JP6275936B2 - 光拡散フィルム、光拡散フィルム付偏光板、液晶表示装置および照明器具 - Google Patents
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Description
y≦0.011x (30≦x≦60) ・・・(1)
y≦0.0275x−0.99 (60<x) ・・・(2)
ここで、xは光拡散半値角(°)であり、yは後方散乱率(%)であり、式(1)および(2)は光拡散半値角の数値と後方散乱率の数値との関係を表す。
好ましい実施形態においては、上記屈折率変調領域は、上記第1の領域および上記第2の領域により形成された微細凹凸状でかつ球殻状の境界により構成されている。
本発明の別の実施形態による光拡散フィルムは、マトリクスと、該マトリクス中に分散された光拡散性微粒子とを有し、光拡散半値角が30°以上であり、厚みが4μm〜25μmであり、かつ、下記式(1)および(2)を満足する:
y≦0.011x (30≦x≦60) ・・・(1)
y≦0.0275x−0.99 (60<x) ・・・(2)
ここで、xは光拡散半値角(°)であり、yは後方散乱率(%)であり、式(1)および(2)は光拡散半値角の数値と後方散乱率の数値との関係を表す。
好ましい実施形態においては、上記光拡散フィルムは、面内輝度の標準偏差σが0.8以下である。
好ましい実施形態においては、上記光拡散フィルムは、上記マトリクスと上記光拡散性微粒子との界面またはその近傍に、屈折率が実質的に連続的に変化する屈折率変調領域が形成されている。
好ましい実施形態においては、上記マトリクスは樹脂成分および超微粒子成分を含み、上記屈折率変調領域は、上記マトリクス中の上記超微粒子成分の分散濃度の実質的な勾配により形成されている。
本発明の別の局面によれば、光拡散フィルム付偏光板が提供される。この光拡散フィルム付偏光板は、上記の光拡散フィルムと偏光子とを有する。
本発明のさらに別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。この液晶表示装置は、液晶セルと上記の光拡散フィルムとを備える。
本発明のさらに別の局面によれば、照明器具が提供される。この照明器具は、光源と上記の光拡散フィルムとを備える。
A−1.全体構成
本発明の光拡散フィルムは、第1の屈折率を有する第1の領域と第2の屈折率を有する第2の領域とを有する。本発明の光拡散フィルムは、第1の領域と第2の領域との屈折率差により、光拡散機能を発現する。本発明においては、第1の領域は、実質的に球殻状の屈折率変調領域によって包囲され、第2の領域は、屈折率変調領域の第1の領域と反対側に位置するよう構成されている。したがって、本発明の光拡散フィルムにおいては、外見的には、屈折率変調領域で包囲された第1の領域が、第2の領域に分散した状態となっている。屈折率変調領域においては、屈折率は実質的に連続的に変化する。本明細書において「屈折率が実質的に連続的に変化する」とは、屈折率変調領域において屈折率が実質的に連続的に変化すればよいことを意味する。したがって、例えば、第1の領域と屈折率変調領域との界面、および/または、屈折率変調領域と第2の領域との界面において所定の範囲内(例えば、屈折率差が0.05以下)の屈折率ギャップが存在しても、当該ギャップは許容され得る。
y≦0.011x (30≦x≦60) ・・・(1)
y≦0.0275x−0.99 (60<x) ・・・(2)
ここで、xは光拡散半値角(°)であり、yは後方散乱率(%)であり、式(1)および(2)は光拡散半値角の数値と後方散乱率の数値との関係を表す。すなわち、本発明においては、光拡散半値角と後方散乱率とが、図1Aにおける直線(1)および(2)の下部の領域に入るような関係を満足する。このような強拡散かつ低後方散乱で、しかも非常に薄い光拡散フィルムが実際に得られたことが、本発明の成果の1つである。光拡散半値角xと後方散乱率yとの関係は、好ましくは下記式(1a)および(2a)を満足する。式(1)、(1a)、(2)および(2a)は、光拡散半値角xに対する後方散乱率yの好ましい上限を規定する。
y≦0.011x−0.11 (30≦x≦60) ・・・(1a)
y≦0.0275x−1.10 (60<x) ・・・(2a)
一方、光拡散半値角xに対する後方散乱率yの好ましい下限は下記式(1b)および(2b)で規定され、さらに好ましい下限は下記式(1c)および(2c)で規定される。
y≧0.011x−0.56 (30≦x≦60) ・・・(1b)
