JP2004323315A - 誘電体磁器組成物及びその製造方法並びにそれを用いた積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】比誘電率が2500以上で静電容量の温度依存性が小さく、加えて静電容量の直流バイアス依存性も小さく、鉛を含まない誘電体磁器組成物を提供する。
【解決手段】(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)を100molとしたときに対する副成分の割合を、MgOが1〜4mol、Er2O3が1〜4mol、BaOとCaOの合計が1〜5mol、MnOが0.1〜0.5mol、SiO2が1〜5molの範囲とする。
【選択図】 なし
【解決手段】(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)を100molとしたときに対する副成分の割合を、MgOが1〜4mol、Er2O3が1〜4mol、BaOとCaOの合計が1〜5mol、MnOが0.1〜0.5mol、SiO2が1〜5molの範囲とする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体磁器組成物及びその製造方法並びにそれを用いた積層セラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサは、厚さ数μm〜数十μmの誘電体シートに、内部電極ペーストを印刷したものを複数枚積層し、加圧成形して一体焼成した後に、外部電極が付加された構造になっている。誘電体シートに用いられる誘電体としては、鉛を主成分とする複合型ペロブスカイト組成物と、チタン酸バリウムを主成分として希土類金属や遷移金属酸化物などを添加する組成物とに大別される。鉛を含む磁器組成物を積層セラミックコンデンサに使用する場合、チタン酸バリウム系に比べて比誘電率が大きいため静電容量を大きくできる、また、静電容量の直流バイアス電圧依存性が小さくなるコンデンサを製造できるという特長がある。
【0003】
しかしながら、鉛を含む磁器組成物は静電容量の温度依存性が大きいことや、内部電極として用いる導電性金属粉末のパラジウム、銀−パラジウム、白金などの貴金属が高価であること、さらには環境問題への悪影響を懸念する声の高まりなどから、近年では静電容量の温度依存性が小さく、有害性が低く、安価なニッケルやニッケル合金を内部電極として用いることが可能な、チタン酸バリウムを主成分とする磁器組成物が主流となっている。加えて、鉛系磁器組成物に対して、比誘電率が小さい欠点を補うことができるほど、セラミックグリーンシートの薄層技術がチタン酸バリウム系の磁器組成物において発展したことにより、チタン酸バリウム系の積層セラミックコンデンサにおいても大容量が得られるようになってきている。積層枚数の増加が、卑金属と貴金属の内部電極のコスト差をさらに拡大し、積層セラミックコンデンサの誘電体磁器組成物として鉛を使用しない動きをさらに加速させている。
【0004】
しかしながら、チタン酸バリウムが強誘電性を示すことに起因して、鉛系材料に比較して静電容量の直流バイアス特性が著しく悪くなるという問題がある。加えて、比誘電率が小さいことを補うために誘電体層を薄くすることで、誘電体層の単位厚さあたりに印加される電圧が更に大きくなり、ますます静電容量の直流バイアス特性を悪化させる問題がある。
【0005】
また、卑金属のニッケルやニッケル合金などを内部電極として用いる場合、ニッケルが酸化するのを防ぐために非酸化性雰囲気での脱バインダ、焼結が必要であるため、窒素、水素ガスを用いることで焼結におけるガスのコストが大きくなる。特に、内部電極の積層数が少ない場合、非酸化性雰囲気を作り出すためのガスのコストが、貴金属の内部電極に対するコストメリットよりも高くなる場合がある。そのため、内部電極の積層数が少ない積層セラミックコンデンサにおいては、誘電体としてはチタン酸バリウム系の材料を用い、内部電極としては大気焼成が可能な、銀−パラジウム、パラジウム、白金などの貴金属を用いる場合がある。しかしながら、従来のチタン酸バリウム系の磁器組成物は比誘電率が小さいため、積層数が少ないと鉛系を用いた磁器組成物の静電容量を超えることができない問題がある。ここで、静電容量を増加するために誘電体厚みを薄くすると、バイアス特性が劣化する問題があり、一方、積層数を増加すればコスト増加になるだけでなく、積層セラミックコンデンサの小型化にも支障が生じる問題がある。
【0006】
これらの理由から、鉛を一切含まず、比誘電率が大きく、比誘電率の温度依存性及びバイアス依存性が小さい誘電体磁器材料が望まれていた。
【0007】
バイアス特性の改善要求に対しては、特許文献1に開示されているような鉛系複合べロブスカイトの磁器組成物が多いが、この場合、比誘電率の温度依存性が大きい。非鉛系の磁器組成物においても、バイアス特性を重視したものについては特許文献2に開示されているように、比誘電率は大きいが、比誘電率の温度依存性が大きいものになっている。EIA規格X7R特性(−55℃から+125℃の温度範囲において容量変化率が±15%以内)を満足する程度に比誘電率の温度依存性が小さく、鉛を含まない誘電体磁器としては、特許文献3に開示されているBaTiO3+R2O3+BaZrO3+MnO系がある。しかし、これらの組成系における比誘電率は2500未満と低く、大容量の積層セラミックコンデンサを製造する場合、充分な電気特性とは言えなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−024915号公報
【特許文献2】
特開平9−25162号公報
【特許文献3】
特開平11−92222号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされたもので、具体的には、比誘電率が2500以上で静電容量の温度依存性が小さく、加えて静電容量の直流バイアス依存性も小さく、鉛を含まない誘電体磁器組成物及びその製造方法を提供すること、また、それを用いた積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、以下の手段を講じることを特徴とするものである。
【0011】
