JP2002338930A - 半導体装置用接着材料および樹脂付き金属箔ならびに配線板 - Google Patents

半導体装置用接着材料および樹脂付き金属箔ならびに配線板

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JP2002338930A
JP2002338930A JP2001152407A JP2001152407A JP2002338930A JP 2002338930 A JP2002338930 A JP 2002338930A JP 2001152407 A JP2001152407 A JP 2001152407A JP 2001152407 A JP2001152407 A JP 2001152407A JP 2002338930 A JP2002338930 A JP 2002338930A
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JP
Japan
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metal foil
resist
resin
adhesive material
polyimide precursor
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Application number
JP2001152407A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kokuni
昌宏 小國
Mitsuyoshi Yokura
與倉  三好
Toshio Yoshimura
利夫 吉村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性樹脂フイルムの物性を損なうことがな
く、加熱処理時の発生ガスが少なく、耐熱性樹脂フイル
ムと金属箔とが強固に接着する半導体装置用接着材料、
樹脂付き金属箔並びに樹脂付き金属箔を用いた配線板を
提供する。 【解決手段】耐熱性樹脂フイルムの少なくとも片面に、
芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンを主成分と
するポリイミド前駆体を塗布した半導体装置用接着材料
であって、芳香族テトラカルボン酸二無水物が一般式
[I]で示されるものを含むことを特徴とする半導体装
置用接着材料。 【化1】 (式中、R1はアルキレン基、下記に示される構造から
選ばれる少なくとも1種である。) 【化2】 (式中、R2、R3は低級アルキレン基またはフェニレン
基であって、それぞれ同一または異なっていてもよい。
4 〜R7は低級アルキル基、フェニル基、またはフェ
ノキシ基であって、それぞれ同一または異なっていても
よい。nは1以上の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブル配線板
の製造に用いられる半導体装置用接着材料、樹脂付き金
属箔及びこの樹脂付き金属箔を用いた配線板に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐熱性樹脂フイルムはその樹
脂特有の特徴を生かしさまざまな分野で使用されてい
る。例えば、金属箔と接着剤で積層したFPC(フレキ
シブルプリント基板)、TAB(tape automated bon
ding)用のフイルムキャリアテープなどは周知の通りで
ある。これらは、ポリイミドなどの耐熱性樹脂フイルム
と金属箔をエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミ
ド樹脂系、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム)系などの接着剤を用いて貼り合わせたものである。
このようなFPCやフイルムキャリアテープの諸特性
は、現状においては、使用する接着剤の性能に左右され
ており、耐熱性樹脂フイルムの有する優れた耐熱性やそ
の他の特性が十分に生かされていない。このためポリイ
ミドフイルムを用いても、ポリイミドの耐熱性が350
℃以上であるにもかかわらず、FPCやフイルムキャリ
アテープの半田耐熱性は通常300℃以下となってしま
う。
【0003】更に、金属箔を貼るのではなく、エポキシ
樹脂系、アクリル樹脂系、ポリアミド樹脂系、NBR系
などの接着剤の上に金属をスパッタ、あるいは接着剤の
上にウエットプロセスにより薄い金属層を形成し、その
後メッキによりさらに金属層を形成する方法も知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決する方法として、接着剤を用いずに金属箔表面にポリ
イミド前駆体ないしポリイミドの有機極性溶媒溶液を直
接塗布した後、溶媒の乾燥除去、イミド化する方法も知
られている。しかしながら、接着剤を用いないため、金
属箔とポリイミドとの接着性が不足しており、金属層を
パターニングして配線を形成する際に、配線層がポリイ
ミドから剥離してしまう問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、耐熱
性樹脂フイルムの少なくとも片面に、芳香族テトラカル
ボン酸二無水物とジアミンを主成分とするポリイミド前
駆体を塗布した半導体装置用接着材料であって、芳香族
テトラカルボン酸二無水物が一般式[I]で示されるも
のを含むことを特徴とする半導体装置用接着材料であ
る。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1はアルキレン基、下記に示さ
れる構造から選ばれる少なくとも1種である。)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R2、R3は低級アルキレン基また
はフェニレン基であって、それぞれ同一または異なって
いてもよい。R4 〜R7は低級アルキル基、フェニル
基、またはフェノキシ基であって、それぞれ同一または
異なっていてもよい。nは1以上の整数を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の半導体装置用接着材料