y≧0.0275x−1.55 (60<x) ・・・(2b)
y≧0.011x−0.46 (30≦x≦60) ・・・(1c)
y≧0.0275x−1.45 (60<x) ・・・(2c)
さらに、上記のとおり、光拡散半値角は30°以上であり、好ましくは30°〜130°(片側15°〜65°)であり、表示装置の部材に用いる観点からは、より好ましくは40°〜90°(片側20°〜45°)である。光拡散半値角が30°以上となってはじめて、後方散乱率の低減および面内輝度の均一性(後述)の効果が発現し得る。例えば、光拡散半値角が5°程度であれば、後方散乱率は非常に小さくなる場合があるが、光拡散性はきわめて不十分となる場合が多い。後方散乱率は、上記式(1)および(2)を満足し得る任意の適切な値となり得る。後方散乱率は、好ましくは0.70%以下であり、好ましくは0.50%以下であり、より好ましくは0.30%以下である。後方散乱率の下限は、例えば0.02%である。さらに、強拡散かつ低後方散乱という従来両立できなかった特性を、上記式(1)および(2)により実現可能な関係で最適化することができたことが、本発明の別の成果である。例えば、光拡散半値角が35°で、後方散乱率が0.48%である場合、形式的には「強拡散かつ低後方散乱」と称され得るが、このような光拡散半値角および後方散乱率は、図1Aの領域から外れている。このような特性の光拡散素子を例えば液晶表示装置に用いると、明所での黒表示が白ぼける場合がある。言い換えれば、本発明によれば、光拡散半値角と後方散乱率とを図1Aで示すような関係で最適化することにより、単なる文言上および数字上の強拡散かつ低後方散乱ではなく、実装時に非常に優れた表示特性を示すことができる光拡散フィルムを得ることができる。
上記のとおり、マトリクス10は、好ましくは樹脂成分11および超微粒子成分12を含む。上記のように、ならびに、図1Bおよび図1Cに示すように、超微粒子成分12は、マトリクス10と光拡散性微粒子20との界面近傍に屈折率変調領域30を形成するようにして、樹脂成分11に分散している。
樹脂成分11は、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切な材料で構成される。好ましくは、上記のように、樹脂成分11は、光拡散性微粒子と同系の化合物であってかつ超微粒子成分とは異なる系の化合物で構成される。これにより、マトリクスと光拡散性微粒子との界面近傍(光拡散性微粒子の表面近傍)に屈折率変調領域を良好に形成することができる。さらに好ましくは、樹脂成分11は、光拡散性微粒子と同系の中でも相溶性の高い化合物で構成される。これにより、所望の屈折率勾配を有する屈折率変調領域を形成することができる。
|nP−nA|<|nP−nB|・・・(3)
式(3)中、nAはマトリクスの樹脂成分の屈折率を表し、nBはマトリクスの超微粒子成分の屈折率を表し、nPは光拡散性微粒子の屈折率を表す。さらに、樹脂成分は下記式(4)も満足し得る:
|nP−nA|<|nA−nB|・・・(4)
樹脂成分の屈折率は、好ましくは1.40〜1.60である。
超微粒子成分12は、上記のように、好ましくは上記樹脂成分および後述の光拡散性微粒子とは異なる系の化合物で構成され、より好ましくは無機化合物で構成される。好ましい無機化合物としては、例えば、金属酸化物、金属フッ化物が挙げられる。金属酸化物の具体例としては、酸化ジルコニウム(ジルコニア)(屈折率:2.19)、酸化アルミニウム(屈折率:1.56〜2.62)、酸化チタン(屈折率:2.49〜2.74)、酸化ケイ素(屈折率:1.25〜1.46)が挙げられる。金属フッ化物の具体例としては、フッ化マグネシウム(屈折率:1.37)、フッ化カルシウム(屈折率:1.40〜1.43)が挙げられる。これらの金属酸化物および金属フッ化物は、光の吸収が少ない上に、電離線硬化型樹脂や熱可塑性樹脂などの有機化合物では発現が難しい屈折率を有しているので、光拡散性微粒子との界面から離れるにつれて超微粒子成分の重量濃度が相対的に高くなることにより、屈折率を大きく変調させることができる。光拡散性微粒子とマトリクスとの屈折率差を大きくすることにより、薄膜であっても強拡散を実現でき、かつ、屈折率変調領域が形成されるので後方散乱防止の効果も大きい。特に好ましい無機化合物は、酸化ジルコニウムである。
