JP2002275342A - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

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JP2002275342A JP2001074881A JP2001074881A JP2002275342A JP 2002275342 A JP2002275342 A JP 2002275342A JP 2001074881 A JP2001074881 A JP 2001074881A JP 2001074881 A JP2001074881 A JP 2001074881A JP 2002275342 A JP2002275342 A JP 2002275342A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、メ
タロセン触媒を用いて調製された、プロピレン単独重合
体部とプロピレン・α- オレフィンランダム共重合体部
とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A)と、無
機充填剤(B)と、必要に応じてエラストマー(C)と
を特定割合で含有してなり、該成分(A)は、α- オレ
フィン含有量が2〜20重量%であり、MFRが8〜100g/
10分であり、前記プロピレン単独重合体部は、MFRが
0.01〜1000g/10分の範囲にあり、13C-NMRスペクト
ルから求められる、全プロピレン構成単位中のプロピレ
ンモノマーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不
規則単位の割合がいずれも0.2%以下であり、GPCによ
り求めたMw/Mnが1〜3である。 【効果】上記組成物は、剛性と耐衝撃性のバランスに優
れ、かつフローマークが発生しにくく、発生しても目立
たず、外観に優れる高光沢度の成形品を提供することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリオレフィン樹脂組成
物に関し、さらに詳しくは、家電製品用材料として好適
に利用できるポリオレフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリオレフィン樹脂、たとえばプ
ロピレン系ブロック共重合体は、日用雑貨、台所用品、
包装用フィルム、家電製品、機械部品、電気部品、自動
車部品など、種々の分野で利用されており、要求される
性能に応じて種々の添加剤が配合されている。特に家電
製品用途においては、プロピレン系ブロック共重合体に
α- オレフィン共重合ゴムとタルクのような無機充填剤
を配合した組成物が、その成形品の剛性と耐衝撃性との
バランスに優れているため、大量に使用されている。し
かしながら、上記プロピレン系ブロック共重合体を含有
する樹脂組成物は、成形時、特に射出成形時にフローマ
ークが発生し易い。
【0003】また、メタロセン触媒を用いて製造された
プロピレン系ブロック共重合体とα- オレフィン共重合
ゴムと無機充填剤とを配合した組成物は、特開平10−
1573号公報に記載の組成物として知られている。し
かしながら、メタロセン触媒で製造されたプロピレン系
ブロック共重合体は、その製造時に1%程度の割合で
1,3−挿入または2,1−挿入を生じるため、結晶化
度が低くなり、したがって、その融点は150℃付近と
なり、チタン系触媒で製造されたプロピレン系ブロック
共重合体の融点160数℃に比べて低い。また、メタロ
セン触媒で製造されたプロピレン系ブロック共重合体
は、チタン系触媒で製造されたプロピレン系ブロック共
重合体に比し、引張強度特性、曲げ強度特性、剛性等も
劣っている。この結果、メタロセン触媒で製造されたプ
ロピレン系ブロック共重合体とα- オレフィン共重合ゴ
ムと無機充填剤とを配合した組成物は、チタン系触媒で
製造されたプロピレン系ブロック共重合体とα- オレフ
ィン共重合ゴムと無機充填剤とを配合した組成物に比べ
て、機械強度特性が劣るため、実用に供されていなかっ
た。
【0004】本願発明者らは、上記問題を解決すべく鋭
意研究し、特定のメタロセン触媒で製造されたプロピレ
ン系ブロック共重合体がプロピレンの1,3−挿入また
は2,1−挿入が殆どなく、したがって、融点が高く、
その成形品が高光沢度で剛性、引張強度特性、曲げ強度
特性に優れていることが分かり、かつ、そのプロピレン
系ブロック共重合体を用いた樹脂組成物が家電製品用組
成物として優れた性能を有することを見出し、本発明を
完成するに到った。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、上記のような従来技術
に伴う問題を解決しようとするものであって、フローマ
ークが改善され外観に優れ、剛性と耐衝撃性とのバラン
スに優れた高光沢度の成形品を調製することができるポ
リオレフィン樹脂組成物、特に家電製品用ポリオレフィ
ン樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【発明の概要】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物
は、メタロセン触媒を用いて調製された、プロピレン単
独重合体部とプロピレン・α- オレフィンランダム共重
合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合体(A)
60〜98重量%と、無機充填剤(B)2〜40重量%
とを含有してなり、該プロピレン系ブロック共重合体
(A)は、α- オレフィン含有量が2〜20重量%であ
り、メルトフローレート(ASTM D1238,230℃、荷重2.1
6kg)が8〜100g/10分であり、該プロピレン系
ブロック共重合体(A)のプロピレン単独重合体部は、
(i)メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2.16
kg荷重)が0.01〜1000g/10分の範囲にあ
り、(ii)13C−NMRスペクトルから求められる、全
プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1-挿入
あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単位の割合がいず
れも0.2%以下であり、(iii) ゲルパーミエイショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により求めた分子量分
布(Mw/Mn)が1〜3であることを特徴としてい
る。
【0007】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物
は、さらにエラストマー(C)が、プロピレン系ブロッ
ク共重合体(A)および無機充填剤(B)の合計量10
0重量%に対して、20重量%以下の量で含まれていて
もよい。前記メタロセン触媒を形成するメタロセン化合
物触媒成分としては、通常、下記一般式(1)または
(2)で表わされるメタロセン化合物が用いられる。
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R3は、炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5
6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は
互いに結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場
合はR1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3
たはR14が互いに結合して環を形成してもよく、Aは、
不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい
炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはY
と共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでい
てもよく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、M
は、周期表第4族から選ばれた金属を示し、jは、1〜
4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子
から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同一でも異
なっていてもよい。) 前記無機充填剤(B)としては、特にタルクが好まし
い。
【0010】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物
は、成形性に優れ、家電製品の製造の際に、家電製品用
ポリオレフィン樹脂組成物として特に好適に用いられ
る。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリオレフィ
ン樹脂組成物について具体的に説明する。本発明に係る
ポリオレフィン樹脂組成物は、プロピレン系ブロック共
重合体(A)、無機充填剤(B)、および必要に応じて
エラストマー(C)を含有している。
【0012】プロピレン系ブロック共重合体(A) 本発明で用いられるプロピレン系ブロック共重合体
(A)は、プロピレン単独重合体部と、エチレン・プロ
ピレンランダム共重合体部とからなる結晶性のブロック
共重合体である。このプロピレン系ブロック共重合体
(A)全体におけるエチレン含有量は、2〜20重量
%、好ましくは3〜15重量%であり、ブロック共重合
体(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 123
8,230℃、荷重2.16kg)は、8〜100g/10分、好
ましくは30〜80g/10分である。
【0013】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体(A)は、常温n−デカン不溶分を構成するプ
ロピレン単独重合体分および必要に応じて更にポリエチ
レン分と、常温n−デカン可溶分を構成するプロピレン
とα- オレフィン、好ましくはエチレン、さらには任意
の他のα- オレフィンとのランダム共重合体分(以下、
プロピレン・α- オレフィンランダム共重合体分)から
なる。
【0014】このようなエチレン以外のα- オレフィン
としては、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキ
セン、1-オクテン、1-デセン、3-メチル-1- ペンテン、
4-メチル-1- ペンテン等の炭素原子数4〜20のα- オ
レフィンが挙げられる。本発明で用いられるプロピレン
ブロック共重合体(A)のプロピレン単独重合体部は、
下記の特性を有している。 (i)このプロピレン単独重合体部のメルトフローレー
ト(MFR;ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷重)は、
0.01〜1000g/10分、好ましくは0.05〜
500g/10分、特に好ましくは0.1〜100g/
10分の範囲にあり、(ii)13C−NMRスペクトルか
ら求められる全プロピレン構成単位中のプロピレンモノ
マーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単
位の割合がいずれも0.2%以下、好ましくは0.1%
以下、特に0.05%以下であり、(iii) ゲルパーミ
エイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた
分子量分布(Mw/Mn)が1〜3、好ましくは1〜
2.5、より好ましくは1〜2.3の範囲にある。
【0015】また、このプロピレン単独重合体部は、さ
らに以下の(iv)、(v)、(vi)の特性を有している
ことが好ましい。(iv)n−デカン可溶分量(プロピレ
ン単独重合体をn−デカンで150℃、2時間処理した
後に室温に戻し、n−デカンに溶解した重量%)が2重
量%以下、好ましくは1重量%以下であり、(v)13
−NMRスペクトル測定から求められるペンタッド(pe
ntad)アイソタクティシティが90%以上、好ましくは
95%以上である。
【0016】アイソタクチックペンタッド分率(mmm
m分率)は、13C−NMRを使用して測定されるプロピ
レン系ブロック共重合体(A)分子鎖中のペンタッド単
位でのアイソタクチック連鎖の存在割合を示しており、
プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連
鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。
具体的には、13C−NMRスペクトルで観測されるメチ
