JP2002241540A - 油展1,2−ポリブタジエンおよびその製造方法 - Google Patents

油展1,2−ポリブタジエンおよびその製造方法

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JP2002241540A JP2001037842A JP2001037842A JP2002241540A JP 2002241540 A JP2002241540 A JP 2002241540A JP 2001037842 A JP2001037842 A JP 2001037842A JP 2001037842 A JP2001037842 A JP 2001037842A JP 2002241540 A JP2002241540 A JP 2002241540A
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征希 前田
Junji Kamishina
順二 神品
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稔 古市
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性に優れ、耐摩耗性が向上した油展1,
2−ポリブタジエンを提供すること。 【解決手段】 (A)1,2−ポリブタジエンに、
(B)伸展油を含有してなる油展1,2−ポリブタジエ
ン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な油展1,2
−ポリブタジエンに関する。詳しくは、工業部品や履き
物などの各種成形品や、各種シート、フィルムなどを成
形するための熱可塑性エラストマーとして、さらには加
硫用重合体として用いられる新規な油展1,2−ポリブ
タジエンに関する。
【0002】
【従来の技術】適度な結晶化度に制御した1,2−ポリ
ブタジエンは、結晶性に富んだ領域と非晶性部とからな
る構造を有するため、熱可塑性エラストマーとしての機
能だけでなく、分子中に化学反応性に富んだ炭素−炭素
二重結合を有しているため、従来の加物や架橋密度を高
めた熱硬化性樹脂の機能も有する。また、この1,2−
ポリブタジエンは、優れた加工性を有することから、他
の樹脂や熱可塑性エラストマーの改質材、医療用高分子
材料として応用されている。ところで、これらの結晶化
度の制御された1,2−ポリブタジエンは、その優れた
加工性に加え、より高度な性能(特に耐摩耗性)を要求
されるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の1,
2−ポリブタジエンの特徴である優れた加工性を有し、
さらに耐摩耗性に優れた油展1,2−ポリブタジエンを
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)1,2
−ポリブタジエン100重量部に対し、(B)伸展油1
〜200重量部を含有してなることを特徴とする、油展
1,2−ポリブタジエンに関する。ここで、(A)1,
2−ポリブタジエンは、シンジオタクチック1,2−ポ
リブタジエンが好ましい。また、(A)1,2−ポリブ
タジエンの重量平均分子量は、1万〜500万が好まし
い。さらに、(A)1,2−ポリブタジエンの1,2−
結合含有量は、70%以上が好ましい。さらに、(B)
伸展油の粘度比重恒数(V.G.C.値)は、0.79
0〜0.999好ましい。以上の油展1,2−ポリブタ
ジエンは、(A)1,2−ポリブタジエン溶液100重
量部(固形分換算)に対し、(B)伸展油1〜200重
量部を溶液状態で混合する第1工程と、脱溶剤の第2工
程を含む、油展1,2−ポリブタジエンの製造方法によ
って得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】(A)1,2−ポリブタジエン 本発明に用いられる1,2−ポリブタジエンは、例え
ば、1,2−結合含有量が70%以上のものであれば、
いかなる1,2−ポリブタジエンでもよいが、好ましく
は、コバルト化合物およびアルミノオキサンを含有する
触媒の存在下に、ブタジエンを重合して得られるもので
ある。
【0006】本発明の1,2−ポリブタジエンのブタジ
エン結合単位における1,2−結合含有量は、70%以
上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以
上である。1,2−結合含有量が70重量%以上である
ことにより、本発明の1,2−ポリブタジエンが良好な
熱可塑性エラストマーとしての性質が発揮される。
【0007】なお、本発明の1,2−ポリブタジエン
は、結晶性を有する1,2−ポリブタジエンが好まし
く、その融点は、好ましくは50〜130℃、さらに好
ましくは60〜120℃の範囲にある。融点がこの範囲
にあることにより、引張強度、引裂強度などの力学強度
と柔軟性のバランスに優れる結果となる。
【0008】本発明の1,2−ポリブタジエンは、ブタ
ジエン以外の共役ジエンが少量共重合していてもよい。
ブタジエン以外の共役ジエンとしては、1,3−ペンタ
ジエン、高級アルキル基で置換された1,3−ブタジエ
ン誘導体、2−アルキル置換−1,3−ブタジエンなど
が挙げられる。このうち、高級アルキル基で置換された
