JP2002196246A - 走査型光学顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
制御方法が簡単で、瞳リレー光学系の構成が簡単か不要
な波面変換素子を用いた走査型光学顕微鏡 【解決手段】 レーザー発振器6と、レーザー発振器6
から発するレーザービーム15に任意の波面変換を与え
る波面変換素子5と、波面変換素子5から発する波面変
換後の略平行なレーザービーム17を試料9に集光する
対物レンズ7と、試料9から発する信号光を検出する検
出器29と、対物レンズ7を光軸と直交する方向に走査
するアクチュエーター8とを有するレーザー走査型顕微
鏡。
Description
に関し、特に、波面変換素子を用いて光軸方向の焦点移
動を行うレーザー走査型顕微鏡(LSM)に関するもの
である。
次元像を得るためには、標本又は対物レンズを機械的に
光軸方向に移動させて、標本内部の各面における光学像
を順次取り込んでいく必要があった。しかし、この方法
は機械的駆動を必要とするため、位置制御を高い精度と
再現性で実現することは困難である。また、標本を移動
させる方法においては、標本が大きい場合は高速走査が
できない等の問題があった。
ンズを標本に直接接触させるかあるいは標本の培養液に
浸した状態で対物レンズを走査すると、その振動による
悪影響を観察する標本に与えることになり、好ましくな
い。
平11−101942号記載のアダプティブ光学装置が
ある。特開平11−101942号のアダプティブ光学
装置は、パワーを変化させることのできる光学素子(波
面変換素子)を備えた顕微鏡であって、図27、図28
にその構成を示す。この先行例では、観察光路及び/又
は照明光路内に波面変換素子を有し、その波面変換素子
を用いて光学系の焦点距離を変化させると共に、この焦
点距離変化に伴って生じる収差も補正するものである。
こうすることによって、対物レンズと標本との距離を変
えることなく、物体空間内での焦点の形成と移動、さら
に収差補正を行うことができる。
て、物体空間内での焦点移動及び収差補正の作用を有効
に機能させるためには、波面変換素子を対物レンズの瞳
面又はこれと共役な位置に置くことが好ましい。もし波
面変換素子が瞳面と共役でなければ、対物レンズで検出
する物体高によって照明光又は結像光が波面変換素子上
の異なった位置を通ることになる。焦点移動又は収差補
正を行うためには、物体高によって波面形状を変化させ
なければならないが、できない場合は物体高の高い範囲
で画質劣化が大きくなる可能性が高い。
形状に変化させれば、たとえ波面変換素子が瞳面と共役
でなくても、物体高の高い範囲での画質劣化を避けるこ
とはできる。しかし、これを実現するには、波面変換を
高速かつ回転非対称形状に制御する必要があり、これは
非常に困難である。
と共役な位置に置かれることが望ましい。しかし、これ
を実施する際には、以下に示す別の問題がある。
用いられるが、瞳の位置はそれぞれ異なる。したがっ
て、複数の対物レンズを切り替えて使用する場合、それ
らの瞳を波面変換素子と共役であるように保つことは困
難である。
部材の位置、さらには対物レンズ瞳の位置と互いに共役
に配置しなければならない。そのため、最低でも2組の
瞳リレー光学系を必要とし、大型で複雑な装置になって
しまう。
波面変換素子を照明・検出光路に組み込んでいるので、
図27及び図28に示すように、ビームスプリッターを
用いている。したがって、光源として非偏光レーザー、
ビームスプリッターとして非偏光タイプを用いた場合
は、波面変換素子を1回通る毎に光量が1/4に減少す
る。
段階で1/4に、トータルで1/16に減少することに
なる。また、光源として直線偏光レーザー、偏光ビーム
スプリッター、4分の1波長板を用いれば、照明の段階
