JP2002226659A - 難燃性塩化ビニル系樹脂成形体 - Google Patents
難燃性塩化ビニル系樹脂成形体Info
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Abstract
難燃性塩化ビニル系樹脂成形体を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂に少なくとも熱安定
剤、滑剤、モリブデン化合物を配合して所望の形状に成
形した成形体であって、モリブデン化合物を塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して金属モリブデンとして0.
05〜1.5重量部となるように配合した組成の難燃性
塩化ビニル系樹脂成形体とする。金属モリブデンが難燃
剤として作用するため難燃性が向上し、その添加量が
0.05〜1.5重量部と少量であるので、成形性に悪
影響を及ぼすことなく成形できるうえ、機械的強度も実
用的な強度を保持することができる。
Description
成形体の難燃性を向上させた難燃性塩化ビニル系樹脂成
形体に関するものである。
強度も高く、安価であって、耐薬品性も良好であるた
め、工業用材料、特に耐食工業用材料として半導体製造
装置をはじめ、あらゆる分野に広く利用されている。
ので、比較的良好な難燃性を有する反面、耐熱性が悪
く、200℃以上になると熱分解を起こし、有機物によ
る発煙を生じると同時に、塩素ガスや塩化水素ガス等の
腐食性ガスが発生する。そのため、この塩化ビニル樹脂
の成形体を使用している装置に火災が発生すると、該樹
脂の分解による煙とガスが発生する。
ハロゲン系等の難燃剤、或いは水酸化マグネシウム等の
含水化合物を配合した塩化ビニル樹脂組成物を用いて難
燃性塩化ビニル樹脂成形体が製造されている。
燃剤を配合した塩化ビニル樹脂成形体では、難燃性の向
上がそれほど図られず、また、水酸化マグネシウムを配
合した塩化ビニル樹脂成形体は、成形性や機械的強度が
実用的なものではなく、特に、押出し成形性に問題があ
った。
もので、難燃性と成形性と機械的強度を共に満足する難
燃性塩化ビニル系樹脂成形体を提供することを目的とす
る。
め、本発明の請求項1に係る難燃性塩化ビニル系樹脂成
形体は、塩化ビニル系樹脂に少なくとも熱安定剤、滑
剤、モリブデン化合物を配合して所望の形状に成形した
成形体であって、モリブデン化合物を塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して金属モリブデンとして0.05〜
1.5重量部となるように配合したことを特徴とするも
のである。
デンが難燃剤としての作用をなし、塩化ビニル系樹脂成
形体を難燃性にする。また、その添加量が0.05〜
1.5重量部と少量であるので、成形性に悪影響を及ぼ
すことなく成形できるうえ、機械的強度も実用的な強度
を保持することが出来る。
ビニル系樹脂成形体は、塩化ビニル系樹脂に少なくとも
熱安定剤、滑剤、モリブデン化合物を配合して所望の形
状に成形した成形体であって、モリブデン化合物を塩化
ビニル系樹脂100重量部に対して0.1〜2.5重量
部となるように配合したことを特徴とするものである。
物に含まれる金属モリブデンが難燃性を付与し、また、
モリブデン化合物の添加量が0.1〜2.5重量部と少
量であるので、成形性に悪影響を及ぼすことなく成形で
きるうえ、機械的強度も実用的な強度を保持することが
出来る。
ビニル系樹脂成形体は、上記請求項1又は2に記載の成
形体において、酸化チタンを0.1〜10重量部添加し
たことを特徴とするものであり、請求項4に係る難燃性
塩化ビニル系樹脂成形体は、上記請求項1〜3のいずれ
かの成形体において、塩素化ポリエチレンを2〜10重
量部添加したことを特徴とするものであり、請求項5に
係る難燃性塩化ビニル系樹脂成形体は、上記請求項1〜
4のいずれかの成形体において、カルシウム化合物を1
〜5重量部添加したことを特徴とするものであり、請求
項6に係る難燃性塩化ビニル系樹脂成形体は、上記請求
項1〜5のいずれかの成形体において、その塩化ビニル
系樹脂の塩素化度が58〜70%であることを特徴とす
