JPH11174664A - オフセット印刷方法 - Google Patents

オフセット印刷方法

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JPH11174664A
JPH11174664A JP34807797A JP34807797A JPH11174664A JP H11174664 A JPH11174664 A JP H11174664A JP 34807797 A JP34807797 A JP 34807797A JP 34807797 A JP34807797 A JP 34807797A JP H11174664 A JPH11174664 A JP H11174664A
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JP
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plate
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image
metal atom
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JP34807797A
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Takao Nakayama
隆雄 中山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ現像液を必要とせず、画像部と非画像
部の識別性が高く、優れた画質の印刷画面を作りうるオ
フセット印刷方法を提供する。 【解決手段】表面が活性光の照射によって親水性に変化
する性質を有するTiO2 、RTiO3 (Rはアルカリ
土類金属原子)、AB2-x x 3-x x 10(Aは水
素原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金属原
子又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5A族
元素に属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属する
金属原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、Sn
2 ,Bi2 3 ,ZnO又はFe2 3 の薄層を有す
る印刷用原版上に親油性画像の付与と、印刷原版へ活性
光の一様の照射とを行い、画像領域がインクを受け入れ
た印刷面を形成させて印刷を行うことを特徴とする印刷
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般軽印刷分野、
とりわけオフセット印刷、特に簡易に印刷版を製作でき
る新規なオフセット印刷方法及び印刷版に関するもので
ある。さらにその具体的な態様である印刷用原版の反復
再生使用を可能にするオフセット印刷方法とその印刷用
原版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷法は、数多くの印刷方法
の中でも印刷版の製作工程が簡単であるために、とくに
一般的に用いられてきており、現在の主要な印刷手段と
なっている。この印刷技術は、油と水の不混和性に基づ
いており、画像領域には油性材料つまりインクが、非画
像領域には湿し水が選択的に保持される。したがって印
刷される面と直接あるいはブランケットと称する中間体
を介して間接的に接触させると画像部のインクが転写さ
れて印刷が行われる。
【0003】オフセット印刷の主な方法は、アルミニウ
ム基板を支持体としてその上にジアゾ感光層を塗設した
PS板である。PS板においては、アルミニウム基板を
支持体としてその表面を砂目立て、陽極酸化、その他の
諸工程を施してインク受容能と非画像部のインク反発性
を強め、耐刷力を向上させ、印刷面の精彩化を図るなど
を行い、その表面に印刷用画像を形成させる。したがっ
てオフセット印刷は、簡易性に加えて耐刷力や印刷面の
高精彩性などの特性も備わってきている。しかしなが
ら、印刷物の普及に伴って、オフセット印刷法の一層の
簡易化が要望され、数多くの簡易印刷方法が提案されて
いる。
【0004】その代表例がAgfa-Gevaert社から市販され
たCopyrapid オフセット印刷版をはじめ、米国特許35
11656号、特開平7−56351号などでも開示さ
れている銀塩拡散転写法による印刷版作製に基づく印刷
方法であって、この方法は、1工程で転写画像を作るこ
とができて、かつその画像が親油性であるために、その
まま印刷版とすることができるので、簡易な印刷方法と
して実用されている。しかしながら、簡易とはいいなが
らこの方法もアルカリ現像液による拡散転写現像工程を
必要としている。現像液による現像工程を必要としない
さらに簡易な印刷方法が要望されている。
【0005】画像露光を行ったのちのアルカリ現像液に
よる現像工程を省略した簡易印刷版の製作方法の開発は
上記の背景から行われてきた。現像工程を省略できるこ
とから無処理刷版とも呼ばれるこの簡易印刷版の技術分
野では、これまでに主として 像様露光による画像記録面上の照射部の熱破壊による
像形成、像様露光による照射部の親油性化(ヒートモ
ード硬化)による画像形成、同じく照射部の親油性化
であるが、光モード硬化によるもの、ジアゾ化合物の
光分解による表面性質の変化、画像部のヒートモード
溶融熱転写などの諸原理に基づく手段が提案されてい
る。
【0006】上記の簡易オフセット印刷方法として開示
されている技術には、米国特許第3,506,779
号、同第3,549,733号、同第3,574,65
7号、同第3,739,033号、同第3,832,9
48号、同第3,945,318号、同第3,962,
513号、同第3,964,389号、同第4,03
4,183号、同第4,081,572号、同第4,6
93,958号、同第731,317号、同第5,23
8,778号、同第5,353,705号、同第5,3
85,092号、同第5,395,729号等の米国特
許及び欧州特許第1068号などがある。
【0007】これらは、製版に際して現像液を必要とし
ないように考案されているが、親油性領域と親水性領域
との差異が不十分であること、したがって印刷画像の画
質が劣ること、解像力が劣り、先鋭度の優れた印刷画面
が得にくいこと、画像面の機械的強度が不十分で傷がつ
きやすいこと、そのために保護膜を設けるなどによって
却って簡易性が損なわれること、長時間の印刷に耐える
耐久性が不十分なことなどのいずれか一つ以上の欠点を
伴っていて、単にアルカリ現像工程を無くすだけでは実
用性は伴わないことを示している。印刷上必要とされる
諸特性を具備し、かつ簡易に印刷版を製作できる印刷版
作成方法への強い要望は、上記の数々の改良にも係わら
ず、いまだに十分に満たされていない。
【0008】上記した無処理型印刷版作成方法の一つに
ジルコニアセラミックが光照射によって親水性化するこ
とを利用した印刷版作製方法が特開平9−169098
号で開示されている。しかし、ジルコニアの光感度は不
十分であり、かつ疎水性から親水性への光変換効果が不
十分のため画像部と非画像部の識別性が不足している。
【0009】上記した現像液を必要としない簡易な印刷
方法とともに、使用済みの印刷用原版を簡単に再生して
再使用できる手段があれば、コストの低減と廃棄物の軽
減の2面から有利である。印刷用原版の再生使用には、
その再生操作の簡易性が実用価値を左右するが、再生操
作の簡易化は難度の高い課題であり、従来殆ど検討され
きておらず、わずかに上記の特開平9−169098号
でジルコニアセラミックという特殊な原版用材料につい
て開示されているに過ぎない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
している課題は、アルカリ性現像液を必要としない簡易
性と実用レベルの十分の画質を有するオフセット印刷方
法を提供することである。具体的には、アルカリ現像液
を必要とせず、画像部と非画像部の識別性が高く、優れ
た画質の印刷画面を簡単な操作で作りうるオフセット印
刷方法を提供することである。本発明の第2の目的は、
印刷原版を容易な操作で反復して使用できる印刷方法を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者たちは、上記の
目的を達成するために、鋭意検討の結果、ある種の金属
酸化物の表面は、光照射によって表面の親水性が変化
し、また、変化した親水性が熱処理によってもとに戻る
性質を有することを認め、前者を印刷に応用すること
に、後者を印刷版の再生に利用することによって上記の
課題を解決できる可能性を見いだし、これに基づいて本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の
