JP2002254592A - 平版印刷方法および平版印刷装置 - Google Patents
平版印刷方法および平版印刷装置Info
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Abstract
とによって印刷版面が形成され、しかも印刷時の印刷汚
れが少なく、かつ耐刷性に優れた印刷版を作製して印刷
を行う印刷方法、上記の印刷版の作製を印刷機上で行う
ことができる印刷装置を提示すること。また、上記に加
えて、印刷原板を反復再使用することも可能な印刷方法
及び印刷装置を提供すること。 【解決手段】 酸化チタンを含有する層を表面に有する
印刷用原板に疎水性物質の層を設けたのち、波長250
〜320nmの遠紫外の活性光を照射して像様親水性領
域を形成させて印刷版とする平版印刷方法及びその印刷
装置。活性光の光源は、発振波長が256nmの固体レ
ーザー又は蒸気圧が0.1kPa以下の低圧水銀灯が適
している。
Description
具体的には、現像することなく製版することが可能な簡
易な平版印刷版とおの作製方法とに関する。さらに印刷
機上で直接製版も可能な平版印刷方法及び装置に関す
る。
で、迅速なPS板の出現によって、平版印刷が凹版や凸
版を凌駕して主要な印刷手段の地位を占めるに至ってい
る。しかしながら、近年には、印刷市場の拡大と低価格
化に伴なって、PS板をしのぐ更なる製版作業の簡易
化、迅速化及び現像廃液などの廃棄物の低排出化などを
求める印刷市場分野も形成されてきている。この市場要
請に応える手段として、活性光の照射によって表面の親
水性/疎水性の極性が変化する光触媒性の化合物を印刷
用原板に用いて、原板表面に親水性と疎水性の像様分布
を形成させて印刷版を製作する製版方法が数多く提案さ
れている。この製版方法では、原板上に像様露光を行う
だけで照射領域と非照射領域にインキ受容性とインキ反
発性に別れるに足る極性変化が生じるので現像を行うこ
となくそのまま印刷機にかけることができて、極めて簡
易な製版・印刷方法といえる。したがって、この方法に
基づいて高品質あるいは高耐刷性の印刷を行えるように
改良の試みがなされてきている。
11−138970号、同11−138971号、同1
1−143055号、同11−174664号公報で
は、光触媒性の金属化合物薄層を表面に有する印刷用原
板に活性光を像様に照射して極性を変化させて親水性と
疎水性の像様分布を形成させ、さらに使用済みの印刷版
のインキを除去して原板を再使用する製版・印刷方法が
開示されている。
性を変換する性質をインキ受容能の像様変化に利用した
印刷方法は、簡易性の点で大きな利点を有するが、その
利点に加えてさらに印刷品質や耐刷性を向上させること
も求められており、その要請を満たすためには照射領域
と非照射領域の識別性の向上が望まれている。とくに、
光触媒性化合物として酸化チタンを用いると親水性と疎
水性の間の極性の変化が大きいので、識別効果が高い点
で好ましいことが、上記の各公報に記載されている。
子的に処理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く
普及してきたのに伴い、このようなディジタル化した画
像出力を製版工程に結合して製版・印刷工程を合理化す
る印刷方式の実用化が種々検討され、提案されるように
なってきている。その一つに、コンピュータで処理され
た画像情報を担持させた光で原板を走査露光し、リスフ
ィルムを介することなく、直接印刷版を製造するコンピ
ュータ・トゥ・プレート技術が注目されている。したが
って、この目的に適応した印刷版用原板,印刷方法及び
そのための印刷装置を得ることが重要な技術課題となっ
ている。
と、リライタブルなダイレクト印刷用原板によるコンピ
ュータ・トゥ・プレート方式の印刷システムが可能とな
るので、上記した市場の要請に応えることのできる好適
な手段となる。しかしながら、実用的には酸化チタンの
光触媒膜は、低感度であって、極性変換を引き起こすに
は、数百mJ/cm2〜数J/cm2の照射エネルギーが
必要であって、画像露光に時間がかかり、作業性を阻害
するという欠点を有している。出力が10W以上の強力
な紫外レーザーであれば短時間露光が可能となるが、高
価格であってダイレクト印刷機に組み込むことは現実的
ではない。
の背景にもとづくものであって、実用的な感度を有し、
製版工程の簡易性と優れた印刷品質及び耐刷性とを併せ
備えた印刷方法及びその方法を用いる印刷装置を提示す
ることである。具体的には、現像を必要とせず、像様露
光を原板に加えるとによって印刷版面が形成され、しか
も印刷時の印刷汚れが少なく、かつ耐刷性に優れた印刷
版の作製して印刷を行う印刷方法を提示することであ
る。本発明のさらなる課題は、上記の印刷版の作製を印
刷機上で行うことができる印刷装置を提示することであ
る。また、別のさらなる課題は、印刷原板を反復再使用
することが可能な印刷方法及び印刷装置を提示すること
である。
は、酸化チタンの光触媒膜が実用的な露光時間で画像形
成しうる事が必要であるので、本発明者は酸化チタンの
極性変換効率を高める手段を鋭意探索し、とりわけ酸化
チタンの分光感度特性に着目した検討を重ねた結果、本
発明に到達した。すなわち本発明は下記の通りである。
る印刷用原板に疎水性物質の層を一様に設けたのち、活
性光の照射により像様親水性領域を形成させて印刷版と
する平版印刷方法において、該活性光が波長250〜3
20nmの遠紫外光であることを特徴とする平版印刷方
法。
固体レーザー又は蒸気圧が0.1kPa以下の低圧水銀
灯によって発生させた遠紫外光であることを特徴とする
上記1に記載の平版印刷方法。
する該層表面の接触角が70〜120度となる厚みに設
けられた層であることを特徴とする上記1又は2に記載
の平版印刷方法。
る印刷用原板が、粗面化したアルミニウム基板を支持体
とする印刷用原板であることを特徴とする上記1〜3の
いずれか1項に記載の平版印刷方法。
体であって、該疎水性物質の気体を印刷用原板表面の酸
化チタンを含有する層に凝結させて疎水性物質の層を設
けることを特徴とする上記1〜4のいずれか1項に記載
の平版印刷方法。
て、該高分子有機化合物の溶液又は粒子分散物を印刷用
原板表面の酸化チタンを含有する層に噴霧して疎水性物
質の層を設けることを特徴とする上記1〜4のいずれか
1項に記載の平版印刷方法。
性物質の層を設ける方法が、塗り付け塗布、噴霧塗布、
気化凝縮法、気体接触法及び浸漬塗布、から選ばれる方
法であることを特徴とする上記1〜6のいずれか1項に
記載の平版印刷版の作製方法。
去したのち、該印刷版を印刷用原板として再使用するこ
とを特徴とする上記1から7のいずれか1項に記載の平
版印刷方法。
に有する印刷用原板を印刷装置に固定する印刷用原板装
着部と(2)該原板に疎水性物質の層を設ける全面疎水
化処理部と、(3)該疎水層を担持した印刷用原板に波
長250〜320nmの遠紫外光を活性光として像様に
照射して親水性領域を形成させる活性光照射部と(4)
疎水性領域にインキを供給し、親水性領域に湿し水を供
給するインキ及び湿し水供給部と、(5)疎水性領域が
インキを受容し、親水性領域が湿し水を受容してなる印
刷面を被印刷面と接触させて印刷を行う印刷部と、を有
することを特徴とする平版印刷装置。
(2)全面疎水化処理部と、(3)活性光照射部と、
(4)湿し水を供給するインキ及び湿し水供給部と、
(5)印刷部と、が版胴の周囲に配設されていることを
特徴とする上記9に記載の平版印刷装置。
洗浄して印刷版を再使用可能の原板とするインキ除去部
を有することを特徴とする上記9又は10に記載の平版
印刷装置。
変換に対する光感度(以後単に光感度又は感度と呼ぶ)が
高い遠紫外領域の光を利用可能にしたことに基づいてい
る。この基本的特長を図によって説明する。図1は、酸
化チタンの極性変化に対する分光感度特性を示す図であ
る。この図が示すように、350nm以下の短波長領域
の感度は、近紫外領域の数倍の感度を有しているので、
この波長領域の光を画像形成露光に利用することによっ
て感度を100mJ/cm2以上にも上げることができ
る。したがって露光時間が顕著に短縮できて発明の課題
の解決につなげられる。本発明者は、そのための光源と
して低圧水銀灯又は固体レーザーを利用できることを見
出した。
触媒膜上に設けた疎水性物質の層(以後、疎水化膜とも
呼ぶ)の材質や厚みによって感度が変化するので、照射
波長を上記のように特定するだけでは、必ずしも発明目
的は達せられない。一般的に疎水化膜は厚みが薄いほど
感度は高くなる。しかしながら、厚みを薄くするほど、
疎水化作用が減退し、かつ耐刷性も低下する。識別性を
発揮できるに足りる着肉性の確保からは水滴接触角は6
0度以上とすることが必要であって、実用的には接触角
が70〜120度であることが必要となるので、疎水化
膜の実用的な厚みとしては、上記の遠紫外光で、この接
触角を実現できる厚みが要求される。この要件を満たす
疎水化膜の材料と厚みを選択することによって、上記し
た遠紫外波長域の光照射のもとで、光感度と非照射領域
の疎水性との両立が可能となる。すなわち、このような
300nm以下の短波長の照射波長領域と適切な疎水化
膜の厚みとを選択することによって疎水化膜を通しての
感度を100mJ/cm2以上とすることが可能とな
り、しかも非照射領域の疎水性と疎水性を失った照射領
域との親水性/疎水性の識別効果が確保される。上記の
露光手段は、印刷装置内に搭載可能な小型、低価格であ
って、かつ実用的な時間内で画像形成露光が可能なの
で、機上製版が可能なダイレクト印刷装置を実現させる
ことができ、コンピュータ・トウ・プレートの市場要請
に応えることができる。
チタンを含む層を表面に有する印刷原板に疎水性物質の
層を設けて全面を十分に疎水化したのち、遠紫外領域の
活性光を像様に適用して像様親水性領域を形成させて、
疎水性が維持された非照射領域と疎水性を失った照射領
域の像様分布を有する印刷版が作られる。この方法、そ
のための印刷用原板及び機上製版が可能な印刷装置から
構成される印刷システムは、製版工程そのものが簡易
で、現像操作を伴なわず、実用的な露光時間で画像形成
が行われ、かつ実用的な印刷品質と識別性が確保され
る。
に詳細に以下の順序によって説明する。はじめに本発明
に用いる印刷用原板、すなわち酸化チタンを含む層及び
それを担持する支持体について、次いで本発明の製版過
程、すなわち、まず疎水化層の材料と疎水化層の付与方
法、全面疎水化した原板への画像露光方法、印刷工程と
印刷終了後の印刷版の再生工程について、さらに本発明
による印刷装置について順次説明する。
は、酸化チタンを含有する層を表面に有する。酸化チタ
ンを含有する層は、酸化チタンの連続相で構成された薄
層、酸化チタン粒子が焼成して結合した薄相、あるいは
酸化チタン粒子が分散されたバインダーの層、そのほか
後述する形態のいずれであってもよいが、光触媒能の高
い点から、酸化チタンの連続相で構成された薄層である
ことが好ましい。以後酸化チタンを含有する層を、単に
酸化チタン薄層又は酸化チタン薄膜と呼ぶ。酸化チタン
薄層は、顕著な光触媒効果を有していて、本発明におい
ては、この性質が利用されている。本発明において、光
触媒能を有する化合物すなわち光触媒性化合物は、親水
性/疎水性の極性変化に関して触媒作用を有しているこ
とを指しており、活性光の照射による疎水性から親水性
への極性変換が促進される化合物である。
グの硫酸加熱焼成、あるいは加熱塩素化後酸素酸化など
既知の任意の方法で作られたものを使用できる。あるい
は後述するように金属チタンを用いて印刷版製作段階で
真空蒸着によって酸化物皮膜とする方法も用いることが
できる。
は、たとえば、酸化チタン微結晶又は酸化亜鉛微結晶
の分散物(必要によって少量の分散媒すなわちバインダ
ーを含有)を印刷版の原板上に塗設する方法、塗設し
たのち焼成してバインダーを減量或いは除去する方法、