光拡散性微粒子20もまた、上記屈折率変調領域が良好に形成される限りにおいて、任意の適切な材料で構成される。好ましくは、上記のように、光拡散性微粒子20は、上記マトリクスの樹脂成分と同系の化合物で構成される。例えば、マトリクスの樹脂成分を構成する電離線硬化型樹脂がアクリレート系樹脂である場合には、光拡散性微粒子もまたアクリレート系樹脂で構成されることが好ましい。より具体的には、マトリクスの樹脂成分を構成するアクリレート系樹脂のモノマー成分が例えば上記のようなPETA、NPGDA、DPHA、DPPAおよび/またはTMPTAである場合には、光拡散性微粒子を構成するアクリレート系樹脂は、好ましくは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアクリレート(PMA)、およびこれらの共重合体、ならびにそれらの架橋物である。PMMAおよびPMAとの共重合成分としては、ポリウレタン、ポリスチレン(PS)、メラミン樹脂が挙げられる。特に好ましくは、光拡散性微粒子は、PMMAで構成される。マトリクスの樹脂成分および超微粒子成分との屈折率や熱力学的特性の関係が適切であるからである。さらに、好ましくは、光拡散性微粒子は、架橋構造(三次元網目構造)を有する。架橋構造の粗密(架橋度)を調整することにより、光拡散性微粒子表面において微粒子を構成するポリマー分子の自由度を制御することができるので、超微粒子成分の分散状態を制御することができ、結果として、所望の屈折率勾配を有する屈折率変調領域を形成することができる。例えば、後述の塗工液を塗布する際の光拡散性微粒子の樹脂成分前駆体(溶媒を含んでいてもよい)に対する膨潤度は、好ましくは100%〜200%である。ここで、「膨潤度」とは、架橋度の指標であり、膨潤前の粒子の平均粒径に対する膨潤状態の粒子の平均粒径の比率をいう。
本実施形態の光拡散フィルムの製造方法は、マトリクスの樹脂成分またはその前駆体と超微粒子成分と光拡散性微粒子とを揮発性溶剤中に溶解または分散させた塗工液を基材に塗布する工程(工程Aとする)と、該基材に塗布された塗工液を乾燥させる工程(工程Bとする)と、を含む。
樹脂成分またはその前駆体、超微粒子成分、および光拡散性微粒子については、それぞれ、上記A−2−1項、A−2−2項およびA−3項で説明したとおりである。代表的には、上記塗工液は前駆体および揮発性溶剤中に超微粒子成分および光拡散性微粒子が分散した分散体である。超微粒子成分および光拡散性微粒子を分散させる手段としては、任意の適切な手段(例えば、超音波処理、攪拌機による分散処理)が採用され得る。
上記塗工液の乾燥方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥が挙げられる。好ましくは、加熱乾燥である。加熱温度は、例えば60℃〜150℃であり、加熱時間は、例えば30秒〜5分である。
好ましくは、上記製造方法は、上記塗布工程の後に上記前駆体を重合させる工程(工程C)をさらに含む。重合方法は、樹脂成分(したがって、その前駆体)の種類に応じて任意の適切な方法が採用され得る。例えば、樹脂成分が電離線硬化型樹脂である場合には、電離線を照射することにより前駆体を重合する。電離線として紫外線を用いる場合には、その積算光量は、好ましくは50mJ/cm2〜1000mJ/cm2である。電離線の光拡散性微粒子に対する透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。また例えば、樹脂成分が熱硬化型樹脂である場合には、加熱することにより前駆体を重合する。加熱温度および加熱時間は、樹脂成分の種類に応じて適切に設定され得る。好ましくは、重合は電離線を照射することにより行われる。電離線照射であれば、屈折率変調領域を良好に保持したまま塗膜を硬化させることができるので、良好な拡散特性の光拡散フィルムを作製することができる。前駆体を重合することにより、屈折率変調領域30と屈折率一定領域とを有するマトリクス10が形成される。
