JP2005526579A - 焼灼デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明者らは、電場信号発生用の電場信号発生回路と、電場信号を受信するために接続し、治療部位に電場を送達するように操作可能な電場送達コンポーネントと、超音波信号発生用の超音波信号発生回路と、超音波信号を受信するために接続し、治療部位に超音波を送達するように操作可能な超音波送達コンポーネントと、電場信号発生回路を制御するように操作可能なコントローラおよび治療部位の細胞を焼灼するための超音波信号発生回路とを備える、細胞焼灼装置を記載する。このような装置における使用および独立した使用に適切な種々の電極構成を記載する。

Description

本発明は、細胞または組織を焼灼することができるデバイスに関し、このようなデバイスを例えば腫瘍または他の望ましくない細胞もしくは組織を破壊するための医療用デバイスとして使用することができる。
一般に、病院での超音波の治療への適用は、以下の2つの主要なカテゴリーに分類することができる。低強度(0.125〜3W/cm2)を使用する適用およびより高い強度(≧5W/cm2)を使用する適用(ter Haar,(1999)Eur.J.Ultrasound 9:3)。前者は、一般に、損傷への正常な生理学的応答の刺激または皮膚を介した薬物輸送などのいくつかのプロセスの促進を含む物理療法などの適用で使用される。低強度の超音波での治療では周囲の組織を損傷することは稀であり、実際、このような影響を最小にする最善の努力が払われている。これには、適量の超音波への曝露の結果としての過度の組織加熱の最小化が含まれる。通常、治療時間の短縮および/またはパルス様式での超音波の送達によってこれを達成する。
高強度の超音波の使用を含む適用の主な目的は、高温プロセスによって組織を選択的に破壊することである。高強度の超音波に媒介される組織焼灼を、組織に送達されるエネルギーに基づいてさらに分類することができる。超音波を、変換器から治療領域に直接送達することができる。あるいは、送達を、超音波を集束する連結デバイスによって媒介することができる。後者の間、介入組織を通過する超音波は、通常低強度であり、それにより比較的非破壊性である。しかし、焦点では、蓄積エネルギーが所定の高強度に上昇し、焦点またはその周囲で組織破壊が起こる。これは比較的選択的であることの利点であり、介入組織の大規模な損傷が防止される。
一般に、高強度の集束超音波(すなわちHIFU)の使用は、焦点での加熱および集束用デバイスを使用した多数の方法を利用する、組織焼灼が提案されている(米国特許第4888746号、米国特許第5895356号、米国特許第5938608号、ならびに国際特許出願WO 9735518A1号およびWO 9922652A1号を参照のこと)。
高強度超音波の集束を達成するための比較的精巧な装置の要件に加えて、HIFUの使用に関連する1つの主要な欠点は、有害であり、または変異誘発を引き起こす可能性のあるフリーラジカルを形成するキャビテーション事象発生の可能性を含む(Miller et al.,(1996)Ultrasound in Med.& Biol.22;1131)。したがって、低密度超音波(集束または非集束のいずれか)に対する標的組織の感作機構を含む別のアプローチにより利点が得られる。
細胞集団または組織への短時間の強い電気パルスの送達(インビボ)により一過性に透過され、これにより何が電気化学療法として公知となるかという基礎が得られることが見出された(Heller et al.Advanced Drug Delivery Rev.35,119;1999)。これは、最初、化学療法薬のこれらの薬物が不透過となった癌細胞への通過を促進するために開発された。それ以来インビボでの電気パルスの送達が、標的領域へのDNAの移入を媒介するための遺伝子療法などの領域で利用される段階に開発された。種々の条件下(経皮、腹腔鏡、カテーテルなど)におけるインビボでのパルス送達を容易にするように設計されたデバイスが現在存在する(国際特許出願WO 9922809A1号、WO 9906101A1号(Gentronics Inc.)、WO 9901157A1,WO 9901157A1号、およびWO 9901158号(Rhone Poulenc Rorer S.A.))。
より最近では、一過性の透過を容易にする短時間且つ強力な電気パルスへのヒト赤血球の曝露によっても低強度超音波に対して劇的に感作されることが見出された(WO/01/07011)。
本発明は、電場の印加による有核細胞などの細胞の感作(「電気感作(electrosesitisation)」)により細胞が低強度超音波を使用した焼灼に感受性を示し、それにより体内の望ましくない組織の消失手段が得られることの証明に依存する。したがって、本発明者らは、細胞または組織への電場および超音波の送達によって細胞または組織を焼灼することができるデバイスまたは装置を提供する。
本発明の第1の態様によれば、本発明者らは、(a)電場信号発生用の電場信号発生回路と、(b)電場信号を受信するために接続し、治療部位に電場を送達するように操作可能な電場送達コンポーネントと、(c)超音波信号発生用の超音波信号発生回路と、(d)超音波信号を受信するために接続し、治療部位に超音波を送達するように操作可能な超音波送達コンポーネントと、(e)電場信号発生回路を制御するように操作可能なコントローラおよび治療部位の細胞を焼灼するための超音波信号発生回路とを備える、細胞焼灼装置を提供する。
本発明はまた、細胞の超音波への曝露およびその後の電場への曝露によっても細胞が破壊されるという発見に依存する。したがって、細胞、好ましくは有核細胞の任意順序での超音波および電場への曝露によって細胞が破壊され、本明細書中に記載の装置がいずれかの順序で細胞に超音波および電場を投与することができる。
しかし、好ましい実施形態では、電場を発生させ、細胞を感作または電気感作するために装置によって細胞に送達される。したがって、好ましくは、電場は治療部位の細胞を感作するように操作可能である。さらに、好ましい実施形態では、超音波を発生させ、感作細胞を破壊するために装置によって感作細胞(好ましくは、電気感作細胞)に送達させる。したがって、本発明のこのような好ましい実施形態では、超音波は治療部位の感作細胞を焼灼するように操作可能である。
電場送達コンポーネントおよび超音波送達コンポーネントを、共通の送達ヘッドに格納することができる。好ましくは、コントローラは、超音波の前に電場を治療部位に提供するように操作可能である。あるいはまたはさらに、コントローラは、電場および超音波を治療部位に同時に提供するように操作可能である。
電場送達コンポーネントは、多数の形態をとることができる。例えば、1つの電気接点を備え得る。あるいはまたはさらに、電場送達コンポーネントは、正多角形、好ましくは正三角形、正四角形、正五角形、正六角形、または正七角形の頂点に位置付けられた複数の電気接点を備え得る。1つまたは複数のさらなる接点電極を、多角形の周囲に配置することができる。電場送達コンポーネントは、グリッド中に配置した複数の接点電極を備え得る。
好ましい実施形態では、接点電極または各接点電極はニードルを備える。ニードルは、好ましくは、中空であり、そして/または少なくともその延長部分に沿って電気的に絶縁されており、好ましくは延長可能な絶縁スリーブを備え得る。
中空ニードルは、治療される細胞周辺への物質の送達に有利である。したがって、好ましい実施形態では、装置は、中空ニードルを介した細胞周辺への細胞死促進薬を送達するように操作可能である。
電場送達コンポーネントは、導体パッドの導電部を含む電気接点を備え得る。複数の電気接点を、装置中の複数の電場信号に接続することができる。好ましくは、電場信号発生回路は、1V/cmと10kV/cmとの間の電場を治療部位に送達するように操作可能である。
装置は、診断用超音波コンポーネントをさらに有利に備え得る。超音波送達コンポーネントは、超音波振動子を備え得る。複数の超音波振動子を使用する場合、これらを複数の超音波シグナルに接続することができる。超音波信号発生回路は、0.1W/cm2と50W/cm2との間、好ましくは7W/cm2までの平均出力密度の超音波を前記治療部位に送達させるように操作することが可能である。
超音波送達コンポーネントを、組織表面を変形させるように配置した接触圧力弁を介して組織表面に結合することができる。このような配置は、超音波を集束させて例えば治療される患者の内部部位に指向させることが可能であるという点で有利である。
本発明の第2の態様によれば、細胞または組織焼灼法における本発明の第1の態様の装置の使用を提供する。
本発明の第3の態様によれば、本発明者らは、コントローラの制御下で電場信号およびおよび超音波信号を発生するように操作可能な装置を得る工程と、前記装置の電場送達コンポーネントにより電場を治療部位の細胞に送達させるための電場信号を発生させる工程と、前記装置の超音波送達コンポーネントにより電場を前記細胞に送達させるための超音波信号を発生させる工程とを含む、細胞の焼灼方法を提供する。
好ましくは、装置は、電場信号発生用の電場信号発生回路および超音波信号発生用の超音波信号発生回路を備える。
本発明の第4の態様として、電気接点が1つまたは複数の中空ニードルを備える、1つまたは複数の電気接点を備える電場送達コンポーネントを提供する。
好ましくは、中空ニードルがグリッド中に配置されているか、中空ニードルがグリッド中に配置されている。あるいはまたはさらに、中空ニードルを正多角形、好ましくは正三角形、正四角形、正五角形、正六角形、または正七角形の頂点に位置付ける。任意選択的に、電場送達コンポーネントは、多角形の周囲内に配置した1つまたは複数の中空ニードルを備える。
本発明のより深い理解のためおよびどのようにして本発明を実施するのかについて示すために、ここに参照として例示のための添付の図面を示す。
本発明者らは、電場と超音波との組み合わせによって細胞を焼灼することができる装置を記載する。
装置は、一般に、以下の2つの工程の適用によって細胞を破壊または焼灼することができる。感作工程およびその後の破壊工程。一般に、1つまたは複数のエネルギー源(粒子、波、または場(field)が含まれる)への細胞の曝露によって感作および破壊を行うことができる。しかし、本明細書中に記載の装置の実施形態では、エネルギー源は超音波および電場を含み、装置は、一般に、超音波送達コンポーネントおよび電場送達コンポーネントを備える。
装置は、好ましくは、電場および超音波の両方を発生することができる。したがって、装置は、少なくとも2つのモジュール(電場発生モジュールおよび超音波発生モジュール)を備える。好ましい実施形態では、装置は、細胞を感作するために電場を供給または送達するように操作可能であり、さらに、破壊または焼灼するために感作された細胞に超音波を供給または送達するように操作可能である。
したがって、好ましい実施形態では、電場は、細胞、好ましくは有核細胞を刺激による破壊により感受性を与えるための細胞の感作に役立つ。好ましくは、装置は、感作されていない細胞、好ましくは有核細胞と比較した場合、エネルギー源による破壊により感受性を与えるように有核細胞を感作することができる。感作細胞、好ましくは感作有核細胞の破壊に十分な周波数および/またはエネルギー、好ましくは同時に非感作細胞の破壊に不十分な周波数および/またはエネルギーでの刺激への感作細胞の曝露によって破壊する。装置は、一般に、このような破壊刺激発生用のコンポーネントを含み、好ましい実施形態では、装置は超音波刺激発生用のコンポーネントを備える。
したがって、装置由来の電場への曝露によって感作された細胞、好ましくは有核細胞(電気感作細胞)を、装置によって発生された超音波によって破壊または焼灼することができる。しかし、装置を使用して細胞を感作することができるにすぎず、細胞は他の場所で発生した刺激によって破壊されることが認識される。同様に、装置は、細胞への超音波刺激の供給によって既に感作された細胞を破壊することができる。
各送達コンポーネントを、下記の信号発生回路によって駆動することができる。
好ましい実施形態では、装置は、細胞の選択的焼灼(言い換えれば、標的細胞の破壊または死滅)を達成するように操作可能である。
好ましい実施形態では、装置は超音波エネルギーおよび電場エネルギーを発生するように操作することができ、細胞をこれらに曝露すること(いずれかの順序で)によって、細胞死、細胞破壊、細胞焼灼、または細胞死滅が起こる。より好ましくは、装置により、処置細胞のアポトーシスに起因する細胞死などが可能である。好ましくは、(i)高強度、(ii)短期間、または(iii)指数関数的なパルスとを任意選択的に組み合わせた装置由来の電場の投与によってアポトーシスを引き起こす。より好ましくは、高強度、短期間、および指数関数的なパルスとしての電場の投与によってアポトーシスを引き起こす。あるいはまたはさらに、下記のように、アポトーシスは、長期間の直流の印加に起因し得る。
用語「高強度」は、約0.5kV/cmと3kV/cmとの間、好ましくは約1kV/cmと2kV/cmとの間、より好ましくは約1.3kV/cmの電場をいうために使用されるべきである。上記節の文脈中の「短期間」の電場は、約25μ秒〜700ms、好ましくは約25μ秒〜450ms、より好ましくは約250msまたは450msをいう。
本明細書中に記載の装置は、任意の細胞の死滅に適切である。しかし、細胞は、好ましくは有核細胞、より好ましくは多細胞生物由来の細胞である。好ましくは、細胞は組織中に含まれる。好ましい実施形態では、細胞は、動物細胞、より好ましくは哺乳動物細胞、最も好ましくは霊長類細胞である。非常に好ましい実施形態では、細胞はヒト細胞である。
好ましい実施形態では、細胞焼灼は、インビボ(すなわち、生物の体内)で起こる。しかし、装置を、細胞焼灼のためにインビトロまたはエキソビボで同様に使用することができる。
好ましくは、装置を使用して、腫瘍細胞、癌細胞、または罹患細胞、さもなければ異常細胞または望ましくない細胞を焼灼する。好ましくは、焼灼すべき細胞などは、組織または組織塊中に存在する(例えば、嚢胞などの増殖、または固形腫瘍などの腫瘍組織もしくは腫瘍)。したがって、装置は、細胞および細胞を含む組織を処置および焼灼することができる。腫瘍は、良性腫瘍または悪性腫瘍であり得る。したがって、本明細書中に記載の装置を使用して、伝統的な腫瘍治療(例えば、化学療法、放射線治療など)が禁忌である良性腫瘍を治療することができる。装置を、望ましくない組織を除去するための従来の任意の種類の手術の補助的方法または代替法として使用することもできる。
他の実施形態では、美容目的で(すなわち、外観を改善するため)装置を使用して、細胞を焼灼、破壊、または死滅させる。いくつかの実施形態では、これらは、医学的利点を有さない個体の印象または外観の改善のための純粋に美容目的(すなわち、非医療目的)である。例えば、個体の外観を改善する目的のために、装置を使用して、皮膚から黒子、母斑、サーモンパッチ(単純性母斑(nevus simplex))、イチゴ状血管腫、ポートワイン母斑(火炎状母斑)、斑点、そばかす、皺、瘢痕組織などを除去することができる。
サーモンパッチ(角膜肉様斑)は、桃色または赤色で、しばしば小型で通常境界がはっきりしない平坦な皮膚の斑である。サーモンパッチは、新生児の30%〜40%で認められる。これらは、典型的には、首筋(「毛細血管性紅斑」)、額上の眉毛の間(「そばかす」)または瞼上に見出される。しばしば、これらは、号泣または温度の変化に伴ってより顕著となる。イチゴ状血管腫は、隆起した鮮明な赤色斑であり、しばしば小型で、通常軟性且つ圧縮性であり、境界がくっきりしている。これは、顔面、頭皮、頬、または背中で最も一般的に生じる。これは、出生時に存在し得るが、生後1〜2ヶ月後により頻繁に出現する。イチゴ状血管腫は、乳児の1%〜3%で生じる。稀に、重要臓器を妨害するか、生命を脅かす合併症に関連する。ポートワイン母斑(火炎状母斑)は、紫色または暗赤色の皮膚斑であり、しばしば巨大であり、通常境界がはっきりしている。典型的には、顔または首の片側で生じ、出生時に存在する。外観を改善するために、座瘡などの他の病態を、本明細書中に記載の装置によって治療することもできる。
本明細書中に記載の装置は、任意の多細胞生物中の細胞または組織を焼灼するために使用することができ、電気感作のためにターゲティングすることができる異なる組織を有する生物に適用することが有利である。有利には、生物は哺乳動物である。好ましくは、標的組織は、腫瘍組織、より好ましくは固形腫瘍組織である。より好ましくは、標的細胞、組織、または腫瘍などを、生物中でインサイチューにて処置する。しかし、標的細胞、組織、または腫瘍などを、例えば、手術によって生物から取り出し、エキソビボで処置することができる。いくつかの実施形態では、取り出した外植片を、望ましくない細胞などを除去するように処置した後に、生物(または実際は任意の他の生物)の体内に再移入することができる。
好ましくは、組織が腫瘍組織である場合、本明細書中に記載の装置由来の超音波および電場での組織の治療により部分的または完全に鎮静される。したがって、特定の実施形態では、装置での治療により関連期間内の(治療部位または好ましくは生物体内の)腫瘍細胞は有意に成長しない。このような期間は、好ましくは1日間、1週間、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、もしくは6ヶ月間またはそれ以上(例えば、1年間、2年間、5年間、10年間、20年間など)である。
好ましくは、外来物質(例えば、細胞への組み込みを意図する物質)の非存在下で感作手順を行う。したがって、例えば、電気感作の後に超音波を印加する場合、外来物質(例えば、細胞への組み込みを意図する物質)の非存在下で電気感作手順を行う。
しかし、以下でより詳細に記載するように、感作因子(sensitiser、例えば、電場)の投与後および/または細胞死を促進するための崩壊因子(disrupter、例えば、超音波)の投与後に他の薬剤(細胞毒素およびサイトカインなど)を細胞に適用することができる。このような細胞死促進薬を、崩壊因子(例えば、超音波)の前に(すなわち、感作細胞に)投与することができる。本発明者らは、1つまたは複数の中空ニードルを使用して電場を細胞もしくは組織またはこれらの周囲に送達させる特定の実施形態を記載する。このような中空ニードルは、装置に格納したリザーバから細胞死促進薬を細胞または組織に送達するための導管として役立ち得る。
さらに、細胞死促進薬を、適切な中空超音波送達コンポーネントの使用によって、崩壊因子(例えば、超音波)の投与と同時またはその後に適用することができる。
細胞死促進薬を、単独または互いに組み合わせて適用することができ、さらに、細胞死促進薬を、該促進薬を発現する細胞の形態で適用することができる。
本明細書中に記載の装置は、好ましくは、細胞、好ましくは有核細胞を治療または破壊することができる。したがって、細胞は、神経細胞、筋細胞、表皮細胞、毛細管細胞、上皮細胞、内皮細胞などを含み得る。細胞は、正常細胞、罹患細胞、感染細胞、癌細胞、または異常細胞であり得る。任意のこれらの細胞および他の細胞を、本明細書中に記載の装置の使用によって破壊することができる。
より好ましくは、細胞は生物中の細胞塊の一部であり、組織集団は感作されている(例えば、電気感作されているか超音波感作されており、好ましくは超音波感作されている)。感作された組織集団は、変化するが、実質的に全ての組織が電気または超音波で感作されるようになることが有利である。例えば、約50%、60%、70%、80%、90%、または100%の組織細胞が、本明細書中に記載の装置の使用によって感作される。
電場エネルギーは、実質的に下記のように装置中に含まれる電場送達コンポーネントの使用によって投与されることが好ましい。電場送達コンポーネントは、電場発生回路によって発生される信号を受信するように接続される。装置によって発生された電場は、好ましくは、インビボ条件下で約1Volt/cmから約10kVolt/cmまでの1つまたは複数の電気パルスを含む。パルスの代わりまたはそれに加えて、装置を、連続様式で電場を送達するように適合させることができる。1μsと700msとの間、好ましくは約1μsと500msとの間、より好ましくは約1μsと100msとの間の電気パルスを印加することができる。電場を、連続的またはパルス様式で約5分間またはそれ以上印加することができる。
装置は、超音波信号発生回路によって発生された信号を受信するために接続された超音波送達コンポーネントをさらに備える。装置は、好ましくは、約0.05W/cm2から約100W/cm2までの出力レベルの超音波を発生および送達することができる。診断用または治療用超音波を単独または組み合わせて使用することができる。装置の特定の実施形態は、診断レベルの超音波を発生することができる個別の超音波発生コンポーネントを、破壊するための治療レベルの超音波を発生することができるさらなる超音波発生コンポーネントと組み合わせて備える。下記にさらに詳述するように、診断用超音波を、破壊前、破壊時、または破壊後の分析のために使用することができる。
超音波信号発生回路および電場信号発生回路は、連続波およびパルス波などの多数の異なる波形を発生することができる。下記により詳述するように、超音波信号発生回路および電場信号発生回路を、コントローラによって制御する。
コントローラは、同時または個別に送達されるように超音波および電場の送達を制御することができる。したがって、装置は、個別または同時に感作工程および破壊工程を実施することができる。電気感作および超音波破壊または超音波感作および電場による破壊を同時または個別に実施することができる。この工程を個別に実施する場合、装置は工程を任意の順序で実施することができる。例えば、超音波を、電場の前に実施することができる。しかし、有利には、超音波破壊工程の前に電場感作工程を実施する。
