JP2002264255A - 樹脂付き金属箔及びこれを用いた配線板 - Google Patents

樹脂付き金属箔及びこれを用いた配線板

Info

Publication number
JP2002264255A
JP2002264255A JP2001063636A JP2001063636A JP2002264255A JP 2002264255 A JP2002264255 A JP 2002264255A JP 2001063636 A JP2001063636 A JP 2001063636A JP 2001063636 A JP2001063636 A JP 2001063636A JP 2002264255 A JP2002264255 A JP 2002264255A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal foil
resin
resist
metal
polyimide precursor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001063636A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Yokura
與倉  三好
Gentaro Obayashi
元太郎 大林
Masahiro Kokuni
昌宏 小國
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001063636A priority Critical patent/JP2002264255A/ja
Publication of JP2002264255A publication Critical patent/JP2002264255A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性樹脂フイルムの物性を損なうことがな
く、加熱処理時の発生ガスが少なく、耐熱性樹脂フイル
ムと金属メッキ箔とが強固に接着した樹脂付き金属箔並
びに樹脂付き金属箔を用いた配線板を提供する。 【解決手段】耐熱性樹脂フイルムの少なくとも片面に、
芳香族テトラカルボン酸二無水物とシロキサン系ジアミ
ンを主成分とするポリイミド前駆体を塗布した上に金属
メッキ層を積層した樹脂付き金属箔及びこれを用いた配
線板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブル配線板
の製造に用いられる樹脂付き金属箔及びこの樹脂付き金
属箔を用いた配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐熱性樹脂フイルムはその樹
脂特有の特徴を生かしさまざまな分野で使用されてい
る。例えば、金属箔と接着剤で積層したFPC(フレキ
シブルプリント基板)、TAB(tape automated bon
ding)用のフイルムキャリアテープなどは周知の通りで
ある。これらは、ポリイミドなどの耐熱性樹脂フイルム
と金属箔をエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミ
ド樹脂系、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム)系などの接着剤を用いて貼り合わせたものである。
このようなFPCやフイルムキャリアテープの諸特性
は、現状においては、使用する接着剤の性能に左右され
ており、耐熱性樹脂フイルムの有する優れた耐熱性やそ
の他の特性が十分に生かされていない。このため耐熱性
樹脂フイルムとしてポリイミドフイルムを用いても、ポ
リイミドの耐熱性が350℃以上であるにもかかわら
ず、FPCやフイルムキャリアテープの半田耐熱性は通
常300℃以下となってしまう。
【0003】このような問題点を解決する方法として、
接着剤を用いずに金属箔表面にポリイミド前駆体ないし
ポリイミドの有機極性溶媒溶液を直接塗布した後、溶媒
の乾燥除去、イミド化する方法も知られている。しかし
ながら、接着剤を用いないため、金属箔とポリイミドと
の接着性が不足しており、金属層をパターニングして配
線を形成する際に、配線層がポリイミドから剥離してし
まう問題があった。
【0004】更に、金属箔を貼るのではなく、エポキシ
樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミド樹脂系、NBR系
などの接着剤の上に金属をスパッタ、あるいは接着剤の
上にウエットプロセスにより薄い金属層を形成し、その
後メッキによりさらに金属層を形成する方法も知られて
いる。しかしながら、この方法では依然として耐熱性な
どの物性が接着剤の性能に左右されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み、特定のポリイミド系接着剤を用いる
ことで、加熱処理時の発生ガスが少なく、耐熱性に優
れ、耐熱性樹脂フイルムと金属層とが強固に接着した樹
脂付き金属箔及びこれを用いた配線板を提供することを
その目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、耐
熱性樹脂フイルムの少なくとも片面に、芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物とシロキサン系ジアミンを主成分とす
るポリイミド前駆体を塗布した上に金属メッキ層を積層
した樹脂付き金属箔、該樹脂付き金属箔の金属メッキ層
上にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・現像する
ことにより配線パターンに合った形状にレジストをパタ
ーニングし、パターニングしたレジストをエッチングマ
スクとして金属メッキ層をエッチングして配線パターン
を形成し、配線パターン形成後にレジストを除去するこ
とにより得られる配線板、及び上記樹脂付き金属箔の金
属メッキ層上にレジスト層を形成し、レジスト層を露光
・現像することにより配線パターンを形成する部分のレ
ジストを除去し、レジストを除去した部分にメッキによ
り配線パターンを形成し、その後にレジストを剥離し、
配線パターン以外の金属メッキ層を除去することにより
得られる配線板によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明の樹脂付き金属
箔は、ベースフイルムとなる耐熱性樹脂フイルム上に、
予め、接着剤層として芳香族テトラカルボン酸二無水物
とシロキサン系ジアミンを主成分としたポリイミド前駆
体を塗布し、その上にメッキにより金属層を形成したも
のである。
【0008】ベースフイルムとなる耐熱性樹脂フイルム
としては、ビスフェノール類のジカルボン酸の縮合物で
あるポリアリレート、ポリスルホン、またはポリエーテ
ルスルホンに代表されるポリアリルスルホン、ベンゾテ
トラカルボン酸と芳香族イソシアネートとの縮合物、あ
るいはビスフェノール類、芳香族ジアミン、ニトロフタ
ル酸の反応から得られる熱硬化性ポリイミド、芳香族ポ
リイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミ
ド、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリルエーテル
ケトン、ポリアミドイミド、液晶ポリマーなどの樹脂を
フイルムにしたものが挙げられるが、これらに限定され
ない。具体的な製品としては、東レ・デュポン(株)製
「カプトン」、宇部興産(株)製「ユーピレックス」、
鐘淵化学工業(株)製「アピカル」、東レ(株)製「ミ
クトロン」、(株)クラレ製「ベキトラ」などが挙げら
れる。
【0009】これらの樹脂の中では芳香族ポリイミド、
芳香族ポリアミド、特にピロメリット酸二無水物、ある
いはビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミノジ
フェニルエーテル、パラフェニレンジアミンなどの芳香
族ジアミンとの縮合物である芳香族ポリイミドが好まし
い。
【0010】上記耐熱性樹脂フイルム表面にコロナ放電
処理や低温プラズマ処理、あるいは公知のウエットプロ
セス処理などを施すのは任意であり、とりわけ適当なプ
ラズマ処理を施すことが接着力向上の点で好ましい。
【0011】耐熱性樹脂フイルムの厚みとしては、好ま
しくは5〜125μm、より好ましくは20〜80μm
である。厚すぎるとそれだけコストが高くなり、薄すぎ
るとフイルムの搬送性に支障をきたすので上記範囲が好
ましい。
【0012】上記耐熱性樹脂フイルムの少なくとも片面
に塗布されるポリイミド前駆体は、ベースフイルムであ
る耐熱性樹脂フイルムと金属メッキ層とを接着させる接
着剤として機能する。このようなポリイミド前駆体は芳
香族テトラカルボン酸二無水物とシロキサン系ジアミン
とを主成分とするものである。
【0013】芳香族テトラカルボン酸二無水物として
は、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二
無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレ
ンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラ
カルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナン
トレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。こ
れらは単独あるいは2種類以上混合して用いられるが、
とりわけ接着剤としての機能とポリイミドとしての耐熱
性の両方を引き出すために2種類以上を混合して用いる
ことが好ましい。
【0014】また、シロキサン系ジアミンとしては、次
の一般式[I]で表されるものが好ましく挙げられる。
【0015】
【化2】 式中、nは1以上の整数を示す。R1、R2は低級アルキ
レン基またはフェニレン基であって、それぞれ同一また
は異なっていてもよい。R3〜R6は低級アルキル基、フ
ェニル基、またはフェノキシ基であって、それぞれ同一
または異なっていてもよい。
【0016】一般式[I]の具体例としては、1,1,
3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェ
ニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキ
シ−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、
1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス
(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,3,
3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチ
ル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−
1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、
1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−
1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、
1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ
−1,5−ビス(4−アミノプロピル)トリシロキサ
ン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメト
キシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキ
サン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス
(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−
テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジ
シロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−
ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメ
チル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノ
ブチル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル
−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチ
ル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−
3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチ
ル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−
3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチ
ル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ
メチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロ
キサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−
1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンな
どが挙げられる。これらのシロキサン系ジアミンは、単
独または二種以上混合して用いることができる。
【0017】本発明においてポリイミド前駆体は、アミ