ル炭素領域の全吸収ピーク中に占めるmmmmピークの
分率として算出される値である。(vi)示差走査型熱量
計(DSC)により測定される吸熱曲線の最大ピーク位
置の温度(Tm)は、通常153〜165℃、好ましく
は155〜163℃、より好ましくは157〜161℃
の範囲にあることが望ましい。
【0017】本発明で用いられるプロピレンブロック共
重合体(A)は、常温n−デカン不溶分すなわちプロピ
レン単独重合体部を80〜99重量%、好ましくは85
〜97重量%の量で含有し、常温n−デカン可溶成分す
なわちエチレン・プロピレンランダム共重合体分(F
c)を1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%の量
で含有していることが望ましい。
【0018】上記プロピレン系ブロック共重合体(A)
は、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。本発明で用いられるプロピレン系ブロッ
ク共重合体(A)は、たとえば特定のメタロセン触媒を
用いて調製される。このようなメタロセン触媒を形成す
るメタロセン化合物触媒成分は、下記一般式(1)また
は(2)で表わされる。
【0019】
【化3】
【0020】(式中、R3は、炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5
6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は
互いに結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場
合はR1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3
たはR14が互いに結合して環を形成してもよく、Aは、
不飽和結合および/または芳香族環を含んでいてもよい
炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、AはY
と共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含んでい
てもよく、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、M
は、周期表第4族から選ばれた金属を示し、jは、1〜
4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、ア
ニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子
から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同一でも異
なっていてもよい。) また、本発明で用いられる他のメタロセン化合物触媒成
分としては、下記一般式(1a)または(2a)で表わ
されるメタロセン化合物が挙げられる。
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R3は、炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基から選ばれ、R1、R2、R4、R5
6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、および
14は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基から選ば
れ、一般式(1a)で示される化合物であって、R3がt
ert-ブチル基またはトリメリルシリル基であり、R13
よびR14が同時にメチル基またはフェニル基である場合
は、R6およびR11は同時に水素原子でなく、R1ないし
12で示される基のうち隣接した基は互いに結合して環
を形成してもよく、一般式(1a)の場合はR1、R4
5およびR12から選ばれる基とR13またはR14が互い
に結合して環を形成してもよく、Aは、不飽和結合およ
び/または芳香族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜
20の2価の炭化水素基を示し、Aは、Yと共に形成す
る環を含めて2つ以上の環構造を含んでいてもよく、Y
は、炭素原子またはケイ素原子であり、Mは、周期表第
4族から選ばれた金属であり、jは、1〜4の整数であ
り、Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子
および孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれ、
jが2以上のときはQは互いに同一でも異なっていても
よい。) また、上記以外のメタロセン化合物触媒成分として、下
記一般式(1b)または(2b)で表わされるメタロセ
ン化合物が挙げられる。
【0023】
【化5】
【0024】(式中、R21およびR22は、互いに同一で
も異なっていてもよく、炭化水素基およびケイ素含有炭
化水素基から選ばれ、R5、R6、R7、R8、R9
10、R11、R12、R13およびR14は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基およびケイ
素含有炭化水素基から選ばれ、R5ないしR12のうち隣
接した基は、互いに結合して環を形成してもよく、A
は、不飽和結合および/または芳香族環を含んでいても
よい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、A
は、Yと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含
んでいてもよく、Mは、周期表第4族から選ばれた金属
を示し、Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、j
は、1〜4の整数であり、Qは、ハロゲン原子、炭化水
素基、アニオン配位子および孤立電子対で配位可能な中
性配位子から選ばれ、jが2以上のときはQは互いに同
一でも異なっていてもよい。) 上記炭化水素基の好ましい例としては、炭素原子数1〜
20のアルキル基、炭素原子数7〜20のアリールアル
キル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数
7〜20のアルキルアリール基などが挙げられる。
【0025】また、R3は、イオウ、酸素などの異原子
を含む環状の炭化水素基、たとえばチエニル基、フリル
基などであってもよい。具体的には、メチル、エチル、
n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジ
メチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチル
プロピル、1-エチル-1- メチルプロピル、1,1,2,2-テト
ラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジ
メチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオペンチ
ル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メチル
-1- シクロヘキシル、1-アダマンチル、2-アダマンチ
ル、2-メチル-2- アダマンチル、メンチル、ノルボルニ
ル、ベンジル、2-フェニルエチル、1-テトラヒドロナフ
チル、1-メチル-1- テトラヒドロナフチル、フェニル、
ナフチル、トリルなどの炭化水素基が挙げられる。
【0026】上記ケイ素含有炭化水素基の好ましい例と
しては、ケイ素原子数1〜4、かつ炭素原子数3〜20
のアルキルシリル基またはアリールシリル基が挙げられ
る。具体的には、トリメチルシリル、tert-ブチルジメ
チルシリル、トリフェニルシリルなどの基が挙げられ
る。なお、R3は、立体的に嵩高い置換基であることが
好ましく、炭素原子数4以上の置換基であることがより
好ましい。
【0027】上記の一般式(1)または(2)におい
て、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12、R13およびR14は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、炭化水素基、ケイ素含有炭化
水素基から選ばれる。好ましい炭化水素基およびケイ素
含有炭化水素基の具体例としては、上記と同様の基が挙
げられる。
【0028】シクロペンタジエニル環に置換するR1
いしR4の隣接した置換基は、互いに結合して環を形成
してもよい。そのような置換シクロペンタジエニル基と
しては、インデニル、2-メチルインデニル、テトラヒド
ロインデニル、2-メチルテトラヒドロインデニル、2,4,
4-トリメチルテトラヒドロインデニルなどが挙げられ
る。
【0029】また、フルオレン環に置換するR5ないし
12の隣接した置換基は、互いに結合して環を形成して
もよい。そのような置換フルオレニル基としては、ベン
ゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロ
ジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベ
ンゾフルオレニルなどが挙げられる。さらに、フルオレ
ン環に置換するR5ないしR12の置換基は、合成上の容
易さから左右対称、すなわちR5とR12、R6とR11、R
7とR10、R8とR9が同一の基であることが好ましく、
無置換フルオレン、3,6-二置換フルオレン、2,7-二置換
フルオレンまたは2,3,6,7-四置換フルオレンであること
がより好ましい。ここでフルオレン環の3位、6位、2
位、7位はそれぞれR7、R10、R6、R11に対応する。
【0030】上記一般式(1)または(2)において、
Yは、炭素原子またはケイ素原子である。上記一般式
(1)で表わされるメタロセン化合物は、R13とR14
Yと結合し、架橋部として置換メチレン基または置換シ
リレン基を構成する。好ましい具体例としは、たとえ
ば、メチレン、ジメチルメチレン、ジエチルメチレン、
ジイソプロピルメチレン、メチルtert-ブチルメチレ
ン、ジtert-ブチルメチレン、ジシクロヘキシルメチレ
ン、メチルシクロヘキシルメチレン、メチルフェニルメ
チレン、ジフェニルメチレン、メチルナフチルメチレ
ン、ジナフチルメチレンまたはジメチルシリレン、ジイ
ソプロピルシリレン、メチルtert-ブチルシリレン、ジ
シクロヘキシルシリレン、メチルシクロヘキシルシリレ
ン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、メ
チルナフチルシリレン、ジナフチルシリレンなどが挙げ
られる。
【0031】また、上記一般式(1)で表わされるメタ
ロセン化合物は、R1、R4、R5またはR12から選ばれ
る置換基と、架橋部のR13またはR14が互いに結合して
環を形成してもよい。そのような構造の一例として、R
1とR14が互いに結合して環を形成した場合を下記に例
示する。下記一般式(1c)で表わされるメタロセン化
合物では、架橋部とシクロペンタジエニル基が一体とな
り、テトラヒドロペンタレン骨格を形成し、下記一般式
(1d)で表わされるメタロセン化合物では、架橋部と
シクロペンタジエニル基が一体となり、テトラヒドロイ
ンデニル骨格を形成している。また同様に、架橋部とフ
ルオレニル基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0032】
【化6】
【0033】上記一般式(2)で表わされるメタロセン
化合物において、Aは、不飽和結合および/または芳香
族環を含んでいてもよい炭素原子数2〜20の2価の炭
化水素基であり、Yは、このAと結合し、シクロアルキ
リデン基、シクロメチレンシリレン基などを構成する。
また、Aは、Yと共に形成する環を含めて2つ以上の環
構造を含んでいてもよい。
【0034】好ましい具体例としては、たとえばシクロ
プロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデ
ン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、ビシク
ロ[3.3.1]ノニリデン、ノルボルニリデン、アダマン
チリデン、テトラヒドロナフチリデン、ジヒドロインダ
ニリデン、シクロジメチレンシリレン、シクロトリメチ
レンシリレン、シクロテトラメチレンシリレン、シクロ
ペンタメチレンシリレン、シクロヘキサメチレンシリレ
ン、シクロヘプタメチレンシリレンなどが挙げられる。
【0035】上記一般式(1)または(2)において、
Mは、周期表第4族から選ばれる金属であり、具体的に
は、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられ
る。上記一般式(1)または(2)において、jは1〜
4の整数である。上記一般式(1)または(2)におい