(1)積層セラミックコンデンサの誘電体磁器組成物は(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)の組成系を主成分とし、副成分としてMgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2の少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【0012】
(2)積層セラミックコンデンサの誘電体磁器組成物は(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)を100molとしたときに対する副成分の割合が、MgOが1〜4mol、Er2O3が1〜4mol、BaOとCaOの合計が1〜5mol、MnOが0.1〜0.5mol、SiO2が1〜5molの範囲にあることを特徴とするものである。
【0013】
(3)上記(1)、(2)記載の誘電体磁器組成物の製造方法としては、BaαTiO2+ α粉末と、MgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2の少なくとも一種の原料粉末とを混合した第1の混合粉の熱処理を行う工程と、組成(Bi0.5Na0.5)TiO3になるように原料粉末をあらかじめ混合した第2の混合粉の熱処理を行う工程と、組成BiFeO3になるように原料粉末をあらかじめ混合した第3の混合粉の熱処理を行う工程と、熱処理した前記第1の混合粉に対し、それぞれに熱処理した第2の混合粉、第3の混合粉のうち少なくとも一方の混合粉及び、副成分MgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2のうち少なくとも一種を混合する工程を含むことを特徴とするものである。
【0014】
即ち、本発明は、(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)の組成系を主成分とし、副成分としてMgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2の少なくとも一種を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物である。
【0015】
又、本発明は、前記主成分を100molとしたとき、前記MgOが1〜4mol、前記Er2O3が1〜4mol、前記BaOと前記CaOの合計が1〜5mol、前記MnOが0.1〜0.5mol、前記SiO2が1〜5molの範囲にあることを特徴とする上記の誘電体磁器組成物である。
【0016】
又、本発明は、BaαTiO2+ α(1.000≦α≦1.004)粉末と前記副成分の少なくとも一種の原料粉末とを混合した第1の混合粉の熱処理を行う工程と、(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成になるように原料粉末をあらかじめ混合した第2の混合粉の熱処理を行う工程と、BiFeO3の組成になるように原料粉末をあらかじめ混合した第3の混合粉の熱処理を行う工程と、熱処理した前記第1の混合粉に対し、それぞれに熱処理した前記第2の混合粉、前記第3の混合粉のうち少なくとも一方の混合粉及び前記副成分のうち少なくとも一種を混合する工程を含むことを特徴とする上記の誘電体磁器組成物の製造方法である。
【0017】
又、本発明は、上記の誘電体磁器組成物からなる誘電体層を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を上げ、本発明の誘電体磁器組成物とそれを用いた積層セラミックコンデンサについて詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の組成比で表される組成系において、y=0とした2成分を主成分とする誘電体磁器組成物の作製において、BaαTiO2+ αの組成式で表されるチタン酸バリウムは、水熱合成法により平均粒径が0.3μmのものを準備した。一方、(Bi0.5Na0.5)TiO3については、出発原料として市販のBi2O3、Na2CO3、TiO2と、さらにSiO2とをそれぞれモル換算比で1.00:1.00:4.00:0.05の割合でボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕して混合粉(B1)とし、この混合粉(B1)を約800℃で予焼したものを準備した。副成分のMgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2原料としては、市販の試薬Mg(OH)2,Er2O3,BaCO3,CaCO3,MnCO3,SiO2を用いた。ここで、SiO2の添加は、(Bi0.5Na0.5)TiO3の系の耐還元性を高めることを目的としたものであり、Bi2O3、Na2CO3、TiO2、SiO2の混合比は本実施の形態に限定するものではない。
【0020】
まず、BaαTiO2+ αとMgO,Er2O3をボールミルで湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式混合をして混合粉(A1)を得た。この混合粉(A1)を大気中において1100℃で予焼して乾式粉砕したものと、混合粉(B1)を予焼した(Bi0.5Na0.5)TiO3とSiO2からなる粉末、副成分のBaO,CaO,MnO,SiO2を配合したものを湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式粉砕をして磁器組成物を得た。ここで、副成分の混合順序は本実施の形態に限定するものではなく、予焼段階で混合する副成分に応じて予焼条件を選択すればよい。
【0021】
上記の製造方法に従って、(1−x)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成式で表される2成分系を100molとしたとき、主成分の組成比xと副成分MgO、Er2O3、BaO+CaO、MnO、SiO2のそれぞれの割合の磁器組成物を得た。
【0022】
(実施の形態2)