印刷原板上に蒸着、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング、CVDなどの方法で酸化チタン(又は酸化亜
鉛)膜を設ける方法、例えばチタニウムブトキシドの
ようなチタン有機化合物を原板上に塗布したのち、焼成
酸化を施して酸化チタン層とする方法など、既知の任意
の方法を用いることができる。本発明においては、真空
蒸着又はスパッタリングによる酸化チタン層が特に好ま
しい。
る方法には、具体的には無定形酸化チタン微結晶分散物
を塗布したのち、焼成してアナターゼまたはルチル型の
結晶酸化チタン層とする方法、酸化チタンと酸化シリコ
ンの混合分散物を塗布して表面層を形成させる方法、酸
化チタンとオルガノシロキサンなどとの混合物を塗布し
てシロキサン結合を介して支持体と結合した酸化チタン
層を得る方法、酸化物と混和できるポリマーバインダー
に分散して塗布する方法、さらには塗布したのち、焼成
して有機成分を除去する方法などがある。酸化物微粒子
のバインダ−には、酸化チタン微粒子に対して分散性を
有するバインダーが用いられるが、さらに塗布層の焼成
を加える場合には、分酸性があってかつ比較的低温で焼
成除去が可能なポリマーを用いる。好ましいバインダー
の例としては、ポリエチレンなどのポリアルキレン、ポ
リブタジエン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ蟻酸ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコー
ル、ポリスチレンなどの疎水性バインダーが好ましく、
それらの樹脂を混合して使用してもよい。
は、通常真空蒸着装置内の蒸着用加熱の熱源に金属チタ
ンを置き、真空度10-3〜10-6Paで全ガス圧1〜1
0-3Pa、酸素文圧比が30〜90%になるようにしな
がら、チタン金属を蒸発させると、蒸着面には酸化チタ
ンの蒸着薄膜が形成される。また、スパッタリングによ
る場合は、例えばスパッタ装置内にチタン金属ターゲッ
トをセットしてAr/O 2比が60/40(モル比)と
なるようにガス圧を5×10-1Paに調整したのち、R
Fパワー200Wを投入してスパッタリングを行って酸
化チタン薄膜を基板上に形成させる。
く、好ましくは1〜1000nmである。さらに好まし
くは300nm以下として光干渉の歪みを防ぐのがよ
い。また、光活性化作用を十分に発現させるには厚みが
5nm以上あることが好都合である。
できるが、とくにアナターゼ型のものが感度が高く好ま
しい。アナターゼ型の結晶は、酸化チタンを焼成して得
る過程の焼成条件を選ぶことによって得られることはよ
く知られている。その場合に無定形の酸化チタンやルチ
ル型酸化チタンが共存してもよいが、アナターゼ型結晶
が40%以上、好ましくは60%以上含むものが上記の
理由から好ましい。酸化チタン薄層が、バインダーなど
を含む層である場合も、薄層の主成分は酸化チタンであ
って、その体積率は、それぞれ30〜100%であり、
好ましくは50%以上を酸化チタンが占めるのがよく、
さらに好ましくは酸化物の連続層つまり実質的に100
%であるのがよい。しかしながら、表面の親水性/親油
性変化特性は、酸化亜鉛を電子写真感光層に用いるとき
のような著しい純度による影響はないので、100%に
近い純度のもの(例えば98%)をさらに高純度化する
必要はない。それは、本発明に利用される物性は、導電
性とは関係ない膜表面の親水性/親油性の極性変化特性
であることからも理解できることである。
に重要な、熱により表面親水性が変化する性質を増進さ
せるためにある種の金属をドーピングすることは有効な
場合があり、この目的にはイオン化傾向が小さい金属の
ドーピングが適しており、Pt,Pd,Au,Ag,C
u,Ni,Fe,Co又はCrをドーピングするのが好
ましい。また、これらの好ましい金属を複数ドーピング
してもよい。ドーピングを行った場合も、その注入量は
酸化チタン中の金属成分に対して5モル%以下である。
親油性の熱応答挙動の敏感度が低下する。したがって、
層中の酸化物の体積率は、30%以上であることが望ま
しく、とくに実質的に100%であることが好ましい。
本発明においては原板を印刷装置上の版胴に装着して製
版する場合もあるので、それらを含めて説明する。本発
明に係わる印刷原板は、いろいろの形態と材料を用いる
ことができる。例えば、親水・親油材料の薄層を印刷機
の版胴の基体表面に蒸着、浸漬あるいは塗布するなど上
記した方法で直接設ける方法、支持体に担持された親水
・親油材料や支持体を持たない親水・親油材料の薄板を
版胴の基体に巻き付けて印刷版とする方法などを用いる
ことができる。また、勿論版胴上で製版する上記形態以
外に、一般的に行われているように、製版を行った印刷
版を輪転式あるいは平台式印刷機に装着する形態を採っ
てもよい。
使用される支持体は、熱分解せず、寸法的にも安定な板
状物であり、アルミニウム板、SUS鋼板、ニッケル
板、銅板などの金属板が好ましく、特に可撓性(フレキ
シブル)の金属板を用いることが好ましい。また、ポリ
エステル類やセルローズエステル類などのフレキシブル
なプラスチック支持体も用いることができる。防水加工
紙、ポリエチレン積層紙、含浸紙などの支持体を使用し
てもよい。
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド等のシ
ート)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅、ステンレス等)、プラスチックフィ
ルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、
プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セ
ルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリイミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネー
ト、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィ
ルム等が挙げられる。
ム、ポリイミドフィルム、アルミニウム、又は印刷版上
で腐食しにくいSUS板であり、その中でも寸法安定性
がよく、比較的安価であるアルミニウム板と、製版工程
における加熱操作に対して安定性の高いポリイミドフィ
ルムは特に好ましい。
ト酸無水物とm−フェニレンジアミンを重合させたの
ち、環状イミド化したポリイミド樹脂フィルムであり、
このフィルムは市販されている(例えば、東レ・デュポ
ン社製の「カプトン」)。
板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含
む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしく
は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニ
ウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガ
ン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッ
ケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高
々10質量%以下である。本発明において特に好適なア
ルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋な
アルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅か
に異元素を含有するものでもよい。このように本発明に
適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるも
のではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板
を適宜に利用することができる。本発明で用いられる金
属支持体の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ま
しくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm
〜0.3mmであり、プラスチックや加工紙などその他の
支持体の厚みはおよそ0.1mm〜2.0mm程度、好まし
くは0.2mm〜1.0mmである。
を粗面化して用いることが好ましい。その場合、所望に
より、粗面化に先立って表面の圧延油を除去するため
の、例えば界面活性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶
液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表
面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例え
ば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解
粗面化する方法および化学的に表面を選択溶解させる方
法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨
法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの
公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な
粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または
直流により行うなど公知の方法を利用することができ
る。また、粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じ
てアルカリエッチング処理および中和処理された後、所
望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸
化処理が施される。陽極酸化の電解質の濃度は電解質の
種類によって適宜決められる。
り種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電
解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、
電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量が1.0g/m2より少ないと、耐刷性が不十分であっ
たり、平板印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印
刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」
が生じ易くなる。以上で本発明の印刷用原板の構成の説
明を終わる。
る。多くの光触媒性金属酸化物は、例えば80〜140
°C程度の高温に加熱されることによって疎水化される
ことは、特開平11−174665号、同11−138
970号、同11−143055号公報などに開示され
ていて、このような加熱による疎水化も可能ではある
が、本発明においては、画像部と非画像部の識別性を一
層向上させるために、疎水性の物質の層を印刷原板の全
面に設ける全面疎水化処理による一層強固な疎水化を行
う。それに用いる疎水化膜形成用の物質を疎水化剤とよ
ぶ。始めに疎水化剤について、つぎに疎水化の方法につ
いて説明する。
とは、親水・親油材料の表面の水滴接触角よりも大きい
水滴接触角を指しており、水滴接触角が60度以上、好
ましくは70度以上であることを意味する。疎水化剤