るものである。
ンとモリブデン化合物との相乗効果により難燃性がさら
に向上し、上記請求項4の成形体によれば、塩素化ポリ
エチレンにより難燃性を損なうことなく機械的強度を向
上させることができ、上記請求項5の成形体によれば、
カルシウム化合物により成形性をさらに向上させること
ができ、上記請求項6の成形体によれば、塩化ビニル系
樹脂の高い塩素化度によって難燃性を一層向上させるこ
とができる。
を説明する。
の成形体であり、該成形体には、塩化ビニル系樹脂の成
形に必要な熱安定剤及び滑剤と、難燃剤としてのモリブ
デン化合物を少なくとも含有させている。そして、上記
のほかに、成形性を良くするための炭酸カルシウムや他
の加工助剤、難燃性を向上させるための酸化チタンやタ
ルクや水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の無
機化合物、機械的強度を向上させるための補強剤、成形
体の酸化を防止する抗酸化剤、耐候性を向上させるため
の紫外線吸収剤や光安定剤、或いは、着色剤などの添加
剤が適宜添加配合される。
56%である一般の塩化ビニル樹脂の他に、塩素化度が
60〜73%である後塩素化塩化ビニル樹脂、上記塩化
ビニル樹脂と上記後塩素化塩化ビニル樹脂との混合樹
脂、塩化ビニルと酢酸ビニルやエチレン等との共重合樹
脂、塩化ビニル樹脂と酢酸ビニル樹脂やアクリル樹脂等
との混合樹脂などが用いられる。塩化ビニル樹脂は、塩
素を約56%含むので難燃性を有するうえ、機械的強度
もあるし、耐薬品性もあって、半導体等の設備に用いら
れる耐腐食性材料として好ましい樹脂である。また、後
塩素化塩化ビニル樹脂は、塩素化度が60〜73%と高
く優れた難燃性を有する樹脂として、また熱変形温度が
高い成形品を得る樹脂として好ましく用いられる。しか
し、後塩素化塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル樹脂より成
形性と耐薬品性に劣るために、この両樹脂を混合した混
合樹脂を用いることで、成形性、耐薬品性、熱変形温度
を共に満足する成形品を得ることが可能となる。そし
て、この混合樹脂の塩素化度を58〜60%にすると、
上記の性能を十分発揮する成形品を得ることが出来る。
塩素化度が58%を下回ると、熱変形温度がそれほど向
上せず、60%を越えると、成形性や耐薬品性が悪くな
る。
に一般に使用されている鉛系熱安定剤や錫系熱安定剤や
カルシウム系熱安定剤等が使用できる。このうち、鉛系
熱安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、二塩基性硫酸鉛、
ステアリン酸鉛、二塩基性マレイン酸鉛、三塩基性マレ
イン酸鉛等が2〜8重量部配合され、これらに含まれる
金属鉛が難燃剤としての作用も果たすので、難燃性を向
上させるうえでは好ましく採用される。また、錫系熱安
定剤としてはジブチル錫マレート系、ジブチル錫ラウレ
ート系、ジブチル錫メルカプト系、オクチル錫マレート
系、オクチル錫メルカプト系等の熱安定剤が2〜6重量
部配合され、これらの錫系熱安定剤を使用すると透明な
成形体を得ることもできる。
形に使用されているステアリン酸などの高級脂肪酸エス
テル、ワックス、パラフィン等が1〜5重量部配合され
る。これらの滑剤を配合すると、金型との滑りが良くな
り、樹脂同士の混練性も向上する。更に、アクリル系等
の加工助剤を添加すると、加工性や製品外観などが向上
する。
れ、発煙を抑制する。具体的な化合物としては、酸化モ
リブデン、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸カル
シウム亜鉛、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アンモ
ン、モリブデン酸カリウム、二硫化モリブデン等が用い
られる。しかし、これらのモリブデン化合物を多量に配
合すると、成形時に該モリブデン化合物が塩化ビニルを
分解して多数の黒い斑点を生じるため、塩化ビニル系樹
脂100重量部に対する配合量を金属モリブデンとして
は1.5重量部(酸化モリブデンMoO3 としては2.