1,3−ブタジエン誘導体としては、1−ペンチル−
1,3−ブタジエン、1−ヘキシル−1,3−ブタジエ
ン、1−ヘプチル−1,3−ブタジエン、1−オクチル
1,3−ブタジエンなどが挙げられる。
【0009】ここで、2−アルキル置換−1,3−ブタ
ジエンの代表的なものは、2−メチル−1,3−ブタジ
エン(イソプレン)、2−エチル−1,3−ブタジエ
ン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロ
ピル−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタ
ジエン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−ア
ミル−1,3−ブタジエン、2−イソアミル−1,3−
ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2−
シクロヘキシル−1,3−ブタジエン、2−イソヘキシ
ル−1,3−ブタジエン、2−ヘプチル−1,3−ブタ
ジエン、2−イソヘプチル−1,3−ブタジエン、2−
オクチル−1,3−ブタジエン、2−イソオクチル−
1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジ
エンのなかで、ブタジエンと共重合される好ましい共役
ジエンとしては、イソプレン、1,3−ペンタジエンが
挙げられる。重合に供される単量体成分中のブタジエン
の含有量は50モル%以上、特には70モル%以上が好
ましい。
【0010】本発明の1,2−ポリブタジエンは、上述
したように、好ましくは、コバルト化合物およびアルミ
ノオキサンを含有する触媒の存在下に、ブタジエンを重
合して得られる。上記コバルト化合物としては、好まし
くは炭素数4以上のコバルトの有機酸塩を挙げることが
できる。このコバルトの有機酸塩の具体例として、酪酸
塩、ヘキサン酸塩、ヘプチル酸塩、2−エチル−ヘキシ
ル酸などのオクチル酸塩、デカン酸塩や、ステアリン
酸、オレイン酸、エルカ酸などの高級脂肪酸塩、安息香
酸塩、トリル酸塩、キシリル酸塩、エチル安息香酸など
のアルキル、アラルキル、アリル置換安息香酸酸塩やナ
フトエ酸塩、アルキル、アラルキルもしくはアリル置換
ナフトエ酸塩を挙げることができる。これらのうち、2
−エチルヘキシル酸のいわゆるオクチル酸塩や、ステア
リン酸塩、安息香酸塩が、炭化水素溶媒への優れた溶解
性のために好ましい。
【0011】上記アルミノオキサンとしては、例えば下
記一般式(I)または一般式(II)で表されるものを挙
げることができる。
【0012】
【化1】
【0013】この一般式(I)あるいは(II)で表され
るアルミノオキサンにおいて、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好
ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメ
チル基である。また、mは、2以上、好ましくは5以
上、さらに好ましくは10〜100の整数である。アル
ミノオキサンの具体例としては、メチルアルミノオキサ
ン、エチルアルミノオキサン、プロピルアルミノオキサ
ン、ブチルアルミノオキサンなどを挙げることができ、
メチルアルミノオキサンが特に好ましい。
【0014】重合触媒は、上記コバルト化合物とアルミ
ノオキサン以外に、ホスフィン化合物を含有することが
極めて好ましい。ホスフィン化合物は、重合触媒の活性
化、ビニル結合構造および結晶性の制御に有効な成分で
あり、好ましくは下記一般式(III)で表される有機リ
ン化合物を挙げることができる。
【0015】P(Ar)n(R)3-n ……(III) 一般式(III)中、Arは下記で示される基を示す。
【0016】
【化2】
【0017】(上記基において、R1,R2,R3は、同
一または異なって、水素原子、炭素数が好ましくは1〜
6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数が好ましくは1
〜6のアルコキシ基または炭素数が好ましくは6〜12
のアリール基を表す。)また、一般式(III)中、Rは
シクロアルキル基、アルキル置換シクロアルキル基を示
し、nは0〜3の整数である。
【0018】一般式(III)で表されるホスフィン化合
物としては、具体的に、トリ−(3−メチルフェニル)
ホスフィン、トリ−(3−エチルフェニル)ホスフィ
ン、トリ−(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、
トリ−(3,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ
−(3−イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリ−
(3−t−ブチルフェニル)ホスフィン、トリ−(3,
5−ジエチルフェニル)ホスフィン、トリ−(3−メチ
ル−5−エチルフェニル)ホスフィン)、トリ−(3−
フェニルフェニル)ホスフィン、トリ−(3,4,5−
トリメチルフェニル)ホスフィン、トリ−(4−メトキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ−
(4−エトキシ−3,5−ジエチルフェニル)ホスフィ
