JPH11322416A - 誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体磁器組成物および積層セラミックコンデンサ

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JPH11322416A
JPH11322416A JP10131735A JP13173598A JPH11322416A JP H11322416 A JPH11322416 A JP H11322416A JP 10131735 A JP10131735 A JP 10131735A JP 13173598 A JP13173598 A JP 13173598A JP H11322416 A JPH11322416 A JP H11322416A
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憲彦 坂本
Tsugunobu Mizuno
嗣伸 水埜
Tomoyuki Nakamura
友幸 中村
Hidehiko Tanaka
秀彦 田中
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電界強度10kV/mmでのCR積が室温で
5000Ω・F、150℃で200Ω・F以上と高く、
絶縁抵抗の電圧依存性が小さく、B特性およびX7R特
性を満足し、DCバイアス特性や絶縁耐力や耐候性能や
耐めっき液性に優れ、内部電極にNiを使用した積層セ
ラミックコンデンサを提供する。 【解決手段】 セラミック層2a,2bのための誘電体
磁器組成物は、{BaO}m TiO2 +R2 3 +Ba
ZrO3 +MgO+MnO(R2 3 はEu2 3 、G
2 3 、Tb2 3 、Dy2 3 、Ho2 3 、Er
2 3 、Tm2 3 、Yb2 3 の少なくとも1種)系
の主成分100重量部と、Li2 O−B23 −(S
i,Ti)O2 またはB2 3 −Al2 3 −MO(M
OはBaO、CaO、SrO、MgO、ZnO、MnO
の少なくとも1種)系の副成分0.2〜3.0重量部と
を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体磁器組成物
および積層セラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層セラミックコンデンサは
以下のようにして製造されるのが一般的である。まず、
その表面に内部電極となる電極材料を塗布したシート状
の誘電体材料が準備される。誘電体材料としては、たと
えばBaTiO3 を主成分とする材料が用いられる。次
に、この電極材料を塗布したシート状の誘電体材料を積
層して熱圧着し、一体化したものを大気雰囲気中におい
て1250〜1350℃で焼成することによって、内部
電極を有するセラミック積層体が得られる。そして、こ
のセラミック積層体の端面に、内部電極と電気的に導通
する外部電極を焼き付けることにより、積層セラミック
コンデンサが得られる。
【0003】この積層セラミックコンデンサの内部電極
の材料として、従来は、一般的に、白金、金、パラジウ
ムあるいは銀−パラジウム合金などの貴金属が用いられ
ていた。しかしながら、これらの電極材料は優れた特性
を有する反面、高価であるため、製造コストを上昇させ
る要因となっていた。そのため、現在は、製造コストを
低下させるために卑金属のNiを内部電極とする積層コ
ンデンサが提案され、使用量が増大している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子機器の小型化、高
機能化、低価格化が進む中、積層セラミックコンデンサ
に対しても、低価格化、絶縁耐力の向上、絶縁性の向
上、信頼性の向上、大容量化の要求が強くなっている。
電子機器の低価格化のためには、内部電極にニッケルを
用いた低価格の積層セラミックコンデンサを使うことが
有利であるが、従来の誘電体磁器材料は、低い電界強度
下で使用されることを前提として設計されていたので、
高い電界強度下で使用すると、絶縁抵抗値、絶縁耐力お
よび信頼性が極端に低下するという問題が生じた。すな
わち、内部電極にニッケルを用いながら、高電界強度下
で使用できる積層セラミックコンデンサはなかった。
【0005】具体的には、特公昭57−42588号公
報や、特開昭61−101459号公報に示される誘電
体材料は、大きな誘電率が得られるものの、得られた誘
電体磁器の結晶粒が大きく、その結果、高い電界強度下
で使用した場合、積層セラミックコンデンサにおける絶
縁耐力が低くなったり、高温負荷試験の平均寿命時間が
短くなるという欠点があった。
【0006】また、特公昭61−14611号公報に示
される誘電体材料では、低電界強度下で得られる誘電率
は2000〜2800と高いものの、高い電界強度下で
使用したときには、誘電率すなわち静電容量が著しく低
くなるという欠点があった。また、同時に絶縁抵抗値が
低いという欠点もあった。また、積層セラミックコンデ
ンサにおいては、表面実装に対応するため、外部電極と
しての導電性金属粉末の焼付けによる電極上には、半田
などのめっき膜が形成される。このめっき膜の形成に
は、一般的に、電気めっき法が採用される。他方、積層
セラミックコンデンサの誘電体セラミック層を構成する
誘電体磁器には、焼結助剤としてホウ素を含む酸化物あ
るいはガラスが添加されたものがある。
【0007】しかしながら、このような添加物を用いる
と、耐めっき性が悪くなり、そのため、めっき膜を形成
するため、めっき液に積層セラミックコンデンサを浸漬
すると、その電気的特性の劣化を招くという問題があ
る。そこで、本発明の目的は、高電界強度、具体的には
10kV/mm程度の高い電界強度で使用したときに、
絶縁抵抗が静電容量との積(CR積)で表した場合に、
室温および150℃で、それぞれ5000Ω・Fおよび
200Ω・F以上と高く、絶縁抵抗の電圧依存性が小さ
く、DCバイアス電圧に対する静電容量の安定性に優
れ、絶縁耐力が高く、静電容量の温度特性がJIS規格
で規定するB特性およびEIA規格で規定するX7R特
性をそれぞれ満足し、高温負荷などの耐候性能に優れ、
また、外部電極にめっき膜を形成しても、めっき液によ
る信頼性の低下を招かない、たとえば積層セラミックコ
ンデンサの誘電体セラミック層を構成し得る誘電体磁器
組成物を提供しようとすること、ならびに、このような
誘電体磁器組成物を誘電体セラミック層として用いると
ともに、内部電極をNiまたはNi合金で構成した、積
層セラミックコンデンサを提供しようとすることであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の誘電体磁器組成物は、アルカリ金属酸化物
の含有量が0.02重量%以下のチタン酸バリウムと、
酸化ユーロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウ
ム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビ
ウム、酸化ツリウムおよび酸化イッテルビウムの中から
選ばれる少なくとも1種と、ジルコン酸バリウムと、酸
化マグネシウムと、酸化マンガンとからなり、かつ、次
の組成式、 {BaO}m TiO2 +αR2 3 +βBaZrO3
γMgO+gMnO (ただし、R2 3 はEu2 3 、Gd2 3 、Tb2
3 、Dy2 3 、Ho 2 3 、Er2 3 、Tm2
3 およびYb2 3 の中から選ばれる少なくとも1種で
あり、α、β、γおよびgはモル比を表し、0.001
≦α≦0.06、0.005≦β≦0.06、0.00
1<γ≦0.12、0.001<g≦0.12、γ+g
≦0.13、1.000<m≦1.035の範囲内にあ
る。)で表される主成分を含有するとともに、第1の副
成分をLi2 O−B2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸
化物とし、第2の副成分をB2 3 −Al2 3 −MO
系(ただし、MOはBaO、CaO、SrO、MgO、
ZnOおよびMnOの中から選ばれる少なくとも1種で
ある。)の酸化物としたときに、該第1または第2の副
成分のどちらか一方を、前記主成分100重量部に対し
て、0.2〜3.0重量部含有していることを特徴とす
る。
【0009】本発明の誘電体磁器組成物は、他の局面で
は、アルカリ金属酸化物の含有量が0.02重量%以下
のチタン酸バリウムと、酸化スカンジウムおよび酸化イ
ットリウムの少なくとも一方と、ジルコン酸バリウム
と、酸化マグネシウムと、酸化マンガンとからなり、か
つ、次の組成式、 {BaO}m TiO2 +αM2 3 +βBaZrO3
γMgO+gMnO (ただし、M2 3 はSc2 3 およびY2 3 の少な
くとも一方であり、α、β、γおよびgはモル比を表
し、0.001≦α≦0.06、0.005≦β≦0.
06、0.001<γ≦0.12、0.001<g≦
0.12、γ+g≦0.13、1.000<m≦1.0
35の範囲内にある。)で表される主成分を含有すると
ともに、第1の副成分をLi2 O−B2 3 −(Si,
Ti)O2 系の酸化物とし、第2の副成分をB2 3
Al2 3 −MO系(ただし、MOはBaO、CaO、
SrO、MgO、ZnOおよびMnOの中から選ばれる
少なくとも1種である。)の酸化物としたときに、該第
1または第2の副成分のどちらか一方を、前記主成分1
00重量部に対して、0.2〜3.0重量部含有してい
ることを特徴とする。
【0010】本発明の誘電体磁器組成物は、さらに他の
局面では、アルカリ金属酸化物の含有量が0.02重量
%以下のチタン酸バリウムと、酸化スカンジウムおよび
酸化イットリウムの少なくとも一方と、酸化ユーロピウ
ム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウムおよび酸化ジス
プロシウムの中から選ばれる少なくとも1種と、ジルコ
ン酸バリウムと、酸化マグネシウムと、酸化マンガンと
からなり、かつ、次の組成式、 {BaO}m TiO2 +αM2 3 +βR2 3 +γB
aZrO3 +gMgO+hMnO (ただし、M2 3 はSc2 3 およびY2 3 の少な
くとも一方、R2 3 はEu2 3 、Gd2 3 、Tb
2 3 およびDy2 3 の中から選ばれる少なくとも1
種であり、α、β、γ、gおよびhはモル比を表し、
0.001≦α≦0.05、0.001≦β≦0.0
5、0.005≦γ≦0.06、0.001<g≦0.