3重量部)以下に、また、モリブデン化合物としては
2.5重量部以下にする必要がある。一方、モリブデン
化合物の配合量が少なすぎると、難燃剤としての作用が
低下するため、金属モリブデンとしては0.05重量部
(酸化モリブデンMoO3 としては0.075重量部)
以上に、また、モリブデン化合物としては0.1重量部
以上にする必要がある。以上のことにより、モリブデン
化合物は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、金属
モリブデンとしては0.05〜1.5重量部、好ましく
は0.1〜1.0重量部の範囲で、また、モリブデン化
合物としては0.1〜2.5重量部、好ましくは0.2
〜2.0重量部の範囲で配合する必要がある。そして、
モリブデン化合物の粒径としては、例えば0.5〜7μ
m、好ましくは1〜5μmの範囲のものが用いられる。
この範囲であると、塩化ビニル系樹脂との均一分散性が
良好で、難燃性を向上させるうえで好ましいし、不均一
分散により黒い斑点が生じにくくなるからである。な
お、モリブデン化合物は、前述の他の添加剤と予め均一
に混合したものや、前述の他の添加剤で被覆したもの
や、前述の添加剤をモリブデン化合物で被覆したもの等
を用いることもでき、これらのものは分散性が良好であ
る。
効果によって難燃性を一層向上させると共に強度も向上
させるものであり、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して0.1〜10重量部添加される。0.1重量部より
少なくなると相乗効果を発揮できないし、強度の向上も
期待できず、10重量部より多くなってもそれ以上の相
乗効果や強度向上が期待できない。好ましくは1〜6重
量部である。酸化チタンは、0.1〜0.5μmの平均
粒径を有するものが樹脂との混練性や均一分散性に優れ
ているので好ましく用いられる。また、表面をアルミナ
で被覆した酸化チタンも好ましく用いられる。さらに、
酸化チタンは、それ自身も難燃性を向上させる作用があ
るので、上記相乗効果に加えて酸化チタン自身による難
燃性の向上も図られる。
リロニトリル系補強剤、塩素化ポリエチレン補強剤、ブ
タジエン−メタクリル酸アルキル−スチレン共重合体補
強剤等が用いられる。これらのなかで、塩素化ポリエチ
レンは機械的強度を向上させることに加えて、塩素を含
有するために成形体の難燃性をも向上させることができ
る。そのため、錫系安定剤を使用して機械的強度が低下
する傾向にある成形品であっても、塩素化ポリエチレン
を2〜10重量部添加することで、難燃性を維持したま
ま機械的強度を向上させて実用的な強度とすることが出
来るのである。アクリル系やアクリロニトリル系の補強
剤は難燃性を高める作用がなく、しかも、それ自体が可
燃性であるため、わずかしか配合させることが出来ず、
強度の向上を図ることは困難である。
等が用いられる。これらの充填剤は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して1〜10重量部配合され、樹脂の
成形性、特に押出し成形時の樹脂流れを良くすることが
出来る。また、充填剤は無機物であるので、樹脂の量を
低減して成形体の難燃性を高めることができる。、さら
に、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物は、塩化ビニ
ル系樹脂成形体の燃焼時に発生する塩素や塩化水素と反
応して塩化カルシウムとして塩素を固定し、腐食性ガス
の放出を抑制する作用もなす。炭酸カルシウムは、粒径
が0.01〜0.5μmと小さなものの入手が容易であ
り、このような粒径の小さな炭酸カルシウムは樹脂との
均一分散性が良いため成形性の向上に大きく寄与するこ
とができ、また、表面積が大きいので、腐食性ガスを良
く吸着してガス発生を効果的に抑制できる。
均一に分散配合して調製した樹脂組成物を、押出し成形
やカレンダープレス成形や射出成形やその他の公知の成
形手段で、平板やパイプや丸棒や溶接棒やアングルやそ
の他の異形品など所望の形状に成形すると、本発明の難
燃性塩化ビニル系樹脂成形体が得られる。このような成
形体は、そのまま、或は、更に二次加工して容器等を製