ン、トリ−(4−ブトキシ−3,5−ジブチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニルホスフィ
ン)、トリシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシ
ルフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリ
(4−メチルフェニルホスフィン)、トリ(4−エチル
フェニルホスフィン)などを挙げることができる。これ
らのうち、特に好ましいものとしては、トリフェニルホ
スフィン、トリ−(3−メチルフェニル)ホスフィン、
トリ−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホ
スフィンなどが挙げられる。
【0019】また、コバルト化合物として、下記一般式
(IV)で表される化合物を用いることができる。
【0020】
【化3】
【0021】上記一般式(IV)で表される化合物は、塩
化コバルトに対し前記一般式(III)においてnが3であ
るホスフィン化合物を配位子に持つ錯体である。このコ
バルト化合物の使用に際しては、あらかじめ合成したも
のを使用してもよいし、あるいは重合系中に塩化コバル
トとホスフィン化合物を接触させる方法で使用してもよ
い。錯体中のホスフィン化合物を種々選択することによ
り、得られる1,2−ポリブタジエンの1,2−結合の
量、結晶化度の制御を行なうことができる。
【0022】上記一般式(IV)で表されるコバルト化合
物の具体例としては、コバルトビス(トリフェニルホス
フィン)ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3−メ
チルフェニルホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビ
ス〔トリス(3−エチルフェニルホスフィン)〕ジクロ
ライド、コバルトビス〔トリス(4−メチルフェニルホ
スフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス
(3,5−ジメチルフェニルホスフィン)〕ジクロライ
ド、コバルトビス〔トリス(3,4−ジメチルフェニル
ホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス
(3−イソプロピルフェニルホスフィン)〕ジクロライ
ド、コバルトビス〔トリス(3−t−ブチルフェニルホ
スフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス
(3,5−ジエチルフェニルホスフィン)〕ジクロライ
ド、コバルトビス〔トリス(3−メチル−5−エチルフ
ェニルホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔ト
リス(3−フェニルフェニルホスフィン)〕ジクロライ
ド、コバルトビス〔トリス(3,4,5−トリメチルフ
ェニルホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔ト
リス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルホスフ
ィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4−エ
トキシ−3,5−ジエチルフェニルホスフィン)〕ジク
ロライド、コバルトビス〔トリス(4−ブトキシ−3,
5−ジブチルフェニルホスフィン)〕ジクロライド、コ
バルトビス〔トリス(4−メトキシフェニルホスフィ
ン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3−メト
キシフェニルホスフィン)〕ジクロライド、コバルトビ
ス〔トリス(4−ドデシルフェニルホスフィン)〕ジク
ロライド、コバルトビス〔トリス(4−エチルフェニル
ホスフィン)〕ジクロライドなどを使用することができ
る。
【0023】これらのうち、特に好ましいものとして
は、コバルトビス(トリフェニルホスフィン)ジクロラ
イド、コバルトビス〔トリス(3−メチルフェニルホス
フィン)〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3,
5−ジメチルフェニルホスフィン)〕ジクロライド、コ
バルトビス〔トリス(4−メトキシ−3,5−ジメチル
フェニルホスフィン)〕ジクロライドなどが挙げられ
る。
【0024】触媒の使用量は、ブタジエンの単独重合の
場合は、ブタジエン1モル当たり、共重合する場合は、
ブタジエンとブタジエン以外の共役ジエンとの合計量1
モル当たり、コバルト化合物を、コバルト原子換算で
0.001〜1ミリモル、好ましくは0.01〜0.5
ミリモル程度使用する。また、ホスフィン化合物の使用
量は、コバルト原子に対するリン原子の比(P/Co)
として、通常、0.1〜50、好ましくは0.5〜2
0、さらに好ましくは1〜20である。さらに、アルミ
ノオキサンの使用量は、コバルト化合物のコバルト原子
に対するアルミニウム原子の比(Al/Co)として、
通常、4〜107、好ましくは10〜106である。な
お、一般式(IV)で表される錯体を用いる場合は、ホス
フィン化合物の使用量がコバルト原子に対するリン原子