での損失は防げるが、無偏光状態になる蛍光を観察する
際には、(蛍光)検出の段階で1/2に減少する。
分の1波長板を用いる場合でも、光源に直線偏光レーザ
ーを使えるとは限らず、無偏光レーザーを使って蛍光を
観察する場合は、照明の段階で1/2に、検出の段階で
1/2に、トータルで1/4に減少することになる。
決するためになされたものであって、その目的は、以下
の2項目である。まず、対物レンズ瞳と波面変換素子と
が共役に配置されていなくても、軸外での性能劣化が少
なく、かつ、波面変換素子の制御方法が極めて簡単であ
り、さらに、瞳リレー光学系の構成が簡単であるか、あ
るいは、不要である、波面変換素子を用いたレーザー走
査型顕微鏡(LSM)等の走査型光学顕微鏡を提供する
ことである。次に、反射型の波面変換素子を用いる場合
であっても、光量の損失が抑えられる、波面変換素子を
用いたLSMを提供することである。
の本発明の第1の走査型光学顕微鏡は、光源と、該光源
から発する照明光に任意の波面変換を与える波面変換素
子と、該波面変換素子から発する波面変換後の照明光を
試料に集光する対物レンズと、該試料から発する信号光
を検出する検出器と、前記対物レンズを光軸と直交する
方向に走査するアクチュエーターとを有することを特徴
とするものである。
平行な光束になっているのが望ましい。
アクチュエーターが前記対物レンズで光軸と直交する試
料の一断面上を走査する場合、前記波面変換素子は、前
記照明光に対して一定の波面変換を与えることを特徴と
するものである。
対物レンズが光軸と直交する方向へ移動したときの移動
量をΔXとするとき、下記条件式(1)を満たすことを
特徴とする上記1又は2記載の走査型光学顕微鏡。
と、該光源から発する照明光を収束光に変換する正のパ
ワーを有する光学素子と、開口を有する反射鏡と、該照
明光に任意の波面変換を与える反射型の波面変換素子
と、該波面変換された照明光を試料に集光する対物レン
ズと、該試料から発する信号光を検出する検出器とを有
することを特徴とするものである。
の走査型光学顕微鏡における開口を有する反射鏡を含む
光学系が、下記条件式(2)を満たすことを特徴とする
ものである。
最小値 rMinc:開口を有する反射鏡に入射する波面変換された
照明光の半径 である。
と、該光源から発する照明光を収束光に変換する正のパ
ワーを有する光学素子と、前記収束光の集光位置に配置
された反射鏡と、該照明光に任意の波面変換を与える反
射型の波面変換素子と、該波面変換された照明光を試料
に集光する対物レンズと、該試料から発する信号光を検
出する検出器とを有することを特徴とするものである。
の走査型光学顕微鏡における反射鏡を含む光学系が、下
記条件式(3)を満たすことを特徴とするものである。
最小値 rAinc:反射鏡の位置における波面変換された照明光の
半径 である。
と、該光源から発する照明光に任意の波面変換を与える
反射型の波面変換素子と、波面変換後のレーザービーム
を試料に集光する対物レンズとを備え、前記光源が該試
料から発する信号光を検出する検出器であることを特徴
とするものである。
と、該光源から発する照明光に任意の波面変換を与える
反射型の波面変換素子と、該波面変換素子から発する波
面変換後の照明光を試料に集光する対物レンズと、該試
料から発する信号光を検出する検出器とを有し、前記反
射型の波面変換素子を下記条件式(4)を満たすように
光路中に配置したことを特徴とするものである。
(°) ΔZ:焦点移動量 λ :前記照明光の波長 NA:前記対物レンズの開口数 である。
源と、前記光源から発する照明光に波面変換を与える反
射型の波面変換素子と、該波面変換素子から発する波面
変換後の照明光を試料に集光する対物レンズと、該試料
から発する信号光を検出する検出器とを有し、前記反射