作して、各種用途、特に半導体製造装置などに好適に用
いることが出来る。
て説明する。
樹脂100重量部に対し、鉛系安定剤を4重量部、滑剤
(ステアリン酸)を2重量部添加し、均一に混合して基
本組成物を得た。そして、この基本組成物に下記の表1
に示す各添加剤をそれぞれ配合して調製した樹脂組成物
を用いて、厚さ0.5mmのカレンダーシート作製し、
これを複数枚重ねてプレスすることにより、厚さ5mm
の実施例1〜4のプレートを得た。
に酸化モリブデンを1重量部、加工助剤(アクリル系)
を2重量部、補強剤(塩素化ポリエチレン)を5重量
部、充填剤(炭酸カルシウム)を3重量部添加、混合し
たものであり、実施例2のプレートは、基本組成物に酸
化モリブデンを1重量部、加工助剤を2重量部、炭酸カ
ルシウムを3重量部添加、混合したものであり、実施例
3のプレートは、基本組成物に酸化モリブデンを1重量
部、加工助剤を2重量部、塩素化ポリエチレンを5重量
部、酸化チタンを3重量部添加、混合したものであり、
実施例4のプレートは、基本組成物に酸化モリブデンを
0.5重量部、加工助剤を2重量部、塩素化ポリエチレ
ンを5重量部、炭酸カルシウムを3重量部添加、混合し
たものである。
100重量部に対し、錫系熱安定剤を4重量部、ステア
リン酸を1重量部、酸化モリブデンを1重量部、塩素化
ポリエチレンを5重量部、炭酸カルシウムを3重量部均
一に混合して樹脂組成物を調製した。そして、この樹脂
組成物を用いて厚さ0.5mmのカレンダーシートを作
製し、これを複数枚重ねてプレスすることにより、厚さ
5mmのプレートを得た。
ニル樹脂100重量部に対し、錫系熱安定剤を4重量
部、ステアリン酸を1重量部、酸化モリブデンを1重量
部、塩素化ポリエチレンを5重量部、炭酸カルシウムを
3重量部均一に混合して樹脂組成物を調製した。そし
て、この樹脂組成物を用いて厚さ0.5mmのカレンダ
ーシートを作製し、これを複数枚を重ねてプレスするこ
とにより、厚さ5mmのプレートを得た。
60重量部と塩素化度が約65%の後塩素化塩化ビニル
樹脂40重量部とを混合した、平均塩素化度が約59.
8%の混合樹脂100重量部に対し、錫系熱安定剤を4
重量部、ステアリン酸を1重量部、酸化モリブデンを1
重量部、塩素化ポリエチレンを5重量部、炭酸カルシウ
ムを3重量部均一に混合して樹脂組成物を調製した。そ
して、この樹脂組成物を用いて厚さ0.5mmのカレン
ダーシートを作製し、これを複数枚を重ねてプレスする
ことにより、厚さ5mmのプレートを得た。
安定剤を4重量部、ステアリン酸を2重量部、加工助剤
(アクリル系)を2重量部、塩素化ポリエチレンを5重
量部、炭酸カルシウムを3重量部均一に混合して樹脂組
成物を調製した。そして、この樹脂組成物を用いて厚さ
0.5mmのカレンダーシートを作製し、これを複数枚
重ねてプレスすることにより、厚さ5mmの透明なプレ
ートを得た。
安定剤を4重量部、ステアリン酸を2重量部、加工助剤
(アクリル系)を2重量部、酸化モリブデンを4重量
部、塩素化ポリエチレンを5重量部、炭酸カルシウムを
3重量部均一に混合して樹脂組成物を調製した。そし
て、この樹脂組成物を用いて厚さ0.5mmのカレンダ
ーシートを作製し、これを複数枚を重ねてプレスするこ
とにより、厚さ5mmのプレートを得た。
1,2のプレートについて、難燃性を調べると共に、機
械的物性と耐薬品性と静的耐熱性を調べ、その結果を表
1に併せて示した。難燃性はプレートを50×50×5
mmの大きさに切断した試験片を800℃の電気炉に3
分間入れ、着火の有無と着火時間を調べると共に、発煙
の状態を目視で調べたものであり、◎は白煙少、○は白
煙中、×は黒煙を伴い発煙が多いことを示す。また、機
械的強度はJIS K6745に基づいて、シャルピー
衝撃強さ、引張降伏応力、引張破壊時よび歪、荷重たわ
み温度を測定したものである。そして、耐薬品性は各薬
液(97%硫酸、35%硫酸、28%アンモニア水)に
23℃で7日間浸漬後の外観変色を観察し、◎を変色な
し、○を僅かに変色あり、△を変色あり、として表示し
た。また、静的耐熱性は、上記実施例1〜7及び比較例
1,2の各カレンダーシートを50×50×0.5mm
の大きさに切断し、この切断した各シートを190℃に
