図である。交流電源入力モジュ
ール402が、電気的に分離された電力を治療装置30
0の全体に供給する。低圧直流電源404が、適当な電
力を装置300の制御回路に提供する。高圧電源406
が、EPT治療に必要な(例えば、数千ボルトまでの)
適当な高電圧を提供する。高圧電源406の出力は、制
御組立体410の制御のもとで種々の幅及び電圧のパル
スを発生させるパルス電源組立体408に接続される。
パルス電源組立体408は、高電圧スイッチアレイ41
2を介して針アレイコネクタ414に接続される。遠隔
治療動作用足踏みコネクタ416によって、足踏みスイ
ッチ320の取り付けが可能となる。
PTに必要な高電圧が針組立体100の電極の選択され
たサブグループに付加される、EPT治療用装置の以前
の型のものでは、そのような電圧の付加は典型的には、
手動の回転式「分配器」スイッチに含まれていたか、ま
たは、そのようなスイッチの駆動部に含まれていた。し
かし、本発明では、すべてのスイッチは、電子的制御リ
レーによるものであって、種々のスイッチパターンにわ
たって、より高速で静かな切換を行うことができ、寿命
が長く、より良く、より柔軟な制御を提供することがで
きる。
アレイ412の1つの選択スイッチエレメント500の
図を示す。多くのそのような選択スイッチエレメント5
00が、少なくとも取り付けられている針組立体100
の最も多い電極の数に見合うように備えられなければな
らない。各選択スイッチエレメント500が、針組立体
100に供給される高電圧を制御するために備えられ、
関係する電極の各極に電圧を提供する能力を有する。
御電圧が付加されると、関係する通常開アレイ504a
が閉じ、電極コネクタ506を介して結合する1対の電
極にパルスを与えるための負の戻り通路が確立される。
同様に、第2の逆入力アンプ502bに「正」の制御電
圧が付加されると、関係する通常開アレイ504bが閉
じ、電極コネクタ506を介して結合する1対の電極に
パルスを与えるための正の戻り通路が確立される。
極アプリケータ312を収容するように設計される。従
って、好適例においては、AからPまでに指定され、9
つまでの矩形治療領域及びいくつかの種類の拡大された
治療領域を形成する、16種類までの異なる針をアドレ
スできるように開発がなされた。治療領域は、特別なパ
ルスの間アドレスされる対向する対配置で構成される、
少なくとも4本の針で構成される。特別なパルスの間、
治療領域の2本の針は正極であって、他の2本は負極と
なる。
のため、中心から時計回りに番号を付けられた好適な4
×4マッピングアレイを示す図である。この好適例にお
いて、このマッピングアレイは、4本、6本、8本、9
本及び16本の針電極の配置を定義する。4針電極は、
位置F、G、K及びJ(治療領域1)で構成される。9
針電極は、治療領域1〜4で定義される位置に位置決め
される。16針電極は、治療領域1から9で定義される
位置に位置決めされる。
2治療領域のパルスシーケンスを示す。いかなる4つの
パルスも、図示されるように、円形の対向する針に各々
正または負の電荷が与えられる。時計回り、反時計回り
に進めることにより、そのような対の他のパターンもま
た可能である。9針電極配置の場合には、好適な円形が
16パルスで構成される(4つのパルスの各々に4つの
治療領域が存在する)。16針電極配置の場合には、好
適な円形は36パルスで構成される(4つのパルスの各
々に9つの治療領域が存在する)。
円形または6角形配置で構成することができる。また
は、6針電極は、図6に示すような大規模配列のサブセ
ットとして定義することができる。例えば、図6を参照
すると、6針電極は、治療領域1〜2(または他の直線
的な治療領域対)として定義される位置に配置された針
の2×3の矩形配置として定義することができるか、
(図6において点線で描かれている)拡大治療領域を定
義する針B、G、K、N、I、E(または6角形を形成
する位置にある他のすべての組)の6角形配置として定
義することができる。同様に、8針電極は、8角形、ま
たは図6に描かれた大規模配置のサブセットを構成する
ことができる。例えば、図6を参照すると、8針電極
は、治療領域1、2または6(または治療領域の直線上
のすべての3点)を定義する位置に配置された針の2×
4配置、または拡大された治療領域を定義する針B、
C、H、L、O、N、I、E(または8角形を定義する
位置の他のすべての組)の8角形配置として定義され
る。
な動作シーケンスの一例を示す。図6bは、第1シーケ
ンスを示し、第1パルスにおいて、針G及びKは正であ
って、針I及びEは負であって、次のパルスで逆の極性
となり、針B及びNは、点線の外隔線で示されるように
能動的でない。図6cは、第2シーケンスを示し、第1
パルスにおいて、針K及びNは正であって、針E及びB
は負であり、次にパルスにおいて逆の極性となり、針G
及びIは能動的でない。図6deは、第3シーケンスを
示し、第1パルスにおいて、針N及びIは正であって、
針B及びGは負であって、次のパルスで逆の極性とな
り、針K及びEはに能動的でない。シーケンスの1周期
において全部で6パルスが印加される。同様の動作シー
ケンスを8角形配置にも使用することができる。
は、EPTを行っている間組織に比較的均一な電界を形
成するため、常に、(例えば、図7aに示すように)少
なくとも2つの変更可能な電極対を使用する。電界強さ
は、電気穿孔法による工程を効果的なものとするため、
治療薬の注入を可能とするに十分な強度とすることが必
要である。
れる、異なる電極アプリケータ312を連結することが
可能となる。電極針314の数は可変であるため、本発
明には、適当な数の電極針314をアドレスするため、
自動的に装置300を配置する手段が含まれる。一実施
例においては、各電極アプリケータ312には、「キ
ー」抵抗のように、装置300が電極針314の数を決
定することができ、適合するアドレススキームを設定す
るようにする埋め込み式の確認エレメントが含まれる。
電極アプリケータ312が装置300に連結されたとき
に、装置300は型確認エレメントを読む。この型確認
エレメントを、電極アプリケータ312のコネクタに組
み入れることも可能であり、割り当てられたまたは専用
の電気結合を介してアクセスすることができる。図示例
として、次の表には、電極針314の番号と抵抗値が示
されている。 針アレイ型ID抵抗(オーム) 針アドレススキーム 787 6 453 6 232 6 4.32K 9 2.21K 16 1.29K 16 装置300の治療電圧を自動的に設定するため、同様の
技術を使用することができる。すなわち、各電極アプリ
ケータ312は、特定の電極アプリケータ312のため
の治療パルスの適当な電圧レベルを決定するため、「キ
ー」抵抗等の埋め込み式の電圧確認エレメントを含む。
電極アプリケータ312が装置300に連結されたとき
に、装置300は、電圧確認エレメントを読む。図示例
として、次の表には、設定電圧に対する抵抗値が示され
ている。 型及び電圧の確認に、同一または異なる確認エレメント
を使用することもできる。確認エレメントの性質を変更
することもできる。例えば、種々の変数として記憶させ
たデジタル値またはアナログ値を伴う電子回路を各電極
アプリケータ312に組み入れることも可能である。電
極アプリケータ312にコード化される情報の例として
は、針の数、針の間隔、針アレイの幾何学的配置及び/
または針の変換シーケンス等の針アレイ型を示すパラメ