図7は、本発明の別の実施形態による光拡散フィルムの概略断面図である。図7の光拡散フィルム100’は、マトリクス10と、マトリクス10中に分散された光拡散性微粒子20とを有する。光拡散性微粒子20は、中心部から外側に向かって屈折率が変化する屈折率傾斜粒子(例えば、GRIN微粒子)であり、屈折率傾斜部分が屈折率変調領域30を構成する。代表的には、屈折率傾斜粒子は、中心部と当該中心部を覆う表層部とからなるポリマー粒子である。このようなポリマー粒子を構成するポリマーの具体例としては、ビニル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマーが挙げられる。ポリマーを適切に選択することにより、屈折率傾斜を制御することができる。このようなポリマー粒子は、例えば、屈折率の異なる複数のモノマーを用い、それらの共重合において、重合の進行にしたがってモノマー量を変化させることにより、屈折率を段階的にまたは連続的に変化させることができる。このようなポリマー粒子およびその製造方法の詳細は、例えば、特開2006−227279号公報に記載されており、その記載は本明細書に参考として援用される。マトリクス10は、例えば、超微粒子成分を用いる形態の樹脂成分に関して上記A−2−1項に記載したような樹脂で構成され得る。マトリクス10は、超微粒子成分を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。本実施形態においては、光拡散性微粒子20の中心部が第1の領域を構成し、マトリクス10が第2の領域を構成する。屈折率変調領域30においては、好ましくは、屈折率が実質的に連続的に変化する。
B−1.光拡散フィルム付偏光板の全体構成
図8は、本発明の好ましい実施形態による光拡散フィルム付偏光板の概略断面図である。この光拡散フィルム付偏光板200は、光拡散フィルム100と偏光子110とを有する。光拡散フィルム100は、上記A−1項〜A−5項に記載した本発明の光拡散フィルムである。図示例においては、光拡散フィルム付偏光板200は、偏光子の両側に保護層120および130を有する。光拡散フィルム、偏光子および保護層は、任意の適切な接着剤層または粘着剤層を介して貼り付けられている。保護層120および130の少なくとも1つは、目的、偏光板の構成および液晶表示装置の構成に応じて省略されてもよい。例えば、光拡散フィルムを形成する際に用いられる基材が保護層として機能し得る場合には、保護層120が省略され得る。
上記偏光子としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
上記保護層は、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
図9を参照して、本発明の光拡散フィルム付偏光板の製造方法の一例について簡単に説明する。図9において、符号111および112は、それぞれ、偏光板および光拡散フィルム/基材の積層体を巻回するロールであり、符号122は搬送ロールである。図示例では、偏光板(保護層130/偏光子110/保護層120)と、光拡散フィルム100/基材101の積層体とを矢印方向に送り出し、それぞれの長手方向を揃えた状態で貼り合わせる。その際、光拡散フィルム100と偏光板の保護層120とが隣接するように貼り合わせる。その後、必要に応じて基材101を剥離することにより、図8に示すような光拡散フィルム付偏光板200が得られ得る。図示しないが、例えば、偏光板(保護層130/偏光子110)と光拡散フィルム100/基材101の積層体とを、基材101と偏光子110とが隣接するように貼り合わせ、基材が保護層として機能する光拡散フィルム付偏光板を作製することもできる。このように、本発明によれば、いわゆるロール・トゥ・ロールを採用することができるので、光拡散フィルム付偏光板を非常に高い製造効率で製造することができる。さらに、このロール・トゥ・ロール工程は、上記A−4項に記載の光拡散フィルムの製造工程から連続して行うことができるので、このような手順を採用すれば、光拡散フィルム付偏光板の製造効率をさらに向上させることができる。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、該液晶セルの両側に配置された偏光板と、一方の偏光板の外側に設けられたバックライトユニットと、上記A−1項〜A−5項に記載した本発明の光拡散フィルムとを備える。目的に応じて任意の適切な光学補償板(位相差板)が、液晶セルと少なくとも一方の偏光板との間に配置され得る。液晶セルは、一対の基板(代表的には、ガラス基板)と、基板間に配された、表示媒体としての液晶を含む液晶層とを有する。上記光拡散フィルムは、目的に応じて、視認側偏光板のさらに視認側に配置されてもよく、バックライト側偏光板のさらにバックライト側に配置されてもよい。上記光拡散フィルムが視認側偏光板のさらに視認側に配置される場合には、バックライトユニットは、代表的には、液晶セルに向かってコリメート光を出射する平行光光源装置である。なお、液晶表示装置の全体的な構成としては、業界で周知の構成が採用され得るので、その詳細な説明は省略する。
