JP2002243921A - 光拡散フイルムの製造方法および光拡散フイルム - Google Patents

光拡散フイルムの製造方法および光拡散フイルム

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JP2002243921A
JP2002243921A JP2001040304A JP2001040304A JP2002243921A JP 2002243921 A JP2002243921 A JP 2002243921A JP 2001040304 A JP2001040304 A JP 2001040304A JP 2001040304 A JP2001040304 A JP 2001040304A JP 2002243921 A JP2002243921 A JP 2002243921A
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transparent beads
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English (en)
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Keisuke Koseki
圭介 小関
Kenichi Nakagawa
謙一 中川
Hideo Nagano
英男 永野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過効率の良い、濃度ムラのない、視野角特
性・コントラスト特性の良い光拡散フイルムの製造方法
を提供する。 【解決手段】 透明基材10の一方の表面に下塗り透明
層12を塗布形成し、この下塗り透明層12の上に透明
ビーズ14を密に配置し、全体を高温加熱した後、常温
まで冷却して前記透明ビーズ14の一部を前記下塗り透
明層12内に埋設し、次に光吸収層用塗液20を前記透
明ビーズ14同士の間隙に透明ビーズ14の頭出し状態
で塗布形成する。また、光吸収層用塗液20としてが界
面活性剤を含有しないか又は殆ど含有しない塗液を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背面投射型表示装
置の透過型スクリーンや液晶表示装置に用いられる視野
角の広いかつコントラスト特性の良い光拡散フイルムの
製造方法に関するもので、特に、透明基材と、該透明基
材の一方の表面に設けられた下塗り透明層と、該下塗り
透明層内に一部が埋設され多数の密に配置された透明ビ
ーズと、該透明ビーズ同士の間隙に塗布形成された光吸
収層と、から成る光拡散フイルムの製造方法およびその
光拡散フイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は液晶表示装置の階調や色度の視野
角特性を格段に向上させる手段として公知の発明の例を
概念的に示すものである。液晶表示装置1は、液晶パネ
ル2と、略直進するようにコリメートされた平行光線束
を液晶パネル2に入射するバックライト部4と、液晶パ
ネル2を通過した画像を担持する光を拡散する光拡散フ
イルム6とを有している。液晶パネル2としては、TN
モードを初め種々のモードの液晶ディスプレイが用いら
れる。バックライト部4は、画像の観察に十分な光量の
直進平行光線束を射出可能なものであれば、各種の光源
装置がすべて利用可能である。光拡散フイルム6は、光
学的な屈折力を有し、かつ、表示装置1の観察者が視認
することができない微細な球形等の構造を有し、かつ、
この構造側から入射するコリメート光が主に通過する領
域(通過領域)に比して、それ以外の領域(非通過領
域)の方が、相対的に低い光透過性を有し、かつ、非通
過領域が光吸収性を有するブラックマスクとなってい
る。
【0003】図3に、前記光拡散フィルム6の公知例の
概念図を示す。図3に示される光拡散フィルム6は、光
透過性の支持シート10に、光透過性の微小球体透明ビ
ーズ(以下、「透明ビーズ」と言う。)14を光吸収性
を有するバインダ20によって固定してなる。また、透
明ビーズ14は、一部が支持シート10に接触してい