は、ベースフイルムとなる耐熱性樹脂フイルム上に、予
め、接着剤層として柔軟な骨格を有する芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物とジアミンを主成分としたポリイミド
前駆体を塗布したものであり、本発明の樹脂付き金属箔
はこの接着材料の上に金属層を形成したものである。
【0011】ベースフイルムとなる耐熱性樹脂フイルム
としては、ビスフェノール類のジカルボン酸の縮合物で
あるポリアリレート、ポリスルホン、またはポリエーテ
ルスルホンに代表されるポリアリルスルホン、ベンゾテ
トラカルボン酸と芳香族イソシアネートとの縮合物、あ
るいはビスフェノール類、芳香族ジアミン、ニトロフタ
ル酸の反応から得られる熱硬化性ポリイミド、芳香族ポ
リイミド、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエーテルアミ
ド、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリルエーテル
ケトン、ポリアミドイミド、液晶ポリマーなどの樹脂を
フイルムにしたものが挙げられるが、これらに限定され
ない。具体的な製品としては、東レ・デュポン(株)製
「カプトン」、宇部興産(株)製「ユーピレックス」、
鐘淵化学工業(株)製「アピカル」、東レ(株)製「ミ
クトロン」、(株)クラレ製「ベキトラ」などが挙げら
れる。
【0012】これらの樹脂の中では芳香族ポリイミド、
芳香族ポリアミド、特にピロメリット酸二無水物、ある
いはビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミノジ
フェニルエーテル、パラフェニレンジアミンなどの芳香
族ジアミンとの縮合物である芳香族ポリイミドが好まし
い。
【0013】上記耐熱性樹脂フイルム表面にコロナ放電
処理や低温プラズマ処理、あるいは公知のウエットプロ
セス処理などを施すのは任意であり、とりわけ適当なプ
ラズマ処理を施すことが接着力向上の点で好ましい。
【0014】耐熱性樹脂フイルムの厚みとしては、好ま
しくは5〜125μm、より好ましくは20〜80μm
である。薄すぎるとフイルムの搬送性に支障をきたすの
で上記範囲が好ましい。
【0015】上記耐熱性樹脂フイルムの少なくとも片面
に塗布されるポリイミド前駆体は、ベースフイルムであ
る耐熱性樹脂フイルムと金属層とを接着させる接着剤と
して機能する。このようなポリイミド前駆体は柔軟な骨
格を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミン
とを主成分とするものである。
【0016】特に本発明で好ましく用いられる柔軟な骨
格を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例と
しては、一般式[I]で示される。
【0017】
【化5】
【0018】式中、R1はアルキレン基、下記に示され
る構造から選ばれる少なくとも1種である。)
【0019】
【化6】
【0020】R2、R3は低級アルキレン基またはフェニ
レン基であって、それぞれ同一または異なっていてもよ
い。R4 〜R7は低級アルキル基、フェニル基、または
フェノキシ基であって、それぞれ同一または異なってい
てもよい。nは1以上の整数を示す。
【0021】R1はなかでもシロキサン骨格を有するも
の、アルキレン基を有するものが好ましい。シロキサン
骨格としては、ケイ素原子にメチル基を有するもの、フ
ェニル基を有するもの、メトキシ基を有するもの、フェ
ノキシ基を有するものなどが挙げられる。またアルキレ
ン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ポリメ
チレン基などが挙げられ、これらは適当な置換基を有し
ていてもよく、鎖中にエーテル結合やエステル結合、ア
ミノ結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カ
ーボネート結合などを鎖中に含んでいてもよい。この場
合の置換基としてはアルキル基、フェニル基、メトキシ
基、フェノキシ基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、フッ
素原子、塩素原子などが挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0022】このような柔軟な骨格を有する酸二無水物
は単独あるいは2種以上混合して用いられるが、接着性
や耐熱性などの要求特性を満足させる目的から2種以上
混合して用いることも好ましい。
【0023】また、必要に応じて一般式[I]で示され
る以外の酸二無水物を混合することも接着剤としての機
能とポリイミドの耐熱性の両方を引き出す点から好まし
い。このような酸二無水物としては特に限定されない
が、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス
(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二
無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニ
ル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェ
ニル)メタン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレ
ンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラ
カルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナン
トレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。こ
れらの酸二無水物を併用する場合、1種あるいは2種類
以上混合して用いられる。
【0024】ジアミンとしては、脂肪族ジアミンや芳香
族ジアミン、シロキサンジアミンなどが用いられる。脂