さらに、装置は、1回または複数回の電場の印加後および1回または複数回の超音波の印加後を任意の順序および任意の組み合わせで送達させることができる。したがって、複数の感作およびその後の破壊サイクル(すなわち、S+D,S+D,S+D...例えば、ES+US、ES+US、ES+US(ESは電気感作であり、USは超音波である))が可能なように装置を構成することができる。2回またはそれ以上の感作の適用後に1回の破壊を行うことができる(すなわち、S+S...+D)。さらに、2回またはそれ以上の電場の印加後に1回の超音波の印加(すなわち、ES+ES...+US)またはその逆(すなわち、US+ES+ES...)を行うことができる。1回の電場感作を適用し、その後2回またはそれ以上の超音波印加(例えば、ES+US+US...)およびその逆(すなわち、US+US+ES...)を行うことができる。複数の電場感作を適用し、その後複数回の超音波を印加するか(ES+ES...+US+US...)、複数回の超音波の印加後、複数の電場感作を行うことができる(US+US...+ES+ES...)。上記のそれぞれにおいて、超音波および/または電場を、1回または複数回の連続した印加としてかパルス(拍動送達)として送達することができる。上記プロトコールを、互いに組み合わせることができる。
本発明者らは、本明細書中に記載の装置によって送達された電場または超音波への曝露によって感作された細胞、好ましくは有核細胞も提供する。したがって、本発明者らは、超音波または電場への曝露によって刺激に対する感受性を持たせた細胞、好ましくは有核細胞を提供する。超音波によって処置された細胞(好ましくは有核細胞)および電場によって処置された細胞(好ましくは有核細胞)(処置により細胞に刺激に対する感受性が付与される)が含まれる。したがって、本発明者らは、特に、装置由来の電場への曝露によって超音波に対する感受性が付与された有核細胞および装置由来の超音波への曝露によって電場に対する感受性が付与された有核細胞を提供する。
本明細書中に記載の装置、方法、生成物などは、他で記載しない限り、当業者の能力の範囲内である化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA、および免疫学の従来技術を使用する。このような技術は、文献で説明されている。例えば、J.Sambrook,E.F.Fritsch,and T.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Books 1−3,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel,F.M.et al.(1995 and periodic supplements;Current Protocols in Molecular Biology,ch.9,13,and 16,John Wiley & Sons,New York,N.Y.);B.Roe,J.Crabtree,and A.Kahn,1996,DNA Isolation and Sequencing:Essential Techniques,John Wiley & Sons;J.M.Polak and James O’D.McGee,1990,in Situ Hybridization:Principles and Practice;Oxford University Press;M.J.Gait(Editor),1984,Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,Irl Press;およびD.M.J.Lilley and J.E.Dahlberg,1992,Methods of Enzymology:DNA Structure Part A:Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology,Academic Pressを参照のこと。これらの一般的な各文章は、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
細胞焼灼用装置
細胞の破壊、焼灼(ablating)、または崩壊用デバイスの構造を、図面を参照して「装置」として記載する。次いで、装置の特定の態様を、「電場信号発生回路(EFG)」、「電場送達コンポーネント(EFD)」、「治療用超音波信号発生回路(USG)」、「治療用超音波信号送達コンポーネント(USD)」、「診断用超音波信号発生回路(DG)」、および「診断用超音波送達およびスキャニングコンポーネント(DDS)」、および「コントローラ」という見出しでさらに詳述する。
最後に、感作および破壊プロセスを含む細胞焼灼に関する背景情報を、「感作」、「電気感作」、「超音波」、「低強度感作および破壊」、「細胞死を促進する薬剤」、「細胞毒素」、「サイトカイン」、「アポトーシス」、および「アッセイ」という見出しで記載する。これらは、有核細胞などの細胞へのいずれかの順序での電場および超音波の印加により細胞が破壊されることを示す詳細な実施例によって裏付けられる。このような参考文献を含めることにより、プロセスを理解することができ、それによりその目的(すなわち、細胞を破壊または焼灼するための細胞への超音波および電場の送達)のために装置を最適にすることができる。
装置
図1Aは、本発明の1つの態様の実施形態による細胞焼灼または腫瘍治療デバイス1を示す概略図である。腫瘍治療デバイス1は、コントローラ4、電場信号発生回路(EFG)6、電場送達コンポーネント(EFD)8、治療用超音波信号発生回路(USG)10、および治療用超音波送達コンポーネント(USD)12を備える。コントローラ4は印加特異的ユニットであり得るが、この実施例では、必要なタスクを実施するように構成された汎用コンピュータを備える。コントローラ4、EFG6、およびUSG10は、信号制御ケーブル22によって相互接続され、集合的にメインユニット20を形成する。メインユニットを備えるいくつかまたは全てのコンポーネントを、例えば外部ケーブルを最小にするか携帯性を増大させるために1つのハウジング内に含めることができる。他の実施形態では、コントローラの機能性の態様は、EFGまたはUSG内のサブユニットの制御に依存し得る。EFDを、制御および信号ケーブル24によってEFGに接続し、USDを制御および信号ケーブル26によってUSGに接続する。
図1Bは、本発明の1つの態様の別の実施形態による腫瘍治療デバイス2を示す概略図である。図1Aに示す腫瘍治療デバイス1と同様に、そして機能的に類似の特徴を示すために同一の参照番号を使用し、図1Bに示す腫瘍治療デバイス2はまた、コントローラ4、EFG6、EFD8、USG10、およびUSD12を備える。これらのコンポーネントおよびその相互接続は類似しており、上記説明から理解される。
しかし、図1Bに示す腫瘍治療デバイス2は、任意な診断用超音波信号発生回路(DG)14および診断用超音波送達およびスキャニングコンポーネント(DDS)16をさらに備える。DDSは、制御および信号ケーブル28によってDGと接続されている。コントローラ4、EFG6、USG10、およびDG14は、信号および制御ケーブル22によって相互接続されており、集合的にメインユニット21を形成する。前述同様に、メインユニットを備えるいくつかまたは全てのコンポーネントを、例えば外部ケーブルを最小にするか携帯性を増大させるために1つのハウジング内に含めることができる。他の実施形態では、コントローラの機能性の態様は、EFGまたはUSG内のサブユニットの制御に依存し得る。
任意な診断用超音波信号発生回路(DG)および診断用超音波送達およびスキャニングコンポーネント(DDS)を備える図1Aおよび1Bに示す腫瘍治療デバイス2の主な各コンポーネントも本明細書中に記載する。
電場信号発生回路(EFG)
EFG6は、EFD周辺の治療部位に電場を提供するためにケーブル24を介してEFD8を供給する電場信号を発生するように操作可能である。EFGは、広範な1つまたは複数の電場信号(例えば、振動、定常状態、パルス、パルス指数減衰波形、一般化(generalized)周期波形または無作為な波形、またはその組み合わせ)を提供するように操作することができる。供給された波形は、特定の適用要件に依存して選択可能な特有のタイムスケールおよび振幅の範囲を示すことができる。
電場信号発生回路は、所望の電場信号を発生するための任意の公知の様式で機能することができる。例えば、EFGは、適切な電圧および/または電流増幅器に接続され、且つコントローラ4の制御下の1つまたは複数のプログラム可能な任意波形発生器(Wavetek295(Wavetek Corp.,San Diego,California,USA)など)を備え得る。あるいは、より少数の特異的波形が必要な場合、EFGは、コントローラ4の制御下で操作される指数減衰波および方形波の電磁信号パルスがそれぞれ提供されるBTX ECM630またはBTX ECM830(BTX Division of Genetronics,Inc.,San Diego,California,USA)などのデバイスを備え得る。図1Bに示す例では、EFG6は、例えば、1msと20分との間で選択可能な特有のタイムスケールおよび1Vと3000Vとの間で選択可能な電圧に対応する振幅を有する出力電場信号を供給するように操作可能である。
EFDの特定の幾何学的性質に依存して、この電圧範囲は、好ましくは、治療部位で1V/cmと10kV/cmとの間の電場を発生することができる。従って、電場強度は、1V/cm、2V/cm、3V/cm、4V/cm、5V/cm、6V/cm、7V/cm、8V/cm、9V/cm、10V/cm、20V/cm、50V/cm、100V/cm、200V/cm、300V/cm、400V/cm、500V/cm、600V/cm、700V/cm、800V/cm、900V/cm、1kV/cm、2kV/cm、5kV/cm、10kV/cm、20kV/cm、50kV/cmまたはそれ以上であり得る。約0.5kV/cm〜約4.0kV/cmがより好ましい。しかし、標的部位へ送達されたパルス数が増大した場合、電場強度を低くすることができる。したがって、より電界強度の低い電場のパルス送達が予想される。治療への適用要件に依存して、EFGは、1つを超える依存した電場信号または独立した電場信号を供給することができ、例えば、EFGは異なる相の複数の信号または異なる波形および/または異なる印加時間の完全に独立した複数の信号を有するEFDを供給することができる。
EFGは、単極(unipolar)モードのいずれかで電場を供給することができ、極性変更機能を備えることもできる。
治療部位に電場による蓄積エネルギー量を決定することができるようにコントローラ4を構成することができる。この例では、選択した信号振幅と組み合わせたEFDへの電流のモニタリングによってこれを行う。あるいは、治療部位内の電流経路の抵抗を測定し、モニターした電流または選択可能な信号振幅のいずれかと組み合わせて使用することができる。EFDはまた、治療部位周辺の温度を測定する温度センサ(示さず)を備え得る。
これらのパラメータを使用して、EFGの操作時に電場放出プロフィール(すなわち、電圧、電流、抵抗、温度などの詳細)を形成することができる。その後の分析のために、電場放電プロフィールをコントローラ4によって保存することができる。さらに、電場放出プロフィールパラメータ(USGおよびDDS由来の診断情報に関する類似の操作パラメータに加えて)に基づいて、EFG機能を、コントローラ4によって応答可能に制御することができる。他の実施形態では、フィードバック制御の態様は、EFG内部に存在し得る。本明細書中に示さないが、EFGはまた、当分野で公知の技術を使用してEFD周囲の水分量/脂質量/塩分をモニターすることができる。これにより、治療部位の局在化電場密度の予想を補助するために抵抗測定値を使用することが可能である。
電場送達コンポーネント(EFD)
操作時に、EFD8は、EFG6によって発生した電場と治療部位の組織とを接続するために役立ち、本明細書中に記載の例では、特定の治療への適用のために必要な異なるEFDの幾何学的性質および構成を使用することができるようにEFDをEFGに交換可能に接続する。したがって、装置は、さらなる自由度のために検出および相互交換可能な1つまたは複数のモジュラーコンポーネントを備え得る。
FEDによって治療部位に電場が送達されるように操作され、一般に、EFGによって治療部位に供給される信号への接続のための1つまたは複数の接点電極(「電気接点」としても公知)を備える。用語「接点電極」および「電気接点」を、互いに同義であると理解すべきである。
例えば、EFDは、治療部位の組織への挿入のためのニードル電極を備え得る。ニードルを、任意の適切な材料(例えば、低アレルギー誘発性材料)から形成することができる。このような材料には、ステンレススチール、白金、または白金コーティング構造、ダイヤモンド様炭素コーティング電極、または当分野で公知の他の適切な材料などの任意の組み合わせが含まれ得る。あるいは、EFD接点電極は、治療部位周辺の組織表面に付着した導体パッドの導電部を備え得る。他のEFD構成は、導体パッドとニードルとの組み合わせを備え得る。
本明細書の文脈中の用語「ニードル」を、任意の棒状の部材(ピン、棒、またはペンなど)を含むように理解するべきであることが認識される。したがって、電気接点は、このような一般的形態をとることができ、必ずしも先がとがっているか鋭い末端を有する必要はない。
全ての接点電極が接触部位のすぐ近くの周辺に存在する必要はないことも留意すべきである。例えば、特定の治療への適用で必要とされる場合、EFDは治療部位の1つの接点電極を備えることができ、より離れた第2の接点電極は、例えば、接地電位に保持することができる。
図2Aは、図1Aに示す腫瘍治療デバイス1または図1Bに示す腫瘍治療デバイス2での使用に適切なEFD構成を詳述した概略側面図である。図2Aに示すEFD8は、EFD本体30および一対の並行ニードル32を備える。EFD本体はニードルの補助に役立ち、標準的な技術を使用して上記で考察したパラメータを決定するためのセンサも備える。EFGからの信号は、EFD本体30内部の接続(示さず)を介してケーブル24からニードル32に送られる。操作中、ニードル32は治療部位周囲の組織に挿入された電気接点対として挙動し、必要に応じてEFGによって発生された電場を印加する。治療部位のサイズおよび/またはEFGによって供給された所与の電圧に必要な電場強度に基づいてニードルの分離を選択することがきる。
図2Bおよび2Cは、使用時の図2Aに示すEFDの2方向の例を示す概略図である。図2Bでは、治療部位36(例えば、腫瘍)のいずれかの端にニードルを位置付けるように、一般に組織表面35に対して垂直方向にニードル32を組織34に導入する。図2Cでは、治療部位36のいずれかの端にニードルを位置付けるように、一般に組織表面35に対して平行方向にニードル32を組織34に導入する。好ましい方向は、治療部位へのアクセスおよび治療部位の幾何学的配置に依存し、他の状況では他の導入角が適切である。
いくつかの適用では、たとえば、治療部位36が特に組織34の表面と近接している場合または治療すべき組織が表面から突出している場合(例えば、黒子を治療する場合)、電気接点を備えるニードル32を組織に挿入する必要はなく、組織に対して保持すればよい。しかし、このような適用のために、下記でさらに説明する電気接点パッド電極が好ましい。
さらに、一直線の電極を使用する必要はなく、湾曲もしくは曲線状またはねじれた電極の構成がいくつかの目的(例えば、上記の目的)でより適切であり得ることが明らかである。
図2Aで示したEFD電気接点の構成(すなわち、一対の平行ニードル)は、比較的単純である。他のEFD電気接点の構成(以下にさらに記載のものなど)は、他の状況で適切である。例えば、治療部位が分散している場合、適切に推進する電気接点のアレイにより一対の電極よりも治療部位により均一に電場を通過させることができる。他の場合では、低バックグラウンド電場に対して局在化電場が必要であり、EFDの電気接点の構成を、電気力学および静電気学の十分に理解された法則に基づいて適切にデザインすることができる。
以下の実施例で特記されていないEFDの態様(EFDとEFGとを接続するケーブルなど)は類似しており、上記説明から理解される。いくつかの以下の構成を広範に適用可能であるが、より詳細には、他の構成も適用可能である。一定の治療への適用には、デザインすべき他のEFD電気接点の幾何学的性質が必要であり得るが、これらは以下の実施例に示す特徴の組み合わせに基づいていても基づいてもいなくてもよい。上記のように、EFDの幾何学的スケールもまた、特定の適用要件に基づき得る。種々の他の電極アレイは当分野で公知であり(例えば、米国特許第5,720,921号、WO99/62592号、WO98/56893号、米国特許第6,041,252号、および同第5,873,849号を参照のこと)、本明細書中に記載のデバイスは、任意の1つまたは複数のこのような電極構成を使用することができる。
図3Aは、6つの平行ニードル32のアレイを備える電極構成を有するEFD8の概略的な斜視図である。図3Bは、図3Aに示すEFDの概略的な平面図であり、軸に対して垂直な平面のニードル配置を示す。ニードル32は、反対側のニードル対によってEFG由来の3つの独立した電場発生信号を印加するための電気接点が得られるように、それぞれEFGに接続される。以下の所与の全実施例のように、信号がニードル電極に印加される順序(例えば、同時、順々に、または位相後退など)は、コントローラ4またはEFG6のいずれかによって制御することができる。異なる数のニードル対を使用し、同様に多角形アレイ(例えば、治療すべき組織の領域の詳細に依存して、交差した2対、4対、または5対のニードル、八角形または十角形パターン)で配置することができる。他の例では、ニードルは規則正しく配置されていない。
図4Aは、3つの平行なニードル32のアレイから構成される電極構成を有するEFD8の略斜視図である。図4Bは、図4Aに示すEFDの略平面図であり、その軸に対して垂直な平面のニードル配置を示す。この例では、ニードル32は、治療部位に所望の電場構成が得られるように、3つのニードルのうちの任意の2つの間で電場を発生することができるように(または実際に、3つ全てのニードルに同時に電圧を印加することができるように)EFGに接続される。
例えば、接点電極の任意の組み合わせの間に電場を発生することができる図4aおよび4bに示すEFDのように、3つを超える接点電極を備えるEFD中の接点電極の任意の組み合わせの間にも電場を発生することができることが理解される。例えば、例示のみを目的として、図3aおよび図3bに示すEFDの6つのニードルを対にして3つの独立した回路を形成し、治療部位に所望の電場を提供するためのニードルの任意の組み合わせに信号を印加するように構成されたEFGと共に類似のニードル配置を使用することができる。
図5Aは、6つのニードルからなる外輪が中央のニードルを囲む7つの平行ニードル32のアレイから構成される電極構成を有するEFD8の概略的な斜視図である。図5Bは図5Aに示すEFDの概略的な平面図であり、その軸に対して垂直な平面のニードル配置を示す。上記のように、任意の組み合わせの任意数のニードルに信号を印加することができる。例えば、中央のニードルと外部ニードルの1つとの間、中央のニードルと2つまたはそれ以上の外部ニードルとの間、または外部ニードルのみの組み合わせとの間に電場を印加することができる。電場の印加方向も変化させることができる。
図6Aは、中空コアの中央ニードル40を取り囲む6つの平行ニードル32のアレイから構成される電極構成を有するEFD8の概略的な斜視図である。図6Bは図6Aに示すEFDの概略的な平面図であり、その軸に対して垂直な平面のニードル配置を示す。中空コアの中央ニードル40は、EFD本体30内のリザーバ42と流動物を伝達する。流動物を、中空コア中央ニードル40を通してリザーバ42から押しだすか引き込むことができるようにリザーバ42をシリンジデバイス(示さず)に接続する。これにより、例えば、細胞死促進薬を投与するか、生理食塩水で死細胞を洗い流すか、治療部位に他の薬物を送達させるか、治療時に治療部位からサンプルを排出させることが可能である。実際、リザーバ42は、単純に、中空コアニードル40と従来のシリンジまたは他の容器との間で流動物を伝達可能な密封フローチャンバーを備え得る。
EFDによって細胞死促進薬が投与されるか、治療部位に生理食塩水または他の薬物を送達させるか、治療部位からサンプルが排出される場合、コントローラの制御下でこれを行うことができる。例えば、細胞死促進薬の投与を含む適用のために、腫瘍治療デバイスは、任意選択的に、コントローラ4の制御下で機械ポンプ(または細胞死促進薬の供給源を圧縮するもの)によって(EFDへのチュービングを介して)投与される細胞死促進薬を含むリザーバをさらに備え得る。例えば、特定の治療への適用が適切な場合、電場が印加されるのと同時に治療部位に細胞死促進薬を投与するようにコントローラを構成することができる。他の状況では、電場が印加されるのと同時に治療部位に細胞死促進薬を投与することを回避することが適切であり得る。コントローラの制御下で、細胞死促進薬の投与を、特定の治療要件に適合し、且つ印加した電場および/または超音波の詳細に応答することができる任意の様式で管理することができる。同様に、任意の適切な治療段階で死細胞を洗い流すため、または治療部位からサンプルを排出させるために生理食塩水をポンピングするようにコントローラを構成することができる。
所望ならば中央の中空コアニードルを含む任意のニードル間で電場を印加することができる。EFDの他の構成では、1つを超える中空ニードルが存在し得る。例えば、図6Aおよび図6Bに示す6つの外輪ニードルのいくつかまたは全てが中空であり、リザーバ42と流動物を伝達する場合、治療部位内またはその周辺の多数の位置に流動物を注射する(または、これらの位置から流動物を排出する)ことができる。あるいは、EFD本体30は、治療部位内または周囲の異なる位置に異なる流動物を注射するか、これらから異なるサンプルが取り出されるように複数の個別のリザーバを備え得る。