型の波面変換素子の反射面が非球面トーリック面形状に
制御されることを特徴とするものである。
鏡の具体的な構成と作用を図を用いて説明する。なお、
説明に用いる図中において、繰り返し用いられる同一の
要素には同一の記号を付し、重複する説明は行わない。
また、光源としてレーザー発振器を使用したレーザー走
査型顕微鏡(LSM)で説明する。
Zスキャン(光軸方向のスキャン)時の物点移動による
波面収差、バリエーションを図1〜図4を参照して説明
する。
ることができる。図1において、レーザー光源6は、照
明光2を発生する。照明光2は、コリメーションレンズ
4によって平面波に変換され、ビームスプリッター21
を透過し、補正前照明光15として波面変換素子5に入
射する。波面変換素子5では、後述する所定の波面変換
がなされ、補正後照明光17として射出し、対物レンズ
7によって球面波に変換され、試料9上の一点を照明す
る。その反射光は、再び対物レンズ7で集光され、補正
前観察光18として波面変換素子5に入射し、再び所定
の波面変換がなされ、平面波である補正後観察光16と
して射出する。そして、ビームスプリッター21で反射
し、凸レンズ28によって集光され、観察光3として光
検出器29に入射する。
面が一致しているときに収差が最も小さくなる、いわゆ
る無限遠補正型である。また、対物レンズアクチュエー
タ8は対物レンズ7をX−Y方向に走査する。
を変換することができるので、図2(a)のように、補
正後照明光17を発散光波面13とし、合焦位置を物体
側焦点Fよりも遠い+側移動焦点11に移動することが
できる。また、逆に、図2(b)のように、補正後照明
光17を収束光波面14とし、合焦位置を物体側焦点F
よりも近い−側移動焦点12に移動することもできる。
すなわち、対物レンズ7や試料9を動かさずに、合焦位
置を移動させることができる。
ュエータ8によってX−Y方向に走査されるので、物体
側焦点Fを、図3のように、X−Y方向に移動すること
ができる。
し、その合焦位置を空間的に移動させ、試料9からの光
を観察光として検出する、いわゆるレーザー走査型顕微
鏡として機能する。
位置の移動における波面変換素子5の作用について説明
する。
光源が有限な距離にある場合には、焦点位置が物体側焦
点Fからずれるのみならず、球面収差が増大する。した
がって、+側移動焦点11及び−側移動焦点12におい
て、良好な結像をさせるためには、対物レンズ7に入射
する発散光波面13及び収束光球面14が近軸焦点を移
動させる成分に加えて、その近軸焦点の移動に伴って発
生する球面収差を補正する成分を有することが望まし
い。
いて説明する。対物レンズ7における物体側焦点Fの近
傍で、距離ΔZだけ隔てた光軸上の点Qに傾角uの光線
が集光するとき、物体側焦点Fに対する波面収差Wは、
下記式(5)で表される。
あり、WSAはこの像点移動に伴って発生する球面収差の
波面収差表示である。これらWF やWSAはハーシェルの
条件から導き出される。すなわち、図2(a)、(b)
における+側移動焦点11や−側移動焦点12におい
て、球面収差の補正された像を得るためには、波面変換
素子5によって、補正前照明光15に対し、上記式
(5)で表わされる波面収差W相当の波面変換を与えれ
ばよい。
ョンについて説明する。上記図1では、レーザー光源手
段と光検出手段として、別々の素子に各役割を持たせた
が、一つの素子が光源と光検出の両方の役割を果たすこ
ともできる。すなわち、光源として半導体レーザーチッ
プを用いると、これは同時に光検出器として機能するこ
とも可能である。よって、このような場合は、ビームス
プリッター21は不要となり、いわゆるレーザーフィー
ドバック顕微鏡を構成する。また、光源にガスレーザー
を用いた場合は、その射出ビームは細い平行光であるか
ら、ビームエキスパンダーをコリメーションレンズ4の
