JP2002174706A - 光拡散フィルムの製造方法 - Google Patents

光拡散フィルムの製造方法

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JP2002174706A
JP2002174706A JP2000371857A JP2000371857A JP2002174706A JP 2002174706 A JP2002174706 A JP 2002174706A JP 2000371857 A JP2000371857 A JP 2000371857A JP 2000371857 A JP2000371857 A JP 2000371857A JP 2002174706 A JP2002174706 A JP 2002174706A
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JP2000371857A
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English (en)
Inventor
Keisuke Koseki
圭介 小関
Yasunari Kawabata
耕也 川畑
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の出射部分の均一性が高く、余分な光吸収
層が除去され光入射部分の面積が大きいことから、透過
効率が高く、視野角特性に優れ、濃度ムラの少ない光拡
散フィルムの製造方法の提供。 【解決手段】 透明基材表面に、下塗り透明層を形成
し、該下塗り透明層に透明ビーズを埋設し、光吸収層用
塗布液を塗布して光吸収層を形成した後、該光吸収層の
余剰部を除去することを特徴とする光拡散フィルムの製
造方法である。除去が、低温プラズマエッチングにより
行われる態様、低温プラズマエッチングが、酸素プラズ
マエッチングである態様、透明ビーズの体積平均粒径
(D50)が、0.5〜20μmである態様、透明ビーズ
の体積平均粒径(D50)が、0.5〜50μmである態
様等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、背面投射型表示装
置の透過型スクリーンや液晶表示装置に用いられる光拡
散フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、階調・色度等の視野角特性を格段
に向上させる技術として公知の液晶表示装置は、図1に
液晶表示装置100で示すように、液晶パネル2と、平
行光線束(コリメート光)を液晶パネル2に入射させる
バックライト部4と、液晶パネル2で空間偏調された画
像光を拡散する光拡散フィルム6と、を有する。
【0003】光拡散フィルム6は、図2に概略的に示す
ように、光透過性基材(透明基材)10上に、光透過性
の微小球体透明ビーズ(以下、「透明ビーズ」と称する
ことがある。)14が、光吸収層20によって固定され
てなる。透明ビーズ14は、一部が透明基材10に接触
して、光吸収層20に埋設されている。
【0004】液晶パネル2に入射した平行光線束(コリ
メート光)は、一点鎖線で示すように、光拡散フィルム
6において、透明ビーズ14によって屈折し、透明ビー
ズ14と透明基材10との接触部を通過して拡散され
る。光吸収層20は、光吸収性を有するため、透明ビー
ズ14と透明基材10との接触部以外はブラックマスク
となり、観察者側からの外光が光拡散フィルム6によっ
て反射・散乱されることがなく、コントラストの低下も
ないため、広い視野角に亘って良好なコントラスト比が
得られる。
【0005】前記光拡散フィルムの製造方法として、特
開平9−318801号公報において、下記〜で示
す、入射光量に優れた光拡散フィルムの製造方法が開示
されている。 透明基材10を準備し(図3(a))、その上に、
バインダとして、下塗り透明層12、光吸収層20を順
次形成する(図3(b))。 光吸収層20の上に透明ビーズ14を分散配置する
(図3(c))。 透明ビーズ14が分散配置された光吸収層20およ
び透明基材10を上下から押圧し(図3(d))、透明
ビーズ14の一部が、光吸収層20を貫通して下塗り透
明層12に埋設され、固着されて光拡散フィルム6が製
造される(図3(e))。
【0006】前記製造方法により得られた光拡散フィル
ム6において、透明ビーズ14は、下塗り透明層12に
その一部が埋設され、光吸収層20に囲まれており、光
入射側において光吸収層20から露出した構成であるた
め、入射光は、多数配列された密な透明ビーズ14に効
率良く入射され、入射した光束は透明ビーズ14のレン
ズ作用によって一旦収束されて拡散され、視野角が向上
する。また、光拡散フィルム6への入射光のうち、透明
ビーズ14に入射されなかった光、即ち、透明ビーズ1
4によりレンズ作用を受けなかった光は、光吸収層20
に吸収され、前方への透過が阻止される。更に、光拡散