は、上記の意味で疎水性であって、かつ皮膜を形成でき
る材料であり、広い範囲で選択することができる。本発
明の疎水化剤の目的に適合する化合物は、有機低分子化
合物、有機珪素化合物及び有機高分子化合物の中に見い
だされる。
は、25℃における水100gへの溶解度が2g以下
であるか、有機概念図における有機性/無機性の比が
0.7以上であるかの少なくともいずれかに相当する有
機高分子化合物であり、その両方を用いることも好まし
い態様である。ここで、低分子化合物と呼んでいるのは
沸点又は融点を有する化合物という意味で用いており、
そのような化合物を通常分子量は2000以下、多くは
1000以下である。
g以下であることは、印刷版としての要件でもあるが、
疎水性であるための要件でもあることが経験的に判って
いる。
の程度を示すのに実際的で簡便な実用尺度であり、その
詳細については、田中善生著「有機概念図」(三共出版
社、1983年初版刊行)の1〜31頁に詳記されてい
る。有機概念図上の上記の範囲の有機化合物が疎水化を
促進する作用を持つ理由は不明であるが、この範囲の化
合物は、有機性が比較的大きい化合物であり、複合粒子
近傍を疎水性にする。有機概念図における有機性が10
0以上でその上限についての制約はとくにないが、通常
100〜1200、好ましくは100〜800であり、
その有機性/無機性の比が0.7〜無限大(すなわち無
機性が0)、好ましくは0.9〜10の範囲に入る有機
化合物である。
ける有機性/無機性比を有する有機低分子化合物は、具
体的には脂肪族及び芳香族炭化水素、脂肪族及び芳香族
カルボン酸、脂肪族及び芳香族アルコール、脂肪族及び
芳香族エステル、脂肪族及び芳香族エーテル、有機アミ
ン類、有機珪素化合物、また、印刷用インキに添加でき
ることが知られている各種溶剤や可塑剤類の中に見られ
る。
0の、より好ましくは炭素数8〜20の脂肪族炭化水素
であり、好ましい芳香族炭化水素は、炭素数6〜40
の、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素で
ある。好ましい脂肪族アルコールは、炭素数4〜30
の、より好ましくは炭素数6〜18の脂肪族アルコール
であり、好ましい芳香族アルコールは、炭素数6〜30
の、より好ましくは炭素数6〜18の芳香族アルコール
である。好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数4〜24
の脂肪族カルボン酸であり、より好ましくは炭素数6〜
20の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数4〜12の脂肪
族ポリカルボン酸であり、また、好ましい芳香族カルボ
ン酸は、炭素数6〜30の、より好ましくは炭素数6〜
18の芳香族カルボン酸である。好ましい脂肪族エステ
ルは、炭素数2〜30の、より好ましくは炭素数2〜1
8の脂肪酸エステルであり、好ましい芳香族エステル
は、炭素数8〜30の、より好ましくは炭素数8〜18
の芳香族カルボン酸エステルである。好ましい脂肪族エ
ーテルは、炭素数8〜36の、より好ましくは炭素数8
〜18の芳香族エーテルであり、好ましい芳香族エーテ
ルは、炭素数7〜30の、より好ましくは炭素数7〜1
8の芳香族エーテルである。そのほか、炭素数7〜30
の、より好ましくは炭素数7〜18の脂肪族あるいは芳
香族アミドも用いることができる。
ペンタン(イソオクタン)、n−ノナン、n−デカン、
n−ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、メチル
ヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2−メチルオク
タンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クメン、ナフタレン、アントラセン、スチレンな
どの芳香族炭化水素;ドデシルアルコール、オクチルア
ルコール、n−オクタデシルアルコール、2−オクタノ
ール、ラウリルアルコール1価アルコール;ヘキシレン
グリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコ
ール;ベンジルアルコール、4−ヒドロキシトルエン、
フェネチルアルコール、1−ナフトール、2−ナフトー
ル、カテコール、フェノールなどの芳香族アルコール;
酪酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、カプリン
酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族1価カルボ
ン酸;安息香酸、2−メチル安息香酸、4−メチル安息
香酸などの芳香族カルボン酸;酢酸エチル、酢酸イソブ
チル、酢酸−n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、酪酸メチル、アクリル酸メチル、しゅう
酸ジメチル、琥珀酸ジメチル、クロトン酸メチルなどの
脂肪族エステル;安息香酸メチル、2−メチル安息香酸
メチルなどの芳香族カルボン酸エステル;イミダゾー
ル、2,2−ジメチルイミダゾール、4−メチルイミダ
ゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、シクロヘ
キシルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレ
ンテトラミン、オクチルアミン、フェネチルアミンなど
の有機アミン;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ベンゾフェノンなどのケトン類、メトキシベン
ゼン、エトキシベンゼン、メトキシトルエン、ラウリル
メチルエーテル、ステアリルメチルエーテルなどのエー
テル及びステアリルアミド、ベンゾイルアミド、アセト
アミドなどのアミド類が挙げられる。そのほか、沸点が
前記の好ましい範囲にあるエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セ
ロソルブアセテートなどの有機溶剤も使用することがで
きる。
油、大豆油、けし油、サフラワー油などの油脂類、燐酸
トリブチル、燐酸トリクレシル、フタール酸ジブチル、
ラウリン酸ブチル、フタール酸ジオクチル、パラフィン
ワックスなどの可塑剤も挙げられる。
エステル、すなわちワックスも、疎水性で適当に低融点
であって、光熱変換性の微粒子の近傍で光照射によって
生じた熱によって融解してその領域を疎水化する好まし
い低分子有機化合物である。ワックスは、50〜200
°Cで溶融するものが好ましく、その例としては、原料
などによってカルナバワックス、カスターワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、セ
ラックろう、パームろう、蜜ろう等と呼ばれているいず
れをも用いることができる。ワックス類のほかに、オレ
イン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの固体酸;ベ
ヘン酸銀、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸マグ
ネシウムなどの長鎖脂肪酸の金属塩などの微粒子分散物
も用いることができる。
合物は、疎水化を効果的に行うので好都合である。好ま
しいペリフルオロ化合物としては、下記の化合物が挙げ
られる。ペルフルオロ酢酸、ペルフルオロ酪酸、ペルフ
ルオロバレリン酸、ペルフルオロカプリン酸、ペルフル
オロヘプタン酸、ペルフルオロカプロン酸、ペルフルオ
ロカプリル酸などのペルフルオロ脂肪族カルボン酸;ペ
ルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフル
オロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミ
ン、ペルフルオロヘキシルエーテル、ペルフルオロドデ
カンなどのペリフルオロ炭化水素;ペルフルオロブタノ
ール、ペルフルオロペンタノール、ペルフルオロヘキサ
ノール、ペルフルオロオクタノール、ペルフルオロドデ
シルアルコールなどのペリフルオロ脂肪族アルコール。
を含有する層の表面を効果的に疎水化する疎水化剤であ
る。この目的に用いられる有機珪素化合物としては、オ
ルガノポリシロキサン、オルガノシラン及びフッ素含有
珪素化合物を挙げることができる。 a.オルガノポリシロキサン オルガノポリシロキサンは、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイルなどで代表される
化合物であり、とくに重合度が12以下のオルガノポリ
シロキサン類が好ましい。これらの好ましいオルガノポ
リシロキサンはシロキサン結合単位当たり1〜2個の有
機基が結合しており、その有機基は、炭素数が1〜18
のアルキル基及びアルコキシ基、炭素数が2〜18のア
ルケニル基及びアルキニル基、炭素数が6〜18のアリ
ール基、炭素数が7〜18のアラルキル基、炭素数が5
〜20の脂環式基である。また、これらの有機置換基に
は、さらにハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシ
基が置換してもよい。また、上記のアリール基、アラル
キル基、脂環式基には、上記の炭素数の範囲でメチル
基、エチル基又はプロピル基などの低級アルキル基がさ
らに置換していてもよい。
物の具体例は、下記の化合物であるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
は、炭素数1〜5のアルキル基を有するジアルキルシ
ロキサン基、炭素数1〜5のアルコキシ基を有するジ
アルコキシシロキサン基、炭素数1〜5のアルコキシ
基とフェニル基を有するアルコキシフェニルシロキサン
基及びエトキシメトキシシロキサン基又はメトキシエ
トキシシロキサン基のうち、少なくとも一つを繰り返し
単位として含み、重合度が2〜12、より好ましくは2
〜10のポリオルガノシロキサンである。また、その端
末基は、炭素数1〜5のアルキル基、アミノ基、ヒドロ
キシ基、炭素数1〜5のヒドロキアルキル基又は炭素数
1〜5のアルコキシ基である。より好ましい端末基は、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、t−ブチル基、メトキシ基及びエト
キシ基である。その中でも好ましいシロキサン化合物
は、重合度が2〜10のジメチルポリシロキサン、重合
度が2〜10のジメチルシロキサン−メチルフェニルシ
ロキサン共重合物、重合度が2〜8のジメチルシロキサ
ン−ジフェニルシロキサン共重合物、重合度が2〜8の
ジメチルシロキサン−モノメチルシロキサン共重合物で
これらのポリシロキサン化合物の端末はトリメチルシラ
ン基である。そのほか、1,3−ビス(3−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサン、1,5−ビス(3−
アミノプロピル)ヘキサメチルトリシロキサン、1,3
−ジブチル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、1,5−ジブチル−1,1,3,3,5,5−ヘキ
サエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘ
キサエチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、3−
(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,1,3,
3,5,5,5−ヘプタメチル−トリシロキサン、デカ
メチルテトラシロキサンなどが挙げられる。
シリコーンオイルがあり、ジメチルシリコーンオイル