肪族ジアミンとしてはエチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジ
アミン、1,8−オクタンジアミンなどが挙げられるが
これらに限定されず、鎖中にエーテル結合やエステル結
合、アミノ結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結
合、カーボネート結合などを含んだ脂肪族ジアミンでも
よい。芳香族ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、パラフェ
ニレンジアミンなどが挙げられるが、これらに限定され
ず、鎖中にエーテル結合やエステル結合、アミノ結合、
アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、カーボネート
結合などを含んだ芳香族ジアミンでもよい。シロキサン
ジアミンとしては、1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、
1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(2
−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,
5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニ
ル)トリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル
−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、
1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−
アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,5,5−テト
ラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−ア
ミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テト
ラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−
アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テ
トラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5
−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3−
テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシ
ロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビ
ス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,
3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)
ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ
−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、
1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−
1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、
1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−
1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、
1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−
1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、
1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス
(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,
3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミ
ノプロピル)トリシロキサンなどが挙げられるが、これ
らに限定されず、鎖中にエーテル結合やエステル結合、
アミノ結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、
カーボネート結合などを含んだシロキサンジアミンでも
よい。これらのジアミンは単独または2種以上混合して
用いることができる。
【0025】本発明のポリイミド前駆体において、全酸
二無水物化合物中に対して一般式[I]に該当する酸無
水物の割合はイミド化後のカール防止効果及び接着性の
向上効果の点からは50mol%以上であることが好ま
しい。
【0026】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとの反応は、略化学量論量の芳香族テトラカルボ
ン酸またはその無水物とジアミンとをN,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン等の有機溶媒中で0〜80℃で反
応させればよい。これらの有機溶媒は単独あるいは二種
以上混合して用いられ、ポリイミド前駆体が析出しない
程度であればベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘ
キサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の
溶媒を加えてもよい。ポリイミド前駆体ワニス濃度は特
に限定されないが、5〜60重量%が好ましく、10〜