(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の3成分を主成分とする誘電体磁器の作製において、BaαTiO2+ αの組成式で表されるチタン酸バリウムは、水熱合成法により平均粒径が0.3μmのものを準備した。一方、(Bi0.5Na0.5)TiO3については、出発原料として市販のBi2O3、Na2CO3、TiO2とをそれぞれモル換算比で1.00:1.00:4.00の割合でボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕して混合粉(B2)とし、この混合粉(B2)を約800℃で予焼したものを準備した。また、BiFeO3については、出発原料として市販のBi2O3、Fe2O3とをそれぞれモル換算比で1.00:1.00の割合でボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕して混合粉(C2)とし、この混合粉(C2)を約800℃で予焼したものを準備した。副成分のMgO,Er2O3,MnO,SiO2の原料としては、市販の試薬Mg(OH)2,Er2O3,MnCO3,SiO2を用いた。
【0023】
まず、BaαTiO2+ αと副成分のMgO,Er2O3をボールミルで湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式混合をして混合粉(A2)を得た。この混合粉(A2)を大気中1100℃で予焼して乾式粉砕したものと、混合粉(B2)及び混合粉(C2)を予焼した(Bi0.5Na0.5)TiO3及びBiFeO3と、副成分のMnO,SiO2を配合したものを湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式粉砕をして磁器組成物を得た。ここでも、副成分の混合順序は本実施の形態に限定するものではなく、予焼段階で混合する副成分に応じて予焼条件を選択すればよい。
【0024】
(比較例)
(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の3成分を主成分とする誘電体磁器の作製において、水熱合成法により製造された平均粒径が0.3μmのBaαTiO2+ αと、市販のBi2O3、Na2CO3、TiO2、Fe2O3、Mg(OH)2,Er2O3,MnCO3,SiO2とを同時にボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕したものを約800℃で予焼して混合粉を得た。
【0025】
上記の製造方法に従って、(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の組成式で表される3成分系を100molとしたとき、主成分の組成比x、yと副成分MgO、Er2O3、BaO+CaO、MnO、SiO2のそれぞれの割合の磁器組成物を得た。
【0026】
表1に、得られた磁器組成物(試料1から19)における各副成分j、k、l、m、nの値を示す。試料19の磁器組成物は、試料12と同一組成比である。
【0027】
【表1】
【0028】
次に、試料1から9の磁器組成物に有機溶剤、樹脂などを加えて湿式混合してセラミックスラリーとし、このセラミックスラリーをドクターブレード法にて30μmのセラミックグリーンシートに成形した。さらに、このセラミックグリーンシートにNi電極ペーストをパターン印刷した。その後、この電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを所定数積み重ねて加圧成形し、積層体を得た。
【0029】
また、試料10から19に示す磁器組成物に有機溶剤、樹脂などを加えて湿式混合してセラミックスラリーとし、このセラミックスラリーをドクターブレード法にて30μmのセラミックグリーンシートに成形した。さらに、このセラミックグリーンシートにPd電極ペーストをパターン印刷した。その後、この電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積み重ねて加圧成形し、積層体を得た。
【0030】
次に、試料1から9の磁器組成物から得られた積層体を280℃の大気中において樹脂を揮発させた後、加湿した水素と窒素の混合ガス雰囲気中、温度1275℃〜1400℃の範囲で焼成してセラミック焼成体を得た。この焼成体に外部電極として銅ペーストを塗布・焼付けて、本発明の誘電体磁器組成物を誘電層とする、3.2mm×1.6mm×0.8mmの形状を有する積層セラミックコンデンサを得た。
【0031】
また、試料10から18の磁器組成物から得られた積層体を400℃の大気中において樹脂を揮発させた後、同じく大気中、温度1275℃〜1400℃の範囲で焼成してセラミック焼成体を得た。この焼成体に外部電極として銀ペーストを塗布・焼付けて、本発明の誘電体磁器を誘電層とする、3.2mm×l.6mm×0.8mmの形状を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
【0032】
次に、試料19の磁器組成物から得られた積層体を400℃の大気中において樹脂を揮発させた後、同じく大気中、温度1350℃で焼成してセラミック焼成体を得た。この焼成体に外部電極として銀ペーストを塗布・焼付けて、本発明の誘電体磁器を誘電層とする、3.2mm×1.6mm×0.8mmの形状を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
【0033】
次に、これらの積層セラミックコンデンサの静電容量から得られる換算比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量のバイアス依存性ΔCと、静電容量の温度変化率TCCをそれぞれ測定した。これらの測定結果を表2に示す。表2において、静電容量と誘電損失の測定条件は、20℃、1kHz、1Vrmsである。また、絶縁抵抗は100Vの直流電圧を1分間印加して絶縁抵抗計を用いて測定したものをlog(IR)で表示したものである。静電容量のバイアス依存性TCCは、20℃における静電容量C20を基準としたときの変化率で、特に静電容量の変化率が正負の最大となった値をそれぞれ示した。また、静電容量のバイアス依存性ΔCは、20℃においてバイアス電圧を印加しない状態での静電容量に対して、誘電体の単位膜厚あたり1V/μmの直流電圧をかけた時の静電容量の変化率を示したものである。
【0034】
【表2】
【0035】
