JP2002226263A - 誘電体磁器および積層セラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体磁器および積層セラミックコンデンサ

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JP2002226263A JP2001022431A JP2001022431A JP2002226263A JP 2002226263 A JP2002226263 A JP 2002226263A JP 2001022431 A JP2001022431 A JP 2001022431A JP 2001022431 A JP2001022431 A JP 2001022431A JP 2002226263 A JP2002226263 A JP 2002226263A
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裕見子 伊東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶粒子を微粒子化した場合でも比誘電率が大
きく、かつDCバイアス特性が良好で、しかも比誘電率
の温度特性が良好な誘電体磁器、およびこの誘電体磁器
を用いた積層セラミックコンデンサを提供する。 【解決手段】金属成分として少なくともBa、Tiおよ
びZrを含有する平均粒径0.3〜1μmのペロブスカ
イト型結晶粒子の粒界に、MgO、Y23、Er 23
よびYb23のうち少なくとも1種からなる粒成長抑制
粒子が存在するものである。ペロブスカイト型結晶粒子
が、モル比による組成式Ba(Ti1-xZrx)O3(x
は0.05〜0.3)で表されることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体磁器および
それを用いた積層セラミックコンデンサに関するもので
あり、例えば誘電体層に印加される直流電圧が2V/μ
m以上である積層セラミックコンデンサに用いられる誘
電体磁器および積層セラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来技術】一般にコンデンサなどに使用される誘電体
材料には高い比誘電率が要求されることはもちろんのこ
と、誘電損失が小さく、温度特性が良好であり、直流電
圧に対する誘電特性の依存性が小さい等の種々の要求を
満足する必要がある。
【0003】一方、近年電子機器の小型化、高性能化に
伴い、コンデンサ等の電子部品の小型化、大容量化の要
求が高まってきている。このような要求に応えるため
に、積層セラミックコンデンサ(MLC)においては、
誘電体層を薄層化することにより静電容量を高めると共
に小型化を図る必要が生じている。公知の誘電体材料で
あるチタン酸バリウム(BaTiO3)系材料では粒径
を小さくすると比誘電率が低下するので積層数を増やす
ことで大容量化が図られている。
【0004】また、チタン酸バリウムとチタン酸ジルコ
ニウムが固溶したペロブスカイト化合物であるチタン酸
ジルコン酸バリウム(Ba(Ti、Zr)O3、以下B
TZと記載する)は室温で大きな比誘電率を有するた
め、大容量のコンデンサ材料として利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、BTZ
系誘電体磁器は比誘電率の温度特性が悪いという問題が
あった。さらに薄層化するためには結晶粒子の微粒子化
を促進する必要があるが、通常焼成では非常に粒成長し
やすく、比誘電率は非常に大きくなるが、対照的に比誘
電率の温度特性は悪くなると言う問題があった。
【0006】また、近年においては、温度特性が良好な
積層コンデンサを更に小型化、大容量化することが望ま
れており、このため誘電体磁器の結晶粒子を微粒子化し
てもそれほど比誘電率が低下することなく、比誘電率の
温度による変化率が小さい材料が要求されていた。
【0007】さらに、積層コンデンサに印加される電圧
は年々大きくなる傾向にあり、積層コンデンサの小型
化、誘電体層の薄層化に伴って、印加される直流電圧に
対する誘電率の低下、つまり直流電圧に対する積層コン
デンサの静電容量低下が大きな課題となっている。
【0008】このような問題を解決するために、特開平
11−322416号公報では、チタン酸バリウムから
なる主成分にジルコン酸バリウムを添加することで、絶
縁抵抗値の向上、電圧依存性の抑制を図っている。しか
し、単にジルコン酸バリウムを添加するだけでは、微粒
子のまま焼結した場合、チタン酸バリウム粒子とジルコ
ン酸バリウムが固溶しにくいため、チタン酸バリウムの
比誘電率が支配的となり、積層コンデンサとしての静電
容量向上と電圧依存性の抑制の両方を共に満足すること
は困難であった。
【0009】即ち、特開平11−322416号公報で
は、誘電率が高ければ、高直流電圧を印加した際の静電
容量低下率(DCバイアス特性)が大きく、一方、DC