ン成分としてシロキサン系ジアミンを主として使用する
ものであるが、全ジアミノ化合物中のシロキサン系ジア
ミンの割合はイミド化後のカール防止効果及び接着性の
向上効果の点からは50mol%以上であることが好ま
しい。シロキサン系ジアミン以外のジアミン成分として
は、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルホン、パラフェニレンジアミンなど
が挙げられ、このようなジアミン成分を混合することが
接着剤としての機能とポリイミドの耐熱性の両方を引き
出す点から好ましい。これらの中ではパラフェニレンジ
アミンが好ましく使用されるが、これに限らず他のジア
ミンを用いてもよい。
【0018】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物とシ
ロキサン系ジアミンとの反応は公知の方法に準じて行う
ことができる。例えば、略化学量論量の芳香族テトラカ
ルボン酸またはその無水物とシロキサン系ジアミンとを
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶媒中
で0〜80℃で反応させればよい。これらの有機溶媒は
単独あるいは二種以上混合して用いられ、ポリイミド前
駆体が析出しない程度であればベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチル
エチルケトン等の溶媒を加えてもよい。ポリイミド前駆
体ワニス濃度は特に限定されないが、5〜60重量%が
好ましく、10〜40重量%が特に好ましい。
【0019】本発明の樹脂付き金属箔においては、上記
のようなベースフイルムとなる耐熱性樹脂フイルム上に
ポリイミド前駆体を塗布している。ポリイミド前駆体の
イミド化に関しては、ポリイミドとしての性能を引き出
すために金属メッキ層形成前に行なわれていることが好
ましく、特に、ポリイミド前駆体を耐熱性樹脂フイルム
に塗布した直後に行なわれていることが好ましい。本発
明において使用されるポリイミド前駆体はイミド化した
後は熱可塑性であるので、ポリイミドの状態で接着剤と
して使用できる利点を有している。熱硬化性のポリイミ
ドの場合、硬化すなわちイミド化の際に水が発生するた
め、この水がガスとなり発泡が生じてしまう。
【0020】本発明において、ポリイミド前駆体中には
触媒核を有することが好ましい。触媒核は、金属メッキ
層を形成する際のコアとなるものであり、通常はパラジ
ウムやニッケル、クロムなどが用いられるがパラジウム
が好ましい。上記ポリイミド前駆体中に含まれる触媒核
の含有割合は特に規定されないが、好ましくはポリイミ
ド前駆体100重量部に対して0.001〜100重量
部である。
【0021】イミド化した後のポリイミド前駆体は、加
熱処理時の発生ガスが少ないので、水その他のガスによ
る発泡が少なくなるが、イミド化した後の加熱温度10
0〜300℃において発生するガス量が250ppm以
下であることが好ましい。より好ましくは150ppm
以下、更に好ましくは100ppm以下である。ここで
加熱温度100〜300℃において発生するガス量と
は、TG・DTG・MS法により測定して求めたもので
ある。(この場合、TGとは熱重量分析、DTGとは微
分解重量分析、MSとは質量分析を示す。)また、金属
メッキ層を構成する金属としては、銅、ニッケル、ス
ズ、金、ロジウムなどが挙げられるが、これらに限定さ
れない。これらの金属は単独で用いても複数組み合わせ
て用いてもよい。
【0022】次に、上記した本発明の樹脂付き金属箔の
好ましい製造方法を挙げて本発明を更に説明する。
【0023】まず、耐熱性樹脂フイルム上に上記ポリイ
ミド前駆体ワニスを含む溶媒溶液を製膜用スリットから
吐出させて均一に塗布する。塗布方法としては、ロール
コーター、ナイフコーター、密封コーター、コンマコー
ター、ドクターブレードフロートコーターなどによるも
のが挙げられる。次に上記のように耐熱性樹脂フイルム
に塗布した溶液の溶媒を、60〜190℃程度の温度で
連続的または断続的に1〜60分間で加熱除去した後、
更にイミド化及びガス発生量を250ppm以下となす
ための加熱処理を行う。イミド化及びガス発生量を25
0ppm以下となすための加熱処理としては、200〜
350℃の範囲で1〜15分程度の加熱処理を行うこと
が好ましい。このようにしてポリイミド前駆体をイミド
化しポリイミド膜を形成する。
【0024】また、本発明においてポリイミド前駆体の
イミド化後の弾性率が耐熱性樹脂フイルムの弾性率より
も小さくなることが好ましい。
【0025】ポリイミド前駆体をイミド化した後の厚み
としては、好ましくは0.05〜50μm、より好まし
くは0.1〜25μmである。薄すぎると接着効果が弱
くなり、厚すぎるとコストが高くなり経済的でないので
上記範囲が好ましい。
【0026】本発明においては、上記したようにポリイ
ミド前駆体または前駆体をイミド化した膜の中に触媒核
が含有されていることが好ましい。ここで言う触媒核と
は、そのままではメッキ成長の核として働かないが、活
性化処理をすることでメッキ成長の核として働くものを
意味する。触媒核の添加は通常ポリイミド前駆体ワニス
の状態に添加されるが、場合によっては耐熱性樹脂フイ
ルム塗布後に添加してもよく、ポリイミド前駆体をイミ
ド化した後に添加してもよい。
【0027】次に、ポリイミド前駆体または前駆体をイ
ミド化した膜の上に金属メッキ層を形成するが、直接メ
ッキを施すのではなく、メッキ前に核となる金属薄膜を
ポリイミド前駆体または前駆体をイミド化した膜の上に
形成し、しかる後にメッキを施すのが一般的である。こ
のような核となる金属薄膜を形成する方法としては、ウ
エットプロセスとドライプロセスとに分けられる。
【0028】ウエットプロセスの場合、更にポリイミド
前駆体または前駆体をイミド化した膜が触媒核を有して
いる場合と有していない場合とで分けられる。触媒核を
有していない場合、まずパラジウムやニッケル、クロム
などの触媒付与の処理を行い、必要であれば付与した触
媒を活性化する。触媒核を有している場合は必要であれ
ば触媒を活性化する。
【0029】ドライプロセスの場合、ポリイミド前駆体
あるいは前駆体をイミド化した膜にクロムやニッケル、
銅などの金属をスパッタするが、銅などの金属を単独で
スパッタしてもよく、クロム−銅やニッケル−銅などを
組み合わせてスパッタしてもよい。核となる金属薄膜の
厚みについては特に規定されないが、好ましくは1〜1
000nmである。厚すぎると金属薄膜形成に時間がか
かり、薄すぎると欠点が生じて後述するメッキに障害と
なる。
【0030】このようにして形成した金属薄膜上にメッ
キにより金属メッキ層を形成する。金属メッキ層は無電
解メッキのみで形成してもよいが、無電解メッキと電解
メッキを併用して形成してもよく、電解メッキのみで形
成してもよい。
【0031】無電解メッキとして例えば銅をメッキする
場合は硫酸銅とホルムアルデヒドの組み合わせなどが用
いられる。また電解メッキとして例えば銅をメッキする
場合、通常硫酸銅メッキ液、シアン化銅メッキ液、ピロ
りん酸銅メッキ液などが用いられる。