る。従って、図3に一点鎖線で示されるように、液晶パ
ネル2を通過した、画像を担持するコリメート光は、透
明ビーズ14によって屈折されて、透明ビーズ14と支
持シート10との接触部を通過して拡散される。しか
も、バインダ20は、光吸収性を有するので、透明ビー
ズ14と支持シート10との接触部以外はブラックマス
クとなり、観察者側からの外光が光拡散フィルム6によ
って反射、散乱されることがなく、これによるコントラ
ストの低下もない。そのため、広い視野角に渡って良好
なコントラスト比を得られる液晶表示装置1が実現でき
る。
【0004】図4は、図3の光拡散フイルムについての
公知の製造方法を示している。図4において、 まず、透明基材10を準備する(図4(a))。 この上にバインダとしての光吸収層20を形成す
る。(図4(b))。 この光吸収層20の上に多数の透明ビーズ14を密
に分散配置する(図4(c))。 各透明ビーズ14を光吸収層20に向けて押圧し
て、各透明ビーズ14を光吸収層20内に埋め込み、透
明基材10に当接させる(図4(d))。 このようにして得られた光拡散フイルム6を先の液晶表
示装置1に用いると、光拡散フイルム6に平行に入射し
たコリメート光が透明ビーズ14によって各方向に散乱
されるのでどの角度から見ても暗くならずに一様に明る
く見える効果があり、また、光吸収層20の介在により
コントラストが上がるので、明室でもハッキリと画像を
認識することができる。ところが、透明ビーズ14が図
4(d)のように透明基材10に当接した状態であって
も、実際は図4(e)の拡大図で示すように、透明ビー
ズ14の出射部分側は角度θ1を残して他は光吸収層2
0で覆われるので、入射光量を多く取り出すことができ
なかった。
【0005】そこで、図4の製造方法を改良するものと
して、特開平9−318801号公報に図5に示すよう
な製造方法が示されている。図5に示すよう製造方法は
次の通りである。 まず、透明基材10を準備する(図5(a))。 この上にバインダとしての下塗り透明層12を形成
し、さらにこの下塗り透明層12上に光吸収層20を形
成する(図5(b))。 この光吸収層20上に透明ビーズ14を分散配置す
る(図5(c))。 透明ビーズ14の分散層を透明基材10に向けて押
圧し、下方からも透明基材10を押圧する(図5
(d))。 下塗り透明層12および光吸収層20を押圧するこ
とにより、透明ビーズ14を光吸収層20を貫通して下
塗り透明層12内に各々その一部を埋設させ、透明ビー
ズ14を固着する(図5(e))。
【0006】この製造方法によれば、透明ビーズ14が
多数個、下塗り透明層12に各々その一部を埋込ませ、
光吸収層20に囲まれ、しかもこれら透明ビーズ14は
その光入射側において光吸収層20から露出した構成と
されていることから、入射光は多数配列された密な透明
ビーズ14に効率良く入射され、入射した光束は透明ビ
ーズ14のレンズ作用によって一旦収束されて拡散され
るので、視野角が向上する。一方、光拡散フイルムへの
入射光のうち、透明ビーズ14に入射されなかった光、
すなわちこれら透明ビーズ14によるレンズ作用を受け
ることがなかった光は光吸収層20によってほとんど吸
収されて前方へと透過することが阻止される。また、光
拡散フイルム6の前方(すなわち、光出射側)から入射
する外光に関しても、その多くは光吸収層20によって
吸収されることからこれが迷光となって前方から観察さ
れることが効果的に回避され、コントラストが向上す
る。
【0007】ところが、これは図5(e)のようなすべ
ての透明ビーズ14の大きさが揃っている場合に言える
ことである。実際は図5(f)のように、透明ビーズ1
4の大きさが揃っていない場合がある。すなわち、標準
透明ビーズ14の他に、これより小さめの透明ビーズ1
42や大きい透明ビーズ143が混在していると、すべ
ての透明ビーズ14、142,143が透明基材10に
埋設されるとは限らず、径が小さめの透明ビーズ142
は透明基材10に接することさえできず、光吸収層20
の中に浮いた状態に留まることとなり、光吸収層20用
の着色液が透明ビーズ142の出射部分に図5(f)の
ように回りこんでしまい、結果的に入射光量を低減させ