代わりに用いればよい。
等を用いた透過型でもよいし、メンブレンミラーのよう
な反射型でもよい。また、ここでは、波面変換素子5に
入射する補正前照明光15を平行光としたが、発散光や
収束光でもよい。
する必要は必ずしもなく、試料9の裏側に配置して透過
光を検出してもよいし、試料9の側面に配置して散乱光
を検出してもよい。特に、光源6としてパルスレーザー
を用い、試料9を2光子蛍光観察を行う際には、2光子
蛍光固有の非線型特性により、非共焦点光学系でも光軸
方向の分解能が得られる。このような場合には、光の検
出効率を向上させるためにも、光検出器は照明光路より
も試料自体の近くに配置することが望ましい。
を参照して説明する。ここでは、X−Yスキャン時に波
面が一定であることを、瞳と波面変換素子が共役な位置
関係になっているの場合と、瞳が非共役な位置関係にな
っているの場合のそれぞれについて説明する。
響について説明する。対物レンズ7は、対物レンズアク
チュエーター8によってX−Y方向に走査されるが、こ
の走査の間に波面変換素子5によって与えられる波面変
換量は、前記式(5)に示された量である。そして、本
発明走査型光学顕微鏡では、X、Yの値によらず一定に
している。
のように、補正後照明光17が平面波である場合は、対
物レンズ7をX−Y方向に走査しても、結像特性が劣化
することはない。しかし、図2(a)、(b)のよう
に、焦点移動を行った状態で、さらにX−Y方向の走査
を行うと、結像特性が劣化する。図5は、図2(b)に
おいて、ΔXなるX走査を行った状態を示したものであ
る。ここで、39は理想波面、14は前述の収束光波面
である。ΔX=0の場合は、収束光波面14と理想波面
39は一致するが、ΔX≠0の場合は、図中ΔWで示さ
れる波面のずれを生じる。このずれは、集光点Qに対す
る波面収差に他ならない。この波面収差ΔWは結像性能
に影響するが、所定の範囲内であれば実用上問題なく、
ストレール強度比が70%以上であればよい。
物レンズのX−Y方向の走査を同時に行った場合につい
て、種々の条件における結像特性の変化をシミュレーシ
ョンした結果である。
共役になるように配置し、ΔZ=0.05(mm)とす
るための最適な波面変換Wを与え、その場合のストレー
ル強度比が70%以上となるΔXの範囲を、以下の光の
波長及びNAについて求めたものである。光の波長83
0nm、546.7nm、248nm、NA0.5〜
0.9。なお、対物レンズは焦点距離fOB=3(mm)
の無収差対物レンズである。
=0.05(mm)とし、表3は、fOB=20(m
m)、ΔZ=0.15(mm)とし、NA0.5〜0.
7について求めたものである。
07nm、NA0.7の結果に着目すると、表1では、
ΔX=0.099(mm)、表2では、ΔX=0.30
0(mm)、表3では、ΔX=0.200(mm)であ
る。これらの視野ΔXの範囲では、上記の波面収差ΔW
が十分に小さいと言えるため、この範囲内でX−Y走査
を行えば、走査に応じて波面を変化させる必要はない。
すなわち、波面を一定に保ったままでも、良好な結像性
能が得られる。これらのことは他の波長、NAにおいて
も言える。
変換素子とが共役になるように構成した場合の結果であ
る。次に、両者が共役な位置関係になっていない場合に
ついて、以下に説明する。
の共役関係を崩していった場合の結像特性の変化を示す
ものである。対物レンズがfOB=10(mm)、NA
0.7の無収差対物レンズである。この対物レンズにつ
いて、その瞳と波面変換素子との距離を0から300m
mまで変化させた場合の、ΔX=0〜0.3(mm)に
おけるストレール強度比を求めてある(波長546.0
7nm)。
の瞳と波面変換素子の位置関係が共役でなくても、軸外
での像の劣化が少ないことが分かる。例えばΔX=0.