ータ、電圧設定値、パルス長さ及び/またはパルス形状
等の電気パルスパラメータ、貯蔵寿命、使用期限等があ
る。電極アプリケータ312がデータを記憶することの
できる書き込み可能な能動回路(例えばNVRAM)を
使用する場合には、電極アプリケータ312にコード化
される他の情報として、貯蔵寿命による廃棄(すなわ
ち、その貯蔵寿命が終わった場合には電極アプリケータ
312の使用を不可とするコード)、使用回数及び廃棄
(すなわち、電極アプリケータ312が使い捨てとして
設計されている場合に、使用回数が許容限度を超えると
電極アプリケータ312の使用を不可とするコードであ
って、この特徴によって再使用による汚染を回避するこ
とができる)、使用履歴(例えば、印加されたパルスの
回数、印加した日及び時間等を記憶したログ)、及び例
えば、電極アプリケータ312が製造業者に戻し、その
アプリケータまたは装置300の故障モードを解析する
ことができるようにする)エラーコードの捕捉等があ
る。
間及び単一の装置での治療実施回数によって決定され
る。これは、使い捨てアプリケータの「キー」エレメン
ト能動回路に、装置への最初の結合に関する時刻スタン
プを押印し、その期限を越えて使用しないようにするこ
とで達成される。廃棄を決定する期間は、1回の手術手
順の最大実施時間に基づいて決定されるべきである。
は、製造及び品質管理情報を含めることができる。その
ような情報の一例としてロットコードがある。また、そ
れによって、試験していない材料を使用しないこと、例
えば、製造検査に合格した後にのみ装置を使用すること
を義務づけることによって、装置の品質管理を援助する
ことができる。
侵襲を最小限に押さえるため、EPT腹腔鏡用針アレイ
と内視鏡検査システムを組み合わせたものがある。図8
は、従来の内視鏡検査システム800を示す図である。
光源840からの光が、公知の要領で光ファイバ伝送路
842を介して内視鏡844に伝達される。組織は内視
鏡844の末端部から放射される光によって照明され
る。反射光内視鏡844の末端部で集光され、光カプラ
850を介して、アイピース846またはビデオカメラ
848に伝達される。ビデオカメラ848からの信号が
ビデオカセットレコーダ852に記録されるか、ビデオ
モニタ854に表示され、あるいはこれらの両方を行う
ことができる。
の末端部を改良したものの部分透視側面図であって、本
発明にかかる伸縮針アレイ960の詳細を示すものであ
る。可動シース962が内視鏡944及び針アレイ96
0を覆っている。図9aは、延伸位置にあるシース26
2を示し、この位置で内視鏡944及び針アレイ960
を完全に覆っている。図9bは、収縮位置にあるシース
962を示し、内視鏡944及び針アレイ960を露出
させている。(好適例では、可動シース962を使用し
ているが、シース962と内視鏡944との間の相対運
動が可能であれば足り、内視鏡944を可動エレメント
とすることも可能である。)好適例では、針アレイ96
0は、少なくとも2本の電極針964を含み、各々は電
源(図示しない)に結合され、少なくとも1本は中空で
あって、管966を介して薬剤供給装置(図示しない)
に結合される。電極針964の先端は、好適には、内視
鏡944の末端部を越えて延設されるように位置し、こ
れによって、電極針964が組織に注入される間、組織
サイトを内視鏡944によって観察することができる。
に連結される。図示の例では、圧縮メカニズム968
は、各電極針964のために、内視鏡944及び第1延
長アーム974に沿って自由に移動することのできる回
転可能なスライドベース972に連結される支持アーム
970を有する。各第1延長アーム974は、回転可能
に、内視鏡944に取り付けられた固定ベース976、
及び対応する電極針964に連結される。第2延長アー
ム977は、(支持アーム970を有しないが)第1延
長アーム974と同様に構成され、後述のように、配置
されたときに電極針964の安定を増すために提供され
る。
964は互いに近接する位置にある。使用方法によっ
て、この近接の程度は、特定の電圧にとって好ましいも
のであるが、他の場合には電極針964より離間されて
いることが必要である。
位置に移動すると、圧縮エレメント978(例えば、ば
ね)が各スライドベース972を固定ベース976から
離れる方向に付勢し、各支持アーム970が結合された
第1延長アーム974を引っ張って展開させる。この収
縮力によって、延長アーム974、977が内視鏡94
4から離れて展開位置に向かうように回転し、これによ
って、図9bに示すように電極針964間の間隔を増加
させる。
ース962は電極針964とともに押圧し、延長アーム
974、977を折り畳む。これによって、第1延長ア
ーム974が、各支持アーム970が結合された第1延
長アーム974を引っ張って展開させる。各支持アーム
970の収縮力によって、各スライドベース972が固
定ベース976に向かって移動して被覆配置となり、図
9aに示すように、圧縮エレメント978を押圧する。
4と電極針964との間に配置され、最も広い部分が内
視鏡944の末端部に位置する(発泡体、ゴム等の)圧
縮可能な弾性体で形成されたウェッジ(または中空の円
筒円錐)他の圧縮メカニズム968を使用することがで
きる。シース962が収縮位置にあるときには、ウェッ
ジの基端部にあるときよりも末端部にあるときの方が弾
性体が膨張し、これによって電極針964の間隔が増加
する。さらに、圧縮メカニズム968によって電極針9
64のすべてを可動とする必要はない。例えば、他の電
極針964が圧縮された位置と延長された位置との間を
移動可能であって、内視鏡944に対して電極針964
の一つが固定された位置にあり、展開配置にあるときに
内視鏡944に対して2本の電極針964が対象に配置
されている場合には、電極針964間の十分な間隔を提
供することができる。いずれの場合でも圧縮メカニズム
968は電極針964間を電気的に絶縁しなければなら
ず、これによって非導電性プラスチックのように、全体
または一部を好適に絶縁することができる。
ある実施例では、内視鏡とは別体の腹腔鏡針アレイを使
用することができる。この配置では、内視鏡944の支
持ロッドを図15a、図15bに示すもので代用するこ
とができる。
寸法及びその位置によって決定される。電界はできるだ
け均一で適正な強さであることが好ましい。電界強さを
強くしすぎると、細胞を溶解させることとなり、一方、
弱すぎると、効力が低下する。電極は、種々の要領で搭
載され、操作されるが、親出願に記載されているものに
限定されない。電極は、便利に鉗子上で、または鉗子に
よって内部位置に操作してもたらされる。
号の波形は、指数関数的に減衰するパルス、矩形パル
ス、単一極性発振パルス列、二極性発振パルス列、また
はこれらの波形を組み合わせた形とすることができる。
通常の電界強さは、約10V/cmから約20kV/c
mとすることができる(通常の電界強さは電極針間の電
圧をこれらの間の距離で割ることにより決定される)。
パルス長さは、約10μ秒から100m秒とすることが
できる。パルスの数は所望のもとすることができるが、
典型的には1秒当たり100パルスとすることができ
る。パルスセットの待ち時間は所望の時間とすることが
でき、例えば1秒とすることができる。波形、電界強さ
及びパルス長さはまた、細胞の型及び電気穿孔を介して
細胞に注入される分子の型にも依存する。