て、Qはハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、アニオン配位子、または孤立電子対で配位可能な中
性配位子から選ばれる。jが2以上のときはQは、互い
に同一でも異なっていてもよい。
【0036】ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭化水素基の具体例とし
ては、上記と同様のものが挙げられる。アニオン配位子
の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノ
キシ等のアルコキシ基;アセテート、ベンゾエート等の
カルボキシレート基;メシレート、トシレート等のスル
ホネート基などが挙げられる。
【0037】孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体
例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホス
フィンなどの有機リン化合物;テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンな
どのエーテル類が挙げられる。Qは、少なくとも一つは
ハロゲンまたはアルキル基であることが好ましい。
【0038】以下に、上記一般式(1)または(2)で
表わされる、本発明に係るメタロセン化合物の具体例を
示す。まず、メタロセン化合物のMQj(金属部分)を
除いたリガンド構造を、表記上、Cp(シクロペンタジ
エニル環部分)、Bridge(架橋部分)、Flu(フルオレ
ニル環部分)の3つに分け、それぞれの部分構造の具体
例、およびそれらの組み合わせによるリガンド構造の具
体例を以下に示す。
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】好ましいリガンド構造を有するメタロセン
化合物の具体例として下記の化合物を挙げることができ
る。
【0043】
【化10】
【0044】MQjの具体的な例示としては、ZrC
2、ZrBr2、ZrMe2、Zr(OTs)2、Zr(O
Ms)2、Zr(OTf)2、TiCl2、TiBr2、Ti
Me2、Ti(OTs)2、Ti(OMs)2、Ti(OT
f)2、HfCl2、HfBr2、HfMe2、Hf(OT
s)2、Hf(OMs)2、Hf(OTf)2 などが挙げられ
る。ここでTsはp-トルエンスルホニル基、Msはメタ
ンスルホニル基、Tfはトリフルオロメタンスルホニル
基を示す。
【0045】さらに、Cp環の置換基と、架橋部の置換
基が互いに結合して環を形成したメタロセン化合物とし
て、例えば下記のような化合物が挙げられる。
【0046】
【化11】
【0047】上記一般式(1)または(2)で表わされ
る、本発明に係るメタロセン化合物としては、以下のよ
うな化合物などが好ましく例示される。一般式(1)
で、R1、R13、R14がメチル、R3がtert-ブチル、
2、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R12が水素、R
6、R11がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、
Qが塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0048】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3が1-メチル-1-シクロヘキシル、R 1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がメチル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5
8、R9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を
形成した-(C(CH 3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10
11が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2
CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Q
が塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0049】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3がトリメチルシリル、R1、R2、R4、R5、R8
9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を形成
した-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10とR11
が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2
C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩
素、jが2であるメタロセン化合物。
【0050】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3が1,1-ジメチルプロピル、R1、R 2、R4、R5、R6
8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチ
ル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2で
あるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R14
メチル、R3が1-エチル-1-メチルプロピル、R 1、R2
4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R
10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0051】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3が1,1,3-トリメチルブチル、R1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がメチル、R3が1,1-ジメチルブチル、R1、R2
4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R
10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0052】一般式(1)で、R13、R14がメチル、R
3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、R7、R8
9、R10、R12が水素、R6、R11がtert-ブチル、M
がジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメ
タロセン化合物。一般式(1)で、R3、R13、R14
フェニル、R1、R2、R4、R5、R8、R 9、R12が水
素、R6とR7が互いに結合して環を形成した-(C(C
3)2CH2CH 2C(CH3)2)-、R10とR11が互いに結
合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2C(C
3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、j
が2であるメタロセン化合物。
【0053】一般式(1)で、R3がトリメチルシリ
ル、R13、R14がフェニル、R1、R2、R4、R5
8、R9、R12が水素、R6とR7が互いに結合して環を
形成した-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、R10
11が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2
CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニウム、Yが炭素、Q
が塩素、jが2であるメタロセン化合物。
【0054】一般式(1)で、R13がメチル、R14がフ
ェニル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。一般式(1)で、R13、R
14がエチル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5
6、R8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-
ブチル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが
2であるメタロセン化合物。
【0055】一般式(2)で、R1がメチル、R3がtert
-ブチル、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
11、R12が水素、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが
塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメタロセン化合
物。一般式(2)で、R1がメチル、R3がtert-ブチ
ル、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水
素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが
炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメタロ
セン化合物。
【0056】一般式(2)で、R3がトリメチルシリ
ル、R1、R2、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R12
が水素、R6、R11がtert-ブチル、Mがジルコニウム、
Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であるメ
タロセン化合物。一般式(2)で、R3がトリメチルシ
リル、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R
12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であ
るメタロセン化合物。
【0057】一般式(2)で、R3がtert-ブチル、
1、R2、R4、R5、R6、R8、R9、R11、R12が水
素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウム、Yが
炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)4-であるメタロ
セン化合物。一般式(2)で、R3が1,1-ジメチルプロ
ピル、R1、R2、R4、R5、R6、R 8、R9、R11、R
12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)5-であ
るメタロセン化合物。
【0058】一般式(2)で、R3がtert-ブチル、
1、R2、R4、R5、R8、R9、R12が水素、R6とR7
が互いに結合して環を形成した-(C(CH3)2CH2CH2
C(CH3)2)-、R10とR11が互いに結合して環を形成し
た-(C(CH3)2CH2CH2C(CH3)2)-、Mがジルコニ
ウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2、Aが-(CH2)4-で
あるメタロセン化合物。
【0059】一般式(1)で、R1、R13、R14がメチ
ル、R3がtert-ブチル、R2、R4、R5、R6、R8
9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、M
がジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメ
タロセン化合物。一般式(1)で、R13、R14がメチ
ル、R3がtert-ブチル、R1、R2、R4、R5、R6
8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチ
ル、Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2で
あるメタロセン化合物。
【0060】一般式(1)で、R1、R13、R14がメチ
ル、R3がtert-ブチル、R2、R4、R5、R6、R7
8、R9、R10、R11、R12が水素、Mがジルコニウ
ム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメタロセン化合