40重量%が特に好ましい。
【0027】本発明の半導体装置用接着材料及び樹脂付
き金属箔においては、耐熱性樹脂フイルム上にポリイミ
ド前駆体を塗布している。ポリイミド前駆体のイミド化
に関しては、ポリイミドとしての性能を引き出すために
金属層形成前に行なわれていることが好ましく、特に、
ポリイミド前駆体を耐熱性樹脂フイルムに塗布した直後
に行なわれていることが好ましい。本発明において使用
されるポリイミド前駆体はイミド化した後は熱可塑性で
あるので、ポリイミドの状態で接着剤として使用できる
利点を有している。熱硬化性のポリイミドの場合、硬化
すなわちイミド化の際に水が発生するため、この水がガ
スとなり発泡が生じてしまう。
【0028】本発明においてイミド化した後のポリイミ
ド前駆体は、加熱処理時の発生ガスが少ないので、水そ
の他のガスによる発泡が少なくなるが、イミド化した後
の加熱温度100〜300℃において発生するガス量が
250ppm以下であることが好ましい。より好ましく
は150ppm以下、更に好ましくは100ppm以下
である。ここで加熱温度100〜300℃において発生
するガス量とは、熱重量分析・微分解重量分析・質量分
析法により測定して求めたものである。
【0029】次に、上記した本発明の半導体装置用接着
材料の製造方法を説明する。まず、耐熱性樹脂フイルム
上に上記ポリイミド前駆体ワニスを含む溶媒溶液を製膜
用スリットから吐出させて均一に塗布する。塗布方法と
しては、ロールコーター、ナイフコーター、密封コータ
ー、コンマコーター、ドクターブレードフロートコータ
ーなどによるものが挙げられる。次に上記のように耐熱
性樹脂フイルムに塗布した溶液の溶媒を、60〜190
℃程度の温度で連続的または断続的に1〜60分間で加
熱除去した後、更にイミド化及びガス発生量を250p
pm以下となすための加熱処理を行う。イミド化及びガ
ス発生量を250ppm以下となすための加熱処理とし
ては、200〜350℃の範囲で1〜15分程度の加熱
処理を行うことが好ましい。このようにしてポリイミド
前駆体をイミド化しポリイミド膜を形成し、半導体装置
用接着材料を得る。
【0030】また、本発明においてポリイミド前駆体の
イミド化後の弾性率が耐熱性樹脂フイルムの弾性率より
も小さくなることが好ましい。
【0031】ポリイミド前駆体をイミド化した後の厚み
としては、好ましくは0.05〜50μm、より好まし
くは0.1〜25μmである。薄すぎると接着効果が弱
くなる。
【0032】本発明において、ポリイミド前駆体中には
触媒核を有することが好ましい。ここで言う触媒核と
は、そのままではメッキ成長の核として働かないが、活
性化処理をすることでメッキ成長の核として働くもので
ある。触媒核の添加は通常ポリイミド前駆体ワニスの状
態に添加されるが、場合によっては耐熱性樹脂フイルム
塗布後に添加してもよく、ポリイミド前駆体をイミド化
した後に添加してもよい。触媒核は金属層をメッキで形
成する際のコアとなるものであり、パラジウムやニッケ
ル、クロムなどが好ましく、さらにパラジウムが好まし
い。上記ポリイミド前駆体中に含まれる触媒核の含有割
合は、好ましくはポリイミド前駆体100重量部に対し
て0.001〜100重量部である。
【0033】次に、樹脂付き金属箔の場合はポリイミド
前駆体または前駆体をイミド化した膜の上に金属層を形
成する。金属層形成方法としては、金属箔を貼り付ける
方法、スパッタや蒸着による方法、メッキによる方法な
どが挙げられる。金属層を構成する金属としては、銅、
ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、鉛、金、ロジウム、パ
ラジウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの金属は単独で用いても複数組み合わせて用いて
もよい。
【0034】金属箔を貼り付ける場合、70〜350℃
でラミネート、あるいは比較的低温の40〜200℃で
ラミネ−トした後に高温の100〜350℃で処理する
ことにより金属箔を接着させることが好ましい。スパッ
タや蒸着の場合、適当な厚み、例えば0.0001〜1
0μmの厚みになるように接着剤上に金属層を形成す
る。
【0035】メッキの場合、直接メッキを施すのではな
く、メッキ前に核となる金属薄膜をポリイミド前駆体ま
たは前駆体をイミド化した膜の上に形成し、しかる後に
メッキを施すのが一般的である。このような核となる金
属薄膜を形成する方法としては、ウエットプロセスとド
ライプロセスとに分けられる。ウエットプロセスの場
合、更にポリイミド前駆体または前駆体をイミド化した
膜が触媒核を有している場合と有していない場合とで分
けられる。触媒核を有していない場合、まずパラジウム
やニッケル、クロムなどの触媒付与の処理を行い、必要
であれば付与した触媒を活性化する。触媒核を有してい
る場合は必要であれば触媒を活性化する。ドライプロセ
スの場合、ポリイミド前駆体あるいは前駆体をイミド化
した膜にクロムやニッケル、銅などの金属をスパッタす
るが、銅などの金属を単独でスパッタしてもよく、クロ
ム−銅やニッケル−銅などを組み合わせてスパッタして
もよい。核となる金属薄膜の厚みについては特に規定さ
れないが、好ましくは1〜1000nmである。厚すぎ
ると金属薄膜形成に時間がかかり、薄すぎると欠点が生
じて後述するメッキに障害となる。このようにして形成
した金属薄膜上にメッキにより金属層を形成する。金属
層は無電解メッキのみで形成してもよいが、無電解メッ
キと電解メッキを併用して形成してもよく、電解メッキ
のみで形成してもよい。無電解メッキとして例えば銅を
メッキする場合は硫酸銅とホルムアルデヒドの組み合わ
せなどが用いられる。また電解メッキとして例えば銅を
メッキする場合、通常硫酸銅メッキ液、シアン化銅メッ
キ液、ピロリン酸銅メッキ液などが用いられる。
【0036】金属層厚みは樹脂付き金属箔をどのように
加工するかによっても左右される。すなわち、樹脂付き
金属箔を用いてアディティブ方式(セミアディティブ方
式あるいはフルアディティブ方式)にて配線板を形成す
る場合、金属層の上に更にメッキにて金属を積層するの
で、樹脂付き金属箔の金属層厚みは0.1〜10μmの
