JPH11302072A - 誘電体セラミック、積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents
誘電体セラミック、積層セラミックコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの製造方法Info
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- JPH11302072A JPH11302072A JP10233807A JP23380798A JPH11302072A JP H11302072 A JPH11302072 A JP H11302072A JP 10233807 A JP10233807 A JP 10233807A JP 23380798 A JP23380798 A JP 23380798A JP H11302072 A JPH11302072 A JP H11302072A
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Abstract
としてニッケル等の卑金属を用いることができ、還元性
雰囲気中で焼成可能な、積層セラミックコンデンサの誘
電体セラミック層を構成するのに適した誘電体セラミッ
クを提供する。 【解決手段】 一般式:{Ba1-x-y Cax Rey O}
m TiO2 +αMgO+βMnOで表される、誘電体セ
ラミック。ただし、Reは、Y、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、またはYbのような希土類元素であり、α、
β、m、x、およびyは、それぞれ、0.001≦α≦
0.05、0.001≦β≦0.025、1.000<
m≦1.035、0.02≦x≦0.15、および0.
001≦y≦0.06となるように選ばれる。
Description
ルまたはニッケル合金のような卑金属からなる内部電極
を有する積層セラミックコンデンサにおいて有利に用い
られる誘電体セラミック、この誘電体セラミックを用い
て構成された積層セラミックコンデンサ、および、この
ような積層セラミックコンデンサの製造方法に関するも
のである。
層された誘電体セラミック層と内部電極金属とが積層さ
れた状態となっている積層体を備えている。このような
積層セラミックコンデンサにおいて、最近では、コスト
低減のため、内部電極となる金属として、高価な貴金属
であるAgやPdに代わって、安価な卑金属であるNi
等が用いられることが多い。
等が酸化されない還元性雰囲気で焼成する必要がある。
しかしながら、還元性雰囲気下での焼成では、チタン酸
バリウムからなるセラミックは、通常、還元されて半導
体化するので好ましくない。
昭57−42588号公報に示されるように、チタン酸
バリウム固溶体における、バリウムサイト/チタンサイ
トの比を化学量論比より過剰にした誘電体材料の非還元
化技術が開発されている。これ以来、Ni等を内部電極
とした積層セラミックコンデンサの実用化が可能とな
り、その生産量も拡大している。
スの発展に伴い、電子部品の小型化が急速に進行し、積
層セラミックコンデンサにおいても、小型化、大容量化
の傾向が顕著である。また、このような積層セラミック
コンデンサに対しては、上述の静電容量の増大ばかりで
なく、静電容量の温度安定性も求められており、温度特
性の良い高誘電率材料として多くの材料が提案され、実
用化されている。
主成分とするもので、これに希土類元素を添加し、焼結
する過程で添加成分をBaTiO3 粒子に拡散させてい
る。得られた焼結体の個々の粒子は、添加成分が拡散し
ていないコア部と添加成分が拡散したシェル部とからな
るコアシェル構造をとることが知られており、平坦な誘
電率の温度特性は、誘電率の温度特性の異なるコア部と
シェル部との重ね合わせによって与えられる。
て、静電容量の温度変化の少ない、また高容量の積層セ
ラミックコンデンサが実現され、市場拡大に大いに貢献
している。
ラミックの焼結と添加成分の拡散の制御とによって達成
されるものであり、焼結が進むと添加成分の拡散も進行
し、平坦な温度特性が得られない。他方、焼結が不十分
であれば、温度特性は安定であるが信頼性に劣る。すな
わち、上述した材料では、工業的に焼結と拡散の安定し
た制御は比較的難しく、得られる誘電率の温度特性も不
安定である。
ンデンサの小型大容量化の要求を満たすため、積層体に
備える誘電体セラミック層をさらに薄層化し、かつ多層
化する必要が生じてきている。しかしながら、薄層化し
た場合、内部電極間のセラミック粒子の個数が少なくな
り、信頼性の低下が著しく、そのため、薄層化には限界
がある。そこで、セラミック粒子の粒径を小さくし、信
頼性の高い、しかも誘電率の電界強度安定性に優れた材
料の開発が望まれている。
高温度を高くすることが望まれており、高い温度まで特
性が安定していることが望まれている。積層セラミック
コンデンサの場合にも、より高い温度(たとえば150
℃)まで誘電率の温度特性が安定であり、信頼性が高い
ことが望まれている。
った材料では、BaTiO3 粒子を小さくすると焼結性
が増大し、添加成分の拡散も増大し、平坦な温度特性の