物。一般式(1)で、R13、R14がメチル、R3がトリ
メチルシリル、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R9
11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、Mがジル
コニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2であるメタロセ
ン化合物。
【0061】一般式(1)で、R13、R14がフェニル、
3がトリメチルシリル、R1、R2、R4、R5、R6、R
8、R9、R11、R12が水素、R7、R10がtert-ブチル、
Mがジルコニウム、Yが炭素、Qが塩素、jが2である
メタロセン化合物。上記のようなメタロセン化合物は、
1種単独で、または2種以上組合わせて用いることがで
きる。また上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担
体に担持させて用いることもできる。
【0062】このような粒子状担体としては、SiO
2 、Al23 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、
TiO2 、ZnO、SnO2 、BaO、ThOなどの無
機担体、ポリエチレン、プロピレン系ブロック共重合
体、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレ
ン-ジビニルベンゼン共重合体などの有機担体を用いる
ことができる。これらの粒子状担体は、1種単独で、ま
たは2種以上組合わせて用いることができる。
【0063】本発明では上記メタロセン触媒の助触媒の
一つとして、アルミノキサンを用いることができる。従
来公知のようにアルミノキサンは、たとえば下記のよう
な方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接水や氷や水蒸気を
作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0064】アルミノキサンを調製する際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロ
ピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、ト
リn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルア
ルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシル
アルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、トリシク
ロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニ
ウム等のトリシクロアルキルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、ジ
エチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミ
ニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイド
ライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルア
ルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアル
コキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロ
アルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニ
ウムが特に好ましい。
【0065】また、アルミノキサンを調製する際に用い
られる有機アルミニウム化合物として、下記一般式で表
されるイソプレニルアルミニウムを用いることもでき
る。アルミノキサンの溶液または懸濁液に用いられる溶
媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、
シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、
オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、
シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタ
ンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの
石油留分あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水
素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化
物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。
【0066】その他、エチルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの
溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が
好ましい。なお有機アルミニウムオキシ化合物は、少量
のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有して
いてもよい。イオン化イオン性化合物としては、ルイス
酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化
合物を例示することができる。
【0067】ルイス酸としては、BR3 (式中、Rはフ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基またはフッ素原子であ
る。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトルフル
オロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロ
フェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)
ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-
トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス
(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0068】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。具体的に、トリアルキル
置換アンモニウム塩としては、たとえばトリエチルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられ
る。ジアルキルアンモニウム塩としては、たとえばジ
(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。さらにイオン性
化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどを挙げることもできる。
【0069】ボラン化合物としては、デカボラン(1
4)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレ
ート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ド
デカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)
などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。カル
ボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(14)、
1,3-ジカルバノナボラン(13)、ビス〔トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カ
ルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属
カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0070】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
1種単独で、または2種以上組合わせて用いることがで
きる。前記有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン
化イオン性化合物は、上述した粒子状担体に担持させて
用いることもできる。また、触媒を形成するに際して
は、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオ
ン性化合物とともに以下のような有機アルミニウム化合
物を用いてもよい。
【0071】有機アルミニウム化合物としては、分子内
に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が利
用できる。このような化合物としては、たとえば下記一
般式で表される有機アルミニウム化合物が挙げられる。 (R1)m Al(O(R2))nHpXq(式中、R1および
2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子
数が通常1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示
し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0
≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数
であって、しかも、m+n+p+q=3である。) 本発明で用いられるプロピレン系ブロック共重合体
(A)は、上記したメタロセン触媒の存在下に、プロピ
レンを重合させてプロピレン単独重合体成分を形成する
工程と、プロピレンとα- オレフィン好ましくはエチレ
ンを共重合させてプロピレン・α- オレフィン共重合体
成分を形成する工程とを、任意の順序で行なって調製す
ることができる。
【0072】プロピレン系ブロック共重合体(A)の重
合工程は、通常、約−50〜200℃、好ましくは約5
0〜100℃温度で、また通常、常圧〜100kg/c
2、好ましくは約2〜50kg/cm2の圧力下で行な
われる。プロピレンの重合は、回分式、半連続式、連続
式の何れの方法においても行なうことができる。無機充填剤(B) 本発明で用いられる無機充填剤(B)としては、具体的
には、タルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、けい
酸塩類、炭酸塩類、ガラス繊維、硫酸バリウムなどが挙
げられる。これらの中では、タルク、硫酸バリウムが好
ましく、特にタルクが好ましい。タルクの平均粒径は、
1〜5μm、好ましくは1〜3μmの範囲内にあること
が望ましい。無機充填剤(B)は、1種単独で使用する
こともできるし、2種以上を組み合せて使用することも
できる。
【0073】エラストマー(C) 本発明で必要に応じて用いられるエラストマー(C)と
しては、プロピレン・α- オレフィンランダム共重合体
(C−1)、エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(C−2)およびこれらの混合物などが挙げられる。
前記プロピレン・α- オレフィンランダム共重合体(C
−1)は、プロピレンとエチレンまたは炭素原子数4〜
20のα- オレフィンとのランダム共重合体ゴムであ
る。
【0074】炭素原子数4〜20のα- オレフィンとし
ては、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、
1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらのα- オレ
フィンおよびエチレンは、単独で、または2種以上組み
合せて用いることができる。これらの中では、特にエチ
レンが好ましく用いられる。
【0075】プロピレン・α- オレフィンランダム共重
合体(C−1)は、プロピレンとα- オレフィンとのモ
ル比(プロピレン/α- オレフィン)が90/10〜7
0/30、好ましくは80/20〜65/35の範囲内
にあることが望ましい。また、プロピレン・α- オレフ
ィンランダム共重合体(C−1)のメルトフローレート
(MFR;ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)は、0.