(市販品では、例えばシリコーンKF96(信越化学工
業(株)製)、メチルフェニルシリコーンオイル(市販
品では、例えばシリコーンKF50(信越化学工業
(株)製)、メチルハイドロジェンシリコーンオイル
(市販品では、例えばシリコーンKF99(信越化学工
業(株)製)が挙げられる。
物としては、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシ
ルトリ−t−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリメ
トキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、
ジメトキシジエトキシシランなどのシラン化合物も挙げ
ることができる。
ール及びシロキサン化合物も疎水化剤として用いること
ができる。好ましいフッ素含有有機珪素化合物には、ポ
リフルオロアルキル基(3、3、3−トリフルオロプロ
ピル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロブチル
基、トリフルオロエチル基、トリフルオロペンチル基、
3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフルオロヘ
キシル基)、トリフルオロアシロキシ基(トリフルオロ
アセトキシ基、2、2、2−トリフルオロエトキシ
基)、トリフルオロアシル基(トリフルオロアセチル
基)、トリフルオロアルキルスルフォン基(トリフルオ
ロメタンスルフォン基、3、3、3−トリフルオロプロ
ピルスルフォン基)を有機置換基として有するシラン、
シラノール及びシロキサン化合物が挙げられる。
トリフルオロプロピルジクロロシラン、3、3、4、
4、5、5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルトリク
ロロシラン、3、3、3−トリフルオロプロピルシラン
−トリメトキシシラン、3、3、4、4、5、5、6、
6、6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、
1、3、5−トリス(3、3、3−トリフルオロプロピ
ル)−1、3、5−トリメチルシクロトリシロキサン、
メチル−3、3、3−トリフルオロプロピルシランジオ
ール、3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフル
オロヘキシルシラントリオール、3、3、4、4、5、
5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルメチルシランジ
オール、ペンタフルオロエトキシシラントリオール、ト
リフルオロメチルシラントリオール、3、3、3−トリ
フルオロプロピルオトキシシラントリオール。これらの
有機珪素化合物は、市販されており、たとえば信越化学
工業(株)から入手できる。又は入手したクロロシラン
を加水分解してシラノールとしたり、あるいは、加水分
解縮合によってポリオルガノシロキンを合成できる。
は、共存する低分子有機化合物に溶解可能、水系又は有
機溶剤系分散媒に分散可能、又はそれ自体が熱可塑性の
疎水性高分子化合物であり、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビ
ニルアセテート、ポリビニルフェノール、ポリビニルハ
ロゲン化フェノール、ポリビニルホルマール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポ
リウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、エポキシ樹脂、フェノール、ノボラック、又はレゾ
ールフェノール類とアルデヒド又はケトンとの縮合樹
脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル系共
重合樹脂などが挙げられる。
性ではないが、フェノールノボラック樹脂又はレゾール
樹脂であり、フェノール、クレゾール(m−クレゾー
ル、p−クレゾール、m/p混合クレゾール)、フェノ
ール/クレゾール(m−クレゾール、p−クレゾール、
m/p混合クレゾール)、フェノール変性キシレン、t
ert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、レゾ
ルシノール、ピロガロール、カテコール、クロロフェノ
ール(m−Cl、p−Cl)、ブロモフェノール(m−
Br、p−Br)、サリチル酸、フロログルシノールな
どのホルムアルデヒドとの縮合のノボラック樹脂及びレ
ゾール樹脂、さらに上記フェノール類化合物とアセトン
との縮合樹脂などが挙げられる。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリアミド、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化
ピニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセ
ルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン、塩化ビ
ニル樹脂−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−樹脂ビニ
ル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−アクリレート共
重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−アクリ
ロニトリル共重合体などが挙げられる。
から構成されたものも用いることができる。水性エマル
ジョンとは、微小なポリマー粒子と、必要に応じて該粒
子を分散安定化する保護剤とからなる粒子を水中に分散
させた疎水性ポリマー懸濁水溶液のことである。用いら
れる水性エマルジョンの具体例としては、ビニル系ポリ
マーラテックス(ポリアクリレート系、酢酸ビニル系、
エチレン−酢酸ビニル系など)、共役シエン系ポリマー
ラテックス(メタクリル酸メチル−ブタジエン系、スチ
レン−ブタジエン系、アグリロニトリル−プブタジエン
系、クロロプレン系など)及びポリウレタン樹脂などが
挙げられる。
量が500〜20000、数平均分子量が200〜60
000であることが好ましい。
珪素化合物のみ、あるいは高分子有機化合物のみで構成
されていてもよいが、それらの二種あるいは三種類を含
んでいてもよく、さらに両者の親和性を高めるなどの目
的の第3成分を含んでいてもよい。
液や分散液とするためにエチレングリコールモノエチル
エーテル、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、セロソルブアセテート、1,4−ジオキ
サン、ジメチルホルムアミド、アクリロニトリルなどの
有機溶剤も使用することができる。
油材料を含む層の上に設けるには、塗り付け処理、スプ
レー処理、気化・凝縮法、気体接触法、浸漬処理など公
知のいずれの方法、方式をも用いることができる。疎水
化膜の好ましい塗設量は、疎水化膜の表面の水滴に対す
る接触角が70〜120度になる厚みであり、この範囲
であると像様露光によって親水化した領域との親水性/
疎水性の識別能が高くて好ましい。この最適接触角の範
囲に入る厚みは、疎水化剤の種類によって異なるので、
疎水化剤に応じて厚みを適切に調節する必要がある。通
常、適切な厚みは10〜100ml/m2 、好ましくは
15〜50ml/m2 である。
る疎水層の付与方法であり、疎水化剤が液体の場合は、
直接塗り付けてもよく、また固体の場合や、液体であっ
ても場合により、適当な溶剤に溶解あるいは分散したり
して液状として塗り付け処理を行う。塗り付け処理の方
法としては、グラビア塗布、リバース塗布、ホッパー塗
布、スリット塗布などの塗布現像方式など公知の方法が
適用できる。また、疎水化剤を担持した媒体を介して原
板上に塗り付け皮膜を形成させるシート処理が好ましい
方式の一つである。この方法には特登2655337号
に記載の方法を挙げることができる。疎水化剤を担持す
る媒体には、フェルト、織物、スリットや細孔を有する
金属などを用いることができる。この中でも特開平8−
290088号、同8−290087号、同9−138
493号公報に記載されているスポンジなどによる処理
液塗り付けの方法を好ましく適用できる。
たと同様に液状或いは分散液状にした疎水化剤又は疎水
化剤溶液を原板表面に噴霧することによって疎水化を行
う方法である。また、噴霧液量を必要供給液量以上とし
て適用表面を流下する余分の疎水化剤あるいは疎水化剤
溶液を循環させて再利用してもよい。疎水化剤あるいは
疎水化剤溶液の噴霧方法、方式、ノズルの数や形状を問
わず、また単一の可動ノズルを移動させながら噴霧して
も、複数の固定ノズルを用いて噴霧してもよい。また、
印刷原板を固定してノズルを移動させながら噴霧して
も、ノズルを固定して印刷原板を移動させながら噴霧し
てもよい。このなかでも特開平8−123001号、同
9−160208号、同9−179272号公報に記載
されている疎水化剤あるいは疎水化剤溶液を噴射する複
数のノズル孔が一定の間隔で原板の搬送方向と交差する
方向に沿って直線状に並べられたノズルとこのノズルを
搬送経路上の原板に向かって変移させるアクチュエータ
ーとを有する疎水化剤塗り付け装置によって疎水化剤あ
るいは疎水化剤溶液を噴霧する方法がとくに好ましい。
疎水化剤や蒸発しやすい疎水化剤溶液を加熱して気化
し、印刷原板表面に接触させて疎水化剤の皮膜を凝縮形
成させる方法である。この方法に好都合な効果をもつ好
ましい有機化合物は、温度400℃における蒸気圧が少
なくとも100Paで、かつ蒸気圧が100Paとなる
温度において安定な有機化合物である。つまり、この程
度の蒸気圧を有している有機化合物が加熱雰囲気中に存
在すると親水性と疎水性の識別性の向上が引き起こされ
る。より好ましくは、温度300℃における蒸気圧が少
なくとも100Paで、かつ蒸気圧が100Paとなる
温度において安定な有機化合物である。さらに好ましく
は、沸点が30〜400℃にあって、かつ30〜400
℃の温度範囲で安定な有機化合物であり、中でも好まし
い沸点範囲は50〜350°Cである。
原板表面に接するように設けられた加熱部の外套内に疎
水化剤充填容器を置いて、加熱時間中に疎水化剤の蒸気
を外套内に存在させるのがよい。また、有機化合物を含
浸させた紙、布、ゼオライト、珪草土などを外套内に挿
入して加熱するのもよい。
化合物の場合には、印刷原板をこの気体を含んだ雰囲気
のなかに置くことによって高度の疎水化を行うことがで
きる。
する方法も用いることができる。
域は、光触媒作用によって親水性となり、疎水化剤の層
が除去される。したがって親水性領域が像様に形成され
る。印刷用画像の記録は、前記したように遠紫外光を像
様に照射して行う。遠紫外光の好ましい光源は、低圧水
銀灯及び固体レーザーである。水銀灯の発する光の分光
分布特性は、内風されている水銀の蒸気圧によって変化
し、蒸気圧が1〜100Pa、好ましくは2〜30P
a、より好ましくは5〜20Paであると、短波長の輝
線の吸収損失がないので、253.7nmの輝線が強く
現れて、酸化チタンの高感度領域に相当する波長の光を
供給する。高圧あるいは超高圧水銀灯では、この輝線は
他の波長の光エネルギーに吸収されて弱くなるので好ま
しい光源ではない。低圧水銀灯は、市販されているもの
を用いることができる。固体レーザーは、材料と構成に
よって発振波長が異なるが、本発明においては、発振波
長が266nmの固体レーザーが好ましく、このレーザ
ーも市販のものを用いることができる。像様照射は、室
温で行えばよいが、照射の際に光触媒層を加熱するとさ
らに感度を高めることができる。遠紫外光の照射強度