本発明の照明装置は、光源と、光源からの光が照射される側に配置された、上記A−1項〜A−5項に記載した本発明の光拡散フィルムとを備える。本発明の照明装置は、目的に応じて任意の適切な構成が採用され得る。例えば、光源は、LEDアレイであってもよく、有機EL素子であってもよく、冷陰極蛍光管であってもよい。
マイクロゲージ式厚み計(ミツトヨ社製)にて基材と光拡散フィルムとの合計厚みを測定し、当該合計厚みから基材の厚みを差し引き、光拡散フィルムの厚みを算出した。
(2)ヘイズ
JIS 7136で定める方法により、ヘイズメーター(村上色彩科学研究所社製、商品名「HN−150」)を用いて測定した。
(3)後方散乱率
実施例および比較例で得られた光拡散フィルムと基材との積層体を、透明粘着剤を介して黒アクリル板(住友化学社製、商品名「SUMIPEX」(登録商標)、厚み2mm)の上に貼り合わせ、測定試料とした。この測定試料の積分反射率を分光光度計(日立計測器社製、商品名「U4100」)にて測定した。一方、上記光拡散フィルム用塗工液から微粒子を除去した塗工液を用いて、基材と透明塗工層との積層体を作製して対照試料とし、上記と同様にして積分反射率(すなわち、表面反射率)を測定した。上記測定試料の積分反射率から上記対照試料の積分反射率(表面反射率)を差し引くことにより、光拡散フィルムの後方散乱率を算出した。
(4)屈折率変調領域およびその厚み
実施例および比較例で得られた光拡散フィルムと基材との積層体を液体窒素で冷却しながら、ミクロトームにて0.1μmの厚さにスライスし、測定試料とした。透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、当該測定試料の光拡散フィルム部分の微粒子の状態および当該微粒子とマトリクスとの界面の状態を観察し、微粒子とマトリクスとの界面が不明瞭な部分を屈折率変調領域と認定し、その平均厚みLをTEM画像から画像解析ソフトを用いて算出した。微粒子とマトリクスとの界面が明瞭な場合は屈折率変調領域が形成されていないと認定し、厚みはゼロとした。
さらに、屈折率変調領域における超微粒子成分の分散状態を調べるために、3次元画像を再構成した。具体的には、上記で得られた測定試料に撮影位置補正用のマーカーとして直径5nmの金粒子を付着させ、−60°から60°にわたって1°ごとに連続傾斜TEM画像(121枚)を撮影した。この121枚のTEM画像について、Fiducial Marker法により位置補正を行い、3次元画像を再構成した。再構成ソフトとしてIMOD 3.9.3 1を、表示ソフトとしてMercuury Computer Systems,Amiraを用いた。
(5)光拡散半値角
光拡散フィルムの正面からレーザー光を照射し、拡散した光の拡散角度に対する拡散輝度を、ゴニオフォトメーターで1°おきに測定し、図10に示すように、レーザーの直進透過光を除く光拡散輝度の最大値から半分の輝度となる拡散角度を、拡散の両側で測定し、当該両側の角度を足したもの(図10の角度A+角度A’)を光拡散半値角とした。
(6)面内輝度の標準偏差
透明粘着剤を用いて、実施例および比較例で得られた基材付光拡散フィルムと、偏光板と、ガラス板(厚み:0.7mm)との積層体(ガラス板/偏光板/ガラス板/基材/光拡散フィルム/偏光板/ガラス板)を形成した。このとき、2枚の偏光板はクロスニコルの状態で積層させた。この積層体に、高輝度白色LEDバックライトを用いて白色光を透過させた。透過光の出射面を、輝度測定カメラ(サイバット社製、商品名「PROMETRIC 1600」)を用いて、画像撮影し、面内輝度を数値データ化した。
得られた面内輝度値のうち輝点部分を除外した上で、外観ムラの周期よりも大きい周期のうねりを補正して、輝度の標準偏差σを算出した。
超微粒子成分としてのジルコニアナノ粒子(平均1次粒子径10nm、平均粒子径60nm、屈折率2.19)を62%含有するハードコート用樹脂(JSR社製、商品名「オプスターKZ6661」(MEK/MIBK含有))100部に、樹脂成分の前駆体としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」、屈折率1.52)の50%メチルエチルケトン(MEK)溶液を11部、光重合開始剤(BASFジャパン社製、商品名「イルガキュア907」)を0.5部、レベリング剤(DIC社製、商品名「RS721」)を0.5部、および、光拡散性微粒子としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子(積水化成品工業社製、商品名「XX−131AA」、平均粒径2.5μm、屈折率1.49)を15部添加した。