表2に示すとおり、本発明の請求範囲である磁器組成物を用いた積層セラミックコンデンサ(試料1、3〜5)は、比誘電率が2500以上と大きく、温度特性はEIA規格のX7R特性を満足し、静電容量のバイアス依存性も1V/μmにおいて3%以下と小さい。また、大気焼成においても(試料11〜13)比誘電率が3000以上と大きく、温度特性はEIA規格のX7R特性を満足し、静電容量のバイアス依存性も1V/μmにおいて3%以下と小さい。ここで表1に示す誘電体磁器組成物の副成分の組成比h、i,j、k、l、m、nの値は請求項の範囲内における一実施の形態であり、請求項に記載する範囲であれば、それぞれの組成比に適した焼成条件を選択することで、ほぼ同等の電気特性を得ることができる。
【0036】
また、上記比較例(試料19)に基づいて製造された積層セラミックコンデンサを100個測定したところ、11個が比誘電率3000以上と大きく、温度特性はEIA規格のX7R特性を満足し、絶縁抵抗log(IR)は7.0以上と大きく、静電容量のバイアス依存性も1V/μmにおいて3%以下と小さいものが得られた。しかしながら、89個の積層セラミックコンデンサは絶縁抵抗値が小さい、比誘電率δが2500以下、温度特性がEIA規格のX7R特性を満足しない、絶縁抵抗log(IR)が5.0以下と小さいなどの特性劣化のうち、少なくとも一つ以上の劣化が確認され、安定した積層セラミックコンデンサの電気特性を得ることができなかった。これは、Bi2O3、Na2CO3、TiO2、Fe2O3、Mg(OH)2などの原料粉末の一部分が、組成式(Bi0.5Na0.5)TiO3や組成式BiFeO3で表される、ベロブスカイト型結晶構造に配列することができず、BaαTiO2+ α、(Bi0.5Na0.5)TiO3、BiFeO3の結晶粒界に偏析したことが原因であった。
【0037】
ここで、誘電体磁器の、チタン酸バリウム100molに対する主成分比率、副成分の含有量の範囲について、説明する。
【0038】
主成分を表す(1−x)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成系において、0.01≦x≦0.2としたのは、試料2に示すようにxが0.01未満の場合においては充分な比誘電率εが得られない。また、xが0.2を超える場合、試料6に示すとおり、焼成体が半導体化しやすくなり、コンデンサとしての安定した電気特性を得るのが困難になる。
【0039】
主成分を表す(1−x)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成系において、1.000≦α≦1.004としたのは、αが1.000未満の場合において、還元雰囲気で焼成を行うと、焼成体が半導体化しやすくなり、コンデンサとしての安定した電気特性を得るのが困難になる。また、αが1.000未満の場合において、大気中で焼成を行うと、試料10に示すように比誘電率が2500以下と小さくなり、また、電気特性も非常に不安定になる。αが1.004を超えると、焼結性が悪くなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0040】
副成分であるMgOの添加量を1≦j≦4molとしたのは、添加量jがlmol未満の場合においては、試料7に示すように静電容量の温度依存性が大きくなり、EIA規格のX7R特性を満足するのが困難になる。また、添加量jが4molを超える場合においては、焼結性が低下しやすくなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0041】
副成分であるEr2O3の添加量を1≦k≦4molとしたのは、添加量kがlmol未満になる場合においては、試料8に示すように静電容量の温度依存性が大きくなり、EIA規格のX7R特性を満足するのが困難になる。また、添加量kが4molを超える場合においては、焼結性が低下しやすくなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0042】
副成分であるBaOとCaOの合計の添加量を1≦l≦5molとしたのは、添加量lが1mol未満の場合、還元雰囲気で焼成を行うと、試料9に示すように焼成体が半導体化しやすくなり、安定した電気特性を得るのが困難になる。一方、添加量lが5molを超える場合においては、焼結性が低下しやすくなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0043】
副成分であるMnOの添加量を0.1≦m≦0.5molとしたのは、試料16に示すように添加量mが0.1mol未満になると、ニッケルなどの卑金属を内部電極とする積層セラミックコンデンサとして用いた際に、高温城での絶縁抵抗や誘電損失が悪化し、信頼性が低下しやすくなる。また、静電容量の温度依存性が大きくなる。一方、試料17に示すように添加量mが0.5molを越える場合においては、室温の比誘電率δが小さくなると同時に、コンデンサの静電容量の経時変化が大きくなる。
【0044】
副成分であるSiO2の添加量を1≦n≦5molとしたのは、添加量nが1mol未満になる場合においては、焼結性が低下するため、安定した特性を得ることが困難になる。一方、添加量nが5molを越えると、比誘電率が低下し、ニッケルなどの卑金属を内部電極とする積層セラミックコンデンサとして用いた際に、高温城での絶縁抵抗が低下しやすく、信頼性が低下する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、還元雰囲気中でも還元されずに半導体化しない誘電体磁器を容易に得ることが可能となる。従って、内部電極にニッケルまたはニッケル合金などの卑金属を用いた安価な積層セラミックコンデンサを製造することが可能となる。また、比誘電率が2500以上と大きく、温度、直流バイアス、いずれにも依存性が少ないため、広範囲の使用条件下において安定した静電容量を得ることが可能となる。同時に、積層数、即ち内部電極を低減することが可能となるため、より安価な積層セラミックコンデンサを製造することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体磁器組成物及びその製造方法並びにそれを用いた積層セラミックコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミックコンデンサは、厚さ数μm〜数十μmの誘電体シートに、内部電極ペーストを印刷したものを複数枚積層し、加圧成形して一体焼成した後に、外部電極が付加された構造になっている。誘電体シートに用いられる誘電体としては、鉛を主成分とする複合型ペロブスカイト組成物と、チタン酸バリウムを主成分として希土類金属や遷移金属酸化物などを添加する組成物とに大別される。鉛を含む磁器組成物を積層セラミックコンデンサに使用する場合、チタン酸バリウム系に比べて比誘電率が大きいため静電容量を大きくできる、また、静電容量の直流バイアス電圧依存性が小さくなるコンデンサを製造できるという特長がある。