範囲が好ましい。逆に樹脂付き金属箔を用いてサブトラ
クティブ方式にて配線板を形成する場合、金属箔をその
まま配線として使用するので、樹脂付き金属箔の金属層
厚みは3〜40μmの範囲が好ましい。
【0037】上記金属層を形成する一連の行程として
は、例えば以下のような手順が挙げられる。すなわち、
まず耐熱性樹脂フィルムに塗布したポリイミド前駆体あ
るいは前駆体をイミド化した半導体装置用接着材料の接
着剤面の整面、表面洗浄を行う。次にソフトエッチング
を実施し、硫酸により酸洗浄を行い、塩酸による前処理
を施す。触媒核が含有されている場合は引き続いて触媒
活性化処理を行い、触媒核が含有されていない場合には
触媒付与を行った後に触媒活性化処理を行う。しかる後
に無電解金属メッキを施し、必要であれば無電解メッキ
後に電解金属メッキを行い、金属層を形成する。
【0038】本発明においては、ベースフイルムとなる
耐熱性樹脂フイルム上に接着剤となりうるポリイミド前
駆体または前駆体をイミド化した膜を形成することで半
導体装置用接着材料を作製し、その上に金属層を形成し
て樹脂付き金属箔を得ている。ポリイミド前駆体をイミ
ド化することにより、耐熱性樹脂フイルム上に直接金属
層を形成するよりも強固な接着力が得られ、とりわけ金
属層を所定の配線パターンにエッチングした際にも良好
な接着力を得ることができる。
【0039】本発明において接着力とは、JIS C5
016 7.1項に準じ、導体幅3mmのパターンを使
用し、金属箔を180度の方向に50mm/分の速度で
引き剥がした時の値を意味し、通常5N/cm以上が好
ましく、より好ましくは10N/cm以上とされている
が、本発明の樹脂付き金属箔によれば、容易に10N/
cm以上の値を得ることが可能となる。また、耐熱性樹
脂フイルムが本来有する特性を損なわない利点も有して
いる。
【0040】上記本発明の樹脂付き金属箔は、金属層上
にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・現像するこ
とにより配線パターンに合った形状にレジストをパター
ニングし、パターニングしたレジストをエッチングマス
クとして金属層をエッチングして配線パターンを形成
し、配線パターン形成後にレジストを除去することによ
り得られる配線板として好ましく使用される。
【0041】また、上記本発明の樹脂付き金属箔は、金
属層上にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・現像
することにより配線パターンを形成する部分のレジスト
を除去し、レジストを除去した部分にメッキにより配線
パターンを形成し、その後にレジストを剥離し、配線パ
ターン以外の金属層を除去することにより得られる配線
板とすることも好ましい。
【0042】本発明の樹脂付き金属箔は、耐熱性樹脂フ
イルムの片面あるいは両面に金属層を有しており、セミ
アディティブ方式あるいはサブトラクティブ方式を用い
て配線を形成することにより片面あるいは両面配線板を
形成することができ、フレキシブル配線板用途に好まし
く使用できる。
【0043】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0044】合成例1 温度計、撹拌装置、還流器を備えた500mlのフラス
コ内を窒素雰囲気下に置換し、N,N−ジメチルアセト
アミド225.2gを入れ、下記に示される酸二無水物
45.5g(0.1mol)とパラフェニレンジアミン
10.8g(0.1mol)を加え、窒素雰囲気下で1
0℃で1時間、引き続いて50℃で3時間撹拌しながら
反応させ、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
【0045】
【化7】
【0046】合成例2 合成例1で得たポリイミド前駆体ワニスにパラジウム触
媒核を5g添加し、触媒核含有ポリイミド前駆体ワニス
を得た。
【0047】合成例3 合成例1と同じ反応容器を用い、N,N−ジメチルアセ
トアミド195.6gを入れ、下記に示される酸二無水
物22.7g(0.06mol)、3,3’,4,4’
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物12.9g
(0.04mol)、1,1,3,3−テトラメチル−
1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン13.
2g(0.06mol)、パラフェニレンジアミン4.
3g(0.04mol)を加え、窒素雰囲気下で10℃
で1時間、引き続いて50℃で3時間撹拌しながら反応
させ、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
【0048】
【化8】
【0049】合成例4 合成例2で得たポリイミド前駆体ワニスにパラジウム触
媒核を3g添加し、触媒核含有ポリイミド前駆体ワニス
を得た。
【0050】合成例5 合成例1と同じ反応容器を用い、N,N−ジメチルアセ
トアミド335.6gを入れ、下記に示される酸二無水
物58.5g(0.08mol)、3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物5.9g(0.
02mol)、1,1,3,3−テトラメチル−1,3
−ビス(アミノメチル)ジシロキサン9.6g(0.0
5mol)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン9.
9g(0.05mol)を加え、窒素雰囲気下で10℃
で1時間、引き続いて50℃で3時間撹拌しながら反応
させ、ポリイミド前駆体ワニスを得た。
【0051】
【化9】
【0052】合成例6 合成例5で得たポリイミド前駆体ワニスにパラジウム触
媒核を10g添加し、触媒核含有ポリイミド前駆体ワニ
スを得た。
【0053】合成例7 合成例1と同じ反応容器を用い、N,N−ジメチルアセ
トアミド172gを入れ、パラフェニレンジアミン1
0.8g(0.1mol)を溶解し、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32.