界強さを含む種々のパラメータが、これらを主題とする
調査報告書及び本出願の譲受人である、カリフォルニア
州サンディエゴのGENETRONICS INC.によって管理される
データベースから入手可能である。EPT等の生体内の
細胞の電気穿孔に必要な電界は、一般的に、試験管内の
細胞に必要な電界の強さと同じである。本発明者の近年
の調査によって、好適な強さの範囲は、10V/cmか
ら約1300V/cmである。この範囲の最高の範囲
は、約600V/cmであって、科学的な出版物におい
て報告されている他の生体内実験によって証明されてい
る。
することができる。好適には、高電界を使用する。通常
の電界は約700V/cmから1300V/cmであっ
て、より好適には、約1000V/cmから1300V
/cmである。低電界を使用する際には、好適には、通
常の電界は約10V/cmから100V/cmであっ
て、より好適には、約25V/cmから75V/cmで
ある。特定の実施例では、電界が低いときには、パルス
長さを長くするのが好適である。例えば、通常の電界が
約25〜75V/cmの場合には、パルス長さを約10
m秒とするのが好適である。
者の身体の一部に対して電気穿孔を適用するための電極
装置を提供するため、支持部材と、この支持部材に搭載
され、選択された部位の組織内に注入され、互いに離間
して配置された複数の針電極と、本発明にかかる装置
と、所定強さの電界を発生させるため前記電極間の距離
に比例する電気信号を電極に印加するための前記距離信
号に応答する信号発生装置を含む手段を利用する。
(例えば、低電圧長パルス治療)に、他のシステム、例
えば、矩形波パルス電気穿孔システムを利用することが
できる。例えば、カリフォルニア州サンディエゴのGENE
TRONICS INC.から入手可能なエレクトロスクウェアポレ
ータ(Electro Square Porator)(T820)を使用す
ることができる。矩形波パルス電気穿孔システムによっ
て、設定電圧まで迅速に上昇し、設定された時間(パル
ス長さ)そのレベルを維持し、そして迅速に0に低下す
る、制御された電気パルスを提供する。この型のシステ
ムによって、指数関数的に減衰するシステムに比較し
て、伝送効率のより良い植物の原形質体及び哺乳動物の
細胞ラインの電気穿孔を提供することができる。
0)は、商業的に入手しうる最初の3000ボルトまで
発生させることのできる矩形波パルス電気穿孔システム
である。パルス長さは5μ秒から99m秒である。矩形
波電気穿孔パルスは、高い細胞生育力を提供することの
できる、より穏やかな効果を細胞に与えることができ
る。
は、高電圧モード(HVM)(100〜3000ボル
ト)及び低電圧モード(LVM)(10〜500ボル
ト)の両方において動作させることができる。LVMに
おけるパルス長さは約0.3〜99m秒であって、HV
Mにおけるパルス長さは約5〜99μ秒である。T82
0は、1〜99パルスの多パルス発生能力を備える。
を提供するための本発明にかかる装置を使用し、ここで
もまた電気穿孔治療法(EPT)と呼ばれる電気治療法
が含まれる。前述のように、用語「高分子」または「分
子」は、ここでは、薬剤(例えば、化学治療剤)、核酸
(例えば、ポリヌクレオチド)、抗体を含むペプチド及
びポリペプチドを指す。ポリペプチドという用語には、
DNA、cDNA及びRNA配列が含まれる。
図される薬剤は、典型的には、抗腫瘍または細胞毒性の
効果を有する化学治療剤である。そのような薬剤または
化学治療剤には、ブレオマイシン、ネオカルシノスタチ
ン、スラミン、ドキソルビシン、カルボプラチン、タク
ソール、マイトマイシンC及びシスプラチンが含まれ
る。その他の化学治療剤は、本発明の属する技術分野に
おける熟練者には公知であろう(例えば、メルクインデ
ックスを参照されたい)。さらに、「膜機能」剤もまた
本発明にかかる方法に含まれる。これらの化学治療剤は
また、上述の薬剤か、または、主に細胞膜を損傷するこ
とによって機能する薬剤である。膜機能剤の例として
は、N−アルキルメラミド及びパラクロロ水銀ベンゾエ
ートがある。この薬剤の化学組成によって、電気パルス
の印加に関連して薬剤の適用を行う最も適当な時間が決
定される。例えば、特別な理論によって縛られることを
希望するのではないが、低等電ポイントと有する薬剤
(例えば、ネオカルシノスタチン、IEP=3.78)
は、電界内でより強く帯電した薬剤の静電的相互作用を
回避するため電気穿孔後に適用された場合には、より効
果的であるように思われる。さらに、そのような薬剤
は、ブレオマイシンであって、負の極性の大きいログP
(ここで、Pは、オクタノールと水との間の分配係数で
ある)を有し、寸法的に大きく(MW=1400)、親
水性であって、これによって脂質細胞膜に非常に近くな
り、腫瘍細胞に非常にゆっくり拡散し、典型的には、電
気パルスの前または実質的に同時に適用される。さら
に、ある薬剤には、細胞により効果的に導入するため改
良を要する場合がある。例えば、タクソール等の薬剤
は、細胞により効果的に導入するため、水溶性が高くな
るように改良する必要がある。電気穿孔法は、細胞膜に
空隙を形成することによって、ブレオマイシンその他同
等の薬剤を腫瘍細胞に導入するのを助長する。
に分子を導入するため電気穿孔治療法を行うための方法
であって、電極アレイを備え、組織を貫通するための1
つの針配置を有する少なくとも1本の電極と、組織内に
分子を導入するために選択された組織の針電極を挿入
し、選択された組織に導電性に関連した電極アレイの第
2の電極を位置決めし、組織の電気穿孔のために、電極
に電極間の距離に比例した高電流電気信号のパルスを与
える。試験管内、または生体内外で組織の電気穿孔を行
うことができることを理解しなければならない。電気穿
孔はまた、例えば、単一細胞浮遊、または試験管内また
は細胞培養における生体内外の単一の細胞を利用して行
うこともできる。
によって細胞内の遺伝子の発現を調整することが好まし
い。「調整」という用語は、発現しすぎたときに、遺伝
子の発現の超過を予見するか、発現が少ないときに、発
現を高めることを意味する。細胞の増殖性異常が遺伝子
の発現に関係する場合には、翻訳レベルの核酸配列を使
用することができる。このアプローチでは、例えば、m
RNAをアンチセンス核酸または三重化剤でマスクする
か、それにリボザイムを付着させることにより、特定の
mRNAの転写または翻訳をブロックするため、アンチ
センス核酸、リボザイム、三重化剤を利用する。
RNA分子(Weintraub、ScientificAmerican、262:40,19
90)の一部を補完するDNAまたはRNA分子である。
細胞内で、アンチセンス核酸は、対応するmRNAに雑
種を作り、二重らせん分子を形成する。細胞は、二重ら
せん構造のmRNAを翻訳しないため、アンチセンス核
酸は、mRNAを干渉する。目的の細胞内に導入するに
は、より大きな分子よりも、15ヌクレオチドのアンチ
センスオリゴマが好適である。試験管内での遺伝子の翻
訳を抑制するアンチセンス法の使用は公知である(Marc
us-Sakura、Anal Biochem,172:289,1988)。オリゴマが二
重らせんDNAの回りに巻き付けられ三重らせんを形成
するため、転写を停止させるオリゴヌクレオチドの使用
は三重戦略として公知である。従って、これらの三重合
成物は、選択された遺伝子の特別なサイトを認識するよ
うに設計することができる(Maherら、Antisense Res.