12、0.001<h≦0.12、α+β≦0.06、
g+h≦0.13、1.000<m≦1.035の範囲
内にある。)で表される主成分を含有するとともに、第
1の副成分をLi2 O−B2 3 −(Si,Ti)O2
系の酸化物とし、第2の副成分をB2 3 −Al2 3
−MO系(ただし、MOはBaO、CaO、SrO、M
gO、ZnOおよびMnOの中から選ばれる少なくとも
1種である。)の酸化物としたときに、該第1または第
2の副成分のどちらか一方を、前記主成分100重量部
に対して、0.2〜3.0重量部含有していることを特
徴とする。
【0011】本発明の誘電体磁器組成物において、好ま
しくは、第1の副成分は、xLi2O−yB2 3 −z
(Siw Ti1-w )O2 (ただし、x、yおよびzはモ
ル%であり、wは0.30≦w<1.0の範囲内にあ
る。)で表したとき、それぞれの成分を頂点とする三元
組成図のA(x=0、y=20、z=80)、B(x=
19、y=1、z=80)、C(x=49、y=1、z
=50)、D(x=45、y=50、z=5)、E(x
=20、y=75、z=5)、F(x=0、y=80、
z=20)で示される各点を結ぶ直線で囲まれた領域の
内部または線上にあることを特徴とする。
【0012】また、第1の副成分中には、Li2 O−B
2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸化物100重量部に
対してAl2 3 およびZrO2 の少なくとも一方を合
計で20重量部以下(ただし、ZrO2 は10重量部以
下)含有することが好ましい。また、本発明の誘電体磁
器組成物において、好ましくは、第2の副成分は、xB
2 3 −yAl2 3 −zMO(ただし、x、yおよび
zはモル%である。)で表したとき、それぞれの成分を
頂点とする三元組成図のA(x=85、y=1、z=1
4)、B(x=70、y=20、z=10)、C(x=
50、y=30、z=20)、D(x=10、y=4
0、z=50)、E(x=10、y=20、z=7
0)、F(x=60、y=1、z=39)で示される各
点を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または線上にあるこ
とを特徴とする。
【0013】本発明は、また、複数の誘電体セラミック
層と、該誘電体セラミック層間に形成された内部電極
と、該内部電極に電気的に接続された外部電極とを備え
る、積層セラミックコンデンサにも向けられる。このよ
うな積層セラミックコンデンサにおいて、誘電体セラミ
ック層が上述したような本発明に係る誘電体磁器組成物
によって構成され、また、内部電極がニッケルまたはニ
ッケル合金によって構成される。
【0014】本発明に係る積層セラミックコンデンサに
おいて、外部電極は、導電性金属粉末、またはガラスフ
リットを添加した導電性金属粉末の焼結層を備えていた
り、あるいは、導電性金属粉末、またはガラスフリット
を添加した導電性金属粉末の焼結層からなる第1層と、
その上のめっき層からなる第2層とを備えていたりす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明の一実施形態による
積層セラミックコンデンサの基本的構造を図面により説
明する。図1は、積層セラミックコンデンサの一例を示
す断面図、図2は、図1の積層セラミックコンデンサの
うち、内部電極を有する誘電体セラミック層部分を示す
平面図、図3は、図1の積層セラミックコンデンサのう
ち、セラミック積層体部分を示す分解斜視図である。
【0016】本実施形態による積層セラミックコンデン
サ1は、図1に示すように、内部電極4を介して複数枚
の誘電体セラミック層2aおよび2bを積層して得られ
た、直方体形状のセラミック積層体3を備える。セラミ
ック積層体3の両端面上には、内部電極4の特定のもの
に電気的に接続されるように、外部電極5がそれぞれ形
成され、その上には、ニッケル、銅などの第1のめっき
層6が形成され、さらにその上には、半田、錫などの第
2のめっき層7が形成されている。
【0017】次に、この積層セラミックコンデンサ1の
製造方法について製造工程順に説明する。まず、誘電体
セラミック層2aおよび2bの主成分となる、所定の組
成比率に秤量し混合したチタン酸バリウム系の原料粉末
を用意する。すなわち、前述したように、アルカリ金属
酸化物の含有量が0.02重量%以下のチタン酸バリウ
ムと、酸化ユーロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テル
ビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エ
ルビウム、酸化ツリウムおよび酸化イッテルビウムの中
から選ばれる少なくとも1種と、ジルコン酸バリウム
と、酸化マグネシウムと、酸化マンガンとからなる主成
分、または、アルカリ金属酸化物の含有量が0.02重
量%以下のチタン酸バリウムと、酸化スカンジウムおよ
び酸化イットリウムの少なくとも一方と、ジルコン酸バ
リウムと、酸化マグネシウムと、酸化マンガンとからな
る主成分、または、アルカリ金属酸化物の含有量が0.
02重量%以下のチタン酸バリウムと、酸化スカンジウ
ムおよび酸化イットリウムの少なくとも一方と、酸化ユ
ーロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウムおよび
酸化ジスプロシウムの中から選ばれる少なくとも1種
と、ジルコン酸バリウムと、酸化マグネシウムと、酸化
マンガンとからなる主成分を含有するとともに、Li 2
O−B2 3 −(Si,Ti)O2 系の第1の副成分ま
たはB2 3 −Al23 −MO系(ただし、MOはB
aO、CaO、SrO、MgO、ZnOおよびMnOの
中から選ばれる少なくとも1種である。)の第2の副成
分のどちらか一方を含有する、誘電体磁器組成物を生成
し得る原料粉末を用意する。
【0018】次いで、この原料粉末に有機バインダを加
えてスラリー化し、このスラリーをシート状に成形し
て、誘電体セラミック層2aおよび2bのためのグリー
ンシートを得る。その後、誘電体セラミック層2bとな
るグリーンシートの一方主面上にニッケルまたはニッケ
ル合金からなる内部電極4を形成する。前述したような
誘電体磁器組成物を用いて誘電体セラミック層2aおよ
び2bを形成すれば、内部電極4の材料として、卑金属
としてのニッケルまたはニッケル合金を用いることがで
きる。なお、内部電極4は、スクリーン印刷法などによ
って形成されても、蒸着法、めっき法などによって形成
されてもよい。
【0019】次いで、内部電極4を有する誘電体セラミ
ック層2bのためのグリーンシートを、必要枚数積層し
た後、図3に示すように、内部電極を有しない誘電体セ
ラミック層2aのためのグリーンシートによって挟んだ
状態とし、これを圧着することによって、生の積層体を
得る。その後、この生の積層体を還元雰囲気中、所定の
温度にて焼成し、セラミック積層体3を得る。
【0020】次に、セラミック積層体3の両端面に、内
部電極4と電気的に接続されるように、外部電極5を形
成する。この外部電極5の材料としては、内部電極4と
同じ材料を使用することができる。また、銀、パラジウ
ム、銀−パラジウム合金、銅、銅合金などが使用可能で
あり、また、これらの金属粉末にB2 3 −SiO2
BaO系ガラス、Li2 O−SiO2 −BaO系ガラス
などのガラスフリットを添加したものも使用されるが、
積層セラミックコンデンサの使用用途、使用場所などを
考慮に入れて適当な材料が選択される。また、外部電極
5は、材料となる金属粉末ペーストを、焼成により得た
セラミック積層体3に塗布して、焼き付けることによっ
て形成されるが、焼成前に塗布して、セラミック積層体
3と同時に焼き付けることによって形成されてもよい。
【0021】その後、外部電極5上に、ニッケル、銅な
どのめっきを施し、第1のめっき層6を形成する。最後
に、この第1のめっき層6の上に、半田、錫などの第2
のめっき層7を形成し、積層セラミックコンデンサ1を
完成させる。なお、このように外部電極5の上にさらに
めっきなどで導体層を形成することは、積層セラミック
コンデンサの用途によっては省略することもできる。
【0022】以上のように、誘電体セラミック層2aお
よび2bを構成するため、前述したような誘電体磁器組
成物を用いることによって、還元性雰囲気中で焼成して
も、その特性が劣化することはない。すなわち、10k
V/mmの高い電界強度下で使用した場合であっても、
絶縁抵抗と静電容量との積(CR積)が、室温および1
50℃で、それぞれ、5000Ω・Fおよび200Ω・
F以上と高く、絶縁抵抗の電圧依存性が小さく、5kV
/mmのDC電圧印加時の容量低下率の絶対値が45%
以下と小さく、絶縁耐力がAC電圧で12kV/mm以
上、DC電圧で14kV/mm以上と高く、静電容量の
温度特性が−25℃〜+85℃の範囲でJIS規格に規
定するB特性および−55℃〜+125℃の範囲でEI
A規格に規定するX7R特性を満足し、150℃および
DC25kV/mmの高温負荷に対する耐候性能に優れ
る特性が得られる。また、外部電極にめっき層を電気め
っき法により形成しても、めっき液による信頼性の低下
を招かなくすることができる。
【0023】また、この誘電体磁器組成物の主成分のう
ち、チタン酸バリウム中に不純物として存在するSr
O、CaOなどのアルカリ土類金属酸化物、Na2 O、
2 Oなどのアルカリ金属酸化物、Al2 3 、SiO
2 などのその他の酸化物のうち、特にアルカリ金属酸化
物の含有量が電気的特性に大きく影響することが確認さ
れている。そして、Sc2 3 、Y2 3 、Eu
2 3 、Gd2 3 、Tb2 3 、Dy2 3 、Ho2
3 、Er2 3 、Tm2 3 、Yb2 3 などの希土
類酸化物の添加量が増大すると比誘電率は低下するが、
チタン酸バリウム中に不純物として存在するアルカリ金
属酸化物を0.02重量%以下にすることにより、比誘
電率を実使用上問題のない1000〜1600に維持す
ることができる。