加熱されたギヤオーブン(熱風循環式恒温槽)中に入れ
て、分解黒化するまでの時間(分)を調べたものであ
る。
ずれも着火がなく、難燃性が良好であり、特に、塩素化
度が65%と高い後塩素化塩化ビニル樹脂を用いた実施
例6の試験片や、平均塩素化度が約59.8%の混合樹
脂を用いた実施例7の試験片は、白煙が少なく難燃性に
優れており、荷重たわみ温度も他の試験片より高くなっ
ている。このことから塩素化度の高い後塩素化塩化ビニ
ル樹脂や混合樹脂は、難燃性や耐熱性の向上にきわめて
有効であることが判る。しかしながら、この実施例6,
7の試験片は、塩素化度が約56%の塩化ビニル樹脂を
用いた実施例1〜5の試験片に比べると、耐薬品性が若
干低下しており、このことから、良好な耐薬品性を有す
る成形体を得るためには、塩素化度の高くない一般の塩
化ビニル樹脂が有効であることが判る。
の試験片や比較例2の試験片は、着火がなく、発煙も少
ないのに対し、酸化モリブデンを含まない比較例1の試
験片は、わずか7秒で着火し、黒鉛を伴って多量に発煙
しているところからみて、酸化モリブデンは優れた難燃
作用を発揮することが判る。また、比較例2の試験片は
酸化モリブデンの配合量が4重量部と多いため、難燃性
を有しているが、耐熱性が悪く、成形時に熱分解を生じ
る恐れがある。
は、シャルピー衝撃強さが他の試験片に比べて劣ってお
り、このことから、耐衝撃性を向上させるためには補強
剤が有効であることが判る。また、酸化チタンを含む実
施例3の試験片は、シャルピー衝撃強さが他の試験片よ
り優れており、このことから、酸化チタンは脆弱化を防
止して耐衝撃性を高める作用をすることが判る。
いて、40mmの押出し機で厚さ1.0mmのシートに
押出す押出しテストを行ったところ、押出しはスムース
に行え、良好なシートを得ることができた。この結果よ
り、押出し成形性に何ら問題のないことが確認できた。
の難燃性塩化ビニル樹脂成形体は優れた難燃性を有し、
機械的強度が大きく、耐薬品性や成形性も良好であると
いった効果を奏する。
Claims (6)
- 【請求項1】塩化ビニル系樹脂に少なくとも熱安定剤、
滑剤、モリブデン化合物を配合して所望の形状に成形し
た成形体であって、モリブデン化合物を塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して金属モリブデンとして0.05
〜1.5重量部となるように配合したことを特徴とする
難燃性塩化ビニル系樹脂成形体。 - 【請求項2】塩化ビニル系樹脂に少なくとも熱安定剤、
滑剤、モリブデン化合物を配合して所望の形状に成形し
た成形体であって、モリブデン化合物を塩化ビニル系樹
脂100重量部に対して0.1〜2.5重量部となるよ
うに添加したことを特徴とする難燃性塩化ビニル系樹脂
成形体。 - 【請求項3】酸化チタンを0.1〜10重量部添加した
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の難燃性
塩化ビニル系樹脂成形体。 - 【請求項4】塩素化ポリエチレンを2〜10重量部添加
したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
かに記載の難燃性塩化ビニル系樹脂成形体。 - 【請求項5】カルシウム化合物を1〜5重量部添加した
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに
記載の難燃性塩化ビニル系樹脂成形体。 - 【請求項6】塩化ビニル系樹脂の塩素化度が58〜70
%であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のい
ずれかに記載の難燃性塩化ビニル系樹脂成形体。
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---|---|---|---|
JP2001025044A JP2002226659A (ja) | 2001-02-01 | 2001-02-01 | 難燃性塩化ビニル系樹脂成形体 |
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