【0003】
しかしながら、鉛を含む磁器組成物は静電容量の温度依存性が大きいことや、内部電極として用いる導電性金属粉末のパラジウム、銀−パラジウム、白金などの貴金属が高価であること、さらには環境問題への悪影響を懸念する声の高まりなどから、近年では静電容量の温度依存性が小さく、有害性が低く、安価なニッケルやニッケル合金を内部電極として用いることが可能な、チタン酸バリウムを主成分とする磁器組成物が主流となっている。加えて、鉛系磁器組成物に対して、比誘電率が小さい欠点を補うことができるほど、セラミックグリーンシートの薄層技術がチタン酸バリウム系の磁器組成物において発展したことにより、チタン酸バリウム系の積層セラミックコンデンサにおいても大容量が得られるようになってきている。積層枚数の増加が、卑金属と貴金属の内部電極のコスト差をさらに拡大し、積層セラミックコンデンサの誘電体磁器組成物として鉛を使用しない動きをさらに加速させている。
【0004】
しかしながら、チタン酸バリウムが強誘電性を示すことに起因して、鉛系材料に比較して静電容量の直流バイアス特性が著しく悪くなるという問題がある。加えて、比誘電率が小さいことを補うために誘電体層を薄くすることで、誘電体層の単位厚さあたりに印加される電圧が更に大きくなり、ますます静電容量の直流バイアス特性を悪化させる問題がある。
【0005】
また、卑金属のニッケルやニッケル合金などを内部電極として用いる場合、ニッケルが酸化するのを防ぐために非酸化性雰囲気での脱バインダ、焼結が必要であるため、窒素、水素ガスを用いることで焼結におけるガスのコストが大きくなる。特に、内部電極の積層数が少ない場合、非酸化性雰囲気を作り出すためのガスのコストが、貴金属の内部電極に対するコストメリットよりも高くなる場合がある。そのため、内部電極の積層数が少ない積層セラミックコンデンサにおいては、誘電体としてはチタン酸バリウム系の材料を用い、内部電極としては大気焼成が可能な、銀−パラジウム、パラジウム、白金などの貴金属を用いる場合がある。しかしながら、従来のチタン酸バリウム系の磁器組成物は比誘電率が小さいため、積層数が少ないと鉛系を用いた磁器組成物の静電容量を超えることができない問題がある。ここで、静電容量を増加するために誘電体厚みを薄くすると、バイアス特性が劣化する問題があり、一方、積層数を増加すればコスト増加になるだけでなく、積層セラミックコンデンサの小型化にも支障が生じる問題がある。
【0006】
これらの理由から、鉛を一切含まず、比誘電率が大きく、比誘電率の温度依存性及びバイアス依存性が小さい誘電体磁器材料が望まれていた。
【0007】
バイアス特性の改善要求に対しては、特許文献1に開示されているような鉛系複合べロブスカイトの磁器組成物が多いが、この場合、比誘電率の温度依存性が大きい。非鉛系の磁器組成物においても、バイアス特性を重視したものについては特許文献2に開示されているように、比誘電率は大きいが、比誘電率の温度依存性が大きいものになっている。EIA規格X7R特性(−55℃から+125℃の温度範囲において容量変化率が±15%以内)を満足する程度に比誘電率の温度依存性が小さく、鉛を含まない誘電体磁器としては、特許文献3に開示されているBaTiO3+R2O3+BaZrO3+MnO系がある。しかし、これらの組成系における比誘電率は2500未満と低く、大容量の積層セラミックコンデンサを製造する場合、充分な電気特性とは言えなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−024915号公報
【特許文献2】
特開平9−25162号公報
【特許文献3】
特開平11−92222号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みてなされたもので、具体的には、比誘電率が2500以上で静電容量の温度依存性が小さく、加えて静電容量の直流バイアス依存性も小さく、鉛を含まない誘電体磁器組成物及びその製造方法を提供すること、また、それを用いた積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、以下の手段を講じることを特徴とするものである。
【0011】
(1)積層セラミックコンデンサの誘電体磁器組成物は(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)の組成系を主成分とし、副成分としてMgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2の少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【0012】
(2)積層セラミックコンデンサの誘電体磁器組成物は(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)を100molとしたときに対する副成分の割合が、MgOが1〜4mol、Er2O3が1〜4mol、BaOとCaOの合計が1〜5mol、MnOが0.1〜0.5mol、SiO2が1〜5molの範囲にあることを特徴とするものである。
【0013】