フィルム6の前方(すなわち、光出射側)から入射する
外光も、殆んど光吸収層20に吸収されるため、迷光と
なって前方から観察されることが無く、コントラストが
向上する。
【0007】しかし、前記製造方法においては、図3
(f)に示すように、透明ビーズ14の大きさが揃って
いない場合、即ち、標準的な大きさの透明ビーズ14の
ほか、小さめの透明ビーズ142、大きめの透明ビーズ
143等が混在している場合、総ての透明ビーズ14、
142、143等が透明基材10に、均等に接触して埋
設されるとは限らないという問題があった。即ち、小さ
めの透明ビーズ142に関しては、透明基材10に接触
せず、光吸収層20の中に浮いた状態で配置され、入射
光量が低減するという問題があった。また、大きめの透
明ビーズ143に関しては、押圧時の押圧力により破損
し、光抜け等の画状欠陥が生じるという問題があった。
【0008】前記問題を解決する技術として、特開平1
1−102025号公報において、下塗り透明層の溶融
粘度をnとし光吸収層の溶融粘度をn’としたとき、 n>n’ の関係、即ち、下塗り透明層の溶融粘度nを光吸収層の
溶融粘度n’より高くすることにより、入射光の透過効
率を高めた発明が開示されている。この発明によれば、
透明ビーズを熱プレスにより埋設させる際、光吸収層
が、下塗り透明層よりも先に変形するため、透明ビーズ
の光出射部分が下塗り透明層に露出し易く、入射光量の
透過効率が高い。
【0009】しかし、熱プレス時の押圧力が低圧・不均
一である場合、依然として光の出射部分の面積が不充分
となり、下塗り透明層に接触していない透明ビーズが存
在する等の問題があった。特に、透明ビーズのサイズが
大きく分布している場合にこの問題は顕著であり、依然
として、入射光の透過効率向上には不充分であるという
問題があった。また、押圧時の圧力が高いと、透明ビー
ズが破損し、光抜けの面状欠陥が生じるという問題も、
依然として残っていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の課題を達成することを目
的とする。即ち、本発明は、光の出射部分の均一性が高
く、余分な光吸収層が除去され光入射部分の面積が大き
いことから、透過効率が高く、視野角特性に優れ、濃度
ムラの少ない光拡散フィルムの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段としては、以下の通りである。即ち、 <1> 透明(可視光線に対し「透明」を意味する。以
下、同様。)基材表面に、下塗り透明層を形成し、該下
塗り透明層に透明ビーズを埋設し、光吸収層用塗布液を
塗布して光吸収層を形成した後、該光吸収層の余剰部を
除去することを特徴とする光拡散フィルムの製造方法で
ある。 <2> 除去が、低温プラズマエッチングにより行われ
る前記<1>に記載の光拡散フィルムの製造方法であ
る。 <3> 低温プラズマエッチングが、酸素プラズマエッ
チングである前記<2>に記載の光拡散フィルムの製造
方法である。 <4> 透明ビーズの体積平均粒径(D50)が、0.5
〜20μmである前記<1>から<3>のいずれかに記
載の光拡散フィルムの製造方法である。
【0012】<5> 透明ビーズの体積平均粒径
(D50)が、0.5〜50μmである前記<1>から<
4>のいずれかに記載の光拡散フィルムの製造方法であ
る。 <6> 光吸収層用塗布液における界面活性剤の含有量
が、0.10重量%以下である前記<1>から<5>の
いずれかに記載の光拡散フィルムの製造方法である。 <7> 透明ビーズが、表面疎水化処理されたものであ
る前記<1>から<6>のいずれかに記載の光拡散フィ
ルムの製造方法である。 <8> 下塗り透明層上に透明ビーズを載せ、加熱する
ことにより該透明ビーズを該下塗り透明層に埋設させる
前記<1>から<7>のいずれかに記載の光拡散フィル
ムの製造方法である。 <9> 透明ビーズ上に伝熱性可撓性物質を載せ加圧す
る前記<8>に記載の光拡散フィルムの製造方法であ
る。 <10> 伝熱性可撓性物質が、シリコーンゴムである
前記<9>に記載の光拡散フィルムの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明の光拡散フィルムの製造方法は、透明基材表
面に、下塗り透明層を形成し、該下塗り透明層に透明ビ
ーズを埋設する埋設工程と、光吸収層用塗布液を塗布し
て光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、該光吸収層
の余剰部を除去する除去工程と、を有し、必要に応じて
その他の工程を有する。
【0014】[埋設工程]前記埋設工程においては、透
明基材表面に、下塗り透明層を形成し、該下塗り透明層
に透明ビーズを埋設する。
【0015】−透明基材− 前記透明基材の材料としては、特に制限はなく、充分な
光透過性を有し、かつ、用途に応じた充分な機械的強度
を有すれば、各種の材料が利用可能である。具体的に