確保が比較的困難になる。また、BaTiO3 は、高い
温度(たとえば150℃)での誘電率の変化が大きく、
誘電率の温度特性を高い温度まで安定にさせることが比
較的困難である。
材料を用いて、積層セラミックコンデンサの十分な薄層
化や高い温度までの誘電率の十分な安定化を図ること
は、実質的に困難あるいは不可能であるのが現状であ
る。
な問題を解決し得る、誘電体セラミック、積層セラミッ
クコンデンサおよび積層セラミックコンデンサの製造方
法を提供しようとすることである。
ラミックは、簡単に言えば、添加成分の拡散によるコア
シェル構造を持たない材料であり、そのため、温度特性
や信頼性が添加成分の拡散に影響しない材料である。ま
た、この発明に係る誘電体セラミックを用いて積層セラ
ミックコンデンサを製造すると、静電容量の温度特性に
関して、JIS規格で規定するB特性ならびにEIA規
格で規定するX7R特性およびX8R特性を満足させる
ことができる。
ラミックは、金属元素として、Ba、Ca、Re(ただ
し、Reは希土類元素)、Ti、MgおよびMnを含有
する複合酸化物からなることを特徴としている。
係る誘電体セラミックは、一般式:{Ba1-x-y Cax
Rey O}m TiO2 +αMgO+βMnOによって表
されるものである。ここで、Reは、希土類元素、α
は、0.001≦α≦0.05、βは、0.001≦β
≦0.025、mは、1.000<m≦1.035、x
は、0.02 ≦x≦0.15、yは、0.001≦y
≦0.06である。
おいて、Reは、好ましくは、Y、Gd、Tb、Dy、
Ho、Er、およびYbからなる群から選ばれた少なく
とも1種類の元素である。
おいて、さらに、焼結助剤を含有する場合、この焼結助
剤は、当該誘電体セラミックのための組成物100重量
部に対して、0.2〜5.0重量部含有することが好ま
しい。
するものが有利に用いられる。
セラミックを用いて構成される積層セラミックコンデン
サにも向けられる。
は、複数の積層された誘電体セラミック層を有する積層
体と、この積層体の端面上の互いに異なる位置に設けら
れる複数の外部電極とを備え、積層体の内部には、複数
の内部電極が、いずれかの外部電極に電気的に接続され
るように、それぞれの端縁を端面に露出させた状態で誘
電体セラミック層間の特定の複数の界面に沿ってそれぞ
れ形成されているものであり、このような積層セラミッ
クコンデンサの積層体に備える誘電体セラミック層が、
上述したような誘電体セラミックから構成される。
いて、上述の内部電極は、好ましくは、ニッケルまたは
ニッケル合金を含む。
ンサの製造方法にも向けられる。
ンサの製造方法は、出発原料として、{Ba1-x-y Ca
x Rey O}TiO2 (ただし、Reは希土類元素)で
表される化合物と、Mg化合物と、Mn化合物とを含む
混合物を調製する工程と、この混合物を含む複数のセラ
ミックグリーンシート、およびセラミックグリーンシー
ト間の特定の界面に沿ってそれぞれ形成された複数の内
部電極を積層したものであって、各内部電極の端縁を端
面に露出させている、積層体を作製する工程と、この積
層体を焼成する工程と、各内部電極の露出した端縁にそ
れぞれ電気的に接続されるように積層体の端面上に複数
の外部電極を形成する工程とを備えている。
方法において、好ましくは、{Ba 1-x-y Cax Rey
O}TiO2 で表される化合物中に不純物として含有さ
れるアルカリ金属酸化物の含有量は、0.03wt%以下
とされる。
y O}TiO2 で表される化合物の平均粒径は、好まし
くは、0.1〜0.8μmとされる。
TiO2 で表される化合物の平均粒径は、0.1μm以
上0.3μm以下とされても、0.3μmを超え0.8
μm以下とされてもよく、前者の場合には、当該化合物
の最大粒径は0.5μm以下とされることがより好まし
く、後者の場合には、当該化合物の最大粒径は1.0μ
m以下とされることがより好ましい。
デンサの製造方法において、(誘電体セラミックの平均
粒径)/(出発原料の粉末の平均粒径)の比をRとした
とき、Rは、0.90≦R≦1.2の範囲内にあること
が好ましい。
は、前述したように、金属元素として、Ba、Ca、R
e(ただし、Reは希土類元素)、Ti、MgおよびM
nを含有する複合酸化物からなることを特徴としてい
る。より特定的には、この発明に係る誘電体セラミック
は、一般式:{Ba1-x-y Cax Rey O}m TiO2
+αMgO+βMnOによって表されるものである。こ
こで、Reは、希土類元素、αは、0.001≦α≦
0.05、βは、0.001≦β≦0.025、mは、
1.000<m≦1.035、xは、0.02 ≦x≦
0.15、yは、0.001≦y≦0.06である。
囲気中で焼成しても、半導体化することなく焼成するこ
とができる。また、この誘電体セラミックを用いること
により、静電容量の温度特性がJIS規格で規定するB
特性(−25℃〜+85℃で容量変化が±10%以内)
ならびにEIA規格で規定するX7R特性(−55℃〜
+125℃で容量変化が±15%以内)およびX8R特
性(−55℃〜+155℃で容量変化が±15%以内)
を満足し、室温ないしは高温での絶縁抵抗の高い、高信
