JP2002278674A - リサイクル性の高いキートップ付キーパッドおよびその分離方法 - Google Patents

リサイクル性の高いキートップ付キーパッドおよびその分離方法

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JP2002278674A JP2001081639A JP2001081639A JP2002278674A JP 2002278674 A JP2002278674 A JP 2002278674A JP 2001081639 A JP2001081639 A JP 2001081639A JP 2001081639 A JP2001081639 A JP 2001081639A JP 2002278674 A JP2002278674 A JP 2002278674A
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Kengo Nishi
謙悟 西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易にリサイクルが可能となるキートッ
プ付キーパッド及びそのキートップ付キーパッドから容
易にキートップとキーパッドを分離する方法の提供。 【解決手段】 熱可塑性エラストマーからなるキーパッ
ドと、キーパッドとは別体に成形された熱可塑性樹脂か
らなるキートップとを、有機溶剤に膨潤する反応硬化性
樹脂からなる接着剤にて接着したキートップ付キーパッ
ド、及び有機溶剤で接着剤を膨潤させて、キーパッドと
キートップを分離する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、携帯情
報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコンおよ
び各種キーボードなどに使用されるキートップ付キーパ
ッドおよびそのキートップ付キーパッドからキートップ
とキーパッドを分離する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ここ数年、携帯電話等の端末の需要は急
激に拡大し、それとともに押釦スイッチのデザインバリ
エーションが多くなってきたが、特許第2627692
号公報に記載されているように、キートップとキーパッ
ドとが別体に成形され、これらを接着剤で貼り合わせた
押釦スイッチ用のキートップ付キーパッドが、機能的に
もデザイン的にも優れることから主流となりつつある。
そして、このキートップ付キーパッドを構成するキーパ
ッドには、耐寒性、耐熱性、耐候性、精密成形性、電気
絶縁性が優れるシリコーンゴムが主に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ーンゴムは架橋された高分子であり容易にリサイクルが
できないため、近年、地球環境がますます重要視される
時代にあって、リサイクルし難いという点は大きな問題
点となりつつある。
【0004】一方、シリコーンゴムの代わりに熱可塑性
エラストマーをキーパッド用材料として用いれば、リサ
イクルの点においては極めて有効である。しかし熱可塑
性エラストマーからなるキーパッドも別体に成形された
キートップと結合したままリサイクルしたのではリサイ
クル品の品質低下を起こすため、これらを分離分別する
必要があった。
【0005】このような観点から、容易にリサイクルが
可能となるキートップ付キーパッドが求められている。
また、そのキートップ付キーパッドから容易にキートッ
プとキーパッドを分離する方法が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたものであり、リサイクルを
可能にしたキートップ付キーパッドを提供することを目
的とする。
【0007】本発明はまた、このキートップ付キーパッ
ドをリサイクルするために、キートップ付キーパッドを
構成する各部材を容易に分離分別することができる分離
方法を提供することを目的とする。
【0008】すなわち、本発明は、熱可塑性エラストマ
ーからなるキーパッドと、キーパッドとは別体に成形さ
れた熱可塑性樹脂からなるキートップとを、有機溶剤に
膨潤する反応硬化性樹脂からなる接着剤にて接着したキ
ートップ付キーパッドである。このキートップ付キーパ
ッドによれば、キートップとキーパッドを接着する接着
剤が有機溶剤によって膨潤するため、接着剤部分の体積
が増大し、接着界面に多大な応力がかかることから容易
にキートップとキーパッドが分離する。そして、キート
ップもキーパッドも熱可塑性の材料からできているため
リサイクルが可能である。また、炭素数が10を超えな
いアルコール系有機溶剤に膨潤する反応硬化性樹脂から
なる接着剤を用いていれば、キートップ及びキーパッド
を溶解させることなくキートップとキーパッドを分離す
ることができ、キートップとキーパッドの分別が容易で
ある。
【0009】特に、キーパッドがスチレン系熱可塑性エ
ラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、及びウ
レタン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択され
る少なくとも一つの熱可塑性エラストマーからなり、キ
ートップがポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂、及びアクリロニトリルブタジエンスチ
レン系樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの
熱可塑性樹脂からなり、接着剤がウレタン系樹脂、エポ
キシ系樹脂、アミノ系樹脂、アクリル系樹脂、及び架橋
性シアノアクリレート系樹脂からなる群から選択される
少なくとも一つの反応硬化性樹脂からなるキートップ付
キーパッドであれば、リサイクル性に優れる他、デザイ
ン的にバリエーションにも優れ、生産性、作業性も高
い。
【0010】また、本発明が提供する方法は、熱可塑性
エラストマーからなるキーパッドと、キーパッドとは別
体に成形された熱可塑性樹脂からなるキートップとを、
有機溶剤に膨潤する反応硬化性樹脂からなる接着剤にて
接着したキートップ付キーパッドに対して、有機溶剤で
前記接着剤を膨潤させて、前記キーパッドと前記キート
ップを分離するキートップ付キーパッドの分離方法であ
る。この分離方法によれば、キートップとキーパッドを
接着する接着剤が有機溶剤によって膨潤するため、接着
剤部分の体積が増大し、接着界面に多大な応力がかかる
ことから容易にキートップとキーパッドの分離ができ、
それらを別個にリサイクルすることが可能となる。
【0011】さらに、キートップ、キーパッド及び接着
剤を分離する本発明が提供する分離方法によれば、リサ
イクル後の原料に含まれる不純物を少なくすることが可
能となり高品質のリサイクルが可能となる。特に有機溶
剤に炭素数が10を超えないアルコール系有機溶剤を用
いていれば、キートップ及びキーパッド部分は、このア
ルコール系有機溶剤に溶解しないためキートップとキー
パッドの分離分別が容易である。
【0012】
【発明の実施の形態】1.キーパッドの説明: 本発明
に用いられるキーパッドは熱可塑性エラストマーからな
るものである。熱可塑性エラストマーとしては、ゴム状
弾性を有すればよく、例えば、スチレン系、エステル
系、ウレタン系、オレフィン系、アミド系、ブタジエン
系、エチレン−酢酸ビニル系、塩化ビニル系、フッ素ゴ
ム系、イソプレン系、塩素化ポリエチレン系等の熱可塑
性エラストマーが挙げられる。なお、本発明においてキ
ーパッドに用いられる熱可塑性エラストマーには、熱可
塑性エラストマーの製造段階で含まれる添加剤等の他、
キーパッドに加工する工程によって含まれる種々の添加
剤等が含有されていてもよいものとする。
【0013】熱可塑性エラストマーに透光性のものを用
いれば、キートップ付キーパッドの裏面側(キーパッド
側)より光を当てて、キートップに形成された図柄を照
光させることができるし、接着剤に光硬化性樹脂を用い
ていれば簡単に硬化接着できるから生産性を上げる点で
も好ましい。光硬化性樹脂からなる接着剤を硬化させる
場合は、キーパッドの少なくとも光反応硬化性樹脂が塗
布されている部位が、光反応硬化性樹脂が硬化する20
0nm〜780nmの範囲の波長の光を透過する程度の
透光性を有する必要がある。
【0014】透光性の熱可塑性エラストマーとしては、
紫外光から可視光の領域の光を透過すればよく、例え
ば、スチレン系、エステル系、ウレタン系等の熱可塑性
エラストマーが挙げられる。
【0015】キーパッドには種々の装飾を施すことがで
きる。例えば着色したり、文字・数字・記号・絵柄等を
形成した図柄を施すことができる。また、透光性の材料
からなるキーパッドに遮光部を設けて文字・数字・記号
・絵柄等をくり抜いた図柄などが形成されていてもかま
わない。
【0016】本発明で用いられるキーパッドは、金型よ
り成形して製造することができる。例えば、射出成形、
圧縮成形、トランスファー成形等によって加熱溶融させ
た熱可塑性エラストマーを、所望のキーパッドの形状の
金型に充填し固化させてキーパッドを得ることができ
る。
【0017】2.キートップの説明: 本発明に用いら
れるキートップは熱可塑性樹脂からなる。この熱可塑性
樹脂の組成や種類について特に制限はなく、例えば、ポ
リカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、
ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系共重合樹脂、ポリ
オレフィン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレ
ン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン系樹脂等の
樹脂、又はスチレン系、エステル系、ウレタン系、オレ
フィン系、アミド系、ブタジエン系、エチレン−酢酸ビ
ニル系、塩化ビニル系、フッ素ゴム系、イソプレン系、
塩素化ポリエチレン系等の熱可塑性エラストマーが挙げ
られる。また、熱可塑性樹脂の弾性率、色調についても
特に制限はないが、リサイクル性の高い熱可塑性樹脂が
好ましい。また、本発明においてキートップに用いられ
る熱可塑性樹脂には、熱可塑性樹脂の製造段階で含まれ
る添加剤等の他、キートップに加工する工程によって含
まれる種々の添加剤等が含有されていてもよいものとす
る。
【0018】キートップは、各々のキーに関する情報を