通りである。
【0012】1.表面にTiO2 、RTiO3 (Rはア
ルカリ土類金属原子)、AB2-x x3-x x
10(Aは水素原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ
土類金属原子又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律
表の5A族元素に属する金属原子、Eは同じく4A族元
素に属する金属原子、xは0〜2の任意の数値を表
す)、SnO2 ,Bi2 3 ,ZnO及びFe2 3
少なくとも一つを主成分とする薄層を有する印刷用原版
に親油性画像を付与するとともに、活性光を用いて非画
像部の全面照射を行い、画像面を印刷用インクに接触さ
せて、画像領域がインクを受け入れた印刷面を形成さ
せ,該印刷面を印刷される面と接触させてインクを転写
することによって印刷を行うことを特徴とするオフセッ
ト印刷方法。
【0013】2.印刷に使用した印刷版面上に残存する
インクと、親油性画像物質も残存する場合にはその画像
物質とを洗浄除去し、次いで原版を80°C以上に加熱
して、その印刷用原版を用いて反復して印刷を行うこと
を特徴とする上記1に記載の印刷方法。
【0014】3.印刷版の表面に設けた薄層がTiO2
又はZnOのいずれかからなることを特徴とする上記1
又は2に記載のオフセット印刷方法。
【0015】4.TiO2 が主としてアナターゼ型の結
晶からなることを特徴とする上記1〜3に記載のオフセ
ット印刷方法。
【0016】5.オフセット印刷機の版胴の印刷面側の
表面に請求項1に記載の薄層を設けたことを特徴とする
上記1〜4に記載のオフセット印刷方法。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、上記した特定の金属酸化
物が活性光の照射を受けてその表面の親水性/親油性の
性質を変えるという特性を有することと、熱によってそ
の変化した表面の性質がもとの性質に戻ることとを発見
したこと、及びそれらの現象のうち前者をオフセット印
刷用の印刷版の作製に、後者を使用済みの印刷版の再生
に応用する技術を開発したことを特徴点としている。
【0018】酸化チタンや酸化亜鉛が感光性を有するこ
とはよく知られており、とくに酸化亜鉛では、帯電ある
いは電圧印加状態で光照射を行って静電画像を得ること
ができ、これが静電写真分野でエレクトロファックスと
して実用された。しかしながら、活性光の照射によって
表面の親水性/親油性の性質が変化するという特性は上
記の光電的電荷生成とは関連なくあらたに見いだした現
象であって、酸化チタン及び酸化亜鉛の感光性を電子写
真分野への利用が研究された当時には気づかなかった現
象である。まして、この表面の性質変化をオフセット印
刷法に応用するという着想は、新しい技術思想である。
本発明者は、上記の現象が、酸化チタンと酸化亜鉛の薄
層だけでなく、さらに上記した他の特定構造の金属酸化
物薄層でも起こることを見いだして、これらの金属酸化
物薄層も本発明の方法を実施するための印刷版材料に用
いうることを見いだした。
【0019】以下の説明では、本発明に使用する上記し
た酸化チタン、酸化亜鉛、特定構造の金属酸化物などを
まとめて「光触媒型金属酸化物」と呼ぶ。その詳細を述
べる前に、蛇足ながら、本明細書で用いている用語につ
いて触れておくと、活性光とは、光触媒型金属酸化物が
吸収すると励起されて、その表面を親水性に変化させる
光を指しており、その光源や波長などの詳細は後述す
る。また、「像様露光」は、受光面照度が画像状に分布
するように変調された画像を版面上に形成するための露
光である。以下の説明では「薄膜」と「薄層」を同義に
用いている。
【0020】本発明に使用する光触媒型金属酸化物につ
いて説明する。まず、酸化チタンと酸化亜鉛から説明す
る。いずれも本発明の感光性を有する印刷版材料として
利用できるが、特に酸化チタンが感度(つまり表面性の
光変化特性)などの点で好ましい。酸化チタンは、イル
メナイトやチタンスラグの硫酸加熱焼成、あるいは加熱
塩素化後酸素酸化など既知の任意の方法で作られたもの
を使用できる。あるいは後述するように金属チタンを用
いて印刷版製作段階で真空蒸着によって酸化物皮膜とす
る方法も用いることができる。
【0021】酸化チタン(又は酸化亜鉛)を含有する層
を原版の表面に設けるには、たとえば、酸化チタン微
結晶(又は酸化亜鉛微結晶)の分散物を印刷版の原版上
に塗設する方法、塗設したのち焼成してバインダーを
減量或いは除去する方法、印刷版の原版上に酸化チタ
ン(又は酸化亜鉛)を蒸着する方法、例えばチタニウ
ムブトキシドのようなチタン有機化合物を原版上に塗布
したのち、焼成酸化を施して金属チタン層とする方法な
ど、既知の任意の方法を用いることができる。本発明に
おいては、真空蒸着による酸化チタン層が特に好まし
い。
【0022】上記又はの酸化チタン微結晶を塗設す
る方法には、具体的には無定形酸化チタン微結晶分散物
を塗布したのち、焼成してアナターゼまたはルチル型の
結晶酸化チタン層とする方法、酸化チタンと酸化シリコ
ンの混合分散物を塗布して表面層を形成させる方法、酸
化チタンとオルガノポリシロキサンまたはそのモノマ−
との混合物を塗布する方法などがある。また、酸化物層
の中に酸化物と共存するできるポリマーバインダーに分
散して塗布することもできる。酸化物微粒子のバインダ
−には、酸化チタン微粒子に対して分散性を有するポリ
マーを広く用いることができる。好ましいバインダーポ
リマーの例としては、ポリエチレンなどのポリアルキレ
ンポリマー、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
蟻酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリ
ビニルアルコール、ポリスチレンなどの疎水性バインダ
ーが好ましく、それらの樹脂を混合して使用してもよ
い。
【0023】上記の酸化チタンの真空蒸着を行うに
は、通常真空蒸着装置内の蒸着用加熱の熱源に金属チタ
ンを置き、真空度exp(−5〜−8)Torrで全ガ
ス圧exp(−2〜−5)、酸素文圧比が30〜90%
になるようにしながら、チタン金属を蒸発させると、蒸
着面には酸化チタンの蒸着薄膜が形成される。
【0024】一方、本発明に酸化亜鉛層を使用する場
合、その酸化亜鉛層は既知の任意の方法で作ることがで
きる。とくに金属亜鉛板の表面を電解酸化して酸化皮膜
を形成させる方法と、真空蒸着によって酸化亜鉛皮膜を
形成させる方法が好ましい。酸化亜鉛の蒸着膜は、上記
の酸化チタンの蒸着と同様に金属亜鉛を酸素ガス存在下
で蒸着して酸化膜を形成させる方法や、酸素のない状態
で亜鉛金属膜を形成させたのち、空気中で温度を約70
0°Cにあげて酸化させる方法を用いることができる。
【0025】蒸着膜の厚みは、酸化チタン層、酸化亜鉛
層いずれの場合も1〜100000オングストロ−ムが
よく、好ましくは10〜10000オングストロ−ムで
ある。さらに好ましくは3000オングストロ−ム以下
として光干渉の歪みを防ぐのがよい。また、光活性化作
用を十分に発現させるには厚みが50オングストローム
以上あることが好都合である。
【0026】酸化チタンはいずれの結晶形のものも使用
できるが、とくにアナターゼ型のものが感度が高く好ま
しい。アナターゼ型の結晶は、酸化チタンを焼成して得
る過程の焼成条件を選ぶことによって得られることはよ
く知られている。その場合に無定形の酸化チタンやルチ
ル型酸化チタンが共存してもよいが、アナターゼ型結晶
が40%以上、好ましくは60%以上含むものが上記の
理由から好ましい。酸化チタンあるいは酸化亜鉛を主成
分とする層における酸化チタンあるいは酸化亜鉛の体積
率は、それぞれ30〜100%であり、好ましくは50
%以上を酸化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸
化物の連続層つまり実質的に100%であるのがよい。
しかしながら、表面の親水性/親油性変化特性は、酸化
亜鉛を電子写真感光層に用いるときのような著しい純度
による影響はないので、100%に近い純度のもの(例
えば98%)をさらに高純度化する必要はない。それ
は、本発明においては導電性とは関係ない膜表面の親水
性/親油性の性質変化であって離散的な性質であること
からも理解できることである。
【0027】しかしながら、光照射によって表面の親水
性が変化する性質を増進させるためにある種の金属をド
ーピングすることは有効な場合があり、この目的にはイ
オン化傾向が小さい金属のドーピングが適しており、P
t,Pd,Au,Ag,Cu,Ni,Fe,COをドー
ピングするのが好ましい。また、これらの好ましい金属
を複数ドーピングしてもよい。ドーピングを行った場合
も、その注入量は酸化亜鉛や酸化チタン中の金属成分に
対して5モル%以下である。