【0032】メッキ厚みは樹脂付き金属箔をどのように
加工するかによっても左右される。すなわち、樹脂付き
金属箔を用いてアディティブ方式(セミアディティブ方
式あるいはフルアディティブ方式)にて配線板を形成す
る場合、金属メッキ層の上に更にメッキにて金属を積層
するので、樹脂付き金属箔の金属メッキ層厚みは0.1
〜10μmの範囲が好ましい。逆に樹脂付き金属箔を用
いてサブトラクティブ方式にて配線板を形成する場合、
金属箔をそのまま配線として使用するので、樹脂付き金
属箔の金属メッキ層厚みは3〜40μmの範囲が好まし
い。従って、無電解メッキを施す場合、厚みとしては
0.1〜20μmで形成する。また電解メッキを施す場
合、厚みとしては0.1〜40μmで形成する。
【0033】上記金属メッキ層を形成する一連の行程と
しては、例えば以下のような手順が挙げられる。すなわ
ち、まず耐熱性樹脂フィルムに塗布したポリイミド前駆
体あるいは前駆体をイミド化したものの整面、表面洗浄
を行う。次にソフトエッチングを実施し、硫酸により酸
洗浄を行い、塩酸による前処理を施す。触媒核が含有さ
れている場合は引き続いて触媒活性化処理を行い、触媒
核が含有されていない場合には触媒付与を行った後に触
媒活性化処理を行う。しかる後に無電解金属メッキを施
し、必要であれば無電解メッキ後に電解金属メッキを行
い、金属メッキ層を形成する。
【0034】本発明においては、ベースフイルムとなる
耐熱性樹脂フイルム上に接着剤となりうるポリイミド前
駆体または前駆体をイミド化した膜を形成し、その上に
金属メッキ層を形成している。ポリイミド前駆体をイミ
ド化することにより、耐熱性樹脂フイルム上に直接金属
メッキ層を形成するよりも強固な接着力が得られ、とり
わけ金属メッキ層を所定の配線パターンにエッチングし
た際にも良好な接着力を得ることができる。
【0035】本発明において接着力とは、JIS C5
016 7.1項に準じ、導体幅3mmのパターンを使
用し、金属箔を180度の方向に50mm/分の速度で
引き剥がした時の値を意味し、通常5N/cm以上が好
ましく、より好ましくは10N/cm以上とされている
が、本発明の樹脂付き金属箔によれば、容易に10N/
cm以上の値を得ることが可能となる。
【0036】また、耐熱性樹脂フイルムが本来有する特
性を損なわない利点も有している。更に、金属層をメッ
キにて形成しているので、金属箔を貼り付けるよりも金
属層厚みを薄くすることが可能であり、セミアディティ
ブ方式でもサブトラクティブ方式でも微細な配線パター
ンを形成するのに有利となる。
【0037】具体的には、上記本発明の樹脂付き金属箔
の金属メッキ層上にレジスト層を形成し、レジスト層を
露光・現像することにより配線パターンに合った形状に
レジストをパターニングし、パターニングしたレジスト
をエッチングマスクとして金属メッキ層をエッチングし
て配線パターンを形成し、配線パターン形成後にレジス
トを除去することにより得られる配線板として好ましく
使用される。
【0038】また、上記本発明の樹脂付き金属箔の金属
メッキ層上にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・
現像することにより配線パターンを形成する部分のレジ
ストを除去し、レジストを除去した部分にメッキにより
配線パターンを形成し、その後にレジストを剥離し、配
線パターン以外の金属メッキ層を除去することにより得
られる配線板とすることも好ましい。
【0039】本発明の樹脂付き金属箔は、耐熱性樹脂フ
イルムの片面あるいは両面に金属メッキ層を有してお
り、セミアディティブ方式あるいはサブトラクティブ方
式を用いて配線を形成することにより片面あるいは両面
配線板を形成することができ、フレキシブル配線板用途
に好ましく使用できる。
【0040】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0041】合成例1 温度計、撹拌装置、還流器を備えた500mlのフラス
コ内を窒素雰囲気下に置換し、N,N−ジメチルアセト
アミド228gを入れ、1,1,3,3−テトラメチル
−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン1
9.88gを溶解し、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物25.76gを加え、窒
素雰囲気下で10℃で1時間、引き続いて50℃で3時
間撹拌しながら反応させ、ポリイミド前駆体ワニスを得
た。
【0042】合成例2 合成例1で得たポリイミド前駆体ワニスにパラジウム触
媒核を5g添加し、触媒核含有ポリイミド前駆体ワニス
を得た。
【0043】合成例3 合成例1と同じ反応容器を用い、N,N−ジメチルアセ
トアミド208gを入れ、1,1,3,3−テトラメチ
ル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン1
7.64g、パラフェニレンジアミン2.163gを溶
解し、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物32.2gを加え、窒素雰囲気下で10
℃で1時間、引き続いて50℃で3時間撹拌しながら反
応させ、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
【0044】合成例4 合成例2で得たポリイミド前駆体ワニスにパラジウム触
媒核を3g添加し、触媒核含有ポリイミド前駆体ワニス
を得た。
【0045】合成例5 合成例1と同じ反応容器を用い、N,N−ジメチルアセ
トアミド326gを入れ、1,1,3,3−テトラメチ
ル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン1
6.59g及びパラフェニレンジアミン4.362gを
溶解し、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物32.2gを加え、窒素雰囲気下で1
0℃で1時間、引き続いて50℃で3時間撹拌しながら
反応させ、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
【0046】合成例6 合成例5で得たポリイミド前駆体ワニスにパラジウム触
媒核を10g添加し、触媒核含有ポリイミド前駆体ワニ
スを得た。
【0047】合成例7 合成例1と同じ反応容器を用い、N,N−ジメチルアセ
トアミド86gを入れ、パラフェニレンジアミン5.4
08gを溶解し、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物16.1gを加え、窒素雰囲
気下で10℃で1時間、引き続いて50℃で3時間撹拌
しながら反応させ、シロキサン系ジアミンを含まないポ
リイミド前駆体ワニスを得た。
【0048】実施例1 50μm厚の宇部興産(株)製ポリイミドフイルム「ユ
ーピレックスS」の片面上に合成例1で合成したポリイ
ミド前駆体ワニスを乾燥後の膜厚が12μmになるよう
に塗布し、まず80℃で10分間乾燥し、次に130℃