表示している部分であると共に、製品の表面に位置しデ
ザイン的にも重要視される部分であるため、キートップ
の表面又は裏面に種々の装飾が施されていても良い。例
えば、キートップに着色したり、文字・数字・記号・絵
柄等を形成した図柄を施すことができる。また、遮光部
を設けて文字・数字・記号・絵柄等をくり抜いた図柄が
形成されていても良い。さらに、コーティング層を設け
てもよい。また、キートップの表面およびキーパッドと
の接着面の形状は平坦であるものが一般的ではあるが、
被接着体との位置決め用の凹凸が成形されていても良い
し、軽量化、あるいは成型性の向上のため薄肉化、空洞
化されていてもよく、その形状は問わない。また、キー
トップの表面及び接着面がメッキ、蒸着、スパッタリン
グ等によって加飾されていてもよい。このように、種々
の機能、デザイン等を付加する点から、キートップは複
数の部品で構成されていてもよいが、このような場合は
少なくとも基材部分が熱可塑性樹脂であることが必要で
ある。
【0019】キートップ部を照光させる場合や、キート
ップ裏面に形成した図柄をキートップを通して視認でき
るような特徴を持たせる場合、さらにはその図柄を照光
させる場合のように照光式とする場合には、キートップ
の材質は透光性とする必要がある。なお、透光性には、
半透光性も含むものとする。ポリカーボネート樹脂、ポ
リメチルメタクリレート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リアクリル系共重合樹脂、透光性のアクリロニトリルブ
タジエンスチレン等は透光性でありデザイン的に特に自
由度が高い点で好ましい。接着剤に光硬化性樹脂を用い
る場合に、キートップ付キーパッドの表側(キートップ
側)より光を照射してもよく、その場合はキートップの
少なくとも光反応硬化性樹脂が塗布されている部位が、
光反応硬化性樹脂が硬化する200nm〜780nmの
範囲の波長の光を透過する程度の透光性である必要があ
る。
【0020】本発明で用いられるキートップは、金型成
形あるいは切削加工により成形し製造することができ
る。例えば、射出成形、圧縮成形、トランスファー成
形、回転成形などによって加熱溶融させた樹脂あるいは
液状の未硬化樹脂を所望のキートップの形状の金型に充
填し、固化させて製造することができる。切削加工の場
合の切削方法には特に制限はない。
【0021】3.接着剤: キートップとキーパッドを
接着する本発明で用いられる接着剤には、反応硬化性樹
脂が使用される。反応硬化性樹脂としては、架橋性であ
って、有機溶剤に膨潤するものであればよい。架橋性が
必要であることから、三次元網目構造をとらない熱可塑
性樹脂は含まれない。また、有機溶剤に膨潤することが
必要であるが、重量増加率で2wt%以上の膨潤を起こ
すことが好ましいと考えられる。膨潤による2wt%以
上という重量増加は、後述する本発明の実施例を通じて
経験的に得られた分離可能な"膨潤"の程度を示す一つの
目安であるが、キートップと接着剤とキーパットは、そ
れぞれ種々な材料を選択的に利用することができるた
め、組み合わせによっては、重量増加が2wt%未満で
あっても分離可能な"膨潤"を示す接着剤もあるのではな
いかと考えられる。つまり、本発明でいう"膨潤"は、接
着剤が有機溶剤を含んで、接着剤の体積が増大し、接着
界面に応力が加わることで、人手、機械的な手段、ある
いは放置の少なくともいずれかによって、キートップと
キーパッドを容易に分離分別できるような接着剤の状態
を意味するものである。
【0022】接着剤に反応硬化性樹脂を用いる理由は、
反応して三次元網目構造を形成する架橋性であることが
必要だからである。熱可塑性樹脂は架橋が行なわれない
ため、三次元網目構造を形成せず、有機溶剤に溶解する
おそれがあるため適当ではない。熱可塑性樹脂の接着剤
を溶解させる有機溶剤はキートップやキーパッドをも溶
解してしまいやすく、それらと熱可塑性樹脂の接着剤と
が混ざってしまうため、分離が困難となることが予想さ
れる。一方、接着剤が反応硬化性樹脂ならば架橋による
三次元網目構造を有するため、有機溶剤に膨潤すること
はあっても溶解することはない。従って、仮に有機溶剤
によりキートップ又はキーパッドが溶解しても、反応硬
化性樹脂からなる接着剤と混ざることがなく、分離する
ことができる。
【0023】接着剤が有機溶剤に膨潤することによっ
て、キートップとキーパッドが分離する機構は定かでは
ないが、膨潤することによって反応硬化性樹脂の体積が
膨張し、接着界面に応力がかかること、界面に有機溶剤
が浸透していくことによって、接着力を構成する分子間
力結合や水素結合が崩れてしまうこと、などがその理由
として考えられる。
【0024】本発明において接着剤として用いられる反
応硬化性樹脂における『反応』に制限はなく、光反応で
あっても、熱反応であってもよく、例えば、ラジカル重
合系反応、カチオン重合系反応、アニオン重合系反応、
付加反応、縮合反応などが挙げられる。反応硬化性樹脂
としては、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、
アミノ系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタンアクリレー
ト系、ポリエステルアクリレート系、若しくはエポキシ