【0024】また、誘電体磁器組成物中にLi2 O−B
2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸化物を添加すること
によって、焼結性が向上するとともに、ホウ素を含む酸
化物あるいはガラスを添加する場合に比べて、耐めっき
性を向上させることができる。さらに、前記Li2 O−
2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸化物にAl2 3
やZrO2 を添加含有させることで、より高い絶縁抵抗
を得ることが可能となる。
【0025】また、誘電体磁器組成物中にB2 3 −A
2 3 −MO系(MOはBaO、CaO、SrO、M
gO、ZnOおよびMnOの中から選ばれる少なくとも
1種)の酸化物を添加することによって、焼結性が向上
するとともに、ホウ素を含む酸化物あるいはガラスを添
加する場合に比べて、耐めっき性を向上させることがで
きる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づき、さらに具体
的に説明するが、本発明の範囲内における実施の形態
は、このような実施例のみに限定されるものではない。 (実施例1)まず、出発原料として種々の純度のTiC
4 とBa(NO3 2 とを準備して秤量した後、蓚酸
により蓚酸チタニルバリウム{BaTiO(C2 4
・4H2 O}として沈殿させた。この沈殿物を1000
℃以上の温度で加熱分解させて、表1の4種類のチタン
酸バリウム(BaTiO3 )を合成した。
【0027】
【表1】
【0028】また、第1の副成分として0.25Li2
O−0.30B2 3 −0.03TiO2 −0.42S
iO2 (モル比)の組成割合になるように、各成分の酸
化物、炭酸塩または水酸化物を秤量し、混合粉砕して粉
末を得た。同様に、第2の副成分として0.55B2
3 −0.25Al2 3 −0.03MnO−0.17B
aO(モル比)の組成割合になるように、各成分の酸化
物、炭酸塩または水酸化物を秤量し、混合粉砕して粉末
を得た。
【0029】次に、これら第1および第2の副成分酸化
物粉末を別々の白金るつぼ中において、1500℃まで
加熱した後、急冷し、粉砕することによって、平均粒径
が1μm以下のそれぞれの酸化物粉末を得た。次に、チ
タン酸バリウムのBa/Tiモル比mを調整するための
BaCO3 と、純度99%以上のEu2 3 、Gd2
3 、Tb2 3 、Dy2 3 、Ho23 、Er
2 3 、Tm2 3 、Yb2 3 、BaZrO3 、Mg
OおよびMnOを準備した。これらの原料粉末と第1ま
たは第2のどちらか一方の副成分である上記酸化物粉末
を表2および表3に示す組成になるように秤量した。な
お、第1、第2の副成分の添加量は、主成分[{Ba
O}m TiO2 +αR2 3 +βBaZrO3 +γMg
O+gMnO]100重量部に対する添加部数である。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】次いで、この秤量物にポリビニルブチラー
ル系バインダおよびエタノールなどの有機溶剤を加え
て、ボールミルにより湿式混合し、セラミックスラリー
を調整した。このセラミックスラリーをドクターブレー
ド法によりシート成形し、厚み35μmの矩形のグリー
ンシートを得た。その後、このセラミックグリーンシー
ト上に、Niを主体とする導電ペーストを印刷し、内部
電極を構成するための導電ペースト層を形成した。
【0033】その後、導電ペースト層が形成されたセラ
ミックグリーンシートを導電ペーストが引き出されてい
る側が互い違いとなるように複数枚積層し、積層体を得
た。この積層体を、N2 雰囲気中にて350℃の温度に
加熱し、バインダを分解させた後、酸素分圧10-9〜1
-12 MPaのH2 −N2 −H2 Oガスからなる還元性
雰囲気中において表4および表5に示す温度で2時間焼
成し、セラミック焼結体を得た。
【0034】焼成後、得られたセラミック焼結体の両端
面にB2 3 −Li2 O−SiO2−BaO系のガラス
フリットを含有する銀ペーストを塗布し、N2 雰囲気中
において600℃の温度で焼き付け、内部電極と電気的
に接続された外部電極を形成した。このようにして得ら
れた積層セラミックコンデンサの外形寸法は幅:5.0
mm、長さ:5.7mm、厚さ:2.4mmであり、誘
電体セラミック層の厚みは30μmであった。また、有
効誘電体セラミック層の総数は57であり、1層当たり
の対向電極の面積は8.2×10-62 であった。
【0035】次に、硫酸ニッケル、塩化ニッケルおよび
ホウ酸を含有するニッケルめっき液を用意し、バレルめ
っき法にて、外部電極上にニッケルめっき層を形成し
た。最後に、AS(アルカノールスルホン酸)浴からな
る半田めっき液を用意し、バレルめっき法にて、ニッケ
ルめっき層上に半田めっき層を形成した。次に、これら
積層セラミックコンデンサの電気的特性を測定した。静
電容量(C)および誘電損失(tanδ)は自動ブリッ
ジ式測定器を用いて、周波数1kHz、1Vrms、温
度25℃にて測定し、静電容量から誘電率(ε)を算出
した。その後、絶縁抵抗(R)を測定するために、絶縁
抵抗計を用い、315V(すなわち、10kV/m
m)、および945V(すなわち、30kV/mm)の
直流電圧を2分間印加して25℃および150℃での絶
縁抵抗を測定し、静電容量と絶縁抵抗との積、すなわち
CR積を求めた。
【0036】また、温度変化に対する静電容量の変化率
を測定した。温度変化に対する静電容量の変化率につい
ては、20℃での静電容量を基準とした−25℃と85
℃とでの変化率(ΔC/C20)、ならびに、25℃で
の静電容量を基準とした、−55℃と125℃とでの変
化率(ΔC/C25)および−55℃〜125℃の範囲
内で絶対値としてその変化率の最大となった値(|ΔC
|max )を求めた。
【0037】また、DCバイアス特性を評価した。すな
わち、まず1kHz、1VrmsのAC電圧を印加した
ときの静電容量を測定した。次に、DC150Vと1k
Hz、1VrmsのAC電圧を同時に印加した時の静電
容量を測定した。そして、DC電圧を負荷したことによ
る静電容量の低下率ΔC/Cを算出した。また、高温負
荷試験として、各試料を36個ずつ、温度150℃にて
750V(すなわち、25kV/mm)の直流電圧を印
加して、その絶縁抵抗の経時変化を測定した。なお、高
温負荷寿命試験は各試料の絶縁抵抗値が106 Ω以下に
なったときの時間を寿命時間とし、その平均寿命時間を
求めた。
【0038】さらに、絶縁破壊電圧は昇圧速度100V
/秒でAC電圧およびDC電圧をそれぞれ印加し、AC
電圧およびDC電圧での破壊電圧を測定した。以上の結
果を表4および表5に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】表1〜表5から明らかなように、本発明の
積層セラミックコンデンサは5kV/mmのDC電圧印
加時の容量低下率が−45%以内と小さく、誘電損失は
1.0%以下で、温度に対する静電容量の変化率が−2
5℃〜+85℃の範囲でJIS規格に規定するB特性規
格を満足し、−55℃〜125℃の範囲でEIA規格に
規定するX7R特性規格を満足する。
【0042】しかも、10kV/mmという高電界強度
下で使用する時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をC
R積で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、2
00Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧が
AC電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/
mm以上と大きい値を示す。さらに、150℃、25k
V/mmの加速試験において平均寿命時間が800時間
以上と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で
焼成可能である。
【0043】ここで、本発明の組成限定理由について説
明する。{BaO}m TiO2 +αR2 3 +βBaZ
rO3 +γMgO+gMnO(ただし、R2 3 はEu
2 3 、Gd2 3 、Tb2 3 、Dy2 3 、Ho2
3 、Er2 3 、Tm2 3 およびYb2 3 の中か
ら選ばれる少なくとも1種であり、α、β、γおよびg
はモル比を表す。)において、試料番号1のように、R
2 3 量αが0.001未満の場合には絶縁抵抗が低
く、CR積が小さくなるので好ましくない。一方、試料
番号2のようにR2 3量αが0.06を超える場合に
は、温度特性がB特性/X7R特性を満足せず、信頼性
が悪くなるので好ましくない。したがって、R2 3
αは0.001≦α≦0.06の範囲が好ましい。
【0044】また、試料番号3のように、BaZrO3
量βが0の場合には、絶縁抵抗が低く、BaZrO3
含む系よりも絶縁抵抗の電圧依存性が大きいので好まし
くない。一方、試料番号4のように、BaZrO3 量β
が0.06を超えた場合には、温度特性もB特性/X7
R特性を満足せず、平均寿命時間が短いので好ましくな
い。したがって、BaZrO3 量βは0.005≦β≦
0.06の範囲が好ましい。
【0045】また、試料番号5のように、MgO量γが
0.001の場合、絶縁抵抗が低く、温度特性がB特性
/X7R特性を満足しないので好ましくない。一方、試
料番号6のように、MgO量γが0.12を超えると、
焼結温度が高くなり、誘電損失が2.0%を超え、しか
も、平均寿命時間が短くなるので好ましくない。したが
って、MgO量γは0.001<γ≦0.12の範囲が
好ましい。
【0046】また、試料番号7のように、MnO量gが
0.001の場合、半導体化のため測定不能となり好ま
しくない。一方、試料番号8のように、MnO量gが
0.12を超える場合には、温度特性X7Rを満足せ
ず、絶縁抵抗が低く、平均寿命時間が短くなり好ましく
ない。したがって、MnO量gは0.001<g≦0.