図7Aは、この例では正長方形アレイに配置された55本の平行ニードル32のマトリクスを備える電極構成を有するEFD8の概略的な断面図である。図7Bは、図7Aに示すEFDの概略的な平面図であり、その軸に対して垂直な平面のニードル配置を示す。他の例のように、ニードル32の任意の組み合わせの間に電場を印加して、治療部位に所望の電場を提供し、これをコントローラ4またはEFG6によって制御することができる。
上記の例では、接点電極を備えるニードルは、軸に沿って絶縁されていない。いくつかの状況では、例えば、電気接点を回避すべき組織付近の治療部位に電気接点が必要な場合、いくつかまたは全てのニードルを部分的に絶縁することができる。
図8Aは、治療部位36にアクセスするために組織34に挿入された2つのニードル電極32の概略的な側面図を示す。この例では、重要組織層50(すなわち、ニードルを有する電気接点中に保持されてはならないもの)は、組織表面35の真下に存在する。ニードル32は、絶縁体48によってその長さの一部に沿って電気的に絶縁される。絶縁体は、ニードル32に固定することができる任意の適切な不導体または不良導体(例えば、PTFE)から作製することができる。
好ましい実施形態では、ニードルの絶縁度を変化させて調整することができる。異なる厚さの絶縁材料の適用または絶縁材料によって被覆されたニードルの範囲の調整によってこれを行うことができる。したがって、ニードルをその長さの種々の部分に沿った絶縁材料によって被覆することができる。あるいはまたはさらに、絶縁材料は、ニードルを被覆するスリーブを形成することができ、スリーブの長さを調整または伸長可能である。任意の適切な絶縁材料(例えば、変形可能な材料)をこの目的のために使用することができる。
導電経路は、EFGからの電場信号が組織34内のニードル32の下位部に接続されて、治療部位36に電場が印加されるように絶縁体48内に維持される。絶縁体48は、重要組織層50内に電流が確実に流れず、それにより組織層が損傷する可能性が回避される。ニードルの長さの一部に沿っていくつかまたは全てのニードルが絶縁される特徴を、任意のニードル構成(上記のものなど)と組み合わせて容易に使用することができる。
図8Bは、重要組織50領域を電場によって駆動される電流から保護する別の例の概略的な側面図である。この例における治療部位および重要組織の特定の幾何学的位置により、ニードル32の長さが異なる。上記のように、EFG由来の電場信号が治療部位36で電流を駆動するが重要組織50内では駆動されないことが確実となるようにニードルを絶縁体48で絶縁する。
治療部位周辺内への電場供給源の直接的提供に加えて、ニードルを使用して、EFG由来の信号を予め埋め込んだ接点電極に接続することができる。
図9は、図に示した接点電極54に接続したリザーバ接点52と接触させるために組織34に挿入した絶縁体48によってその長さの一部に沿って再度電気的に絶縁した2つのニードル32の概略的な断面図である。この配置は、例えば、治療部位36が組織表面35に対して平行な平面に実質的な軸を有するが、図2Cに示すアクセスが実行できない場合に適切である。
この例における接点電極54は組織34に外科的に埋め込まれており、定期的治療および反復治療を可能にするために長期間維持することができる。外科的移植片は、手術によるその除去の必要性を回避するために生体適合性であり得る。治療時に、リザーバ接点52と接触させるためにニードル32を組織34に挿入する。リザーバ接点サイズを、その後の挿入でニードルが再配置する能力によって決定する。電気接点を促進するために、ニードルをバネ式にすることができる。一旦接点が作製されると、ニードル32を介して電極54をEFGに接続し、必要に応じて電場を治療部位に印加することができる。
EFD構成(上記のものなど)は、組織の外側のEFDで操作する必要はないが、内部治療部位へのアクセスを容易にするための腹腔鏡、内視鏡、気管支鏡、または任意の鍵穴手術デバイス上に小標本を適切に置くことによって組織に全体を導入することができる。
上記のように、EDS8の接点電極はまた、導体パッドの導電部を備え得る。このような構成は、治療部位が組織表面上または組織表面付近である場合に最も適切である可能性が高い。
図10Aは、組織表面35に適用したEFD(主なEFD本体は示さず)の導体パッド40の概略的な平面図である。図10Bは、導体パッド40をさらに詳述した概略的な断面図であり、図10Aに示す平面図に対して垂直な平面をとる。接点電極は、導体パッド40に強固に取り付け、且つ治療部位36のいずれかの端上の組織表面に接触させて保持することができる2つの細長い導電部33を備える。導体パッドは、組織表面35との接触の維持を補助するために自己接着性であり得る。次いで、EFGによって発生された電場信号を、必要に応じてEFD本体および導体パッド内の配線(示さず)を介して治療部位に印加する。上記のように、治療部位のサイズおよび/またはEFGによって供給される電圧の関数としての必要な電場強度に基づいて接点電極の分離を選択する。
組織表面への電場の直接印加に加えて、導体パッドベースのEFDのさらなる利点は、多数の従来の印刷回路技術(例えば、標準的なリソグラフィおよびエッチング、謄写、スクリーン印刷、および導電性インクと組み合わせて使用する他の標準的な印刷法(導電性トナーを使用したインクジェットまたはレーザージェット印刷が含まれる)、または導電性インクペンを使用した直接スケッチなど)を使用して導電部を形成することができるという点である。これにより、非常に特異的な場合の接点電極の幾何学的配置を容易に実現可能である。例えば、印刷された回路導体パッドの使用では、非常に特異的な治療部位の幾何学的性質に適合する一方で電場への周辺組織の望ましくない曝露を最小にするのに適切な複数の不規則に成形した接点を含む電極構成を提供することは困難ではない。
(回路を印刷されているか印刷されていない)導体パッドは、好ましくは、超音波を有意に弱めないために超音波吸収性の低い材料を含み得る。
図11A、11B、および11Cは、印刷された回路の導体パッドを使用して容易に達成可能な3つの電極構成の例の概略的な平面図を示す。いずれの場合にも、電極構成を、上記のEFGに接続し、異なる電場の組み合わせを印加することができる。形成することができる接点電極構成数は本質的に制限がないことが認識される。
図12は、上記の複数の特徴を含むEFD8の概略的な断面図である。EFD8は、EFGから接点電極に電場信号を支持および接続するための本体を備える。接点電極は、接着パッド40上に置かれた2つの導電部33および絶縁体48によって絶縁された4つのニードル32を備える。上記のように、治療部位に所望の電場パターンを提供するために接点電極32、33との任意の選択された組み合わせの間に電場を印加することができる。
本発明者らは、図1Bに示す腫瘍治療デバイス2の文脈で上記EFD電極の構成を記載したが、記載の電極構成を他の適用に使用することもできることが認識される。例えば、これらを、エレクトロポレーション、電気融合、鍼治療、電気療法などに適切に使用することができる。従って、本発明者らは、多数の接点電極(そのうちの少なくとも1つが組織塊への挿入のために中空である)を含み、その数が1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、20、30、40、もしくは50を超える電場送達コンポーネントを開示する。
本発明者らは、さらに、接点電極が正多角形(例えば、正三角形、正四角形、正五角形、正六角形、または正七角形など)の頂点に位置付けられたこのような電場送達コンポーネントを開示する。本発明者らは、多数の接点電極が正多角形の頂点に位置付けられ、1つまたは複数の更なる接点電極が多角形の周囲内に位置し、1つまたは複数のさらなる接点電極が中空でもあり得る電場送達コンポーネントも開示する。
さらに、本発明者らは、多数の接点電極を含み、そのうちの少なくとも1つが中空であり、接点電極が接点電極のグリッドを形成するように配置された電場送達コンポーネントを開示する。任意の前記接点電極を、その長さの少なくとも一部に沿って絶縁することができる。本発明者らは、導体パッドの導電部から形成された多数の接点電極を備える電場送達コンポーネントも開示する。さらに、本発明者らは、組織塊への挿入のための上記接点電極と導体パッドの導電部から形成された接点電極との組み合わせを備える電場送達コンポーネントを開示する。本発明者らは、超音波吸収の低い導体パッドを備える電場送達コンポーネントも開示する。
治療用超音波信号発生回路(USG)
USG10は、USDの周辺に超音波を提供するためにケーブル26を介した超音波送達コンポーネント(USD)12に供給される超音波信号を発生するように操作可能である。操作中、USD周辺は、一般に、上記のESD周辺で少なくとも部分的に覆われた治療部位である。以下でさらに考察するように、USDの幾何学的位置により、治療部位での超音波エネルギーの分布が決定される。
USGは、広範な超音波信号を提供するように操作することができ、例えば、超音波信号の周波数を変化させることができ、振動、定常状態、パルス、パルス指数減衰波形、一般化周期波形または無作為な被変調波形、またはその組み合わせを提供するために振幅を調整することができる。供給された波形は、特定の治療適用要件に依存する特有のタイムスケールおよび振幅の範囲を示すことができる。超音波信号発生回路は、所望の超音波信号を発生するための任意の公知の様式で機能することができる。例えば、USGは、コントローラ4の制御下で(当分野で公知の超音波振動子を駆動することができるシグナルを提供するための適切な電圧および/または電流増幅器に接続された)1つまたは複数のプログラム可能な任意波形発生器を備え得る。あるいは、EFGは、印加特異的デバイス(RICH−MAR THERASOUND 3 SERIES超音波発生器など)を備え得る。
図1に示す例では、USGは、治療部位で0.1〜2MHzの搬送周波数および0.1〜7W/cm2の平均超音波エネルギー束(出力密度ともいう)を提供するための接続振動子を駆動することができる振幅を有する出力超音波信号を供給するように操作可能である。搬送信号の振幅を、1msと20分との間で選択可能な特有のタイムスケールを使用して上記のように調整することができる。適用要件に依存して、USGはまた、例えば、異なる層の複数の信号を有するUSDまたは異なる波形(パルス波または連続波)および/または異なる印加時間を有する複数の独立した信号を有するUSDを供給するために複数の従属的または独立的超音波信号を供給することができる。
USDはまた、当分野で公知の技術を使用して、治療部位に超音波エネルギーの蓄積量を詳述する測定値を使用するコントローラを提供することができる。これらのパラメータおよび特定の適用に適切な任意の他のパラメータを使用して、超音波放出プロフィールを形成することができる。その後の分析のために、超音波放出プロフィールをコントローラ4によって保存する。さらに、超音波放出プロフィールパラメータ(下にさらに記載のEFGおよびDDS由来の診断情報に関する類似の操作パラメータに加えて)に基づいて、機能を、コントローラ4によって応答可能に制御することができる。他の実施形態では、フィードバック制御の態様は、USG内部に存在し得る。
治療用超音波信号送達コンポーネント(USD)
操作中、USD12は、USG10によって発生した超音波信号と治療部位の組織とを接続するために役立ち、本明細書中に記載の例では、特定の適用のために必要な異なるUSD構成を使用することができるようにUSDをUSGに交換可能に接続する。USDは、一般に、USGによって供給された超音波信号由来の超音波と治療部位との接続のための1つまたは複数の超音波振動子を備える。
図13Aおよび図13Bは、治療部位36を超音波に曝露するためのUSD12を組織表面35に接続することができる2つの方法を示す概略的な側面図である。上記のように、USDは、USG由来の信号に応答して超音波を発生させるための超音波振動子(示さず)を含む。これらの例では、平波面60によって概略的に示される円柱状ビームを発生するように超音波振動子を設計する。超音波出力密度は、周辺組織34、治療部位36、および任意の他の介在材料の超音波吸収特性に依存する様式で振動子からの距離が増大するにつれて減衰する。特定の超音波周波数を使用して、周辺組織と比較して治療部位の超音波吸収を増大させることができる。図13Aでは、媒介接触ゲル58により、USDと組織表面との間の音響結合が促進される。図13Bでは、媒介接着パッド59により、USDと組織表面との間の機械的結合(mechanical coupling)および音響結合の両方が促進される。
周辺組織を損傷する可能性を最小にするために、周辺組織中の出力密度が治療部位よりも低いように超音波の集束ビームを発生させることが望ましい。
図14は、媒介ゲル64を満たした接触圧力弁68を介して組織表面35に接続したUSD12を示す概略的な側面図である。接触圧力弁は組織表面35に対して開放するが、そうでなければ図に示すように真空ポンプ(示さず)への連結部66への連結により媒介ゲルの圧力が低下し、接触圧力弁68内の組織表面が変形するように密閉する。
USDにより上記の超音波の円柱状ビームが得られる。しかし、湾曲した組織表面の性質によって平波面60を通過する屈折条件が異なり、その結果波面が湾曲するようになると超音波ビームが組織34内に集束される。従って、変形した組織表面は、超音波を集束するためのレンズ構成に適合すると見なすことができる。接触圧力弁68内の圧力を調整して、組織表面の変形を変化させ、それにより治療部位36と一致するように超音波の焦点を調整することができる。
図15は、USDの別の例の下位部の概略的な斜視図である。この例では、USDは、3つの超音波振動子70a、70b、70cを備える。超音波振動子により、USG由来の超音波信号に応答して円柱状の超音波ビームが得られる。3つの各超音波振動子は、同一の信号、異なる独立した信号、または異なる位相後退の共通の信号を受信することができる。各振動子由来の各超音波ビームが治療部位36に集束するように、USDは組織表面35に対して保持される。上記集束と同様に、これにより、治療部位に周辺組織34の対応する体積よりも増大した出力を印加することが可能である。良好な超音波透過特性を有する空間緩衝(spatial buffer)を得るために、各振動子は、媒介ゲルと接触し得る。
図15に示す例示的実施形態に加えて、適用に依存して、複数の超音波振動子を使用するさらに多数の構成をUSDで使用(および適切に制御されたUSGによって駆動)することができる。他の例には、種々の集束を得るための変形可能な凹形表面状に取り付けた振動子アレイまたは各振動子への超音波信号の適切な位相調整を介して集束するようにコントローラ4の制御下でUSGによって駆動される平面のフェーズドアレイが含まれる。
本発明者らは、図1Bに示す腫瘍治療デバイスの文脈で上記USDの構成を記載するが、超音波の投与が望ましい他の適用において記載のUSD構成を独立して使用することもできることが認識される。例には、ソノポレーション法、超音波診断などが含まれる。したがって、本発明者らは、超音波を集束させるために組織表面を変形させるように配置した接触圧力容器に接続した超音波振動子を備える超音波送達コンポーネントを開示する。
診断用超音波信号発生回路(DG)および診断用超音波送達およびスキャニングコンポーネント(DDS)
腫瘍治療デバイス2はまた、図1Bを参照して、ケーブル28によってDDS16に接続されたDG14を備える診断用超音波設備を含む。診断用超音波設備は任意であり、本明細書中に記載のデバイスの組織および細胞の焼灼能力はその存在に依存しないことが認識される。
DGおよびDDSは、治療部位および周辺組織の従来の超音波画像を提供する従来のユニットを備え得る。誘導を補助するためにEFDまたはUSDのいずれかの導入前にこれらの画像を得るか、治療中に診断情報を連続的に得るためにEFDおよび/またはUSDと同時に得ることができる。診断用超音波設備は治療プロセスを通して情報を得るためである場合、DDSをUSDまたはEFDのいずれかと組み合わせて1つのユニットを形成することができる。
図16は、USD8とDDS16との組み合わせの概略的な断面図である。この例では、DDS16は、それ自体の超音波振動子(示さず)を含むが、DDSコンポーネントが超音波スキャナーしか含む必要がないように、DDSはUSDによって発生された超音波信号に依存することも可能である。
DDSによって提供された診断情報を、特定の治療への適用要件によって定められた治療部位での条件に応答して治療パラメータ(例えば、送達された超音波出力密度、電場強度、照準、位置決め、治療持続時間など)を能動的に制御するためのコントローラ4に接続することができる。DDSによって返された情報もまた、各治療段階中のEFDまたはUSDの連続的に最適化した位置決めを確実にすることができる。
実用的な理由のために、詳細には、適用には電場および超音波を同時、二者択一的、または迅速に連続して曝露された治療部位が必要である場合、USDおよびEFDを1つの送達ヘッドに組み合わせることが好ましい。
図17は、組織表面35の真下の深部に存在する治療部位36への適用のためのUSDとEFDとの組み合わせ送達ヘッド80の一例を示す概略図である。USD12は、EFD8に囲まれ、これらの両方は類似しており、上記説明から理解される。ケーブル25は、信号をコントローラ4、EFG6、およびUSG10へ往復させる。操作中、EFD8のニードル32が組織34内の治療部位36のいずれかの端に位置付けられ、USD12が治療部位上の組織表面35に対して位置付けられるように組み合わせ送達ヘッド80が存在する。この例では比較的単純なEFDおよびUSDの構成(組み合わせ送達ヘッド80)を使用するが、上記概説の任意のさらなる特徴(例えば、複数の振動子、超音波集束、導体パッド電極、中空ニードルなど)も含まれ得る。
図18は、組織表面35上に存在する治療部位への適用のためのUSDとEFDとの組み合わせ送達ヘッド80の別の例を示す概略図である。USD12およびEFD8は、上記例から理解される。DDS16も含まれ、上記図16の説明で理解される様式でUSD上に置かれる。この例では、EFDは、6つの接点電極(4つのニードル32のアレイおよび2つの媒介導体パッド(示さず)の導電部33)を支持するEFD本体30を備える。操作中、電場を治療部位36に印加することができるように組み合わせ送達ヘッドが存在する。前述同様に、オペレータによって予め決定されているか治療部位の条件に応答してコントローラ4によって能動的に決定された電場構成および時間依存を得るために任意の順列の接点電極32、33との間に電場を印加することができる。USDの振動子コンポーネント(示さず)は、EFD本体によって組織表面35から分離されている。
コントローラ
コントローラは、標準的回路を含むUSDまたはEFGに適切にコード化された制御信号を送信し、信号に応答することによって、USGおよびEFGによってそれぞれUSDおよびEFDに適用される振幅、波形、複数の接点電極または振動子のための特異的シグナル経路選択、治療持続時間などを制御する。
集中的なコントローラの使用によって、腫瘍治療デバイスの電場および超音波コンポーネントは、最も有効な治療を提供するように調整することができる。例えば、超音波エネルギー蓄積に依存し、それに比例するレベルで電場エネルギーを供給することができる(その逆も同様)。コントローラは、確実に超音波もしくは電場のエネルギー蓄積または組み合わせエネルギー蓄積が組織を損傷させる所定のレベルを超えないように操作することができる。
コントローラはまた、必要な順序で超音波および電場を印加するように機能する。例えば、いくつかの治療は、超音波印加と電場印加との間の迅速な切り替えを必要とし、そのいくつかは同時に印加する必要があり、いくつかは一方およびその後他方に長期間曝露する必要があり得る。コントローラはまた、連続的に最適化された治療パラメータを得るために、任意の操作パラメータ(超音波の集束、電場の振幅、治療持続時間など)を変更するためのユーザの入力、DDSからの診断情報、または以前に保存された放出プロフィールに反応するように操作可能である。特定の治療要件に従ってデザインされた適切なアルゴリズムを使用してこれらの機能を実施することができる。
コントローラ4は、EFGによる手動および/または自動電場発生(およびその後のEFDによる送達)ならびにUSDによる超音波発生(およびその後のUSDによる送達)を促進するように操作可能である。上記のように、コントローラは、以前に記録したか、現在サンプリングしたDDSからの放出プロフィールおよび/または診断出力に基づいてUSGおよび/またはEFG操作を修正することができる。
コントローラ4はまた、治療監視オペレータを支援するための両EFG操作に関するパラメータ(設定電圧、送達電圧、予想される電場、EFD周辺の電流密度、治療部位でのエネルギー蓄積、治療持続時間、治療部位での抵抗、内部回路抵抗などまたはその組み合わせなど)およびUSG操作に関するパラメータ(出力密度出力、治療部位での予想される出力密度、治療部位からの距離、治療持続時間、変調周波数、超音波周波数などまたはその組み合わせなど)を表示することができる。標準的な技術を使用して、これらのパラメータを決定することができる。特定の治療要件および適用に適切なように、これらの任意のパラメータに応答してEFGまたはUSD操作を修正するようにコントローラを配置する。
装置を詳述し、装置およびこれを達成および最適化することができる条件によって実施される細胞焼灼プロセスをさらに理解するために、本発明者らは、感作、電気感作、破壊プロセスの一般的な説明ならびに超音波および細胞死促進薬の説明を提供する。以下に記載のこのようなプロセスの知識により、記載の装置を最も有効な様式で使用することができる。
感作