2(mm)の走査範囲では、瞳が200mm離れていて
も、0.75以上のストレール強度比が得られることが
分かる。
方向、すなわち、X方向に対物レンズを走査する場合
に、波面変換素子によって与えられる波面変換が一定で
あることを特徴とする。しかしながら、X−Y平面内の
2次元スキャンにおいても本方式が適用されることは言
うまでもない。
物レンズのスキャン範囲を、図6、図7を参照して説明
する。
像特性に影響を及ぼす。しかしながら、所定の範囲なら
ば、この影響は実用上問題なく、十分な結像性能が得ら
れる、すなわち、ストレール強度比が0.7以上になる
走査幅ΔXは、諸条件によって変化するが、下記式によ
って求めることができる。
の曲線と合わせて、それぞれ図6及び図7に示す。図
6、図7より、式(1)の曲線は、表1、表2の結果と
一致することが分かる。すなわち、本発明では、対物レ
ンズの走査片側振幅ΔXを、式(1)を満足するように
制御している。これにより、波面を一定に保った状態で
良好な結像性能が得られる。
について、開口を有する反射鏡につい説明する。
て、光量損失を低減させる基本構成、そのバリエーショ
ンを図8、図9を参照して説明する。
つ、光量の損失が極めて少なく、明るい像が得られるL
SMは、図8の構成によって実現できる。この構成にお
いて、レーザー光源6は照明光2を発し、その照明光2
はビームエキスパンダー20によって拡大され、ビーム
スプリッター21を透過し、凸レンズ22で集光され
る。集光された光は、開口25と反射面24を有する反
射鏡42(以下、開口を有する反射鏡と言う。)に入射
し、開口25を透過して反射型波面変換素子26に入射
する。反射型波面変換素子26で反射される際に波面変
換を受けた照明光は、反射面24で反射され、コリメー
ションレンズ27で略平行光となり、対物レンズ7によ
って試料9上に集光される。試料9からの観察光は逆の
経路をたどり、ビームスプリッター21で反射し、凸レ
ンズ28で光検出器29に集光される。
焦点移動及びこれに伴う球面収差の補正がなされるこ
と、及び、アクチュエーター8によって対物レンズ7の
X−Y走査がなされることは、前記図1の例と同様であ
る。
光を導く手段として、開口を有する反射鏡42を用いて
いる。よって、図27、図28の従来技術で用いられて
いるビームスプリッターと異なり、光量の損失を極めて
少なくすることができる。また、絞られたビームが開口
25を通過するので、この開口サイズを適切に設定する
ことにより、共焦点効果を得ることができる。この共焦
点効果は、蛍光試料の観察に特に有効である。蛍光観察
を行う際には、ビームスプリッター21の代わりに、適
切な波長特性を有するダイクロイックミラーを用いるこ
とが望ましい。
実施例の構成を示す。ここでは、開口を有する反射鏡と
して、2つの直角プリズムと反射面よりなる開口を有す
る反射プリズム23を用いる。開口を有する反射プリズ
ム23は2つのプリズムの接合面に反射面24が形成さ
れ、その一部に開口25が設けられている。また、半導
体レーザーチップ1を光源兼光検出器として用い、いわ
ゆるレーザーフィードバック顕微鏡を構成している。
ずに凸レンズ30のみを用いて開口25に集光してい
る。その他の構成は、図8と同様である。また、反射型
波面変換素子26による焦点移動及びこれに伴う球面収
差の補正、アクチュエーター8による対物レンズ7のX
−Y走査、及び、開口を有する反射鏡23による光量損
失低減の作用、効果も、図8の構成と同じである。
ンズの瞳位置の変動や、瞳リレー光学系により装置が大
型化する問題があるが、開口を有する反射鏡をビームス
キャン型LSMに適用することも可能である。これを、
以下に示す。
の実施例の構成を示す。ここでは、ガルバノミラー47
を走査手段として用い、2組の瞳リレー光学系46によ
って、対物レンズ瞳45、ガルバノミラー47、反射型
波面変調素子26が共役になるように配置している。不
図示の部分は、図8の構成と同様である。
9に示した対物レンズ走査方式のLSMのみならず、図
10に示したガルバノミラー等によるビームスキャン方
式のLSMにおいても、反射型波面変調素子による焦点