は、各種のガラス、ポリエステル、ポリオレフィン、ポ
リアミド、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポ
リスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、
ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポ
リ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、等の各種の
樹脂材料が好適に挙げられる。前記透明基材の厚みとし
ては、特に制限はないが、15μm以下が好ましく、5
μm以下がより好ましい。
【0016】前記透明基材には、液晶表示装置における
観察性の向上を目的として、観察面(透明ビーズを埋設
するのとは逆の面)側に、ARコート等の公知の反射防
止処理を施すのが好ましい。
【0017】−下塗り透明層− 前記下塗り透明層の材料としては、特に制限はなく、透
明ビーズを埋設可能であれば、各種の樹脂等が好適に用
いられる。具体的には、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩ビ
ニリデン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、
ブチラール樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル、フッ化
ビニリデン樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリル共重合体、ウレタン樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、塩化ポリエチレン、ロジン
誘導体、等が挙げられる。これらの樹脂等は、1種単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】前記下塗り透明層の厚みとしては、特に制
限はないが、透明ビーズを均一に固定でき、該透明ビー
ズが埋没しない程度の厚みが好ましく、用いる透明ビー
ズの粒径等にもよるため一概には言えないが、透明ビー
ズの体積の半分以上が下塗り透明層から露出する程度の
厚みが好ましい。一般的には、5〜15μm程度であ
る。
【0019】−透明ビーズ− 前記透明ビーズの材料としては、特に制限はなく、透明
であれは各種の材料が挙げられ、例えは、前記透明基材
の材料等が挙げられ、特に、光学特性が良好である等の
点で、(メタ)アクリル系の樹脂やガラス、無機酸化物
を含有する素材等が好適に挙げられる。
【0020】前記透明ビーズの形状としては、球状が特
に好ましい。該透明ビーズの粒径としては、観察者が、
画面のざらつき等を感じないサイズであれば特に制限は
ないが、光拡散フィルムの用途等によっても好適なサイ
ズが異なる。具体的には、卓上表示装置等に用いる場合
(観察者から表示装置までの距離が300mm程度の場
合)には、体積平均粒径(D50)で50μm以下が好ま
しく、30μm以下がより好ましく、0.5〜20μm
が更に好ましい。また、家庭用テレビ等に用いる場合
(観察者からテレビまでの距離が2m程度の場合)に
は、体積平均粒径(D50)で300μm以下が好まし
く、200μm以下がより好ましく、0.5〜50μm
が更に好ましい。
【0021】前記透明ビーズは、表面疎水化処理されて
いるのが好ましい。該透明ビーズが表面疎水化処理され
ていれば、前記光吸収層用塗布液との親和性が低くなる
ため、前記光吸収層の余剰部の除去が容易になり、光入
射部の面積を容易に大きくすることができる。また、透
明ビーズと下塗り透明層との接触部へ、光吸収層用塗布
液が回り込むことが少なくなるため、光出射部の不均一
性が低減され、透過効率の高い光拡散フィルムが容易に
製造される。該表面疎水化処理の方法としては、公知の
表面疎水化処理方法、例えば、透明ビーズをF系シラン
カップリング液中に1時間浸漬する方法等が挙げられ
る。
【0022】−埋設− 前記埋設においては、前記透明ビーズが、前記下塗り透
明層に埋設される。したがって、従来のように、光吸収
層形成後、該光吸収層の上から埋設するのではないた
め、埋設が多少不均一であったとしても、容易に、光の
出射に充分な深さに透明ビーズが埋設され、透過効率、
視野角特性の高い光拡散フィルムが得られる。
【0023】前記埋設においては、透明ビーズが、下塗
り透明層に、均一に埋設されるのが好ましい。該透明ビ
ーズが均一に埋設されることにより、光出射部の均一性
が高く、透過効率の高い光拡散フィルムが得られる。前
記埋設においては、透明ビーズは、前記下塗り透明層
に、密に並べて埋設されるのが好ましい。透明ビーズ
が、密に埋設されることにより、透過効率の高い光拡散
フィルムが得られる。透明ビーズを、下塗り透明層に密
に並べて埋設するには、例えば、粒径の異なる透明ビー
ズを並べて埋設する、等の方法が挙げられる。