(3)上記(1)、(2)記載の誘電体磁器組成物の製造方法としては、BaαTiO2+ α粉末と、MgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2の少なくとも一種の原料粉末とを混合した第1の混合粉の熱処理を行う工程と、組成(Bi0.5Na0.5)TiO3になるように原料粉末をあらかじめ混合した第2の混合粉の熱処理を行う工程と、組成BiFeO3になるように原料粉末をあらかじめ混合した第3の混合粉の熱処理を行う工程と、熱処理した前記第1の混合粉に対し、それぞれに熱処理した第2の混合粉、第3の混合粉のうち少なくとも一方の混合粉及び、副成分MgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2のうち少なくとも一種を混合する工程を含むことを特徴とするものである。
【0014】
即ち、本発明は、(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)の組成系を主成分とし、副成分としてMgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2の少なくとも一種を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物である。
【0015】
又、本発明は、前記主成分を100molとしたとき、前記MgOが1〜4mol、前記Er2O3が1〜4mol、前記BaOと前記CaOの合計が1〜5mol、前記MnOが0.1〜0.5mol、前記SiO2が1〜5molの範囲にあることを特徴とする上記の誘電体磁器組成物である。
【0016】
又、本発明は、BaαTiO2+ α(1.000≦α≦1.004)粉末と前記副成分の少なくとも一種の原料粉末とを混合した第1の混合粉の熱処理を行う工程と、(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成になるように原料粉末をあらかじめ混合した第2の混合粉の熱処理を行う工程と、BiFeO3の組成になるように原料粉末をあらかじめ混合した第3の混合粉の熱処理を行う工程と、熱処理した前記第1の混合粉に対し、それぞれに熱処理した前記第2の混合粉、前記第3の混合粉のうち少なくとも一方の混合粉及び前記副成分のうち少なくとも一種を混合する工程を含むことを特徴とする上記の誘電体磁器組成物の製造方法である。
【0017】
又、本発明は、上記の誘電体磁器組成物からなる誘電体層を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を上げ、本発明の誘電体磁器組成物とそれを用いた積層セラミックコンデンサについて詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の組成比で表される組成系において、y=0とした2成分を主成分とする誘電体磁器組成物の作製において、BaαTiO2+ αの組成式で表されるチタン酸バリウムは、水熱合成法により平均粒径が0.3μmのものを準備した。一方、(Bi0.5Na0.5)TiO3については、出発原料として市販のBi2O3、Na2CO3、TiO2と、さらにSiO2とをそれぞれモル換算比で1.00:1.00:4.00:0.05の割合でボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕して混合粉(B1)とし、この混合粉(B1)を約800℃で予焼したものを準備した。副成分のMgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2原料としては、市販の試薬Mg(OH)2,Er2O3,BaCO3,CaCO3,MnCO3,SiO2を用いた。ここで、SiO2の添加は、(Bi0.5Na0.5)TiO3の系の耐還元性を高めることを目的としたものであり、Bi2O3、Na2CO3、TiO2、SiO2の混合比は本実施の形態に限定するものではない。
【0020】
まず、BaαTiO2+ αとMgO,Er2O3をボールミルで湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式混合をして混合粉(A1)を得た。この混合粉(A1)を大気中において1100℃で予焼して乾式粉砕したものと、混合粉(B1)を予焼した(Bi0.5Na0.5)TiO3とSiO2からなる粉末、副成分のBaO,CaO,MnO,SiO2を配合したものを湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式粉砕をして磁器組成物を得た。ここで、副成分の混合順序は本実施の形態に限定するものではなく、予焼段階で混合する副成分に応じて予焼条件を選択すればよい。
【0021】
上記の製造方法に従って、(1−x)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成式で表される2成分系を100molとしたとき、主成分の組成比xと副成分MgO、Er2O3、BaO+CaO、MnO、SiO2のそれぞれの割合の磁器組成物を得た。
【0022】
(実施の形態2)
(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の3成分を主成分とする誘電体磁器の作製において、BaαTiO2+ αの組成式で表されるチタン酸バリウムは、水熱合成法により平均粒径が0.3μmのものを準備した。一方、(Bi0.5Na0.5)TiO3については、出発原料として市販のBi2O3、Na2CO3、TiO2とをそれぞれモル換算比で1.00:1.00:4.00の割合でボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕して混合粉(B2)とし、この混合粉(B2)を約800℃で予焼したものを準備した。また、BiFeO3については、出発原料として市販のBi2O3、Fe2O3とをそれぞれモル換算比で1.00:1.00の割合でボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕して混合粉(C2)とし、この混合粉(C2)を約800℃で予焼したものを準備した。副成分のMgO,Er2O3,MnO,SiO2の原料としては、市販の試薬Mg(OH)2,Er2O3,MnCO3,SiO2を用いた。
【0023】