及びDev.1(3):227、1991;Helen,C.,抗ガン剤調合6(6):56
9,1991)。
ーゼに類似の要領でDNA特に他の単一らせんRNAを
付着する能力を有するRNA分子である。これらのRN
Aをエンコードしてヌクレオチド配列を改良することに
よって、RNA分子内の特定のヌクレオチド配列を認識
し、それを付着する分子を作ることが可能となる(Cec
h、J.Amer、Med.Assn.,260:3030,1988)。このアプローチ
の大きな利点は、それらは配列が具体的であるため、特
定の配列を伴うmRNAのみが不活性化されることであ
る。
し、その1つはテトラヒメナ型(Hasselhoff、Nature、33
4:585、1988)であり、もう1つは「シュモクザメ」型で
ある。テトラヒメナ型リボザイムは、長さにおいて4つ
のベースの配列を認識し、シュモクザメ型リボザイムは
長さにおいて11〜18のベース配列を認識する。認識
配列が長ければ長い程、配列が目標のmRNA種のみに
おいて起こる可能性が高くなる。従って、特別のmRN
A種を不活性化するため、シュモクザメ型リボザイムは
テトラヒメナ型リボザイムよりも好ましく、18ベース
認識配列はより短い認識配列よりも好ましい。
によってもたらされる細胞増殖性または免疫不全の治療
のための遺伝子治療法をも提供する。そのような治療法
は、障害を有する細胞にセンスまたはアンチセンスのポ
リヌクレオチドを導入することによって治療効果を達成
することができる。ポリヌクレオチドの分配は、キメラ
ウイルス等の組替発現ベクトルを使用することによって
達成されるか、または、ポリヌクレオチドは、例えば、
「裸の」DNAとして分配される。
することができる種々のウイルスベクトルには、アデノ
ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクチニア、または好適
には、レトロウイルス等のRNAウイルスが含まれる。
好適には、レトロヴァイラルベクトルは、マウスまたは
鳥類のレトロウイルスの誘導体である。単一の外部遺伝
子を注入することのできるレトロヴァイラルベクトルの
例としては、次に示すものがあるが、これらに限定され
るわけではない。すなわち、モロニーマウス白血病ウイ
ルス(MoMuLV)、ハーベーマウス肉腫ウイルス
(HaMuSV)、マウス乳腺ガンウイルス(MuMT
V)、及びラウス肉種ウイルス(RSV)である。主体
が人間の場合には、テナガザル白血病ウイルス(GaL
V)等のベクトルを利用することができる。種々の追加
的なレトロヴァイラルベクトルを多重遺伝子に組み込む
ことができる。これらのベクトルのすべてが、変換され
た細胞の確認及び発生を可能とするため選択可能なマー
カのために遺伝子を移動または組み入れることができ
る。
た、本発明にかかる治療法に含まれる。例えば、免疫調
整剤及び他の生体応答調整剤を、細胞による組み入れの
ために導入することができる。ここで、「生体応答調整
剤」という用語は、免疫応答を改良する際に含まれる物
質を包囲することを意味する。免疫応答調整剤の例とし
ては、リンフォカイン等の合成物が含まれる。リンフォ
カインには、腫瘍壊死因子、インターロイキン1、2及
び3、リンフォトキシン、マクロファージ活性化因子、
遊走素子因子、コロニー刺激因子、アルファインターフ
ェロン、ベータインターフェロン、ガンマインターフェ
ロン、及びそれらの亜型が含まれる。
の抗脈管形成剤を含む代謝酵素及びタンパク質をエンコ
ードするポリヌクレオチドもまた含まれる。本発明にか
かる高分子もまた抗体分子を含む。ここで「抗体」とい
う用語は、Fab及びF(ab’)2等の無傷の分子及
びそのフラグメントを意味する。
クレオチドまたはポリペプチドの適用は、例えば、腸管
外において、注入、急速導入、鼻咽頭吸収、皮膚吸収、
口からの吸収によって行われる。腫瘍の場合には、例え
ば、化学治療剤等を、腫瘍に部分的に、組織的にまたは
直接注入する。例えば、薬剤を直接腫瘍に適用するとき
には、薬剤を「開扇現象」の要領で行うのが有利であ
る。「開扇現象」という用語は、腫瘍の全体にわたって
薬剤を大量に分配することを目的として、薬剤を注入し
ているときに針の方向を変化させることにより薬剤を提
供すること、または、ボーラスとしてよりもハンドファ
ンを開くように多方向に注入することによって薬剤を適
用することを意味する。本発明の属する技術分野におい
て典型的に使用される容量に比較して、腫瘍全体にわた
って薬剤を十分分配させるために薬剤を適用(注入)す
るときは、薬剤を含む溶液の容量を増加するのが好まし
い。例えば、マウスを使用する例では、本発明の属する
技術分野における熟練者は、典型的に50μlの薬剤を
含む溶液を注入するが、容量を150μlに増加するこ
とによって結果は大幅に改善される。人間の臨床治療研
究では、腫瘍の適切な灌流を確保するため約20mlが
注入された。好適には、注入は基部のまわりに開扇現象
によって非常にゆっくりと行うべきである。腫瘍の中心
部では、細胞間の圧力が非常に高いが、そこは腫瘍が頻
繁に壊死する場所でもある。
と同時に適用される。「実質的に同時」とは、時間的
に、分子と電気穿孔治療とが適当に短い間隔で適用され
ることを意味する。分子または治療剤の適用は、例え
ば、腫瘍の性質、患者の状態、分子の寸法及び科学的性
質、分子の半減期等に応じていかなる間隔で行うことが
できる。
たは非水性溶液、浮遊剤、乳液が含まれる。非水性溶液
の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、オリーブオイル等の植物油、オレイン酸エチ
ル等の注入可能な有機質エステル等がある。不活性希釈
液の他に、そのような合成物には、またアジュバント、
湿潤液、乳化剤、浮遊剤が含まれる。さらに、パルスを
付加する前に局所的に治療剤を維持するため、血管収縮
剤を使用することができる。
をも治療することができる。ここで図示した例は、例え
ば、膵臓、肺、頭、首、皮膚、皮下層ガン等の腫瘍細胞
の治療のために本発明にかかる方法を使用する場合につ
いて説明したものである。他の細胞の増殖不全は、本発
明にかかる電気穿孔法によって容易に治療することがで
きる。「細胞増殖不全」という用語は、形態学的及び遺
伝子的の両方において組織のまわりとは異なってしばし
ば現れる悪性及び良性の細胞集団を意味する。悪性細胞
(すなわち、腫瘍またはガン)は、多くの過程を経て発
現する。本発明にかかる方法は、特に、例えば、膵臓、
頭、首の細胞(例えば、喉頭、鼻咽頭、中咽頭、下咽
頭、唇、喉)及び肺、また、心臓、腎臓、筋肉、胸、結
腸、前立腺、胸腺、精巣、卵巣等種々の臓器システムの
悪性腫瘍その他の障害を治療するのに有用である。さら
に、基底細胞ガンまたはメラノーマ等の皮膚の悪性腫瘍
についてもまた、本発明にかかる治療法によって取り扱
うことができる(例2を参照願う)。主体が人間である
ことが好適であるが、本発明はまた人間以外の動物また
はほ乳類における獣医学的な使用にも有用である。
傷した、または死滅した細胞を中に含む主体の組織に電
気穿孔を行う治療法を適用する方法を提供する。この方
法には、電極アレイを提供し、選択された組織に導電性
に関連した電極アレイの第2の電極を位置決めし、組織
の電気穿孔のために、電極に電極間の距離に比例した高
電流電気信号のパルスを与えることが含まれる。本方法
は、好適には、追加的な細胞毒性のまたは化学治療剤の