【0024】前記埋設においては、前記透明ビーズは、
その体積の半分以上が下塗り透明層から露出する程度で
埋設されているのが特に好ましい。このように埋設する
ことにより、透過効率の高い光拡散フィルムが得られ
る。
【0025】前記埋設の際には、適宜加熱してもよい。
該加熱の温度としては、下塗り透明層が軟化し、透明ビ
ーズが沈む温度であればよい。前記加熱により、軟化し
た前記透明層に前記透明ビーズが容易かつ充分に埋設さ
れる。
【0026】前記加熱の際には、前記透明ビーズ上に、
伝熱性可撓性物質を載せ加圧するのが好ましい。該加圧
により、前記透明ビーズの埋設の均一性がより高くな
る。前記伝熱性可撓性物質としては、特に制限はない
が、伝熱性、可撓性、に優れ、入手し易い点で、シリコ
ーンゴム等が好ましい。前記加圧の圧力としては、透明
ビーズが破損しない程度であれば特に制限はない。
【0027】[光吸収層形成工程]前記光吸収層形成工
程においては、前記透明ビーズを埋設した後、光吸収層
用塗布液を塗布して光吸収層を形成する。
【0028】本発明においては、前記光吸収層形成工程
の後に、光入射部の面積の確保を目的として、光吸収層
の余剰部を除去する除去工程を有する。したがって、前
記光吸収層用塗布液の塗布の際、透明ビーズの露出を確
保する必要がないことから、該光吸収層用塗布液を効率
良く塗布することができる。
【0029】前記光吸収層用塗布液は、光吸収性物質を
含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。前記光
吸収性物質としては、カーボンブラック、感光性発色材
料(ハロゲン化銀感光乳剤)等が挙げられる。
【0030】前記光吸収層用塗布液における界面活性剤
の含有量としては、0.10重量%以下が好ましく、
0.05重量%以下がより好ましい。前記界面活性剤の
含有量が、0.10重量%以下であれば、前記光吸収層
用塗布液と透明ビーズとの親和性が低く(濡れ性が低
く)、前記光吸収層の余剰部の除去が容易になり、光入
射部の面積を容易に大きくすることができる。また、透
明ビーズと下塗り透明層との接触部へ、光吸収層用塗布
液が回り込むことが少なくなるため、光出射部の不均一
性が低減され、透過効率の高い光拡散フィルムが容易に
製造される。前述のように透明ビーズが表面疎水化処理
されていれば、この効果は更に高くなる。
【0031】[除去工程]前記除去工程においては、前
記光吸収層の余剰部を除去する。尚、該光吸収層の余剰
部とは、光吸収層において、設定以上に前記透明ビーズ
への入射光を遮る部位を指す。前記余剰部の除去は、除
去の設定条件(温度、圧力、時間、等)を適宜変えるこ
とにより、厚み方向の除去領域を制御して行う。
【0032】前記除去の方法としては、光吸収層の余剰
部を均一に除去できれば、特に制限はないが、微細部の
精密な除去が可能で、汚染が少ない点で、プラズマエッ
チング、反応性イオンエッチング、等の公知のドライエ
ッチングが好ましく、特に、低温プラズマエッチングが
好ましい。該低温プラズマエッチングとしては、反応ガ
スとして酸素を用いる酸素プラズマエッチングが最も好
ましい。前記プラズマエッチングは、例えば下記方法に
よる。
【0033】前記光吸収層を形成した後、石英製の円筒
型チャンバーに、光拡散フィルムを載置し、該石英製チ
ャンバー内を減圧して反応ガスを流す。石英製チャンバ
ー外側の電極に高周波電界をかけ、プラズマを発生さ
せ、活性化の高い反応種(ラジカル)を生成させる。酸
素プラズマエッチングは、反応ガスとして酸素を用い、
酸素ラジカルを発生させ、光吸収層を好適にエッチング
する方法である。
【0034】前記除去工程により、光吸収層の余剰部が
均一に除去されるため、光入射部分の面積が大きく、透
過効率、視野角特性に優れる。また光吸収層の厚み変動
による濃度ムラの発生が少ない。
【0035】<光拡散フィルム>以上説明した本発明の
光拡散フィルムの製造方法によって得られる光拡散フィ
ルムは、剛性を有する板状であっても、可撓性を有する
シー卜状あるいはフィルム状であってもよく、要求され
る機械的強度や用途により、透明基材の材料、厚さ、等
が適宜選択される。
【0036】前記光拡散フィルムは、前述のように、液
晶パネルと、バックライト部と、光拡散フィルムと、を
有する各種の液晶表示装置等に好適に用いられる。前記
液晶表示装置において、液晶パネルとしては、TNモー
ドをはじめ、公知の種々のモードの液晶ディスプレイが
好適に用いられる。バックライ卜部としては、画像の観
察に充分な光量の直進平行光線束を射出可能であれば、
公知の各種の光源装置が総て利用可能である。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いてより具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定され
るものではない。