移動を行う際には、光量損失を減らす上で極めて有効で
ある。ビームスキャンの手段として、ガルバノミラーの
他に、ポリゴンミラーやAOM(音響光学素子)を同様
に適用できることはもちろんである。
て、図11〜図13を参照して説明する。第5発明の走
査型光学顕微鏡の構成は図8、図9と同じである。ここ
では、開口25に関して述べる。
が、いかに照明光を波面変換素子へ効率良く導くことが
できるかを、図11、図12(a)及び図13を併用し
て以下に説明する。
有する反射鏡42又は開口を有する反射プリズム23に
入射するとき、レンズ22あるいはレンズ30で集光す
る。このとき、集光位置と開口25が一致するように、
開口を有する反射鏡42又は開口を有する反射プリズム
23を配置する。このように配置することで、照明光は
開口25を通過するので、開口25を通過あるいは透過
する際の光量損失はほとんどない。照明光は開口25を
通過すると発散光となり、反射型波面変換素子26で反
射される。反射された光は補正後照明光17となり、さ
らに発散して反射面24で反射する。このとき、照明光
の一部は反射せずに開口25を通過するので、ここで光
量損失が発生する。この様子を図11に示す。開口25
における損失量は、反射型波面変換素子26と平行な面
40において評価することができる。補正後照明光17
のビーム外径が面40と交わって作る輪郭の半径をr
Minc、開口25を透過する補正後照明光17が面40と
交わって作る輪郭の半径をr H とすると、半径rH の範
囲が補正後照明光17の中の損失分である。照明光の
中、半径rH 以上、ビーム半径rMinc以下の範囲を、反
射面24で100%反射するとすれば、反射率ηH は次
のように計算される。
ム半径rMincのガウシアンビームであるとすると、その
強度分布I(r)は次式で表わされる。
ように表わされる。
が失われるので、ビーム半径rMinc範囲内の全光量を基
準にすると、(7)式より、反射率ηH 、すなわち効率
は次のように表わされる。
とが分かる。
示す。
れば、ηH ≧0.54となる。また、(rH /rMinc)
が小さい程ηH は大きくなり、そして(rH /rMinc)
=0.1においてはηH =0.977に達し、極めて反
射率が高い、すなわち光の損失が少ないことが分かる。
の場合、照明光を波面変換素子へ導くために、比較的損
失の少ない偏光ビームスプリッターを用いたとしても、
仮に光源からの光がランダム偏光だとすると、ランダム
偏光を直線偏光に変換する際に光量の少なくとも半分が
損なわれる。これに対して、本発明では、偏光、非偏光
に関わらず光学系を(rH /rMinc)≦0.5となるよ
うにすることで、ηH≧0.54となる。この結果、従
来のビームスプリッターよりも効率良く照明光を波面変
換素子へ導くことができる。
の形状を半径rH の円形として説明したが、上記光量損
失低減の効果はこれに限られない。例えば、楕円、多角
形、星型、スリット、不規則形状等であっても、光軸が
開口内を通っていれば、効率的に照明光を波面変換素子
へ導くことができる。開口の形状が円形以外である場
合、その反射鏡部エッジ(反射面と開口の境界)から光
軸までの長さの最小値r HminをrH とみなせばよい。こ
れを、図12(b)、(c)に示す。
系が下記式(2)を満たすことが望ましい。
最小値 rMinc:開口を有する反射鏡に入射する波面変換された
照明光の半径 である。なお、式(2)を満たす光学系は、光源から対
物レンズに至る光学系のことである。
口25が対物レンズ7の焦点位置と共焦点の関係にある
ために、共焦点信号を検出して共焦点顕微鏡観察を行う
ことが極めて容易なことである。もちろん、その場合に
は、開口25の形状・寸法を観察光のエアリーディスク
径に合わせる等、共焦点観察に適したものにすることが
望ましい。開口25を共焦点観察に適合させる場合、そ
の寸法は必然的に小さくなるので、(rH /rMinc)も
極めて小さくなる。したがってη≒1となり、光量損失
はほとんど皆無となる。
について説明する。
基本構成のバリエーションを図14を参照して説明す
る。波面変換素子によって焦点移動を行い、かつ、光量