2g(0.1mol)を加え、窒素雰囲気下で10℃で
1時間、引き続いて50℃で3時間撹拌しながら反応さ
せ、シロキサン系ジアミンを含まないポリイミド前駆体
ワニスを得た。
【0054】実施例1 50μm厚の宇部興産(株)製ポリイミドフイルム「ユ
ーピレックスS」の片面上に合成例1で合成したポリイ
ミド前駆体ワニスを乾燥後の膜厚が12μmになるよう
に塗布し、まず80℃で10分間乾燥し、次に130℃
で10分間乾燥し、更に150℃で15分間乾燥した。
ついで、イミド化および発生ガス量を制御する処理とし
て、250℃で5分加熱を施した。
【0055】次に得られた接着材料のポリイミド前駆体
をイミド化した側をイソプロパノールで脱脂し、水酸化
ナトリウム含有溶液にてソフトエッチングし、塩酸で中
和し、奥野製薬工業(株)製OPC−50インデューサ
ーにて触媒付与し、奥野製薬工業(株)製OPC−15
0クリスターにて還元処理を施し、その後に無電解銅メ
ッキで厚さ0.5μmまでメッキし、電解銅メッキによ
り最終的に厚さ35μmの銅層を形成し、金属層が銅で
ある片面樹脂付き金属箔を得た。
【0056】樹脂付き金属箔形成後、250℃1時間加
熱処理してガス発生量を測定したところ、42ppmで
あり、ガス発生による金属層の剥がれなどは観察されな
かった。また、形成した樹脂付き金属箔における金属層
と基材フイルムとの接着力を調べるため、JIS C5
016 7.1項に準じ、導体幅3mmのパターンを使
用し、金属層を180度の方向に50mm/分の速度で
引き剥がした時の値を測定したところ、15N/cmで
あった。
【0057】得られた片面の樹脂付き金属箔の金属層の
上にフォトレジストを乾燥膜厚が5μmになるように塗
布・乾燥し、線幅が5〜100μmであるような配線パ
ターンに合ったマスクを用いて露光・現像を施し、配線
層パターン部分のみが残ったレジストパターンを得た。
次に、レジストが除去された部分の金属を10%塩化鉄
水溶液にてエッチングし、片面配線板を得た。得られた
配線板では、5μm幅の細い配線も100μm幅の比較
的太い配線もフイルムと強固に接着しており、配線パタ
ーンの欠落などは見られなかった。
【0058】比較例1 実施例1において、合成例1で合成したポリイミド前駆
体ワニスの代わりに合成例7で合成したワニスを用いた
以外は実施例1と同様にして半導体装置用接着材料を作
製した。次に実施例1と同様にして樹脂付き金属箔を作
製した。ガス発生量は1350ppmであり、多数箇所
で金属層の剥がれが生じた。実施例2と同様にして金属
層と基材フイルムとの接着力を測定したところ、1N/
cm以下であり、簡単に金属層と基材フイルムとが剥離
し、実用レベルではなかった。
【0059】実施例2 合成例1で合成したポリイミド前駆体ワニスの代わりに
合成例2で合成したポリイミド前駆体ワニスを使用し、
塩酸で中和するまでは実施例1と同様にした。次に奥野
製薬工業(株)製OPC−150クリスターにて還元処
理を施し、奥野製薬工業(株)製TMP化学ニッケルH
R−Tにて無電解ニッケルメッキを施し、その後に無電
解銅メッキで厚さ1μmまでメッキし、電解銅メッキに
より最終的に厚さ3μmの銅層を形成し、金属層が銅で
ある片面樹脂付き金属箔を得た。樹脂付き金属箔形成
後、ガス発生量を測定したところ、42ppmであり、
ガス発生による金属層の剥がれなどは観察されなかっ
た。また、形成した樹脂付き金属箔における金属層と基
材フイルムとの接着力を調べるため、実施例1と同様に
して引き剥がした時の値を測定したところ、17N/c
mであった。
【0060】得られた片面の樹脂付き金属箔の金属層の
上にフォトレジストを乾燥膜厚が5μmになるように塗
布・乾燥し、線幅が5〜100μmであるような配線パ
ターンに合ったマスクを用いて露光・現像を施し、配線
層パターン部分のみが除去されたレジストパターンを得
た。次に、レジストが除去された部分の金属に無電解銅
メッキと電解銅メッキを施し、4.5μmまでメッキし
た。その後にスズメッキと金メッキを施し、最終的にレ
ジストと同じ高さである5μmまでメッキを施した。メ
ッキ終了後、レジストを除去し、次いで塩化鉄水溶液を
用いてソフトエッチングして配線部分以外の金属を除去
し、片面配線板を得た。得られた配線板では、5μm幅
の細い配線も100μm幅の比較的太い配線もフイルム
と強固に接着しており、配線パターンの欠落などは見ら
れなかった。
【0061】実施例3 50μm厚の東レ・デュポン(株)製ポリイミドフイル
ム「カプトンEN」の両面上にまずプラズマ処理を施
し、合成例3で合成したポリイミド前駆体ワニスを乾燥
後の膜厚が18μmになるように塗布し、まず80℃で
10分間乾燥し、次に120℃で10分間乾燥し、更に
150℃で15分間乾燥した。ついで該塗布品に210
℃で5分加熱処理を施して、イミド化および発生ガス量
を制御する処理を行った。
【0062】このようにして得られた半導体装置用接着
材料のポリイミド前駆体をイミド化した上に荏原ユージ
ライト(株)製クリーナーコンディショナーDP−11
0で洗浄し、荏原ユージライト(株)製DP−200と
硫酸とを用いてソフトエッチングし、荏原ユージライト
(株)製DP−300と塩酸とを用いてプレディップ
し、荏原ユージライト(株)製DP−300とDP−3
50と塩酸とを用いて触媒付与し、荏原ユージライト
(株)製DP−400A〜DとDP−410とを用いて