てしまうことが頻繁に生じた。また、大きい透明ビーズ
143の場合は、押圧されたときに大きい透明ビーズ1
43だけ先に透明基材10に接して、これが集中的に押
圧力を受けるので破損し(図で点線143で示す。)、
光抜けの面状欠陥が生じてしまう問題があった。
【0008】そこで、さらに、これを改善した発明が特
開平11−102025号公報に見られる。特開平11
−102025号公報に見られる発明は、下塗り透明層
12の溶融粘度をn12とし、および光吸収層20の溶
融粘度をn20としたとき、n12 >n20の関係、す
なわち、下塗り透明層12の溶融粘度n12 を光吸収
層20の溶融粘度n20 よりも高くして、入射光の透
過効率を高めたものである。このようにすることによ
り、透明ビーズ14を熱プレスで埋設させる時に光吸収
層20の変形が下塗り透明層12よりも先に生じること
で、透明ビーズ14の光出射部分が下塗り透明層12に
露出し易くなり、入射光量の透過効率を上げているので
ある。しかし、この場合もプレス時の圧力が低圧で不均
一だと、依然として光の出射部分の面積が不十分の状態
で埋設したり、あるいは、埋設していない透明ビーズが
存在する問題があった。特に透明ビーズのサイズが大き
く分布している場合、この傾向は大きく、透過効率向上
にはまだ不充分であった。また、熱プレス時の圧力が高
いと、依然、透明ビーズ14が破損し、光抜けの面状欠
陥が生じてしまう問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
は上記課題を解決するもので、透明ビーズ14のサイズ
が大きく分布していても、光の出射部分の不均一性を軽
減し、透過効率・視野角特性・コントラストを上げる光
拡散フイルムの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の光拡散フイルムの製造方法の発明
は、透明基材と、該透明基材の一方の表面に設けられた
下塗り透明層と、該下塗り透明層内に一部が埋設され多
数の密に配置された微小球体透明ビーズ(以後、「透明
ビーズ」という。)と、該透明ビーズ同士の間隙に塗布
形成された光吸収層と、から成る光拡散フイルムの製造
方法において、まず、前記透明基材の一方の表面に下塗
り透明層を塗布形成し、該下塗り透明層の上に前記透明
ビーズを密に配置し、全体を高温加熱した後、常温まで
冷却して前記透明ビーズの一部を前記下塗り透明層内に
埋設し、次に光吸収層用塗液を前記透明ビーズ同士の間
隙に前記透明ビーズの頭出し状態で塗布形成したことを
特徴とする。請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
拡散フイルムの製造方法において、前記光吸収層用塗液
が界面活性剤を含有しないか又は殆ど含有しない塗液で
あることを特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項
1又は2記載の光拡散フイルムの製造方法において、前
記透明ビーズを配置する前に、前記透明ビーズの表面を
疎水処理することを特徴とする。請求項4記載の発明
は、請求項1〜3のいずれか1項記載の光拡散フイルム
の製造方法において、前記透明ビーズを配置した後、該
透明ビーズの上の全面に伝熱性可撓性物質をのせて、全
体を高温加熱することにより、熱を均一に前記透明ビー
ズに伝えることを特徴とする。請求項5記載の発明は、
請求項4載の光拡散フイルムの製造方法において、前記
伝熱性可撓性物質の上から加圧することにより、前記伝
熱性可撓性物質と前記透明ビーズとの密着性を向上させ
ることを特徴とする。請求項6記載の発明は、請求項4
又は5項記載の光拡散フイルムの製造方法において、前
記伝熱性可撓性物質がシリコンゴムであることを特徴と
する。以上のような構成により、透明ビーズの下塗り透
明層側に光吸収層用塗液が回り込むことが起きないので
光出射部分の不均一性を軽減することができ、明るく視
野角の大きな光拡散フイルムが得られる。
【0011】請求項7記載の光拡散フイルムの発明は、
透明基材と、該透明基材の一方の表面に塗布形成された
下塗り透明層と、該下塗り透明層の上に密に配置された