の損失が極めて少なく明るい像が得られる別のLSM
は、図14の構成によって実現できる。
明光2はビームスプリッター21を透過する。そして、
凸レンズ30を経て反射面を有するプリズム31に入射
し、反射面32上に集光し、反射する。次に、照明光は
発散光となって、反射型波面変換素子26に入射し、こ
こで波面変換を受ける。反射型波面変換素子26を射出
した照明光は反射面を有するプリズム31を透過し、コ
リメーションレンズ27で略平行光となり、対物レンズ
7によって試料9上に集光される。試料9からの観察光
は逆の経路をたどり、ビームスプリッター21で反射
し、光検出器29に集光される。反射型波面変換素子2
6によって焦点移動及びこれに伴う球面収差の補正がな
され、アクチュエーター8によって対物レンズ7のX−
Y走査がなされることは、前記図1、図8、図9の例と
同様である。
光を導く手段として、収束ビームの集光位置に配置され
た反射面を有する光学素子、すなわち、反射面を有する
プリズム31を用いている。そのため、図27、図28
の従来技術で用いられているビームスプリッターと異な
り、光量の損失が極めて少ない。そして、試料9中の、
反射面32と共役な領域から発した反射光は、観察光3
として光検出器29に達する。逆に、共役な領域以外か
ら発した反射光は光検出器29に達しない。すなわち、
共焦点光学系と同様の作用を呈する。反射面32のサイ
ズを適切に設定することにより、共焦点効果を得ること
ができる。また、この共焦点効果は、蛍光試料の観察に
特に有効である。蛍光観察を行う際には、ビームスプリ
ッター21の代わりに、適切な波長特性を有するダイク
ロイックミラーを用いることが望ましい。
明した反射面を有するプリズム31は、図14に示した
対物レンズ走査方式のLSMのみならず、ガルバノミラ
ー等によるビームスキャン方式のLSMにおいても、反
射型波面変調素子26による焦点移動を行う際には、光
量損失を減らす上で極めて有効である。
15、図16を参照して反射鏡形状に関して説明する。
が、いかに効率良く照明光を波面変換素子に導くことが
できるかを、図13、図15、図16を併用して以下に
説明する。
るプリズム31に入射するとき、レンズ30によって収
束し、その焦点位置に設けられた反射面32で反射す
る。反射面32で反射する際の光量損失はほとんどな
い。照明光2は反射面32で反射すると発散光となり、
反射型波面変換素子26に入射する。反射型波面変換素
子26で反射した照明光は補正後照明光17となり、さ
らに発散して反射面を有するプリズム31を透過する。
このとき、照明光の一部は透過せずに反射面32で反射
するので、これが損失となる。
ける損失量は、反射型波面変換素子26と平行な面41
において評価することができる。補正後照明光17のビ
ーム外径が面41と交わって作る輪郭の半径をrAinc、
反射面32で反射する補正後照明光17が面41と交わ
って作る輪郭の半径をrM とすると、半径rM の範囲が
補正後照明光17の中の損失分である。補正後照明光の
うち、半径rM 以上、rAinc以下の範囲が、反射面を有
するプリズム31を100%透過し、かつ、照明光17
が図13のようなビーム半径rAincのガウシアンビーム
であるとする。すると、ここでの透過率ηM は、前記図
8、図9における開口を有する反射鏡の反射率ηH を表
わす式(8)と全く同様にして求まり、次のように、式
(8)におけるrH をrM に、そしてrMincをrAincに
置き換えるだけでよい。
M の関係は、前記式(8)におけるηH とrMinc及びr
H の関係と同様である。したがって、(rM /r Ainc)
とηM との関係は、表5における(rH /rMinc)とη
H との関係と一致する。
半径rM の円形として説明したが、光量損失低減の効果
はこれに限られない。例えば、楕円、多角形、星型、ス
リット、不規則形状等であっても、光軸が反射面内を通
っていれば、効率的に照明光を波面変換素子まで導くこ
とができる。また、反射面32は必ずしも光透過部材
(平行平面板やプリズム)上に形成される必要はない。