12の範囲が好ましい。
【0047】また、試料番号9のように、MgOとMn
O量の合計γ+gが0.13を超えると、誘電損失が
2.0%以上まで大きくなり、平均寿命時間が短くなる
ので好ましくない。したがって、MgOとMnO量の合
計γ+gはγ+g≦0.13の範囲が好ましい。また、
試料番号10のように、BaO/TiO2 比mが1.0
00未満の場合、半導体化のため測定不能となり好まし
くない。また、試料番号11のように、BaO/TiO
2 比mが1.000の場合、絶縁抵抗が低く、ACおよ
びDCの破壊電圧が低く、平均寿命時間が短く好ましく
ない。一方、試料番号12および13のように、BaO
/TiO2 比mが1.035を超えた場合、焼結不足の
ため測定不能となり好ましくない。したがって、BaO
/TiO2 比mは1.000<m≦1.035の範囲が
好ましい。
【0048】また、試料番号14および16のように、
第1の副成分の添加量および第2の副成分の添加量が0
の場合、焼結不足のため測定不能となり好ましくない。
一方、試料番号15および17のように、第1の副成分
の添加量または第2の副成分の添加量が3.0重量部を
超えた場合、誘電損失が1.0%を超え、また、絶縁抵
抗も破壊電圧も低く、しかも、平均寿命時間も短くなり
好ましくない。したがって、第1または第2の副成分の
どちらか一方の含有量は0.2〜3.0重量部の範囲が
好ましい。
【0049】さらに、チタン酸バリウム中に不純物とし
て含まれるアルカリ金属酸化物の含有量を0.02重量
%以下としたのは、試料番号18のように、アルカリ金
属酸化物の含有量が0.02重量%を超える場合には、
誘電率の低下を生じるからである。 (実施例2)誘電体粉末として、表1のAのチタン酸バ
リウムを用いて、BaO1.010 ・TiO2 +0.035
Eu2 3 +0.02BaZrO3 +0.03MgO+
0.01MnO(モル比)の原料を準備し、これに、1
200〜1500℃で加熱して作製した表6に示す平均
粒径1μm以下のLi2 O−B2 3 −(Si,Ti)
2 系の酸化物を第1の副成分として添加して、その他
は実施例1と同様にして積層セラミックコンデンサを作
製した。なお、Al2 3 、ZrO2 の添加量は、第1
の副成分[xLi2 O−yB2 3 −z(Si,Ti)
2 ]100重量部に対する添加部数である。また、作
製した積層セラミックコンデンサの寸法形状は実施例1
と同様である。
【0050】
【表6】
【0051】次いで、実施例1と同様にして電気的特性
を測定した。ただし、絶縁抵抗は、315V(すなわ
ち、10kV/mm)においてのみ測定し、静電容量と
絶縁抵抗との積、すなわちCR積を求めた。また、この
CR積は、めっき前とめっき後の双方について求めた
が、その他の特性は、めっき後の試料についてのみ求め
た。その結果を表7に示す。
【0052】
【表7】
【0053】表6および表7から明らかなように、図4
に示すxLi2 O−yB2 3 −z(Siw Ti1-w
2 系の酸化物の三元組成図のA(x=0、y=20、
z=80)、B(x=19、y=1、z=80)、C
(x=49、y=1、z=50)、D(x=45、y=
50、z=5)、E(x=20、y=75、z=5)、
F(x=0、y=80、z=20)(ただし、x、yお
よびzはモル%であり、wは0.30≦w<1.0の範
囲内)で示される各点を結ぶ直線で囲まれた領域の内部
または線上にある酸化物が添加された試料番号101〜
114のものは、5kV/mmのDC電圧印加時の容量
低下率が−45%以内と小さく、誘電損失は1.0%以
下で、温度に対する静電容量の変化率が−25℃〜85
℃の範囲でJIS規格に規定するB特性規格を満足し、
−55℃〜125℃の範囲でEIA規格に規定するX7
R特性規格を満足するという好ましい結果が得られる。
【0054】しかも、10kV/mmの高電界強度下で
使用した時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をCR積
で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、200
Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧がAC
電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/mm
以上と大きい値を示す。さらに、150℃、25kV/
mmの加速試験において平均寿命時間が800時間以上
と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で焼成
可能である。
【0055】さらに、めっき前後のCR積を比べればわ
かるように、めっきを施しても、電気的特性が実質的に
劣化しない。これに対して、Li2 O−B2 3 −(S
w Ti1-w )O2 系の酸化物が上記組成範囲外の場合
は、試料番号115〜118に示すとおり、焼結不足と
なるか、焼結しても、めっきによって極端に絶縁抵抗が
低下して好ましくない。
【0056】また、上記組成範囲内にあっても、試料番
号119のように、Si量wの値が0.30未満の場合
には、焼結不足となり、また、試料番号120のよう
に、Si量wの値が1.0の場合には、10kV/mm
の高電界強度下でのめっき後の絶縁抵抗が極端に低くな
り好ましくない。したがって、Si量wは、0.30≦
w<1.0の範囲が好ましい。
【0057】また、試料番号111〜114のように、
Li2 O−B2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸化物
に、Al2 3 および/またはZrO2 を含有させるこ
とで、10kV/mmの電界強度下における25℃、1
50℃の絶縁抵抗が5400Ω・F、300Ω・F以上
の積層コンデンサが得られるが、試料番号121および
122のように、Al2 3 添加量として20重量部お
よびZrO2 添加量として10重量部を超えると、焼結
性が極端に低下する。
【0058】(実施例3)誘電体粉末として、表1のA
のチタン酸バリウムを用いて、BaO1.010 ・TiO2
+0.025Ho2 3 +0.015BaZrO3
0.02MgO+0.01MnO(モル比)の原料を準
備し、これに、1300〜1500℃で加熱して作製し
た表8に示す平均粒径1μm以下のB2 3 −Al2
3 −MO系の酸化物を第2の副成分として添加して、そ
の他は実施例1と同様にして積層セラミックコンデンサ
を作製した。なお、作製した積層コンデンサの外形寸法
などは、実施例1と同様である。
【0059】
【表8】
【0060】次いで、実施例2と同様にして電気的特性
を測定した。その結果を表9に示す。
【0061】
【表9】
【0062】表8および表9から明らかなように、図5
に示すB2 3 −Al2 3 −MO系の酸化物の三元組
成図のA(x=85、y=1、z=14)、B(x=7
0、y=20、z=10)、C(x=50、y=30、
z=20)、D(x=10、y=40、z=50)、E
(x=10、y=20、z=70)、F(x=60、y
=1、z=39)で示される各点を結ぶ直線で囲まれた
領域の内部または線上にある酸化物が添加された試料番
号201〜210のものは、5kV/mmのDC電圧印
加時の容量低下率が−45%以内と小さく、誘電損失は
1.0%以下で温度に対する静電容量の変化率が、−2
5℃〜85℃の範囲でJIS規格に規定するB特性規格
を満足し、−55℃〜125℃の範囲内でEIA規格に
規定するX7R特性規格を満足するという好ましい結果
が得られる。
【0063】しかも、10kV/mmの高い電界強度で
使用した時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をCR積
で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、200
Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧がAC
電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/mm
以上と大きい値を示す。さらに、150℃、25kV/
mmの加速試験において平均寿命時間が800時間以上