必要性を防止する低電圧及び長いパルス長さを利用す
る。例えば、好適には通常の電界は約25V/cm〜7
5V/cmの間であり、パルス長さは約5μ秒から99
m秒である。
本発明を限定するものではない。これらの例は使用され
うるものとして典型的なものであって、本発明の属する
技術分野における熟練者にとって公知の手順を代わりに
使用することも可能である。
EPTの使用を説明するものである。ここで、実施例1
は裸マウスの脇腹に皮下的に異種移植したみすぼらしく
分化したヒトすい臓腫瘍(Panc−3)におけるEP
Tを説明するものである。実施例2は基底細胞癌腫およ
び黒色腫の治療のためEPTを用いヒトに対し臨床試験
を行った結果を示す。実施例3は頭部および首部腫瘍の
治療のためEPTを用いヒトに対し臨床試験を行った結
果を示す。実施例4は低電圧(電界)および長いパルス
長を利用してEPTについての生体外データを提供する
ものである。EPTについてのパラメータは実施例中に
記載されている。すなわち、実施例1および頭部および
首部臨床試験については公称電界は1300V/cm、
1秒間隔で99−100μ秒間で6パルスであった。臨
床試験(実施例2)も同様のパラメータを用いたが、電
界は1130V/cmとした(公称電界(V/cm)は
針対間の距離(cm)だけ分けられた針対間に電圧
(V)が印加される)。これらの実施例は生体外および
生体内における好ましくない細胞集合(例えば腫瘍)を
効果的に死滅させるためのEPTの使用を説明するもの
である。
PT 上述のようにファニングを用いながら、ブレオマイシン
(0.15mLの食塩水中、0.5単位)を腫瘍内に注
射し、ついで10分後、上述のように直径1cmの円の
周りに沿って配列した針アレイ電極を用いて6つの矩形
波パルスを印加し、単一の治療処置を行った。この針ア
レイは腫瘍の種々の大きさに適合させるため種々の直径
(例えば、0.5cm,0.75cmおよび1.5c
m)のものを使用することができる。また、種々の高さ
のストッパーをこの針アレイの中央に挿入することによ
り、針の腫瘍内への穿刺深さを変化させる。組込み機構
により電極を切替えてパルス波が腫瘍を最大限にカバー
することができた。この電気的パラメータは、中央電界
強度が780V/cm、1秒間に6×99μ秒パルスで
あった。
おいて著しい壊死および浮腫が認められた。治療グルー
プ(D+E+;D=薬剤、E=電界)のマウスの腫瘍容
積に実質的な減少(浮腫のため、最初に若干増大した
後)が認められたが、対照グループ(D+E−)では腫
瘍容積は著しく増大した。腫瘍サンプルの組織学的分析
の結果、D+E+グループにおいては壊死腫瘍細胞ゴー
ストが見られたのに対し、D+E−グループにおいては
生存細胞と壊死細胞の混合からなっていた。ヒト非微小
細胞肺癌(NSCLC)腫瘍を裸マウスに異種移植した
もので予備研究したものでもブレオマイシンを用いEP
T治療を行ったものは非常に期待できる結果が得られ
た。
みすぼらしく分化した腺癌細胞系がアンチ・キャンサー
・インステチュート(サンジエゴ)により供給された。
EPT試験のため、ストック・マウスから採取した組織
で腫瘍系が維持されているものを解かし、これをそれぞ
れ約1mmの大きさの非常に小さい片に切断し、その8
−10片を裸マウスの左脇腹に形成された皮下嚢に外科
的に異種移植した後、6.0縫合糸で閉じた。その平均
腫瘍サイズが約5mmに達した後、この触診可能な腫瘍
を持ったマウスを無差別に分けた。対照グループ(D+
E−;D=薬剤、E=電界)として10匹のマウス、E
PT治療のための10匹のマウス、すなわちブレオマイ
シン注射についで、BTX矩形波T820ジェネレータ
からのパルシング(D+E+)による治療を行うものに
分けた。腫瘍寸法を測定し、下記式により腫瘍容積を計
算した。 (II/6)×a×b×c ここで、a,bおよびcはそれぞれ腫瘍の長さ、幅およ
び厚みである。
ミカル社)を0.9%NaCl溶液0.15mL中に溶
解させ、対照グループ(D+E−)および治療グループ
(D+E+)の双方にファニングにより各マウスの腫瘍
内に注射した。この注射10分後、(D+E+)グルー
プのマウスに、針アレイ電極のセットを備えたBTXT
820矩形波ジェネレータからのパルスを与えた。電気
的パラメータは以下の通りであった。電界強度は130
0V/cm、1秒間に各99μ秒の6パルスであった。
マウスは死亡率について毎日モニターし、病気状態の何
らかのサインについて記録した。腫瘍の寸法を一定時間
ごとに測定し、腫瘍成長退化/進行をモニターした。
の、Panc−3腫瘍のためのブレオマイシンを用いパ
ルシングを行ったもの、行わないものなどの種々の対照
動物、治療動物についてのEPT結果を示している。腫
瘍容積について、治療したマウスと治療しなかったマウ
スとの間に著しい差異が認められた。治療の約24日後
は検知可能な腫瘍は実質的に認められなかった。この図
10の結果を下記表1に43日までの分について要約さ
れている。腫瘍の実際の退化が図13aないし図13d
の連続図に示されており、対応する組織が図14aない
し図14cに示されている。
c−3) マウスモデル:裸マウス 移植:皮下異種移植 対照マウス:C1およびC2 治療マウス:T1およびT2 このPanc−3についての実験を非微小肺癌細胞系
(NSCLC)および177(アンチ・キャンサー・イ
ンステチュート,サンジエゴ、CA)を用いて繰返し
た。その結果は図10に示すブレオマイシンを用いたP
anc−3についての実験の結果と同様であった。1つ
の実験において、再発した腫瘍を27日目(図12)に
再治療したところ、7日後には腫瘍の痕跡は認められな
かった。
オカルシノスタチン(NCS)を用い、上記同様の手法
に従って処置した。図11aに示すように、NCSのパ
ルス前投与をブレオマイシンを用いた実験と同様にして
行ったが、腫瘍の大きさを減少させる効果は全くなかっ
た。これはNCSの低い等電位点のため、静電的相互作
用により薬剤が腫瘍細胞に入り込むことが妨げられたた
めと思われた。従って、最初にパルシングを行い、つい
でパルス後NCS注射を行うことにより実験を繰返し
た。
D:1−7)について、最初の腫瘍容積(I)を13日
目での最終腫瘍容積(F)と比較したものが示されてい
る。このマウスの幾つか(ID:1,2,4および7)
については、腫瘍容積の増大が観察されたが、これは浮
腫によるものと思えた。しかし、図20dに示すよう
に、5匹のマウスの別のグループを23日目に検査した
ところ、全てのマウスは腫瘍容積の顕著な減少を示し
た。図11aと図11bとの比較からパルス後のNCS
の投与はパルス前のNCSの投与よりも効果的であっ
た。
植したみすぼらしく分化したヒトすい臓腫瘍(Panc
−3)および非微小細胞肺癌(NSCLC)を、ブレオ
マイシンまたはNCSおよび針アレイ電極を用いた本発
明のEPT法により効果的に治療できること示してい
る。なお、他の同様の化学治療剤でも本発明のこのEP
T法を効果的に利用することができる。
anc−3の応答が表2に示されている。治療したマウ
スの68%(17/25)に治療後28日後に完全な腫
瘍の退化が観察され、20%(5/25)に部分的(8
0%以上)退化が観察され、また8%(2/25)には
応答が認められず、4%(1/25)が治療後20日目
に死亡した。治療後120日後でも64%(16/2