頼性で絶縁耐力の優れた積層セラミックコンデンサを得
ることができる。
Dy、Ho、ErもしくはYb、またはこれらの組合せ
が有利に用いられる。
は、通常、焼結助剤を含有している。この焼結助剤は、
当該誘電体セラミックのための組成物100重量部に対
して、たとえば0.2〜5.0重量部含有され、また、
このような焼結助剤としては、SiO2 を主成分とする
ものが有利に用いられる。
図1に示すような積層セラミックコンデンサ1を製造す
るために用いられる。
サ1は、複数の積層された誘電体セラミック層2を有す
る積層体3と、この積層体3の第1および第2の端面4
および5上にそれぞれ設けられる第1および第2の外部
電極6および7とを備える。積層セラミックコンデンサ
1は、全体として直方体形状のチップタイプの電子部品
を構成する。
第2の内部電極9とが交互に配置される。第1の内部電
極8は、第1の外部電極6に電気的に接続されるよう
に、各端縁を第1の端面4に露出させた状態で誘電体セ
ラミック層2間の特定の複数の界面に沿ってそれぞれ形
成され、第2の内部電極9は、第2の外部電極7に電気
的に接続されるように、各端縁を第2の端面5に露出さ
せた状態で誘電体セラミック層2間の特定の複数の界面
に沿ってそれぞれ形成される。
おいて、その積層体3に備える誘電体セラミック層2
が、前述したような誘電体セラミックから構成される。
るため、出発原料として、{Ba1- x-y Cax Re
y O}TiO2 で表される化合物と、Mg化合物と、M
n化合物とを含む混合物をたとえば湿式混合して調製す
る工程が実施される。ここで、好ましくは、{Ba
1-x-y Cax Rey O}m TiO2 +αMgO+βMn
O(ただし、0.001≦α≦0.05、0.001≦
β≦0.025、1.000<m≦1.035、0.0
2≦x≦0.15、0.001≦y≦0.06)で表さ
れる組成の誘電体セラミックが得られるように、上述し
た各化合物の混合率が選ばれる。
O2 で表される化合物の平均粒径は、好ましくは、0.
1〜0.8μmとされる。この場合、平均粒径を0.1
μm以上0.3μm以下(最大粒径は0.5μm以下が
好ましい。)とし、積層セラミックコンデンサ1におい
て、厚みが3μm 以下の薄層の誘電体セラミック層2を
有していても、積層セラミックコンデンサ1において1
25℃までの誘電率の温度特性を安定化させ、また信頼
性を高めることができる。他方、平均粒径が0.3μm
を超え0.8μm以下(最大粒径は1.0μm以下が好
ましい。)の範囲にあり、厚みが3μmを超える積層セ
ラミックコンデンサ1において、150℃の高温まで誘
電率の温度特性を安定させることができる。
O}TiO2 で表される化合物中には、ほとんどの場
合、Na2 O、K2 O等のアルカリ金属酸化物が不純物
として含有されている。このようなアルカリ金属酸化物
の含有量は、誘電体セラミックの電気的特性に大きく影
響することが、本件発明者によって確認されている。す
なわち、アルカリ金属酸化物を0.03wt%以下、より
好ましくは0.02wt%以下にすることにより、信頼性
の高い誘電体セラミックが得られることが確認されてい
る。
iO2 を主成分とする焼結助剤が、誘電体セラミックの
ための組成物100重量部に対して、0.2〜5.0重
量部添加される。このようなSiO2 を主成分とする焼
結助剤を添加することによって、後述する焼成工程にお
いて、誘電体セラミックをたとえば1250℃以下とい
った比較的低温で焼結させることができる。
ダおよび溶媒を添加することによって、スラリーが調製
され、このスラリーを用いて、誘電体セラミック層2と
なるセラミックグリーンシートが作製される。
上に、内部電極8および9となるべき導電性ペースト膜
が形成される。この導電性ペースト膜は、たとえば、ニ
ッケル、銅などの卑金属またはその合金を含み、スクリ
ーン印刷法、蒸着法、めっき法などによって形成され
る。
形成したセラミックグリーンシートを含む複数のセラミ
ックグリーンシートが積層され、プレスされた後、必要
に応じてカットされる。このようにして、複数のセラミ
ックグリーンシート、およびセラミックグリーンシート
間の特定の界面に沿ってそれぞれ形成された複数の内部
電極8および9を積層したものであって、内部電極8お
よび9の各端縁を端面4または5に露出させている、生
の状態の積層体3が作製される。
焼成される。このとき、前述したように、SiO2 を主
成分とする焼結助剤を添加しているので、誘電体セラミ
ックを1250℃以下といった比較的低温度で焼結させ
ることができる。そのため、焼成時における内部電極8
および9の収縮も小さくなり、誘電体セラミック層2の
厚みが薄くても、積層セラミックコンデンサ1の信頼性
を高くすることができるとともに、内部電極8および9
として、前述のように、ニッケル、銅などの卑金属また
はその合金を含むものを問題なく用いることができる。
の焼結に際して、(誘電体セラミックの平均粒径)/
(出発原料の粉末の平均粒径)の粒径比をRとしたと
き、Rは、0.90≦R≦1.2の範囲内にあることが
好ましい。これは、セラミック焼結時に顕著な粒成長が
生じていないことを意味し、誘電率温度特性の優れた誘