透明ビーズと、該透明ビーズと透明ビーズの間を埋める
光吸収層と、から成る光拡散フイルムにおいて、前記光
吸収層が界面活性剤を含有しないか殆ど含有しない程度
の疎水性であることを特徴とする。請求項8記載の光拡
散フイルムの発明は、請求項7記載の光拡散フイルムに
おいて、前記透明ビーズの表面が疎水処理されたもので
あることを特徴とする。以上のような構成の光拡散フイ
ルムを用いると、光出射部分の不均一性が軽減されてい
るので、明るいかつコントラストのよい背面投射型表示
装置の透過型スクリーンや液晶表示装置が得られること
となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図を用いて説明する。図1は光拡散フイルムの本発
明による製造方法を示している。図1において、 まず、透明基材10を準備する(図1(a))。 この上に下塗り透明層12を形成する(図1
(b))。 この下塗り透明層12の上に透明ビーズ14を密に
分散配置する。この場合、透明ビーズ14の大きさは同
じでなくてもよい。むしろ、大きさが不揃いの方が密に
配置されるので望ましい(図1(c))。 この透明ビーズ14の層の上の全面にシリコーン1
6を載置するとなお良い。それはシリコーン16が可撓
性物質であるので、撓むことにより大きさが不揃いの透
明ビーズ14のそれぞれに接することとなるからである
(図1(d))。したがって、この状態でシリコーン1
6を加熱することにより、それぞれの透明ビーズ14に
熱が伝わり、さらに下塗り透明層12を加熱して下塗り
透明層12を昇温軟化させて熱プレスで透明ビーズ14
の一部を下塗り透明層12に各々埋設させる。また、必
要に応じて、シリコーン16の上に適量の分銅18を載
置して、シリコーン16を若干加圧してもよい。ここで
は、シリコーン16を用いているがシリコーンに限るも
のではなく、伝熱性可撓性物質であれば何でもよい。 その後、シリコーン16を除去して下塗り透明層1
2を降温させることによって下塗り透明層12を固化し
て透明ビーズ14を下塗り透明層12に固着させる(図
1(e))。 次に、光吸収層用塗液を透明ビーズ14同士の間隙
に塗布して下塗り透明層12の上に光吸収層20を形成
する。(図1(f))。この場合、透明ビーズ14の入
射側部分は光吸収層20から大きく露出(頭出し)させ
ておく。
【0013】本発明の製造方法によると、透明ビーズ1
4を下塗り透明層12に確実に埋設させた後に光吸収層
20を塗布するので、たとえ透明ビーズの埋設が不均一
であったとしても熱処理だけによる簡便な方法で光が射
出するには充分の深さに透明ビーズを埋設させることが
でき、また、透明ビーズ14の埋設の不均一性を軽減さ
せるために、さらに、クッション材16(例えばシリコ
ンゴム)を透明ビーズ14の上に、かつ、凹凸に準ずる
ように設けることにより、均一に熱を透明ビーズ14に
伝えることができる。このようにして、本発明の第1の
実施の形態により、透過効率や視野角特性をさげる問題
と透明ビーズどうしの隙間の光吸収層の厚み変動による
濃度ムラの問題を回避することができる。
【0014】また、透明基材10の材料には特に限定は
なく、十分な光透過性を有し。かつ、用途に応じた十分
な機械的強度を有するものであれば、各種の材料が利用
可能である。具体的には、各種のガラス、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフ
タレート(PEN)、ポリスチレン、ポリエステルアミ
ド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル
酸エステルなどの各種の樹脂材料が好適に例示される。
なお、光拡散フィルム6は、剛性を有する板状であって
も、可撓性を有するシート状あるいはフィルム状であっ
てもよいので、要求される機械的強度や用途によって、
透明基材10の材料や厚さ等を選択してもよい。また、
液晶表示装置1の観察性をより良好にするために、透明
基材10の観察面(透明ビーズ14と逆面)には、AR
コート等の公知の反射防止処理を施すのが好ましい。透
明ビーズ14は、光透過性で、かつ観察者が視認できな