バイアス特性を向上させようとすると、誘電率が低下し
ていた。例えば、誘電率が1500程度であればDCバ
イアス特性が−30%程度であり、DCバイアス特性が
−15%程度の場合には誘電率が1000以下となるも
のであった。
【0010】従って、本発明は、結晶粒子を微粒子化し
た場合でも比誘電率が大きく、かつDCバイアス特性が
良好で、しかも比誘電率の温度特性が良好な誘電体磁
器、およびこの誘電体磁器を用いた積層セラミックコン
デンサを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
に対して検討を重ねた結果、BTZ材料に、MgO、Y
23、Er23、Yb23の少なくとも1種を添加する
ことにより通常焼成において、平均粒径の小さい緻密な
誘電体磁器が得られるとともに、比誘電率が大きく、比
誘電率の温度特性も良好で、しかも、高直流電圧を印加
した際の誘電率低下率(DCバイアス特性)が小さくな
ることを見いだし、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の誘電体磁器は、金属成分と
して少なくともBa、TiおよびZrを含有する平均粒
径0.3〜1μmのペロブスカイト型結晶粒子の粒界
に、MgO、Y23、Er23およびYb23のうち少
なくとも1種からなる粒成長抑制粒子が存在することを
特徴とする。
【0013】結晶粒子径が1μm以下になると比誘電率
が1700〜5000程度になり、DCバイアス(2V
/μm)下の誘電率低下が大きいチタン酸バリウム系材
料と比較して、本発明では、平均結晶粒径を0.3〜1
μmとした場合でも、BTZ材料の高い比誘電率を保持
したまま、比誘電率の温度特性を向上できるとともに、
DCバイアスによる誘電率の低下を抑制でき、また、平
均粒径が小さいため薄層化できる。
【0014】また、ペロブスカイト型結晶粒子が、モル
比による組成式Ba(Ti1-xZrx)O3(xは0.0
5〜0.3)で表されることが望ましい。このようなペ
ロブスカイト型結晶粒子の組成とすることにより、結晶
粒子を微粒子化しても比誘電率が大きく温度特性が良好
で、DCバイアス特性に優れた誘電体磁器が得られ、1
300℃前後の焼成温度で緻密化することができる。
【0015】さらに、粒成長抑制粒子は全量中3モル%
以下含有することが望ましい。これにより、結晶粒子が
有する比誘電率の高さを損なうことなく、焼成時の粒成
長を抑制し、微結晶焼結体を得ることができる。
【0016】また、ペロブスカイト型結晶粒子の粒界
に、少なくともLi、Ca、Si、Baを含有するガラ
スが存在することが望ましい。これにより、焼結を促進
することができ、加圧を伴わない通常焼成においても微
細結晶からなる組織を有したBTZ焼結体の作製を可能
にする。
【0017】本発明の積層セラミックコンデンサは、上
記誘電体磁器と、卑金属からなる内部電極とを交互に積
層してなることを特徴とする。
【0018】このような積層セラミックコンデンサで
は、比誘電率が大きく、DCバイアス特性が良好で、誘
電率の温度特性も良好なBTZ系誘電体磁器を誘電体層
に用いることにより、薄層化して積層数を増やすことな
く大容量のコンデンサが得られ、誘電体層の単位厚さあ
たりに印加される直流電圧を小さく抑えられることか
ら、コンデンサの直流電圧印加による容量低下を防止で
きる。また結晶粒径が小さいため誘電体層の薄層化が容
易で、静電容量の向上、さらなる小型化が実現できる。
さらに卑金属を電極として用いることにより、安価な積
層セラミックコンデンサが得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の誘電体磁器は、金属成分
として少なくともBa、TiおよびZrを含有する平均
粒径0.3〜1μmのペロブスカイト型結晶粒子と、該
ペロブスカイト型結晶粒子の粒界に、MgO、Y23
Er23およびYb23のうち少なくとも1種からなる
粒成長抑制粒子が存在することを特徴とする。
【0020】金属成分として少なくともBa、Tiおよ
びZrを含有するペロブスカイト型結晶粒子の平均粒径
を0.3〜1μmとしたのは、平均結晶粒径が0.3μ
mよりも小さい場合には比誘電率が小さくなり、1μm
よりも大きい場合には比誘電率は大きくなるが、比誘電
率の温度特性が劣化するためである。ペロブスカイト型
結晶粒子の平均粒径は、比誘電率の向上と温度特性の安
定性という点から0.3〜0.8μmであることが望ま
しい。
【0021】この金属成分として少なくともBa、Ti
およびZrを含有するペロブスカイト型結晶粒子中に
は、粒成長抑制粒子であるMgO、Y23、Er23
よびYb23が一部固溶することがある。
【0022】また、金属成分として少なくともBa、T
iおよびZrを含有するペロブスカイト型結晶粒子は、
モル比による組成式Ba(Ti1-xZrx)O3(xは
0.05〜0.3)で表されるものであることが望まし
い。
【0023】ペロブスカイト型結晶粒子のxの値を0.