アクリレート系等のアクリル系樹脂、又は架橋性シアノ
アクリレート系樹脂等が挙げられる。本発明に用いられ
る接着剤となる反応硬化性樹脂には、反応硬化性樹脂の
製造段階で含まれる添加剤等を含有していてもよいもの
とし、本発明で用いられる接着剤には、反応性希釈剤が
添加されていてもよく、充填剤、酸化劣化防止剤、消泡
剤等が含まれていてもよい。
【0025】これらの反応硬化性樹脂は、熱硬化型、光
硬化型、湿気硬化型、加圧加湿硬化型等の硬化形態で用
いることができる。
【0026】熱硬化型の反応硬化性樹脂は、接着工程を
短縮化できる観点から好ましい。熱硬化型の反応硬化性
樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミ
ノ系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタンアクリレート
系、ポリエステルアクリレート系、若しくはエポキシア
クリレート系等のアクリル系樹脂、又は架橋性シアノア
クリレート系樹脂等が挙げられる。
【0027】加圧加湿硬化型や光硬化型の反応硬化性樹
脂ならば、低温速硬化が可能であり、接着が秒単位で行
なえ、接着工程を短縮することができる点。そして、加
熱の必要が無いため、アクリロニトリルブタジエンスチ
レンに代表されるような軟化点の低い樹脂をキートップ
として使用することが容易であるし、同様にスチレン系
に代表されるような比較的耐熱性の低い熱可塑性エラス
トマーをキーパッドとして使用することができる点で好
ましい。加圧加湿硬化型の反応硬化性樹脂としては、シ
アノアクリレート系樹脂、光硬化型の反応硬化性樹脂と
しては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられ
る。
【0028】キートップを照光式とする場合には、接着
剤には透光性の反応硬化性樹脂を採用する必要がある。
透光性の反応硬化性樹脂としては、ウレタン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、アミノ系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレ
タンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、若
しくはエポキシアクリレート系等のアクリル系樹脂、又
は架橋性シアノアクリレート系樹脂等が挙げられる。
【0029】以上、キーパッド、キートップ及び接着剤
について説明したが、特に、キーパッドの材料として透
光性のスチレン系、ポリエステル系、又はウレタン系の
熱可塑性エラストマーを用い、反応硬化性樹脂として光
反応硬化性のウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノ
系樹脂、アクリル系樹脂、又は架橋性シアノアクリレー
ト系樹脂を用い、キートップの材料として、ポリカーボ
ネート系、アクリル系、スチレン系、又はアクリロニト
リルブタジエンスチレン系の熱可塑性樹脂を用いた構成
とすると、デザイン的にバリエーションが高く、照光
式、非照光式を自由に選択でき、それでいて生産性、作
業性が高く、また、キーパッドとキートップとを容易に
分離でき、しかも分離した部材のリサイクルが容易であ
り好ましい。
【0030】4.キートップ付キーパッドの製造方法
本発明のキートップ付キーパッドは、キーパッドとキ
ートップとが別体に構成されているため、これらの部材
を接着剤により接着させて製造する。キートップとキー
パッドの接着は、まずキーパッドとキートップの接合部
分に接着剤を塗布することにより行う。接着剤の塗布
は、スクリーン印刷方式、ディスペンサー方式、ポッテ
ィング方式、パッド印刷方式、スプレー方式、転写方式
等の種々の方式を用いることができる。接着剤を塗布し
た後、キートップとキーパッドを所定の位置で結合す
る。
【0031】キートップの接着の際の位置決めには、キ
ーパッドとキートップのどちらか、または両方に嵌合の
ための凹凸形状を設けても良いし、外部からキーパッド
とキートップとを抱えるような治具を用いても良い。
【0032】なお、キーパッドが接着性に乏しい場合に
は、短波長紫外線の照射処理、コロナ放電処理、火炎処
理、プラズマ処理、あるいはプライマー処理の少なくと
も一つの方法でキーパッド表面を表面改質することで、
接着力を高めることができる。この表面改質により、キ
ートップを接着剤を介してキーパッドにより強固に接着
できる。
【0033】ここで、短波長紫外線の照射処理とは、キ
ーパッドの表面に短波長紫外線を一定の照度で、一定の
積算光量照射して表面改質するものである。一例とし
て、水銀が10−1mmHg程度の圧力で封入された水
銀灯より184.9nmと253.7nmの放射線を照
射し酸素存在下でオゾンを生成させる。そのオゾンによ
って被処理体表面を酸化してカルボキシル基等の活性基
を生成させることにより、印刷インキや塗料などの付着
性、親和性を向上させることができる。コロナ放電処理
とは、大気中で電極間に高電圧をかけて絶縁破壊を起こ
して放電させ、その間にキーパッドの表面等の被処理体
を通すことで、表層にあるポリマーを酸化させ表面に活
性基を導入させるものである。火炎処理とは、強い酸化
炎中にキーパッドの表面等の被処理体を通して、コロナ