は、10〜100mJ/cm2,好ましくは30から5
0mJ/cm2である。また、疎水化膜を通しての極性
変換の実際的な感度は、疎水化膜の厚みと疎水化剤の性
質に依存するので、それらの選択によって極性変化に対
する感度がさらに向上する。
の間に遠紫外線吸収性の材料が置かれることを避ける必
要がある。300nmよりも短波長領域において透明性
の高い材料は、石英ガラス、紫外光吸収性可塑剤を含ま
ないポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレンなど)、アクリル系樹脂(例えばポリメチルメタ
クリレート、ポリエチルアクリレート、ポリプロピルメ
チルアクリレートなど)、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂やそのアルキル変性樹脂、あるいは
これらの樹脂成分の共重合体樹脂や混合樹脂が好まし
い。また、画像マスクとして使用することができるの
は、これらの材料を支持体として用いた画像シートであ
る。担持されるマスク画像は、ウオッシュオフレリーフ
法によって形成する画像、拡散転写法によって形成され
る転写画像、インクジェットなどによって描画される画
像、染料転写方式で描画される画像など、非画像部を透
明なままに維持できる公知の手段が用いられる。この画
像マスクに保護層、下塗り層、画像担持層などを設ける
場合には、それらの層には遠紫外吸収性の添加剤を含ま
せないことが必要である。支持体が透明である場合は、
支持体の裏側から支持体とマスク画像を通して露光する
こともできる。
いずれでもよい。低圧水銀灯を用いる像様照射の場合
は、マスク画像を通して原板上に光照射する面露光方式
が好ましく、固体レーザーを用いる場合は、レーザー光
を画像信号で変調して走査方式の露光を行うことが好ま
しい。
性化した像様領域は通常時間とともに疎水性に変化して
ゆくので親水性領域と疎水性領域の識別性は経時ととも
に低下して行く傾向があり、それが印刷品質や耐刷性の
低下をもたらすこともある。したがって、必要あれば、
原板表面の疎水化された表面に親水性像様領域が形成さ
れたのち、原版表面に被照射領域の疎水性を強化する処
理を施して親水性と疎水性の識別性を高いレベルに保つ
操作が施される。親水性強化処理は、主として水からな
る。水には、濡れ性向上剤及び助剤、水溶性高分子化合
物、pH調整剤、湿潤剤、防腐剤、着色剤、消泡剤、等
の種々の添加剤を加えることができる。濡れ性向上剤と
しては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール
アルキルエーテル(アルキレン基の炭素数は2〜3)、
ポリエチレングリコール(分子量100〜800)、ア
ルキルスルホン酸(アルキレン基の炭素数は2〜3)、
脂肪族アルコール(炭素数は1〜3)、水、界面活性剤
から選択される。また、平版印刷用の親水性強化剤やそ
の溶液をこの目的に用いることができる。
性剤やノニオン界面活性剤が好ましい。
考慮すると、1.0質量%以下、好ましくは0.001〜
0.5質量%が適当である。また、2種以上併用するこ
ともできる。
ビアガム、澱粉誘導体(例えは、デキストリン、酵素分
解デキストリン、ヒドロキシプロピル化酵素分解デキス
トリン、カルボキシメチル化澱粉、リン酸澱粉、オクテ
ニルコハク化澱粉)、アルギン酸塩、繊維素誘導体(例
えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチル
セルロース、メチルセルロース)等の天然物及びその変
性体、ポリエチレングリコール及びその共重合体、ポリ
ビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド及びその共重合体が挙げられ
る。水溶性高分子の含有量は、親水性強化剤やその溶液
に対して0.0001〜0.1質量%が適しており、よ
り好ましくは、0.0005〜0.05質量%てある。
/又は無機酸又はそれらの塩が使用でき、これらの化合
物は親水性強化剤やその溶液のpH調整あるいはpH緩
衝、平版印刷版支持体の適度なエッチング又は防腐食に
効果がある。好ましい有機酸としては、例えばクエン
酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、酢酸、
グルコン酸、酢酸、ヒドロキシ酢酸、蓚酸、マロン酸、
レプリン酸、スルファニル酸、p−トルエンスルホン
酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等が挙げられる。無機
酸としては例えば蟻酸、リン酸、硝酸、硫酸、ポリリン
酸が挙げられる。更にこれら有機酸及び/又は無機酸の
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはアンモニ
ウム塩、有機アミン塩も好適に用いられる。これらpH
調整剤の本発明の親水性強化剤やその溶液への添加量は
0.001〜0.3質量%の範囲が好ましく、親水性強
化剤やその溶液のpH値が3〜7の範囲の酸性領域で用
いることが好ましい。
ール、ジエチレングリコール、トリエチエングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキ
シレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグ
リセリン、トリメチロールプロパン等が好適に用いられ
る。これらの湿潤剤は単独でもよいが、2種以上併用し
てもよい。一般に上記湿潤剤は0.01〜3質量%の範
囲で使用できる。
体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナ
トリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベン
ズトリアゾール誘導体等から選ばれて用いられる。着色
剤としては、例えば、食品用色素等が好ましく使用でき
る。
料含有層を有する印刷原板を全面疎水化し、親水性の像
様領域を形成させたのち、必要であればその領域の親水
性強化処理を施すことによって現像処理することなく作
成した印刷版は、そのまま平版印刷工程に送ることがで
きる。従って従来公知の平版印刷法に比較して簡易性を
中心に多くの利点を有する。すなわち上記したようにア
ルカリ現像液による化学処理が不要であり、それに伴う
ワイピング、ブラッシングの操作も不要であり、さらに
現像廃液の排出による環境負荷も伴わない。また、製版
工程も上記したように簡易である。
水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガ
ムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理してもよい。
本発明の画像記録材料を印刷用版材として使用する場合
の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用
いることができる。その方法としては、該整面液を浸み
込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布す
るか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗
布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用され
る。また、塗布した後でスキージー、あるいは、スキー
ジーローラーで、その塗布量を均一にすることは、より
好ましい結果を与える。整面液の塗布量は一般に0.0
3〜0.8g/m2(乾燥質量)が適当である。この様な処
理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機等
にかけられ、あるいは印刷機上で製版され、多数枚の印
刷に用いられる。
て記す。再製工程は、使用済みの印刷版に付着している
インクの洗浄工程すなわちクリーニング工程と、製版・
印刷工程などで受けた履歴による版面の疎水性/親水性
の不均一の除去工程からなる。 洗浄工程において、印
刷終了後の印刷版は疎水性の石油系溶剤を用いて付着し
ているインキを洗い落とす。溶剤としては市販の印刷用
インキ溶解液として芳香族炭化水素、例えばケロシン、
アイソパ−などがあり、そのほかベンゾール、トルオー
ル、キシロール、アセトン、メチルエチルケトン及びそ
れらの混合溶剤を用いてもよい。画像物質が溶解しない
場合には、布などを用いて軽く拭き取る。また、トルエ
ン/ダイクリーンの1/1混合溶媒を用いるとよいこと
もある。また、さらに希酸で版面を処理することも好ま
しい。希酸の濃度は、通常0.001〜0.1mol/
L、好ましくは0.005〜0.05mol/Lであ
り、酸としては硫酸、硝酸、塩酸などが用いられる。酸
の溶液には、0.001〜0.01mol/Lの過酸化
水素をさらに添加することもある。この処理によって有
機溶剤では除去しきれない汚れや履歴が除かれる。
行なって印刷原板として前記した製版工程に再使用する
ことができる。初期化は、活性光の照射によって行な
う。原板表面に照射される活性光の光源は、光触媒能を
有する物質の感光域の波長の光、すなわち光吸収域に相
当する波長の光を発する光源である。例えば光触媒能を
有する物質が酸化チタンの場合では、アナターゼ型が3
87nm以下、ルチル型が413nm以下の紫外部に感
光域を有しており、典型的な分光分布曲線は図1に示し
た通りである。したがって使用される光源は、これらの
波長領域の光を発する光源であり、主として紫外線を発
する光源といえる。活性光の照射を受けた領域は、光触
媒作用によって親水性となる。活性光の光触媒作用によ
って親水性領域の像様の分布を形成させる手段には、面
露光方式、走査方式のいずれでもよい。面露光方式の場
合は、一様な光を原板上に照射して、照射領域の表面を
親水性化する方式である。面露光方式で活性光の照射を
行うのに適した光源は、水銀灯、タングステンハロゲン
ランプ、その他のメタルハライドランプ、キセノン放電
灯などである。
/cm2、好ましくは0.2〜100J/cm2、より好
ましくは0.2〜10J/cm2である。また、光触媒反
応には相反則が成立することが多く、例えば10mW/
cm2で100秒の露光を行っても、1W/cm2で1秒
の露光を行っても、同じ効果が得られる場合も多く、こ
のような場合には、活性光を発光する光源の選択の幅は
広くなる。
像情報で変調してなく、かつビーム径を30〜50μm
程度に広げて原版前面にビーム光が照射されるようにし
て走査が行われる。レーザー光源は、活性光のビームを
発振する公知のレーザーを用いることができる。例え
ば、レーザー光源として発振波長を325nmに有する
ヘリウムカドミウムレーザー、発振波長を351.1〜
363.8nmに有する水冷アルゴンレーザー、330
〜440nmに有する硫化亜鉛/カドミウムレーザーな
どを用いることができる。さらに、紫外線レーザー、近
紫外線レーザー発振が確認されている発振波長を360
〜440nmに有する窒化ガリウム系のInGaN系量
子井戸半導体レーザー、及び発振波長を360〜430
nmに有する導波路MgO−LiNb03反転ドメイン
波長変換型のレーザーを使用することもできる。レーザ
ー出力が0.1〜300Wのレーザーで照射をすること
ができる。描画に用いた遠紫外用の固体レーザーを画像
変調しない状態で用いてもよい。また、パルスレーザー
を用いる場合には、ピーク出力が1000W、好ましく
は2000Wのレーザーを照射するのが好ましい。支持
体が透明である場合は、支持体の裏側から支持体を通し
て露光することもできる。
ると親水性となるいわゆる高温親水性の光触媒性化合物
であるので、初期化は、活性光の照射光の代わりに上記
の温度への加熱によって行ってもよい。加熱の方法とし
ては、送風加熱、赤外線照射加熱、電磁波(マイクロ