【0028】一方、体積率が低いと層の表面の親水性/
親油性の特性変化の敏感度が低下する。したがって、層
中の酸化物の体積率は、30%以上であることが望まし
い。
【0029】つぎに、RTiO3 の一般式で示したチタ
ン酸金属塩について説明する。一般式RTiO3 におい
て、Rはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
バリウム、ベリリウムなどの周期律表のアルカリ土類元
素に属する金属原子であり、とくにストロンチウムとバ
リウムが好ましい。また、2種以上のアルカリ土類金属
原子をその合計が上記の式に化学量論的に整合する限り
共存することができる。
【0030】一般式AB2-x x 3-x x 10で表さ
れる化合物において、Aは水素原子及びナトリウム、カ
リウム、ルビジューム、セシウム、リチウムなどのアル
カリ金属原子から選ばれる1価原子で、その合計が上記
の式に化学量論的に整合する限りそれらの2種以上を共
存してもよい。Bは、上記のRと同義のアルカリ土類金
属原子又は鉛原子であり、上記同様に化学量論的に整合
する限り2種以上の原子が共存してもよい。Cは希土類
原子であり、好ましくは、スカンジウム及びイットリウ
ム並びにランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジ
ウム、ホルミウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テル
ビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムなどの
ランタノイド系元素に属する原子であり、また、その合
計が上記の式に化学量論的に整合する限りそれらの2種
以上を共存してもよい。Dは周期律表の5A族元素から
選ばれた一種以上で、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、
ビスマスが挙げられる。また、化学量論関係を満たす限
り、2種以上の5A族元素の金属原子が共存してもよ
い。Eは同じくシリコン、ゲルマニウム、錫、鉛などの
4A族元素に属する金属原子であり、また、2種以上の
4A族の金属原子が共存してもよい。xは0〜2の任意
の数値を表す。
【0031】本発明に使用する上記の光触媒型金属酸化
物を原版の表面に設けるには、たとえば、上記酸化物
微粒子の分散物を印刷版の原版上に塗設する方法、塗
設したのち焼成してバインダーを減量或いは除去する方
法、印刷版の原版上に上記酸化物を各種の真空薄膜法
で膜形成する方法、例えば金属元素のアルコレートの
ような有機化合物を原版上に塗布したのち、加水分解さ
せ、さらに焼成酸化を施して適当な厚みの金属薄膜とす
る方法、上記金属を含む塩酸塩、硝酸塩などの水溶液
を加熱スプレーする方法など、既知の任意の方法を用い
ることができる。本発明においては、真空蒸着による酸
化チタン層が特に好ましい。
【0032】上記又はのチタン酸バリウム微粒子を
塗設する方法には、チタン酸バリウムとシリコンの混合
分散物を塗布して表面層を形成させる方法、チタン酸バ
リウムとオルガノポリシロキサンまたはそのモノマ−と
の混合物を塗布する方法などがある。また、酸化物層の
中に酸化物と共存するできるポリマーバインダーに分散
して塗布することもできる。酸化物微粒子のバインダ−
には、チタン酸バリウム微粒子に対して分散性を有する
ポリマーを広く用いることができる。好ましいバインダ
ーポリマーの例としては、ポリエチレンなどのポリアル
キレンポリマー、ポリブタジエン、ポリアクリル酸エス
テル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポ
リ蟻酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリビニルアルコール、部分鹸化ポ
リビニルアルコール、ポリスチレンなどの疎水性バイン
ダーが好ましく、それらの樹脂を混合して使用してもよ
い。この方法の場合にはチタン酸バリウム以外にチタン
酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロ
ンチウム又はそれらの分子間化合物、混合物も同様に薄
膜形成可能である。
【0033】同様にして、の塗設方法でCsLa2
NbTi2 10微粒子を塗設することも可能である。C
sLa2 NbTi2 10微粒子は、その化学量論に対応
するCs2 CO3,La2 3,NbO5,TiO2 を乳鉢で
微粉砕して、白金るつぼに入れ、130°C で5時間焼
成し、それを冷却してから乳鉢に入れて数ミクロン以下
の微粒子に粉砕する。このCsLa2 NbTi2 10
粒子を前記のチタン酸バリウムと同様にバインダーの中
に分散し、塗布して薄膜を形成した。この方法は、Cs
La2 NbTi2 10型微粒子に限らず、HCa1.5
0.5 Nb2.5Ti0.5 10,HLa2 NbTi2 10
など前述のAB2-x x 3-x x 10、(0≦x≦
2)に適用される。
【0034】上記の真空薄膜形成法を用いた光触媒型
金属酸化物層の形成方法としては、一般的にはスパッタ
リング法あるいは真空薄膜形成法が用いられる。スパッ
タリング法では、あらかじめ単体もしくは2元の酸化物
ターゲットを準備する。例えば、チタン酸バリウムター
ゲットを用いて蒸着膜用の支持体の温度を450°C以
上に保ち、アルゴン/酸素混合雰囲気中でRFスパッタ
リングを行うことによりチタン酸バリウム決勝薄膜が得
られる。結晶性の制御には必要に応じてポストアニーリ
ングを300〜900°Cで行えばよい。本方法は前述
のRTiO3 (Rはアルカリ土類金属原子)をはじめ他
の前記光触媒型金属酸化物にも、結晶制御に最適な基板
温度を調整すれば同様の考え方で薄膜形成が可能であ
る。例えば酸化錫薄膜を設ける場合には基板温度120
°C、アルゴン/酸素混合雰囲気中でRFスパッタリン
グを行うことによりチタン酸バリウム結晶薄膜が得比5
0/50、RFパワー200Wで本目的に沿う薄膜が得
られる。
【0035】上記の金属アルコレートを用いる方法
も、バインダーを使用しないで目的の薄膜形成が可能な
方法である。チタン酸バリウムの薄膜を形成するにはバ
リウムエトキシドとチタニウムブトキシドの混合アルコ
ール溶液を表面にSiO2 を有するシリコン基板上に塗
布し、その表面を加水分解したのち、200°C以上に
加熱してチタン酸バリウムの薄膜を形成することが可能
である。本方式は前述した他のRTiO3 (Rはアルカ
リ土類金属原子)、AB2-x x 3-x x 10(A,
B,C,D,Eはそれぞれ前記の定義の内容を表す)、
SnO2 ,Bi23 及びFe2 3 の薄膜形成に適用
することができる。
【0036】上記の光触媒性機能を発現する金属酸化
物薄膜を形成する方法も、バインダーを含まない系の薄
膜の形成が可能である。SnO2 の薄膜を形成するには
SnCl4 の塩酸水溶液を200°C以上に加熱した石
英又は結晶性ガラス表面に吹きつけて薄膜を生成するこ
とができる。本方式は、SnO2 薄膜のほか,前述した
RTiO3 (Rはアルカリ土類金属原子)、AB2-x
x 3-x x 10(A,B,C,D,Eはそれぞれ前記
の定義の内容を表す)、Bi2 3 及びFe23 のい
ずれの薄膜形成にも適用することができる。
【0037】金属酸化物薄膜の厚みは、上記のいずれの
場合も1〜100000オングストロ−ムがよく、好ま
しくは10〜10000オングストロ−ムである。さら
に好ましくは3000オングストロ−ム以下として光干
渉の歪みを防ぐのがよい。また、光活性化作用を十分に
発現させるには厚みが50オングストローム以上あるこ
とが好都合である。
【0038】バインダーを使用した場合の上記光触媒型
金属酸化物の薄層において、金属酸化物の体積率は50
〜100%であり、好ましくは90%以上を酸化物が占
めるのがよく、さらに好ましくは酸化物の連続層つまり
実質的に100%であるのがよい。
【0039】本発明に係わる印刷版は、いろいろの形態
と材料を用いることができる。例えば、印刷機の版胴の
表面に光触媒型金属酸化物の薄層を蒸着、浸漬あるいは
塗布するなど上記した方法で直接酸化物層を設ける方
法、金属板の表面に金属酸化物層を設けてそれを版胴に
巻き付けて印刷版とする方法を用いることができ、ま
た、その金属板としては、アルミニウム板、ステンレス
鋼、ニッケル、銅板が好ましく、また可撓性(フレキシ
ブル)な金属板を用いることが出来る。また、ポリエス
テル類やセルローズエステルなどのフレキシブルなプラ
スチック支持体も用いることが出来る。防水加工紙、ポ
リエチレン積層紙、含浸紙などの支持体上に酸化物層を
設けてもよく、それを印刷版として使用してもよい。
【0040】本発明において、光触媒型金属酸化物の層
を支持体上に設ける場合、使用される支持体としては、
寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチッ
ク(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アル
ミニウム、亜鉛、銅、ステンレス等)、プラスチックフ
ィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪
酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上
記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、
もしくはプラスチックフィルム等が含まれる。
【0041】好ましい支持体は、ポリエステルフィル
ム、アルミニウム、又は印刷版上で腐食しにくいSUS
板であり、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価で
あるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウ
ム板は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分
とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニ
ウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィ
ルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素に
は、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロ
ム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合
金中の異元素の含有量は高々10重量%以下である。本
発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウ
ムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製
造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでも
よい。このように本発明に適用されるアルミニウム板
は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知
公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することがで
きる。本発明で用いられる支持体の厚みはおよそ0.1
mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、
特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0042】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号に開示さ
れているように両者を組み合わせた方法も利用すること
ができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必
要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理され
た後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるため
に陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形
成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、
塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられ
る。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜
決められる。
【0043】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10
秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量
は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、
平板印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に
傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ
易くなる。
【0044】以上で本発明の印刷方法に使用する印刷版
材料の構成材料とそれを用いる印刷版の構成について説
明したので、次に本発明の印刷版の製作方法について述
べる。本発明においては、以上のTiO2 、RTi
3 、AB2-x x 3-x x 10、SnO2 、ZnO
2 、Bi2 3 及びFe2 3 の少なくとも一つを単独
あるいは2種以上を組み合わせからなる薄層を感光層と
して印刷用原版表面に設ける。光触媒型金属酸化物の表
面層を有する印刷原版は、本来親油性であるが、光の照
射を受けた部分は、親水性となり、インクを受け付けな
くなる。したがって親油性の画像部を印刷原版上に形成
させておき、非画像部を一様の光照射で親水性にしてオ
フセット印刷用インクに接触させ、非画像領域が湿し水
を保持し、画像領域がインクを受け入れた印刷面を形成
させ、該印刷面を印刷される面と接触させてインクを転
写することによって印刷を行うことが本発明の印刷方法
であり、簡易な画像形成方法と組み合わせて極めて簡易
に印刷を行うことができる。また、親水性化した金属酸
化物表面に画像が記録されるのであれば金属酸化物表面
を全面露光照射してから画像を形成させてもよい。
【0045】光触媒型金属酸化物の表面層への画像記録
は、静電写真法などの静電記録法、熱融解性インクジェ
ット描画法、色素熱転写法、油性絵の具や油性ペイント
による直接描画そのほか公知の任意の油性画像記録手段
が用いられる。したがって適用できる画像記録手段の選
択範囲が極めて広範囲であることが特徴である。画像記
録を行った光触媒型金属酸化物の表面層には、前記した
光源による活性光の均一照射が行われ、非画像部が親水
性となり、画像部とインク受容性、インク反発性の差が
生じるので、非画像部に湿し水、画像部にインクを供給
してオフセット印刷が行われる。
【0046】別の印刷版作製手順としては、画像材料と
親水性化した金属酸化物表面との接着性に支障がなけれ
ば、光触媒型金属酸化物の表面層への活性光の均一照射
を先に行ってから、画像形成を行ってもよい。また、画
像形成と活性光の均一照射を行ったのち、画像を油性溶
剤で洗浄除去してから印刷を行ってもよい。この方法に
よって、画像物質がインク受容性が不十分な場合や、金
属表面層との接着性が弱い場合でも本発明の方法を適用
できる。
【0047】本発明の基本となっている「光の照射によ
る親油性と親水性の間の変化」はきわめて顕著である。
画像部と非画像部の親水性と親油性の差が大きいほど識
別効果が顕著であり、印刷面が鮮明となり、同時に耐刷
性も大きくなる。親水性あるいは親油性の尺度は、水滴
に対する接触角によって表すことができる。親水性が大
きいほど水滴は広がりをみせて接触角が小さくなり、逆
に水滴を反発する(はっ水性つまり親油性)場合は接触
角が大きくなる。つまり、本発明の金属酸化物表面層を
有する原版は、本来水に対して高い接触角を有している
が、活性光の照射を受けるとその接触角が急激に低下
し、親油性のインクをはじく性質に変化するので、版面
上に付与された画像がインク保持部となり、非画像部が
水保持部となって紙などの受像シートと接触することに
よってその被印刷面にインクが転写される。
【0048】上記の金属酸化物が光触媒反応によってそ
の表面が親水性化する現象は、特開平9−70541
号、同9−77535号などで公知であるが、活性光に
よるこの表面の性質変化を新たな方式のオフセット印刷
に応用するという着想は、新しい技術思想である。
【0049】本発明において光触媒型金属酸化物を主成
分とする薄層を励起させる活性光は、酸化物の感光域の
光である。酸化チタンは、アナターゼ型が387nm以
下,ルチル型が413nm以下、酸化亜鉛は387nm
以下、またその他の上記金属酸化物も250〜390n
mの紫外部に感光域を有するので、水銀灯、タングステ
ンハロゲンランプ、その他のメタルハライドランプ、キ
セノン灯などを用いることが出来る。また、ビーム走査
光であっても、走査するビームの間隔が十分に狭い
(蜜)であれば、均一照射と実質的に同じ効果が得られ
るので、レーザービーム光をもちいることもできる。励
起光としては、発振波長を325nmに有するヘリウム
カドミウムレーザーや発振波長を351.1〜363.