で10分間乾燥し、更に150℃で15分間乾燥した。
ついで該塗布品に250℃で5分加熱処理を施して、イ
ミド化および発生ガス量を制御する処理を行った。
【0049】このようにして得られたフイルムのポリイ
ミド前駆体をイミド化した側をイソプロパノールで脱脂
し、水酸化ナトリウム含有溶液にてソフトエッチング
し、塩酸で中和し、奥野製薬工業(株)製OPC−50
インデューサーにて触媒付与し、奥野製薬工業(株)製
OPC−150クリスターにて還元処理を施し、その後
に無電解銅メッキで厚さ0.5μmまでメッキし、電解
銅メッキにより最終的に厚さ35μmの銅層を形成し、
金属メッキ層が銅である片面樹脂付き金属箔を得た。
【0050】樹脂付き金属箔形成後、250℃1時間加
熱処理してガス発生量を測定したところ、42ppmで
あり、ガス発生による金属メッキ層の剥がれなどは観察
されなかった。また、形成した樹脂付き金属箔における
金属メッキ層と基材フイルムとの接着力を調べるため、
JIS C5016 7.1項に準じ、導体幅3mmの
パターンを使用し、金属メッキ層を180度の方向に5
0mm/分の速度で引き剥がした時の値を測定したとこ
ろ、16N/cmであった。
【0051】比較例1 実施例1において、合成例1で合成したポリイミド前駆
体ワニスの代わりに合成例7で合成したワニスを用いた
以外は実施例1と同様にして樹脂付き金属箔を作製し
た。ガス発生量は1350ppmであり、多数箇所で金
属メッキ層の剥がれが生じた。実施例1と同様にして金
属メッキ層と基材フイルムとの接着力を測定したとこ
ろ、1N/cm以下であり、簡単に金属メッキ層と基材
フイルムとが剥離し、実用レベルではなかった。
【0052】実施例2 合成例1で合成したポリイミド前駆体ワニスの代わりに
合成例2で合成したポリイミド前駆体ワニスを使用し、
実施例1と同様にして塗布、乾燥、イミド化および発生
ガス量を制御する処理を行った。
【0053】得られたフイルムのポリイミド前駆体ワニ
スをイミド化した側をイソプロパノールで脱脂し、水酸
化ナトリウム含有溶液にてソフトエッチングし、塩酸で
中和し、奥野製薬工業(株)製OPC−150クリスタ
ーにて還元処理を施し、奥野製薬工業(株)製TMP化
学ニッケルHR−Tにて無電解ニッケルメッキを施し、
その後に無電解銅メッキで厚さ1μmまでメッキし、電
解銅メッキにより最終的に厚さ3μmの銅層を形成し、
金属メッキ層が銅である片面樹脂付き金属箔を得た。
【0054】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、42ppmであり、ガス発生による金属メ
ッキ層の剥がれなどは観察されなかった。また、形成し
た樹脂付き金属箔における金属メッキ層と基材フイルム
との接着力を調べるため、実施例1と同様にして引き剥
がした時の値を測定したところ、17N/cmであっ
た。
【0055】実施例3 50μm厚の東レ・デュポン(株)製ポリイミドフイル
ム「カプトンEN」の両面上にまずプラズマ処理を施
し、しかる後に合成例3で合成したポリイミド前駆体ワ
ニスを乾燥後の膜厚が18μmになるように塗布し、ま
ず80℃で10分間乾燥し、次に120℃で10分間乾
燥し、更に150℃で15分間乾燥した。ついで該塗布
品に210℃で5分加熱処理を施して、イミド化および
発生ガス量を制御する処理を行った。
【0056】このようにして得られたフイルムのポリイ
ミド前駆体をイミド化した上に荏原ユージライト(株)
製クリーナーコンディショナーDP−110で洗浄し、
荏原ユージライト(株)製DP−200と硫酸とを用い
てソフトエッチングし、荏原ユージライト(株)製DP
−300と塩酸とを用いてプレディップし、荏原ユージ
ライト(株)製DP−300とDP−350と塩酸とを
用いて触媒付与し、荏原ユージライト(株)製DP−4
00A〜DとDP−410とを用いて触媒を活性化し、
荏原ユージライト(株)製DP−500を用いて触媒の
還元処理を施し、荏原ユージライト(株)製PB−24
2Dにて酸性脱脂を施し、硫酸にて酸洗浄し、その後に
硫酸銅を用いて電解銅メッキを施し、厚さ8μmの銅層
を両面に形成し、両面の金属メッキ層が銅である樹脂付
き金属箔を得た。
【0057】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、45ppmであり、ガス発生による金属メ
ッキ層の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例
1と同様にして金属メッキ層を引き剥がした時の値を測
定したところ、19N/cmであった。
【0058】実施例4 合成例3で合成したポリイミド前駆体ワニスの代わりに
合成例4で合成したポリイミド前駆体ワニスを使用し、
実施例3と同様にして塗布、乾燥、イミド化および発生
ガス量を制御する処理を行った。
【0059】このようにして得られたフイルムのポリイ
ミド前駆体をイミド化した上に荏原ユージライト(株)
製クリーナーコンディショナーDP−110で洗浄し、
荏原ユージライト(株)製DP−200と硫酸とを用い
てソフトエッチングし、荏原ユージライト(株)製DP
−300と塩酸とを用いてプレディップし、荏原ユージ
ライト(株)製DP−400A〜DとDP−410とを
用いて触媒を活性化し、荏原ユージライト(株)製DP
−500を用いて触媒の還元処理を施し、荏原ユージラ
イト(株)製PB−242Dにて酸性脱脂を施し、硫酸
にて酸洗浄し、その後に硫酸銅を用いて電解銅メッキを
施し、厚さ2μmの銅層を両面に形成し、両面の金属メ
ッキ層が銅である樹脂付き金属箔を得た。
【0060】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、45ppmであり、ガス発生による金属メ
ッキ層の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例
1と同様にして金属メッキ層を引き剥がした時の値を測
定したところ、20N/cmであった。
【0061】実施例5 50μm厚の鐘淵化学工業(株)製ポリイミドフイルム
「アピカルNPI」の両面上にまずプラズマ処理を施
し、しかる後に合成例5で合成したポリイミド前駆体ワ
ニスを乾燥後の膜厚が8μmになるように塗布し、まず
80℃で10分間乾燥し、次に120℃で10分間乾燥
し、更に150℃で15分間乾燥した。ついで該塗布品
に210℃で5分加熱処理を施して、イミド化および発
生ガス量を制御する処理を行った。
【0062】このようにして得られたフイルムのポリイ
ミド前駆体をイミド化した上にクロムスパッタを50n
m、銅スパッタを100nm施した。その後に無電解銅
メッキにて厚さ1μmの銅層を両面に形成し、両面の金
属メッキ層が銅である樹脂付き金属箔を得た。
【0063】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、49ppmであり、ガス発生による金属メ
ッキ層の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例