波)加熱、電球加熱などの方法を選択できる。この履歴
除去操作は、印刷インキを洗浄除去してから次の製版作
業において全面疎水化処理を行うまでの間の任意の時期
に行ってもよいが、その原版を次の製版工程に再使用す
る際に行うのが原板の保管中の履歴の影響を排除できる
点で好ましい。
数は、完全に把握できていないが、少なくとも15回以
上であり、おそらく反面の除去不能は汚れ、修復が実際
的でない刷面の傷や、版材の機械的な変形(ひずみ)な
どによって制約されるものと思われる。
数は、完全に把握できていないが、少なくとも15回以
上であり、おそらく反面の除去不能な汚れ、修復が実際
的でない刷面の傷や、版材の機械的な変形(ひずみ)な
どによって制約されるものと思われる。
について説明したので、次にこの原板と製版・印刷方法
を用いる印刷装置を図によって説明する。印刷装置の態
様としては、酸化チタンを含有する層を表面にもつ印刷
用原板を版胴に装着したままで製版する態様、版胴に装
着したままで製版を行い、さらに印刷した後に使用済み
の印刷版の洗浄及び初期化層を行って印刷原板として再
使用可能とする態様、また製版したのちに版胴に装着し
て印刷する態様の装置のいずれであってもよい。
態1として、印刷原板を版胴に装着した状態で製版と印
刷を行い、印刷したのちに使用済みの印刷版を印刷原板
に再生して反復使用可能とする本発明の典型的な形態に
ついて以下の図2等を用いて、説明する。
よる平版印刷装置の構成を示す図である。図2に示す平
版印刷装置は、左から右へa,b,c及びdの4つの同
じ構造の製版・印刷機構を直列に配した構成をとってお
り、各機構は印刷インクの種類と印刷されるべき単色画
像情報を異にする以外は同じ機能を有しており、印刷さ
れる用紙Pが各機構を直列に通過して印刷されることに
よって多色刷りが行われる構造となっている。したがっ
て、以下の説明では、各製版・印刷機構の代表として左
端の機構aについて記述し、機構b,c,dの構成と作
用の説明は省略する。a,b,c及びdの各機構のそれ
ぞれの構成部材には部材番号にそれぞれa,b,c及び
dの添字を付して表示してある。
チタンを含有する層を表面に有する印刷用原板を装着し
た版胴1a(装着した原板は版胴と接しているので図示
してない)と、版胴1a上の原板に対して疎水化剤を適
用して原板表面を全面疎水化する全面疎水化処理部4a
と、原板上に余分に供給された疎水化剤を除去するスク
イージー部5aと、全面疎水化された版胴1a上の原板
に対して遠紫外の活性光の像様照射を行って親水性・疎
水性の像様分布を形成する像様露光部6aと、疎水性領
域(非照射領域)と親水性領域(照射領域)が像様に形
成された原板すなわち印刷版にインキを供給するインキ
7a及び湿し水を供給する湿し水供給部8aと、印刷終
了後に版胴1上の原板(印刷版)に残存するインキを除
去するインキ洗浄(クリーニング)部2aと、インキを除
去した原板上に残存する疎水性・親水性の極性の像様む
らなどの履歴を除去する初期化部3aと、印刷に際して
版胴1a上の刷版に保持されたインキを用紙に転写する
ための中間体としてのブランケット胴9aと、ブランケ
ット胴9aとともに給送された用紙を保持する圧胴10
aとを備え、これらの部材が製版・印刷機構aとして印
刷装置本体内に収容されてなるものである。
の作用について図3によって説明する。図3は、本発明
の製版・印刷方法の工程の流れを示す概略説明図であ
る。この図においては、前の製版・印刷サイクルを終了
した印刷版を再生して印刷原板とする(a)と記した工
程から説明する。工程(a)は、前の製版・印刷サイク
ルに用いられた使用済みの印刷版を再生する工程であ
り、インク洗浄部2aからインク溶剤を供給して版胴1
a上の印刷版の版面に付着した印刷インクを洗浄・除去
する。インク洗浄された版面は、乾燥風Wによって乾燥
が行われ、続いて初期化部3aによって活性光の全面照
射が行われて、もとの印刷用原板の状態に再生される。
上記の一連の原板再生工程は、版胴1aが本形態では
0.5rpmの速度で回転しながら行われる。初期化部
3aの光源は、酸化チタンに対して光触媒性をもたらす
活性光の光源であればよく、近紫外光を発するレーザ
ー、水銀灯、キセノン灯などを用いることができ、必ず
しも遠紫外光の光源でなくてもよい。
行われた印刷用原板の表面の疎水化を行う工程を示して
おり、本実施形態では、版胴1aを0.5rpmで回転
させた状態で、全面疎水化処理部4aにおいて疎水化剤
がスプレー(噴霧)されて疎水化層が形成される。別の態
様としては、疎水化剤を塗りつけ塗布あるいは気相から
凝縮させて疎水化層を形成させてもよい。疎水化層によ
って全面疎水化された印刷用原板は、スクイージー5a
によって余分の疎水化剤が除かれたのち、乾燥風Wによ
って乾燥が行われる。
性の印刷用原板には、像様露光部6aによって遠紫外光
の像様の照射が行われ、光照射された領域が親水性とな
って像様の極性分布が得られる。本形態では、発振波長
256nmの遠紫外光を発する固体レーザーが像様露光
光源として用いられている。この波長の紫外光に対して
酸化チタンは充分に高い極性変換感度を有しているの
で、この工程における版胴1aの回転速度は、200r
pmであり、実際的な短時間の間に描画が行われる。な
お、図示しないが必要であれば、極性の像様分布が得ら
れた原板(印刷版)の遠紫外光照射領域の親水性をさらに
高めるため、湿し水供給部8aにより又は別のアプリケ
ータを設けて、親水性物質(とくに酸)の水溶液による
親水性強化処理を施すこともできる。
操作によって極性の像様分布が形成された印刷用原板す
なわち印刷版に、インク供給部7aから印刷インクと、
湿し水供給部8aから湿し水とを供給して識別作用を発
揮しつつ印刷が行われる。この際、印刷に先だって前記
したように印刷版面には、整面液を処理して識別効果を
高めてもよい。製版・印刷機構a,b,c,dのそれぞ
れが同じ速度で搬送される用紙を印刷できるように、適
切な版胴の回転速度が選択される。ブランケット6aと
圧胴7aとの間に矢印に示すように用紙Pを供給し、版
胴1a上の原板に保持されたインキをブランケット5a
を介して用紙に転写することにより平版印刷が行われ
る。
の製版・印刷サイクルのインク洗浄部(クリーニング部)
2aによる版胴1a上の版面に残存するインキを除去
と、初期化部3aにおける活性光による全面照射からな
る原板再生工程に入る。
連の工程において、本発明に特徴的な像様露光部6a、
すなわち、表面に疎水化膜が付与された原板に遠紫外の
活性光の像様照射を行う装置のより詳細について図4に
よってさらに説明する。図4は、本実施形態の固体レー
ザー光源を用いた像様露光部の機構と構造を示す概略図
である。図4において、固体レーザー発振装置11から
発する発振波長は512nm及びその1/2波長の25
6nmであるが、本実施形態では256nmの遠紫外光
を利用する。固体レーザー発振装置11から発したレー
ザー光は、コリメーターを経てビーム径が絞られてミラ
ー12、13’,14a,14d及びハーフミラー1
3,14c,14dによる光学的分岐系によって製版・
印刷機構a,b,c,dに分岐される。分岐されたレー
ザー光は、それぞれ空間変調素子15a,15b,15
c,15dと収斂用レンズ16a,16b,16c,1
6dなどからなるそれぞれの画像情報担持用の光学素子
系によって4色刷りのそれぞれの単色画像情報を担持し
たレーザービームとなって、ミラー17a,17b,1
7c,17dによって表面に疎水化層を付与された印刷
用原板に像様露光を施す機構及び構造となっている。画
像変調されて出射されるレーザー光は、版胴1上の原板
の回転軸方向に版胴1上の原板に対して相対的に移動し
て版胴1上の原板上を走査するよう構成されており、版
胴1上の原板が回転することにより、版胴1上の原板の
表面が変調されたレーザー光により露光され、版胴1上
の原板におけるレーザー光が照射されなかった部分が疎
水性のままで、レーザー光が照射された部分が親水性と
なって疎水化剤が除去されて像様親水性領域を形成する
ように描画がなされる。
態2として、蒸気実施形態1における像様露光部6aの
遠紫外光の光源として低圧水銀灯を用いた態様を示す。
図5は、遠紫外線光源として低圧水銀灯を使用した像様
露光部であって、低圧水銀灯から発する遠紫外の輝線ス
ペクトル光は、長波長成分カットフィルター22を経て
253.7nmの単色光となり、均一光調製用光学系2
3で光量分布が平均化される。均一光調製用光学系23
を経た遠紫外光は、便宜上、製版・印刷機構aに関する
部分のみを示すが、図示しない光学的分岐系によって
b,c,dの各製版・印刷機構に分けられて空間変調素
子24に送られる。図2で述べたように、b,c,dの
各機構は、製版・印刷機構aと同じ構成と構造であり、
印加される単色画像情報と印刷用インクの種類が異なる
だけである。空間変調素子24でそれぞれの単色画像が
担持されて結像光学系15、焦点調節レンズ16及び印
刷原板表面に照射光を導くミラーなどからなる結像光学
系を経て原板表面に像様の遠紫外線の画像露光が走査方
式で行われる機構及び構造が取られている。
転方向に対して直角又は斜め方向に配したスリットによ
って、版胴の回転に伴って版胴表面に設けた画像マスク
を通してスリット光による全面走査露光が施される。ス
リットの幅は必ずしも狭い必要はなく、活性光照射部6
aを通過中に原板表面に像様の親水性・疎水性分布が形
成されるように照度とスリット幅及び版胴の回転速度が
決められる。スリットの代わりに版胴の幅に合わせた照
射幅をもついわゆるがんどう型のランプハウスを用いて
もよい。前記したように、画像マスクは、遠紫外光に対
して像様に透過部と不透過部の分布を持つ必要があるの
で、画像を担持する支持体は遠紫外線に対して透明又は
少なくとも画像マスク部と識別可能な程度に半透明な支
持体であり、その上に不透明性の画像材料のマスクが設
けられている必要がある。
よれば、疎水化剤による疎水性の均一表面の形成と遠紫
外の活性光による像様照射のみで版胴1上の原板に識別
性の高い印刷版面を形成することができ、これにより現
像が不要でかつ印刷面の鮮鋭性が保たれた平版印刷を行
うことができる。また、版胴1上の版面を洗浄して再度
全面活性光照射(又はヒートモード光の一様照射あるい
は接触伝熱加熱)により元の状態に戻すことができるた
め、版胴1上の原板を反復使用することができ、これに
より印刷物を低コストで提供することができることとな
る。さらに、印刷装置から版胴1上の原板を取り外す必
要がないため、従来のPS板のように印刷装置に組み込
む際にゴミなどが付着することもなくなり、これによ
り、印刷品質を向上させることができる。
使用し、版胴1上の原板の周囲に疎水性温度での全面疎
水化処理部3、印刷インキ供給部7、湿し水供給部8、
インキ洗浄(クリーニング)部2,初期化部3および遠
紫外の像様露光部6を配設することにより、単に版胴1
上の原板を回転させるのみで、原板の全面疎水化、遠紫
外の活性光による像様照射、印刷インクと湿し水の供
給、さらには印刷終了後のインク洗浄及び履歴除去のた
めの初期化を行うことができるため、装置をコンパクト
に構成することができ、これにより省スペース化を図る
ことができる。
媒性を利用する簡易な製版方式の中でも、遠紫外波長領
域の活性光の像様照射(又は像様加熱)を行う本発明
が、疎水性/親水性の極性変換の感度が高く、同じ酸化
チタンを用いながら、近紫外の活性光の像様照射を行う
方式に比較して、実用的な短時間照射で画像領域と非画
像領域の識別性の高い印刷版を再現性よく製作すること
ができるという利点がある。したがって印刷版の品質と
耐刷性を高めることができる。しかもこれらの光源は、
コストの増加も伴なわない。
示すが、本発明はこれらに限定されない。 〔実施例1〕本実施例1では、上記実施形態1による具
体例を示す。99.5重量%アルミニウムに、銅を0.