8nmに有する水冷アルゴンレーザーも用いることがで
きる。さらに、330〜440nmに有する硫化亜鉛/
カドミウムレーザーも適用でき、また窒化ガリウムレー
ザー系では、発振波長を360〜440nmに有するIn
GaN系量子井戸半導体レーザー、及び360〜430n
mに発振波長を有する導波路 MgO-LiNbO3 反転ドメイン
波長変換デバイス型のレーザーも適用できる。酸化亜鉛
の場合は、既知の方法で分光増感を行ってもよいが、そ
の場合も上記の光源を使用でき、さらに分光増感域に分
光分布を有する上記以外の例えばタングステンランプを
使用することもできる。
【0050】好ましい照射光の強さは、光触媒型金属酸
化物の画像形成層の性質によって異なり、また活性光の
波長や分光分布によっても異なるが、通常は印刷用画像
で変調する前の面露光強度が0.05〜100joul
e/cm2 ,好ましくは0.05〜10joule/c
2 ,より好ましくは0.05〜5joule/cm 2
である。また、光照射には相反則がほぼ成立しており、
例えば10mW/cm2 で100秒の露光を行っても、
1W/cm2 で1秒の露光を行っても、同じ効果が得ら
れるので活性光を発光する限り光源の選択には制約はな
い。この照射光量は、レーザーによるスキャニング方式
あるいはな発散型光源を用いる面露光方式でもとくに支
障がないレベルの光量である。
【0051】上記の感光性は、性質及び機構共に従来開
示されているジルコニアセラミック(特開平9−169
098)の感光性とは異なるものである。たとえば、感
度については、ジルコニアセラミックに対しては7W/
μm2 のレーザー光と記されており、レーザー光のパル
ス持続時間を100ナノ秒として70joule /cm2
あって酸化チタン層の感度より約1桁低い。機構的に
も、十分解明されてはいないが、親油性有機付着物の光
剥離反応と考えられており、ジルコニアの光変化機構と
は異なっている。
【0052】金属酸化物の表面層へ親油性の画像を付与
したのち、印刷原版は現像処理することなく、そのまま
オフセット印刷工程に送ることができる。従って通常の
公知の平版印刷法に比較して簡易性を中心に多くの利点
を有する。すなわち上記したようにアルカリ現像液によ
る化学処理が不要であり、それに伴うワイピング、ブラ
ッシングの操作も不要であり、さらに現像廃液の排出に
よる環境負荷も伴わない。また、画像形成手段の選択範
囲が広く、上記したような簡易な画像記録手段から容易
に印刷を行うことも利点である。
【0053】以上のようにして得られた平版印刷版の非
画像部は十分に親水性化しているが、所望により、水洗
水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや
澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の
画像記録材料を印刷用版材として使用する場合の後処理
としては、これらの処理を種々組み合わせて用いること
ができる。その方法としては、該整面液を浸み込ませた
スポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整
面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方
法や、自動コーターによる塗布などが適用される。ま
た、塗布した後でスキージー、あるいは、スキージーロ
ーラーで、その塗布量を均一にすることは、より好まし
い結果を与える。整面液の塗布量は一般に0.03〜
0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。この様な処理に
よって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけ
られ、多数枚の印刷に用いられる。
【0054】次に印刷を終えた印刷版の再生工程につい
て記す。印刷終了後の印刷版は疎水性の石油系溶剤を用
いて付着しているインク及び画像物質も残存している場
合には画像物質もを洗い落とす。溶剤としては市販の印
刷用インキ溶解液として芳香族炭化水素、例えばケロシ
ン、アイソパ−などがあり、そのほかベンゾール、トル
オール、キシロール、アセトン、メチルエチルケトン及
びそれらの混合溶剤を用いてもよい。画像物質が溶解し
ない場合には、布などを用いて軽く拭き取る。また、ト
ルエン/ダイクリーンの1/1混合溶媒を用いるとよい
こともある。
【0055】インクと画像物質が有る場合は画像物質と
を洗浄除去した印刷版につぎに熱処理を施すことによっ
て版面全体にわたって均一に親油性となり、かつ均一の
親油性化への光照射感度が回復する。熱処理は、80°
C以上、好ましくは100°C以上で光触媒型金属酸化
物の焼成温度以下で行われるが、高温ほど親油性化時間
は短い。金属酸化物の種類によって多少の相違はある
が、より好ましくは150°Cで10分以上又は200
°Cで1分以上あるいは250°Cで10秒以上の程度
の熱処理が好ましい。熱処理時間を延長しても支障はな
いが、表面の新油性が回復したのちは時間を延長しても
さらなる利点は生まれない。
【0056】再生に用いる熱源は、上記した温度と時間
の条件を満たすものであれば任意の手段を利用できる。
加熱手段の例をあげると、直接赤外線照射による放射加
熱、印刷版表面に黒色カーボン紙などの熱線吸収シート
を接触させた間接赤外線照射、温度設定した空気恒温槽
への挿入、ホットプレートその他の熱板との接触加熱、
加熱ローラーとのコンタクトなどが挙げられる。このよ
うにして使用済みの印刷版から再生された印刷用原版
は、活性光への暴露を避けて貯蔵され、次の印刷に備え
る。
【0057】本発明に係わる印刷原版の反復再生可能回
数は、完全に把握できていないが、少なくとも15回以
上であり、おそらく反面の除去不能な汚れ、修復が実際
的でない刷面の傷や、版材の機械的な変形(ひずみ)な
どによって制約されるものと思われる。
【0058】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されない。 実施例1 厚み100ミクロンのポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムを真空蒸着装置内で全圧1.5x10-4
Torrで酸素ガス分圧70%の条件下でチタン金属片を加
熱して二酸化チタン薄膜を蒸着形成した。この薄膜の結
晶成分はX線解析法によって無定型/アナターゼ/ルチ
ル結晶構造の比が1.5/6.5/2であり、TiO2薄膜
の厚さは900オングストロームであった。サイズは5
10×400mmにカットしてサンプルとした。このPE
Tフィルムを記録用紙の代わりに静電写真装置にセット
して静電記録法によってトナー画像を形成させた。この
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにウシ
オ電気社製USIO焼き付け用光源装置ユニレックURM−
600形式GH−60201Xを用いて、光強度9mW/c
m2のもとで2分間露光を行った。協和界面科学株式会社
製CONTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて空中水滴法で表面
の接触角を測定したところ露光部6度(照射前は79
度)を得た。
【0059】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷もみとめられなか
った。
【0060】実施例2 上記の印刷に使用した版の表面を印刷用インキ洗浄液ダ
イクリーンR(発売元:大日本インキ工業(株)とトル
エンの1/1混合溶媒に浸漬すると約15秒で画像とイ
ンキが溶解して流れ去った。丁寧に洗浄してインキを除
去したのち、これを150度のオ−ブン中に10分間加
熱した後、室温まで冷えた状態で前と同様の方法で接触
角を測定した。版表面のどの箇所でも接触角は78〜8
0度の範囲に入っており、まったくなにも実行していな
い初期の状態に回復していた。この状態で一回目と同じ
静電写真装置にセットして静電記録法によって一回目と
は異なるトナー画像を転写形成させた。つぎに画像つき
ポリエステルフィルムに前と同じ光源(ウシオ電気社製
焼き付け用光源装置)を使い、同じ光強度(9mw/cm2
2分間露出を行った。1回目同様、空中水滴方法で表面
の接触角を測定したところ露光部6度、非露光部82度
を得た。
【0061】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなかっ
た。以上の繰り返しを15回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。
【0062】実施例3 厚さ100μのステンレス板上に、真空蒸着装置内で全
圧1.5x10-4Torrで酸素ガス分圧70%の条件下で
チタン金属片を加熱して二酸化チタン薄膜を蒸着形成し
た。この薄膜の結晶成分はX線解析法によって無定型/
アナターゼ/ルチル結晶構造の比が1.5/6.5/2
であり、TiO2薄膜の厚さは900オングストロームであ
った。サイズは510×400mmにカットしてサンプル
とした。
【0063】Ta-SiO2 発熱抵抗体上にサイアロン耐磨耗
保護層を設けた150μmx150μmのサーマルヘッ
ドを250μm間隔に並べた感熱プリンターを用いて、
チタン酸バリウム表面層と接触させて昇温印字を行っ
た。使用したサーマルヘッドは、20msec通電によ
って450°Cに達することを別途温度測定を行って確
認した。記録速度は、400msec/mで行った。ま
た、使用した熱溶融性インクは、顔料20重量%、カル
ナウバワックス20重量%、エステルワックス40重量
%、アマニ油10重量%、結着樹脂など10%からなる
融点62°Cの市販のものを用いた。
【0064】これにウシオ電気社製USIO焼き付け用光源
装置ユニレックURM−600形式GH−60201X
を用いて、光強度9mW/cm2のもとで2分間露光を行っ
た。協和界面科学株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-D
を用いて空中水滴法で表面の接触角を測定したところ、
非画像部9度を得た。
【0065】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷もみとめられなか
った。
【0066】実施例4 上記実施例3に使用した版の表面を印刷用インキ洗浄液