5)が触診可能な腫瘍は観察されなかった。このグルー
プからの代表的な動物(2/17)についてモニターし
たが、その後243日間、腫瘍は認められなかった。そ
の後、これら動物は安楽死させた。これらマウスの内の
8%について、治療後35日目に腫瘍の再発が認められ
たが、その速度は非常に遅かった。
プについて腫瘍区域における著しい壊死が明らかに確認
され、それに対し、対照グループについては壊死は明ら
かには認められなかった。ブレオマイシンをより多量に
腫瘍内に注射し、これをファニングと組合わせ、腫瘍容
積全体に最大限に均一に分散させることは、パルシング
の前に薬を注射する従来の方法と比べて非常に効果的で
あることが見出された。
なかったが、64日生存後に死亡 d:二次的転移腫瘍 e:繊維状組織MedPulser(メドパルサー、登録商標)を用い
た生体内試験結果 裸マウスの皮下に異種移植し成長させた腫瘍の治療をメ
ドパルサー(登録商標、本発明の装置)を用いて行った
予備的実験において良好な結果が得られた。メドパルサ
ーおよびブレオマイシンを用い、EPTにより、ヒトす
い臓癌異種移植(Panc−4)の治療を行ったとこ
ろ、観察39日目までに治療したマウスの約75%に完
全な腫瘍の退化が認められた。同様にして、ヒト前立腺
癌異種移植(PC−3)の治療を行ったところ、マウス
の約66%に完全な腫瘍の退化が認められた(治療後、
60日までに癌の再発は認められなかった)。EPTに
よる腫瘍の治療において、4および6針アレイが有効で
ある。
er(メドパルサー、登録商標)の4針アレイおよび6
針アレイの比較 PC−3(ヒト前立腺癌)に対する生体外でのMedP
ulser(メドパルサー、登録商標)の4針アレイ対
6針アレイの性能比較実験を行った。細胞をRPMI媒
体に懸濁させ、200,000細胞/mLの割合で均一
に接種を行った。ついで、2×10−5Mのブレオマイ
シンを各ウェル(D+E−およびD+E+のみ)に添加
した。次に、メドパルサーに接続した6−針アレイおよ
び4−針アレイ電極を用いて24ウェルプレートにおい
て細胞を電気穿孔した。電気パルスのパラメータは6−
針アレイについては6×99μ秒、1129V、4−針
アレイについては4×99μ秒、848Vとした。つい
で、細胞を96ウェルプレートに移し、37℃で20時
間培養した。細胞生存率は、XTTのホルマザンへの代
謝変換に基づき、450nmの波長で分光測光法的に測
定されるXTT検査法を用いて判定した。細胞生存率の
値は、サンプルのO.D.値、すなわち100%細胞生存
の対照(D−E−)および0%細胞生存の対照(D−E
−、全ての細胞を溶解させるSDSを用いた)から計算
した相対値である。この細胞生存データは次の通りであ
る。
と、生体外における腫瘍細胞の死滅に対し、4−針アレ
イおよび6−針アレイの双方ともほぼ等しく有効である
と思われる。
いての臨床試験 ブレオマイシン−EPTの腫瘍に対する有効性を、実施
例1で使用したのと同様の腫瘍応答基準を用い8週間の
終りまで検査した。
1mLであった。ブレオマイシンの投薬量は下記のよう
にして投与された。
判定の結果、腫瘍の全ての兆候が消滅した。
PT 下記の患者の全てに対しブレオマイシンの腫瘍内注射
と、直径の異なる6個の針アレイとを用いて治療を行っ
た。電圧は1300V/cmの公称電界強度を達成する
ようにセットした(針アレイの直径に対し1300を掛
け、設定されたジェネレータの電圧を与えるようにし
た)。パルス長は100μ秒であった。
その中で病変内ブレオマイシン投与との組合わせによる
EPT手法の有効性を従来の外科療法、放射線療法、お
よび/または全身的化学療法と比較した。約50個の研
究被検体をこの研究に参加させた。全ての研究被検体は
身体検査および生検により治療前に検査した。研究被検
体の術後評価を4ないし6週間に亘り毎週ごと行われ、
その後、12ケ月に亘り毎月ごとに行われた。治療後約
8ないし12週間、腫瘍部位の生検を行った。CTまた
はMRI走査の使用を、HNC被検体の標準医療追跡評
価に従って利用した。
定、その容積(立方センチ)の見積りが含まれている。
ブレオマイシン・スルフェートの腫瘍内投与の前に腫瘍
部位を1%リドカイン(キシロカイン)および1:10
0,000エピネフィリンを用い麻酔にかける。注射さ
れたブレオマイシン・スルフェートの濃度は1cc当た
り4単位とし、腫瘍当たりの最大投与量を5単位とす
る。1被検体当たり1腫瘍を超えて治療する場合、1被
検体当たり全体として20単位を超えないようにする。
ブレオマイシンの投与量を計算された腫瘍容積1cm2
当たり1単位とする。ブレオマイシン・スルフェート
を注射した後、ほぼ10分経たとき、アプリケータを腫
瘍上に置き、電気的パルスを開始する。電気的パルスの
各印加または開始をシーケンスとして参照する。このE
PTの使用は被検体が必要とする後の緩和治療に対し禁
忌とはならない。
の腫瘍退化が認められ、かつ、伝統的療法で見られる主
な副作用を生じさせない場合を成功と定義づけた。可能
な応答結果としては下記の3つの場合が存在する。 *完全な応答(CR):身体検査および/または生検に
よる判定の結果、腫瘍の全ての兆候の消滅 *部分的応答(PR):50%以上の腫瘍容積の減少 *応答なし(NR):50%未満の腫瘍容積の減少 腫瘍の大きさが増大した場合(25%腫瘍容積)、必要
とする場合は、他の療法が被検体の望みに応じて始めら
れる。
被検体は完全な応答を示した(被検体No.1、3およ
び4)。4個の被検体は部分的応答を示した(被検体N
o.2、6、8および9)。2個の被検体は応答を示さ
なかった(被検体No.5および7)。3個の被検体は
病気の進行またはこの研究治療に関係のない合併症が原
因で12週に達する前に死亡した(被検体No.2、5
および7)。この3個の被検体の内、1個の被検体(N
o.2)は4週目でPRを達成した。2個の被検体はこ
の研究へ加わる前にそれらの腫瘍について臨床的癌治療
を全く受けていなかった(被検体No.4および8)。
3個の被検体は装置のアプリケータ部分に完全にアクセ
スさせることができなかったため、分割的な治療が施さ
れた(被検体No.5、7および9)。表7はブレオマ
イシン・スルフェートおよび本発明の装置、メドパルサ
ーを用いたEPTを適用して行われた臨床試験の要約を
示している。
EPT 従来の電気化学療法では、高電圧短パルス時間のものを
腫瘍の治療のために使用している。しかし、1200−
1300V/cm、100μ秒の電界条件がブレオマイ
シン、シスプラチン、ペプロマイシン、ミトマイシン
c、カルボプラチンなどの抗がん剤を使用する場合、生
体外および生体内において非常に効果的であることが見
出された。これらの結果は生体外および生体内試験によ
るものである。このような電気的条件は臨床試験におい
て患者が十分に耐え得るものであるが、そのような治療
は一般に患者の筋肉の痙攣を伴い、患者に不快を生じさ
せることがある。この不快感はしばしば、個々の患者の
苦痛感に関連することが見出された。同一の実験条件下
でも患者の応答が著しく異なることがしばしば見受けら
れた。この問題の幾つかは電気化学療法で低電圧長パル
ス長を用いることによりかなり減少させることができ
る。生体内遺伝子転写について報告されている最低電界
強度は600V/cmである(T.Nishiら、Ca
ncer Res.,56:1050−1055、19
96)。生体内EPT試験において使用された最大電界