1g/10分以上、好ましくは0.5〜5g/10分の
範囲内にあることが望ましい。
【0076】前記エチレン・α- オレフィンランダム共
重合体(C−2)は、エチレンと炭素原子数3〜20の
α- オレフィンとのランダム共重合体ゴムである。炭素
原子数3〜20のα- オレフィンとしては、具体的に
は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、
4-メチル-1- ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、
1-エイコセンなどが挙げられる。これらのα- オレフィ
ンは、単独で、または2種以上組み合せて用いることが
できる。これらの中では、特にプロピレン、1-ブテン、
1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく用いられる。
【0077】エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(C−2)は、エチレンとα- オレフィンとのモル比
(エチレン/α−オレフィン)が95/5〜70/3
0、好ましくは90/10〜75/25の範囲内にある
ことが望ましい。また、エチレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体(C−2)のメルトフローレート(MF
R;ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg)は、0.1g/
10分以上、好ましくは0.5〜5g/10分の範囲内
にあることが望ましい。
【0078】上記のようなエラストマー(C)は、1種
単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて
使用することもできる。ポリオレフィン樹脂組成物 本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、プロピレン
系ブロック共重合体(A)および無機充填剤(B)の合
計100重量%に対して、プロピレン系ブロック共重合
体(A)が60〜98重量%、好ましくは70〜95重
量%、特に好ましくは80〜90重量%の割合で含有
し、無機充填剤(B)が2〜40重量%、好ましくは5
〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%の割合
で含有してなり、さらに必要に応じて、エラストマー
(C)が20重量%以下、通常1〜20重量%、好まし
くは0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%の割
合で配合される。
【0079】上記した成分(A)、成分(B)および任
意に成分(C)を上記割合で配合してして得られる、本
発明に係るポリオレフィン樹脂組成物は、成形時の流動
性に優れ、しかも、曲げ弾性率、耐衝撃性、硬度、光沢
および脆化温度等の物性バランスに優れる成形品を提供
することができる。このため、本発明の樹脂組成物は、
射出成形用の樹脂原料として好適に利用することがで
き、フローマークの発生を防止した射出成形品を得るこ
とができる。
【0080】なお、本発明に係るポリオレフィン樹脂組
成物には、上記のプロピレン系ブロック共重合体
(A)、無機充填剤(B)およびエラストマー(C)分
の他に、必要に応じて、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候
安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、脂肪酸
金属塩、軟化剤、分散剤、充填剤、着色剤、滑剤、顔料
などの他の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で
配合することができる。
【0081】上記酸化防止剤としては、従来公知のフェ
ノール系、イオウ系またはリン系のいずれの酸化防止剤
でも配合することができる。また、酸化防止剤は、1種
単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることがで
きる。酸化防止剤の配合量は、プロピレン系ブロック共
重合体(A)100重量部に対して、0.01〜1重量
部、好ましくは0.05〜0.3重量部とするのが望ま
しい。
【0082】上記耐光安定剤としては、たとえばヒンダ
ードアミン系光安定剤(HALS)や紫外線吸収剤を挙
げることができる。ヒンダードアミン系光安定剤として
は、具体的には、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル
-4- ピペリジン)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレ
ート(分子量=847)、アデカスタブLA−52〔分
子量=847、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4
- ピペリジン)-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレー
ト〕、アデカスタブLA−62(分子量=約900)、
アデカスタブLA−67(分子量=約900)、アデカ
スタブLA−63(分子量=約2000)、アデカスタ
ブLA−68LD(分子量=約1900)(いずれも旭
電化社製、商標)、キマソーブ(CHIMASSOR
B)944(分子量=72500、チバ・スペシャルテ
ィ・ケミカルズ(株)社製、商標)などを挙げることが
できる。
【0083】また、紫外線吸収剤としては、具体的に
は、チヌビン326(分子量=316)、チヌビン32
7(分子量=357)、チヌビン120(分子量=43
8)(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株)社製、商標)などを挙げることができる。これら
の耐光安定剤は、1種単独で、あるいは2種以上組み合
わせて用いることができる。
【0084】ヒンダードアミン系光安定剤または紫外線
吸収剤の配合量は、プロピレン系ブロック共重合体
(A)、無機充填剤(B)および任意のエラストマー
(C)の合計100重量部に対して、好ましくは0.0
1〜1重量部、特に好ましくは0.1〜0.5重量部で
ある。上記脂肪酸金属塩は、プロピレン系ブロック共重
合体(A)を含むポリオレフィン樹脂組成物中に含まれ
ている触媒の中和剤、およびその樹脂組成物中に配合さ
れたフィラー(無機充填剤(B)を含む)、顔料などの
分散剤として機能し、脂肪酸金属塩を配合した樹脂組成
物から優れた物性、たとえば自動車内装部品として要求
される強度などを備えた成形品が得られる。
【0085】脂肪酸金属塩としては、具体的には、ステ
アリン酸カルシウム(融点=158℃)、ステアリン酸
リチウム(融点=220℃)などが挙げられる。脂肪酸
金属塩の配合量は、プロピレン系ブロック共重合体
(A)、無機充填剤(B)および任意のエラストマー
(C)の合計100重量部に対して、100重量部に対
して好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは
0.05〜0.5重量部である。脂肪酸金属塩の配合量
が上記範囲にある場合、中和剤および分散剤としての機
能を十分に発揮させることができ、しかも、成形品から
の昇華量も少なくすることができる。
【0086】上記顔料としては公知のものが使用でき、
たとえば金属の酸化物、硫化物、硫酸塩等の無機顔料;
フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンジジン系等の
有機顔料などが挙げられる。顔料の配合量は、プロピレ
ン系ブロック共重合体(A)、無機充填剤(B)および
任意のエラストマー(C)の合計100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜10重量部、特に好ましくは
0.05〜2重量部とするのが望ましい。
【0087】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物
は、前述したプロピレン系ブロック共重合体(A)、無
機充填剤(B)、および必要に応じエラストマー
(C)、他の添加剤を、バンバリーミキサー、単軸押出
機、2軸押出機、高速2軸押出機などの混合装置により
混合または溶融混練することにより得ることができる。
【0088】
【発明の効果】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物
は、特定のプロピレン系ブロック共重合体(A)と無機
充填剤(B)を特定割合で含有しているので、剛性と耐