まず、BaαTiO2+ αと副成分のMgO,Er2O3をボールミルで湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式混合をして混合粉(A2)を得た。この混合粉(A2)を大気中1100℃で予焼して乾式粉砕したものと、混合粉(B2)及び混合粉(C2)を予焼した(Bi0.5Na0.5)TiO3及びBiFeO3と、副成分のMnO,SiO2を配合したものを湿式混合し、ろ過、乾燥、乾式粉砕をして磁器組成物を得た。ここでも、副成分の混合順序は本実施の形態に限定するものではなく、予焼段階で混合する副成分に応じて予焼条件を選択すればよい。
【0024】
(比較例)
(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の3成分を主成分とする誘電体磁器の作製において、水熱合成法により製造された平均粒径が0.3μmのBaαTiO2+ αと、市販のBi2O3、Na2CO3、TiO2、Fe2O3、Mg(OH)2,Er2O3,MnCO3,SiO2とを同時にボールミルにて湿式混合、乾燥、乾式粉砕したものを約800℃で予焼して混合粉を得た。
【0025】
上記の製造方法に従って、(1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3の組成式で表される3成分系を100molとしたとき、主成分の組成比x、yと副成分MgO、Er2O3、BaO+CaO、MnO、SiO2のそれぞれの割合の磁器組成物を得た。
【0026】
表1に、得られた磁器組成物(試料1から19)における各副成分j、k、l、m、nの値を示す。試料19の磁器組成物は、試料12と同一組成比である。
【0027】
【表1】
【0028】
次に、試料1から9の磁器組成物に有機溶剤、樹脂などを加えて湿式混合してセラミックスラリーとし、このセラミックスラリーをドクターブレード法にて30μmのセラミックグリーンシートに成形した。さらに、このセラミックグリーンシートにNi電極ペーストをパターン印刷した。その後、この電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを所定数積み重ねて加圧成形し、積層体を得た。
【0029】
また、試料10から19に示す磁器組成物に有機溶剤、樹脂などを加えて湿式混合してセラミックスラリーとし、このセラミックスラリーをドクターブレード法にて30μmのセラミックグリーンシートに成形した。さらに、このセラミックグリーンシートにPd電極ペーストをパターン印刷した。その後、この電極パターンが印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積み重ねて加圧成形し、積層体を得た。
【0030】
次に、試料1から9の磁器組成物から得られた積層体を280℃の大気中において樹脂を揮発させた後、加湿した水素と窒素の混合ガス雰囲気中、温度1275℃〜1400℃の範囲で焼成してセラミック焼成体を得た。この焼成体に外部電極として銅ペーストを塗布・焼付けて、本発明の誘電体磁器組成物を誘電層とする、3.2mm×1.6mm×0.8mmの形状を有する積層セラミックコンデンサを得た。
【0031】
また、試料10から18の磁器組成物から得られた積層体を400℃の大気中において樹脂を揮発させた後、同じく大気中、温度1275℃〜1400℃の範囲で焼成してセラミック焼成体を得た。この焼成体に外部電極として銀ペーストを塗布・焼付けて、本発明の誘電体磁器を誘電層とする、3.2mm×l.6mm×0.8mmの形状を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
【0032】
次に、試料19の磁器組成物から得られた積層体を400℃の大気中において樹脂を揮発させた後、同じく大気中、温度1350℃で焼成してセラミック焼成体を得た。この焼成体に外部電極として銀ペーストを塗布・焼付けて、本発明の誘電体磁器を誘電層とする、3.2mm×1.6mm×0.8mmの形状を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
【0033】
次に、これらの積層セラミックコンデンサの静電容量から得られる換算比誘電率ε、誘電損失tanδ、絶縁抵抗IR、静電容量のバイアス依存性ΔCと、静電容量の温度変化率TCCをそれぞれ測定した。これらの測定結果を表2に示す。表2において、静電容量と誘電損失の測定条件は、20℃、1kHz、1Vrmsである。また、絶縁抵抗は100Vの直流電圧を1分間印加して絶縁抵抗計を用いて測定したものをlog(IR)で表示したものである。静電容量のバイアス依存性TCCは、20℃における静電容量C20を基準としたときの変化率で、特に静電容量の変化率が正負の最大となった値をそれぞれ示した。また、静電容量のバイアス依存性ΔCは、20℃においてバイアス電圧を印加しない状態での静電容量に対して、誘電体の単位膜厚あたり1V/μmの直流電圧をかけた時の静電容量の変化率を示したものである。
【0034】
【表2】
【0035】
表2に示すとおり、本発明の請求範囲である磁器組成物を用いた積層セラミックコンデンサ(試料1、3〜5)は、比誘電率が2500以上と大きく、温度特性はEIA規格のX7R特性を満足し、静電容量のバイアス依存性も1V/μmにおいて3%以下と小さい。また、大気焼成においても(試料11〜13)比誘電率が3000以上と大きく、温度特性はEIA規格のX7R特性を満足し、静電容量のバイアス依存性も1V/μmにおいて3%以下と小さい。ここで表1に示す誘電体磁器組成物の副成分の組成比h、i,j、k、l、m、nの値は請求項の範囲内における一実施の形態であり、請求項に記載する範囲であれば、それぞれの組成比に適した焼成条件を選択することで、ほぼ同等の電気特性を得ることができる。
【0036】
また、上記比較例(試料19)に基づいて製造された積層セラミックコンデンサを100個測定したところ、11個が比誘電率3000以上と大きく、温度特性はEIA規格のX7R特性を満足し、絶縁抵抗log(IR)は7.0以上と大きく、静電容量のバイアス依存性も1V/μmにおいて3%以下と小さいものが得られた。しかしながら、89個の積層セラミックコンデンサは絶縁抵抗値が小さい、比誘電率δが2500以下、温度特性がEIA規格のX7R特性を満足しない、絶縁抵抗log(IR)が5.0以下と小さいなどの特性劣化のうち、少なくとも一つ以上の劣化が確認され、安定した積層セラミックコンデンサの電気特性を得ることができなかった。これは、Bi2O3、Na2CO3、TiO2、Fe2O3、Mg(OH)2などの原料粉末の一部分が、組成式(Bi0.5Na0.5)TiO3や組成式BiFeO3で表される、ベロブスカイト型結晶構造に配列することができず、BaαTiO2+ α、(Bi0.5Na0.5)TiO3、BiFeO3の結晶粒界に偏析したことが原因であった。