一般的な態様によれば、非感作細胞よりも刺激による破壊により感受性を示すように細胞を感作する。従って、「感作」された細胞は、非感作細胞よりも刺激への曝露による破壊により感受性を付与するために処置された細胞である。このような細胞は、刺激への曝露によって標的部位で破壊することができる。したがって、本発明者らは、一般に、感作因子(sensitiser)への曝露およびその後の破壊因子(disrupter)への曝露による細胞の破壊手段を提供する。感作因子と破壊因子との種々の組み合わせを使用することができる。
例えば、超音波への細胞の曝露によって感作を行うことができる。好ましくは、このような超音波感作細胞は、その後の電場への曝露によって破壊することができる。この態様を、実施例11に例示する。
しかし、好ましい感作手段は電気感作である。電気感作は、本発明者らの国際特許出願番号PCT/GB00/02848号(WO/01/07011号として公開)に記載されており、以下に詳述する。破壊刺激には、レーザー光および他のエネルギー源が含まれるが、非常に好ましい実施形態は超音波を含む。
本明細書中に記載の特定の装置では、デバイスから発生された電場および/または超音波への細胞の曝露により細胞が感作される。好ましくは、電場によって細胞を感作する方法で装置を使用する。
電気感作
用語「電気感作」は、刺激(例えば、超音波)によって刺激を受けていないものよりも破壊により感受性を示すような細胞の不安定化を含む。したがって、本明細書中に記載の装置は、細胞を電気感作するように操作可能である。
電気感作では、電場への細胞の曝露により膜が不安定化し、さらなる刺激に対して細胞が感作される。細胞を、電場への瞬間的な曝露または長時間の曝露に供することができる。1つまたは複数のパルス形態で電場を印加することができる。あるいは、細胞を、力価(strength)、強度(intensity)、持続時間などを変化することができる持続的に存在する電場に曝露する。ターゲティングされる組織中の細胞の弾性または脆弱性に依存して、電場の強度を上下することができる。本明細書中に記載の装置は、このような電場の異なる送達方法で操作可能である。
電気感作は、典型的には、細胞に負荷される薬剤の非存在下で起こる。薬剤の細胞への通過を促進する電気感作は、負荷すべき外因性の薬剤の存在下で起こり、当分野で周知である。上記のように、細胞死を促進するために、細胞死を促進する他の薬剤を細胞に投与することができるが、これらの薬剤は典型的には電気感作時に存在しない。
本明細書中で使用される、「電場エネルギー」は、本明細書中に記載の電気感作手順時に細胞が曝露される電気エネルギーである。好ましくは、電場強度は、インビボ条件下で約1ボルト/cmから約10kボルト/cmまで、またはそれ以上の強度であり(WO97/49450号を参照のこと)、装置は少なくともこのような電界強度を送達するように操作可能である。
本明細書中で使用される、用語「電場」には、種々の電気容量および電圧であり、且つ指数関数波形および/または方形波形および/または被変調波形および/または被変調方形波形を有する1つまたは複数のパルスが含まれ、装置は任意および全てのこれらの波形を送達することができる。電場および電力の基準を、細胞環境中の電位差の存在基準を含むように取るべきである。したがって、本明細書中に記載の装置において、2つまたはそれ以上の電極の間の電位差の維持によって環境を設定する。このような環境を、当分野で公知の静電気、交流(AC)、直流(DC)などによって設定することができる。電場は、規則的または不規則であり得るが、時間依存性様式で強度および/または方向を変化させることができる。
生細胞への外来物質の移入のためのインビトロおよびインビボ手順の両方でエレクトロポレーションが使用されている。インビボ適用では、生細胞サンプルを、最初に目的の薬剤と混合し、パラレルプレートなどの電極の間に置く。次いで、電極により、電場を細胞/移植混合物に印加する。インビトロエレクトロポレーションを実施するシステムの例には、Electro Cell Manipulator ECM600製品およびElectro Square Porator T820(共にBTX Division of Genetronics,Inc(米国特許第5869326号を参照のこと)が製造)が含まれる。
公知のエレクトロポレーション技術(インビトロおよびインビボの両方)は、治療領域周囲に位置付けた電極への短時間の高電圧パルスの印加によって機能する。電極間で発生した電場により、細胞膜に一過性に孔が開き、目的の薬剤分子が細胞に侵入する。公知のエレクトロポレーション適用では、この電場は、約100μsの持続時間で100V/cmオーダーの単一方形波パルスを含む。このようなパルスを、例えば、Electro Squator Porator T820の公知の適用において発生させることができる。
下記に記載のように目的の外来薬剤の非存在下で電場を送達させることおよびエレクトロポレーションに必要な電場強度と異なる電場強度(および他のパラメータ)で行うことができること以外はエレクトロポレーションによる手順と実質的に同一の様式で電気感作を行うことができる。例えば、電気感作のためにより低い電界強度を使用することができる。したがって、本明細書中に記載の方法および組成物における細胞、組織などへの電場の送達にエレクトロポレーションシステムを使用することができる。
好ましくは、電場強度は、インビトロ条件下で約1V/cmから約10kV/cmまでである。したがって、電場強度は、1V/cm、2V/cm、3V/cm、4V/cm、5V/cm、6V/cm、7V/cm、8V/cm、9V/cm、10V/cm、20V/cm、50V/cm、100V/cm、200V/cm、300V/cm、400V/cm、500V/cm、600V/cm、700V/cm、800V/cm、900V/cm、1kV/cm、2kV/cm、5kV/cm、10kV/cm、20kV/cm、50kV/cmまたはそれ以上であり得る。より好ましくは、インビトロ条件下で約0.5kV/cmから約4.0kV/cmまでである。好ましくは、電場強度は、インビボ条件下で約1V/cmから約10kV/cmである。しかし、標的部位に送達されるパルス数が増大する場合、電場強度を低下させることができる。従って、低電界強度の電場のパルス送達が認識される。
好ましくは、電場の印加は、同一の強度および電気容量のダブルパルスまたは種々の強度および/または電気容量の連続パルスなどの複数のパルス形態である。本明細書中で使用される、用語「パルス」には、種々の電気容量および電圧であり、且つ指数関数波形および/または方形波形および/または被変調波形/被変調方形波形を含む1つまたは複数の電気パルスが含まれる。
好ましくは、指数関数波形、方形波形、被変調波形および、被変調方形波形から選択される波形として電気パルスを送達する。
好ましい実施形態は、低電圧の直流を使用する。したがって、本発明者らは、1V/cmと20V/cmとの間の電界強度で100m秒またはそれ以上、好ましくは15分間またはそれ以上での細胞、組織、または組織塊に印加する電場の使用を開示する。
感作細胞の破壊のための電場の使用は、一般に、感作因子として電力について上記のパラメータと同一のパラメータを使用することができる。
超音波
1つの態様によれば、感作された(特に、電気感作された)細胞を、標的組織および/または細胞に指向する超音波の印加によって破壊することができる。別の態様によれば、細胞の感作手段(すなわち、感作因子)として超音波を使用することができる。本明細書中に記載の装置は、超音波を細胞に送達させて細胞を感作または破壊することができる。
本明細書中で使用される、用語「超音波」は、機械的振動からなるエネルギー形態をいい、その周波数は非常に高く、ヒトの聴力範囲を超えている。超音波スペクトルの周波数の下限は、一般に、約20kHzとされ得る。ほとんどの超音波の診断への適用は、1MHzと15MHzとの範囲の周波数を使用する(Ultrasonics in Clinical Diagnosis,P.N.T.Wells,ed.,2nd.Edition,Publ.Churchill Livingstone(Edinburgh,London & NY,1977から))。
超音波は、診断および治療への両適用で使用されている。診断用ツール(「診断用超音波」)として使用する場合、超音波は、典型的には、約100mW/cm2まで(FDA推奨)の範囲のエネルギー密度範囲で使用されるが、750mW/cm2までのエネルギー密度が使用されている。物理療法では、超音波は、典型的には、エネルギー源として約3〜4W/cm2の範囲(WHO推奨)で使用される。他の治療への適用では、短期間により高い超音波強度を使用することができる(例えば、100W/cm2から1kW/cm2まで(またはさらにそれ以上)のHIFU)。本明細書中で使用される、用語「超音波」は、診断用超音波、治療用超音波、および集束超音波を含むことが意図される。
集束超音波(FUS)により、侵襲的プローブを使用しないで熱エネルギーを送達させることが可能である(Morocz et al 1998 Journal of Magnetic Resonance Imaging Vol.8,No.1,pp.136−142を参照のこと)。集束超音波の別の形態は、Moussatov et al in Ultrasonics(1998)Vol.36,No.8,pp.893−900およびTranHuuHue et al in Acustica(1997)Vol.83,No.6,pp.1103−1106によって概説されている高強度集束超音波(HIFU)である。
好ましくは、診断用超音波と治療用超音波との組み合わせを使用する。この組み合わせに制限されることを意図しないが、当業者は、任意の種々の超音波の組み合わせを使用することができることを認識する。さらに、エネルギー密度、超音波の周波数、および曝露時間を変化させることができる。重要なのは、超音波の印加により感作標的細胞を破壊することができるか、場合によっては刺激の印加によって破壊するように感作することができることである。
好ましくは、感作細胞の破壊に十分であるが、周辺組織を損傷しない強度で超音波を標的組織に印加する。本明細書中で使用される、「破壊する」または「焼灼する」は、標的組織および/またはその細胞が、例えば、溶解、壊死、アポトーシスなどによって損傷することを示す。好ましくは、損傷は、細胞が完全に死滅するか生物の内部防御系によって損傷されたと認識され、それによって消失されるものである。好ましくは、生物の体内から消失されるのに十分な損傷が起こった場合、組織または細胞が「焼灼」される。
好ましくは、超音波エネルギー源への曝露は、約0.05から約100Wcm-2までの出力密度である。さらにより好ましくは、超音波エネルギー源への曝露は、約1から約15Wcm-2までの出力密度である。
好ましくは、超音波エネルギー源への曝露は、約0.015から約10.0MHzまでの周波数である。より好ましくは、超音波エネルギー源への曝露は、約0.02から約5.0MHzまたは約6.0MHzまでの周波数である。最も好ましくは、3MHzの周波数で超音波を印加する。
好ましくは、曝露期間は約10msから約60分までである。好ましくは、曝露期間は約1秒から約5分までである。より好ましくは、超音波を約2分間印加する。しかし、特定の破壊すべき標的細胞に依存して、より長い期間(例えば、15分間)曝露することができる。
有利には、標的組織を、約0.05Wcm-2から約10Wcm-2までの音波出力密度および約0.015から約10MHzまでの範囲の周波数の超音波エネルギー源に曝露する(WO98/52609号を参照のこと)。しかし、代替法(例えば、100Wcm-2を超える音響出力密度であるが時間を短縮した超音波エネルギー源への曝露(例えば、1000Wcm-2でmsまたはそれ以下のms範囲))も可能である。
好ましくは、超音波の印加は、複数のパルス形態であるので、連続波およびパルス波(超音波のパルス送達)の両方を任意の組み合わせで使用することができる。例えば、連続波の超音波を印加し、その後パルス波の超音波を印加することができる(またはその逆)。これを、任意の回数、任意の順序、および組み合わせで繰り返すことができる。パルス波の超音波を、連続波の超音波のバックグラウンドに対して印加し、任意のパルス数を任意のグループ数で使用することができる。
好ましくは、超音波は、パルス波の超音波を含む。非常に好ましい実施形態では、超音波を、連続波として0.7Wcm-2または1.25Wcm-2の出力密度で印加する。パルス波の超音波を使用する場合、より高い出力密度を使用することができる。
光に類似しているので、超音波の使用は有利であり、標的上に正確に集束することができる。さらに、光と異なり、組織のより深部に集束することができるので、超音波は有利である。従って、組織全体の透過(肝葉などであるが、これに制限されない)、または器官全体(肝臓全体または筋肉全体(心臓など)などであるが、これらに限定されない)の治療により適切である。別の重要な利点は、広範な種々の診断および治療への適用で使用される非侵襲性刺激であることである。例として、超音波は、医療用画像技術、さらに整形外科治療で周知である。さらに、対象脊椎動物への超音波の印加に適切な装置は、広く販売されており、その使用は当分野で周知である。
低強度感作および破壊
上記のように、低強度電場を使用して細胞を感作することができる。交流を使用するか好ましくは直流(DC)を使用して低電圧強度を設定することができる。直流を使用する場合、パルスまたは連続様式のいずれかで印加することができ、交流を使用する場合も同様である。このような細胞を、好ましくは、低強度超音波を使用して破壊することができる。
したがって、特定の実施形態では、定電圧の直流を使用して、細胞を電気感作する。1V/cmほどの電場強度、好ましくは5V/cm〜100V/cm、より好ましくは、10V/cmと20V/cmとの間(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20V/cmまたはそれ以上)の電場強度を使用することができる。電流に関して電場を測定することもでき、好ましくは、印加電流は、100μA〜200mA、好ましくは1mAと10mAとの間である。従って、印加電流は、約100μA、約200μA、約300μA、約400μA、約500μA、約600μA、約700μA、約800μA、約900μA、約1mA、約2mA、約3mA、約4mA、約5mA、約6mA、約7mA、約8mA、約9mA、約10mA、約20mA、約50mA、約100mA、約200mA、またはそれ以上であり得る。
低強度の電場および/または直流を使用する場合、電場への細胞の曝露時間は、典型的には、秒から分のオーダーであり得る。したがって、100μs超(例えば、1msまたはそれ以上、好ましくは0.5秒またはそれ以上)細胞を電場に曝露することができる。最も好ましくは、1秒超(好ましくは、5秒、10秒、30秒、60秒、120秒、180秒、240秒、300秒またはそれ以上)細胞を曝露する。細胞を、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、15分、20分、25分、30分、またはそれ以上曝露することができる。
電場の特徴は、一定であっても、曝露過程で変化してもよく、例えば、電場の強度および/または持続時間を変化させることができる。電場強度は、曝露中一定であっても、強度が変化してもよい。例えば、細胞が定電流設定下で電場に曝露される場合、電場強度を変化させることができる。したがって、例えば、5mAの定電流を印加する場合、電場強度は、10V/cmと20V/cmとの間で変化し得る。
非常に好ましい実施形態では、10V/cmと20V/cmとの間の電界強度の電場を細胞、組織、または組織塊に印加する。好ましくは100msまたはそれ以上、好ましくは15分間またはそれ以上電場を印加する。連続またはパルス様式で電場を印加することができる。
超音波を印加しない低電圧/電流の直流(DC)での腫瘍の治療(「電気化学療法」)は、Nordenstrom,Am.J.Clin.Oncol.1989,12,530−536およびWojcicki et al.,Med.Sci.Monit.2000,6,498−502に記載されている。しかし、あらゆる場合において(臨床モデルおよび動物モデルの両方)、このような治療により壊死病変が形成され、多くの場合標的組織が治療部位で再確立されることが見出された。しかし、本明細書中に記載の低電圧電気感作は、通常、これら2つの文献に記載の条件および技術を使用することができる。
低電場強度(例えば、DCの使用)で治療した細胞を、超音波または他の刺激を使用して破壊することができる。このような電気感作細胞を、低強度超音波(例えば、診断および/または治療範囲:下記にさらに詳述するように、100mW/cm2から750mW/cm2までまたは約3〜4W/cm2までもしくはそれ以上の範囲)の使用によって破壊することができる。
好ましくは低強度超音波と組み合わせたこのような低強度電場での治療を、良性障害の治療または美容産業で使用することもできる。治療することができる良性障害には、細胞または組織の破壊または切除によって治癒、治療、または処置することができる任意の障害が含まれる。例えば、低強度の超音波および/または電場を使用して、疣、乳頭腫、乾癬、湿疹、黒子などの皮膚病態を治療することができる。さらに、この態様を使用する治療を使用して、良性乳房または前立腺疾患、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)感染(尖圭コンジローム、Longstaff & von Krogh,2001,Reg.Tox.Pharm.33,117−137)などの良性障害を無薬物および無手術で治療し、局所感染後に残存する良性肉芽腫組織を根絶する(Hildebrandt et al.,1998,Strahlenther Onkol.,174.580−588)ことができる。
脂肪の蓄積である脂肪腫および過剰な脂肪の蓄積に関する他の病態も治療することができる。したがって、本発明者らの方法を使用して、脂肪吸引などの美容整形術の代わりに脂肪細胞または組織を破壊または崩壊させることができる。
さらに、本発明者らの方法は、体内の比較的巨大な領域または部分の治療(特に、美容目的の巨大な脂肪組織領域の除去)に適切である。
細胞死を促進する薬剤
非常に好ましい実施形態によれば、標的細胞、組織、または組織塊を、細胞死を促進することができる薬剤にさらに曝露する。従って、好ましい実施形態の装置は、細胞死促進薬の細胞またはその周囲への送達手段を備える。このような細胞死促進薬送達手段は、上記で詳述するように、リザーバと流動物を伝達する1つまたは複数の中空ニードルを備え得る。
細胞死を促進することができる薬剤は、標的細胞、組織、または組織塊に曝露した場合、細胞死に必要であるか十分のものである。好ましくは、このような薬剤は、感作および破壊を使用する治療(例えば、電場/超音波投与)の細胞死滅能力を増強するものである。したがって、このような薬剤との接触により、好ましくは、感作および破壊(例えば、電場および超音波への任意の順序での曝露)によって細胞の死、破壊、または焼灼を増強する。好ましい実施形態では、細胞死促進薬を使用して、偶然または故意に治療(例えば、電場および超音波の印加)に影響されない任意の細胞を「死滅」および破壊する。
このような促進薬は、独力で細胞死を促進する能力を有し得る。実際、当分野で公知の腫瘍または癌治療で使用される任意の薬剤は、細胞死促進薬として使用するための適切な候補である。しかし、用語「細胞死を促進する薬剤」および「細胞死促進薬」は、細胞感作(例えば、電気感作)および破壊(例えば、上記の超音波曝露)と組み合わせて使用した場合に細胞死を促進するように作用する薬剤を含むように使用されなければならない。好ましくは、このような細胞死促進薬の投与により、治療(例えば、超音波/電場)のみの細胞死効率と比較して、10%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、100%超細胞死を増強する。
細胞死促進薬は、任意の数の方法で作用することができる。例えば、薬剤は、細胞に直接有毒であり得る。このカテゴリーの薬剤には、腫瘍治療で使用される細胞傷害薬が含まれる。薬剤は、さらに、標的細胞、組織などが患者の正常な免疫過程(細胞性および体液性免疫応答が含まれる)によって消失または死滅するという趣旨で宿主の免疫反応を引き起こすものであり得る。このような薬剤の例には、細胞傷害性T細胞および樹状細胞が含まれる。さらに、薬剤は、サイトカインなどの免疫応答を漸増することができる薬剤を含み得る。例えば、IL−2、GMCSFなどのサイトカインを使用して、宿主の免疫応答を促進することができる。
細胞死促進薬を、細胞またはその周辺に直接適用することができる。細胞死促進薬が本質的にタンパク質性である場合(例えば、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、または任意のこれらのフラグメント)、細胞死促進薬をペプチド、ポリペプチドなどをコードする核酸の形態で投与することができることが認識される。このような核酸は、好ましくは、発現ベクターの形態であってよく、このようなベクターおよび構築物の作製方法およびこれらからの発現の誘導方法は当分野で周知である。さらに、本発明者らは、このような薬剤を産生する細胞(例えば、この薬剤をコードする核酸を含めることによる細胞死促進薬を発現することができる細胞)の形態の細胞死促進薬の使用を認識する。細胞を、細胞死促進薬(例えば、細胞傷害薬、細胞静止薬、サイトカイン、GM−CSF、IL−2、または免疫原)をコードする核酸(例えば、発現ベクター)でトランスフェクトするか形質転換することができる。
細胞死促進薬は、必ずしも本質的に分子である必要はない。従って、当分野で公知の他の手段によって細胞を死滅させる治療の使用も含まれる。例としては、腫瘍細胞などの細胞を死滅させるための照射(外部または内部への印加)の使用が含まれる。腫瘍の一次療法または補助療法としての放射線療法の使用方法は当分野で公知である。