衝撃性のバランスに優れ、かつフローマークが発生しに
くく、発生しても目立たず、外観に優れる高光沢度の成
形品(射出成形品を含む)を提供することができる。特
に、この組成物にエラストマー(C)が配合されている
と、耐衝撃性がより優れた成形品が得られる。
【0089】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物
は、上記の特徴を生かして家電製品、たとえばホットプ
レートや炊飯ジャー、ポットのボディー、洗濯機、空気
清浄機などの製造の際に好適に利用することができる。
【0090】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0091】
【実施例1】[メタロセン化合物の合成] <ジメチルメチレン(3-tert-ブチル−5-メチルシクロ
ペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)
ジルコニウムジクロライドの合成> (1)4,4’-ジ-t-ブチルジフェニルメタンの合成 300ml容量の二口フラスコを十分に窒素置換し、A
lCl338.4g(289mmol)を入れ、CH3
280mlを加えて溶解し、これを溶液(1)とし
た。滴下ロートと磁気撹拌子を備えた500ml容量の
三口フラスコを十分に窒素置換し、これにジフェニルメ
タン25.6g(152mmol)と2,6-ジ-t-ブチル-
4-メチルフェノール43.8g(199mmol)を入
れ、CH3NO280mlを加えて溶解した。撹拌しなが
ら氷浴で冷却した。(1)の溶液を35分かけて滴下し
た後、反応液を12℃で1時間撹拌した。反応液を氷水
500ml中に注ぎ、ヘキサン800mlで反応生成物
を抽出した。その反応生成物を含む有機層を5%水酸化
ナトリウム水溶液600mlで洗浄し、続いてMgSO
4で乾燥した。MgSO4をろ別した後、溶媒をエバポレ
ートして得られたオイルを−78℃に冷却して固体を析
出させ、それをろ過で回収し、エタノール300mlで
洗浄した。減圧下で乾燥して、4,4'-ジ-t-ブチルジフェ
ニルメタンを得た。その収量は18.9gであった。 (2)2,2'-ジヨード-4,4'-ジ-t-ブチルジフェニルメタ
ンの合成 磁気撹拌子を備えた200ml容量のフラスコに、4,4'
-ジ-t-ブチルジフェニルメタン1.95(6.96mm
ol)とHIO40.78g(3.48mmol)、I2
1.55g(6.12mmol)、concH2SO40.4
8mlを入れた。これに酢酸17.5ml、水3.75
mlを加え、撹拌しながら90℃に加熱し5時間反応さ
せた。反応液を氷水50ml中に注ぎ、(C252
で反応生成物を抽出した。その反応生成物を含む有機層
を飽和NaHSO4水溶液100mlで洗浄し、続いて
Na2CO3を添加し、撹拌後Na2CO3をろ別した。さ
らに有機層を水800mlで洗浄後、Mg2SO4を加え
て乾燥した。Mg2SO4をろ別した後、溶媒を留去して
黄色オイルを得た。この黄色オイルをカラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、2,2'-ジヨード-4,4'-ジ-t-ブチ
ルジフェニルメタンを得た。その収量は3.21gであ
った。 (3)3,6-ジ-t-ブチルフルオレンの合成 50ml容量の二口フラスコに、2,2'-ジヨード-4,4'-
ジ-t-ブチルジフェニルメタン3.21g(6.03m
mol)、銅粉2.89g(47.0mmol)を入
れ、230℃に加熱し、撹拌しながら5時間反応させ
た。反応生成物をアセトンで抽出し、溶媒を留去し、赤
褐色オイルを得た。この赤褐色オイルからカラムクロマ
トグラフィーにより薄黄色のオイルを得た。未反応原料
を含むフラクションは再度カラムにかけて目的物のみ回
収した。メタノールで再結晶して白色固体の3,6-ジ-t-
ブチルフルオレンを得た。その収量は1.08gであっ
た。 (4)1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタジエンの合
成 窒素雰囲気下で、濃度2.0mol/lのtert-ブチル
マグネシウムクロライド/ジエチルエーテル溶液(45
0ml、0.90mol)に脱水ジエチルエーテル(3
50ml)を加えた溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら
3-メチルシクロペンテノン(43.7g、0.45mm
ol)の脱水ジエチルエーテル(150ml)溶液を滴
下し、さらに室温で15時間撹拌した。反応溶液に塩化
アンモニウム(80.0g、1.50mol)の水(3
50ml)溶液を、氷冷下で0℃を保ちながら滴下し
た。この溶液に水(2500ml)を加え撹拌した後、
反応生成物を含む有機層を分離して水で洗浄した。この
有機層に、氷冷下で0℃を保ちながら10%塩酸水溶液
(82ml)を加えた後、室温で6時間撹拌した。この
反応液の有機層を分離し、水、飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネ
シウム(乾燥剤)で乾燥した。乾燥剤を濾過し、濾液か
ら溶媒を留去して液体を得た。この液体を減圧蒸留(4
5〜47℃/10mmHg)することにより14.6g
の淡黄色の液体(1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタ
ジエン)を得た。その分析値を以下に示す。
【0092】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準) δ6.31+6.13+5.94+5.87(s+s+t+
d、2H)、3.04+2.95(s+s、2H)、2.
17+2.09(s+s、3H)、1.27(d、9H) (5)3-tert-ブチル-5,6,6-トリメチルフルベンの合成 窒素雰囲気下で1-tert-ブチル-3-メチルシクロペンタジ
エン(13.0g、95.6mmol)の脱水メタノー
ル(130ml)溶液に、氷冷下で0℃を保ちながら脱
水アセトン(55.2g、950.4mmol)を滴下
し、さらにピロリジン(68.0g、956.1mmo
l)を滴下した後、室温で4日間撹拌した。反応液をジ
エチルエーテル(400ml)で希釈した後、水400
mlを加えた。反応生成物を含む有機層を分離し、0.
5Nの塩酸水溶液(150ml×4)、水(200ml
×3)、飽和食塩水(150ml)で洗浄した後、無水
硫酸マグネシウム(乾燥剤)で乾燥した。乾燥剤を濾過
し、濾液から溶媒を留去して液体を得た。この液体を減
圧蒸留(70〜80℃/0.1mmHg)することによ
り10.5gの黄色の液体(3-tert-ブチル-5,6,6-トリ
メチルフルベン)を得た。その分析値を以下に示す。
【0093】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準) δ6.23(s、1H)、6.05(d、1H)、2.2
3(s、3H)、2.17(d、6H)、1.17(s、
9H) (6)2-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニ
ル)-2-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロパン
の合成 3,6-ジ-tert-ブチルフルオレン(0.9g、3.4mm
ol)のTHF(30ml)溶液に、氷冷下でn−ブチ
ルリチウムのヘキサン溶液(2.1ml、3.4mmo
l)を窒素雰囲気下で滴下し、さらに室温で6時間撹拌
した。さらに、氷冷下で、この赤色溶液に3-tert-ブチ
ル-5,6,6-トリメチルフルベン(0.6g、3.5mm
ol)のTHF(15ml)溶液を窒素雰囲気下で滴下
し、室温で12時間撹拌した後に水30mlを加えた。
ジエチルエーテルで抽出、分離した反応生成物を含む有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、濾過し、濾液か
ら溶媒を減圧下で除去して固体を得た。この固体を熱メ
タノールから再結晶して1.2gの淡黄色の固体(2-
(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)-2-
(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロパン)を得
た。その分析値を以下に示す。
【0094】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準) δ7.72(d、2H)、7.18−7.05(m、4
H)、6.18−5.99(s+s、1H)、4.32−
4.18(s+s、1H)、3.00−2.90(s+
s、2H)、2.13−1.98(t+s、3H)、1.