1と同様にして金属メッキ層を引き剥がした時の値を測
定したところ、20N/cmであった。
【0064】実施例6 合成例5で合成したポリイミド前駆体ワニスの代わりに
合成例6で合成したポリイミド前駆体ワニスを使用し、
実施例5と同様にして塗布、乾燥、イミド化および発生
ガス量を制御する処理を行った。
【0065】このようにして得られたフイルムのポリイ
ミド前駆体をイミド化した側の上をクロム酸により表面
粗化し、シプレイ(株)製中和液にて中和し、シプレイ
(株)製アクセラレーターにて触媒核の活性化を行い、
その後に無電解銅メッキにて厚さ12μmの銅層を両面
に形成し、両面の金属メッキ層が銅である樹脂付き金属
箔を得た。
【0066】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、49ppmであり、ガス発生による金属メ
ッキ層の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例
1と同様にして金属メッキ層を引き剥がした時の値を測
定したところ、21N/cmであった。
【0067】実施例7 実施例1で作製した片面の樹脂付き金属箔の金属メッキ
層の上にフォトレジストを乾燥膜厚が5μmになるよう
に塗布・乾燥し、線幅が5〜100μmであるような配
線パターンに合ったマスクを用いて露光・現像を施し、
配線層パターン部分のみが残ったレジストパターンを得
た。
【0068】次に、レジストが除去された部分の金属を
10%塩化鉄水溶液にてエッチングし、片面配線板を得
た。得られた配線板では、5μm幅の細い配線も100
μm幅の比較的太い配線もフイルムと強固に接着してお
り、配線パターンの欠落などは見られなかった。
【0069】実施例8 実施例3で作製した樹脂付き金属箔の両面の金属メッキ
層の上に実施例7と同様のレジストとマスクを用いてレ
ジストパターンを作製し、実施例7と同様にして両面の
金属をエッチングし、両面のレジストを除去して両面配
線板を得た。得られた配線板では、両面共に5μm幅の
細い配線も100μm幅の比較的太い配線もフイルムと
強固に接着しており、配線パターンの欠落などは見られ
なかった。
【0070】実施例9 実施例6で作製した樹脂付き金属箔の両面の金属メッキ
層の上に実施例7と同様のレジストとマスクを用いてレ
ジストパターンを作製し、実施例7と同様にして両面の
金属をエッチングし、両面のレジストを除去して両面配
線板を得た。得られた配線板では、両面共に5μm幅の
細い配線も100μm幅の比較的太い配線もフイルムと
強固に接着しており、配線パターンの欠落などは見られ
なかった。
【0071】実施例10 実施例2で作製した片面の樹脂付き金属箔の金属メッキ
層の上にフォトレジストを乾燥膜厚が5μmになるよう
に塗布・乾燥し、線幅が5〜100μmであるような配
線パターンに合ったマスクを用いて露光・現像を施し、
配線層パターン部分のみが除去されたレジストパターン
を得た。
【0072】次に、レジストが除去された部分の金属に
無電解銅メッキと電解銅メッキを施し、4.5μmまで
メッキした。その後にスズメッキと金メッキを施し、最
終的にレジストと同じ高さである5μmまでメッキを施
した。
【0073】メッキ終了後、レジストを除去し、次いで
塩化鉄水溶液を用いてソフトエッチングして配線部分以
外の金属を除去し、片面配線板を得た。得られた配線板
では、5μm幅の細い配線も100μm幅の比較的太い
配線もフイルムと強固に接着しており、配線パターンの
欠落などは見られなかった。
【0074】実施例11 実施例4で作製した樹脂付き金属箔の両面の金属メッキ
層の上に実施例10と同様のレジストとマスクを用いて
厚さ15μmのレジストパターンを作製し、電解銅メッ
キを施してレジストと同じ高さである厚さ15μmまで
メッキした。その後にレジストを除去し、次いで全体を
塩化銅水溶液を用いてソフトエッチングし、配線部分以
外の金属を除去することで両面配線板を得た。得られた
配線板では、5μm幅の細い配線も100μm幅の比較
的太い配線もフイルムと強固に接着しており、配線パタ
ーンの欠落などは見られなかった。
【0075】実施例12 実施例5で作製した樹脂付き金属箔の両面の金属メッキ
層の上に実施例10と同様のレジストとマスクを用いて
厚さ10μmのレジストパターンを作製し、無電解ニッ
ケルメッキを施して厚さ8μmまでメッキした。その後
にスズメッキと金メッキを施し、最終的にレジストと同
じ高さである5μmまでメッキを施した。
【0076】メッキ終了後、レジストを除去し、次いで
塩化鉄水溶液を用いてソフトエッチングして配線部分以
外の金属を除去し、両面配線板を得た。得られた配線板
では、5μm幅の細い配線も100μm幅の比較的太い
配線もフイルムと強固に接着しており、配線パターンの
欠落などは見られなかった。
【0077】
【発明の効果】本発明の樹脂付き金属箔は、特定のポリ
イミド系接着剤を用いるため、耐熱性樹脂フイルムの物
性を生かせると共に、加熱処理時の発生ガスが少なく、
かつ金属メッキ層と耐熱性樹脂フイルムとが強固に接着
したものである。該樹脂付き金属箔を用いた配線板は配
線パターンの欠落などの発生が少なく優れたものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/00 H05K 3/00 R 3/06 3/06 A 3/18 3/18 D // C08L 79:08 C08L 79:08 Fターム(参考) 4F006 AA39 AB38 4F100 AB01C AB17 AK01A AK49B AK52B BA03 BA07 BA10A BA10C EH46 EH71C GB43 JJ03A JL11 4J043 QB31 SA06 SA85 SB01 TA14 TA22 TB01 UA122 UA131 UA132 UA252 UA262 UB011 UB012 UB022 UB121 UB152 UB301 UB401 UB402 YA06 ZB50 5E339 AA02 AB02 AD01 BC02 BD08 BD11 BE11 CC01 CD01 CE11 CE12 CF16 CF17 DD02 5E343 AA02 AA12 AA33 BB16 BB24 BB67 BB71 CC62 DD43 DD75 EE17 ER16 ER18 GG01 GG16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性樹脂フイルムの少なくとも片面に、
    芳香族テトラカルボン酸二無水物とシロキサン系ジアミ
    ンを主成分とするポリイミド前駆体を塗布した上に金属
    メッキ層を積層した樹脂付き金属箔。
  2. 【請求項2】ポリイミド前駆体が触媒核を有する請求項
    1記載の樹脂付き金属箔。
  3. 【請求項3】シロキサン系ジアミンが次の一般式[I]
    で示されるものである請求項1記載の樹脂付き金属箔。 【化1】 (式中、nは1以上の整数を示す。R1、R2は低級アル
    キレン基またはフェニレン基であって、それぞれ同一ま
    たは異なっていてもよい。R3〜R6は低級アルキル基、