電体セラミックを得ることができる。
および第2の内部電極8および9の露出した各端縁にそ
れぞれ電気的に接続されるように、積層体3の第1およ
び第2の端面4および5上に、それぞれ、第1および第
2の外部電極6および7が形成される。
定されるものではない。具体的には、内部電極8および
9と同じ材料を使用することができる。また、たとえ
ば、Ag、Pd、Ag−Pd、Cu、Cu合金などの種
々の導電性金属粉末の焼結層、または、上記導電性金属
粉末とB2 O3 −Li2 O−SiO2 −BaO系、B2
O3 −SiO2 −BaO系、Li2 O−SiO2 −Ba
O系、B2 O3 −SiO 2 −ZnO系などの種々のガラ
スフリットとを配合した焼結層によって構成されること
ができる。このような外部電極6および7の材料組成
は、積層セラミックコンデンサ1の用途、使用場所など
を考慮して適宜選択される。
に、その材料となる金属粉末ペーストを焼成後の積層体
3上に塗布して焼き付けることによって形成されてもよ
いが、焼成前の積層体3上に塗布して、積層体3の焼成
と同時に焼き付けることによって形成されるようにして
もよい。
7は、Ni、Cu、Ni−Cu合金等からなるめっき層
10および11によってそれぞれ被覆される。また、さ
らに、これらめっき層10および11上に、半田、錫等
からなる第2のめっき層12および13が形成されても
よい。
づき説明する。なお、言うまでもないが、この発明の範
囲内における実施可能な形態は、このような実施例のみ
に限定されるものではない。
セラミックコンデンサは、図1に示すような構造の積層
セラミックコンデンサ1である。
O2 、BaCO3 、CaCO3 、およびRe2 O3 (R
eは、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、ErおよびYbの
各元素)を準備して、以下の表1に示すように、Caお
よびReを各含有量となるように秤量した後、混合粉砕
した。乾燥後、粉末を1000℃以上の温度で加熱し、
同じく表1に示す平均粒径を有する{Ba1-x-y Cax
Rey O}m TiO2 を合成した。
末を得るため、以下の表2に示すモル比の組成割合にな
るように、各成分の酸化物、炭酸塩および水酸化物を秤
量し、混合粉砕した。これら酸化物粉末を、白金るつぼ
中において1500℃まで加熱した後、急冷し、粉砕す
ることによって、平均粒径が1μm以下となるようにし
た。
a,Ca,Re)/Tiモル比mを調整するためのBa
CO3 を準備するとともに、MgOおよびMnOを準備
した。
下の表3に示す組成になるように配合し、配合物を得
た。この配合物にポリビニルブチラール系バインダおよ
びエタノール等の有機溶剤を加えて、ボールミルにより
湿式混合し、セラミックスラリーを調製した。このセラ
ミックスラリーをドクターブレード法によりシート成形
し、厚み2.7μmの矩形のグリーンシートを得た。次
に、このセラミックグリーンシート上に、Niを主体と
する導電性ペーストを印刷し、内部電極を構成するため
の導電性ペースト膜を形成した。
ースト膜の引き出されている側が互い違いとなるように
複数枚積層し、積層体を得た。この積層体を、N2 雰囲
気中にて350℃の温度に加熱し、バインダを燃焼させ
た後、酸素分圧10-9〜10-12 MPaのH2 −N2 −
H2 Oガスからなる還元性雰囲気中において表4に示す
温度で2時間焼成した。
2 O−SiO2 −BaO系のガラスフリットを含有する
銀ペーストを塗布し、N2 雰囲気中において600℃の
温度で焼き付け、内部電極と電気的に接続された外部電
極を形成した。
ンデンサの外形寸法は、幅が5.0mm、長さが5.7m
m、厚さが2.4mmであり、内部電極間に介在する誘電
体セラミック層の厚みは2μmであった。また、有効誘
電体セラミック層の総数は5であり、1層当たりの対向
電極の面積は16.3×10-6m2 であった。
測定した。
δ)は自動ブリッジ式測定器を用い、JIS規格510
2に従って測定し、得られた静電容量から誘電率(ε)
を算出した。
絶縁抵抗計を用い、10Vの直流電圧を2分間印加して
25℃での絶縁抵抗(R)を求め、比抵抗を算出した。
ては、20℃での静電容量を基準とした−25℃〜+8
5℃の範囲での変化率(ΔC/C20)と、25℃での静
電容量を基準とした−55℃〜+125℃の範囲での変
化率(ΔC/C25)とを示した。
にて直流電圧を20V印加して、その絶縁抵抗の経時変
化を測定した。なお、高温負荷試験は、各試料の絶縁抵
抗値(R)が105 Ω以下になったときを故障とし、平
均寿命時間を評価した。
V/秒でDC電圧をそれぞれ印加し、破壊電圧を測定し
た。
型電子顕微鏡で観察することによって求め、また、得ら
れた積層セラミックコンデンサに含まれる誘電体セラミ
ックの平均粒径を、積層体の断面研磨面を化学エッチン
グし、走査型電子顕微鏡で観察することによって求め、
これらの結果から、(誘電体セラミックの平均粒径)/
(出発原料の粉末の平均粒径)の粒径比Rを求めた。
せとしては、一般式:{Ba1-x-y Cax Rey O}m
TiO2 +αMgO+βMnOで表され、α、β、m、
x、およびyの各々については、0.001≦α≦0.