01重量%、チタンを0.03重量%、鉄を0.3重量
%、ケイ素を0.1重量%含有するJISA1050ア
ルミニウム材の厚み0.30mm圧延板を、400メッシ
ュのパミストン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液
と、回転ナイロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用
いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。こ
れを15重量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム
4.5重量%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が
5g/m2になるようにエッチングした後、流水で水洗し
た。更に、1重量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝
酸水溶液(アルミニウム0.5重量%含有)中で、陽極
時電圧10.5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形
波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5
796号公報実施例に記載されている電流波形)を用い
て160クローン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処
理を行った。水洗後、35℃の10重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2
になるようにエッチングした後、水洗した。次に、50
℃、30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットし
た後、水洗した。
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密
度13A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により陽極
酸化皮膜重量2.7g/m2とした。この支持体を水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間
浸漬処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られた
アルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計
で測定した反射濃度は0.30で、中心線平均粗さは
0.58μmであった。
リング装置内に入れて、全圧2.0x10-2Paになる
ように分圧70%の酸素ガスの条件下でチタン金属片を
電熱加熱して、アルミニウム支持体上にスパッタリング
して酸化チタン薄膜を形成した。この薄膜の結晶成分は
X線解析法によって無定型/アナターゼ/ルチル結晶構
造の比が1.5/6.5/2であり、TiO2薄膜の厚さは
90nmであった。これを版胴1上の原板の基体に巻き
付けて機上印刷用の原板とした。
形態の装置を用いており、本実施例中に記載する装置部
材に添付した数字は、図2、図3及び図4に示した部材
番号である。像様露光部6aの図4に示した固体レーザ
ーを初期化部3にも使用した。すなわち、初期化の工程
では、版胴を0.5rpmで回転させながら、像様露光
部6の画像信号変調部(図4参照)で画像信号を担持させ
ず、かつ均一照射が可能となるように活性光のビーム径
を50μmとして走査方式で照射光のエネルギー強度2
00mJ/cm2の条件で全面親水化の操作を行った。
接触角測定装置Contact Angle Meter CA-D(協和界面科
学(株)製)を用いて空中水滴法で表面の水に対する接
触角を測定したところ、いずれの部分も8〜11度の間
にあった。
いて、前記したn−オクタデシルトリクロロシランの1
0質量%溶液をアトマイザーによるスプレー塗布(噴霧
塗布)装置から印刷用原板に全面疎水化処理部の通過時
間が3秒となる回転速度(0.5rpm)で版胴を回転
させながら噴霧塗布し、乾燥して疎水化膜を原板表面全
面に設けた。疎水化処理後の原板表面の水に対する接触
角をContact Angle Meter CA-D(協和界面科学(株)
製)を用いて空中水滴法で測定したところ、いずれの部
分も78〜83度の間にあった。
示した固体レーザーを用いて、画像情報で変調した25
6nm波長の遠紫外光を版胴の回転速度200rpmの
もとで、走査方式で照射させながら原板表面に親水性・
疎水性の極性の像様分布形成させた。活性光が一様に照
射された領域の光エネルギー強度は、65mJ/cm 2
であり、そのときの原板表面の水滴接触角は、8〜12
度の間にあった。
刷機に使用して、インキ供給部7aにおいて印刷インク
(大日本インキ化学工業社製Newchampion Fグロス85
墨)を、湿し水供給部8aにおいて純水をそれぞれ供給
しながら1000枚平版印刷を行った。スタートから終
了まで鮮明な印刷物が得られ、版胴1a上の原板の損傷
も認められなかった。
原板の表面を印刷用インキ洗浄液ダイクリーンR(発売
元;大日本インキ化学工業社)とトルエンの1/1混合
液をウエスにしみ込ませて丁寧に洗浄してインキを除去
した。次いで初期化部3aにおいて前記の遠紫外線照射
を行った。前と同じ方法で接触角を測定したところ、版
表面のどの部分も8〜12度の間にあって、印刷に使用
した原板がもとの状態に再生されていることを示した。
版・印刷、原板再生工程を終えた原板を版胴に装着した
まま再び上記の製版過程を行って印刷版を機上で製作
し、1000枚平版印刷を繰り返して行った。スタート
から終了まで鮮明な印刷物が得られ、版胴1上の原板の
損傷も認められなかった。
性光照射後の接触角の値、印刷面の画像の鮮明さの変化
は認められなかった。この結果から、酸化チタン層をア
ルミニウム支持体上に設けた印刷原板を使用し、実施形
態1の印刷装置を用いて初期化を行い、全面疎水化し、
65mJ/cm2という少ない光量の遠紫外域の活性光
の像様照射を行なうという簡易な製版・印刷が可能であ
り、しかもインキの洗浄除去と履歴除去用活性光照射の
みで印刷原板を反復再生使用できることが示された。
ーによる遠紫外照射装置を用いた初期化部3aと像様露
光部6aを253.7nmに輝線スペクトルを持つ低圧
水銀灯(封入蒸気圧は約0.1Pa、453.8nmの
輝線スペクトルは、フィルターで消去)の照射装置に変
更した以外は、実施例1と同じ方法と同じ作製方法の印
刷用原板を用いて実施例1の試験を繰り返した。この照
射装置も実施例1の場合と同様に、初期化部として用い
るときは画像を担持せず、像様露光部として用いるとき
は、それぞれの単色画像情報で紫外光を変調して照射を
行い、光エネルギー強度も初期化の際は、200mJ/
cm2であり、像様露光の際は65mJ/cm2とした。
初期化のための照射後の原板表面の照射領域の水に対す
る接触角は、いずれの照射領域も7〜9度の間にあっ
た。また、全面疎水化後の疎水性領域の水に対する接触
角は、1回目及び2回目とも76〜79度であり、ま
た、遠紫外の活性光の像様照射をおこなったときの照射
領域の接触角は、9〜13度であった。印刷面の品質も
1回目及び2回目とも地汚れはなく、画像領域と非画像
領域の識別性も十分であった。
部において遠紫外光を発する固体レーザー光源を近紫外
光を発するレーザー光源を有する光源装置ユニレックU
RM600形式GH60201X(ウシオ電気工業
(株)製)に代えて、光強度65mJ/cm2 の像様照
射を行った以外は、実施例1と同じ方法と同じ作製方法
の印刷用原板を用いて実施例1の試験を繰り返した。初
期化のための照射後の原板表面の照射領域の水に対する
接触角は、いずれの照射領域も7〜9度の間にあった。
また、全面疎水化後の疎水性領域の水に対する接触角
は、76〜79度であり、また、活性光の像様照射をお
こなったときの照射領域の接触角は、69〜73度であ
り、この印刷版を用いた印刷結果は、画像領域と非画像
領域の識別性も不十分であり、印刷面は字汚れが顕著で
あって印刷品質は劣っていた。すなわち、近紫外域の照
射光では疎水化膜で覆われた原板表面の極性を変化させ
る感度が低く、上記露光量では浸水領域・疎水領域の像
様分布の形成が十分ではなかったことがわかる。
部において遠紫外光を発する固体レーザー光源を近紫外
光を発するレーザー光源を有する光源装置ユニレックU
RM600形式GH60201X(ウシオ電気工業
(株)製)を用いたが、版胴の回転速度を1/2に減速
することによって光強度を130mJ/cm2 に上げて
像様照射を行った。その外は、比較例1と同じ方法と同
じ作製方法の印刷用原板を用いて比較例1の試験を繰り
返した。初期化のための照射後の原板表面の照射領域の
水に対する接触角は、いずれの照射領域も7〜9度の間
にあった。また、全面疎水化後の疎水性領域の水に対す
る接触角は、76〜79度であり、また、活性光の像様
照射をおこなったときの照射領域の接触角は、45〜5
3度であり、この印刷版を用いた印刷結果は、比較例1
に対しては、向上が認められたが、なお画像領域と非画
像領域の識別性が不足しており、印刷枚数が300枚で
印刷面は字汚れが認められて不満足な印刷品質であっ
た。
の遠紫外光を発する低圧水銀灯を蒸気圧が9.8Paの
高圧水銀灯に変更した以外は、実施例2と同じ方法と同
じ作製方法の印刷用原板を用いて実施例2の試験を繰り
返した。この高圧水銀灯は、365.0,577.0〜
579.1nmに強い輝線の発光を行うことが知られて
いる。この照射装置も実施例2の場合と同様に、初期化
部として用いるときは画像を担持せず、像様露光部とし
て用いるときは、それぞれの単色画像情報で紫外光を変
調して照射を行い、光エネルギー強度も初期化の際は、