38(s、18H)、1.19(s、9H)、1.10
(d、6H) (7)ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシク
ロペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニ
ル)ジルコニウムジクロライドの合成 氷冷下で、2-(3-tert-ブチル-5-メチルシクロペンタジ
エニル)-2-(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)プロ
パン(1.3g、2.8mmol)のジエチルエーテル
(40ml)溶液にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液
(3.6ml、5.8mmol)を窒素雰囲気下で滴下
し、さらに室温で16時間撹拌した。反応混合物から溶
媒を減圧下で除去して赤橙色の固体を得た。この固体に
−78℃でジクロロメタン150mlを加えて撹拌溶解
し、次いで、この溶液を−78℃に冷却したジルコニウ
ムテトラクロライド(THF)2錯体(1.0g、2.
7mmol)のジクロロメタン(10ml)懸濁液に加
え、−78℃で6時間撹拌し、室温で一昼夜撹拌した。
この反応溶液から溶媒を減圧下で除去し、オレンジ色の
固体を得た。さらに、この固体をトルエンで抽出、セラ
イト濾過し、濾液から溶媒を減圧下で除去した後、ジエ
チルエーテルから再結晶し0.18gのオレンジ色の固
体(ジメチルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチルシクロ
ペンタジエニル)(3,6-ジ-tert-ブチルフルオレニル)
ジルコニウムジクロライド)を得た。その分析値を以下
に示す。
【0095】1H−NMR(270MHz、CDCl
3中、TMS基準) δ7.98(dd、2H)、7.90(d、1H)、7.
69(d、1H)、7.32−7.25(m、2H)、
6.01(d、1H)、5.66(d、1H)、2.54
(s、3H)、2.36(s、3H)、2.28(s、1
H)、1.43(d、18H)、1.08(s、9H) <ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデ
ニル)ジルコニウムジクロライドの合成>Organometall
ics,13,954(1994)に記載の方法に従って、ジメチル
シリレンビス(2-メチル-4-フェニルインデニル)ジル
コニウムジクロライドを合成した。 [シリカ担持メチルアルミノキサンの調製]充分に窒素
置換した500ml容量の反応器に、シリカ20g(旭
硝子(株)製、商品名 H−121、窒素下150℃で
4時間乾燥したもの)、およびトルエン200mlを仕
込み、撹拌しながらメチルアルミノキサン60ml(ア
ルベマール社製、10重量%トルエン溶液)を窒素雰囲
気下で滴下した。次いで、この混合物を110℃で4時
間反応させた後、反応系を放冷して固体成分を沈澱さ
せ、上澄み溶液をデカンテーションによって取り除い
た。続いて、固体成分をトルエンで3回、ヘキサンで3
回洗浄し、シリカ担持メチルアルミノキサンを得た。 [プロピレン系ブロック共重合体(A−1)の製造]充
分に窒素置換した20リットル容量のオートクレーブ中
に、シリカ担持メチルアルミノキサンをアルミニウム換
算で20mmol入れ、ヘプタン500mlに懸濁させ
た。次いで、その懸濁液に、ジメチルメチレン(3-tert
-ブチル-5-メチルシクロペンタジエニル)(3,6-ジ-ter
t-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド54
mg(0.088mmol)をトルエン溶液として加え
た後、次いで、トリイソブチルアルミニウム(80mm
ol)を加え、30分攪拌して触媒懸濁液とした。
【0096】充分に窒素置換した内容積20リットルの
オートクレーブに、プロピレン5kgと水素3リットル
を装入し、上記の触媒懸濁液を添加し、3.0〜3.5
MPaの圧力下、70℃で40分間バルクホモ重合を行
なった。ホモ重合終了後、ベントバルブを開け、未反応
のプロピレンを重合器内圧力が常圧になるまで脱圧し
た。脱圧終了後、引き続いてエチレンとプロピレンとの
共重合を行なった。すなわち、エチレン/プロピレン混
合ガス(エチレン25モル%、プロピレン75モル%)
を、重合器内の圧力が1MPaとなるように重合器のベ
ント開度を調節しながら連続的に供給し、70℃で60
分間重合を行なった。少量のメタノールを添加すること
で重合反応を停止し、重合器内の未反応ガスをパージし
た。
【0097】上記のようにして得られたプロピレン系ブ
ロック共重合体(A−1)の収量は、2.9kgであっ
た。この共重合体(A−1)は、MFR(ASTM D 123
8,230℃、2.16kg荷重)が42g/10分であり、n−
デカン可溶成分量が11重量%であり、n−デカン可溶
成分の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
2.2dl/gであり、エチレン含有量が41モル%で
あった。また、この共重合体(A−1)のプロピレン単
独重合体部は、融点(Tm)が158℃であり、重量平
均分子量(Mw)が140,000であり、数平均分子
量(Mn)が70,000であり、Mw/Mnが2.0
であった。さらに、プロピレン単独重合体部の立体規則
性は、mmmm分率が95.8%であり、2,1-挿入と1,
3-挿入は共に検出されなかった。
【0098】ここで、各段で得られた重合体の量、組
成、分子量、立体規則性などの固定は、次のようにして
行なった。まず、プロピレン系ブロック共重合体(A−
1)を150℃のn−デカンで2時間熱処理し、室温ま
で冷却した後に析出した固体成分をろ過した。このとき
得られた固体成分を、1段目で得られたプロピレン単独
重合体とした。また、ろ液を減圧下で濃縮・乾固して得
られた成分をn−デカン可溶成分とした。それぞれの成
分につき、従来の方法に従い、各種の分析を行なった。 [ポリオレフィン樹脂組成物の製造]上記のようにして
得られたプロピレン系ブロック共重合体(A−1)と、
タルク(B−1)[無機充填剤、林化成(株)製、K−
1(商標)、平均粒子径2μm]と、Irganox 1010(商
標)[酸化防止剤(チバガイギー社製)]と、Irgafos16
8(商標)[酸化防止剤(チバガイギー社製)]と、アデ
カスタブ LA-52(商標)[ヒンダードアミン系光安定
剤、分子量=847、旭電化社製]と、ステアリン酸カ
ルシウムを表1に示した配合でタンブラー型混合機にて
混合した後、二軸押出機で溶融混練してペレット化し
た。
【0099】このようにして得られたポリオレフィン樹
脂組成物から、射出成形機[(株)新潟鉄工所製、AN10
0]を用いて平板(100mm×300mm×3mm
厚)を射出成形し、フローマークを観察した。また、射
出成形機[東芝機械(株)製、IS100]を用いて、AS
TM試験片を射出成形し、各種物性を測定した。結果を
表1に示す。
【0100】物性測定方法は次の通りである。 [引張特性]引張特性は、ASTM D638-84に準
拠して引張試験を行なって、引張伸びを下記の条件で測
定した。 <試験条件> 試験片:ASTM D638−84 No.1ダンベル チャック間距離:114mm 温 度:23℃ 引張速度:10mm/分 [曲げ特性]曲げ特性は、ASTM D−790に準拠し
て、下記の条件にて曲げ試験を行って曲げ弾性率を求め
た。
【0101】<試験条件> 試験片:6.4mm(厚さ)×12.7mm(幅)×12
7mm(長さ) スパン間:100mm 曲げ速度:2mm/分 測定温度:23℃ [アイゾット衝撃強度]アイゾット衝撃強度は、ASTM
D−256に準拠して、下記の条件にて衝撃試験を行
なって求めた。
【0102】<試験条件> 試験片:12.7mm(幅)×6.4mm(厚さ)×64
mm(長さ) ノッチ:機械加工 測定温度:23℃ [光沢度]光沢度は、ASTM D523に準拠して、
入射角60度、検出角60度の条件で行なった。
【0103】なお、フローマーク観察およびASTM試
験に供した試験片の射出成形条件は、次の通りである。 <射出成形条件> 樹脂温度:230℃ 金型温度:40℃ 射出時間:5秒間 保圧時間:5秒間 冷却時間:25秒間
【0104】
【比較例1】[プロピレン系ブロック共重合体(A−