05、0.001≦β≦0.025、1.000<m≦
1.035、0.02 ≦x≦0.15、および0.0
01≦y≦0.06となるように選ばれる。
については、1200以上であり、誘電損失について
は、2.5%以下であり、容量変化率については、−4
5%以内であり、容量温度変化率における20℃での静
電容量を基準とした−25℃〜+85℃の範囲での変化
率については、±10%以内であり、同じく25℃での
静電容量を基準とした−55℃〜+125℃の範囲での
変化率については、±15%以内であり、比抵抗につい
ては、13.0Ω・cm以上であり、絶縁破壊電圧につい
ては、10kV/mm以上である。
付したものは、前述の好ましい組成範囲から外れた試料
である。
内にある試料16〜28によれば、温度に対する静電容
量の変化率が−25℃〜+85℃の範囲でJIS規格に
規定するB特性を満足し、−55℃〜+125℃の範囲
でEIA規格に規定するX7R特性を満足する。さら
に、高温負荷試験での平均寿命時間は、多くは100時
間以上、少なくとも70時間以上と長く、信頼性に優
れ、焼成温度も1200℃以下の温度で焼成可能であ
る。以下に、上述の好ましい組成範囲を限定した理由に
ついて説明する。
2未満の場合には、電圧による誘電率の変化が大きく、
また平均寿命が短くなることがある。一方、試料2のよ
うにCaの添加量xが0.15を超える場合には、比誘
電率が小さく、tanδも大きくなることがある。
0.05以上の場合である。このときには、特に平均寿
命の点で、0.02以上0.05未満よりも有利であ
る。
0.001未満の場合には、平均寿命が短くなることが
ある。一方、試料4のようにReの添加量yが0.06
を超える場合には、温度特性がB特性およびX7R特性
を満足しないことがある。
が0.001未満の場合、比抵抗が低く、温度特性がB
特性およびX7R特性を満足しないことがある。一方、
試料6のように、MgOの添加量αが0.05を超える
と、焼結温度が高くなり、また高温負荷試験で故障に至
る時間が短くなることがある。
が0.001未満の場合、比抵抗が低くなることがあ
る。一方、試料8のように、MnOの添加量βが0.0
25を超える場合も、また比抵抗が低く、温度特性がB
特性およびX7R特性を満足しないことがある。
e)/Ti比mが1.000未満の場合、比抵抗が低く
なることがある。試料番号10のように、mが1.00
0の場合も同様に比抵抗が低くなることがある。両者
は、また、高温負荷での故障に至る時間が著しく短く、
高温で電圧を印加した瞬間に故障することがあった。ま
た、試料11のように、(Ba,Ca,Re)/Ti比
mが1.035を超えた場合、焼結性が不足し、高温負
荷での故障に至る時間が短くなることがある。
助剤の添加量が0の場合、焼結が不十分であり、めっき
における比抵抗の低下が大きく、高温負荷での故障に至
る時間が短くなることがある。一方、試料14のよう
に、焼結助剤の添加量が5.0重量部を超えた場合、焼
結助剤に含まれるガラス成分に基づく二次相の生成が増
大し、高温負荷での故障に至る時間も短くなることがあ
る。
iO2 中に不純物として含まれるアルカリ金属酸化物の
含有量に関して、試料15のように、0.03wt%を超
える場合には、高温負荷での故障に至る時間も短くなる
ことがある。
40μmと比較的大きいものでは、誘電率は大きい。反
面、この実施例のように、誘電体セラミック層を薄層化
した場合、高温負荷での故障に至る時間が短く、また、
高電界下での誘電率の変化が大きくなることがある。他
方、試料17のように、平均粒径が0.09μmと小さ
いものでは、誘電率が低く、誘電率の温度変化が大きく
なることがあるが、信頼性は大変良好である。
の粉砕条件を強め、スラリーでの粉末粒径が出発原料粉
末より小さくなるようにした。試料18では、粒径比R
(=誘電体セラミックの平均粒径/出発原料粉末の平均
粒径)が0.85と小さくなり、誘電率が低くなること
がある。他方、試料19のように、粒径比Rが1.30
と大きく、焼成時に粒成長したものでは、誘電体セラミ
ック層を薄層化した場合には、内部電極間のセラミック
粒子の個数が少なくなり、高温負荷での故障に至る時間
が短くなることがある。
80〜1950の範囲にあり、高電界下での静電容量の
変化も40%未満と小さく、安定している。また、めっ
きによる劣化も認められず、高温負荷での故障に至る時
間も長く、信頼性に優れており良好である。
x Rey O}m TiO2 原料として、固相法により作製
した粉末を用いたが、これを限定するものではなく、ア
ルコキシド法あるいは水熱合成法など湿式合成法により
作製された粉末を用いてもよい。
物およびSiO2 を含有する焼結助剤は、酸化物粉末を
用いたが、これに限定されるものでなく、この発明の範
囲内の誘電体セラミックス相を構成できるものであれ
ば、アルコキシド、有機金属などの溶液を用いてもよ
く、これによって得られる特性は何ら損なわれるもので
はない。
るNiの粒子表面には、本来、NiOが存在する。酸化
しやすい焼成条件によっては、NiOが多く生成し、こ
のNiOは、積層コンデンサの積層体を得るための焼成
工程において、積層体を構成する誘電体セラミック中に