標的細胞、組織、または組織塊を、細胞を破壊する刺激(例えば、細胞を電気感作し、その後超音波に曝露する超音波治療)の前、刺激中、または刺激後のいずれかに細胞死促進薬に曝露することができる。しかし、いかなる場合でも、感作因子(例えば、細胞などを電気感作する電場)を、実質的に薬剤の投与前に印加する。言い換えれば、感作因子をこのような細胞死促進薬の非存在下で標的に印加し、特に、電気感作を使用する場合、細胞死促進薬の非存在下で電場を標的に印加する。したがって、細胞死促進薬は、主に細胞破壊または細胞死の誘導を担わないが、むしろ感作因子および破壊因子(例えば、電場および超音波)に曝露した細胞、組織などの細胞死を促進する補助的役割を果たす。
細胞死促進薬を、任意の適切な様式によって標的細胞、組織、または組織塊に曝露することができる。例えば、薬剤を皮膚に局所的に適用することができ、例えば、標的細胞が上皮(例えば、皮膚腫瘍)である場合、これは有利である。さらに、薬剤を、患者または標的細胞などが一部を形成する系に全身投与することができる。薬剤を、経口(口から摂取)、鼻腔投与するか、リポソームテクノロジーなどを使用して送達させることができる。薬剤を、腫瘍塊または腫瘍部位またはその周囲に直接注射することができる。薬剤を、薬剤を発現する細胞(例えば、細胞傷害薬を発現する細胞)の形態で送達させることができる。このような細胞傷害薬(例えば、IL−2)を発現する細胞の使用は、当分野で公知であり、例えば、Mir et al.,J.Immunotherapy,17,30−38およびOrlowski,et al.,1998,Anticancer Drugs 9,551−556に記載されている。
適切なキャリア(赤血球キャリアなど)に装填することによって薬剤を送達することができる。赤血球を使用した装填および送達は、本発明者らの国際特許出願番号PCT/GB00/02848号(WO/01/07011号として公開)およびPCT/GB00/03056号に詳細に開示されている。薬剤を、本明細書中に記載の膜透過配列(MTS)の使用によって細胞内区画に送達することができる。薬剤を、以下でさらに詳述されている薬学的組成物の形態で適切に投与することもできる。
本明細書中に記載の方法および組成物で有用な薬剤を以下に記載する。細胞死を促進することができる好ましい薬剤には、サイトカインおよび細胞毒素ならびにこれらをコードする核酸が含まれる。これらは、本明細書中でさらに詳細に考察されている。
本明細書中で使用される、用語「薬剤」には、原子または分子(分子は、無機であっても有機であってもよく、生体エフェクター分子および/または生体エフェクター分子などの薬剤をコードする核酸、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、核酸、ペプチド核酸(PNA)、ウイルス様粒子、ヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ヌクレオチドの合成類似体、リボヌクレオチドの合成類似体、修飾ヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、アミノ酸、アミノ酸類似体、修飾アミノ酸、修飾アミノ酸類似体、ステロイド、プロテオグリカン、脂質、脂肪酸、および炭水化物であり得る)が含まれるが、これらに限定されない。薬剤は、溶液または懸濁液であり得る(例えば、結晶、コロイド、または他の特定の形態)。薬剤は、単量体、二量体、オリゴマーなど、または複合体の形態であり得る。薬剤を、1つまたは複数の分子、好ましくは高分子、最も好ましくはPEG(ポリエチレングリコール)などのポリマーでコーティングすることができる。PEG化薬剤の使用により、一旦放出されると、薬剤の循環寿命が延長される。
細胞死促進薬は放射性であり得る(すなわち、放射線療法で使用される放射性核種)。放射性核種は、当分野で公知の放射性同位体(例えば、コバルト−60、ヨウ素−131など)、またはこのような放射性同位体と抱合した下記に説明する分子(核酸、ポリペプチド、または他の分子など)であり得る。上記のように、外部放射線療法および/または内部放射線療法の形態でのこのような放射性核種を使用した外部照射源を使用して、治療される標的細胞または組織の細胞死を促進することもできる。
1つの薬剤を使用する必要はなく、細胞死を達成するために2つまたはそれ以上の細胞死促進薬を連続的または同時に使用することが可能であることが認識される。したがって、用語「薬剤」には、本明細書中に開示の原子、分子などの混合物、融合体、組み合わせ、および抱合体も含まれる。例えば、薬剤には、ポリペプチドと組み合わせた核酸、互いに抱合した2つまたはそれ以上のポリペプチド、生物活性分子(プロドラッグなどの小分子であり得る)に抱合したタンパク質、または生物活性分子と造影剤との組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される、用語「生体エフェクター分子」または「生物活性分子」は、生体系で活性を有する薬剤をいい、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチド(構造タンパク質、酵素、サイトカイン(インターフェロンおよび/またはインターロイキンなど)、抗生物質、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体またはその有効部分(Fvフラグメントなど)(抗体またはその一部が天然、合成、またはヒト化であり得る)、ペプチドホルモン、受容体、およびシグナル伝達分子が含まれるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない。インタクトな免疫グロブリンおよび抗体フラグメント(Fv、短鎖Fv(scFv)、Fab、またはF(ab’)2など)が用語「免疫グロブリン」の範囲内に含まれる。
好ましい免疫グロブリン、抗体、Fvフラグメントなどは、「細胞内発現抗体(intrabody)」または「細胞内抗体」として公知の細胞内環境中の抗原に結合することができるものである。「細胞内抗体」または「細胞内発現抗体」は、細胞環境内または細胞内環境を模倣した環境内でその標的またはコグネイト抗原に結合することができる抗体である。
このような「細胞内発現抗体」を直接同定するための選択方法(哺乳動物細胞内に結合能力を有する抗体を選択するためのインビボ2ハイブリッド系など)は提案されている。このような方法は、国際特許出願番号PCT/GB00/00876号(引用することにより本明細書の一部をなすものとする)に記載されている。抗β−ガラクトシダーゼscFvなどの細胞内抗体の産生技術は、Martineau,et al.,1998,J Mol Biol 280,117−127およびVisintin,et al.,1999,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 96,11723−11728にも記載されている。
薬物には、以下に定義の核酸((オリゴヌクレオチドもしくは修飾オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくは修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド、cDNA、ゲノムDNA、人工もしくは天然染色体(例えば、人工酵母染色体)またはその一部、RNA(mRNA、tRNA、rRNA、リボザイム、またはペプチド核酸(PNA)が含まれる)、ウイルス様粒子、ヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドまたはその合成類似体(修飾または未修飾であり得る))、アミノ酸またはその類似体(修飾または未修飾であり得る)、非ペプチド(例えば、ステロイド)ホルモン、プロテオグリカン、脂質、または炭水化物が含まれるが、これらに限定されない)が含まれ得る。生体エフェクター分子がポリペプチドである場合、これを標的領域に直接適用することができ、あるいは、ポリペプチドをコードする配列(標的部位の細胞中で活性な転写および翻訳調節エレメントに作動可能に連結している)を保有する核酸分子を使用することができる。小分子(有機または無機化学物質が含まれる)も使用される。特に好ましい実施形態では、生物活性分子は、薬学的に活性な薬剤(例えば、同位体)である。
好ましい実施形態は、リボザイムまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドの使用および細胞死を促進するための標的細胞または組織へのこれの曝露を含む。
生体エフェクター分子の特に有用なクラスには、抗生物質、抗炎症薬、血管形成薬もしくは血管作用薬、成長因子、および細胞傷害薬(例えば、腫瘍抑制薬)が含まれるが、これらに限定されない。細胞傷害薬の使用には、ジフテリア毒素、シュードモナス外毒素、コレラ毒素、百日咳毒素、ならびにプロドラッグ(ペプチジル−p−フェニレンジアミン−マスタード、安息香酸グルタミン酸マスタード(benzoic acid mustard glutamates)、ガンシクロビル、6−メトキシプリンアラビノヌクレオシド(araM)、5−フルオロシトシン、グルコース、ヒポキサンチン、メトトレキセート−アラニン、N−[4−(a−D−ガラクトピラノシル)ベニロキシカルボニル]−ダウノルビシン)、アミグダリン、アゾベンゼンマスタード、グルタミルp−フェニレンジアミンマスタード、フェノールマスタード−グルクロニド、エピルビシン−グルクロニド、ビンカ−セファロスポリン、フェニレンジアミンマスタード−セファロスポリン、ナイトロジェン−マスタード−セファロスポリン、リン酸フェノールマスタード、リン酸ドキソルビシン、リン酸マイトマイシン、リン酸エトポシド、パリトキシン−4−ヒドロキシフェニル−アセトアミド、ドキソルビシン−フェノキシアセトアミド、メルファラン−フェノキシアセトアミド、シクロホスファミド、イフォスファミド、またはその類似体が含まれるが、これらに限定されない。プロドラッグを不活性形態の標的細胞、組織または組織塊に適用する場合、第2の生体エフェクター分子を適用することができる。このような第2の生体エフェクター分子は、通常、不活性プロドラッグを活性薬物形態に変換する活性化ポリペプチドであり、活性化ポリペプチドは、ウイルスチミジンキナーゼ(Genbankアクセッション番号J02224によってコード化されている)、カルボキシペプチドA(Genbankアクセッション番号M27717によってコード化されている)、α−ガラクトシダーゼ(Genbankアクセッション番号M13571によってコード化されている)、β−グルクロニダーゼ(Genbankアクセッション番号M15182によってコード化されている)、アルカリホスファターゼ(Genbankアクセッション番号J03252 J03512によってコード化されている)、シトクロムP−450(Genbankアクセッション番号D00003 N00003によってコード化されている)、プラスミン、カルボキシペプチダーゼG2、シトシンデアミナーゼ、グルコースオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アゾレダクターゼ、t−グルタミルトランスフェラーゼ、β−ラクタマーゼ、またはペニシリンアミダーゼを含む群から選択されるが、これらに限定されない。ポリペプチドまたはこれをコードする遺伝子のいずれかを投与することができ、後者の場合、プロドラッグおよび活性化ポリペプチドの両方を、同一の組換え核酸構築物上の遺伝子によってコードすることができる。
好ましくは、生体エフェクター分子は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、核酸、ウイルス様粒子、ヌクレオチド、リボヌクレオチド、ヌクレオチドの合成類似体、リボヌクレオチドの合成類似体、修飾ヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、アミノ酸、アミノ酸類似体、修飾アミノ酸、修飾アミノ酸類似体、ステロイド、プロテオグリカン、脂質、および炭水化物またはその組み合わせ(例えば、1つまたは複数が別の活性形態(例えば、触媒)に変換されるタンパク質およびDNA成分またはエフェクターの対または組の両方を含む染色体物質)からなる群から選択される。
生体エフェクター分子は、好ましくは、免疫調整薬または他の生物反応修飾物質である。代謝酵素およびタンパク質をコードするポリヌクレオチド(抗血管形成化合物(例えば、第VIII因子または第IX因子)が含まれる)もまた含まれる。
細胞毒素
上記の細胞死促進薬を、本明細書中に記載の装置によって送達される超音波/電場治療と共に単独または互いに組み合わせて使用することができる。装置の好ましい実施形態で送達される好ましい細胞死促進薬には、細胞毒素およびサイトカインが含まれる。
「細胞毒性」は、化学物質(食品、化粧品、または医薬品など)または媒介細胞(細胞傷害性T細胞)の細胞死滅特性をいう。壊死またはアポトーシスと対照的に、用語「細胞毒性」は、必ずしも特異的細胞死機構を示す必要はない。例えば、細胞媒介性細胞毒性(すなわち、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはナチュラルキラー(NK)細胞によって媒介される細胞死)は、壊死とアポトーシスの両方のいくつかの態様を組み合わせる。用語「細胞毒素」および「細胞毒」は交換可能に使用され、細胞に対して有毒であり、且つ細胞を死滅させ、細胞成長、増殖、または複製などの任意の細胞過程を防止する任意の薬物群をいう。後者はまた、「細胞成長抑止薬」または「細胞静止薬」ともいう。
好ましくは、細胞毒素は、抗腫瘍効果を有する化学療法薬を含む。細胞毒素は、主に、癌の治療に使用され、そのいくつかは他の用途(乾癬および関節リウマチなどの他の障害の治療など)を有する。細胞毒素での癌治療は、化学療法として公知であり、種々の目的を有する。細胞毒素を使用して、手術前に腫瘍を縮小させることができ(新補助療法)、続発性腫瘍の拡大および成長を予防するために原発腫瘍を手術または放射線療法で治療した後にこれらを使用することができるか(補助療法)、これらが疾患の主な治療であり得る。疾患を治癒させるためか、治癒が不可能な場合、その症状を制御するために化学療法を行うことができる(緩和的療法)。
好ましい実施形態での使用に適切な細胞毒素には、アルキル化剤、抗代謝産物、ビンカアルカロイド、細胞傷害性抗生物質、白金化合物(例えば、カルボプラチン)、タキサン、トポイソメラーゼインヒビター、プロカルバジン、クリサンタスパーゼ(crisantaspase)、ヒドロキシ尿素、リツキシマブ(モノクローナル抗体)、およびアルデスロイキン(インターロイキン)が含まれる。細胞毒素の他の好ましい例には、ブレオマイシン、ネオカルシノスタチン、スラミン、ドキソルビシン、カルボプラチン、タキソール、マイトマイシンC、シスプラチン、アザチオプリン(Imuran)、シクロホスファミド(Cytoxan)、メトトレキセート(Pheumatrex)ならびにシクロホスファミド(Cytoxan)に関連する他の細胞毒(クロラムブシル(Leukeran)およびナイトロジェンマスタード(Mustargen)が含まれる。
性ホルモンを使用して癌が治療されており、これらを使用することもできる。前立腺癌は、しばしば、雄性ホルモン(アンドロゲン)によって刺激されるので、これらの癌をエストロゲン(アンドロゲンを阻害する)または抗アンドロゲンで治療することができる。ゴナドレリンの類似体(ブセレリン、ゴセレリン、ロイプロレリン、およびトリプトレリンなど)を使用することもできる。いくつかの乳癌はエストロゲンによって刺激され、このような癌はエストロゲンアンタゴニストであるタモキシフェンおよびトレミフェンに応答するか、アロマターゼインヒビターに応答する。任意の上記の細胞毒素を、本明細書中に記載の好ましい方法で使用することができる。
細胞傷害性Tリンパ球(CTL)およびナチュラルキラー(NK)細胞などの細胞もまた用語「細胞毒素」内に含まれる。さらに、PTK787/ZK 222584などのVEGFの効果を阻害する化合物が固形腫瘍の治療のための有効且つ十分に耐性を示す治療を得る可能性を有することが見出された(Wood JM,2000,Medicina(B Aires)60 Suppl 2:41−7)。従って、細胞死促進薬などの化合物の使用も認識される。
細胞毒素を、口腔によって摂取するか注射または注入によって投与することができる。一般に、細胞毒素を、任意の適切な様式で投与することができる。好ましい投与経路には、全身、経口、および鼻腔投与が含まれる。非常に好ましい経路は、標的組織への局所投与である。下記にさらに詳細に開示する任意の適切な処方物を使用することができる。任意選択的に1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のサイトカイン(本明細書中にさらに詳細に開示される)を含む2つ、3つ、またはそれ以上の細胞毒素の組み合わせを投与することができる。細胞毒素の効果を、慎重にモニタリングする必要があり、血液検査を定期的に行うことができる。
サイトカイン
さらなる実施形態では、装置の好ましい実施形態で送達される細胞死促進薬は、患者の免疫応答を刺激、強化、補充、または増進することができる薬剤を含む。好ましくは、このような免疫応答は、標的部位中の細胞、好ましくは感作細胞に対して指示される。より好ましくは、細胞は、超音波に曝露された電気感作細胞または例えば本明細書中に記載の装置手段によって電場に曝露された超音波感作細胞である。最も好ましくは、細胞は、このようにして曝露された破壊または焼灼細胞である。非常に好ましい実施形態では、細胞死促進薬の投与により、患者の免疫系の1つまたは複数のコンポーネントによって細胞が破壊される。
このような薬剤は、好ましくは、宿主免疫応答を刺激する(標的部位への細胞傷害性T細胞および樹状細胞などのキラー細胞の補充など)。例えば、本明細書中に記載の治療の一部として、細胞の死滅を増強するために免疫原または抗原を患者に投与することができる。
用語「サイトカイン」を、免疫応答を調節するための特異的受容体によって非酵素的に作用する免疫系細胞によって放出される任意の多数の可溶性分子(例えば、糖タンパク質)をいうために使用することができる。サイトカインは、低濃度で特定の受容体に高親和性で結合するように作用するという点でホルモンと類似している。好ましくは、用語「サイトカイン」は、ナノモルからピコモルまでの濃度で体液性レギュレーターとして作用し、通常または病理学的条件下で各細胞および組織の機能活性を調整する多様な可溶性タンパク質およびペプチド群をいう。
記載の方法および組成物での使用に適切なサイトカインの特定の例には、インターロイキン、リンホカイン、インターフェロン、コロニー刺激因子(CSF)(顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、および顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)など)、GSF、血小板活性化因子(PAF)、腫瘍壊死因子(TNF)が含まれる。
したがって、IL1、IL2、およびIL4などのインターロイキンならびにIFN−α、IFN−β、およびIFN−γなどのインターフェロンを、本明細書中に記載の方法で使用することができる。腫瘍壊死因子TNF−α(カケクチン(cachetin))、TNF−β(リンホトキシン)も適切に使用することができる。
好ましいサイトカインは、免疫応答を補充する(例えば、樹状細胞または細胞傷害性T細胞活性の刺激)ことができるものまたは標的部位にマクロファージを補充することができるものである。非常に好ましい実施形態では、サイトカインは、IL−2、GM−CSF、またはGSFを含む。
アポトーシス
2つの異なる機構(壊死またはアポトーシス)のいずれかによって細胞死が起こり得る。さらに、一定の化合物および細胞は、細胞に対して細胞傷害性である(すなわち、その死を引き起こす)ことをいう。好ましい態様によれば、記載の装置によって送達された感作因子および破壊因子(例えば、任意の順序の電場および超音波)の曝露により、少なくとも一定の割合の細胞がアポトーシスによる細胞死を受ける。
好ましくは、本明細書中に記載の方法による治療の結果として少なくとも20%の細胞死がアポトーシスである。より好ましくは、例えば、電場および超音波で治療した場合、死滅した細胞の少なくとも40%、60%、80%、またはそれ以上、最も好ましくは95%超がアポトーシスである。
装置によって送達された電場および/または超音波の電界強度、印加時間、および印加様式を、アポトーシスによる細胞死を受ける細胞が所望の比率となるように操作または調整することができる。下記のように、アポトーシスをアッセイすることができる。したがって、例えば、アポトーシスのために、高強度で短期間の指数電気パルスを装置によって送達させることができる。
用語「高強度」は、約0.5kV/cmと3kV/cmとの間、好ましくは約1kV/cmと2kV/cmとの間、より好ましくは約1.3kV/cmの電場をいうために使用すべきである。上記段落の文脈中の「短期間」の電場は、約100ms〜700ms、好ましくは約250ms〜450ms、より好ましくは約250msまたは450msをいう。例えば、本発明者らは、アポトーシスによる細胞破壊を達成するための約250ms〜450msで指数関数様式で印加された1.33kV/cmの単一または複数の電気パルスの使用を開示する。
「壊死」(「偶発的」細胞死ともいう)は、細胞が重篤な物理的損傷または化学的損傷に曝された場合に起こる病理学的過程をいう。原形質膜が損傷し得る生理学的条件(例えば、低体温症、低酸素症)由来の極端な変化に細胞が曝された場合に壊死が起こる。生理学的条件下で、原形質膜の直接的損傷は補体および溶菌ウイルスのような作用因子によって誘発される。壊死は、水および細胞外イオンが流入する細胞のホメオスタシス維持能力の障害から開始される。細胞内オルガネラ(最も顕著にはミトコンドリア)および細胞全体が膨張して破壊する(細胞溶解)。原形質膜の決定的な破壊により、リソソーム酵素を含む細胞質の内容物が細胞外液に放出される。したがって、インビボでは、壊死細胞死は、しばしば、強い炎症反応を起こす広範な組織損傷に関連する。