強度を表8に示す。ここで細胞の50%を殺傷させるの
に必要な電界強度は50V/cm以下である。
前立癌)およびC6(ラット神経膠腫)のような種々の
腫瘍細胞系を用いた下記生体外試験によれば、腫瘍細胞
の殺傷に関しては、低電圧長パルス時間の使用は高電圧
短パルス時間の場合と等しいかまたはそれ以上の効果が
あることが確認された。これらの結果はMCF−7で示
されている。パルス長は4−15m秒の範囲とすること
ができる。MCF−7の電気穿孔応答は、XTT検査法
を用い、高電圧短パルス長(HVSP)および低電圧長
パルス長(LVLP)の双方で行った。また、このXT
T検査は処置の70時間後におけるXTTのホルマザン
への代謝変換に基づき、450nmの波長で分光測光法
的に測定したものである(M.W.Roehmら、“テ
トラゾリウム塩XTTを利用した細胞増殖および生存能
のための改良された比色分析法”、J.Immuno
l.Methods 142:2,257−265,1
991)。XTTはテトラゾリウム試薬、2,3−ビス
(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−
5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラ
ゾリウム・ヒドロキシド(XTT)であり、これは生存
細胞中で代謝的に還元されて水溶性ホルマザンとなる。
従って、生きている細胞のみがXTTをホルマザンに変
換させる。細胞生存率の値は、サンプルのO.D.値から
の式を用いて計算された相対値である、すなわち100
%細胞生存の対照(D−E−)および0%細胞生存の対
照(D−E−、SDSを用いる)から計算した相対値で
ある。このHVSPを用いた試験はこの開発されたEP
TモードのLVLPと直接の比較をし得るように行われ
た。
胞毒性を生じさせることができた。電界を増大させるこ
とにより細胞を完全に死滅させることができた。C6グ
リオマのような細胞系の或るものは、高電圧パルスでは
それ程著しい影響を受けなかったが、20ないし30V
/cmの低電圧により完全に死滅させることができた。
これらの生体外試験結果はEPT治療のLVLPモダリ
ティーの有効性を明らかに画定するものである。
結果を高電圧および低電圧の双方を用いた場合について
以下に説明する。細胞はATCC(アメリカン・タイプ
・テシュ−・コレクション、ロックビル,MD,US
A)から入手し、その推奨された手法により維持させ
た。ついで、細胞を適当な媒体中に懸濁させ、これに2
4/96ウエルプレート中にて均一に接種を行った。ブ
レオマイシン、シスプラチン、ミトマイシンC、ドクソ
ルビシンおよびタクソールから選択される1つの薬剤を
細胞懸濁液に直接添加し最終濃度が約1×10−4(1
E−4)ないし1.3×10−9(1.3E−9)とな
るようにした。BTX T820エレクトロ・スクエア
・ポレータから発生する電気的パルスを、上述のBTX
針アレイ電極を用いてマイクロプレート中の細胞懸濁液
に伝達させた。
m秒の6個のパルスを、高電圧または低電圧の種々の公
称電界を、EPT−196針アレイスイッチを用い6−
針アレイの2つの対向する電極対間に印加した。つい
で、このマイクロプレートを20時間または70時間、
培養し、細胞生存率をXTT検査法により測定した。そ
の結果の幾つかを図15(a)、図15(b)、図16
(a)、図16(b)および図17に示す。図17に対
応する曲線はメドパルサーを用いて得たものである。
法により薬剤無しで細胞に対しパルスを印加した場合で
も、細胞の生存率は50%よりかなり小さく、薬剤と組
合わせた場合はその生存率は更に減少した。薬剤がパル
スよりむしろ大きい効果を示し、パルスのみによる最初
の生存率が約80%となるように選択することが、更に
望ましい。LVLPモードについての典型的細胞死滅曲
線を図15(a)に示す。
説明したが、その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の変更が可能であることを理解されたい。従
って、本発明は以下に記載する請求の範囲により定めら
れるものである。
ある。
つかの実施例を示す概略図である。
である。
ロック図である。
ある。
領域を形成する針のための好適な4×4マップの配置図
である。
療領域のパルスシーケンスを示す図である。図7b乃至
図7dは、本発明の一実施例にかかる6つの針アレイの
パルスシーケンスを示す図である。
ある。
縮針アレイの詳細を示す図である。
にブレオマイシンを使用したEPT後120日までの腫
瘍体積、(Dは薬を、Eは電気穿孔を示し)、静脈制御
グループ(D+E−)、D−E−、D−E+)、治療グ
ループ(D+E+)を示す。
チンのパンク−3のEPTの効果を示す図であって、薬
の注入前後の各々24日までを示す。
肺ガン(NSCLC)におけるブレオマイシンを使用し
たEPT後34日までの腫瘍体積を示す。矢印は、27
日目における1匹のマウスの再治療を示す(Dは薬を、
Eは電気穿孔を示す)。
異種移植(a)治療に含まれる経過を、傷痕(b)の形
成から、乾燥し、最終的にはがれ落ち(c)、腫瘍の存
在しないきれいに治癒した皮膚(d)へと導かれる治療
状態を示す。
後の腫瘍サンプルの微細構造を示す。D+E+グループ
は、D+E−グループ(a)の生存できる細胞と壊死細
胞の混合に比較して、壊死細胞のゴースト(b)を示
す。120日後の腫瘍サイトからのサンプルの微細構造
は、腫瘍細胞の完全な消滅を示す(c)。
は高電圧EPTに曝されたMCF−7(胸ガン)細胞の
生存を示す。
使用した低電圧または高電圧EPTに曝されたMCF−
7(胸ガン)細胞の生存を示す。
メドパルサーを使用したパルスのない、またはパルスの
あるMCF−7の効果を示す。各々の図において、同一
の番号及び同一の符号を付したものは同一の要素を示
す。
Claims (25)
- 【請求項1】 異なる数の電極針を有する複数の電極ア
プリケータを受容することが可能な電気穿孔治療装置の
ための電極針アドレススキームを自動的に設定するため
のシステムであって、 a)多数の電極針および型識別要素を有する電極アプリ
ケータであって、該型識別要素が少なくとも電極針の数
を表すものと; b)該電極アダプターが該電気穿孔治療装置に接続され
たとき、該型識別要素から電極針の数を決定するため、
該電気穿孔治療装置に設けられた回路と; c)その決定した電極針の数をアドレスするよう該電気
穿孔治療装置を設定するための回路と;を具備してなる
システム。 - 【請求項2】 異なる複数の電極アプリケータを受容す
ることが可能な電気穿孔治療装置のための電気的治療パ
ラメータを自動的に設定するためのシステムであって、 a)針電圧設定値、パルス長またはパルス形状などの該
電極アプリケータで用いられる電気的治療パラメータの
少なくとも1つを表す型識別要素を有する電極アプリケ
ータと; b)該電極アダプターが該電気穿孔治療装置に接続され
たとき、該型識別要素から電気的治療パラメータを決定
するため、該電気穿孔治療装置に設けられた回路と; c)その決定した電気的治療パラメータをアドレスする
よう該電気穿孔治療装置を設定するための回路と;を具
備してなるシステム。 - 【請求項3】 異なる数の電極針を有する複数の電極ア
プリケータを受容することが可能な電気穿孔治療装置の
ための電極針アドレススキームを自動的に設定するため