の比(P/Co)が2であるとし、アルミノオキサンの
使用量は、上記の記載に従う。
【0025】重合溶媒として用いられる不活性有機溶媒
としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ンなどの芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキ
サン、n−ブタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、シクロペ
ンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンなどの
脂環族炭化水素溶媒およびこれらの混合物が挙げられ
る。
【0026】重合温度は、通常、−50〜120℃で、
好ましくは−20〜100℃である。重合反応は、回分
式でも、連続式でもよい。なお、溶媒中の単量体濃度
は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜35重量
%である。また、重合体を製造するために、本発明の触
媒および重合体を失活させないために、重合系内に酸
素、水あるいは炭酸ガスなどの失活作用のある化合物の
混入を極力なくすような配慮が必要である。重合反応が
所望の段階まで進行したら反応混合物をアルコール、そ
の他の重合停止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤などを添加し、次いで通常の方法に従って生成重合
体を分離、洗浄、乾燥して本発明に用いられる1,2−
ポリブタジエンを得ることができる。
【0027】本発明に用いられる(A)1,2−ポリブ
タジエンの重量平均分子量は、好ましくは1万〜500
万、さらに好ましくは1万〜150万、特に好ましくは
5万〜100万である。重量平均分子量が1万未満では
油展後の流動性が極端に高く、以後の加工が非常に困難
となり、一方、500万を超えると油展後の流動性が極
端に低く、加工が非常に困難となり好ましくない。
【0028】本発明に用いられる(A)1,2−ポリブ
タジエンは、単独で、架橋を行わない状態でも十分な強
度が得られるため、射出成形、押し出し成形など工業部
品やフィルム用途などの非架橋成形用途に好適である。
また、架橋反応性にも優れるため、架橋重合体用途や加
硫用重合体の反応助剤用途などにも好適に用いられる。
その際、加工方法としては特に制限はなく、通常の樹
脂、ゴム加工時に用いられるロール、ニーダー、バンバ
リーミキサー、スクリュー押出機、フィーダールーダー
押出機などを用いた溶融混練りなどによる混合が可能で
ある。
【0029】(B)伸展油 上述した(A)1,2−ポリブタジエンを油展して、本
発明の油展1,2−ポリブタジエンを調製するために用
いる伸展油としては、ジエン系重合体に対して通常用い
られる伸展油や軟化剤であれば特に制限はないが、例え
ば、鉱物油系の伸展油を好適例として挙げることができ
る。
【0030】鉱物油系の伸展油としては、好ましくは粘
度比重恒数(または粘度比重定数という。以下、V.
G.C.と略す。)で0.790〜0.999、さらに
好ましくはV.G.C.が0.790〜0.949、特
に好ましくはV.G.C.が0.790〜0.912の
ものである。伸展油としては、一般にアロマティック系
伸展油、ナフテン系伸展油、パラフィン系伸展油が知ら
れている。
【0031】このうち、上記粘度比重恒数を満たすアロ
マティック系伸展油としては、出光興産(株)製の、ダ
イアナプロセスオイルAC−12,AC460,AH−
16,AH−58、モービル石油(株)製の、モービル
ゾールK,同22,同130、日鉱共石(株)製の、共
石プロセスX50,X100,X140、シェル化学
(株)製の、レゾックスNo.3、デュートレックス72
9UK、日本石油(株)製の、コウモレックス200,
300,500,700、エッソ石油(株)製の、エッ
ソプロセスオイル110,同120、三菱石油(株)製
の、三菱34ヘビープロセス油、三菱44ヘビープロセ
ス油、三菱38ヘビープロセス油、三菱39ヘビープロ
セス油などが挙げられる。
【0032】また、上記粘度比重恒数を満たすナフテン
系伸展油としては、出光興産(株)製の、ダイアナプロ
セスオイルNS−24,NS−100,NM−26,N
M−280,NP−24、モービル石油(株)製のナプ
レックス38、富士興産(株)製の、フッコールFLE
X#1060N,#1150N,#1400N,#20
40N,#2050N、日鉱共石(株)製の、共石プロ
セスR25,R50,R200,R1000、シェル化
学(株)製の、シェルフレックス371JY,同371
N,同451,同N−40,同22,同22R,同32
R,同100R,同100S,同100SA,同220
RS,同220S,同260,同320R,同680、
日本石油(株)製のコウモレックス2号プロセスオイ
ル、エッソ石油(株)製の、エッソプロセスオイルL−
2,同765、三菱石油(株)製の三菱20ライトプロ
セス油などが挙げられる。
【0033】さらに、上記粘度比重恒数を満たすパラフ
ィン系伸展油としては、出光興産(株)製の、ダイアナ
プロセスオイルPW−90,PW−380,PS−3
2,PS−90,PS−430、富士興産(株)製の、
フッコールプロセスP−100,P−200,P−30