「アポトーシス」(「通常の」細胞死または「プログラム」細胞死)は、発達中および他の正常な生体過程の間に望ましくないまたは役に立たない細胞が消失する生理学的過程をいう。アポトーシスは正常な生理学的条件で起こる細胞死様式であり、細胞はその消滅に積極的に関与する(「細胞の自殺」)。ほとんどの場合、正常な細胞代謝回転および組織ホメオスタシス、肺発生、免疫寛容の誘導および維持、神経系の発達、および内分泌腺依存性組織萎縮中に見出される。アポトーシスを受けた細胞は、特徴的な形態学的および生化学的特徴を示す。これらの特徴には、クロマチン凝集、核および細胞質の濃縮、細胞質および核の膜結合小胞(アポトーシス体)(リボゾーム、形態学的にインタクトなミトコンドリア、および核物質を含む)への区画化が含まれる。インビボでは、これらのアポトーシス体は、マクロファージまたは隣接する上皮細胞によって迅速に認識され、食作用が起こる。この有効なインビボでのアポトーシス細胞の除去機構により、炎症反応は誘発されない。インビトロでは、アポトーシス体および残存する細胞フラグメントは、最終的に、膨張し、最終的に溶解する。このインビトロ細胞死の最終段階を、「二次壊死」という。
表1は、壊死とアポトーシスとの種々の外観上の相違をまとめる。細胞死がアポトーシスまたは壊死のいずれによって引き起こされるかを決定するために任意のこれらの相違(単独または組み合わせ)をアッセイすることができる。
Figure 2005526579
アポトーシスおよびアポトーシスによる細胞死を測定するための種々のアッセイを詳細に記載する以下の文献を参照のこと。Schwartzman,R.A.and Cidlowski,J.A.(1993).Endocrine Rev.14,133;Vermes,I.and Haanan,C.(1994).Adv.Clin.Chem.31,177;Berke,G.(1991).Immunol.Today 12,396;Kraehenbuehl,O.and Tschopp,J.(1991).Immunol.Today 12,399;Van Furth,R.and Van Zwet,T.L.(1988).J.Immunol;Methods 108,45.Cohen,J.J.(1993)Apoptosis.Immunol.Today14,126;Savill,J.S.et al.(1989).J.Clin.Invest.83,865;Wyllie,A.H.(1980).Nature 284,555;Leist,M.et al.(1994)Biochemica No.3,18−20;Fraser,A.and Evan,G.(1996)Cell 85,781−784;Duke,R.C.(1983).Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80,6361;Duke,R.C.& Cohen,J.J.(1986).Lymphokine Res.5,289;Trauth,B.C.et al.(1994)Eur.J.Cell.Biol.63,32,Suppl 40;Matzinger,P.(1991).J.Immunol;Methods 145,185;Kaeck,M.R.(1993);Anal.Biochem.208,393;Prigent,P.et al.(1993).J.Immunol;Methods 160,139;Huang,P.& Plunkett,W.(1992);Anal.Biochem.207,163;Bortner,C.D.et al.(1995)Trends Cell Biol.5,21;Gold,R.et al.(1994);Lab.Invest.71,219。
アポトーシスおよび細胞媒介細胞傷害性を、膜崩壊前のゲノムDNAの個別のフラグメントへの切断によって特徴付ける。したがって、アポトーシスを、DNA断片化の測定(例えば、DNAラダーの存在の観察)によってアッセイすることができる。例えば、細胞集団由来の「ラダー」(ラダーの「はしご」としての180bpの複合物)として、または例えばELISAを介したヒストン複合体形成DNAフラグメントの定量によって、DNAフラグメントをアッセイすることができる。このようなアッセイは、ヌクレオソームを検出するためのワンステップサンドイッチ免疫アッセイに依存する。手順は、遠心分離による細胞のペレット化および上清(インキュベーション時に膜から漏れた壊死細胞由来のDNAを含む)の破棄を含む。溶解緩衝液中で細胞を再構成し、インキュベートする。溶解後、インタクトな核を、遠心分離によってペレット化する。上清のアリコートを、マイクロタイタープレートのストレプトアビジンコーティングウェルに移し、上清中のヌクレオソームを、2つのモノローナル抗体(抗ヒストン(ビオチン標識)および抗DNA(ペルオキシダーゼ結合))と結合させる。抗体−ヌクレオソーム複合体を、ストレプトアビジンによってマイクロタイタープレートに結合させる。固定化抗体−ヒストン複合体を、3回洗浄して免疫反応性を示さない細胞成分を除去し、サンプルをペルオキシダーゼ基質(ABTS(登録商標))と共にインキュベートする。次いで、呈色産物(固定化抗体−ヒストン複合体)の量を、分光光度法で決定する。
いくつかのプロテアーゼは、アポトーシスの初期段階に関連する。従って、アポトーシスを、カスパーゼ(例えば、カスパーゼ3)などのアポトーシス誘導性プロテアーゼの存在の検出、それに加えて、またはその代わりにその活性のアッセイによってアッセイすることもできる。カスパーゼ活性化を、異なる方法(例えば、カスパーゼの捕捉および適切な基質のタンパク質分解切断による細胞溶解物のインビトロ酵素アッセイによる)で分析することができる。さらに、カスパーゼを、PARP(ポリ−ADP−リボース−ポリメラーゼ)などのインビボカスパーゼ基質切断の検出によってアッセイすることができる。PARPの切断フラグメントを、抗PARP抗体などの適切な抗体を使用して検出することができる。プロテアーゼアッセイおよびDNA断片化アッセイは、特に、細胞集団におけるアポトーシスのアッセイに適切である。
各細胞のアポトーシスの研究方法(ISNTおよびTUNEL酵素標識アッセイなど)も利用可能である。上記のように、広範なDNA分解は、アポトーシスの初期段階でしばしば起こる特徴的な事象である。DNAの切断により、二本鎖の低分子量DNAフラグメント(モノおよびオリゴヌクレオソーム)および高分子量DNA中に一本鎖の割れ目(「ニック」)が得られる。TUNELでは、このようなDNA鎖の割れ目を、適切な修飾ヌクレオチド(X−dUTP、X=ビオチン、DIG、またはフルオレセインなど)での遊離3’−OH末端の酵素標識によって検出する。適切な標識酵素には、ISNT(「インサイチューニック翻訳」)におけるDNAポリメラーゼ(ニック翻訳)およびTUNEL(「TdT媒介X−dUTPニック末端標識」;Huang,P.&Plunkett,W.,1992,Anal.Biochem.207,163;Bortner,C.D.et al.,1995,Trends Cell Biol.5,21)における末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(末端標識)が含まれる。
膜の変化(細胞表面糖タンパク質側鎖由来の末端シアリン酸残基の喪失、新規の糖残基の曝露、トロンボスポンジンなどのマクロファージ分泌性接着分子の受容体として作用し得る表面糖タンパク質の出現、ならびに膜表面の疎水性および電荷の両方を変化させる細胞膜リン脂質中の非対称性の喪失が含まれる)の測定によってアポトーシスをアッセイすることもできる。特に、ヒト抗凝固性アネキシンVは、ホスファチジルセリン(PS)に対して高親和性を有する35〜36キロダルトンのCa2+依存性リン脂質結合タンパク質である。正常な生細胞では、PSは、細胞膜の細胞質表面上に存在する。しかし、アポトーシス細胞では、PSは、原形質膜の内部から外側の小葉に移動し、それにより外部細胞環境にPSが露呈している。したがって、アネキシンVを使用して、アポトーシス細胞表面に非対称に露呈したホスファチジルセリンを検出することができる(Homburg,C.H.E.et al.1995,Blood 85,532;Verhoven,B.et al.,1995,J.Exp.Med.182,1597)。さらに、生細胞と非生細胞を区別するための分染法のためにDAPI、臭化エチジウム、およびヨウ化プロピジウムなどのDNA染料を使用することができる。DNA内容物のプロフィールも使用することができるので、透過アポトーシス細胞が低分子量のDNAをリークし、例えば、フローサイトメトリーによって「サブG1ピーク」または「A0」細胞(G1細胞よりも低DNA染色の細胞)を検出することができる。アポトーシスに特徴的な形態学的変化を、この様式で検出することも可能である。
抗体の使用によるアポトーシス関連タンパク質(ced−3、ced−4、ced−9(Ellis,H.M.and Horvitz,H.R.,1986,Cell 44,817−829;Yuan,J.Y.and Horvitz,H.R.,1990,Dev.Biol.138,33−41;Hentgartner,M.O.,Ellis,R.E.and Horvitz,H.R.,1992,Nature 356,494−499.)、Fas(CD95/Apo−1;Enari et al.,1996,Nature 380,723−726)、Bcl−2(Baffy,G.et al.,1993,J.Biol.Chem.268,6511−6519;Miyashita,T.and Reed,J.C.,1993,Blood 81,151−157;Oltvai,Z.N.,Milliman,C.L.and Korsmeyer,S.J.,1993,Cell 74,609−619)、p53(Yonish−Rouach,E.et al.,1991,Nature 352,345−347)など)の検出を使用してアポトーシスをアッセイすることもできる。
薬学的組成物
超音波および電場に加えて細胞死促進薬を送達させることができる装置の実施形態を使用する場合、細胞死促進薬を含む組成物を単独で投与することができる。しかしおよび好ましくは、薬学的処方物として装置によって細胞死促進薬を処方および送達させる。このような薬学的組成物は、好ましくは装置中のリザーバに含まれ、適切な手段(例えば、上記の中空ニードルでの運搬による)によって送達させる。
薬学的組成物には、細胞死促進薬、その構造的に関連した化合物、またはそれらの酸性の塩が含まれ得る。開示の薬学的処方物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能なキャリアと共に有効量の細胞死促進薬を含む。有効量は、特定の治療条件、細胞型、および他の要因(患者の年齢および体重、患者の身体全体の健康、症状の重症度、および細胞死促進薬が単独または他の治療との組み合わせのいずれで投与されるかが含まれる)によって変化する。
適切な薬学的に許容可能なキャリアは当分野で周知であり、薬学的処方物の所望の形態および投与様式で変化する。例えば、これらには、希釈剤または賦形剤(充填剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、および潤滑剤など)が含まれ得る。典型的には、キャリアは、固体、液体、または揮発可能なキャリア、またはその組み合わせである。各キャリアは、処方物中の他の成分と適合することができ、且つ患者に無害であるという意味で「許容可能」でなければならない。キャリアは、宿主に投与した場合に副作用(例えば、免疫応答)を誘発することなく生物学的に許容可能でなければならない。
薬学的組成物の使用は、浸液(soak)、軟膏もしくは油中水型乳濁液、クリーム、ローション、ペースト、ゲル、スティック、スプレー、エアゾール、バスオイル、および溶液などを含む。
一般に、処方物中の細胞死促進薬の濃度は、組成物の約0.5重量%〜50重量%、好ましくは約1重量%〜30重量%、より好ましくは約2〜20重量%、最も好ましくは約5〜10重量%の量である。使用濃度は、最初は範囲の上限であり、治療を継続するにつれて、濃度を低下させるか処方物の適用頻度を低くすることができる。
いくつかの適用のために、ポリマーなどの当分野で公知の処方物を使用した長期作用形態の細胞死促進薬を投与することが好ましい。
アッセイ
電場および超音波に曝露した細胞がアポトーシスによって細胞死を示すという所見を、治療に有用な分子および標的を同定するためのアッセイの基本として使用することができる。
1つのこのようなアッセイは、細胞のアポトーシスに関連するプロセスを調整することができる化合物などの分子の同定を探求する。例えば、カスパーゼまたは他のアポトーシスプロテアーゼの活性を調整(すなわち、促進または阻害)する分子を同定するアッセイを認識する。アッセイは、一般に、細胞を候補分子(すなわち、アポトーシス調整活性を有すると疑われる分子または化合物)で接触させる工程を含む。当分野で公知の組み合わせライブラリーなどのライブラリーの形態でこのような候補分子を得ることができる。
次いで、細胞を、公知のレベルまたは特定の型または特徴などの細胞のアポトーシスを誘導することができると決定されたレベルの上記の装置から送達された感作因子(例えば、電場)およびその後の破壊因子(例えば、超音波)への曝露によって処置する。細胞のアポトーシスを増強、促進、阻害、または停止させることができる分子を同定するためにアポトーシスの進行または程度を観察する。このようなアッセイによって同定された分子は、アポトーシス細胞死を増強または阻害する薬物として有用であり、アポトーシス細胞死を示す疾患の治療として使用することができる。
別のアッセイは、アポトーシス調節に関連する遺伝子またはアポトーシスプロセスに関連する遺伝子を同定することができる。このようなアッセイは、本質的に、アポトーシスプロセスまたはその調節に関連すると疑われる遺伝子または遺伝子産物の機能の調整に依存する。遺伝子産物によって、本発明者らは、遺伝子から転写されたRNAまたは遺伝子のポリペプチド産物を意味する。例えば、遺伝子機能を、当分野で公知の変異または遺伝子産物の公知のインヒビター(例えば、アンチセンスRNAまたは化学インヒビター)の使用によって破壊することができる。次いで、細胞を、公知のレベルまたは特定の型または特徴などの細胞のアポトーシスを誘導することができると決定されたレベルの上記の装置から送達された感作因子および破壊因子(例えば、電場および超音波)に曝露し、アポトーシスの存在、程度、または速度を観察する。同様に、遺伝子機能を増強し、アポトーシスをアッセイすることができる。次いで、アポトーシスに関連すると疑われる候補遺伝子を、アポトーシスの候補モジュレーターを同定する(例えば、上記アッセイの使用による)ための薬物発見プログラムのための潜在的な標的として使用することができる。
以下の実施例は、細胞に送達された電場および超音波の組み合わせにより細胞が破壊または焼灼されることを証明する。
3.625kV/cmのパルスで処置した細胞に対する低強度超音波の効果
これらの研究で使用した標的細胞株は、マウスFriend白血病リンパ芽球細胞株(クローン707、European Collection of Animal Cell Cultures由来のECACC番号91112126)であり、10%(v/v)ウシ胎児血清を補足したDMEM中に維持する。培養物を、37℃の加湿5%CO2中に維持する。遠心分離によって細胞を回収し、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、1.065×107細胞/mlの濃度に懸濁する。0.7mlアリコートのこの懸濁液を、0.1ml PBSと共にエレクトロポレーションキュベット(0.4cm電極ギャップ)に分注する。キュベットを氷上に保持し、1μFの電気容量で2パルスの3.625kV/cmの送達によってエレクトロポレーションを行う。細胞を、遠心分離によってPBSで2回洗浄し、MgCl2(4mM)を含むPBS(PBS/Mg)に再懸濁し、室温で30分間保持する。細胞を、10mMのグルコースを含むPBS/Mgで2回洗浄し、同一の緩衝液に再懸濁し、室温で1時間保持する。エレクトロポレーション工程を省略すること以外は同一の手順によってコントロール細胞集団をとる。細胞濃度を、1.4×107細胞/mlに調整する。100μlアリコートの細胞を、96ウェルプレートのマイクロウェルに分注し、3MHz超音波ヘッド上に置く。細胞を超音波に30秒間曝露する。トリパンブルーを使用して生存度を決定する。
正常な細胞および電気感作細胞の細胞生存度に対する超音波出力密度の増加効果を図19に示す。結果は、1.5W/cm2までの出力密度での通常のコントロール細胞集団ではほとんど影響がないか全く影響がなく、電気感作集団の処置後では細胞生存度は1W/cm2でほぼ0に減少することを証明する。細胞生存度を超音波の曝露直後に決定することに留意すべきである。これらの結果は、正常細胞に影響を与えない超音波条件に標的細胞を感作することが可能であることを証明する。
1.875および2.5kV/cmのパルスに曝露した細胞に対する低強度超音波の効果
パルス電場強度がどの程度の低強度超音波に対して処置細胞の感受性に任意の影響を与えるかということを決定するために、0.7mlアリコートの細胞(0.8×107細胞/mlを含むPBS/Mg)を、0.1mlのPBSと共にエレクトロポレーションキュベット(0.4cm電極ギャップ)に分注する。キュベットを室温で保持し、一方の集団に1.875kV/cmの2パルスで処置し、他方を2.5kV/cmの2パルスで処置すること以外は実施例1と同様にエレクトロポレーションを行う。細胞を、PBS/Mg/グルコースに移し、室温で15分保持する。サンプルを、30秒間の超音波で処置し、室温で1時間静置し、その後トリパンブルーを使用して細胞生存度を決定する。コントロール細胞集団を、エレクトロポレーション事象を省略すること以外は上記処置に供する。
両電圧で処置した細胞に対する低強度超音波の効果を図20に示す。この場合、0.75/cm2までの超音波は、コントロール細胞集団の細胞生存度に限定された影響しか与えなかった。1W/cm2またはそれ以上では、コントロール集団で、生存度が劇的に減少した。1.875kV/cmの電気パルスで処置した細胞集団で超音波媒介効果が認められ、生存度は低超音波出力密度(0.25〜0.75W/cm2)で減少する。2.5kV/cm2で処置した細胞では、0.25W/cm2と1W/cm2との間で試験した全ての超音波出力密度でより高い効果が認められる。結果により、細胞集団の電気パルスへの曝露によって超音波感受性を誘導することができることが確認された。結果はまた、電場強度の増大につれて超音波に対する細胞の感受性が増大することを証明する。本実験における超音波での処置後のコントロール細胞の生存度の減少は、実施例1で認められた減少と比較して劇的であり(図19)、これは、実施例2に記載の超音波処置と細胞生存度の決定との間の静止時間に起因し得る。
アルギン酸マトリクスに固定した細胞の感作および超音波処置
この感作現象を細胞塊で達成することができ、それにより腫瘍塊で模倣することができるかどうかを決定するために、細胞をアルギン酸マトリクスに包埋し、塊を電気パルスおよびその後超音波に曝露することを決定した。次いで、以前に記載のMTTアッセイ(Rollan et al.,Bioprocess Eng.15,47,1996)の修正形態を使用して生存度を決定することができる。上記目的を達成するために、707細胞を回収し、1%(w/v)のアルギン酸ナトリウム(Keltone LV,Lot no.35245A,Kelco,UK)中に1.16×107細胞/mlの濃度で懸濁する。この懸濁液を、塩化カルシウム溶液(1.5%(w/v))に滴下し、ビーズ(ビーズあたりの平均体積=10μl)をCaCl2中で15分間保持する。次いで、ビーズをPBSでリンスし、0.5mlPBSと共にエレクトロポレーションキュベット(30ビーズ/キュベット)に分注する。各キュベットに1μFの電気容量で2.5kV/cmの2回の電気パルスを送達させ、その直後に細胞を培養培地に移す。5ビーズのアリコートを、96ウェルプレートのウェルに分注し、3MHzで0.75および1.5W/cm2の超音波に40秒間曝露する。次いで、インキュベーター中にビーズを37℃で165分間入れる。その後培地を除去し、ビーズをPBSで1回洗浄する。1mlアリコートのMTT(PBS中に1mg/ml)を各ビーズサンプルに添加し、これらを37℃で1時間保持する。次いで、ビーズからMTTを除去し、0.5mlのNaOH(1M)を各サンプルに添加する。ビーズ中の細胞の生存度を、分光測光法を使用して得られた溶液の520nmの吸収の測定によって決定する。コントロールサンプルは、電気パルスまたは超音波のいずれかへの曝露を除く手順によって得た固定細胞からなる。
これらの実験由来の結果を図21に示し、これらは、0.75または1.5W/cm2での超音波曝露では電気パルスに曝露していないコントロール細胞にほとんど影響を与えないことを証明する。超音波処置を使用しない電気パルスへの細胞の曝露では、生存度が50%減少した。しかし、電気感作細胞の両出力密度での超音波による処置により、細胞生存度に劇的な影響を与え、1.5W/cm2でのサンプル処置により、細胞生存度が84%減少した。コントロールサンプルにおいて同一の出力密度で細胞生存度にほとんどまたは全く影響を与えなかったことに留意することが重要である。本明細書中に示した結果は、電気パルスを使用して細胞塊を超音波に感作することができ、これはインビボでの組織塊にも当てはまることを証明する。
上記結果は、培養時に電場に供した細胞集団は低強度超音波に感受性を示すことを証明する。