いサイズの(略)球体で、一部を透明基材10に接触し
た状態で、下塗り透明層12によって透明基材10に固
定される。透明ビーズ14を用いる光拡散フィルム6
は、透明ビーズ14側を液晶パネル2に向けて配置、保
持される。
【0015】また、透明ビーズ14の材料には特に限定
はなく、透明であれば各種の材料が利用可能であり、例
えば、前述の透明基材10の材料が各種例示され、特
に、光学特性が良好である等の点で、(メタ)アクリル
系の樹脂やガラスが好適に利用される。
【0016】また、透明ビーズ14のサイズにも等に限
定はなく、液晶表示装置1の用途等に応じて、平均粒子
径で5μm〜100μmであるのが好ましい。
【0017】バインダとしての下塗り透明層12には特
に限定はなく、透明ビーズ14を透明基材10に固定で
きるものであれば、各種の接着剤が可能であり、例え
ば、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ブチラール樹
脂、シリコン樹脂、ポリエステル、フッ化ビニリデン樹
脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン、スチレン−
アクリル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、塩化ポリエチレン、ロジン誘導体、および
これらの混合物が好適に例示される。なお、本態様にお
いては、下塗り透明層12が透明ビーズ14を透明基材
10に対して全面的に均一に固定できると共に、透明ビ
ーズ14が下塗り透明層12に埋没しないように、好ま
しくは透明ビーズ14が半分以上下塗り透明層12から
露出するように、バインダの量を調整する必要がある。
【0018】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。本発明の第2の実施の形態による製造方法の
工夫は、透明ビーズ14と光吸収層用塗液20の濡れ性
を調整することにある。本出願人の研究でわかったこと
は、光吸収層用塗液14より頭出している透明ビーズ1
4の表面を光吸収層用塗液が覆ってしまうことがしばし
が起きることに気が付いた。そして、その原因を究明し
た結果、塗料には元々ハジキなどの面状欠陥対策として
界面活性剤が含まれているが、今のケースで、本来頭出
している透明ビーズ14の表面を界面活性剤の働きで光
吸収層用塗液20が覆ってしまうためと判明した。そこ
で、本発明の第2の実施の形態では、塗液中に必ず入っ
ている界面活性剤を光吸収層用の塗液からは故意になく
してしまうことにある。また、透明ビーズ14の面も親
水的より疎水的である方が望ましい。
【0019】表1は以上のような結論を得た本発明の実
施例と比較例の実験結果を示すものである。
【0020】
【表1】
【0021】表1において、実施例1は、PET(透明
基材)の一方の表面に、水溶性ナイロン層(東レ(株)
製P−70:下塗り透明層)を、乾燥後の厚みが7μm
になるようにワイヤーバーにて塗布形成し、次に、この
下塗り透明層の上にガラス製透明ビーズ(平均粒径30
μm)を密に配置し、120°Cで9分間保持した後、
常温まで冷却することにより、透明ビーズを埋設した。
次に、界面活性剤の含まれない光吸収層(カーボンブラ
ックが分散したアクリル系塗液)を乾燥後の厚み(透明
ビーズの容積を考慮。下塗り透明層表面から光吸収層表
面までの厚み)が8μmになるように塗布形成した。
【0022】実施例2は、実施例1と原則同じである
が、相違点は透明ビーズを下塗り透明層の上に配置する
前に、ガラス製透明ビーズをF系シランカップリング液
中に1時間浸漬して表面を疎水処理した点が異なる。
【0023】実施例3は、実施例1と原則同じである
が、相違点は透明ビーズを下塗り透明層の上に配置する
前に、ガラス製透明ビーズを10%の水酸化ナトリウム
液中に1時間浸漬して、表面を親水処理した点が異な
る。
【0024】実施例4は、ガラス製透明ビーズを埋設す
る際、透明ビーズの上にシリコーンゴムをのせ、熱を均
一に透明ビーズに伝える点が実施例1と異なる。
【0025】比較例1は、界面活性剤が光吸収層用塗液
(カーボンブラックが分散したアクリル系塗液)に0.