と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で焼成
可能である。
【0064】さらに、めっき前後のCR積を比べればわ
かるように、めっきを施しても、電気的特性が実質的に
劣化しない。これに対して、B2 3 −Al2 3 −M
O系の酸化物が上記組成範囲外の場合は、試料番号21
1〜216に示すように焼結不足となるか、焼結して
も、めっきによって極端に絶縁抵抗が低下するので好ま
しくない。
【0065】(実施例4)実施例1と同様の方法によ
り、表1の4種類のチタン酸バリウム(BaTi
3 )、第1の副成分としての酸化物粉末、および第2
の副成分としての酸化物粉末を得た。次に、チタン酸バ
リウムのBa/Tiモル比mを調整するためのBaCO
3 と、純度99%以上のSc2 3 、Y2 3 、BaZ
rO3 、MgOおよびMnOを準備した。これらの原料
粉末と第1または第2のどちらか一方の副成分である上
記酸化物粉末を表10および表11に示す組成になるよ
うに秤量した。なお、第1、第2の副成分の添加量は、
主成分[{BaO}m TiO2 +αM2 3 +βBaZ
rO3 +γMgO+gMnO]100重量部に対する添
加部数である。そして、この秤量物を用いて、実施例1
と同様の方法により、積層セラミックコンデンサを作製
した。また、作製した積層セラミックコンデンサの外形
寸法などは、実施例1と同様である。
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】次いで、実施例1と同様にして電気的特性
を測定した。その結果を表12および表13に示す。
【0069】
【表12】
【0070】
【表13】
【0071】表10〜表13から明らかなように、本発
明の積層セラミックコンデンサは5kV/mmのDC電
圧印加時の容量低下率が−45%以内と小さく、誘電損
失は1.0%以下で、温度に対する静電容量の変化率が
−25℃〜+85℃の範囲でJIS規格に規定するB特
性規格を満足し、−55℃〜125℃の範囲でEIA規
格に規定するX7R特性規格を満足する。
【0072】しかも、10kV/mmという高電界強度
下で使用する時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をC
R積で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、2
00Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧が
AC電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/
mm以上と大きい値を示す。さらに、150℃、25k
V/mmの加速試験において平均寿命時間が800時間
以上と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で
焼成可能である。
【0073】ここで、本発明の組成限定理由について説
明する。{BaO}m TiO2 +αM2 3 +βBaZ
rO3 +γMgO+gMnO(ただし、M2 3 はSc
2 3 およびY2 3 の少なくとも一方であり、α、
β、γおよびgはモル比を表す。)において、試料番号
301のように、M2 3 量αが0.001未満の場合
には、温度特性がB特性/X7R特性を満足しなくなり
好ましくない。一方、試料番号302のようにM2 3
量αが0.06を超える場合には、比誘電率が1000
未満まで小さくなり好ましくない。したがって、M2
3 量αは0.001≦α≦0.06の範囲が好ましい。
【0074】また、試料番号303のように、BaZr
3 量βが0の場合には、絶縁抵抗が低く、BaZrO
3 を含む系よりも絶縁抵抗の電圧依存性が大きいので好
ましくない。一方、試料番号304のように、BaZr
3 量βが0.06を超えた場合には、温度特性もB特
性/X7R特性を満足せず、平均寿命時間が短いので好
ましくない。したがって、BaZrO3 量βは0.00
5≦β≦0.06の範囲が好ましい。
【0075】また、試料番号305のように、MgO量
γが0.001の場合、絶縁抵抗すなわちCR積が低
く、温度特性がB特性/X7R特性を満足しないので好
ましくない。一方、試料番号306のように、MgO量
γが0.12を超えると、焼結温度が高くなり、誘電損
失が2.0%を超え、しかも、平均寿命時間が短くなる
ので好ましくない。したがって、MgO量γは0.00
1<γ≦0.12の範囲が好ましい。
【0076】また、試料番号307のように、MnO量
gが0.001の場合、半導体化のため測定不能となり
好ましくない。一方、試料番号308のように、MnO
量gが0.12を超える場合には、温度特性X7Rを満
足せず、絶縁抵抗が低く、平均寿命時間が短くなり好ま
しくない。したがって、MnO量gは0.001<g≦
0.12の範囲が好ましい。
【0077】また、試料番号309のように、MgOと
MnO量の合計γ+gが0.13を超えると、誘電損失
が2.0%以上まで大きくなり、平均寿命時間が短くな
るので好ましくない。したがって、MgOとMnO量の
合計γ+gはγ+g≦0.13の範囲が好ましい。ま
た、試料番号310のように、BaO/TiO2 比mが
1.000未満の場合、半導体化のため測定不能となり
好ましくない。また、試料番号311のように、BaO
/TiO2 比mが1.000の場合、絶縁抵抗が低く、
ACおよびDCの破壊電圧が低く、平均寿命時間が短く
好ましくない。一方、試料番号312および313のよ
うに、BaO/TiO2 比mが1.035を超えた場
合、焼結不足のため測定不能となり好ましくない。した
がって、BaO/TiO2 比mは1.000<m≦1.
035の範囲が好ましい。
【0078】また、試料番号314および316のよう
に、第1の副成分の添加量および第2の副成分の添加量
が0の場合、焼結不足のため測定不能となり好ましくな
い。一方、試料番号315および317のように、第1
の副成分の添加量または第2の副成分の添加量が3.0
重量部を超えた場合、誘電損失が1.0%を超え、ま
た、絶縁抵抗も破壊電圧も低く、しかも、平均寿命時間
も短くなり好ましくない。したがって、第1または第2
の副成分のどちらか一方の含有量は0.2〜3.0重量
部の範囲が好ましい。
【0079】さらに、チタン酸バリウム中に不純物とし
て含まれるアルカリ金属酸化物の含有量を0.02重量
%以下としたのは、試料番号318のように、アルカリ
金属酸化物の含有量が0.02重量%を超える場合に
は、誘電率の低下を生じるからである。 (実施例5)誘電体粉末として、表1のAのチタン酸バ
リウムを用いて、BaO1.015 ・TiO2 +0.035
2 3 +0.035BaZrO3 +0.06MgO+
0.01MnO(モル比)の原料を準備し、これに、1
200〜1500℃で加熱して作製した表6に示すのと
同様の平均粒径1μm以下のLi2 O−B2 3 −(S
i,Ti)O2 系の酸化物を第1の副成分として添加し
て、その他は実施例1と同様にして積層セラミックコン
デンサを作製した。なお、作製した積層セラミックコン
デンサの寸法形状は実施例1と同様である。そして、実
施例2と同様にして電気的特性を測定した。その結果を
表14に示す。なお、表14において、試料番号401
〜422は、それぞれ、表6の試料番号101〜122
に対応しており、たとえば、表14の試料番号401
は、表6の試料番号101の副成分を添加して得たもの
である。
【0080】
【表14】
【0081】図4に示すxLi2 O−yB2 3 −z
(Siw Ti1-w )O2 系の酸化物の三元組成図のA
(x=0、y=20、z=80)、B(x=19、y=
1、z=80)、C(x=49、y=1、z=50)、
D(x=45、y=50、z=5)、E(x=20、y
=75、z=5)、F(x=0、y=80、z=20)
(ただし、x、yおよびzはモル%であり、wは0.3
0≦w<1.0の範囲内)で示される各点を結ぶ直線で
囲まれた領域の内部または線上にある酸化物が添加され
た表6の試料番号101〜114の酸化物を副成分とし
て添加したものは、表14の試料番号401〜414に
おいて見られるように、5kV/mmのDC電圧印加時
の容量低下率が−45%以内と小さく、誘電損失は1.