    フェニル基、またはフェノキシ基であって、それぞれ同
    一または異なっていてもよい。)
  4. 【請求項4】塗布されたポリイミド前駆体が全てイミド
    化された上に金属メッキ層が形成された請求項1記載の
    樹脂付き金属箔。
  5. 【請求項5】イミド化されたポリイミド前駆体の発生ガ
    ス量が加熱温度100〜300℃において250ppm
    以下である請求項1または4記載の樹脂付き金属箔。
  6. 【請求項6】請求項1記載の樹脂付き金属箔の金属メッ
    キ層上にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・現像
    することにより配線パターンに合った形状にレジストを
    パターニングし、パターニングしたレジストをエッチン
    グマスクとして金属メッキ層をエッチングして配線パタ
    ーンを形成し、配線パターン形成後にレジストを除去す
    ることにより得られる配線板。
  7. 【請求項7】請求項1記載の樹脂付き金属箔の金属メッ
    キ層上にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・現像
    することにより配線パターンを形成する部分のレジスト
    を除去し、レジストを除去した部分にメッキにより配線
    パターンを形成し、その後にレジストを剥離し、配線パ
    ターン以外の金属メッキ層を除去することにより得られ
    る配線板。
JP2001063636A 2001-03-07 2001-03-07 樹脂付き金属箔及びこれを用いた配線板 Pending JP2002264255A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063636A JP2002264255A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 樹脂付き金属箔及びこれを用いた配線板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063636A JP2002264255A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 樹脂付き金属箔及びこれを用いた配線板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002264255A true JP2002264255A (ja) 2002-09-18

Family

ID=18922592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001063636A Pending JP2002264255A (ja) 2001-03-07 2001-03-07 樹脂付き金属箔及びこれを用いた配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002264255A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006013950A1 (ja) * 2004-08-05 2006-02-09 Kaneka Corporation 溶液、めっき用材料、絶縁シート、積層体及びプリント配線板
JP2006068986A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Toray Ind Inc 多層ポリイミドフィルム及びこれを用いた金属層付き積層フィルム
JP2006082228A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂複合銅箔とこれを用いた銅張積層板及びプリント配線板
WO2006041117A1 (ja) * 2004-10-14 2006-04-20 Kaneka Corporation めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液、及びこれらを用いてなるプリント配線板
JP2006138013A (ja) * 2004-10-14 2006-06-01 Kaneka Corp めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液及びこれらを用いてなるプリント配線板
JP2006138014A (ja) * 2004-10-14 2006-06-01 Kaneka Corp めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液及びこれらを用いてなるプリント配線板
JP2006168342A (ja) * 2004-11-19 2006-06-29 Kaneka Corp 絶縁性接着シート及びプリント配線板
JP2006183132A (ja) * 2004-09-22 2006-07-13 Kaneka Corp 溶液、めっき用材料及びプリント配線板
JP2006224644A (ja) * 2005-01-18 2006-08-31 Kaneka Corp 絶縁シートおよび金属層/絶縁シート積層体とそれを用いたプリント配線板
JP2006324654A (ja) * 2005-04-19 2006-11-30 Kaneka Corp 銅張積層板およびプリント配線板
JP2007046048A (ja) * 2005-07-15 2007-02-22 Kaneka Corp 無電解めっき用材料及びプリント配線板
JP2007045150A (ja) * 2005-07-15 2007-02-22 Kaneka Corp 繊維−樹脂複合体とその製造方法、及びプリント配線板
JP2007291422A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Hitachi Maxell Ltd ポリマー基材のメッキ膜の形成方法及びポリマー基材
US7573426B2 (en) 2006-11-30 2009-08-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Antenna and radio terminal having antenna thereof
CN1993498B (zh) * 2004-08-05 2011-04-13 株式会社钟化 印刷布线板
CN114044928A (zh) * 2021-12-02 2022-02-15 江苏行坤锐科技有限公司 一种具有高度可见光透过性非氟聚酰亚胺薄膜的制备方法

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI398548B (zh) * 2004-08-05 2013-06-11 Kaneka Corp 溶液、鍍敷用材料、絕緣片材、積層體及印刷線路板