0,P400,P−500、日鉱共石(株)製の、共石
プロセスP−200,P−300,P−500,共石E
PT750,同1000,共石プロセスS90、シェル
化学(株)製の、ルブレックス26,同100,同46
0、エッソ石油(株)製の、エッソプロセスオイル81
5,同845,同B−1、モービル石油(株)製のナプ
レックス32、三菱石油(株)製の三菱10ライトプロ
セス油などが挙げられる。
【0034】このように、(A)1,2−ポリブタジエ
ンが(B)伸展油によって油展されていることにより、
カーボンブラック、シリカなどの充填剤を(A)1,2
−ポリブタジエンに均一に微分散させることが可能にな
り、加工性、加硫物の諸特性を著しく向上させることが
できる。また、これにより、驚くべきことに、得られる
油展1,2−ポリブタジエンや加硫物の機械的強度、特
に耐摩耗性を向上させることができる。
【0035】本発明に用いられる(B)伸展油の配合量
は、(A)1,2−ポリブタジエン100重量部に対し
て、1〜200重量部、好ましくは10〜100重量
部、さらに好ましくは15〜80重量部、特に好ましく
は20〜70重量部である。1重量部未満では、耐摩耗
性向上効果や加工性に乏しく、一方、200重量部を超
えると、著しく軟質化し加工性に劣る。
【0036】油展方法としては特に制限はなく、例え
ば、(A)1,2−ポリブタジエンの重合溶液に(B)
伸展油を添加し、溶液状態で混合する方法を挙げること
ができる。この方法は、操作上、(A)1,2−ポリブ
タジエンと(B)伸展油とを混合する過程を省略するこ
とができ、両者の混合均一性に優れる点から好ましい。
重合溶液に伸展油を添加する場合は、重合の終了後、例
えば、末端変性剤の添加後または重合停止剤の添加後が
好ましい。有機溶剤を含む重合体溶液中に、(B)伸展
油を必要量添加して、溶液状態でよく混合する(第1工
程)。次に、(B)伸展油を含む重合体溶液中にスチ
ームを吹き込むスチームストリッピング法によってクラ
ムを得るか、あるいは伸展油を含む重合体溶液をエク
ストルーダー、デボラチライザーなどの手段により、直
接、脱溶剤を行なって、油展1,2−ポリブタジエンと
溶剤とを分離する(第2工程)。得られた油展1,2−
ポリブタジエンは、必要に応じて、真空乾燥機、熱風乾
燥機やロールなどにより乾燥し(第3工程)、目的とす
る油展1,2−ポリブタジエンを単離することができ
る。また、油展方法として、(A)1,2−ポリブタジ
エンと(B)伸展油とを溶融状態でブレンドして、油展
1,2−ポリブタジエンを調製することもできる。この
場合、ブレンド方法としては、単軸押し出し機、二軸押
し出し機、バンバリー、ロール、ニーダー、プラストミ
ルなどが採用され、溶融混練温度は140〜160℃が
好適である。
【0037】熱可塑性重合体組成物 本発明の油展1,2−ポリブタジエンは、必要に応じ
て、(A)1,2−ポリブタジエン以外の他のジエン系
重合体や、各種の配合剤を配合することにより、熱可塑
性重合体組成物として調製することができる。調製した
重合体組成物は、所望の形状に成形した後、加硫処理を
施して加硫物とすることができる。以下、各構成要素ご
とに具体的に説明する。
【0038】ここで、上記重合体組成物は、本発明の油
展1,2−ポリブタジエンを主成分として(全重合体成
分の30重量%以上、好ましくは、50重量%以上)含
有するものである。
【0039】他のジエン系重合体;ここで、本発明で必
要に応じて用いられる他のジエン系重合体としては、例
えば、本発明の(A)1,2−ポリブタジエン以外の共
役ジオレフィン−ビニル芳香族化合物系共重合体、シス
1,4−ポリイソプレン、天然ゴム、3,4−ポリイソ
プレン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イ
ソプレン/ブタジエン共重合体、シス1,4−ポリブタ
ジエン、トランス1,4−ポリブタジエン、低〜高ビニ
ルポリブタジエン(ビニル含量10〜90%)、アクリ
ロニトリル/ブタジエン共重合体およびクロロプレンゴ
ムからなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体成分
を好適例として挙げることができる。他のジエン系重合
体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、20〜2
00が好ましく、25〜150がさらに好ましい。
【0040】他のジエン系重合体の配合量は、(A)成
分の配合量(全重合体成分の30重量%以上、好ましく
は、50重量%以上)を満足させる範囲(他のジエン系
重合体の配合量としては、全重合体成分の、好ましく
は、70重量%未満、さらに好ましくは、50重量%未
満)であればよい。このような他のジエン系重合体を上
記の範囲で用いることにより、本発明の重合体組成物の
性能を実質上損なうことなく、低コストで本発明の組成
物を製造することができる。
【0041】充填剤(補強剤);本発明の重合体組成物
に配合される充填剤(補強剤)としては、例えば、カー
ボンブラック、シリカ、カーボン−シリカデュアル・フ
ェイズ・フィラー、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどを挙げることができる。中でも、カーボン