0%以下で、温度に対する静電容量の変化率が−25℃
〜85℃の範囲でJIS規格に規定するB特性規格を満
足し、−55℃〜125℃の範囲でEIA規格に規定す
るX7R特性規格を満足するという好ましい結果が得ら
れる。
【0082】しかも、10kV/mmの高電界強度下で
使用した時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をCR積
で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、200
Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧がAC
電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/mm
以上と大きい値を示す。さらに、150℃、DC25k
V/mmの加速試験において平均寿命時間が800時間
以上と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で
焼成可能である。
【0083】さらに、めっき前後のCR積を比べればわ
かるように、めっきを施しても、電気的特性が実質的に
劣化しない。これに対して、表6の試料番号115〜1
18のように、Li2 O−B2 3−(Siw
1-w )O2 系の酸化物が上記組成範囲外の場合は、表
14の試料番号415〜418において見られるよう
に、焼結不足となるか、焼結しても、めっきによって極
端に絶縁抵抗が低下して好ましくない。
【0084】また、上記組成範囲内にあっても、表6の
試料番号119のように、Si量wの値が0.30未満
の場合には、表14の試料番号419において見られる
ように、焼結不足となり、また、表6の試料番号120
のように、Si量wの値が1.0の場合には、表14の
試料番号420において見られるように、10kV/m
mの高電界強度下でのめっき後の絶縁抵抗が極端に低く
なり好ましくない。したがって、Si量wは、0.30
≦w<1.0の範囲が好ましい。
【0085】また、表6の試料番号111〜114のよ
うに、Li2 O−B2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸
化物に、Al2 3 および/またはZrO2 を含有させ
ることで、表14の試料番号411〜414において見
られるように、10kV/mmの電界強度下における2
5℃、150℃の絶縁抵抗が5390Ω・F、290Ω
・F以上の積層コンデンサが得られるが、表6の試料番
号121および122のように、Al2 3 添加量とし
て20重量部およびZrO2 添加量として10重量部を
超えると、表14の試料番号421および422におい
て見られるように、焼結性が極端に低下する。
【0086】(実施例6)誘電体粉末として、表1のA
のチタン酸バリウムを用いて、BaO1.015 ・TiO2
+0.035Sc2 3 +0.035BaZrO3
0.06MgO+0.01MnO(モル比)の原料を準
備し、これに、1300〜1500℃で加熱して作製し
た表8に示すのと同様の平均粒径1μm以下のB2 3
−Al2 3−MO系の酸化物を第2の副成分として添
加して、その他は実施例1と同様にして積層セラミック
コンデンサを作製した。作製した積層コンデンサの外形
寸法などは、実施例1と同様である。そして、実施例2
と同様にして電気的特性を測定した。その結果を表15
に示す。なお、表15において、試料番号501〜51
6は、それぞれ、表8の試料番号201〜216に対応
しており、たとえば、表15の試料番号501は、表8
の試料番号201の副成分を添加して得たものである。
【0087】
【表15】
【0088】図5に示すB2 3 −Al2 3 −MO系
の酸化物の三元組成図のA(x=85、y=1、z=1
4)、B(x=70、y=20、z=10)、C(x=
50、y=30、z=20)、D(x=10、y=4
0、z=50)、E(x=10、y=20、z=7
0)、F(x=60、y=1、z=39)で示される各
点を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または線上にある酸
化物が添加された表8の試料番号201〜210の酸化
物を副成分として添加したものは、表15の試料番号5
01〜510において見られるように、5kV/mmの
DC電圧印加時の容量低下率が−45%以内と小さく、
誘電損失は1.0%以下で温度に対する静電容量の変化
率が、−25℃〜85℃の範囲でJIS規格に規定する
B特性規格を満足し、−55℃〜125℃の範囲内でE
IA規格に規定するX7R特性規格を満足するという好
ましい結果が得られる。
【0089】しかも、10kV/mmの高い電界強度で
使用した時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をCR積
で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、200
Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧がAC
電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/mm
以上と大きい値を示す。さらに、150℃、DC25k
V/mmの加速試験において平均寿命時間が800時間
以上と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で
焼成可能である。
【0090】さらに、めっき前後のCR積を比べればわ
かるように、めっきを施しても、電気的特性が実質的に
劣化しない。これに対して、表8の試料番号211〜2
16のように、B2 3 −Al2 3 −MO系の酸化物
が上記組成範囲外の場合は、表15の試料番号511〜
516において見られるように、焼結不足となるか、焼
結しても、めっきによって極端に絶縁抵抗が低下するの
で好ましくない。
【0091】(実施例7)実施例1と同様の方法によ
り、表1の4種類のチタン酸バリウム(BaTi
3 )、第1の副成分としての酸化物粉末、および第2
の副成分としての酸化物粉末を得た。次に、チタン酸バ
リウムのBa/Tiモル比mを調整するためのBaCO
3 と、純度99%以上のSc2 3 、Y2 3 、Eu2
3 、Gd2 3 、Tb2 3 、Dy2 3 、BaZr
3 、MgOおよびMnOを準備した。これらの原料粉
末と第1または第2のどちらか一方の副成分である上記
酸化物粉末を表16および表17に示す組成になるよう
に秤量した。なお、第1、第2の副成分の添加量は、主
成分[{BaO}m TiO2 +αM2 3 +βR2 3
+γBaZrO 3 +gMgO+hMnO]100重量部
に対する添加部数である。そして、この秤量物を用い
て、実施例1と同様の方法により、積層セラミックコン
デンサを作製した。また、作製した積層セラミックコン
デンサの外形寸法などは、実施例1と同様である。
【0092】
【表16】
【0093】
【表17】
【0094】次いで、実施例1と同様にして電気的特性
を測定した。その結果を表18および表19に示す。
【0095】
【表18】
【0096】
【表19】
【0097】表16〜表19から明らかなように、本発
明の積層セラミックコンデンサは5kV/mmのDC電
圧印加時の容量低下率が−45%以内と小さく、誘電損
失は1.0%以下で、温度に対する静電容量の変化率が
−25℃〜+85℃の範囲でJIS規格に規定するB特
性規格を満足し、−55℃〜125℃の範囲でEIA規
格に規定するX7R特性規格を満足する。
【0098】しかも、10kV/mmという高電界強度
下で使用する時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をC
R積で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、2
00Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧が
AC電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/
mm以上と大きい値を示す。さらに、150℃、25k
V/mmの加速試験において平均寿命時間が800時間
以上と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で
焼成可能である。
【0099】ここで、本発明の組成限定理由について説
明する。{BaO}m TiO2 +αM2 3 +βR2
3 +γBaZrO3 +gMgO+hMnO(ただし、M
2 3 はSc2 3 およびY2 3 の少なくとも一方、
2 3 はEu2 3 、Gd2 3 、Tb2 3 および
Dy2 3 の中から選ばれる少なくとも1種であり、
α、β、γ、gおよびhはモル比を表す。)において、
試料番号601のように、M2 3 量αが0.001未
満の場合には、温度特性がB特性/X7R特性を満足し
なくなり好ましくない。一方、試料番号602のように
2 3 量αが0.05を超える場合には、比誘電率が
1000未満まで小さくなり好ましくない。したがっ
て、M2 3 量αは0.001≦α≦0.05の範囲が
好ましい。
【0100】また、試料番号603のように、R2 3
量βが0.001未満の場合には絶縁抵抗が低く、CR
積が小さくなるので好ましくない。一方、試料番号60
4のようにR2 3 量βが0.05を超える場合には、
温度特性がB特性/X7R特性を満足せず、信頼性が悪
くなるので好ましくない。したがって、R2 3 量βは
0.001≦β≦0.05の範囲が好ましい。
【0101】また、試料番号605のように、M2 3
とR2 3 量の合計α+βが0.06を超えると、誘電
損失が2.0%以上まで大きくなり、平均寿命時間が短
くなる。したがって、M2 3 とR2 3 量の合計α+
βはα+β≦0.06の範囲が好ましい。また、試料番
号606のように、BaZrO3 量γが0の場合には、
絶縁抵抗が低く、BaZrO3 を含む系よりも絶縁抵抗
の電圧依存性が大きいので好ましくない。一方、試料番
号607のように、BaZrO3 量γが0.06を超え
た場合には、温度特性もB特性/X7R特性を満足せ
ず、平均寿命時間が短いので好ましくない。したがっ
て、BaZrO3 量γは0.005≦γ≦0.06の範
囲が好ましい。
【0102】また、試料番号608のように、MgO量
gが0.001の場合、絶縁抵抗が低く、温度特性がB
特性/X7R特性を満足しないので好ましくない。一
方、試料番号609のように、MgO量gが0.12を
超えると、焼結温度が高くなり、誘電損失が2.0%を
超え、しかも、平均寿命時間が短くなるので好ましくな
い。したがって、MgO量gは0.001<g≦0.1
2の範囲が好ましい。
【0103】また、試料番号610のように、MnO量
hが0.001の場合、半導体化のため測定不能となり
好ましくない。一方、試料番号611のように、MnO
量hが0.12を超える場合には、温度特性X7Rを満
足せず、絶縁抵抗が低く、平均寿命時間が短くなり好ま
しくない。したがって、MnO量hは0.001<h≦
0.12の範囲が好ましい。
【0104】また、試料番号612のように、MgOと
MnO量の合計g+hが0.13を超えると、誘電損失
が2.0%以上まで大きくなり、平均寿命時間が短くな
るので好ましくない。したがって、MgOとMnO量の
合計g+hはg+h≦0.13の範囲が好ましい。ま
た、試料番号613のように、BaO/TiO2 比mが
1.000未満の場合、半導体化のため測定不能となり
好ましくない。また、試料番号614のように、BaO
/TiO2 比mが1.000の場合、絶縁抵抗が低く、
ACおよびDCの破壊電圧が低く、平均寿命時間が短く
好ましくない。一方、試料番号615および616のよ
うに、BaO/TiO2 比mが1.035を超えた場
合、焼結不足のため測定不能となり好ましくない。した
がって、BaO/TiO2 比mは1.000<m≦1.