処理と同様に、表層にあるポリマーを酸化させ表面に活
性基を導入させる効果をもたらすものである。プラズマ
処理とは、低圧の不活性ガスや酸素、ハロゲンガスなど
の中でグロー放電を起こすことで、気体分子をイオン化
しプラズマを発生させ、その化学活性を利用してキーパ
ッドの表面を活性化させるものである。
【0034】より強固な接着力を得るためには、これら
の表面改質の後に公知のシラン系やチタン系、アルミニ
ウム系の種々カップリング剤を用いてさらに表面処理し
ても良い。
【0035】キートップとキーパッドを貼り合わせた
後、接着剤を硬化させる。接着剤を硬化させる方法は、
接着剤に用いられる反応硬化性樹脂の種類に応じて選択
され、例えば、反応硬化性樹脂に架橋性シアノアクリレ
ート系樹脂を用いた場合は、加圧、加熱、加湿すること
で接着、硬化させることができる。
【0036】5.キートップ付キーパッドの分離方法
本発明のキートップ付キーパッドは、キートップが熱
可塑性樹脂からなり、キーパッドが熱可塑性エラストマ
ーからなるため、キートップ付キーパッドの大部分が熱
可塑性の物質である。従って、少量の不純物が含まれて
いても許容されるような製品の材料として用いるなら
ば、この熱可塑性の物質を溶解する有機溶剤を使用した
り、キートップ付キーパッドのまま熱溶融させたりし
て、そのままリサイクルすることが可能である。しか
し、キートップとキーパッドを一緒にリサイクルして
は、キートップを構成する熱可塑性樹脂と、キーパッド
を構成する熱可塑性エラストマーが混合した原料として
リサイクルされるため、リサイクル品の品質低下をもた
らす。したがって、キートップとキーパッドを分離して
別個にリサイクル必要がある。さらに、近年需要が拡大
している携帯電話や、各種家電用リモコンに採用される
押釦用のキートップ又はキーパッド用の高品質の材料と
するためには、原料中に少量の不純物が混入していても
問題となるため、このような製品の材料として使うため
には、キートップとキーパッドに加えてさらに接着剤を
も分離、分別してリサイクルすることが望まれる。
【0037】キートップ付キーパッドからキートップと
キーパッドを分離させるためには、反応硬化性樹脂から
なる接着剤を膨潤させる有機溶剤を使用する。例えば、
キートップ付キーパッドを有機溶剤の入った容器に所定
時間浸漬すると接着剤が膨潤する。この状態でキートッ
プ付キーパッドを浸漬している有機溶剤を攪拌すれば、
キートップとキーパッドの接着面がはがれキートップ付
キーパッドからキートップとキーパッドを分離すること
ができる。
【0038】分離方法としては、攪拌翼による攪拌のほ
か、超音波振動、ジェット気泡水流を用いた方法を採る
こともできる。
【0039】これを、キートップは通過させるが、キー
パッドは通過させない程度の開口部を持つ網で濾過すれ
ば、キートップとキーパッドを分別することができる。
その後、キートップ、キーパッドをそれぞれ有機溶剤か
ら取り出し、乾燥させ、各々が溶解する有機溶剤に溶解
させるか、加熱溶融する。キートップとキーパッドを接
着していた接着剤は、架橋性であって、有機溶剤に膨潤
することはあっても溶解せず、また加熱溶融もしないた
め、溶解又は溶融した熱可塑性物質から濾過により容易
に分別することができる。このようにして、キートッ
プ、キーパッド、接着剤をそれぞれ、分離、分別でき、
それぞれの部材ごとにリサイクルすることができる。
【0040】また、キートップ付キーパッドの分離方法
としては、上述の有機溶剤に浸漬する方法の他、有機溶
剤をキートップ付キーパッドに噴霧したり、有機溶剤雰
囲気中にキートップ付キーパッドを置くことにより、硬
化した接着剤を膨潤させる方法を用いることも可能であ
る。
【0041】なお、キートップ、キーパッドの分離は、
加熱、攪拌等をすると効果的であるが、接着剤と有機溶
剤の組み合わせによっては、攪拌しなくても自然にキー
トップとキーパッドを分離できる場合もある。
【0042】反応硬化性樹脂からなる接着剤を膨潤する
有機溶剤としては、例えば、炭化水素系、ケトン系、エ
ステル系、エーテル系、塩素系、アルコール系等や、ト
リメチルシラノール等のシラン系化合物が挙げられ、炭
化水素系有機溶剤としては、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等が、ケトン系有機溶剤としては、ジメチルケトン、ジ
エチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等が、エステル系有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル等が、エーテル系有機溶剤として
は、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル等が、塩
素系有機溶剤としては、トリクロロエタン、テトラクロ
ロエタン、トリクロロエチレン等が挙げられる。しか
し、これらの有機溶剤以外であっても、反応硬化性樹脂
からなる接着剤を膨潤させる有機溶剤であればよい。こ
れらの有機溶剤は単独で、又は混合して用いることがで
きる。また、実用的には種々の用途に応じた添加剤や不
純物等が含まれた溶剤を用いることもできる。
【0043】アルコール系の有機溶剤を用いた場合は、