09重量%含まれていることが実施例1と異なる。
【0026】比較例2は、界面活性剤が光吸収層用塗液
(カーボンブラックが分散したアクリル系塗液)に0.
09重量%含まれていることが実施例2と異なる。
【0027】比較例3は、界面活性剤が光吸収層用塗液
(カーボンブラックが分散したアクリル系塗液)に0.
09重量%含まれていることが実施例3と異なる。
【0028】比較例4は、実施例1と作製手順が異な
る。光吸収層を形成させた後、ガラス製透明ビーズを光
吸収層上に密に配置し、熱処理にて埋設させた。すなわ
ち、図5に示す従来の製造方法において、本発明の第2
の実施の形態における界面活性剤の含まれない光吸収層
用塗液を用いたものである。
【0029】表1において、◎は優秀、○は良好、△は
まあまあ、×は不良をそれぞれ表した官能評価結果であ
る。透過効率は比較例4のビーズ形成側から光が入射し
た場合の全光線透過率を1としたときの相対値である。
(JISK7361−1に準じ、HR100:(株)村
上色彩技術研究所製ヘイズメーターにて測定)。実施例
1からわかることは、濃度ムラ(面状故障)、透過効
率、視野角特性が共に良好であることである。実施例2
からわかることは、透過効率、視野角特性も共に良好
で、さらに濃度ムラ(面状故障)が優秀であることであ
る。実施例3からわかることは、透過効率、視野角特性
も共に良好であるが、濃度ムラ(面状故障)が若干劣る
ことである。実施例4からわかることは、濃度ムラ(面
状故障)、視野角特性も共に良好であるが、透過効率が
優秀なことである。比較例1〜3からわかることは、透
過効率が若干劣り、さらに、濃度ムラ(面状故障)、視
野角特性が不良となることである。比較例4からわかる
ことは、透過効率が若干劣るものの、濃度ムラ(面状故
障)、視野角特性が良好となることである。
【0030】すなわち、これらを総合判断すると、界面
活性剤の含まれない光吸収層用塗液を用いたもの(実施
例1〜4、比較例4)はすべて視野角特性が良好であ
り、界面活性剤を含む光吸収層用塗液を用いたもの(比
較例1〜3)はすべて視野角特性が不良となることであ
る。たとえガラス製透明ビーズの表面を疎水処理したも
のを用いても(比較例2)、界面活性剤を含む光吸収層
用塗液を用いている以上その効果はないことがわかる。
もちろん、ガラス製透明ビーズの表面を親水処理したも
の(比較例3)はその効果がないことがわかる。一方、
界面活性剤の含まれない光吸収層用塗液を用いたもの
(実施例1〜3)の中で、さらに、ガラス製透明ビーズ
の表面を疎水処理したもの(実施例2)を用いると、濃
度ムラに長所が見られ、逆に、ガラス製透明ビーズの表
面を親水処理したもの(実施例3)を用いると濃度ムラ
に若干の欠点が出てくる。従来の製造方法に本発明の第
2の実施の形態における界面活性剤の含まれない光吸収
層用塗液を用いると、他の比較例1〜3と比べて視野角
特性が改善されるが、従来方法の欠点である光吸収層用
塗液の透明ビーズ出射部分への回りこみを依然として防
止することができず、結果的に透過効率を低減させてし
まった。したがって、本発明の第2の実施の形態は第1
の実施の形態の中で実施されるのが有効であることがわ
かる。また、実施例4からわかるように、本発明の第1
の実施の形態において、さらにガラス製透明ビーズを埋
設する際、透明ビーズの上にシリコーンゴムをのせて加
熱すると、透明ビーズの径の大小に関係なくシリコーン
ゴムの可撓性により熱を均一に各透明ビーズに伝えるの
で、各透明ビーズがそれぞれ下塗り透明層の中に埋設さ
れるため、透過効率が改善される。
【0031】
【発明の効果】このように、本発明によれば、透明基材
の一方の表面に下塗り透明層を塗布形成し、この下塗り
透明層の上に透明ビーズを密に配置し、全体を高温加熱
した後、常温まで冷却して前記透明ビーズの一部を前記
下塗り透明層内に埋設し、次に光吸収層用塗液を前記透
明ビーズ同士の間隙に塗布形成したので、光吸収層用塗
液が透明ビーズの出射部分へ回りこみむことが防止で
き、したがって、透過効率の良い光拡散フイルムを製造
することができる。また、その際に、光吸収層用塗液が
界面活性剤を含有しないか又は殆ど含有しない塗液を用
いることにより、濃度ムラのない、視野角特性、コント
ラスト特性の良い光拡散フイルムを製造することができ
る。さらに、透明ビーズの上にシリコーンゴムをのせて
加熱すると、透明ビーズの径の大小に関係なくシリコー