035の範囲が好ましい。
【0105】また、試料番号617および619のよう
に、第1の副成分の添加量および第2の副成分の添加量
が0の場合、焼結不足のため測定不能となり好ましくな
い。一方、試料番号618および620のように、第1
の副成分の添加量または第2の副成分の添加量が3.0
重量部を超えた場合、誘電損失が2.0%を超え、ま
た、絶縁抵抗も破壊電圧も低く、しかも、平均寿命時間
も短くなり好ましくない。したがって、第1または第2
の副成分のどちらか一方の含有量は0.2〜3.0重量
部の範囲が好ましい。
【0106】さらに、チタン酸バリウム中に不純物とし
て含まれるアルカリ金属酸化物の含有量を0.02重量
%以下としたのは、試料番号621のように、アルカリ
金属酸化物の含有量が0.02重量%を超える場合に
は、誘電率の低下を生じるからである。 (実施例8)誘電体粉末として、表1のAのチタン酸バ
リウムを用いて、BaO1.010 ・TiO2 +0.012
2 3 +0.008Gd2 3 +0.01BaZrO
3 +0.06MgO+0.01MnO(モル比)の原料
を準備し、これに、1200〜1500℃で加熱して作
製した表6に示すのと同様の平均粒径1μm以下のLi
2 O−B2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸化物を第1
の副成分として添加して、その他は実施例1と同様にし
て積層セラミックコンデンサを作製した。なお、作製し
た積層セラミックコンデンサの寸法形状は実施例1と同
様である。そして、実施例2と同様にして電気的特性を
測定した。その結果を表20に示す。なお、表20にお
いて、試料番号701〜722は、それぞれ、表6の試
料番号101〜122に対応しており、たとえば、表2
0の試料番号701は、表6の試料番号101の副成分
を添加して得たものである。
【0107】
【表20】
【0108】図4に示すxLi2 O−yB2 3 −z
(Siw Ti1-w )O2 系の酸化物の三元組成図のA
(x=0、y=20、z=80)、B(x=19、y=
1、z=80)、C(x=49、y=1、z=50)、
D(x=45、y=50、z=5)、E(x=20、y
=75、z=5)、F(x=0、y=80、z=20)
(ただし、x、yおよびzはモル%であり、wは0.3
0≦w<1.0の範囲内)で示される各点を結ぶ直線で
囲まれた領域の内部または線上にある酸化物が添加され
た表6の試料番号101〜114の酸化物を副成分とし
て添加したものは、表20の試料番号701〜714に
おいて見られるように、5kV/mmのDC電圧印加時
の容量低下率が−45%以内と小さく、誘電損失は1.
0%以下で、温度に対する静電容量の変化率が−25℃
〜85℃の範囲でJIS規格に規定するB特性規格を満
足し、−55℃〜125℃の範囲でEIA規格に規定す
るX7R特性規格を満足するという好ましい結果が得ら
れる。
【0109】しかも、10kV/mmの高電界強度下で
使用した時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をCR積
で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、200
Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧がAC
電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/mm
以上と大きい値を示す。さらに、150℃、DC25k
V/mmの加速試験において平均寿命時間が800時間
以上と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で
焼成可能である。
【0110】さらに、めっき前後のCR積を比べればわ
かるように、めっきを施しても、電気的特性が実質的に
劣化しない。これに対して、表6の試料番号115〜1
18のように、Li2 O−B2 3−(Siw
1-w )O2 系の酸化物が上記組成範囲外の場合は、表
20の試料番号715〜718において見られるよう
に、焼結不足となるか、焼結しても、めっきによって極
端に絶縁抵抗が低下して好ましくない。
【0111】また、上記組成範囲内にあっても、表6の
試料番号119のように、Si量wの値が0.30未満
の場合には、表20の試料番号719において見られる
ように、焼結不足となり、また、表6の試料番号120
のように、Si量wの値が1.0の場合には、表20の
試料番号720において見られるように、10kV/m
mの高電界強度下でのめっき後の絶縁抵抗が極端に低く
なり好ましくない。したがって、Si量wは、0.30
≦w<1.0の範囲が好ましい。
【0112】また、表6の試料番号111〜114のよ
うに、Li2 O−B2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸
化物に、Al2 3 および/またはZrO2 を含有させ
ることで、表20の試料番号711〜714において見
られるように、10kV/mmの電界強度下における2
5℃、150℃の絶縁抵抗が5400Ω・F、300Ω
・F以上の積層コンデンサが得られるが、表6の試料番
号121および122のように、Al2 3 添加量とし
て20重量部およびZrO2 添加量として10重量部を
超えると、表20の試料番号721および722におい
て見られるように、焼結性が極端に低下する。
【0113】(実施例9)誘電体粉末として、表1のA
のチタン酸バリウムを用いて、BaO1.010 ・TiO2
+0.018Y2 3 +0.002Eu2 3 +0.0
1BaZrO3 +0.04MgO+0.009MnO
(モル比)の原料を準備し、これに、1300〜150
0℃で加熱して作製した表8に示すのと同様の平均粒径
1μm以下のB2 3 −Al2 3 −MO系の酸化物を
第2の副成分として添加して、その他は実施例1と同様
にして積層セラミックコンデンサを作製した。作製した
積層コンデンサの外形寸法などは、実施例1と同様であ
る。そして、実施例2と同様にして電気的特性を測定し
た。その結果を表21に示す。なお、表21において、
試料番号801〜816は、それぞれ、表8の試料番号
201〜216に対応しており、たとえば、表21の試
料番号801は、表8の試料番号201の副成分を添加
して得たものである。
【0114】
【表21】
【0115】図5に示すB2 3 −Al2 3 −MO系
の酸化物の三元組成図のA(x=85、y=1、z=1
4)、B(x=70、y=20、z=10)、C(x=
50、y=30、z=20)、D(x=10、y=4
0、z=50)、E(x=10、y=20、z=7
0)、F(x=60、y=1、z=39)で示される各
点を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または線上にある酸
化物が添加された表8の試料番号201〜210の酸化
物を副成分として添加したものは、表21の試料番号8
01〜810において見られるように、5kV/mmの
DC電圧印加時の容量低下率が−45%以内と小さく、
誘電損失は1.0%以下で温度に対する静電容量の変化
率が、−25℃〜85℃の範囲でJIS規格に規定する
B特性規格を満足し、−55℃〜125℃の範囲内でE
IA規格に規定するX7R特性規格を満足するという好
ましい結果が得られる。
【0116】しかも、10kV/mmの高い電界強度で
使用した時に、25℃、150℃での絶縁抵抗をCR積
で表したときに、それぞれ5000Ω・F以上、200
Ω・F以上と高い値を示す。また、絶縁破壊電圧がAC
電圧で12kV/mm以上、DC電圧で14kV/mm
以上と大きい値を示す。さらに、150℃、DC25k
V/mmの加速試験において平均寿命時間が800時間
以上と長く、焼成温度も1300℃以下と比較的低温で
焼成可能である。
【0117】さらに、めっき前後のCR積を比べればわ
かるように、めっきを施しても、電気的特性が実質的に
劣化しない。これに対して、表8の試料番号211〜2
16のように、B2 3 −Al2 3 −MO系の酸化物
が上記組成範囲外の場合は、表21の試料番号811〜
816において見られるように、焼結不足となるか、焼
結しても、めっきによって極端に絶縁抵抗が低下するの
で好ましくない。
【0118】以上、各実施例では、チタン酸バリウムと
して、蓚酸法により作製した粉末を用いたが、これに限
定するものではなく、たとえばアルコキシド法あるいは
水熱合成法により作製されたチタン酸バリウム粉末を用
いてもよい。これらの粉末を用いることにより、積層セ
ラミックコンデンサの特性が、前述の各実施例で示した
特性よりも向上することもあり得る。
【0119】また、出発原料として、Sc2 3 、Y2
3 、Eu2 3 、Gd2 3 、Tb2 3 、Dy2
3 、Ho2 3 、Er2 3 、Tm2 3 、Yb
2 3 、MgO、MnO、BaZrO3 などの酸化物粉
末を用いたが、本発明はこれに限定されるものではな
く、この発明の範囲の誘電体セラミック層を構成するよ
うに配合すれば、アルコキシド、有機金属などの溶液を
用いても、得られる特性を何ら損なうものではない。
【0120】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る誘電体磁器組成物によれば、還元雰囲気中で焼成し
ても還元されず、半導体化せず、しかも1300℃以下
と比較的低温で焼結可能である。したがって、この誘電
体磁器組成物を誘電体セラミック層として用いて、積層
セラミックコンデンサを構成するようにすれば、電極材
料として卑金属であるニッケルまたはニッケル合金を用
いることができるので、積層セラミックコンデンサのコ
ストダウンを図ることができる。
【0121】また、この誘電体磁器組成物を用いた積層
セラミックコンデンサは、従来の内部電極にニッケルま