【0038】(実施例1) −埋設工程− ポリエチレンテレフタレート(透明基材)の一方の表面
に、水溶性ナイロン層(東レ(株)製、P−70:下塗
り透明層)を、ワイヤーバーにて塗布形成した(乾燥後
の厚み:7μm)。前記下塗り透明層に、透明ビーズ
(ガラス製、体積平均粒径(D50):30μm)を密に
配置し、120℃で9分間保持した後、常温まで冷却し
て、下塗り透明層に透明ビーズを埋設した。
【0039】−光吸収層形成工程− 次に、光吸収層用塗布液(カーボンブラックが分散した
アクリル系塗液、界面活性剤の含有量:0重量%)をワ
イヤーバーにて塗布し、光吸収層(乾燥後の厚み:8μ
m)を形成した。
【0040】−除去工程− 前記光吸収層の余剰部を、低温灰化装置(装置名:コン
パクトエッチャーFA−1、(株)サムコインターナシ
ョナル研究所製、設定条件:圧力:100Pa、出力:
100W)による酸素プラズマエッチングで除去し、光
拡散フィルムを得た。
【0041】<測定・評価>下記測定方法により、得ら
れた光拡散フィルムの濃度ムラ(面状故障)、透過効
率、視野角特性を測定・評価した。結果を表1に示す。
【0042】−濃度ムラ(面状故障)の測定・評価− 濃度ムラ(面状故障)は、下記評価基準により官能評価
した。
【0043】−−濃度ムラの評価基準−− ・○・・・濃度ムラが殆んど無い。 ・△・・・濃度ムラは有るが、実用上問題無い。 ・×・・・かなりの濃度ムラが有り、実用上問題有り。
【0044】−透過効率の測定・評価− 透過効率は、JISK 7361−1に準じ、ヘイズメ
ーター(HR100:(株)村上色彩技術研究所製)で
測定し、下記評価基準により評価した。
【0045】−−透過効率の評価基準−− ・○・・・透過効率が優れている。 ・△・・・透過効率は、実用上問題無い。 ・×・・・透過効率が悪い。
【0046】−視野角特性の測定・評価− 視野角特性は、テストサンプルに、拡がり角が5度以内
の光を垂直に照射し、テストサンプルを透過した光の放
射強度分布をシリコンフォトダイオードをセンサーとす
る装置で測定し、下記評価基準により評価した。
【0047】−−視野角特性の評価基準−− ・○・・・視野角特性が優れている。 ・△・・・視野角特性は、実用上問題無い。 ・×・・・視野角特性が悪い。
【0048】(実施例2)「実施例1」の「埋設工程」
において、透明ビーズの体積平均粒径(D50)を6μm
に変え、下塗り透明層の乾燥後の厚みを1.2μm、光
吸収層の乾燥後の厚みを2.0μmに変えたほかは、
「実施例1」と同様にして光拡散フィルムを得、実施例
1と同様にして、「濃度ムラ(面状故障)」、「透過効
率」、「視野角特性」を測定・評価した。結果を表1に
示す。
【0049】(実施例3)「実施例1」の「埋設工程」
において、透明ビーズとして、F系シランカップリング
液中に1時間浸漬して表面疎水化処理したものを用いた
ほかは、「実施例1」と同様にして光拡散フィルムを
得、実施例1と同様にして、「濃度ムラ(面状故
障)」、「透過効率」、「視野角特性」を測定・評価し
た。結果を表1に示す。
【0050】(実施例4)「実施例1」の「埋設工程」
において、透明ビーズとして、10%水酸化ナトリウム
液中に1時間浸漬して表面親水化処理したものを用いた
ほかは、「実施例1」と同様にして光拡散フィルムを
得、実施例1と同様にして、「濃度ムラ(面状故
障)」、「透過効率」、「視野角特性」を測定・評価し
た。結果を表1に示す。
【0051】(実施例5)「実施例1」の「埋設工程」
の後、透明ビーズ上にシリコーンゴム(厚み:1mm、
300×210mm)を載せて加熱(120℃)・加圧
(0.01kg重cm-2)したほかは、「実施例1」と
同様にして光拡散フィルムを得、実施例1と同様にし
て、「濃度ムラ(面状故障)」、「透過効率」、「視野
角特性」を測定・評価した。結果を表1に示す。
【0052】(比較例1)「実施例1」において、「除
去工程」を設けなかった外は、「実施例1」と同様にし
て光拡散フィルムを得、実施例1と同様にして、「濃度
ムラ(面状故障)」、「透過効率」、「視野角特性」を
測定・評価した。結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】実施例1では、得られた光拡散フィルムを
用いた液晶表示装置の観察により、該光拡散フィルム
は、家庭用テレビ等、観察者が2m程度距離を置いて観
察する液晶表示装置などに特に好適であった。実施例2
では、得られた光拡散フィルムを用いた液晶表示装置の
観察により、該光拡散フィルムは、卓上表示装置等、観
察者が300mm程度の近距離で観察する液晶表示装置
などに特に好適であり、近距離であっても、観察者にと
って滑らかな画像が視認された。
【0055】実施例3では、透明ビーズを表面疎水化処
理しているため、他の実施例に比べ、特に濃度ムラが無
く、優れていた。また、光吸収層の除去も容易であっ
た。実施例4では、透明ビーズを表面親水化処理してい
るため、他の実施例に比べ多少濃度ムラが有り、光吸収