攪拌機(浅田鉄工株式会社製、商品名「デスパ(DESPA)」)を用いてこの混合物を30分間攪拌して分散処理を行い、上記の各成分が均一に分散した塗工液を調製した。この塗工液の固形分濃度は55%であった。当該塗工液を、バーコーターを用いてTACフィルム(富士フィルム社製、商品名「フジタック」、厚み40μm)からなる基材上に塗工し、100℃にて1分間乾燥後、積算光量300mJの紫外線を照射し、厚み8.1μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムにおけるマトリクスの平均屈折率nMと光拡散性微粒子の屈折率nPとの差は0.12(nM>nP)であった。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を、後述の実施例2〜15および比較例1〜6の結果と併せて表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。さらに、得られた光拡散フィルムをTEMで観察した。結果を図11に示す。さらに、当該TEM画像から3次元画像を再構成した。その結果、図2B〜図2Eに示すような微細凹凸状の境界(屈折率変調領域)が形成されていることを確認した。加えて、当該TEM画像から、光拡散性微粒子表面からの距離と超微粒子成分の分散濃度(存在比率)との関係を算出した。その結果、図3に示すように、超微粒子成分の分散濃度の勾配が形成されていることを確認した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み10.2μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み14.3μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み15.5μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
光拡散性微粒子としてのPMMA微粒子を、根上工業社製、商品名「アートパールJ4P」(平均粒径2.1μm、屈折率1.49)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例5と同様にして、厚み12μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例5と同様にして、厚み14μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例5と同様にして、厚み17μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例5と同様にして、厚み18μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
レベリング剤を「GRANDIC PC 4100」に変更したこと以外は実施例2と同様にして、厚み10.2μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
光拡散性微粒子としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)に親水基を付与した微粒子(積水化成品工業製、商品名「XX−157−AA」、平均粒子径2.5μm、屈折率1.495)15部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
光拡散性微粒子としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)とポリスチレン(PS)の共重合微粒子(積水化成品工業製、商品名「XX−164−AA」、平均粒子径2.5μm、屈折率1.495)15部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
超微粒子成分としてのジルコニアナノ粒子のハードコート用樹脂中の含有量を25%としたこと以外は実施例1と同様にして、厚み9μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み5μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み20μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足した。