2)の製造]実施例1において、メタロセン化合物とし
て、ジメチルシリレンビス(2-メチル-4-フェニルイン
デニル)ジルコニウムジクロライド70mgを用いた以
外は、実施例1と同様にして、プロピレン系ブロック共
重合体(A−2)を得た。
【0105】上記のようにして得られたプロピレン系ブ
ロック共重合体(A−2)は、MFR(ASTM D 1238,2
30℃、2.16kg荷重)が40g/10分であり、n−デカ
ン可溶成分量が11.0重量%であり、n−デカン可溶
成分の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が
2.2dl/gであり、エチレン含有量が41モル%で
あった。また、この共重合体(A−1)のプロピレン単
独重合体部は、融点(Tm)が150℃であり、重量平
均分子量(Mw)が141,000であり、数平均分子
量(Mn)が60,000であり、Mw/Mnが2.3
であった。さらに、プロピレン単独重合体部の立体規則
性は、mmmm分率が95.9%であり、2,1-挿入の割
合が0.80%であり、1,3-挿入の割合が0.05%で
あった。 [ポリオレフィン樹脂組成物の製造]このプロピレン系
ブロック共重合体(A−2)を用いて、実施例1と同様
にして、ポリオレフィン樹脂組成物を製造し、その物性
を評価した。その結果を表1に示す。
【0106】
【比較例2】塩化マグネシウム担持チタン触媒(チーグ
ラー・ナッタ触媒)を用いて製造された市販のプロピレ
ン・エチレンブロック共重合体(A−3)[商品名 J
708、(株)グランドポリマー製]の物性は以下の通
りである。プロピレン・エチレンブロック共重合体(A
−3)のプロピレン単独重合体部の融点(Tm)が16
0℃であり、MFR(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16k
g)が40g/10分であり、Mw/Mnが4.4であ
り、デカン可溶分量が11.5重量%であり、n−デカ
ン可溶分の135℃デカリン中で測定した極限粘度
[η]が2.8dl/gであった。また、デカン不溶部
のポリマーの立体規則性は、mmmm分率が96.5%
であり、2,1-挿入と1,3-挿入は共に検出されなかった。
【0107】このプロピレン系ブロック共重合体(A−
3)を用いて、実施例1と同様にしてポリオレフィン樹
脂組成物を製造し、その物性を評価した。結果を表1に
示す。
【0108】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/14 C08L 23/14 (72)発明者 和 田 功 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 株式会社グ ランドポリマー内 Fターム(参考) 4J002 BB052 BB142 BB152 BP031 DE236 DG046 DJ006 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA046 FD016 FD040 FD050 FD070 FD080 FD090 FD160 FD170 4J026 HA04 HA27 HA39 HB03 HB04 HB20 HB27 HB39 HB45 HE01 4J028 AA01A AB01A AC01A AC08A AC10A AC26A AC28A BA00A BA01B BA02B BB00A BB01B BB02B BC12B BC13B BC25B BC27B EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB10 EC02 GA01 GA07 4J128 AA01 AB01 AC01 AC08 AC10 AC26 AC28 AD00 AE00 BA00A BA01B BA02B BB00A BB01B BB02B BC12B BC13B BC25B BC27B EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB10 EC02 GA01 GA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタロセン触媒を用いて調製された、プロ
    ピレン単独重合体部とプロピレン・α- オレフィンラン
    ダム共重合体部とからなるプロピレン系ブロック共重合
    体(A)60〜98重量%と、 無機充填剤(B)2〜40重量%とを含有してなり、 該プロピレン系ブロック共重合体(A)は、 α- オレフィン含有量が2〜20重量%であり、メルト
    フローレート(ASTM D1238,230℃、荷重2.16kg)が8
    〜100g/10分であり、 該プロピレン系ブロック共重合体(A)のプロピレン単
    独重合体部は、(i)メルトフローレート(ASTM D 123
    8,230℃、2.16kg荷重)が0.01〜1000g/10
    分の範囲にあり、(ii)13C−NMRスペクトルから求
    められる、全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマ
    ーの2,1-挿入あるいは1,3-挿入に基づく位置不規則単位
    の割合がいずれも0.2%以下であり、(iii) ゲルパ
    ーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求
    めた分子量分布(Mw/Mn)が1〜3であることを特
    徴とするポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】さらにエラストマー(C)が、プロピレン
    系ブロック共重合体(A)および無機充填剤(B)の合
    計量100重量%に対して、20重量%以下の量で含ま
    れていることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフ
    ィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記メタロセン触媒を形成するメタロセン
    化合物触媒成分が、下記一般式(1)または(2)で表
    わされることを特徴とする請求項1または2に記載のポ
    リオレフィン樹脂組成物; 【化1】 (式中、R3は、炭化水素基およびケイ素含有炭化水素
    基から選ばれ、 R1、R2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10
    11、R12、R13、およびR14は、互いに同一でも異な
    っていてもよく、水素原子、炭化水素基およびケイ素含
    有炭化水素基から選ばれ、 R1ないしR12で示される基のうち、隣接した基は互い
    に結合して環を形成してもよく、一般式(1)の場合は
    1、R4、R5およびR12から選ばれる基とR1 3または
    14が互いに結合して環を形成してもよく、 Aは、不飽和結合および/または芳香族環を含んでいて
    もよい炭素原子数2〜20の2価の炭化水素基を示し、
    AはYと共に形成する環を含めて2つ以上の環構造を含
    んでいてもよく、 Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、 Mは、周期表第4族から選ばれた金属を示し、 jは、1〜4の整数であり、 Qは、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子およ
    び孤立電子対で配位可能な中性配位子から選ばれ、jが
    2以上のときはQは互いに同一でも異なっていてもよ
    い。)。
  4. 【請求項4】前記無機充填剤(B)がタルクであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレ
    フィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】家電製品の製造の際に用いられることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィ
    ン樹脂組成物。
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