触媒を活性化し、荏原ユージライト(株)製DP−50
0を用いて触媒の還元処理を施し、荏原ユージライト
(株)製PB−242Dにて酸性脱脂を施し、硫酸にて
酸洗浄し、その後に硫酸銅を用いて電解銅メッキを施
し、厚さ8μmの銅層を両面に形成し、両面の金属層が
銅である樹脂付き金属箔を得た。
【0063】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、45ppmであり、ガス発生による金属層
の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例1と同
様にして金属層を引き剥がした時の値を測定したとこ
ろ、18N/cmであった。
【0064】得られた樹脂付き金属箔の両面の金属層の
上に実施例1と同様のレジストとマスクを用いてレジス
トパターンを作製し、実施例1と同様にして両面の金属
をエッチングし、両面のレジストを除去して両面配線板
を得た。得られた配線板では、両面共に5μm幅の細い
配線も100μm幅の比較的太い配線もフイルムと強固
に接着しており、配線パターンの欠落などは見られなか
った。
【0065】実施例4 合成例3で合成したポリイミド前駆体ワニスの代わりに
合成例4で合成したポリイミド前駆体ワニスを使用し、
プレディップ工程までは実施例3と同様にした。次に荏
原ユージライト(株)製DP−400A〜DとDP−4
10とを用いて触媒を活性化し、荏原ユージライト
(株)製DP−500を用いて触媒の還元処理を施し、
荏原ユージライト(株)製PB−242Dにて酸性脱脂
を施し、硫酸にて酸洗浄し、その後に硫酸銅を用いて電
解銅メッキを施し、厚さ2μmの銅層を両面に形成し、
両面の金属層が銅である樹脂付き金属箔を得た。
【0066】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、45ppmであり、ガス発生による金属層
の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例1と同
様にして金属層を引き剥がした時の値を測定したとこ
ろ、20N/cmであった。
【0067】得られた樹脂付き金属箔の両面の金属層の
上に実施例2と同様のレジストとマスクを用いて厚さ1
5μmのレジストパターンを作製し、電解銅メッキを施
してレジストと同じ高さである厚さ15μmまでメッキ
した。その後にレジストを除去し、次いで全体を塩化銅
水溶液を用いてソフトエッチングし、配線部分以外の金
属を除去することで両面配線板を得た。得られた配線板
では、5μm幅の細い配線も100μm幅の比較的太い
配線もフイルムと強固に接着しており、配線パターンの
欠落などは見られなかった。
【0068】実施例5 50μm厚の鐘淵化学工業(株)製ポリイミドフイルム
「アピカルNPI」の両面上にまずプラズマ処理を施
し、合成例5で合成したポリイミド前駆体ワニスを乾燥
後の膜厚が8μmになるように塗布し、まず80℃で1
0分間乾燥し、次に120℃で10分間乾燥し、更に1
50℃で15分間乾燥した。ついで該塗布品に210℃
で5分加熱処理を施して、イミド化および発生ガス量を
制御する処理を行った。
【0069】このようにして得られた半導体装置用接着
材料のポリイミド前駆体をイミド化した上にクロムスパ
ッタを50nm、銅スパッタを100nm施した。その
後に無電解銅メッキにて厚さ1μmの銅層を両面に形成
し、両面の金属層が銅である樹脂付き金属箔を得た。
【0070】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、49ppmであり、ガス発生による金属層
の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例1と同
様にして金属層を引き剥がした時の値を測定したとこ
ろ、21N/cmであった。
【0071】得られた樹脂付き金属箔の両面の金属層の
上に実施例2と同様のレジストとマスクを用いて厚さ1
0μmのレジストパターンを作製し、無電解ニッケルメ
ッキを施して厚さ8μmまでメッキした。その後にスズ
メッキと金メッキを施し、最終的にレジストと同じ高さ
である5μmまでメッキを施した。メッキ終了後、レジ
ストを除去し、次いで塩化鉄水溶液を用いてソフトエッ
チングして配線部分以外の金属を除去し、両面配線板を
得た。得られた配線板では、5μm幅の細い配線も10
0μm幅の比較的太い配線もフイルムと強固に接着して
おり、配線パターンの欠落などは見られなかった。
【0072】実施例6 合成例5で合成したポリイミド前駆体ワニスの代わりに
合成例6で合成したポリイミド前駆体ワニスを使用し、
実施例45と同様にして塗布、乾燥、イミド化および発
生ガス量を制御する処理を行った。
【0073】このようにして得られた半導体装置用接着
材料のポリイミド前駆体をイミド化した側の上をクロム
酸により表面粗化し、シプレイ(株)製中和液にて中和
し、シプレイ(株)製アクセラレーターにて触媒核の活
性化を行い、その後に無電解銅メッキにて厚さ12μm
の銅層を両面に形成し、両面の金属層が銅である樹脂付
き金属箔を得た。
【0074】樹脂付き金属箔形成後、ガス発生量を測定
したところ、49ppmであり、ガス発生による金属層
の剥がれなどは観察されなかった。また、実施例1と同
様にして金属層を引き剥がした時の値を測定したとこ