ダイクリーンR(発売元;大日本インキ化学工業社)と
トルエンの1/1混合液をウエスにしみ込ませて丁寧に
洗浄してインキと画像物質を除去した。これを150度
のオ−ブン中に10分間加熱した後、室温まで冷えた状
態で前と同様の方法で接触角を測定した。版表面のどの
箇所でも接触角は78〜80度の範囲に入っており、ま
ったくなにも実行していない初期の状態に回復してい
た。この状態でさらに一回目と異なる画像を熱転写焼き
付けを行い、前と同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け用
光源装置)を使い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露出
を行った。1回目同様、空中水滴方法で表面の接触角を
測定したところ、非画像部9度を得た。
【0067】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなかっ
た。以上の繰り返しを10回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。
【0068】実施例5 99.5重量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、
チタンを0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を
0.1重量%含有するJISA1050アルミニウム材
の厚み0.30mm圧延板を、400メッシュのパミスト
ン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナイ
ロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面
を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15重量
%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5重量%
含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2になる
ようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1重
量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アル
ミニウム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.5
ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧
(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実
施例に記載されている電流波形)を用いて160クロー
ン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水
洗後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に
浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるようにエ
ッチングした後、水洗した。次に、50℃、30重量%
の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗し
た。
【0069】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密
度13A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により陽極
酸化皮膜重量2.7g/m2とした。この支持体を水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間
浸漬処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られた
アルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計
で測定した反射濃度は0.30で、中心線平均粗さは
0.58μmであった。次いでこのアルミニウム支持体
を真空蒸着装置内に入れて、全圧1.5x10 -4Torrに
なるように分圧70%の酸素ガスの条件下でチタン金属
片を電熱加熱して、アルミニウム支持体上に蒸着して酸
化チタン薄膜を形成した。この薄膜の結晶成分はX線解
析法によって無定型/アナターゼ/ルチル結晶構造の比
が1.5/6.5/2であり、TiO2薄膜の厚さは900
オングストロームであった。サイズは510×400mm
にカットしてサンプルとした。この表面に着色剤として
銅フタロシアニン系の無機顔料20重量%、ビヒクルと
してアマニ油30重量%、溶剤としてトルエン38重量
%、ポリエチレンワックス10重量%、マンガンドライ
ヤー2重量%からなる油性インクを用いてイラストレー
ション図案の描画を行った。これにウシオ電気社製USIO
焼き付け用光源装置ユニレックURM−600形式GH
−60201Xを用いて、光強度9mW/cm2のもとで2分
間露光を行った。協和界面科学株式会社製CONTACT-ANGL
E METER CA-Dを用いて空中水滴法で表面の接触角を測定
したところ、非画像部8度を得た。
【0070】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製New ChampionFグロス85墨を用いて1
000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で非画像部に汚れのない鮮明な印刷物が得られ、印刷版
の損傷もみとめられなかった。
【0071】実施例6 上記実施例5に使用した版の表面を印刷用インキ洗浄液
ダイクリーンR(発売元;大日本インキ化学工業社)と
トルエンの1/1混合液をウエスにしみ込ませて丁寧に
洗浄してインキを除去した。これを180度のオ−ブン
中に2分間加熱した後、室温まで冷えた状態で前と同様
の方法で接触角を測定した。版表面のどの箇所でも接触
角は78〜80度の範囲に入っており、まったくなにも
実行していない初期の状態に回復していた。この状態で
さらに一回目と異なるイラストレーション用画像の描画
を行って、前と同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け用光
源装置)を使い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露出を
行った。1回目同様、空中水滴方法で表面の接触角を測
定したところ非画像部8度を得た。
【0072】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて1
000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなか
った。以上の繰り返しを5回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。この結果から、酸化チタン
感光層をアルミニウム支持体上に設けた印刷原版を使用
した場合も、簡易な印刷が可能でしかも印刷原版を反復
再生使用できることが示された。
【0073】実施例7 真空蒸着装置中に100ミクロン厚みのSUS板をセッ
トして全圧5x10-3Torrの真空下でセレン化亜鉛を1
000オングストロームの厚みに蒸着した。これを空気
中600°Cで2時間酸化処理してSUS板の片面に酸
化亜鉛の薄膜を形成させた。
【0074】この酸化亜鉛皮膜付き100ミクロンSU
S板をサイズは510×400mmにカットしてサンプル
とした。このシートをインクジェットプリンターに装着
して表面に油性インク画像を記録した。油性インクは、
酢酸ビニル/メタクリル酸エステル系共重合樹脂10重
量部をアイソパーH30重量部に分散したラテックス分
散物50g,ドデシルメタクリレート/アクリル酸(9
5/5重量比)共重合体10g,アルカリブルー10
g,シェルゾール71、30gの分散物、テトラデシル
アルコール10g,オクタセン/マレイン酸オクタデシ
ルアルコール共重合体0.16gをアイソパーG1リッ
トルに希釈した油性インクを用いた。これにウシオ電気
社製USIO焼き付け用光源装置ユニレックURM−600
形式GH−60201Xを用いて、光強度9mW/cm2のも
とで20分間露光を行った。協和界面科学株式会社製CO
NTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて空中水滴法で表面の接
触角を測定したところ露光部17度、非露光部68度を
得た。
【0075】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製New Champion Fグロス85墨を用いて
500枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で非画像部に汚れのない鮮明な印刷物が得られ、印刷版
の損傷も認められなかった。
【0076】実施例8 上記実施例5に使用した版の表面を印刷用インキ洗浄液
ダイクリーンR(発売元;大日本インキ化学工業社)と
トルエンの1/1混合液をウエスにしみ込ませて丁寧に
洗浄してインキを除去した。これを160度のオ−ブン
中に15分間加熱した後、室温まで冷えた状態で前と同
様の方法で接触角を測定した。版表面のどの箇所でも接
触角は51〜53度の範囲に入っており、印刷版として
使用する前の状態に回復していた。この状態で上記のイ
ンクジェットプリンターと油性インクを使用して一回目
と異なる画像を版面上に記録したのち、前と同じ光源
(ウシオ電気社製焼き付け用光源装置)を使い、同じ光
強度(9mw/cm2で2分間露出を行った。1回目同様、空
中水滴方法で表面の接触角を測定したところ露光部15
度、非露光部68度を得た。
【0077】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて1
000枚オフセット印刷を行った。スタートから終了ま
で鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなか
った。この結果から、酸化亜鉛感光層も、インク受容部