05〜0.3としたのは、xが0.05に満たない場合
は比誘電率が小さくなり、0.3を超えると焼結性が低
下して緻密な焼結体が得られにくくなるからである。こ
れにより、室温近傍で高い比誘電率と良好な温度特性を
発現することが可能である。また、ペロブスカイト型結
晶粒子のAサイトであるBaを定比組成よりも多くして
も良い。この場合には、還元焼成時にBサイト原子の価
数変化を抑制し半導体化を防止することができる。
【0024】また、ペロブスカイト型結晶粒子の粒界
に、MgO、Y23、Er23およびYb23のうち少
なくとも1種からなる粒成長抑制粒子を存在せしめたの
は、これにより、Ba、TiおよびZrを含有するペロ
ブスカイト型結晶粒子同士のネックの形成を抑制し、粒
成長を抑制できるからである。固溶した場合の誘電特性
・温度特性への影響および粒成長抑制という観点から、
MgO、Y23からなる粒成長抑制粒子が望ましく、特
には、比誘電率の温度特性という点からMgOとY23
が混合したものが望ましい。
【0025】この粒成長抑制粒子は全量中3モル%以下
含有することが望ましい。粒成長抑制粒子が全量中3モ
ル%よりも多い場合には、低誘電率粒界相の形成により
比誘電率が低下する傾向があるからである。粒成長抑制
粒子は、特に粒成長抑制効果の発現と高い比誘電率維持
という理由から全量中0.5〜2.0モル%含有するこ
とが望ましい。
【0026】さらに、本発明の誘電体磁器では、上記粒
成長抑制粒子の他に、ペロブスカイト型結晶粒子の粒界
に、ガラスが存在することが望ましい。特に少なくとも
Li、Ca、Si、Baを含有するガラスが存在するこ
とが望ましい。
【0027】ペロブスカイト型結晶粒子の粒界に、上記
した粒成長抑制粒子と、ガラス、特に少なくともLi、
Ca、Si、Baを含有するガラスが存在することによ
り、焼結の際BTZ結晶の粒成長を抑制したまま磁器の
高密度化を可能にし、加圧を伴わない通常焼成において
も微細結晶からなる組織を有したBTZ焼結体の作製を
可能にする。本発明のガラスは、Li、Ca、Si、B
aを必須元素とするものであり、一部の元素が抜けると
特性が劣化する。
【0028】即ち、Li、Ca、Siは低融点ガラスを
形成し、比較的低温で焼結可能で特性を安定化させると
いう機能を有し、Baは還元雰囲気焼成時の半導体化防
止という機能を有する。
【0029】特にLi、Ca、Si、Baはガラス化し
て焼結を促進し、MgO、Y23、Yb23はペロブス
カイト結晶の粒成長を抑制する効果が顕著である。
【0030】本発明の誘電体磁器を製造するには、例え
ばゾルゲル法、蓚酸法、水熱合成法により生成された、
上記した所定の組成を有する、平均粒径が0.1〜0.