熱可塑性エラストマーからなるキーパッドも熱可塑性樹
脂からなるキートップも溶解することが少なく好まし
い。さらに、接着剤に光硬化性樹脂を用いた場合は、ア
ルコールに浸した際、膨潤しやすく接着力が低下しやす
いため、分離という点では、有機溶剤としてのアルコー
ルと接着剤としての光硬化性樹脂の組み合わせが最も好
ましい。アルコールとしては、例えばメタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メ
チルプロパノール、2−メチルプロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノール、2−メチルブタノールが挙げ
られ、これらのアルコールにはさらにハロゲン基等の官
能基が付与されていてもよい。しかし、炭素数10以上
の長鎖アルコールは接着剤を膨潤させないか、膨潤して
もその程度が小さく好ましいものではない。
【0044】以下、実施例および比較例を示して本発明
を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定さ
れるものではない。
【0045】
【実施例】実施例1[図1]: 図1に示すように、エス
テル系熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会社製プリ
マロイA1603)を使用して成形されたキーパッド1
のキートップ接着部2に、二液型ウレタン系熱反応硬化
性樹脂(ロード・ファー・イースト・インコーポレイテ
ッド製7550)からなる接着剤3をディスペンサーに
て塗布した。次に、表面にクロムメッキ層4を有し、ア
クリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(三菱レイヨン
株式会社製ダイヤペットABS3001M)で成形され
たキートップ5を、接着剤2の塗布されたキートップ接
着部2に貼り合わせ、60℃で1時間加熱し、熱反応硬
化性樹脂からなる接着剤2を硬化させて、リサイクル性
の高いキートップ付キーパッド6を得た。
【0046】このキートップ付キーパッド6を、エタノ
ールに3時間浸した後、攪拌翼のついた攪拌装置で攪拌
したところ、キーパッド1とキートップ5とに容易に分
離できた。
【0047】実施例2[図2]: 図2に示すように、透
光性エステル系熱可塑性エラストマー(三菱化学株式会
社製プリマロイA1603)を使用して成形されたキー
パッド21のキートップ接着部22に、アクリル系光反
応硬化性樹脂(株式会社スリーボンド製3033D)か
らなる接着剤23をディスペンサーにて塗布した。次
に、表面に文字印刷層24を有し、さらに文字印刷層2
4を覆うように、透明な紫外線硬化性樹脂層25を設け
た、透光性ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製
パンライトL1225L)からなるキートップ26を、
接着剤23の塗布されたキートップ接着部22に貼り合
わせ、キーパッド側から主波長365nmの紫外線を1
000mW/cmの強度で15秒間、光源27から照
射し、接着剤23を硬化させて、リサイクル性の高いキ
ートップ付キーパッド28を得た。
【0048】このキートップ付キーパッドを、エタノー
ルに3時間浸した後、攪拌翼のついた攪拌装置で攪拌し
たところ、キーパッド21とキートップ26とに容易に
分離できた。
【0049】実施例3[図3]: 図3に示すように、透
光性ウレタン系熱可塑性エラストマー(ダウ・ケミカル
株式会社製ペレセン2103−70A)を使用して成形
されたキーパッド31のキートップ接着部32に、エポ
キシ系光反応硬化性樹脂(エポキシテクノロジー社製E
VO−114)からなる接着剤33をディスペンサーに
て塗布した。次に、裏面に印刷インキ(プロル社製ノリ
ファン)で図柄印刷層34を形成しており、透光性ポリ
スチレン樹脂(電気化学工業株式会社製デンカスチロー
ルGP−1)で成形されたキートップ35を、接着剤3
3の塗布されたキートップ接着部32に貼り合わせ、キ
ーパッド側から主波長365nmの紫外線を1000m
W/cmの強度で15秒間、光源36から照射し、接
着剤33を硬化させて、リサイクル性の高いキートップ
付キーパッド37を得た。
【0050】このキートップ付キーパッドを、メタノー
ルに3時間浸した後、攪拌翼のついた攪拌装置で攪拌し
たところ、キーパッド31とキートップ35とに容易に
分離できた。
【0051】実施例4[図4]: 図4に示すように、透
光性スチレン系熱可塑性エラストマー(株式会社クラレ
プラスチック製セプトンCJ002)を使用して成形さ
れたキーパッド41のキートップ接着部42の上に、文
字印刷層43を形成した後に、シリコーン系反応硬化性
樹脂(セメダイン株式会社製スーパーX)からなる接着
剤44をキートップ接着部42上にディスペンサーにて
塗布した。次に、透光性ポリメチルメタクリレート樹脂
(三菱化学株式会社製アクリペット)で成形されたキー
トップ45を、接着剤44が塗布されたキートップ接着
部42に貼り合わせて接着剤44を熱硬化し、リサイク
ル性の高いキートップ付キーパッド46を得た。
【0052】このキートップ付キーパッドを、ヘキサン
に3時間浸した後、攪拌翼のついた攪拌装置で攪拌した
ところ、キーパッド41とキートップ45とに容易に分