200mJ/cm2であり、像様露光の際は65mJ/
cm2とした。初期化のための照射後の原板表面の照射
領域の水に対する接触角は、いずれの照射領域も7〜9
度の間にあった。また、全面疎水化後の疎水性領域の水
に対する接触角は、76〜79度であり、また、活性光
の像様照射をおこなったときの照射領域の接触角は、4
4〜50度であり、この印刷版を用いた印刷結果は、画
像領域と非画像領域の識別性が不足しており、イオン刷
枚数が350枚で印刷面は字汚れが認められて不満足な
印刷品質であった。
終えた印刷用原版に全面疎水化処理を施す際に、版胴の
回転速度を0.2rpmに下げて行なうことにより、疎
水化剤のスプレー塗布厚みを2.5倍とした以外は、実
施例1と同じ方法と同じ作製方法の印刷用原板を用いて
実施例1の試験を繰り返した。初期化のための照射を終
えた後であって、疎水化処理を行う前の原板表面の照射
領域の水に対する接触角は、いずれの照射領域も8〜1
1度の間にあった。上記の2.5倍厚みの全面疎水化後
の疎水性領域の水に対する接触角は、130〜134度
であり、また、活性光の像様照射をおこなったときの照
射領域の接触角は、75〜78度であった。この印刷版
を用いた印刷結果は、画像領域と非画像領域の識別性も
不十分であり、印刷面は400枚印刷のときに字汚れが
認められて印刷品質は劣っていた。すなわち、疎水化膜
が厚いと、遠紫外域の照射光でも親水性への極性変化の
感度が低く、浸水領域・疎水領域の像様分布の形成が十
分ではなかったことがわかる。 [比較例5]実施例1において、初期化を終えた印刷用
原版に全面疎水化処理を施す際に、版胴の回転速度を
1.5rpmに上げて行なうことにより、疎水化剤のス
プレー塗布厚みを1/3倍とした以外は、実施例1と同
じ方法と同じ作製方法の印刷用原板を用いて実施例1の
試験を繰り返した。疎水化処理前すなわち初期化のため
の照射後の原板表面の照射領域の水に対する接触角は、
いずれの照射領域も8〜11度の間にあった。上記の1
/3倍厚みの全面疎水化後の疎水性領域の水に対する接
触角は、45〜49度であり、また、活性光の像様照射
をおこなったときの照射領域の接触角は、8〜11度で
あった。この印刷版を用いた印刷結果は、印刷版への着
肉性が不足して印刷画面のインクの乗りが不充分であ
り、画像領域と非画像領域の識別性も不十分で印刷品質
は劣っていた。すなわち、疎水化膜が薄いと、遠紫外域
の照射光に対して疎水化膜の存在する被画像領域でも感
光して親水性への極性変化が起こり、浸水領域・疎水領
域の像様分布の形成が十分ではなかったことがわかる。
の凝縮方式の疎水化処理装置を全面疎水化処理部(図2
の4a)に使用して次の試験を行った。空気取り入れ口
に内径約30mmの硝子管(分液ろ斗を転用)を横向き
に配置し、全面疎水化処理部内の空気がこの硝子管内を
通過して全面疎水化処理部の内部に取り込まれる構造と
した。シリコーンオイル〔商品名シリコーンKF99
(信越化学工業(株)製)を含浸させた珪草土を容積率
が50%となるように硝子管の下半分に流しこんだ。空
気取り入れ口の温度は、この管を通過中に室温から15
0℃に上昇する。シリコーンKF99は、この温度では
少なくとも1mmHg以上の蒸気圧を持つので、全面疎
水化処理部の内部に取り入れられた空気は、シリコーン
KF99の蒸気を含んでいる。空間部の内容積が2リッ
トルの管熱記録部における空気交換速度は、毎分10v
ol%であった。全面疎水化処理部にこのオルガノポリ
シロキサン化合物の蒸気を導入して雰囲気のもとで疎水
化の加熱を行う以外は、実施例1と同じ原板と同じ装置
を使用して、同じ条件で製版し、印刷を行い、使用済み
の印刷版を同じ方法で再生して再度印刷を行った。疎水
化層の付与領域の水に対する接触角の値は、80〜82
度であったこの印刷版を使用して、1000枚の平版印
刷を行った。実施例1と同様にスタートから終了まで鮮
明な印刷物が得られた。また、光照射による極性変化に
よる接触角の変化、及び印刷品質並びに反復使用性能
は、実施例1と実質的に同等であった。
層を原板上に設けた印刷用原板に疎水化膜を設けて表面
を疎水性として、その表面に遠紫外の活性光を像様に照
射して、親水性と疎水性の像様分布を形成させて作製し
た印刷版は、遠紫外光に対する感度が高いので、実際的
な像様露光時間内で極性が変化して、画像領域と非画像
領域の識別性が向上し、かつ現像処理を必要とせず、直
接印刷版を作成することができ、しかも印刷終了後、印
刷版のインキを除去して履歴を光(又は熱)によって除去
して印刷原板を再生し、反復使用することができる。ま
た、原板を印刷機の版胴に装着し、印刷機上で製版し、
印刷したのち使用済みの印刷版を再生することも可能な
遠紫外光の像様照射装置を組み込んだ印刷装置も提供さ
れる。この方法及び装置は、従来の可視域あるいは近紫
外域の活性光の像様照射を行う製版・印刷方法に比べ
て、画像領域と非画像領域との識別性が高く、印刷品質
を向上させることができる。
特性を示す模式図である。
構成を示す図である。
作用を示す説明図である。
を示す構成概略図である。
様を示す構成概略図である。
ング)部 3、3a、3b、3c、3d 初期化部 4、4a、4b、4c、4d 全面疎水化処理部 5、5a、5b、5c、5d スクイージー 6、6a、6b、6c、6d 像様露光部 7、7a、7b、7c、7d インキ供給部 8、8a、8b、8c、8d 湿し水供給部 9、9a、9b、9c、9d ブランケット胴 10、10a、10b、10c、10d 圧胴 11 固体レーザー 12、14a,14d,17、17a、17b、17
c、17d ミラー 13,14b,14c, ハーフミラー 15、15a、15b、15c、15d 空間変調素子
(結像光学系を含む) 16、16a、16b、16c、16d 焦点制御レン
ズ 21 低圧水銀灯 22 長波カットフィルター 23 均一光調整光学系 24 空間変調素子 W 乾燥風 P 用紙 24 空気取り入れ口 25 コック 26 蒸発室 27 有機化合物 29 有機化合物供給手段 30 電熱ヒーター 31 電熱ヒーター 32 温度センサー 33 温度センサー
Claims (11)
- 【請求項1】 酸化チタンを含有する層を表面に有する
印刷用原板に疎水性物質の層を一様に設けたのち、活性
光の照射により像様親水性領域を形成させて印刷版とす
る平版印刷方法において、該活性光が波長250〜32
0nmの遠紫外光であることを特徴とする平版印刷方
法。 - 【請求項2】 該活性光が、発振波長が256nmの固
体レーザー又は蒸気圧が0.1kPa以下の低圧水銀灯
によって発生させた遠紫外光であることを特徴とする請
求項1に記載の平版印刷方法。 - 【請求項3】 該疎水性物質の層の厚みが、水滴に対す
る該層表面の接触角が70〜120度となる厚みに設け
られた層であることを特徴とする請求項1又は請求項2
に記載の平版印刷方法。 - 【請求項4】 酸化チタンを含有する層を表面に有する
印刷用原板が、粗面化したアルミニウム基板を支持体と
する印刷用原板であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれか1項に記載の平版印刷方法。 - 【請求項5】 疎水性物質が昇華性固体又は揮発性液体
であって、該疎水性物質の気体を印刷用原板表面の酸化
チタンを含有する層に凝結させて疎水性物質の層を設け
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
の平版印刷方法。 - 【請求項6】 疎水性物質が高分子有機化合物であっ
て、該高分子有機化合物の溶液又は粒子分散物を印刷用
原板表面の酸化チタンを含有する層に噴霧して疎水性物
質の層を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の平版印刷方法。 - 【請求項7】 酸化チタンを含有する層の表面に疎水性
物質の層を設ける方法が、塗り付け塗布、噴霧塗布、気
化凝縮法、気体接触法及び浸漬塗布、から選ばれる方法
であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
記載の平版印刷版の作製方法。 - 【請求項8】 印刷に使用した印刷版からインキを除去
したのち、該印刷版を印刷用原板として再使用すること
を特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の平
版印刷方法。 - 【請求項9】 (1)酸化チタンを含有する層を表面に
有する印刷用原板を印刷装置に固定する印刷用原板装着
部と(2)該原板に疎水性物質の層を設ける全面疎水化
処理部と、(3)該疎水層を担持した印刷用原板に波長
250〜320nmの遠紫外光を活性光として像様に照
射して親水性領域を形成させる活性光照射部と、(4)
疎水性領域にインキを供給し、親水性領域に湿し水を供
給するインキ及び湿し水供給部と、(5)疎水性領域が
インキを受容し、親水性領域が湿し水を受容してなる印
刷面を被印刷面と接触させて印刷を行う印刷部と、を有
することを特徴とする平版印刷装置。 - 【請求項10】 上記の(1)印刷用原板装着部と
(2)全面疎水化処理部と、(3)活性光照射部と、
(4)湿し水を供給するインキ及び湿し水供給部と、
(5)印刷部と、が版胴の周囲に配設されていることを
特徴とする請求項9に記載の平版印刷装置。 - 【請求項11】 さらに印刷済みの版をインキ溶剤で洗
浄して印刷版を再使用可能の原板とするインキ除去部を
有することを特徴とする請求項9又は10に記載の平版
印刷装置。
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081126 |
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A02 | Decision of refusal |
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