拡散する場合もある。また、内部電極の焼結を制御する
目的でZrO2 成分などを添加することもあり、このよ
うな添加物組成は、焼成時に、誘電体セラミック組成に
対して最大で数モル%まで拡散する場合がある。この発
明に係る誘電体セラミック組成によれば、これら電極成
分が拡散しても、その電気的特性に影響がないことも確
認している。
においても当てはまるものである。
に、CaおよびReの各含有量ならびに各平均粒径を有
する{Ba1-x-y Cax Rey O}m TiO2 を合成し
た。なお、実施例2は、一言で言えば、実施例1の場合
に比べて、平均粒径が大きめとなっている点で、実施例
1と異なっている。
施例1と同様に作製した、前掲の表2に示すものを用い
た。
す組成を有するセラミックスラリーを調製した。このセ
ラミックスラリーをドクターブレード法によりシート成
形し、厚み8μmの矩形のグリーンシートを得た。次
に、このセラミックグリーンシート上に、Niを主体と
する導電性ペーストを印刷し、内部電極を構成するため
の導電性ペースト膜を形成した。
を作製した。
ンデンサの内部電極間に介在する誘電体セラミック層の
厚みは6μmであった。
と同様に、これら得られた試料について電気的特性を測
定した。実施例1の場合と異なるところは、絶縁抵抗
(R)の測定において、60Vの直流電圧を2分間印加
して求めた点と、高温負荷試験において、温度150℃
にて直流電圧を60V印加して、その絶縁抵抗の経時変
化を測定した点とである。
示されている。
体セラミックの好ましい組成は、一般式:{Ba1-x-y
Cax Rey O}m TiO2 +αMgO+βMnOで表
され、α、β、m、x、およびyの各々については、
0.001≦α≦0.05、0.001≦β≦0.02
5、1.000<m≦1.035、0.02 ≦x≦
0.15、および0.001≦y≦0.06となるよう
に選ばれる。
付したものは、上述の好ましい組成範囲から外れた試料
である。
内にある試料44〜56によれば、温度に対する静電容
量の変化率が−25℃〜+85℃の範囲でJIS規格に
規定するB特性を満足し、−55℃〜+150℃の範囲
でEIA規格に規定するX8R特性を満足する。さら
に、高温負荷試験での平均寿命時間はほとんどが100
時間以上と長く、焼成温度は1250℃以下の温度で焼
成可能である。以下に、上述の好ましい組成範囲を限定
した理由について説明する。
02未満の場合には、電圧による誘電率の変化が大き
く、また高温負荷試験での平均寿命が短くなることがあ
る。一方、試料30のようにCaの添加量xが0.15
を超える場合には、比誘電率が小さく、tanδも大き
くなることがある。
が0.001未満の場合には、平均寿命が短くなること
がある。一方、試料32のようにReの添加量yが0.
06を超える場合には、誘電率の温度特性がB特性およ
びX8R特性を満足せず、また高温負荷試験での平均寿
命が短くなることがある。
αが0.001未満の場合、焼成時に粒成長し比抵抗が
低く、誘電率の温度特性がB特性およびX8R特性を満
足しないことがある。一方、試料34のように、MgO
の添加量αが0.05を超えると、焼結温度が高くな
り、また高温負荷試験で故障に至る時間が短くなること
がある。
が0.001未満の場合、比抵抗が低くなることがあ
る。一方、試料36のように、MnO添加量βが0.0
25を超える場合も、また比抵抗が低く、温度特性がB
特性およびX8R特性を満足しないことがある。
Re)/Ti比mが1.000未満の場合、および、試
料番号38のように、mが1.000の場合は、いずれ
も、比抵抗が低くなることがあり、また、両者は、高温
負荷での故障に至る時間が著しく短く、高温で電圧を印
加した瞬間に故障することがあった。また、試料39の
ように、(Ba,Ca,Re)/Ti比mが1.035
を超えた場合、焼結性が不足し、高温負荷での故障に至
る時間が短くなることがある。
助剤の添加量が0の場合、焼結が不十分であり、めっき
における比抵抗の低下が大きく、高温負荷での故障に至
る時間が短くなることがある。一方、試料42のよう
に、焼結助剤の添加量が5.0重量部を超えた場合、焼
結助剤に含まれるガラス成分に基づく二次相の生成が増
大し、高温負荷での故障に至る時間も短くなることがあ
る。
iO2 中に不純物として含まれるアルカリ金属酸化物の
含有量に関して、試料43のように、0.03wt%を超
える場合には、高温負荷での故障に至る時間も短くなる
ことがある。
ない場合、粒径比Rが5.5と焼成時の粒成長が著し
く、誘電率の温度変化が大きく好ましくない。また、試
料58のように、MnOの添加量が0の場合、比抵抗が
低く、高温負荷での故障に至る時間が著しく短く好まし
くない。
層の厚みは6μmであるが、試料44のように、平均粒
径が1.20μmと比較的大きいものでは、温度による
誘電率の変化に関しては、小さいが、電圧による誘電率
の変化が大きく、また、高温負荷での故障に至る時間が
短くなることがある。他方、試料45のように、平均粒
径が0.25μmと小さいものでは、誘電体セラミック
層にかかる電界強度が低いため、誘電率が低く、誘電率
の温度変化が大きくなることがある。
ラミックの平均粒径/出発原料粉末の平均粒径)が0.