光拡散性微粒子を、シリコーン樹脂微粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名「トスパール120」、平均粒径2.0μm、屈折率1.43)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、厚み11μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足しなかった。さらに、光拡散性微粒子近傍のTEM写真を図12に示す。図12から明らかなように、比較例1の光拡散フィルムにおいては、屈折率変調領域は形成されなかった。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は比較例1と同様にして、厚み13μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足しなかった。また、TEM観察の結果、光拡散性微粒子とマトリクスとの界面は明確であり、屈折率変調領域は形成されていないことを確認した。
塗工液の塗工厚みを変更したこと以外は比較例1と同様にして、厚み15μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足しなかった。また、TEM観察の結果、光拡散性微粒子とマトリクスとの界面は明確であり、屈折率変調領域は形成されていないことを確認した。
超微粒子成分としてのジルコニアナノ粒子を含まないハードコート用樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足しなかった。また、TEM観察の結果、光拡散性微粒子とマトリクスとの界面は明確であり、屈折率変調領域は形成されていないことを確認した。
超微粒子成分としてシリカナノ粒子(平均1次粒子径10nm、平均粒子径40nm、屈折率1.49)を30%含有するハードコート用樹脂(JSR社製、商品名「Z7540」)100部に、光拡散性微粒子としてポリスチレン(PS)微粒子(綜研化学社製、商品名「SX−350H」、平均粒子径3.5μm、屈折率1.595)15部を添加したこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足しなかった。また、TEM観察の結果、光拡散性微粒子とマトリクスとの界面は明確であり、屈折率変調領域は形成されていないことを確認した。
光拡散性微粒子としてシリカにエポキシ修飾を施した微粒子(日本触媒製、商品名「シーホスターKG−250」)15部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚み10μmの光拡散フィルムを得た。得られた光拡散フィルムを上記(1)〜(6)の評価に供した。結果を表1に示す。光拡散半値角と後方散乱率との関係は、上記式(1)および(2)を満足しなかった。
マルチドメイン型VAモードの液晶セルを備える市販の液晶テレビ(SONY社製、ブラビア20型、商品名「KDL20J3000」)から液晶セルを取り出した。当該液晶セルの両側に、市販の偏光板(日東電工社製、商品名「NPF−SEG1423DU」)を、それぞれの偏光子の吸収軸が直交するようにして貼り合わせた。より具体的には、バックライト側偏光板の偏光子の吸収軸方向が垂直方向(液晶パネルの長辺方向に対して90°)となり、視認側偏光板の偏光子の吸収軸方向が水平方向(液晶パネルの長辺方向に対して0°)となるようにして貼り合わせた。さらに、視認側偏光板の外側に、実施例1の光拡散フィルムを基材から転写して貼り合わせ、液晶パネルを作製した。
比較例1の光拡散フィルムを用いたこと以外は実施例16と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について暗所にて白表示および黒表示を行い、その表示状態を目視にて観察した。その結果、斜め方向から見た場合、暗所の白表示の輝度は高かったが、明所での黒表示は白ぼけて見えた。
比較例2の光拡散フィルムを用いたこと以外は実施例16と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について暗所にて白表示および黒表示を行い、その表示状態を目視にて観察した。その結果、斜め方向から見た場合、暗所の白表示の輝度は高かったが、明所での黒表示は白ぼけて見えた。