以下の実施例は、組織塊をインビボで、電場で処置した場合、これらの組織が低強度超音波に感受性を示すことを証明する。これらの実施例は、RIF−1として公知のマウス腫瘍モデル(Twentyman et al.,1980,J.Natl.Cancer Inst.,64 595−604)を使用する。実施例4では、腫瘍細胞をインビトロで処置し、これらの処置された集団を使用して動物を接種する。腫瘍の発達をモニターする。実施例5では、動物に細胞を接種し、発達した腫瘍を、インビボにて電場で処置し、その後超音波で処置する。
インビトロでの腫瘍細胞の電気感作および超音波処置後の腫瘍発達
本実験では、RIF−1細胞を、電場、超音波、またはその組み合わせで処置し、処置された集団の腫瘍成長を誘導する能力を評価する。
5%CO2加湿空気中で、10(v/v)ウシ胎児結成および1%ペニシリン/ストレプトマイシンストック(それぞれ5000u/mlおよび5000μg/ml)を補足したRPMI1640培地中にて標的細胞を成長させる。細胞を密集的な状態(confluence)まで培養し、トリプシン−EDTA(それぞれ0.005%および0.002%(w/v))での処理後に回収する。細胞濃縮物を、リン酸緩衝化生理食塩水で1×106細胞/mlに調整し、0.8mlアリコートを、(i)電場のみ(1kV/cm、1μFでのダブルパルス)、(ii)超音波(3MHzで1.25W/cm2を30秒間)、および(iii)電場およびその直後の超音波での処置によって処置する。コントロール集団は、処置しない同一濃度の細胞からなる。次いで、これらの細胞集団を使用して、8週齢の雄C3Hマウスの背中(rear dorsum)に皮内注射によって0.1mlを接種する。式4/3πr3を使用して、3次元で測定した直径の相乗平均から腫瘍体積を計算する。
実施例4の結果
結果を図22に示し、これらは、超音波は細胞が腫瘍成長を誘導する能力にほとんど、または全く影響を与えないが、電気感作はこれに関して有意に影響を与えることを証明する。後者の効果は、例えば、Mir et al.,1991,Eur J.Cancer,27,68−72で示されている。
しかし、最も顕著には、電場と超音波との組み合わせを受けた細胞由来の腫瘍は、17日目まで腫瘍が生じない。この結果は、組み合わせ処置は腫瘍形成の誘導に最も劇的な影響を与えることを証明し、処置間の相乗効果がさらに示唆される。
インビボでの電気感作腫瘍細胞に対する連続波の超音波およびパルス波の超音波の効果
この一連の実験では、動物で腫瘍を誘導し、これらを、電場、超音波(連続波とパルス波の両方)、ならびに電場およびその後の超音波との組み合わせ治療を使用したインビボ治療の効果を決定するための標的として使用する。
この目的を達成するために、上記のように、動物にRIF−1腫瘍細胞を接種する。腫瘍の平均体積が50mm3に達した時、これらを未処置(コントロール)、電場での処置(設定電圧=1.66kV/cmおよび送達電圧=1.33kV/cm(ツイーザー電極、7mm)を備えるBTX630システムを使用))、3MHzおよび0.7W/cm2の連続波を放出する超音波での処置、3MHzおよび1.8W/cm2のパルス波を放出する超音波での処置(負荷サイクル35%)、および電場とその直後のそれぞれの形態の超音波との組み合わせでの処置を行う。腫瘍体積の測定によって腫瘍成長をモニターし、これを上記のように決定する。
実施例5の結果
結果を図23に示す。これらは、パルス波の超音波処置のみでは腫瘍成長に影響を与えないことを証明する。電場処置のみおよび連続波の超音波のみは共に腫瘍成長に僅かに影響を与えるようである。特に、電場と各超音波型との組み合わせ処置は、腫瘍発達に最も高い阻害を示す。
超音波と組み合わせた電場で処置した腫瘍では、パルス波の超音波で処置した腫瘍は最も高い反応を示すが、連続波の超音波との組み合わせ処置後の成長に対して負の効果も顕著である。しかし、細胞に送達した全エネルギーに関して、パルス波の超音波は連続波よりも僅かに有効なようであることを留意すべきである(パルス波の超音波について78J/cm2に対して連続波の超音波について84J/cm2)。
これらの結果は、インビボにて電気パルスで処置した腫瘍は比較的低い強度の超音波に感受性を示すことを証明する。
方形波電気パルスを使用したインビボでの超音波への腫瘍細胞の感作
本実施例は、高密度且つ短期間の方形波電気パルスのインビボで超音波に腫瘍細胞を感作する能力を証明する。
上記では、一連の実験は、インビボでの腫瘍の曝露により比較的低強度の超音波に感作されることを示す。これらの実験では、電場を組織に送達させる様式には、高強度で短時間の指数関数的な電気パルスおよび低強度で長期間の直流が含まれる。
短期間で高強度の方形波パルスを使用する条件を使用して腫瘍組織の超音波への高感作を促進することができるかどうかを決定するために、短期間で高強度の方形波パルスを使用した条件で腫瘍を処置し、超音波への感受性を決定した。この目的を達成するために、一連の腫瘍を動物(n=4/群)中に確立し、3つの動物群を、100μsの期間で1Hzの周波数で送達させた1.25kV/cm2の電場強度からなる8回の方形波パルスで処置する。次いで、その直後に、これらの群のうちの1つに、3.57W/cm2で1MHzのパルス波の超音波(35%連続波)で2分間の処置に供する。別の群を、電場送達から24時間後に超音波に供し、第3の群は超音波に供さない。さらに、本実験で超音波のみで処置した群である未処置コントロール動物群を使用する。前述のように、腫瘍成長をモニターする。
実施例6の結果
これらの実験から得られた結果を図24に示す。これらは、予想されるように電場のみでの処置で腫瘍成長に有意な影響を与えることを証明する(Mir et al.,.,Eur J.Cancer,22,1991,68−72)。腫瘍を電場およびその直後に超音波で処置した場合、腫瘍成長の有意な減少が認められるが、これは指数波またはDC処置を使用して認められる効果ほど劇的ではない。電場処置の24時間後に超音波で腫瘍を処置した場合、腫瘍成長遅延に対する有意な効果は認められない。これらの結果により、電場条件(短期間且つ高強度の方形波パルス)はインビボでの超音波に対する腫瘍の感作において指数波またはDCのいずれかほど有効でないことが示唆される。
しかし、高強度指数波処理を使用した本発明者らの研究において、パルス送達時に認められた時定数の範囲は300〜400m秒であるが、本発明で使用した方形波パルスの範囲は100μ秒であることを留意する価値がある。これに関して、上記と類似しているが、方形波パルスの持続時間がμ秒範囲からm秒の範囲に増加した実験は、腫瘍成長の減少により劇的な応答を示す。
インビボでの電気感作腫瘍細胞に対する高強度連続波およびパルス波の超音波の効果
実施例5に記載のように、動物にRIF−1腫瘍細胞を接種し、腫瘍を処置し、腫瘍成長をモニターする。処置は、電場(1.33kV/cm)、3MHzで1.25W/cm2にて2分間の連続波放出の超音波、3MHzで2.5W/cm2にて2分間のパルス波放出の超音波(35%連続波)、および電場とその直後の各形態の超音波との組み合わせを含む。上記のように、未処置細胞をコントロールとして使用する。
実施例7の結果
結果を図25に示し、これらは、電気感作細胞のパルス波の超音波処置および連続波処置は共に腫瘍成長の遅延に有効であることを証明する。前述同様に、パルス波処置は連続波処置よりも有効なようであるが、細胞に送達された全エネルギーは、パルス波の超音波で105 J/cm2に対し、連続波の超音波で150 J/cm2である。
これらの結果は、インビボで、電気パルスで処置した腫瘍はより高い強度の超音波に感受性を示すことを証明する。
電気感作事象後種々の時間における超音波での電気感作腫瘍の処置
前の実施例では、電気感作の直後に超音波処置を行う。腫瘍が電気感作事象後に超音波に感受性を示したままの時間の長さを試験するために、本発明者らは、インビボで腫瘍を電気感作し、これらの腫瘍を電気感作後の種々の時間で、超音波で処置することを決定した。この目的を達成するために、上記のように、レシピエントマウスに腫瘍を接種する。これらの腫瘍を、1.33kV/cmのダブルパルスへの曝露によって電気感作する。次いで、腫瘍を、電気感作から0、0.5、1、2、6、および18時間後に超音波(3.57W/cm2、1MHzにて35%連続波で2分間のパルス波の使用)に曝露する。コントロール動物は未処置のままであるか、電場または超音波処置ののみに曝露する。上記のように、治療後に腫瘍体積をモニターする。
実施例8の結果
この実験から得た結果を図26に示し、これらは、超音波が送達された場合、電気感作後の全ての時間で有意な効果が検出されることを証明する。これらの結果は、電気感作後非常に長期間にわたって、細胞は超音波に電気感作されたままであることを証明する。結果は、細胞焼灼を引き起こすために、超音波は必ずしも電気感作直後に送達されなければならないわけではないことを証明する。
電場および超音波で処置した細胞におけるアポトーシスの誘導
細胞への電場と超音波との組み合わせ曝露により細胞死が誘導される分子機構を試験するために、細胞を、種々の電圧の単一パルスで処置し、これらの細胞に対する超音波の効果を試験する。
処置後に残存する細胞数の試験に加えて、本発明者らは、残存する細胞集団がアポトーシス性または壊死性のいずれであるかどうかを決定する。この目的を達成するために、707細胞を回収し、1.53×106細胞/mlの濃度にPBS中に懸濁する。0.8mlアリコートをエレクトロポレーションキュベット(0.4cm電極ギャップ)に分注し、細胞を1μFの電気容量の単一電気パルスで処置する。キュベットから細胞を回収し、各0.8mlアリコートを遠心分離で洗浄し、ウシ胎児血清を含む2mlの組織培養培地に再懸濁する。各2mlアリコートを、24ウェル組織培養プレートの2mlウェルに分注する。コントロール細胞集団は、電気パルスで処置しないが、2mlウェルに分注する。全サンプルを、1.25W/cm2の出力密度および3MHz超音波ヘッド(単一パルス)で、30秒間超音波で処置する。次いで、細胞を、加湿5%CO2大気下にて37℃で21時間インキュベートする。インキュベーション後、細胞を回収し、アポトーシス性または壊死性の細胞集団を、Annexin−V−FLOUS染色キット(Roche,UK)での染色によって決定する。染色後、細胞をHEPES緩衝液に懸濁し、フローサイトメトリーを使用して分析する。
実施例9の結果
得られた結果を図27に示す。これらは、超音波処置のみにより細胞数が約20%減少することを証明する。電圧が増大するにつれて、組み合わせ処置により細胞数が非常に有意に減少し、これは最終的に750Vを超える電圧で定常状態に達する。
残存集団中の細胞数の試験に加えて、生存集団中のアポトーシス細胞および壊死細胞の両集団を試験する。この結果も図27に示す。これらは、処置後に残存する生存細胞のうちの有意により多数の集団がアポトーシス性であることを証明する。これらの結果により、電気感作細胞の超音波での処置により壊死よりもアポトーシスの発生が促進されることが示唆される。
インビボでの電場と超音波との組み合わせでの処置後の腫瘍のアポトーシスの誘導
前の実施例で示すように、標的細胞集団の電場および超音波での処置によりインビトロでアポトーシスが誘導される。本実施例の目的は、インビボでの電場処置およびその後の超音波での処置の組み合わせによりアポトーシスが誘導されることを証明することである。
上記の目的を達成するために、C3HマウスにRIF−1腫瘍を誘導させ、これらを電気パルスおよびその後の超音波の組み合わせ処置のための標的腫瘍として使用する。コントロール動物には処置しない。電気感作で使用した条件は1.33kV/cmからなるダブルパルスレジメを使用した処置を含み、超音波処置は1MHz、3.57W/cm2で2分間のパルス波の超音波(35%連続波)の使用を含む。処置後、コントロール、未処置動物、および処置を受けた動物由来の腫瘍を、処置から0、6、12、18、および24時間後に回収する。回収後、腫瘍を、4%(w/v)パラホルムアルデヒド中で一晩固定する。次いで、各サンプルについてパラフィンワックス切片を調製し、これらを製造者の説明書にしたがってインサイチュー細胞死検出キットであるTMRレッド(Roche,UK)を使用して染色する。この染色法は、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼニック末端標識(TUNEL)に基づき、蛍光顕微鏡を使用して観察した蛍光染色によってアポトーシスが示される。
実施例10の結果
アポトーシスについて切片を染色した場合、蛍光顕微鏡を使用した試験後に得た結果を図28に示す。コントロールサンプルでは、僅かな陽性染色を示すサンプルは24時間後のサンプルのみであり、これは、切片中に正常細胞が含まれることに起因し得る。全ての他のコントロールサンプルは、アポトーシスのシグナルを得ることができない。処置サンプルでは、処置から12時間後にアポトーシス染色が強力になり、18時間および24時間後にも明白なシグナルが明らかである(図28)。結果は、電場と超音波の組み合わせ処置によりアポトーシスが発生することを明らかに証明する。
インビボでの電場への曝露前の超音波での腫瘍治療の効果
この一連の実験では、実施例5に記載のように、マウスに腫瘍を確立させる。しかし、本実施例では、腫瘍を電場での処置前に超音波で処置する。
本研究では、上記のように、動物にRIF−1腫瘍を接種する。次いで、腫瘍を1.25W/cm2の出力密度を使用した1MHzの連続波および3.57W/cm2のパルス波(35%連続波)送達様式の超音波(2分間)で処置する。次いで、その直後に腫瘍を電場(ツイーザー電極(7mm)を備えたBTX630システムを使用した設定電圧=1.66kV/cmのダブルパルス)で処置する。腫瘍体積の測定によって腫瘍成長をモニターし、これを上記のように決定する。
実施例11の結果
結果を図29に示す。これらは、電場前の超音波での腫瘍処置でも腫瘍成長の阻害効果を有することを証明する。さらに、パルス波の超音波を使用して得られた阻害効果は、連続波の超音波を使用して認められた効果よりもさらに高い。
驚いたことに、結果は、電場処置の前後のいずれに超音波を送達しても腫瘍処置に関して電場と超音波との組み合わせ処置の使用に関連する利点が実現することを示す。
低電圧直流電気治療の効果
上記実施例では比較的強力な電場を使用する。しかし、低電圧/直流(DC)のみでの腫瘍の処置後にも抗腫瘍効果が証明されている(Nordenstrom,Am.J.Clin.Oncol.1989,12,530−536;Wojcicki et al.,Med.Sci.Monit.2000,6,498−502)。本発明者らは、このような低電圧/DCにより腫瘍または他の細胞を比較的低強度の超音波に高感受性を示させることができるかどうかを調査することを決定した。
上記のように、C3HレシピエントマウスにRIF−1腫瘍を確立させる。次いで、各腫瘍の端にニードルを水平方向に挿入し、電極をニードルに接続する。ニードルを通して15分間5mAの定電流を確立し、3.75W/cm2の超音波で3分間直接処置する。処置中、電場強度は10〜20V/cmの範囲であり、治療を進行するにつれて電界強度を増大させる。コントロール動物を、電流のみで処置する。次いで、上記のように、腫瘍体積をモニターする。
実施例12の結果
結果を図30に示し、これらは、電流のみで処置した動物では、試験期間にわたり腫瘍体積が有意に減少することを証明する。これは13日目に最小に達する。これはまた、電流と超音波の両方で処置した動物で起こる。しかし、腫瘍体積が減少する比率は有意に高い。この場合、腫瘍体積は4〜6日以内で最小に達する。
本実験での出発腫瘍サイズは前記の他の研究よりもはるかに大きく、この状況で、ここに認められた腫瘍サイズの減少は非常に劇的であることに留意すべきである。これらの結果は、高電場強度のパルスを使用して比較的低い強度の超音波で腫瘍が電気感作されたにもかかわらず、直流を使用した低電場強度を使用するストラテジーを使用してもこの現象が起こることを証明する。この所見により、特に、巨大な組織領域を感作する必要があり得る場合に、本発明者らの技術の有用性が広がる。
5W/cm2で1MHzの超音波と共に直流を使用した腫瘍の処置
本実施例の実験の目的は、直流電気感作腫瘍に対する強度を増大させた超音波の効果を試験することである。この目的を達成するために、上記のようにレシピエントC3HマウスにRIF−1腫瘍を確立させ、(i)5mAで5分間の直流のみ、(ii)5W/cm2で2分間のパルス超音波のみ(35%連続波)、および(iii)上記列挙の条件を使用した直流+パルス超音波で処置する。前記のように腫瘍体積を測定する。コントロールの成長に加えて、未処置腫瘍もモニターする。
実施例13の結果
結果を図31に示し、これらは、直流での処置により腫瘍体積が減少するが、4〜5日目に再度増大し始めることを証明する。超音波での処置では腫瘍成長に僅かな影響しか与えないが、腫瘍体積の減少が検出された段階はなかった。直流と超音波との組み合わせ処置を受けた動物群では完全な後退が認められ、試験期間内でこれが継続する。結果は、直流と超音波との腫瘍の組み合わせ処置により劇的に腫瘍が後退することを再度証明する。
超音波と併せた直流での腫瘍の処置(6匹の動物)
本実施例に記載のこの一連の実験の目的は、前記実施例(DC処置)の結果を確認することと組み合わせ処置を受けた動物の長期間にわたる運命を試験することである。この場合、各群で6匹の動物を使用し、DC処置と超音波処置は共に実施例13と類似の処置である。処置後、前記のように各群の腫瘍成長を測定する。
実施例14の結果
得られた結果を図32に示す。これらは、動物を電場のみで処置した場合に腫瘍成長の有意な減少が認められることを再度証明する。この場合、処置後に腫瘍塊は根絶するが、全ての動物で4日目以降成長が開始されるようである。
超音波と電場との組み合わせ処置を受けた群では、腫瘍塊は再度根絶する。この動物群を長期間モニターした場合、3匹の動物が約14日目に成長を示し始め、これらの動物を最終的に23日目に屠殺する。27日目に、2匹のさらなる動物が測定可能な成長を示し始め、これを35日目に屠殺する。その後、1匹の残存する動物は完全に回復し、図32に示す期間中罹患しないままである。6匹の動物のうち5匹は、組み合わせ処置後に腫瘍成長を示し、生存した1匹の罹患していない動物の生存は、このアプローチを悪性疾患の処置に使用することができることを証明する。
直流処置の22時間後の腫瘍の超音波処置
前記実験では、電気パルス送達後の長期間の超音波での腫瘍処置により腫瘍成長に関する効果が増大することが証明される。これをDCでの処置に適用するかどうかを決定するために、腫瘍を有する動物を、DC(5mAで5分間)で処置し、22時間静置する。この段階で、組み合わせ処置を受けた動物に、超音波(1MHzで5W/cm2を2分間(35%連続波のパルス))を曝露する。これらの実験では、群あたり4匹の動物を使用し、上記のように治療後に腫瘍成長をモニターする。
実施例15の結果
これらの実験由来の結果を図33に示し、これらにより、腫瘍成長に対するDCの有意な効果が再度確認される。しかし、前述同様に、4日後にこれらの動物で腫瘍が再発し始める。DC処置から22時間後に超音波処置を受けた群では、腫瘍塊は再度完全に根絶する。これらの動物をモニターした場合、1匹の動物で14日後に成長が認められ、この動物を20日目に屠殺する。30日後のこの群の別の動物で成長が認められ、37日目にこれを屠殺する。組み合わせ処置を受けたこの動物群では、4匹のうち2匹の動物で、実験期間を通して発症しないままである。
これらの結果は、超音波と組み合わせたDC処置の腫瘍根絶に関する正の効果を証明する。さらに、結果はまた、DC処置後に残存する腫瘍細胞は、インビボで少なくとも22時間超音波に感受性を示したままであることを証明する。
さらなる態様
本発明のさらなる態様を、以下の節および番号をつけた段落に記載し、本発明はこれらの態様を含むと理解すべきである。
本発明者らは、(a)電場発生手段と、(b)超音波発生手段とを含む、細胞、好ましくは有核細胞またはこのような細胞を含む組織を焼灼するための装置を提供する。
電場発生手段および超音波発生手段の一方または両方は、焼灼すべき細胞または組織の近傍に存在するように位置付けることができるヘッド部分を備え得る。電場発生手段は、非感作細胞よりも超音波による破壊に感受性を示すように、細胞、好ましくは有核細胞を電気感作するための電場エネルギーを発生することができる。好ましくは、電場発生は、インビボ条件下で約1ボルト/cmから約10kボルト/cmまでの電場を発生することができる電場発生器を備える。さらに、超音波発生手段は、好ましくは、電場エネルギーへの曝露によって既に電気感作されている生物中の細胞を選択的に破壊するための超音波エネルギーを発生することができる。さらに、超音波発生手段は、好ましくは、約0.05W/cm2から約100W/cm2までの出力密度レベルの超音波を発生することができる。
本発明者らは、さらに、例えば、生物内の細胞の焼灼に適切なデバイスまたは装置を記載する。
一般に、デバイスは、感作手段が細胞、好ましくは有核細胞を感作することができる感作手段および破壊手段を備える。このような感作細胞は、感作されていない細胞、好ましくは有核細胞と比較してエネルギー源による破壊に感受性を示すようになる。破壊手段は、好ましくは非感作細胞の破壊に不十分な時間の周波数および/またはエネルギーでの感作細胞、好ましくは感作有核細胞の破壊に十分な周波数および/またはエネルギーを発生することができる。従って、デバイスは、電場発生手段および超音波発生手段を備える。
1つの実施形態では、感作手段は電場発生手段を備え、破壊手段は超音波発生手段を備える。この実施形態では、電場発生手段は、好ましくは、エネルギー源によって破壊に感受性を示させる細胞、好ましくは有核細胞を感作することができる電気感作手段を備える。好ましくは、電気感作手段は、非感作細胞よりも超音波による破壊に感受性を示させるように細胞、好ましくは有核細胞を電気感作するための電場エネルギーを発生することができる。好ましくは、電気感作手段は、生物中の細胞、好ましくは有核細胞を超音波エネルギーに電気感作するための電場エネルギーを発生し、電気感作細胞は電気感作細胞の破壊に十分であるが、非電気感作細胞の破壊に不十分な周波数およびエネルギーでの超音波破壊に感受性を示す。