たはニッケル合金を用いた積層セラミックコンデンサで
は絶縁抵抗が低く、信頼性が確保できなかった10kV
/mmの高い電界強度で使用した場合に、絶縁抵抗が静
電容量との積(CR積)で表したときに、室温および1
50℃での絶縁抵抗がそれぞれ5000Ω・F、200
Ω・F以上と高く、絶縁抵抗の電圧依存性が小さく、5
kV/mmのDC電圧印加時の容量低下率の絶対値が4
5%以下と小さく、絶縁耐力が高く、静電容量の温度特
性がJIS規格で規定するB特性およびEIA規格で規
定するX7R特性を満足し、150℃、DC25kV/
mm印加の高温負荷などの耐候性能に優れた積層セラミ
ックコンデンサを得ることができる。
【0122】また、本発明に係る誘電体磁器組成物を用
いた積層セラミックコンデンサは、めっき液によって電
気的特性の劣化を招くことが実質的にないので、表面実
装に好適に対応させるための半田等のめっきを外部電極
に施すことを問題なく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による積層セラミックコン
デンサを示す断面図である。
【図2】図1の積層セラミックコンデンサのうち内部電
極を有する誘電体セラミック層部分を示す平面図であ
る。
【図3】図1の積層セラミックコンデンサのうちセラミ
ック積層体部分を示す分解斜視図である。
【図4】Li2 O−B2 3 −(Siw Ti1-w )O2
系の酸化物の三元組成図である。
【図5】B2 3 −Al2 3 −MO系の酸化物の三元
組成図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ 2a,2b 誘電体セラミック層 3 セラミック積層体 4 内部電極 5 外部電極 6,7 めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 秀彦 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属酸化物の含有量が0.02
    重量%以下のチタン酸バリウムと、酸化ユーロピウム、
    酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウ
    ム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウムお
    よび酸化イッテルビウムの中から選ばれる少なくとも1
    種と、ジルコン酸バリウムと、酸化マグネシウムと、酸
    化マンガンとからなり、かつ、次の組成式、 {BaO}m TiO2 +αR2 3 +βBaZrO3
    γMgO+gMnO (ただし、R2 3 はEu2 3 、Gd2 3 、Tb2
    3 、Dy2 3 、Ho 2 3 、Er2 3 、Tm2
    3 およびYb2 3 の中から選ばれる少なくとも1種で
    あり、α、β、γおよびgはモル比を表し、 0.001≦α≦0.06 0.005≦β≦0.06 0.001<γ≦0.12 0.001<g≦0.12 γ+g≦0.13 1.000<m≦1.035 の範囲内にある。)で表される主成分を含有するととも
    に、第1の副成分をLi2 O−B2 3 −(Si,T
    i)O2 系の酸化物とし、第2の副成分をB2 3 −A
    2 3 −MO系(ただし、MOはBaO、CaO、S
    rO、MgO、ZnOおよびMnOの中から選ばれる少
    なくとも1種である。)の酸化物としたときに、該第1
    または第2の副成分のどちらか一方を、前記主成分10
    0重量部に対して、0.2〜3.0重量部含有している
    ことを特徴とする、誘電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属酸化物の含有量が0.02
    重量%以下のチタン酸バリウムと、酸化スカンジウムお
    よび酸化イットリウムの少なくとも一方と、ジルコン酸
    バリウムと、酸化マグネシウムと、酸化マンガンとから
    なり、かつ、次の組成式、 {BaO}m TiO2 +αM2 3 +βBaZrO3
    γMgO+gMnO (ただし、M2 3 はSc2 3 およびY2 3 の少な
    くとも一方であり、α、β、γおよびgはモル比を表
    し、 0.001≦α≦0.06 0.005≦β≦0.06 0.001<γ≦0.12 0.001<g≦0.12 γ+g≦0.13 1.000<m≦1.035 の範囲内にある。)で表される主成分を含有するととも
    に、第1の副成分をLi2 O−B2 3 −(Si,T
    i)O2 系の酸化物とし、第2の副成分をB2 3 −A
    2 3 −MO系(ただし、MOはBaO、CaO、S
    rO、MgO、ZnOおよびMnOの中から選ばれる少
    なくとも1種である。)の酸化物としたときに、該第1
    または第2の副成分のどちらか一方を、前記主成分10
    0重量部に対して、0.2〜3.0重量部含有している
    ことを特徴とする、誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属酸化物の含有量が0.02
    重量%以下のチタン酸バリウムと、酸化スカンジウムお
    よび酸化イットリウムの少なくとも一方と、酸化ユーロ
    ピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウムおよび酸化
    ジスプロシウムの中から選ばれる少なくとも1種と、ジ
    ルコン酸バリウムと、酸化マグネシウムと、酸化マンガ
    ンとからなり、かつ、次の組成式、 {BaO}m TiO2 +αM2 3 +βR2 3 +γB
    aZrO3 +gMgO+hMnO (ただし、M2 3 はSc2 3 およびY2 3 の少な
    くとも一方、R2 3 はEu2 3 、Gd2 3 、Tb
    2 3 およびDy2 3 の中から選ばれる少なくとも1
    種であり、α、β、γ、gおよびhはモル比を表し、 0.001≦α≦0.05 0.001≦β≦0.05 0.005≦γ≦0.06 0.001<g≦0.12 0.001<h≦0.12 α+β≦0.06 g+h≦0.13 1.000<m≦1.035 の範囲内にある。)で表される主成分を含有するととも
    に、第1の副成分をLi2 O−B2 3 −(Si,T
    i)O2 系の酸化物とし、第2の副成分をB2 3 −A
    2 3 −MO系(ただし、MOはBaO、CaO、S
    rO、MgO、ZnOおよびMnOの中から選ばれる少
    なくとも1種である。)の酸化物としたときに、該第1
    または第2の副成分のどちらか一方を、前記主成分10
    0重量部に対して、0.2〜3.0重量部含有している
    ことを特徴とする、誘電体磁器組成物。
  4. 【請求項4】 前記第1の副成分は、xLi2 O−yB
    2 3 −z(SiwTi1-w )O2 (ただし、x、yお
    よびzはモル%であり、wは0.30≦w<1.0の範
    囲内にある。)で表したとき、それぞれの成分を頂点と
    する三元組成図の A(x=0、y=20、z=80) B(x=19、y=1、z=80) C(x=49、y=1、z=50) D(x=45、y=50、z=5) E(x=20、y=75、z=5) F(x=0、y=80、z=20) で示される各点を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または
    線上にあることを特徴とする、請求項1ないし3のいず
    れかに記載の誘電体磁器組成物。
  5. 【請求項5】 前記第1の副成分中には、前記Li2
    −B2 3 −(Si,Ti)O2 系の酸化物100重量
    部に対してAl2 3 およびZrO2 の少なくとも一方
    を合計で20重量部以下(ただし、ZrO2 は10重量
    部以下)含有することを特徴とする、請求項4に記載の
    誘電体磁器組成物。
  6. 【請求項6】 前記第2の副成分は、xB2 3 −yA
    2 3 −zMO(ただし、x、yおよびzはモル%で
    ある。)で表したとき、それぞれの成分を頂点とする三
    元組成図の A(x=85、y=1、z=14) B(x=70、y=20、z=10) C(x=50、y=30、z=20) D(x=10、y=40、z=50) E(x=10、y=20、z=70) F(x=60、y=1、z=39) で示される各点を結ぶ直線で囲まれた領域の内部または
    線上にあることを特徴とする、請求項1ないし3のいず
    れかに記載の誘電体磁器組成物。
  7. 【請求項7】 複数の誘電体セラミック層と、該誘電体
    セラミック層間に形成された内部電極と、該内部電極に
    電気的に接続された外部電極とを備える、積層セラミッ
    クコンデンサにおいて、前記誘電体セラミック層が請求
    項1ないし6のいずれかに記載の誘電体磁器組成物で構
    成され、前記内部電極がニッケルまたはニッケル合金で
    構成されていることを特徴とする、積層セラミックコン
    デンサ。
  8. 【請求項8】 前記外部電極は、導電性金属粉末、また
    はガラスフリットを添加した導電性金属粉末の焼結層を
    備えることを特徴とする、請求項7に記載の積層セラミ
    ックコンデンサ。
  9. 【請求項9】 前記外部電極は、導電性金属粉末、また
    はガラスフリットを添加した導電性金属粉末の焼結層か
    らなる第1層と、その上のめっき層からなる第2層とを
    備えることを特徴とする、請求項7または8に記載の積
    層セラミックコンデンサ。
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