85と小さいものでは、誘電率が低くなるし、また、誘
電率の温度特性変化率が大きい。他方、試料47のよう
に、粒径比Rが1.25と大きく、焼成時に粒成長した
ものでは、誘電体セラミック層を薄層化した場合には、
内部電極間のセラミック粒子の個数が少なくなり、高温
負荷での故障に至る時間が短くなる。
2030の範囲にあり、誘電体セラミック層の厚みが比
較的厚い、この実施例2では、高電界下での静電容量の
変化も40%未満と小さく、安定している。また、めっ
きによる劣化も認められず、高温負荷での故障に至る時
間も長く、信頼性に優れており良好である。しかしなが
ら、これら試料48〜56のような平均粒径を有するも
のを、実施例1に示したような2μm以下の誘電体セラ
ミック層の厚みを有する積層セラミックコンデンサに適
用した場合には、信頼性の低下が見られることがある。
ば、コアシェル構造を持たない材料であるにも関わら
ず、誘電率の温度特性が良く、信頼性の高い誘電体材料
とすることができる。また、この誘電体セラミックは、
これを得るため、還元性雰囲気中で焼成されても、還元
されないので、この誘電体セラミックを用いて、この発
明に係る積層セラミックコンデンサを構成すると、内部
電極材料として卑金属であるニッケルおよびニッケル合
金を用いることができるようになり、積層セラミックコ
ンデンサのコストダウンを図ることができる。
よれば、コアシェル構造に基づき誘電率の温度特性を平
坦化するのではなく、組成物本来の温度特性に基づき誘
電率の温度特性の平坦化を図るので、温度特性や信頼性
が添加成分の拡散状態に影響されず、焼成条件による特
性の変動を少なくすることができる。そのため、この誘
電体セラミックを用いて得られた、この発明に係る積層
セラミックコンデンサは、特性のばらつきが少なく、誘
電率の温度特性が安定でかつ優れたものとすることがで
きる。
の製造方法において、{Ba1-x-yCax Rey O}T
iO2 で表される化合物の平均粒径を0.1μm以上
0.3μm以下と小さくすることにより、厚み3μm 以
下の薄層の誘電体セラミック層を有する積層セラミック
コンデンサにおいても、たとえば125℃までの誘電率
の温度による変化を小さくすることができ、しかも、誘
電体セラミック層中の粒子数を多く確保できるので、信
頼性を高めることができる。したがって、小型かつ薄層
で大容量の積層セラミックコンデンサを有利に得ること
ができる。
O2 で表される化合物の平均粒径を0.3μmを超え
0.8μm以下と比較的大きくすることにより、厚み3
μm以上の誘電体セラミック層を有する積層セラミック
コンデンサにおいて、たとえば150℃の高温まで、誘
電率の温度による変化を小さくすることができ、しか
も、信頼性を高めることができる。
デンサの製造方法において、{Ba 1-x-y Cax Rey
O}TiO2 で表される化合物中に不純物として含有さ
れるアルカリ金属酸化物の含有量を、0.03wt%以下
に抑えると、誘電体セラミック層の信頼性をより高める
ことができる。
るいは積層セラミックコンデンサの誘電体セラミック層
において、たとえばSiO2 を主成分とする焼結助剤
が、誘電体セラミックのための組成物100重量部に対
して、0.2〜5.0重量部添加されていると、当該誘
電体セラミックの焼成工程において、誘電体セラミック
をたとえば1250℃以下といった比較的低温で焼結さ
せることがより容易になる。したがって、積層セラミッ
クコンデンサにおいては、焼成時における内部電極の収
縮も小さくなり、誘電体セラミック層の厚みが薄くて
も、積層セラミックコンデンサの信頼性をより高くする
ことができるとともに、内部電極として、ニッケル、銅
などの卑金属またはその合金を含むものを問題なく用い
ることができるようになる。
デンサの製造方法において、誘電体セラミック層となる
誘電体セラミックの焼結に際して、(誘電体セラミック
の平均粒径)/(出発原料の粉末の平均粒径)の粒径比
Rを、0.90≦R≦1.2の範囲内にあるように選ぶ
と、セラミック焼結時に顕著な粒成長が生じず、誘電率
温度特性のより優れた誘電体セラミックとすることがで
きる。
ンデンサ1を示す断面図である。
Claims (17)
- 【請求項1】 金属元素として、Ba、Ca、Re(た
だし、Reは希土類元素)、Ti、MgおよびMnを含
有する複合酸化物からなる、誘電体セラミック。 - 【請求項2】 一般式:{Ba1-x-y Cax Rey O}
m TiO2 +αMgO+βMnOで表される、誘電体セ
ラミック。ただし、Reは、希土類元素、αは、0.0
01≦α≦0.05、βは、0.001≦β≦0.02
5、mは、1.000<m≦1.035、xは、0.0
2 ≦x≦0.15、yは、0.001≦y≦0.06
である。 - 【請求項3】 前記Reは、Y、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、およびYbからなる群から選ばれた少なくと