の電極アプリケータであって、 a)電気穿孔療法のため形成された多数の電極針と; b)該電気穿孔治療装置に電気的に接続されるべく形成
され、少なくとも電極針の数を表す型識別要素と;を具
備してなり、 電極アダプターが該電気穿孔治療装置に接続されたと
き、該型識別要素が該電気穿孔治療装置に与えられ、該
電気穿孔治療装置がその決定した電極針の数をアドレス
するよう自動的に設定されることを特徴とする電極アプ
リケータ。 - 【請求項4】 異なる複数の電極アプリケータを受容す
ることが可能な電気穿孔治療装置のための電気的治療パ
ラメータを自動的に設定するための電極アプリケータで
あって、 a)電気穿孔療法のための多数の電極針と; b)該電気穿孔治療装置に電気的に接続されるべく形成
され、針電圧設定値、パルス長またはパルス形状などの
該電極アプリケータで用いられる電気的治療パラメータ
の少なくとも1つを表す型識別要素と;を具備してな
り、 電極アダプターが該電気穿孔治療装置に接続されたと
き、該型識別要素が該電気穿孔治療装置に与えられ、該
電気穿孔治療装置がその決定した電気的治療パラメータ
をアドレスするよう自動的に設定されることを特徴とす
る電極アプリケータ。 - 【請求項5】 a)電圧パルスの発生源と; b)異なる数の電極針を有する複数の電極アプリケータ
の1つのためのコネクターであって、各電極アプリケー
タが少なくとも上記電極針の数を表す型識別要素を含む
ものと; c)電極アダプターが該コネクターに接続されたとき、
該型識別要素から電極針の数を決定するための回路と; d)その決定した電極針の数をアドレスするよう該電気
穿孔治療装置を設定し、発生した電圧パルスをアドレス
された電極針へ供給するための回路と;を具備してなる
電気穿孔治療装置。 - 【請求項6】 電圧パルスの発生を制御するための遠隔
治療活性化装置をさらに具備してなる請求の範囲5の電
気穿孔治療装置。 - 【請求項7】 該遠隔治療活性化装置が足踏みスイッチ
からなる請求の範囲6の電気穿孔治療装置。 - 【請求項8】 a)針電圧設定値、パルス長またはパル
ス形状の少なくとも1つからなるプログラム可能な電気
的治療パラメータを有する電圧パルスの発生源と; b)複数の電極針を有する複数の電極アプリケータの1
つのためのコネクターであって、各電極アプリケータが
電気的治療パラメータを必要とし、さらに各電極アプリ
ケータがそこで用いられる特定の電気的治療パラメータ
の少なくとも1つを表す型識別要素を含むものと; c)電極アダプターが該コネクターに接続されたとき、
該型識別要素から該特定の電気的治療パラメータを決定
するための回路と; d)電気穿孔治療装置のための電気的治療パラメータを
プログラミングし、上記の決定した特定の電気的治療パ
ラメータとするための回路と;を具備してなる電気穿孔
治療装置。 - 【請求項9】 電圧パルスの発生を制御するための遠隔
治療活性化装置をさらに具備してなる請求の範囲8の電
気穿孔治療装置。 - 【請求項10】 該遠隔治療活性化装置が足踏みスイッ
チからなる請求の範囲9の電気穿孔治療装置。 - 【請求項11】 異なる複数の電極アプリケータを受容
することが可能な電気穿孔治療装置のための針アレイ型
パラメータを自動的に設定するための電極アプリケータ
であって、 a)電気穿孔療法のための多数の電極針と; b)該電気穿孔治療装置に電気的に接続されるべく形成
され、針数、針間隔または針スイッチング・シーケンス
などの該針アレイ型パラメータの少なくとも1つを表す
型識別要素と;を具備してなり、 電極アダプターが該電気穿孔治療装置に接続されたと
き、該型識別要素が該電気穿孔治療装置に与えられ、該
電気穿孔治療装置がその決定した針アレイ型パラメータ
に対し自動的に応答するようにしたことを特徴とする電
極アプリケータ。 - 【請求項12】 異なる複数の電極アプリケータを受容
することが可能な電気穿孔治療装置のためのアプリケー
タ用の特定のパラメータを提供するための電極アプリケ
ータであって、 a)電気穿孔療法のための多数の電極針と; b)該電気穿孔治療装置に電気的に接続されるべく形成
され、少なくとも1つのアプリケータ用の特定のパラメ
ータの表示を与える型識別要素と;を具備してなり、 電極アダプターが該電気穿孔治療装置に接続されたと
き、該型識別要素が該電気穿孔治療装置に与えられ、該
電気穿孔治療装置がその決定したアプリケータ用の特定
のパラメータに対し応答するようにしたことを特徴とす
る電極アプリケータ。 - 【請求項13】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータ内の針の数である
請求の範囲12の電極アプリケータ。 - 【請求項14】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータ内の針の間隔であ
る請求の範囲12の電極アプリケータ。 - 【請求項15】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータのための針のスイ
ッチング・シーケンスである請求の範囲12の電極アプ
リケータ。 - 【請求項16】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータの針に印加される
べき電圧設定値である請求の範囲12の電極アプリケー
タ。 - 【請求項17】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータの針に印加される
べきパルス長である請求の範囲12の電極アプリケー
タ。 - 【請求項18】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータの針に印加される
べきパルス形状である請求の範囲12の電極アプリケー
タ。 - 【請求項19】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータの貯蔵寿命である
請求の範囲12の電極アプリケータ。 - 【請求項20】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータの使用限界である
請求の範囲12の電極アプリケータ。 - 【請求項21】 電極アプリケータに固有のデータを記
憶できる書き込み可能な能動回路を更に含む請求の範囲
12の電極アプリケータ。 - 【請求項22】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータの貯蔵寿命であ
り、貯蔵寿命を超えたときのための貯蔵寿命ロックアウ
ト・コードが書き込み可能な能動回路に記憶されている
請求の範囲12の電極アプリケータ。 - 【請求項23】 該少なくとも1つのアプリケータ用の
特定のパラメータが電極アプリケータの使用限界であ
り、使用限界を超えたときのための使用限界ロックアウ
ト・コードが書き込み可能な能動回路に記憶されている
請求の範囲22の電極アプリケータ。 - 【請求項24】 該電極アプリケータのための使用履歴
が書き込み可能な能動回路に記憶されている請求の範囲
22の電極アプリケータ。 - 【請求項25】 捕捉エラー・コードが書き込み可能な
能動回路に記憶されている請求の範囲22の電極アプリ
ケータ。
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