ろ、22N/cmであった。
【0075】得られた樹脂付き金属箔の両面の金属層の
上に実施例1と同様のレジストとマスクを用いてレジス
トパターンを作製し、実施例1と同様にして両面の金属
をエッチングし、両面のレジストを除去して両面配線板
を得た。得られた配線板では、両面共に5μm幅の細い
配線も100μm幅の比較的太い配線もフイルムと強固
に接着しており、配線パターンの欠落などは見られなか
った。
【0076】
【発明の効果】本発明の半導体装置用接着材料及び樹脂
付き金属箔は、特定のポリイミド系接着剤を用いるた
め、耐熱性樹脂フイルムの物性を生かせると共に、加熱
処理時の発生ガスが少なく、かつ金属層と耐熱性樹脂フ
イルムとが強固に接着するものである。該樹脂付き金属
箔を用いた配線板は配線パターンの欠落などの発生が少
なく優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/60 311 H01L 21/60 311W 5F044 H05K 3/06 H05K 3/06 A 3/18 3/18 G Fターム(参考) 4F100 AB01C AB17 AK01A AK49B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA10C CB02B EH46 EJ42 GB41 GB43 JJ03A JL11 4J004 AA16 CA06 CD08 FA05 4J040 EH031 EK031 JA09 MA02 NA20 PA23 5E339 AA02 AB02 AD01 AD03 BC01 BD03 BD06 BE13 CC01 CD01 CE12 CE15 CF15 CG01 DD02 5E343 AA02 AA12 AA33 AA38 BB05 BB24 BB67 BB71 CC62 DD43 DD75 EE17 ER18 GG01 5F044 MM11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性樹脂フイルムの少なくとも片面に、
    芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミンを主成分と
    するポリイミド前駆体を塗布した半導体装置用接着材料
    であって、芳香族テトラカルボン酸二無水物が一般式
    [I]で示されるものを含むことを特徴とする半導体装
    置用接着材料。 【化1】 (式中、R1はアルキレン基、下記に示される構造から
    選ばれる少なくとも1種である。) 【化2】 (式中、R2、R3は低級アルキレン基またはフェニレン
    基であって、それぞれ同一または異なっていてもよい。
    4 〜R7は低級アルキル基、フェニル基、またはフェ
    ノキシ基であって、それぞれ同一または異なっていても
    よい。nは1以上の整数を示す。)
  2. 【請求項2】ポリイミド前駆体が触媒核を有する請求項
    1記載の半導体装置用接着材料。
  3. 【請求項3】塗布されたポリイミド前駆体がイミド化さ
    れている請求項1記載の半導体装置用接着材料。
  4. 【請求項4】請求項1記載の半導体装置用接着材料の上
    に金属層を積層した樹脂付き金属箔。
  5. 【請求項5】請求項4記載の樹脂付き金属箔の金属層上
    にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・現像するこ
    とにより配線パターンに合った形状にレジストをパター
    ニングし、パターニングしたレジストをエッチングマス
    クとして金属層をエッチングして配線パターンを形成
    し、配線パターン形成後にレジストを除去することによ
    り得られる配線板。
  6. 【請求項6】請求項4記載の樹脂付き金属箔の金属層上
    にレジスト層を形成し、レジスト層を露光・現像するこ
    とにより配線パターンを形成する部分のレジストを除去
    し、レジストを除去した部分にメッキにより配線パター
    ンを形成し、その後にレジストを剥離し、配線パターン
    以外の金属層を除去することにより得られる配線板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2007015396A1 (ja) * 2005-08-04 2007-02-08 Kaneka Corporation フレキシブル金属張積層板
US8338560B2 (en) 2005-04-25 2012-12-25 Kaneka Corporation Polyimide film and use thereof
US8426548B2 (en) 2004-09-24 2013-04-23 Kaneka Corporation Polyimide film and adhesive film and flexible metal-clad laminate both obtained with the same
JP2020163408A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 Jx金属株式会社 金属製品及びその製造方法

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