超音波発生手段は、好ましくは、電場エネルギーへの曝露によって既に電気感作されている生物中の細胞を選択的に破壊するための超音波エネルギーを発生することができる。超音波発生器は、より好ましくは、電場エネルギーへの曝露によって既に電気感作されている生物中の細胞を選択的に破壊するための超音波エネルギーを発生し、前記超音波は電気感作細胞の破壊に十分であるが、非感作細胞の破壊に不十分な周波数およびエネルギーで送達される。
電場発生手段は、好ましくは、インビボ条件下で約1ボルト/cmから約10kボルト/cmまでの電場、好ましくはパルスを発生することができる。超音波発生器は、約0.05W/cm2から約100W/cm2までの出力密度レベルの超音波を発生することができる。
装置は、個別のユニット(電場発生器および超音波発生器である)または統合デバイスの形態で提供することができることが認識される。
装置の好ましい実施形態をここに記載する。このようなデバイスは、周囲に取り付けられ、且つ超音波を吸収し、且つ短絡放電から電極を絶縁する材料からなる絶縁リングを使用して超音波送達デバイスから絶縁されている電極アレイ(それぞれ対角線に位置する対向ポールを有する2つまたはそれ以上のニードルアレイであり得る)を備える。デバイスのサイズは、表面病変の処置に適切なデバイスからカテーテル法または腹腔鏡検査法を使用して体内に挿入することができるデバイスまでで変更することができる。
適切な電源またはパワーパックを使用して電気パルスを放電させ、超音波を電気パルス送達の前、間、または後に送達させる。
電極アレイを異なるように構成することができる。例えば、組織に挿入される絶縁微小電極および周辺組織に挿入された超音波ヘッド上に置かれた対向電極アレイからなり得る。種々の電極アレイが当分野で公知であり、例えば、米国特許第5,720,921号、WO99/62592号、WO 98 56893A号、米国特許第6,041,252号、および同第5,873,849号に記載されている。本明細書中に記載のデバイスは、任意の1つまたは複数のこのような電極構成を使用することができる。
電極は、組織に物質、好ましくは液体物質の導入手段を適切に備えることができる。例えば、電極は、注射ニードルを備え得る。このようなニードルを使用して、例えば、腫瘍細胞に細胞死促進薬を投与するか死滅細胞を洗い流すための生理食塩水を投与することができる。
好ましくは、装置を、患者の身体の一部(例えば、器官)への超音波および/または電場の送達に適合させる。従って、超音波発生器および電場発生器のいずれかまたは両方は、焼灼すべき標的付近に位置付けることができるように移動することができるヘッド部分を備え得る。あるいは、標的、適切には内部標的付近に位置付けるためのプローブを得ることができる。例えば、肝臓中の細胞をターゲティングする場合、超音波が実質的に肝臓に送達されるように患者の腹部に超音波プローブを位置付けることができる。ヘッド部分またはプローブを、ケーブルなどの適切な連結部によって他のデバイスに接続することができる。
別の実施形態では、電気感作手段は、既に感作された細胞(例えば、超音波感作細胞)を破壊するための刺激として電場を発生することができる。したがって、この実施形態では、感作手段は超音波発生手段を備え、破壊手段は電場発生手段を備える。したがって、超音波発生手段は、エネルギー源(例えば、電場)などの刺激による破壊に対して細胞、好ましくは有核細胞を感作するための超音波を発生することができる。このような実施形態は、一般に、上記実施形態に記載の電気感作手段および超音波発生手段を備え、特に、図4に示すデバイスと同様に機能することができる。
パラグラフ1.(a)エネルギー源による破壊に感受性を示させるための有核細胞を感作するための電気感作手段と、(b)超音波発生手段とを含む、有核細胞を焼灼するための装置。
パラグラフ2.前記電気感作手段が、非感作細胞よりも超音波による破壊に感受性を示すように有核細胞を電気感作するための電場エネルギーを発生することができる、パラグラフ1に記載の装置。
パラグラフ3.前記電気感作手段が、インビボ条件下で約1ボルト/cmから約10kボルト/cmまでの電場を発生することができる電場発生器を備える、パラグラフ1または2に記載の装置。
パラグラフ4.前記超音波発生手段が、生物中の細胞を選択的に破壊するための超音波エネルギーを発生することができ、前記細胞が電場エネルギーへの曝露によって既に電気感作されている、パラグラフ1、2または3のいずれかに記載の装置。
パラグラフ5.前記超音波発生手段が、約0.05W/cm2から約100W/cm2までの出力密度レベルの超音波を発生することができる、パラグラフ1〜5のいずれかに記載の装置。
パラグラフ6.(a)電場発生手段と、(b)超音波発生手段とを含む有核細胞または有核細胞を含む組織を焼灼するための装置。
パラグラフ7.電場発生手段および超音波発生手段の1つまたは両方が、焼灼すべき細胞または組織の近傍に位置付けることができるヘッド部分を備える、パラグラフ6に記載の装置。
パラグラフ8.前記電場発生手段が非感作細胞よりも超音波による破壊に感受性を示すように有核細胞を電気感作するための電場エネルギーを発生することができる、パラグラフ6または7に記載の装置。
パラグラフ9.前記電場発生手段が、インビボ条件下で約1ボルト/cmから約10kボルト/cmまでの電場を発生することができる電場発生器を備える、パラグラフ6〜8のいずれかに記載の装置。
パラグラフ10.前記超音波発生手段が、生物中の細胞を選択的に破壊するための超音波エネルギーを発生することができ、前記細胞が電場エネルギーへの曝露によって既に電気感作されている、パラグラフ6〜9のいずれかに記載の装置。
パラグラフ11.前記超音波発生手段が約0.05W/cm2から約100W/cm2までの出力密度レベルの超音波を発生することができる、パラグラフ6〜10のいずれかに記載の装置。
上記の各出願および特許ならびに上記の各出願および特許で引用または参照される各文献(上記の各出願および特許の遂行中を含む)(「出願引用文献」)、ならびに上記の各出願および特許ならびに任意の出願引用文献で引用または記載されている任意の製品の任意の製造者の説明書またはカタログは引用することにより本明細書の一部をなすものとする。さらに、本明細書中で引用された全ての文献、本明細書中で引用された文献で引用または参照された全ての文献、ならびに本明細書中で引用または参照された任意の製品の任意の製造者の説明書またはカタログは、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
本発明の記載の方法およびシステムの種々の修正形態および変形形態は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者に明らかである。本発明は、特定の好ましい実施形態に関して記載されているが、特許請求の範囲に記載の発明がこのような特定の実施形態に過度に制限されないと理解すべきである。実際、分子生物学または関連分野の当業者に自明の記載の発明の実施の形態の種々の修正形態は、特許請求の範囲内であることが意図される。
本発明の1つの態様による腫瘍治療デバイスの実施形態の概略図である。 本発明の1つの態様による腫瘍治療デバイスの別の実施形態の概略図である。 腫瘍治療デバイスで使用するための電場送達コンポーネント(EFD)の概略図である。 一方の方向で使用した場合の図2Aに記載のEFDの概略図である。 別の方向で使用した場合の図2Aに記載のEFDの概略図である。 腫瘍治療デバイスで使用するための別のEFDの概略的な斜視図である。 図3Aに記載のEFDの概略的な平面図である。 腫瘍治療デバイスでの使用するための別のEFDの概略的な斜視図である。 図4Aに記載のEFDの概略的な平面図である。 腫瘍治療デバイスで使用するための別のEFDの概略的な斜視図である。 図5Aに記載のEFDの概略的な平面図である。 腫瘍治療デバイスで使用するための別のEFDの概略的な斜視図である。 図6Aに記載のEFDの概略的な平面図である。 腫瘍治療デバイスで使用するための別のEFDの概略的な斜視図である。 図7Aに記載のEFDの概略的な平面図である。 重要組織との電気的接触を回避するように配置された腫瘍治療デバイスで使用するためのEFDの一部の概略的な側面図である。 重要組織との電気的接触を回避するように配置された腫瘍治療デバイスで使用するための別のEFDの一部の概略的な側面図である。 外科的に埋め込まれた接点電極に電場信号が供給されるように配置された腫瘍治療デバイスで使用するためのEFDの一部の概略的な側面図である。 導体パッドの導電部を備える腫瘍治療デバイスで使用するためのEFDの一部の概略的な平面図である。 図10Aに記載のEFDの一部の概略的な側面図である。 導体パッド上の接点電極の構成を示す概略的な平面図である。 導体パッド上の別の接点電極の構成を示す概略的な平面図である。 導体パッド上の別の接点電極の構成を示す概略的な平面図である。 接点電極としてニードルおよび導体パッドの導電部の両方を備える腫瘍治療デバイスで使用するためのEFDの概略的な側面図である。 媒介ゲル(mediating gel)によって組織塊に接続された腫瘍治療デバイスで使用するための超音波送達コンポーネント(USD)の概略的な側面図である。 接着パッドによって組織塊に接続された腫瘍治療デバイスで使用するためのUSDの概略的な側面図である。 組織を変形させて超音波集束を容易にするための低圧接触管によって組織塊に接続された腫瘍治療デバイスで使用するためのUSDの概略的な側面図である。 三方向超音波振動子を備える腫瘍治療デバイスで使用するためのUSDの下部の概略図である。 診断用超音波送達およびスキャニングコンポーネント(DDS)と組み合わせたUSDの概略図である。 操作中のEFDおよびUSDを備える組み合わせ送達ヘッドの概略図である。 操作中のEFD、USD、およびDDSを備える組み合わせ送達ヘッドの概略図である。 図19〜図33は、電場と超音波との組み合わせが細胞を破壊することができることを示す図である。図19は、懸濁液中のコントロール(黒三角)および電気感作(黒四角)707細胞に対する超音波の効果を示すグラフである。細胞を1μFで3.625kV/cmの電気パルスでの処理によって電気感作し、細胞生存度を超音波処理直後に決定する。 コントロール細胞(黒四角)、1μFで1.875kV/cmにて電気感作した細胞(黒三角)、および2.5kV/cmで電気感作した細胞(黒逆三角)に対する超音波の効果を示すグラフである。細胞生存度を、超音波への曝露から1時間後に決定する。 アルギン酸カルシウムマトリクスに固定したコントロール細胞および電気感作細胞に対する超音波の効果を示す棒グラフである。 電場(黒三角)、超音波(白四角)、および超音波と組み合わせた電場(黒丸)でのRIF−1細胞系の処置後のC3Hマウスにおける腫瘍の誘導試験のグラフである。コントロール集団(黒四角)は、処置していない細胞からなる。x軸は測定期間(日)を示し、y軸は腫瘍の測定体積(mm3)を示す。 電場(黒三角)、パルス波の超音波(白四角)、連続波の超音波(黒丸)、電場+連続波の超音波(黒逆三角)、および電場+パルス波の超音波(白丸)によるマウスのインサイチューでのRIF−1腫瘍の処置を示す図である。連続波の超音波を0.7W/cm2、3MHzで2分間送達させ、パルス波の超音波を35%の設定で1.8〜1.9W/cm2、3MHzで2分間送達させる。1.333kV/cmで電場を送達させる。コントロール腫瘍(黒四角)は処置しない。x軸は測定期間(日)を示し、y軸は腫瘍の測定体積(mm3)を示す。エラーバーは、+/−SEM(平均標準誤差)を示す。 腫瘍を直流(DC)で感作し、その後超音波で処置した実験の長期モニタリングを示すグラフである。各群が6匹の動物からなる群を使用し、腫瘍を、超音波のみ(黒丸)、DCのみ(黒三角)、およびDC+超音波(黒菱形)で処置する。コントロール動物(黒四角)は未処置である。「Ter」と共に挿入した太字の矢印は、実験からの動物の除去を示す。エラーバーは、+/−SEM(平均標準誤差)を示す。 電場(黒三角)、パルス波の超音波(白四角)、連続波の超音波(黒丸)、電場+連続波の超音波(黒逆三角)、および電場+パルス波の超音波(白丸)でのマウスのインサイチューでのRIF−1腫瘍の処置を示す図である。連続波の超音波を1.25W/cm2、3MHzで2分間送達させ、パルス波の超音波を35%の設定で2.5W/cm2、3MHzで2分間送達させる。1.33kV/cmで電場を送達させる。コントロール腫瘍(黒四角)は処置しない。x軸は測定期間(日)を示し、y軸は腫瘍の測定体積(mm3)を示す。エラーバーは、+/−SEM(平均標準誤差)を示す。 電気感作から0時間後(黒三角)、0.5時間後(黒丸)、1時間後(黒菱形)、2時間(黒逆三角)、6時間後(白四角)、および18時間後(*)の超音波での電気感作腫瘍処置の結果を示すグラフである。コントロール集団は、未処置(黒四角)または電気パルスのみ(×)、または超音波(白丸)のみでの処置からなっていた。これらの実験では、エラーバーは±SEM(n=3)を示す。 707細胞に対する漸増電場強度(単一パルス)と3MHz超音波ヘッドを使用した1.25W/cm2で30分間の超音波との組み合わせ処置の効果を示す図である。血球計算板を使用して細胞濃度(黒四角)を決定し、Annexin V−FLUOSおよびヨウ化プロピジウムでの染色およびその後のフローサイトメトリーを使用した分析によって、各集団中のアポトーシス細胞(黒丸)および壊死細胞(黒三角)集団を決定する。データは、3つの実験の平均値±SEMを反映する。 電場および超音波での処理後のインビボでのアポトーシスの誘導を示す図である。アポトーシスについてコントロール(列C)および処置動物(列T)由来の切片を染色する。0、6、12、18、および24時間後に採取した切片由来のパネルを、各列中に降順で示す。図の下のパネルは、染色前の切片のDNアーゼI処理によって得られたポジティブコントロールを示す。 電場前の超音波での腫瘍の処置の効果を示す図である。実験で使用した動物群は、未処置コントロール(黒四角)、電気感作(黒三角)、パルス波を使用した超音波(黒菱形)、連続波を使用した超音波(黒丸)、パルス波の超音波およびその後の電場(×)、および連続波の超音波およびその後の電場(黒逆三角)からなる。各群では、n=4であり、エラーバーは+SEMを示す。 腫瘍体積に対する直流(黒四角)および直流と超音波の組み合わせ(黒丸)の効果を示す図である。 超音波(黒丸)、直流(黒三角)、および直流と超音波との組み合わせ(黒菱形)でのRIF−1腫瘍処置の効果を示す図である。コントロール動物は、未処置である(黒四角)。エラーバーは、±SEM(n=2)を示す。 直流(DC)での感作から22時間後の超音波での腫瘍処置の結果を示すグラフである。各群は4匹の動物からなり、群を、直流のみ(黒逆三角)、超音波のみ(黒丸)、および直流およびその22時間後の超音波(黒菱形)で処置する。コントロール動物(黒四角)は未処置である。「Ter」と共に挿入した太字の矢印は、実験からの動物の除去を示す。エラーバーは、+/−SEM(平均標準誤差)を示す。 高強度短期間方形波電気パルスを使用した、超音波への腫瘍の感作を示すグラフである。各群は4匹の動物からなり、各群を、電気パルスのみ(黒丸)、超音波のみ(黒三角)、電場処置およびその24時間後の超音波での処置(黒逆三角)、および電場処置およびその直後の超音波での処置(黒菱形)で処置する。コントロール動物(黒四角)は未処置である。エラーバーは、+/−SEM(平均標準誤差)を示す。

Claims (34)

  1. (a)電場信号発生用の電場信号発生回路と、
    (b)該電場信号を受信するように接続されており、治療部位に電場を送達するように操作可能な電場送達コンポーネントと、
    (c)超音波信号発生用の超音波信号発生回路と、
    (d)超音波信号を受信するように接続されており、治療部位に超音波を送達するように操作可能な超音波送達コンポーネントと、
    (e)治療部位の細胞を焼灼するために、前記電場信号発生回路と前記超音波信号発生回路とを制御するように操作可能なコントローラと
    を備える、細胞焼灼装置。
  2. 前記電場が前記治療部位の細胞を感作するように操作可能である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記超音波が前記治療部位の感作された細胞を焼灼するように操作可能である、請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記電場送達コンポーネントおよび前記超音波送達コンポーネントが共通の送達ヘッドに格納されている、請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記コントローラが、前記治療部位への超音波の前に電場を提供するように操作可能である、請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記コントローラが、前記治療部位に電場および超音波を同時に提供するように操作可能である、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記電場送達コンポーネントが電気接点を備える、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
  8. 前記電場送達コンポーネントが、正多角形、好ましくは正三角形、正四角形、正五角形、正六角形、または正七角形の頂点に位置する複数の電気接点を備える、請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記多角形の周囲内に配置された1つまたは複数の接点電極をさらに備える、請求項8に記載の装置。
  10. 前記電場送達コンポーネントが、グリッド中に配置された複数の接点電極を備える、請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
  11. 前記接点電極または各接点電極がニードルを備える、請求項7〜10のいずれかに記載の装置。
  12. 前記ニードルまたは各ニードルが中空である、請求項11に記載の装置。
  13. 前記装置が、前記中空ニードルを介して細胞周辺へ細胞死促進薬を送達させるように操作可能である、請求項12に記載の装置。
  14. 前記装置が、前記細胞死促進薬を含むリザーバと、前記中空ニードルによって細胞周辺に前記細胞死促進薬を運搬するための手段とをさらに含む、請求項13に記載の装置。
  15. 前記ニードルまたは各ニードルが、好ましくは延長可能な絶縁スリーブ手段によって少なくともその延長部分に沿って電気的に絶縁されている、請求項11〜14のいずれかに記載の装置。
  16. 前記電場送達コンポーネントが、導体パッドの導電部を含む電気接点を備える、請求項1〜15のいずれかに記載の装置。
  17. 前記導体パッドの導電部が、印刷回路技術を使用して形成されている、請求項15に記載の装置。
  18. 前記装置が、複数の電気接点に複数の電場信号を接続するように操作可能である、請求項7に記載の装置。
  19. 前記装置が1V/cmと10kV/cmとの間の電場を治療部位に送達するように操作可能である、請求項1〜18のいずれかに記載の装置。
  20. 前記治療部位の超音波画像が得られるように操作可能な診断用超音波コンポーネントをさらに備える、請求項1〜19のいずれかに記載の装置。
  21. 前記超音波送達コンポーネントが超音波振動子を備える、請求項1〜20のいずれかに記載の装置。
  22. 前記装置が複数の超音波振動子を複数の超音波信号に接続するように操作可能である、請求項21に記載の装置。
  23. 前記超音波信号発生回路が、0.1W/cm2と7W/cm2との間の平均出力密度の超音波を前記治療部位に送達させるように操作可能である、請求項1〜22のいずれかに記載の装置。
  24. 前記超音波送達コンポーネントが、組織表面を変形させるように配置した接触圧力弁を介して組織表面に接続される、請求項1〜23のいずれかに記載の装置。
  25. 前記治療部位に超音波を集束するように前記組織表面を変形させる、請求項24に記載の装置。
  26. 細胞または組織の焼灼方法における請求項1〜25のいずれかに記載の装置の使用。
  27. コントローラの制御下で電場信号および超音波信号を発生するように操作可能な装置を得る工程と、
    前記装置の電場送達コンポーネントにより電場を治療部位の細胞に送達させるための電場信号を発生させる工程と、
    前記装置の超音波送達コンポーネントにより超音波を前記細胞に送達させるための超音波信号を発生させる工程と
    含む、細胞の焼灼方法。
  28. 前記装置が、電場信号発生用の電場信号発生回路および超音波信号発生用の超音波信号発生回路を備える、請求項26に記載の方法。
  29. 1つまたは複数の電気接点を備える電場送達コンポーネントであって、該電気接点が1つまたは複数の中空ニードルまたはピンを備える電場送達コンポーネント。
  30. 前記中空ニードルがグリッド中に配置されるか、前記中空ニードルが正多角形、好ましくは正三角形、正四角形、正五角形、正六角形、または正七角形の頂点に存在し、任意選択的に前記多角形の周囲内に配置した1つまたは複数の中空ニードルをさらに備える、請求項29に記載の電場送達コンポーネント。
  31. 図1Aおよび図1Bを参照して実質的に記載された細胞焼灼装置。
  32. 図3〜9を参照して実質的に記載された電場送達コンポーネント。
  33. 図10および11を参照して実質的に記載された電場送達コンポーネント。
  34. 図12、図13〜16または図17および18を参照して実質的に記載された装置。
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