離できた。
【0053】実施例5: 透光性スチレン系熱可塑性エ
ラストマー(株式会社クラレプラスチック製セプトンC
J002)を使用して成形されたキーパッドのキートッ
プ接着部に、アクリル系光反応硬化性樹脂(株式会社ス
リーボンド製3021)からなる接着剤をキートップ接
着部にディスペンサーにて塗布した。次に、透光性ポリ
カーボネート樹脂(帝人化成株式会社製パンライトL1
225L)で成形されたキートップを、接着剤の塗布さ
れたキートップ接着部に貼り合わせ、キーパッド側から
主波長365nmの紫外線を1000mW/cmの強
度で15秒間、光源から照射し接着剤を硬化してキート
ップ付キーパッドを得た。
【0054】このキートップ付キーパッドを、ジエチル
エーテルに3時間浸した後、攪拌翼のついた攪拌装置で
攪拌したところ、キーパッドとキートップとに容易に分
離できた。
【0055】実施例6[図5]: 図5に示すように、透
光性スチレン系熱可塑性エラストマー(株式会社クラレ
プラスチック製セプトンCJ002)を使用して成形さ
れたキーパッド51のキートップ接着部52の上に、文
字印刷層53を形成した後に、アクリル系光反応硬化性
樹脂(株式会社スリーボンド製3033D)からなる接
着剤54をキートップ接着部52上にディスペンサーに
て塗布した。次に、透光性ポリメチルメタクリレート樹
脂(三菱化学株式会社製アクリペット)で成形されたキ
ートップ55を、接着剤54が塗布されたのキートップ
接着部52に貼り合わせ、キートップ側から主波長36
5nmの紫外線を1000mW/cmの強度で15秒
間、光源56から照射し接着剤54を硬化し、リサイク
ル性の高いキートップ付キーパッド57を得た。
【0056】このキートップ付キーパッドを、1−ブタ
ノールに24時間浸した後、攪拌翼のついた撹拌装置で
攪拌したところ、キーパッド51とキートップ55とに
容易に分離できた。
【0057】比較例: 透光性スチレン系熱可塑性エラ
ストマー(株式会社クラレプラスチック製セプトンCJ
002)を使用して成形されたキーパッドのキートップ
接着部に、アクリル系光反応硬化性樹脂(株式会社スリ
ーボンド製3021)からなる接着剤をキートップ接着
部にディスペンサーにて塗布した。次に、透光性ポリカ
ーボネート樹脂(帝人化成株式会社製パンライトL12
25L)で成形されたキートップを、接着剤の塗布され
たキートップ接着部に貼り合わせ、キーパッド側から主
波長365nmの紫外線を1000mW/cmの強度
で15秒間、光源から照射し接着剤を硬化してキートッ
プ付キーパッドを得た。
【0058】このキートップ付キーパッドを、エタノー
ルに3時間浸した後、これを攪拌しても、キーパッドと
キートップとに分離させることはできなかった。
【0059】上記実施例1、2及び比較例で使用した接
着剤を実施例1、2及び比較例で使用した有機溶剤、即
ちエタノールにそれぞれ浸漬した場合の膨潤量を測定し
た。その結果を表1及び図6に示す。
【0060】
【表1】
【0061】膨潤量の測定は、接着剤となる反応硬化性
樹脂をそれ自体で反応硬化させ、全て同じ表面積となる
ように成形して試料とした。実施例1で用いた接着剤か
らなる試料をサンプルA、実施例2で用いた接着剤から
なる試料をサンプルB、実施例5で用いた接着剤からな
る試料をサンプルC、そして比較例で用いた接着剤から
なる試料をサンプルDとした。次にサンプルA、B及び
Dを、エタノール中に浸漬し、サンプルCをジエチルエ
ーテル中に浸漬した。膨潤量は、所定時間経過後の各試
料の重量の増加率(百分率)を測定した。
【0062】実験期間中、サンプルA、B及びDは、エ
タノールに、サンプルCはジエチルエーテルにそれぞれ
溶解することはなかったが、サンプルA、B及びCでは
膨潤による軟化が見られた。一方、サンプルDでは、性
状の変化はほとんど観察されなかった。
【0063】以上の実施例及び比較例並びに接着剤の膨
潤量測定実験から、膨潤を起こした接着剤を用いた本発
明のキートップ付キーパッドでは、容易にキートップと
キーパッドが分離できるのに対し、膨潤しない接着剤を
用いた比較例のキートップ付キーパッドでは、キートッ
プとキーパッドの分離が困難であった。
【0064】なお、実施例3、4及び5の各実施例にお
いて用いた接着剤と溶剤の組合せについて表1又は図6
に示したような膨潤実験は行っていないが、実験を行え
ば、接着剤は膨潤したものと推測される。また、実施例
5と比較例は同じ接着剤を用いているにもかかわらず、
溶剤にジエチルエーテルを用いた実施例5ではキーパッ
ドとキートップが分離するのに対し、溶剤にエタノール
を用いた比較例ではキーパッドとキートップが分離しな
かったことから、接着剤の膨潤の有無又はその程度は有
機溶剤の種類によっても変わることがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明のキートップ付キーパッドは、リ
サイクル可能な熱可塑性エラストマーをキーパッドに、
リサイクル可能な熱可塑性樹脂をキートップに各々用い
ており、迅速かつ強固にキーパッドとキートップとを接
着でき生産性を高く維持できるだけでなく、接着剤とし
て有機溶剤に膨潤はするが、有機溶剤に溶解せず、また
加熱溶融もしない反応硬化性樹脂を用いているため、有
機溶剤に浸すことでキーパッドとキートップを簡単に分