ブラックとシリカとの併用、カーボン−シリカデュアル
・フェイズ・フィラーの使用またはカーボン−シリカデ
ュアル・フェイズ・フィラーとカーボンブラックおよび
/またはシリカとの併用が好ましい。
【0042】カーボンブラックカーボンブラックとして
は、ファーネス法により製造されたものであって、窒素
吸着比表面積が50〜200m2/g、DBP吸油量が
80〜200ml/100gのカーボンブラックが好ま
しく、例えば、FEF,HAF,ISAF,SAFクラ
スなどのものを挙げることができる。中でも、高凝集タ
イプのものが好ましい。
【0043】カーボンブラックの配合量は、(A)1,
2−ポリブタジエンと他のジエン系重合体との合計量1
00重量部に対して、好ましくは、2〜100重量部、
さらに好ましくは5〜95重量部である。
【0044】シリカとしては、例えば、湿式法シリカ、
乾式法シリカ、合成ケイ酸塩系シリカなどを挙げること
ができる。補強効果の高いのは粒子径の小さいシリカで
あり、小粒子・高凝集タイプ(高表面積、高吸油性)の
ものが重合体ヘの分散性が良好で、物性及び加工性の面
で好ましい。シリカの平均粒径は、一次粒子径で、好ま
しくは、5〜60μm、さらに好ましくは、10〜35
μmである。また、その比表面積(BET法)は、好ま
しくは、45〜280m2/gである。
【0045】シリカの配合量は、(A)1,2−ポリブ
タジエンと他のジエン系重合体との合計量100重量部
に対して、好ましくは、30〜100重量部、さらに好
ましくは、30〜95重量部である。
【0046】また、カーボンブラックとシリカとを併用
して配合することも可能であり、その際の配合量は、カ
ーボンブラックとシリカの合計量として、好ましくは、
30〜100重量部、さらに好ましくは30〜95重量
部である。
【0047】上述の油展1,2−ポリブタジエンに上記
カーボンブラックとシリカを上記の範囲で配合すること
により、これら補強作用のある充填剤が、重合体に均一
に微分散し、ロール加工性、押出性などに優れ、加硫物
の機械的強度を向上させ、さらに耐摩耗性に優れたもの
とすることができる。
【0048】また、上記重合体組成物においては、カー
ボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラー(Dual
Phase Fi11er:カーボン−シリカ二重相フ
ィラー)を単独で、またはカーボンブラックおよび/ま
たはシリカと併用して配合することができる。カーボン
−シリカデュアル・フェイズ・フィラーを配合すること
により、それ単独で用いた場合であっても、カーボンブ
ラックとシリカとを併用したときと同様な優れた利点を
得ることができる。カーボン−シリカデュアル・フェイ
ズ・フィラーは、カーボンブラックの表面に、シリカを
化学結合させた、いわゆるシリカ・コーティング・カー
ボンブラックであり、キャボット社から商品名CRX2
000,CRX2002,CRX2006として市販さ
れている。カーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィ
ラーの配合量は、(A)1,2−ポリブタジエンと他の
ジエン系重合体の合計量100重量部に対して、好まし
くは、30〜100重量部、さらに好ましくは30〜9
5重量部である。
【0049】また、上記重合体組成物では、カーボン−
シリカデュアル・フェイズ・フィラーをそれ以外の充填
剤と併用することができる。併用できる充填剤としては
特に制限はなく、例えば、上述のカーボンブラックおよ
び/またはシリカ、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウムなどを挙げることができる。中でも、カーボン
ブラックおよび/またはシリカが好ましい。これらの併
用できる充填剤は、カーボン−シリカデュアル・フェイ
ズ・フィラーと合わせて、(A)1,2−ポリブタジエ
ンと他のジエン系重合体との合計量100重量部に対し
て、好ましくは、3〜100重量部、さらに好ましく
は、5〜95重量部である。
【0050】上記充填剤として、シリカを配合する場
合、またカーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラ
ーを配合する場合は、シランカップリング剤を配合する
ことが好ましく、その配合量は、シリカおよび/または
カーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラ−100
重量部に対して、好ましくは、1〜20重量部、さらに
好ましくは、5〜15重量部である。
【0051】シランカップリング剤としては、分子中に
アルコキシシリル基などのシリカ表面と反応可能な官能
基とポリスルフィド、メルカプト基、エポキシ基など
の、重合体の炭素−炭素二重結合と反応可能な官能基を
併せ持ったものが好ましい。例えば、ビス−(3−トリ
エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−
(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−トリ
エトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバ
モイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロ
ピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどを挙げるこ
とができる。このようなシランカップリング剤を用いる
ことにより、カーボンブラックとシリカを併用して充填
剤に使用した場合に、またはカーボン−シリカデュアル
・フェイズ・フィラーを充填剤に使用した場合に、その
補強効果を高めることができる。
【0052】上記重合体組成物には、加硫剤を、(A)
1,2−ポリブタジエンと他のジエン系重合体との合計
量100重量部に対して、好ましくは、0.5〜10重
量部、さらに好ましくは、1〜6重量部の範囲で用いる
ことができる。
【0053】加硫剤としては、代表的には硫黄を、ま
た、その他に硫黄含有化合物、過酸化物などを挙げるこ
とができる。
【0054】また、加硫剤と併用してスルフェンアミド
系、グアニジン系、チウラム系などの加硫促進剤を必要
に応じた量用いてもよい。さらに、亜鉛華、加硫助剤、
老化防止剤、加工助剤などを必要に応じた量用いてもよ
い。
【0055】上記重合体組成物は、本発明の油展1,2
−ポリブタジエン、必要に応じて用いられる、他のジエ
ン系重合体、充填剤(カーボンブラック、シリカ、カー
ボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラーなど)、シ
ランカップリング剤、その他の添加剤などをハンバリー
ミキサーなどの混練機を使用して、140〜180℃の
温度で混練することにより調製することができる。得ら
れる混合物を冷却後、さらに硫黄などの加硫剤および加
硫促進剤などをハンバリーミキサーやミキシングロール
を用いて配合し、所定の形状に成形後、140〜180
℃の温度で加硫して、任意形状の加硫物、すなわち加硫
物製品を製造することができる。
【0056】上記重合体組成物は、トレッド、サイドウ
ォール、カーカスなどのタイヤ用途に好適に用いること
ができ、また、ベルト、ホース、防振ゴム、履き物、ま
な板や(包丁)グリップなどの家庭用品、カーマットや
サイドモールなどの自動車内・外装用品、輸液チューブ
やシリンジなどの医療用品などのその他の工業用品にも
好適に用いることができる。
【0057】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら
制限を受けるものではない。なお、実施例中の各種の測
定は下記の方法に拠った。 (1)1,2−ビニル結合含有量 赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求めた。 (2)重量平均分子量 ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
(ウォーターズ社製、244型)を用いて、ポリスチレ
ン換算で求めた重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0058】(3)耐摩耗性:JIS K6264に従
い、DIN摩耗量(mm3)を評価した。 (4)メルトフローレート(加工性):ASTM D1
238に従い、測定温度150℃、荷重2.16kgで
実施した。単位はg/10minである。
【0059】(5)成形外観 下記に示す成形条件にて射出成形した成形品表面のフロ
ーマーク、肌荒れ、ブラッシュイング、シルバーストリ
ーク、ブルーイングなどを目視観察し、下記の3段階評
価を行った。 ◎:優れている。 ○:使用できないこともないが、上記特性に劣る。 ×:使用に耐えず不可 (成形条件) 成形機:インラインスクリュータイプ射出成形機 金型:2×70×150mmのダイレクトゲートの平板 成形温度:150℃ 射出圧力:660kg/cm2 フローコントロール:中位 インジェクション:10秒 冷却:50秒金型温度:30℃
【0060】また、以下の実施例および比較例で用いら
れた伸展油および他のジエン系重合体は、以下のとおり
である。伸展油 ダイアナプロセスオイルPS−32(出光興産)、V.
G.C.=0.8133 ダイアナプロセスオイルPW−380(出光興産)、
V.G.C.=0.7972 フッコールフレックス#2050N(富士興産)、V.
G.C.=0.8376他のジエン系重合体 TR1600:ジェイエスアール(株)製、油展スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
【0061】参考例1(重合体Aの調製) 内容積20Lの攪拌機を装備した縦型反応器に、シクロ
ヘキサン/n−ヘプタン(重量比80:20)混合溶媒
を8,000g、および1,3−ブタジエン1,600
gを加え、メチルアルミノオキサンのトルエン溶液
6.58g(1,3−ブタジエン/Alモル比で1,3
50)、コバルトビス[トリス(4−メチルフェニル)
ホスフィン]ジクロライドの塩化メチレン溶液 1.5
0g(1,3−ブタジエン/Coモル比で180,00
0)をシリンジで加え、重合温度を45℃にて重合スタ
ートとした。120分反応後、反応停止剤として2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含む少量のエタノ
ールを注入することによって、重合反応の停止を行っ
た。重合体Aの収量は90%(ポリマー重量として1.