5μmのBTZ粉末を用いて、このBTZ粉末100モ
ル%に対し、所定量のLi、Ca、Si、Baの酸化物
を含有するガラス、Mg、Ca、Mn、Y、Er、Yb
等の酸化物あるいは炭酸塩を加えて回転ミルなどで20
〜48時間湿式混合し、乾燥後、PVA等の有機バイン
ダを所定量添加して造粒し、これを所定形状に成形し、
これを所望により大気中、真空中または窒素中で脱脂し
た後、大気中または還元雰囲気中で焼成する。
【0031】この時、焼成温度は、1150〜1350
℃、特に1200〜1300℃で1〜10時間焼成する
ことにより本発明の誘電体磁器を作製することができ
る。本発明の誘電体磁器では、BTZのみからなるもの
で、BaTiO3は存在しない。
【0032】本発明の積層セラミックコンデンサは、上
記誘電体磁器と、卑金属からなる内部電極とを交互に積
層してなるものである。卑金属としては、Ni、Cu等
がある。
【0033】このような積層セラミックコンデンサの製
造方法について説明する。まず、前記BTZ粉末に所定
量の所定量のLi、Ca、Si、Baの酸化物を含有す
るガラス、Mg、Ca、Mn、Y、Er、Yb等の酸化
物あるいは炭酸塩を加えて混合した原料粉末を用いて、
引き上げ法、ドクターブレード法、リバースロールコー
タ法、グラビアコータ法、スクリーン印刷法、グラビア
印刷等の周知の成形法により誘電体シートを作製する。
【0034】また、この誘電体シートの厚みは、小型、
大容量化という理由から0.5〜10μmであることが
望ましい。
【0035】次に、この誘電体シートの表面に、導電性
ペーストを内部電極パターン状にスクリーン印刷法、グ
ラビア印刷、オフセット印刷法等の周知の印刷方法によ
り塗布する。その厚みは、コンデンサの小型、高信頼性
化という点から2μm以下、特には1μm以下であるこ
とが望ましい。
【0036】そして、導電性ペーストが塗布された誘電
体シートを複数枚積層圧着し、この積層成形体を大気中
250〜300℃または酸素分圧0.1〜1Paの低酸
素雰囲気中500〜800℃で脱脂した後、非酸化性雰
囲気で1150〜1300℃で2〜3時間焼成する。さ
らに、所望により、酸素分圧が0.1〜10-4Pa程度
の低酸素分圧下、900〜1100℃で5〜15時間再
酸化処理を施すことにより還元された誘電体層が酸化さ
れることにより、良好な絶縁特性を有する誘電体層とな
る。
【0037】最後に、得られた積層焼結体に対し、各端
面にCuペーストを塗布し、Ni/Snメッキを施し、
内部電極と電気的に接続された外部電極を形成して積層
セラミックコンデンサを作製することができる。
【0038】比誘電率が大きく誘電率の温度特性も良好
なBTZ系誘電体磁器を誘電体層に用いることにより、
薄層化して積層数を増やすことなく大容量のコンデンサ
が得られ、誘電体層の単位厚さあたりに印加される直流
電圧が小さく抑えられることから、コンデンサの直流電
圧印加による容量低下を防止できる。さらに平均粒径の
小さい誘電体磁器を用いることにより、誘電体厚みを容
易に薄層化することができ、静電容量の向上、小型化が
可能になると共に、Ni、Cu等の卑金属を導体として
用いることにより、安価な積層セラミックコンデンサが
得られる。
【0039】
【実施例】水熱合成法により生成された、モル比による
組成式がBa0.995(Ti1-xZr x)O3で表され、xが
表1に示す値の平均粒径0.3μmのBTZ粉末を用
い、このBTZ粉末100重量%に対し、Si、Li、
Ca、Baを含有するガラスフィラーを1.2重量%、
BTZ粉末100モル%に対し、BaCO3を1.0モ
ル%、及びMnCO3、MgCO3、Y23、Er23
Yb23粉末を表1に示す量だけ添加し、IPAを溶媒
として3mmφのZrO2ボールを用いて回転ミルで2
4時間湿式混合した。スラリーを排出、乾燥した後、有
機バインダを約2重量%添加して造粒し、これを厚さ約
1mm、直径16mmに成形した。この成形体を脱脂し
た後、1200℃〜1350℃で2時間焼成した。
【0040】得られた焼結体について、断面を走査型電
子顕微鏡(SEM)にて観察し、インターセプト法によ
り平均粒径を求め、これをペロブスカイト型結晶粒子の
平均粒径とした。
【0041】また、上記試料を厚さ350μmに研磨加
工し、試料上下面にIn―Gaペーストを塗布して電極
とし、各種誘電特性の測定を行った。測定はLCRメー
タによって行い、測定周波数f=1kHz、印加電圧1
Vrmsとして−55℃〜130℃までの温度範囲で比
誘電率の変化率を測定し、―25℃および85℃におけ
る比誘電率の温度変化率を求めた。また、さらに2V/
μmのDCバイアス電圧をかけた場合の比誘電率の変化