【0037】
ここで、誘電体磁器の、チタン酸バリウム100molに対する主成分比率、副成分の含有量の範囲について、説明する。
【0038】
主成分を表す(1−x)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成系において、0.01≦x≦0.2としたのは、試料2に示すようにxが0.01未満の場合においては充分な比誘電率εが得られない。また、xが0.2を超える場合、試料6に示すとおり、焼成体が半導体化しやすくなり、コンデンサとしての安定した電気特性を得るのが困難になる。
【0039】
主成分を表す(1−x)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成系において、1.000≦α≦1.004としたのは、αが1.000未満の場合において、還元雰囲気で焼成を行うと、焼成体が半導体化しやすくなり、コンデンサとしての安定した電気特性を得るのが困難になる。また、αが1.000未満の場合において、大気中で焼成を行うと、試料10に示すように比誘電率が2500以下と小さくなり、また、電気特性も非常に不安定になる。αが1.004を超えると、焼結性が悪くなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0040】
副成分であるMgOの添加量を1≦j≦4molとしたのは、添加量jがlmol未満の場合においては、試料7に示すように静電容量の温度依存性が大きくなり、EIA規格のX7R特性を満足するのが困難になる。また、添加量jが4molを超える場合においては、焼結性が低下しやすくなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0041】
副成分であるEr2O3の添加量を1≦k≦4molとしたのは、添加量kがlmol未満になる場合においては、試料8に示すように静電容量の温度依存性が大きくなり、EIA規格のX7R特性を満足するのが困難になる。また、添加量kが4molを超える場合においては、焼結性が低下しやすくなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0042】
副成分であるBaOとCaOの合計の添加量を1≦l≦5molとしたのは、添加量lが1mol未満の場合、還元雰囲気で焼成を行うと、試料9に示すように焼成体が半導体化しやすくなり、安定した電気特性を得るのが困難になる。一方、添加量lが5molを超える場合においては、焼結性が低下しやすくなり、コンデンサとしての安定した特性を得ることが困難になる。
【0043】
副成分であるMnOの添加量を0.1≦m≦0.5molとしたのは、試料16に示すように添加量mが0.1mol未満になると、ニッケルなどの卑金属を内部電極とする積層セラミックコンデンサとして用いた際に、高温城での絶縁抵抗や誘電損失が悪化し、信頼性が低下しやすくなる。また、静電容量の温度依存性が大きくなる。一方、試料17に示すように添加量mが0.5molを越える場合においては、室温の比誘電率δが小さくなると同時に、コンデンサの静電容量の経時変化が大きくなる。
【0044】
副成分であるSiO2の添加量を1≦n≦5molとしたのは、添加量nが1mol未満になる場合においては、焼結性が低下するため、安定した特性を得ることが困難になる。一方、添加量nが5molを越えると、比誘電率が低下し、ニッケルなどの卑金属を内部電極とする積層セラミックコンデンサとして用いた際に、高温城での絶縁抵抗が低下しやすく、信頼性が低下する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、還元雰囲気中でも還元されずに半導体化しない誘電体磁器を容易に得ることが可能となる。従って、内部電極にニッケルまたはニッケル合金などの卑金属を用いた安価な積層セラミックコンデンサを製造することが可能となる。また、比誘電率が2500以上と大きく、温度、直流バイアス、いずれにも依存性が少ないため、広範囲の使用条件下において安定した静電容量を得ることが可能となる。同時に、積層数、即ち内部電極を低減することが可能となるため、より安価な積層セラミックコンデンサを製造することが可能となる。
Claims (4)
- (1−x−y)BaαTiO2+ α+x(Bi0.5Na0.5)TiO3+yBiFeO3(但し0.01≦x≦0.2、0≦y≦0.05、1.000≦α≦1.004)の組成系を主成分とし、副成分としてMgO,Er2O3,BaO,CaO,MnO,SiO2の少なくとも一種を含有することを特徴とする誘電体磁器組成物。
- 前記主成分を100molとしたとき、前記MgOが1〜4mol、前記Er2O3が1〜4mol、前記BaOと前記CaOの合計が1〜5mol、前記MnOが0.1〜0.5mol、前記SiO2が1〜5molの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の誘電体磁器組成物。
- BaαTiO2+ α(1.000≦α≦1.004)粉末と前記副成分の少なくとも一種の原料粉末とを混合した第1の混合粉の熱処理を行う工程と、(Bi0.5Na0.5)TiO3の組成になるように原料粉末をあらかじめ混合した第2の混合粉の熱処理を行う工程と、BiFeO3の組成になるように原料粉末をあらかじめ混合した第3の混合粉の熱処理を行う工程と、熱処理した前記第1の混合粉に対し、それぞれに熱処理した前記第2の混合粉、前記第3の混合粉のうち少なくとも一方の混合粉及び前記副成分のうち少なくとも一種を混合する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物の製造方法。
- 請求項1又は2記載の誘電体磁器組成物からなる誘電体層を有することを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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