層の除去も若干容易でなかったものの、実用上問題は無
かった。
【0056】実施例5では、透明ビーズ上にシリコーン
ゴムを載せて加熱・加圧しているため、透明ビーズが充
分、かつ、均一に下塗り透明層に埋設され、特に透過効
率が高かった。比較例1では、除去工程を設けなかった
ため、濃度ムラ、視野角特性、共に劣っていた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、光の出射部分の均一性
が高く、余分な光吸収層が除去され光入射部分の面積が
大きいことから、透過効率が高く、視野角特性に優れ、
濃度ムラの少ない光拡散フィルムの製造方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来公知の液晶表示装置の概略図である。
【図2】 液晶パネル及び光拡散フィルムに平行光線束
が入射した状態を説明する図である。
【図3】 従来の光拡散フィルムの製造方法を説明する
図である。
【符号の説明】
2:液晶パネル 4:バックライト部 6:光拡散フィルム 10:透明基材 12:下塗り透明層 14,142,143:透明ビーズ 20:光吸収層 100:液晶表示装置
フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA04 BA15 BA20 4D075 AC19 AE06 BB05Y BB20Z BB23Y BB29Y BB45Z BB49Z CA47 CB03 CB06 CB07 DA04 DA06 DB13 DB36 DB37 DB38 DB43 DB48 DB53 DB55 DC24 EA01 EB07 EB08 EB13 EB14 EB15 EB17 EB19 EB22 EB35 EB38 EB42 EC24 EC35 EC54

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材表面に、下塗り透明層を形成
    し、該下塗り透明層に透明ビーズを埋設し、光吸収層用
    塗布液を塗布して光吸収層を形成した後、該光吸収層の
    余剰部を除去することを特徴とする光拡散フィルムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 除去が、低温プラズマエッチングにより
    行われる請求項1に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 低温プラズマエッチングが、酸素プラズ
    マエッチングである請求項2に記載の光拡散フィルムの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 透明ビーズの体積平均粒径(D50)が、
    0.5〜20μmである請求項1から3のいずれかに記
    載の光拡散フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 透明ビーズの体積平均粒径(D50)が、
    0.5〜50μmである請求項1から4のいずれかに記
    載の光拡散フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 光吸収層用塗布液における界面活性剤の
    含有量が、0.10重量%以下である請求項1から5の
    いずれかに記載の光拡散フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 透明ビーズが、表面疎水化処理されたも
    のである請求項1から6のいずれかに記載の光拡散フィ
    ルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 下塗り透明層上に透明ビーズを載せ、加
    熱することにより該透明ビーズを該下塗り透明層に埋設
    させる請求項1から7のいずれかに記載の光拡散フィル
    ムの製造方法。
  9. 【請求項9】 透明ビーズ上に伝熱性可撓性物質を載せ
    加圧する請求項8に記載の光拡散フィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 伝熱性可撓性物質が、シリコーンゴム
    である請求項9に記載の光拡散フィルムの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100624307B1 (ko) 2005-02-23 2006-09-19 제일모직주식회사 표시장치용 저반사율의 휘도 향상 다층 광학필름 및 이를이용한 유기발광다이오드 표시장치
JP2008216743A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Refuraito Kk バックライトユニット用光学シートの製造方法

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