比較例3の光拡散フィルムを用いたこと以外は実施例16と同様にして液晶表示装置を作製した。得られた液晶表示装置について暗所にて白表示および黒表示を行い、その表示状態を目視にて観察した。その結果、斜め方向から見た場合、暗所の白表示の輝度は高かったが、明所での黒表示は白ぼけて見えた。
超微粒子成分としてのジルコニアナノ粒子(平均粒径60nm、屈折率2.19)を62%含有するハードコート用樹脂(JSR社製、商品名「オプスターKZ6661」(MEK/MIBK含有))100部に、樹脂成分の前駆体としてのペンタエリスリトールトリアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名「ビスコート#300」、屈折率1.52)の50%メチルエチルケトン(MEK)溶液を70部、光重合開始剤(BASFジャパン社製、商品名「イルガキュア907」)を0.5部、レベリング剤(DIC社製、商品名「メガファック479」)を0.1部、および、光拡散性微粒子としてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)微粒子(根上工業社製、商品名「アートパールJ4P」、平均粒径2.1μm、屈折率1.49)を20部添加し、固形分が50%となるように希釈溶剤としてトルエンを加えた。この混合物を攪拌機にて処理し、上記の各成分が均一に分散した塗工液を調製した。
当該塗工液を、複屈折性多層構造を有する輝度向上フィルム(3M社製、商品名「DBEF」、厚み38μm)上にダイコーターを用いて塗布し、80℃にて2分間オーブンで乾燥後、高圧水銀灯で積算光量300mJの紫外線を照射し、輝度向上フィルム上に厚み6.5μmの光拡散フィルム(光拡散層)を形成した。次いで、得られた輝度向上フィルム/光拡散フィルムの積層体を、粘着剤を介して市販の偏光板(日東電工社製、商品名「NPF」)と貼り合わせ、偏光素子を得た。
実施例および比較例の光拡散フィルムについて、光拡散半値角と後方散乱率との関係を図13に示す。実施例から明らかなように、本発明によれば、強拡散かつ低後方散乱で、非常に薄い光拡散フィルムを、簡便な手順で実際に作製することができた。図13に示すように、実施例の光拡散フィルムは、式(1)および(2)を満足した。一方、比較例の光拡散フィルムは、同程度の光拡散半値角では、本発明の光拡散フィルムに比べて後方散乱率が大きくなってしまい、式(1)および(2)を満足することができなかった。このような光拡散フィルムは、コリメートバックライトフロント拡散システムの液晶表示装置のフロント拡散素子として用いた場合に、明所での黒表示が白ぼけるという問題が認められた。また、光拡散半値角が非常に小さい比較例4の光拡散フィルムは、後方散乱率は低いがヘイズはきわめて不十分であり、実用に供せないものであった。
11 樹脂成分
12 超微粒子成分
20 光拡散性微粒子
30 屈折率変調領域
100、100’ 光拡散フィルム
110 偏光子
120 保護層
130 保護層
200 光拡散フィルム付偏光板
Claims (6)
- マトリクスと、該マトリクス中に分散された光拡散性微粒子とを有し、
該マトリクスと該光拡散性微粒子との界面またはその近傍に、屈折率が連続的に変化する屈折率変調領域が形成されており、
該マトリクスが樹脂成分および超微粒子成分を含み、該屈折率変調領域が、該マトリクス中の該超微粒子成分の分散濃度の勾配により形成されており、
光拡散半値角が30°以上であり、厚みが4μm〜25μmであり、かつ、下記式(1)および(2)を満足する、光拡散フィルム:
y≦0.011x (30≦x≦60) ・・・(1)
y≦0.0275x−0.99 (60<x≦125) ・・・(2)
ここで、xは光拡散半値角(°)であり、yは後方散乱率(%)であり、式(1)および(2)は光拡散半値角の数値と後方散乱率の数値との関係を表す。 - 前記マトリクスがレベリング剤をさらに含む、請求項1に記載の光拡散フィルム。
- 面内輝度の標準偏差σが0.8以下である、請求項1または2に記載の光拡散フィルム。
- 請求項1から3のいずれかに記載の光拡散フィルムと偏光子とを有する、光拡散フィルム付偏光板。
- 液晶セルと請求項1から3のいずれかに記載の光拡散フィルムとを備える、液晶表示装置。
- 光源と請求項1から3のいずれかに記載の光拡散フィルムとを備える、照明器具。
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