も1種類の元素である、請求項1または2に記載の誘電
体セラミック。 - 【請求項4】 さらに、焼結助剤を含有し、前記焼結助
剤は、当該誘電体セラミックのための組成物100重量
部に対して、0.2〜5.0重量部含有する、請求項1
ないし3のいずれかに記載の誘電体セラミック。 - 【請求項5】 前記焼結助剤は、SiO2 を主成分とす
るものである、請求項4に記載の誘電体セラミック。 - 【請求項6】 複数の積層された誘電体セラミック層を
有する積層体と、前記積層体の端面上の互いに異なる位
置に設けられる複数の外部電極とを備え、前記積層体の
内部には、複数の内部電極が、いずれかの前記外部電極
に電気的に接続されるように、それぞれの端縁を前記端
面に露出させた状態で前記誘電体セラミック層間の特定
の複数の界面に沿ってそれぞれ形成されている、積層セ
ラミックコンデンサであって、 前記誘電体セラミック層が、金属元素として、Ba、C
a、Re(ただし、Reは希土類元素)、Ti、Mgお
よびMnを含有する複合酸化物からなる、積層セラミッ
クコンデンサ。 - 【請求項7】 複数の積層された誘電体セラミック層を
有する積層体と、前記積層体の端面上の互いに異なる位
置に設けられる複数の外部電極とを備え、前記積層体の
内部には、複数の内部電極が、いずれかの前記外部電極
に電気的に接続されるように、それぞれの端縁を前記端
面に露出させた状態で前記誘電体セラミック層間の特定
の複数の界面に沿ってそれぞれ形成されている、積層セ
ラミックコンデンサであって、 前記誘電体セラミック層が、一般式:{Ba1-x-y Ca
x Rey O}m TiO 2 +αMgO+βMnOで表され
る、誘電体セラミックからなる、積層セラミックコンデ
ンサ。ただし、Reは、希土類元素、αは、0.001
≦α≦0.05、βは、0.001≦β≦0.025、
mは、1.000<m≦1.035、xは、0.02
≦x≦0.15、yは、0.001≦y≦0.06であ
る。 - 【請求項8】 前記Reは、Y、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、およびYbからなる群から選ばれた少なくと
も1種類の元素である、請求項6または7に記載の積層
セラミックコンデンサ。 - 【請求項9】 前記誘電体セラミックは、さらに、焼結
助剤を含有し、前記焼結助剤は、当該誘電体セラミック
のための組成物100重量部に対して、0.2〜5.0
重量部含有する、請求項6ないし8のいずれかに記載の
積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項10】 前記焼結助剤は、SiO2 を主成分と
するものである、請求項9に記載の積層セラミックコン
デンサ。 - 【請求項11】 前記内部電極は、ニッケルまたはニッ
ケル合金を含む、請求項6ないし10のいずれかに記載
の積層セラミックコンデンサ。 - 【請求項12】 出発原料として、{Ba1-x-y Cax
Rey O}TiO2(ただし、Reは希土類元素)で表
される化合物と、Mg化合物と、Mn化合物とを含む混
合物を調製する工程と、 前記混合物を含む複数のセラミックグリーンシート、お
よび前記セラミックグリーンシート間の特定の界面に沿
ってそれぞれ形成された複数の内部電極を積層したもの
であって、各前記内部電極の端縁を端面に露出させてい
る、積層体を作製する工程と、 前記混合物を焼結させて誘電体セラミックとするよう
に、前記積層体を焼成する工程と、 各前記内部電極の露出した前記端縁にそれぞれ電気的に
接続されるように前記積層体の前記端面上に複数の外部
電極を形成する工程とを備える、積層セラミックコンデ
ンサの製造方法。 - 【請求項13】 前記{Ba1-x-y Cax Rey O}T
iO2 で表される化合物中に、不純物としてアルカリ金
属酸化物が0.03wt%以下の含有量をもって含有され
る、請求項12に記載の積層セラミックコンデンサの製
造方法。 - 【請求項14】 前記{Ba1-x-y Cax Rey O}T
iO2 で表される化合物の平均粒径が0.1〜0.8μ
mである、請求項12または13に記載の積層セラミッ
クコンデンサの製造方法。 - 【請求項15】 前記{Ba1-x-y Cax Rey O}T
iO2 で表される化合物の平均粒径が0.1μm以上
0.3μm以下である、請求項14に記載の積層セラミ
ックコンデンサの製造方法。 - 【請求項16】 前記{Ba1-x-y Cax Rey O}T
iO2 で表される化合物の平均粒径が0.3μmを超え
0.8μm以下である、請求項14に記載の積層セラミ
ックコンデンサの製造方法。 - 【請求項17】 (前記誘電体セラミックの平均粒径)
/(前記出発原料の粉末の平均粒径)の比をRとしたと
き、Rは、0.90≦R≦1.2の範囲内にある、請求
項12ないし16のいずれかに記載の積層セラミックコ
ンデンサの製造方法。
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