US8092900B2 (en) 2004-08-05 2012-01-10 Kaneka Corporation Solution, component for plating, insulating sheet, laminate, and printed circuit board
CN1993498B (zh) * 2004-08-05 2011-04-13 株式会社钟化 印刷布线板
WO2006013950A1 (ja) * 2004-08-05 2006-02-09 Kaneka Corporation 溶液、めっき用材料、絶縁シート、積層体及びプリント配線板
JP2006068986A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Toray Ind Inc 多層ポリイミドフィルム及びこれを用いた金属層付き積層フィルム
JP2006082228A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 樹脂複合銅箔とこれを用いた銅張積層板及びプリント配線板
JP2006183132A (ja) * 2004-09-22 2006-07-13 Kaneka Corp 溶液、めっき用材料及びプリント配線板
WO2006041117A1 (ja) * 2004-10-14 2006-04-20 Kaneka Corporation めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液、及びこれらを用いてなるプリント配線板
JP2006138013A (ja) * 2004-10-14 2006-06-01 Kaneka Corp めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液及びこれらを用いてなるプリント配線板
JP2006138014A (ja) * 2004-10-14 2006-06-01 Kaneka Corp めっき用材料、該めっき用材料に用いるポリアミド酸溶液、ポリイミド樹脂溶液及びこれらを用いてなるプリント配線板
KR101195730B1 (ko) 2004-10-14 2012-10-29 가부시키가이샤 가네카 도금용 재료, 상기 도금용 재료에 사용되는 폴리아미드산 용액, 폴리이미드 수지 용액 및 이들을 사용하여 제조되는 인쇄 배선판
US8889250B2 (en) 2004-10-14 2014-11-18 Kaneka Corporation Plating target material, polyamic solution and polyimide resin solution which are used to form the plating target material, and printed-wiring board using them
JP2006168342A (ja) * 2004-11-19 2006-06-29 Kaneka Corp 絶縁性接着シート及びプリント配線板
JP2006224644A (ja) * 2005-01-18 2006-08-31 Kaneka Corp 絶縁シートおよび金属層/絶縁シート積層体とそれを用いたプリント配線板
JP2006324654A (ja) * 2005-04-19 2006-11-30 Kaneka Corp 銅張積層板およびプリント配線板
JP2007046048A (ja) * 2005-07-15 2007-02-22 Kaneka Corp 無電解めっき用材料及びプリント配線板
JP2007045150A (ja) * 2005-07-15 2007-02-22 Kaneka Corp 繊維−樹脂複合体とその製造方法、及びプリント配線板
JP4680824B2 (ja) * 2006-04-21 2011-05-11 日立マクセル株式会社 ポリマー基材のメッキ膜の形成方法及びポリマー基材
JP2007291422A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Hitachi Maxell Ltd ポリマー基材のメッキ膜の形成方法及びポリマー基材
US7573426B2 (en) 2006-11-30 2009-08-11 Kabushiki Kaisha Toshiba Antenna and radio terminal having antenna thereof
CN114044928A (zh) * 2021-12-02 2022-02-15 江苏行坤锐科技有限公司 一种具有高度可见光透过性非氟聚酰亚胺薄膜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002264255A (ja) 樹脂付き金属箔及びこれを用いた配線板
TWI494036B (zh) Flexible circuit substrate and method of manufacturing the same
TWI437937B (zh) 銅配線聚醯亞胺膜之製造方法及銅配線聚醯亞胺膜
KR100767177B1 (ko) 접착 보조제 부착 금속박, 인쇄 배선판 및 인쇄 배선판의제조 방법
JPWO2009054456A1 (ja) プリント配線板の製造方法
JP4062803B2 (ja) 磁気ヘッド用サスペンションの製造方法
TW525420B (en) Heat resistant resin film having metal layer, wiring board and processes for producing them
TWI392421B (zh) 金屬配線基板之製造方法
JP4765769B2 (ja) 無色透明フレキシブル金属張積層体およびそれを用いた無色透明フレキシブルプリント配線板
JP2003031924A (ja) 金属回路形成方法
JP4491574B2 (ja) Hdd用サスペンション及びその製造方法
JP2002338930A (ja) 半導体装置用接着材料および樹脂付き金属箔ならびに配線板
JP2003082135A (ja) ポリイミド層を含む積層体のエッチング方法
JP2003234558A (ja) 配線板およびその製造方法
JP2002338929A (ja) 半導体装置用接着材料および樹脂付き金属箔ならびに配線板
JP2002212419A (ja) 配線回路基板用樹脂組成物、配線回路基板用基材および配線回路基板
JP2007194603A (ja) フレキシブルプリント配線板およびその製造方法
KR20070114017A (ko) 금속 부착 판
JP4911296B2 (ja) 金属配線耐熱性樹脂基板の製造方法
JP5129170B2 (ja) 回路配線基板の製造方法
JPH05200946A (ja) 耐熱性接着材料
JPWO2020050338A1 (ja) 積層体
TW584595B (en) Process for preparing metal-coated aromatic polyimide film
JP2006103304A (ja) ポリイミド金属積層板及びその製造方法
JP2002347171A (ja) 樹脂付き金属箔及び樹脂付き金属箔を用いた配線板