と湿し水保持部との区別が保たれて作業工程を簡易化で
き、しかも印刷原版を熱処理によって再生使用できるこ
とが示された。
【0078】実施例9 100ミクロン厚みのSUS板の表面を研磨剤(フジミ
コーポレーション、FO#4000)を水と混合しなが
ら研磨した。粗面粗さは三次元表面粗さ計(小坂研究所
製三次元表面粗さ測定装置モデルSE−F1,DU−R
J2U,解析装置モデルSPA−11)で測定したとこ
ろ、平均5ミクロンであった。これを水洗、乾燥して支
持体とした。このSUS支持体をチタニウムブトキシド
(Merck社製)の10%メタノール溶液に浸漬して
引き上げたのち、自然乾燥した。その後、このSUS板
を600°Cの電気炉で2時間処理した。表面は150
0オングストロ−ムの厚みの酸化チタン(アナターゼ
型)が生成されていることをX線解析法によって確認し
た。
【0079】Ta-SiO2 発熱抵抗体上にサイアロン耐磨耗
保護層を設けた150μmx150μmのサーマルヘッ
ドを250μm間隔に並べた感熱プリンターを用いて、
酸化チタン表面層と接触させて昇温印字を行った。使用
したサーマルヘッドは、20msec通電によって45
0°Cに達することを別途温度測定を行って確認した。
記録速度は、400msec/mで行った。また、使用
した熱溶融性インクは、顔料20重量%、カルナウバワ
ックス20重量%、エステルワックス40重量%、アマ
ニ油10重量%、結着樹脂など10%からなる融点62
°Cの市販のものを用いた。
【0080】これにウシオ電気社製USIO焼き付け用光源
装置ユニレックURM−600形式GH−60201X
を用いて、光強度9mW/cm2のもとで2分間露光を行っ
た。協和界面科学株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-D
を用いて空中水滴法で表面の接触角を測定したところ、
非画像部9度を得た。
【0081】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷もみとめられなか
った。
【0082】実施例10 上記実施例3に使用した版の表面を印刷用インキ洗浄液
ダイクリーンR(発売元;大日本インキ化学工業社)と
トルエンの1/1混合液をウエスにしみ込ませて丁寧に
洗浄してインキと画像物質を除去した。これを150度
のオ−ブン中に10分間加熱した後、室温まで冷えた状
態で前と同様の方法で接触角を測定した。版表面のどの
箇所でも接触角は78〜80度の範囲に入っており、ま
ったくなにも実行していない初期の状態に回復してい
た。この状態でさらに一回目と異なる画像を熱転写焼き
付けを行い、前と同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け用
光源装置)を使い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露出
を行った。1回目同様、空中水滴方法で表面の接触角を
測定したところ、非画像部9度を得た。
【0083】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなかっ
た。以上の繰り返しを10回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。
【0084】実施例11 厚み100ミクロンのポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムを真空蒸着装置内で全圧1.5x10-4
Torrで酸素ガス分圧70%の条件下でチタン金属片を加
熱して酸化チタン薄膜を蒸着形成した。この薄膜の結晶
成分はX線解析法によって無定型/アナターゼ/ルチル
結晶構造の比が1.5/6.5/2であり、TiO2薄膜の
厚さは900オングストロームであった。サイズは51
0×400mmにカットしてサンプルとした。このPET
フィルムを記録用紙の代わりに熱転写装置にセットし
た。
【0085】Ta-SiO2 発熱抵抗体上にサイアロン耐磨耗
保護層を設けた150μmx150μmのサーマルヘッ
ドを250μm間隔に並べた感熱プリンターを用いて、
酸化チタン表面層と接触させて昇温印字を行った。使用
したサーマルヘッドは、20msec通電によって45
0°Cに達することを別途温度測定を行って確認した。
記録速度は、400msec/mで行った。また、使用
した熱溶融性インクは、顔料20重量%、カルナウバワ
ックス20重量%、エステルワックス40重量%、アマ
ニ油10重量%、結着樹脂など10%からなる融点62
°Cの市販のものを用いた。
【0086】これにウシオ電気社製USIO焼き付け用光源
装置ユニレックURM−600形式GH−60201X
を用いて、光強度9mW/cm2のもとで2分間露光を行っ
た。協和界面科学株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-D
を用いて空中水滴法で表面の接触角を測定したところ、
非画像部9度を得た。
【0087】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷もみとめられなか
った。
【0088】実施例12 上記実施例3に使用した版の表面を印刷用インキ洗浄液
ダイクリーンR(発売元;大日本インキ化学工業社)と
トルエンの1/1混合液をウエスにしみ込ませて丁寧に
洗浄してインキと画像物質を除去した。これを150度
のオ−ブン中に10分間加熱した後、室温まで冷えた状
態で前と同様の方法で接触角を測定した。版表面のどの
箇所でも接触角は78〜80度の範囲に入っており、ま
ったくなにも実行していない初期の状態に回復してい
た。この状態でさらに一回目と異なる画像を熱転写焼き
付けを行い、前と同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け用
光源装置)を使い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露出
を行った。1回目同様、空中水滴方法で表面の接触角を
測定したところ、非画像部9度を得た。
【0089】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて3
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなかっ
た。以上の繰り返しを10回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。
【0090】実施例13 実施例1と同様にして陽極酸化処理したアルミニウム支
持体をCsLa2 NbTi2 10の化学量論比に相当す
るセシウムエトキシド、チタンブトキシド、ァンタンイ
ソブトキシド、ニオブエトキシドを含む20%のエタノ
ール溶液に浸漬して表面を加水分解したのち200°C
以上に加熱してアルミニウム支持体表面にCsLa2
bTi2 10の厚み1000オングストロームの薄膜を
形成させた。
【0091】この複合金属酸化物薄膜付きアルミニウム
支持体をサイズは510×400mmにカットしてサンプ
ルとした。これを記録用紙の代わりに静電写真装置にセ
ットして静電記録法によってトナー画像を形成させた。
ウシオ電気社製USIO焼き付け用光源装置ユニレックUR
M−600形式GH−60201Xを用いて、光強度9
mW/cm2のもとで2分間露光を行った。協和界面科学株式
会社製CONTACT-ANGLEMETER CA-Dを用いて空中水滴法で
表面の接触角を測定したところ露光部6度(照射前は6
6度)を得た。
【0092】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷もみとめられなか
った。
【0093】実施例14 上記の印刷に使用した版の表面をトルエン/ダイクリー
ンR(1/1)混合溶媒に浸漬すると約15秒で画像と
インキが溶解して流れ去った。丁寧に洗浄してインキを
除去したのち、これを150度のオ−ブン中に10分間
加熱した後、室温まで冷えた状態で前と同様の方法で接
触角を測定した。版表面のどの箇所でも接触角は74〜
76度の範囲に入っており、印刷版として使用する前の
状態に回復していた。この状態で一回目と同じ静電写真
装置にセットして静電記録法によって一回目とは異なる
トナー画像を転写形成させた。つぎに画像つきポリエス
テルフィルムに前と同じ光源(ウシオ電気社製焼き付け
用光源装置)を使い、同じ光強度(9mw/cm2で2分間露
出を行った。1回目同様、空中水滴方法で表面の接触角
を測定したところ露光部6度(露光前は66度)を得
た。
【0094】この版を、サクライ社製オリバー52片面
印刷機にセットし、湿し水を純水、インキを大日本イン
キ化学工業社製Newchampion Fグロス85墨を用いて5
00枚オフセット印刷を行った。スタートから終了まで
鮮明な印刷物が得られ、印刷版の損傷も認められなかっ
た。以上の繰り返しを15回実施したところ、版の光感
度、接触角および加熱による接触角の回復スピードなど
の変化は認められなかった。
【0095】実施例15 99.5重量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、
チタンを0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を
0.1重量%含有するJIS A1050アルミニウム
材の厚み0.30mm圧延板を、400メッシュのパミス
トン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナ
イロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表
面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。これを15重
量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5重量
%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2にな
るようにエッチングした後、流水で水洗した。更に、1
重量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(ア
ルミニウム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.