44kg)であった。上記重合体Aの重量平均分子量は
約40万であり、1,2−結合含有量は93%であっ
た。
【0062】実施例1 撹拌機を備えた5リットルのSUS製容器に、参考例1
で得られたポリマー溶液2,000g(重合体Aとして
300g)を入れ、さらに伸展油としてダイアナプロセ
スオイルPS−32〔出光興産(株)製〕を52.9g
加えて、均一に撹拌した。次に、溶媒回収装置を使用
し、約1時間スチームストリップを行なった。ポリマー
塊を冷却した後、乾燥し、表1に示した所定の油展量で
ある油展1,2−ポリブタジエンを得た。結果を表1に
示す。
【0063】実施例2〜5、比較例1 参考例1で得られた重合体Aのポリマー溶液を用い、表
1に示す配合処方で伸展油を加えて、実施例1と同様に
して油展1,2−ポリブタジエンを得た。なお、比較例
1では、重合体Aに伸展油を添加しなかった。結果を表
1に示す。得られた油展1,2−ポリブタジエン(実施
例1〜5)は、優れた耐摩耗性、加工性を有しているの
に対し、比較例1では耐摩耗性が、加工性が低下してい
た。
【0064】実施例6〜10、比較例2〜3 また、これらの油展1,2−ポリブタジエンに、表2に
示すように、他のジエン系重合体として、それぞれ各2
0重量%の割合でTR1600〔油展SBSポリマー;
JSR(株)製〕をブレンドし、射出成形による成型外
観の評価を行った。なお、比較例2は、TR1600単
独の成形外観であり、非常に悪い。また、比較例3は、
油展されていない1,2−ポリブタジエン(重合体A単
独)を実施例同様ブレンドした系であり、その成形外観
は油展1,2−ポリブタジエンを使用した実施例6〜1
0に比べ、劣っていた。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】本発明の油展1,2−ポリブタジエンに
よれば、成形加工性、機械的強度、耐摩耗性に優れ、特
に耐摩耗性に優れている。このため、本発明の油展1,
2−ポリブタジエンは、熱可塑性エラストマーとしての
用途、例えば工業部品や履き物、まな板や(包丁)グリ
ップなどの家庭用品、カーマットやサイドモールなどの
自動車内・外装用品、輸液チューブやシリンジなどの医
療用品などのその他の各種成形品や、各種シート、フィ
ルムなどの用途に好適に使用される。また、その成形温
度は約150℃と熱可塑性エラストマーのなかでは低
く、エネルギー的にも優位である。また、本発明の1,
2−ポリブタジエンは、硫黄加硫可能であり、パーオキ
サイド架橋活性の高さ、フィラーや薬品の充填性に優れ
るため、加硫用重合体として、また他の加硫用重合体の
反応助剤として利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古市 稔 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA06 AC94 AE02 EA04 4J002 AC04W AE05X

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1,2−ポリブタジエン100重
    量部に対し、(B)伸展油1〜200重量部を含有して
    なることを特徴とする、油展1,2−ポリブタジエン。
  2. 【請求項2】 (A)1,2−ポリブタジエンがシンジ
    オタクチック1,2−ポリブタジエンである請求項1記
    載の油展1,2−ポリブタジエン。
  3. 【請求項3】 (A)1,2−ポリブタジエンの重量平
    均分子量が1万〜500万である請求項1または2記載
    の油展1,2−ポリブタジエン。
  4. 【請求項4】 (A)1,2−ポリブタジエンの1,2
    −結合含有量が70%以上である請求項1〜3いずれか
    1項記載の油展1,2−ポリブタジエン。
  5. 【請求項5】 (B)伸展油の粘度比重恒数(V.G.
    C.値)が0.790〜0.999である請求項1〜4
    いずれか1項記載の油展1,2−ポリブタジエン。
  6. 【請求項6】 (A)1,2−ポリブタジエン溶液10
    0重量部(固形分換算)に対し、(B)伸展油1〜20
    0重量部を溶液状態で混合する第1工程と、脱溶剤の第
    2工程を含む、油展1,2−ポリブタジエンの製造方
    法。
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