ンゴムの可撓性により熱を均一に各透明ビーズに伝える
ので、透過効率が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】光拡散フイルムの本発明による製造方法を示す
図である。
【図2】液晶表示装置の一例を概念的に示す図である。
【図3】図2の光拡散フィルム6の公知例の概念図であ
る。
【図4】図3の光拡散フイルムについての公知の製造方
法を示す図である。
【図5】光拡散フイルムについての公知の第2の製造方
法を示す図である。
【符号の説明】
10 透明基材 12 下塗り透明層 14 微小球体透明ビーズ 16 シリコーン 18 分銅 20 光吸収用塗液からなる光吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永野 英男 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H021 BA27 BA32 2H042 BA02 BA15 BA19 BA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材と、該透明基材の一方の表面に
    設けられた下塗り透明層と、該下塗り透明層内に一部が
    埋設され多数の密に配置された微小球体透明ビーズ(以
    後、「透明ビーズ」という。)と、該透明ビーズ同士の
    間隙に塗布形成された光吸収層と、から成る光拡散フイ
    ルムの製造方法において、 まず、前記透明基材の一方の表面に下塗り透明層を塗布
    形成し、該下塗り透明層の上に前記透明ビーズを密に配
    置し、全体を高温加熱した後、常温まで冷却して前記透
    明ビーズの一部を前記下塗り透明層内に埋設し、次に光
    吸収層用塗液を前記透明ビーズ同士の間隙に前記透明ビ
    ーズの頭出し状態で塗布形成したことを特徴とする光拡
    散フイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光拡散フイルムの製造方
    法において、 前記光吸収層用塗液が界面活性剤を含有しないか又は殆
    ど含有しない塗液であることを特徴とする光拡散フイル
    ムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光拡散フイルムの
    製造方法において、前記透明ビーズを配置する前に、前
    記透明ビーズの表面を疎水処理することを特徴とする光
    拡散フイルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の光拡
    散フイルムの製造方法において、前記透明ビーズを配置
    した後、該透明ビーズの上の全面に伝熱性可撓性物質を
    のせて、全体を高温加熱することにより、熱を均一に前
    記透明ビーズに伝えることを特徴とする光拡散フイルム
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4載の光拡散フイルムの製造方法
    において、前記伝熱性可撓性物質の上から加圧すること
    により、前記伝熱性可撓性物質と前記透明ビーズとの密
    着性を向上させることを特徴とする光拡散フイルムの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5項記載の光拡散フイルム
    の製造方法において、前記伝熱性可撓性物質がシリコー
    ンゴムであることを特徴とする光拡散フイルムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 透明基材と、該透明基材の一方の表面に
    塗布形成された下塗り透明層と、該下塗り透明層の上に
    密に配置された透明ビーズと、該透明ビーズと透明ビー
    ズの間を埋める光吸収層と、から成る光拡散フイルムに
    おいて、 前記光吸収層が界面活性剤を含有しないか又は殆ど含有
    しないものであることを特徴とする光拡散フイルム。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の光拡散フイルムにおい
    て、前記透明ビーズの表面が疎水処理されたものである
    ことを特徴とする光拡散フイルム。
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