5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電
圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報
実施例に記載されている電流波形)を用いて160クロ
ーン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。
水洗後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中
に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2になるように
エッチングした後、水洗した。次に、50℃、30重量
%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗し
た。
【0096】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。即ち電流密
度13A/dm2で電解を行い、電解時間の調節により陽極
酸化皮膜重量2.7g/m2とした。この支持体を水洗後、
70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間
浸漬処理し、水洗乾燥した。以上のようにして得られた
アルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計
で測定した反射濃度は0.30で、中心線平均粗さは
0.58μmであった。
【0097】次いでこのアルミニウム支持体をスパッタ
リング装置内にセットし、5.0x10-7Torrまで真空
排気する。支持体を500°Cに加熱し、Ar/O2
60/40(モル比)となるようにガス圧を5x10-3
Torrに調製した。6インチφのチタン酸バリウムの焼結
ターゲットにRFパワー200Wを投入して膜圧100
0Åのチタン酸バリウム薄膜を形成した。X線解析法に
よれば、この薄膜は多結晶体であった。サイズを510
×400mmにカットしてサンプルとした。このチタン酸
バリウム薄膜付きアルミニウム支持体を使用する以外
は、実施例13及び14と同様に静電写真装置画像を記
録して印刷を行い、使用した印刷版の洗浄を行って再使
用を行い、印刷及び再使用が可能なことが判った。ウシ
オ電気社製USIO焼き付け用光源装置ユニレックURM−
600形式GH−60201Xを用いて、光強度9mW/c
m2のもとで2分間露光を行ったときの協和界面科学株式
会社製CONTACT-ANGLE METER CA-Dによる空中水滴法で表
面の接触角は、露光部7度(照射前は55度)であっ
た。また、再使用のさい、150度のオ−ブン中に10
分間加熱した後、室温まで冷えた状態での接触角は、版
表面のどの箇所でも53〜56度の範囲に入っており、
印刷版として使用する前の状態に回復していた。
【0098】実験例1 酸化チタン層を有する実施例1の試料を用いて露光前後
の接触角の変化及び露光により接触角が低下した試料に
熱処理を加えたときの接触角の増加速度を協和界面科学
株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて空中水滴
法によって求めた測定値を表1に示す。この表から、露
光によって極めて顕著な疎水性から親水性への変化が起
こること及びそれが130°Cでも2時間程度、200
°Cでは数分でもとの疎水性表面に戻ることが示され
る。
【0099】
【表1】
【0100】実験例2 チタン酸バリウム層を有する実施例15の試料を用いて
露光前後の接触角の変化及び露光により接触角が低下し
た試料に熱処理を加えたときの接触角の増加速度を協和
界面科学株式会社製CONTACT-ANGLE METER CA-Dを用いて
空中水滴法によって求めた測定値を表2に示す。この表
から、露光によって極めて顕著な疎水性から親水性への
変化が起こること及びそれが130°Cでも2時間程
度、200°Cでは数分でもとの疎水性表面に戻ること
が示される。
【0101】
【表2】
【0102】
【発明の効果】酸化チタン、酸化亜鉛、その他前記した
特定構造を有する金属酸化物を主成分とする薄層を表面
に有する本発明の印刷原板上に親油性画像を形成指せた
のち、活性光による像様露光を行うのみで画像部がイン
クを受容する印刷画面が形成され、現像液を不要で、か
つ印刷面の鮮明性が保たれたオフセット印刷が可能とな
り、かつ使用した印刷原版を熱処理によって再生し、反
復使用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にTiO2 、RTiO3 (Rはアル
    カリ土類金属原子)、AB2-x x 3-x x 10(A
    は水素原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金
    属原子又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5
    A族元素に属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属
    する金属原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、Sn
    2 ,Bi2 3 ,ZnO及びFe2 3 の少なくとも
    一つを主成分とする薄層を有する印刷用原版に親油性画
    像を付与するとともに、活性光を用いて非画像部の全面
    照射を行い、画像面を印刷用インクに接触させて、画像
    領域がインクを受け入れた印刷面を形成させ,該印刷面
    を印刷される面と接触させてインクを転写することによ
    って印刷を行うことを特徴とするオフセット印刷方法。
  2. 【請求項2】 印刷に使用した印刷版面上に残存するイ
    ンクと、親油性画像物質も残存する場合にはその画像物
    質とを洗浄除去し、次いで原版を80°C以上に加熱し
    て、その印刷用原版を用いて反復して印刷を行うことを
    特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  3. 【請求項3】 印刷版の表面に設けた薄層がTiO2
    はZnOのいずれかからなることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のオフセット印刷方法。
  4. 【請求項4】 TiO2 が主としてアナターゼ型の結晶
    からなることを特徴とする請求項1〜3に記載のオフセ
    ット印刷方法。
  5. 【請求項5】 オフセット印刷機の版胴の印刷面側の表
    面に請求項1に記載の薄層を設けたことを特徴とする請
    求項1〜4に記載のオフセット印刷方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6833225B2 (en) 2001-03-01 2004-12-21 Fuji Photo Film Co., Ltd. Lithographic printing method and lithographic printing apparatus thereof
US6851364B1 (en) 1999-02-05 2005-02-08 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Printing plate material and production and regenerating methods thereof
US7032514B2 (en) 2000-06-26 2006-04-25 Fuji Photo Film Co., Ltd. Planographic printing method, original printing plate and printing press
JP2006162754A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体およびその製造方法

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