離でき、リサイクル性に優れたものである。
【0066】さらに、キーパッドの材料として透光性熱
可塑性エラストマーを用い、接着剤として光硬化性樹脂
とを用いると、他の熱硬化性または湿気硬化性樹脂を用
いるのに比べて、作業性、生産性も向上し、また比較的
耐熱性の低い樹脂をキートップとして用いても、比較的
耐熱性の低い熱可塑性エラストマーをキーパッドとして
用いても、なんら品質に影響を与えることなく生産でき
る。
【0067】また、本発明のキートップ付キーパッドの
分離方法によれば、キートップ付キーパッドを有機溶剤
に作用させるだけで、簡単にキートップとキーパッドを
分離することができ、接着剤を取り除くことが可能であ
るため、不純物の混入が少なく質的に優れたリサイクル
を行うことが可能となる。特に有機溶剤としてアルコー
ルを用いることで、キーパッドとキートップ部とを溶解
させずに分離し、各々を別個にリサイクルできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキートップ付キーパッドの一実施形態
を示す縦断面図である。
【図2】本発明のキートップ付キーパッドの別の実施形
態を示す縦断面図である。
【図3】本発明のキートップ付キーパッドのさらに別の
実施形態を示す縦断面図である。
【図4】本発明のキートップ付キーパッドのさらに別の
実施形態を示す縦断面図である。
【図5】本発明のキートップ付キーパッドのさらに別の
実施形態を示す縦断面図である。
【図6】本発明に用いられる接着剤の膨潤量を示す図で
ある。
【符号の説明】
1,21,31,41,51 キーパッド 3,23,33,44,54 接着剤 5,26,35,45,55 キートップ 6,28,37,46,56 キートップ付キーパッド

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマーからなるキーパッ
    ドと、キーパッドとは別体に成形された熱可塑性樹脂か
    らなるキートップとを、有機溶剤に膨潤する反応硬化性
    樹脂からなる接着剤にて接着したキートップ付キーパッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記接着剤が有機溶剤に膨潤して2wt
    %以上の重量増加を示す反応硬化性樹脂からなる接着剤
    であることを特徴とする請求項1に記載のキートップ付
    キーパッド。
  3. 【請求項3】 前記接着剤が炭素数が10を超えないア
    ルコール系有機溶剤に膨潤する反応硬化性樹脂からなる
    接着剤であることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載のキートップ付キーパッド。
  4. 【請求項4】 キーパッドがスチレン系熱可塑性エラス
    トマー、エステル系熱可塑性エラストマー、及びウレタ
    ン系熱可塑性エラストマーからなる群から選択される少
    なくとも一つの熱可塑性エラストマーからなり、キート
    ップがポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、スチ
    レン系樹脂、及びアクリロニトリルブタジエンスチレン
    系樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの熱可
    塑性樹脂からなり、接着剤がウレタン系樹脂、エポキシ
    系樹脂、アミノ系樹脂、アクリル系樹脂、及び架橋性シ
    アノアクリレート系樹脂からなる群から選択される少な
    くとも一つの反応硬化性樹脂からなることを特徴とする
    請求項1〜3の何れか1項に記載のキートップ付キーパ
    ッド。
  5. 【請求項5】 熱可塑性エラストマーからなるキーパッ
    ドと、キーパッドとは別体に成形された熱可塑性樹脂か
    らなるキートップとを、有機溶剤に膨潤する反応硬化性
    樹脂からなる接着剤にて接着したキートップ付キーパッ
    ドに対して、有機溶剤で前記接着剤を膨潤させて、前記
    キーパッドと前記キートップを分離するキートップ付キ
    ーパッドの分離方法。
  6. 【請求項6】 熱可塑性エラストマーからなるキーパッ
    ドと、キーパッドとは別体に成形された熱可塑性樹脂か
    らなるキートップとを、有機溶剤に膨潤する反応硬化性
    樹脂からなる接着剤にて接着したキートップ付キーパッ
    ドに対して、有機溶剤で前記接着剤を膨潤させて、前記
    キーパッド、前記キートップ及び前記接着剤を分離する
    キートップ付キーパッドの分離方法。
  7. 【請求項7】 前記有機溶剤が反応硬化性樹脂からなる
    前記接着剤に対し、2wt%以上の重量増加をもたらす
    膨潤を起こす有機溶剤であることを特徴とする請求項5
    又は請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記有機溶剤が炭素数が10を超えない
    アルコール系有機溶剤であることを特徴とする請求項5
    〜7の何れか1項に記載のキートップ付キーパッドの分
    離方法。
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