率(DCバイアス特性)を測定し、その結果を表1に記
載した。
【0042】
【表1】
【0043】この表1から、本発明の試料では25℃に
おいて1700以上の比誘電率を示すと共に、それを基
準にした−25℃および85℃における比誘電率の温度
変化率がア25%以内と比較的小さく、またDCバイア
ス特性が−20%以内と優れていることが判る。
【0044】一方、結晶粒子が平均粒径1μm以上に粒
成長した試料No.1、5、13、28、32では、2
5℃における比誘電率は大きいが、−25℃、85℃に
おける誘電率の温度変化率が非常に大きく、DCバイア
ス特性も20%以上低下した。また、x≦0.3とする
ことにより、25℃における比誘電率を大きくできるこ
とが判る。
【0045】比較例1 水熱合成法により生成された、平均粒径0.4μmのB
T粉末100モル%に対し、Si、Li、Ca、Baを
含有するガラスフィラーを1.2重量%、BaCO3
1.0モル%、MnCO3を0.3モル%、MgCO3
よびY23をそれぞれ0.5モル%添加し、上記実施例
と同様なプロセスにて焼結体を作製・評価した。その結
果、平均粒径が0.4μm、25℃の比誘電率が240
0、それを基準にした−25℃と85℃での比誘電率の
温度変化率がそれぞれ−20%、+10%であった。ま
た、DCバイアス特性は−36%と大きかった。
【0046】比較例2 水熱合成法により生成された、平均粒径0.4μmのB
T粉末100モル%に対し、BaCO3を1.0モル
%、Si、Li、Ti、Bを含有するガラスフィラーを
1.0重量%、MnCO3を2.0モル%、MgOを
2.0モル%、Dy23及びYb23をそれぞれ1.0
モル%添加し、さらにBaZrO3を6.0モル%加
え、上記実施例と同様なプロセスにて焼結体を作製・評
価した。
【0047】その結果、平均粒径が0.4μm、25℃
の比誘電率が1400と低く、それを基準にした−25
℃と85℃での比誘電率の温度変化率がそれぞれ−6
%、−7%であった。またDCバイアス特性は−22%
であった。比誘電率の温度特性プロファイルはBaTi
3単組成の焼結体と相似であり、焼結体を粉砕しX線
回折により結晶相を調査したところ、BaTiO3及び
BaZrO3に相当するピークがそれぞれ認められ、B
a(Ti,Zr)O3の形成はみられなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、金属成分として少なく
ともBa、TiおよびZrを含有する平均粒径0.3〜
1μmのペロブスカイト型結晶粒子の粒界に、MgO、
23、Er23およびYb23のうち少なくとも1種
からなる粒成長抑制粒子が存在するため、平均結晶粒径
を0.3〜1μmとした場合でも、BTZ材料の高い比
誘電率を保持したまま、比誘電率の温度特性を向上させ
るとともに、DCバイアスによる誘電率の低下を抑制す
ることが可能となり、平均粒径が小さいため薄層化でき
る。
【0049】これにより、静電容量が大きく、温度特性
に優れ、かつ高電圧が印加されても静電容量の低下率が
小さい積層セラミックコンデンサを実現することが可能
となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属成分として少なくともBa、Tiおよ
    びZrを含有する平均粒径0.3〜1μmのペロブスカ
    イト型結晶粒子の粒界に、MgO、Y23、Er23
    よびYb23のうち少なくとも1種からなる粒成長抑制
    粒子が存在することを特徴とする誘電体磁器。
  2. 【請求項2】ペロブスカイト型結晶粒子が、モル比によ
    る組成式Ba(Ti1- xZrx)O3(xは0.05〜
    0.3)で表されることを特徴とする請求項1記載の誘
    電体磁器。
  3. 【請求項3】粒成長抑制粒子を全量中3モル%以下含有
    することを特徴とする請求項1または2記載の誘電体磁
    器。
  4. 【請求項4】ペロブスカイト型結晶粒子の粒界に、少な
    くともLi、Ca、Si、Baを含有するガラスが存在
    することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに
    記載の誘電体磁器。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のうちいずれかに記載の誘
    電体磁器と、卑金属からなる内部電極とを交互に積層し
    てなることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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