例えば、必要な面積の反射面を有する微小な反射部材を
支持部材で支持してもよい。反射面の形状が円形以外で
ある場合、その反射鏡部エッジから光軸までの長さの最
小値rMminをrMとみなせばよい。
(3)を満たすことが望ましい。
最小値 rAinc:反射鏡の位置における波面変換された照明光の
半径 である。
量損失低減及び小型化に関して図17、図18を参照し
て説明する。
つ、光量の損失が極めて少なく明るい像が得られる別の
LSMは、図17の構成によって実現できる。
43は、発光部と受光部の両方の機能を有する。光学素
子43から発した照明光2は、コリメーションレンズ3
3を経て反射型波面変換素子26に入射し、ここで波面
変換を受けて反射する。反射した光は再びコリメーショ
ンレンズ33を透過し、略平行光となり、対物レンズ7
によって試料9上に集光される。試料9からの観察光は
逆の経路をたどり、再び光学素子43に集光される。本
構成でも、反射型波面変換素子26によって焦点移動及
びこれに伴う球面収差の補正がなされ、アクチュエータ
ー8によって対物レンズ7のX−Y走査がなされること
は前記図1、図8、図9、図14の例と同様である。
43を光路中に配置することによって、図27、図28
の従来技術で用いられているビームスプリッターをなく
した。この場合、光学素子43や支持部材34として遮
光性の低いものを用いることにより、光量損失を低減す
ることができる。例えば、光学素子43として半導体レ
ーザーチップを用いれば、その外径は小さく、本例のよ
うに光路中に配置しても光を遮る面積は小さい。さら
に、半導体レーザーチップに光源素子と光検出素子の両
機能を持たせれば、いわゆるレーザーフィードバック顕
微鏡として構成することができる。また、支持部材34
としては、ガラス等の透明基板を用いればよい。
こでは、光ファイバー36の先端をコリメーションレン
ズ35の中心に取り付けてある。光ファイバー36の他
端は、不図示のレーザー光源及び光検出器に接続されて
いる。したがって、コリメーションレンズに取り付けら
れた光ファイバー36の先端は、前記図17における光
学素子43と同様に機能する。光ファイバー36は細く
作ることができるので、本例のように光路中に配置して
も、光路を遮る面積が小さく、光量損失を低減すること
ができる。その他の構成は前記図17と同様であり、反
射型波面変換素子26によって焦点移動及びこれに伴う
球面収差の補正がなされ、アクチュエーター8によって
対物レンズ7のXーY走査がなされる。
19、図20及び表6を参照して説明する。第9発明の
走査型光学顕微鏡は、光量損失低減のバリエーションで
あって、照明光が波面変換素子に対して斜めから入射す
るように構成したものである。
つ、光量の損失がなく、明るい像が得られるLSMは、
図19の構成によって実現できる。レーザー光源6は照
明光2を発し、コリメーションレンズ4で平行光に変換
され、ビームスプリッター21を透過し、反射型波面変
換素子26に入射角θPRで入射する。反射型波面変換素
子26で波面変換を受けて反射した照明光は、対物レン
ズ7によって試料9上に集光される。試料9からの観察
光は逆の経路をたどり、ビームスプリッター21で反射
し、凸レンズ28で光検出器29に集光される。
点移動及びこれに伴う球面収差の補正がなされ、アクチ
ュエータ8によって対物レンズ7のX−Y走査がなされ
ることは、前述のものと同様である。
リッター21の代わりに、適切な波長特性を有するダイ
クロイックミラーを用いることが望ましい。この場合、
図27の従来技術に比べて効率良く蛍光を検出できる。
また、図28の従来技術に比べて効率良く照明光を試料
に導くことができる。
束を斜めに入射する配置は、ここに示した対物レンズ走
査方式のLSMのみならず、ガルバノミラー等によるビ
ームスキャン方式のLSMにおいても、光量損失を減ら
す上で極めて有効である。
明光を斜めに入射する配置の別の実施例である。ここで
は、光ファイバー36の先端を対物レンズ7の光軸から
距離aだけ離れた位置に置く。光ファイバ−36の他端
は、不図示のレーザー光源及び光検出器に接続されてい
る。したがって、この光ファイバー端部は発光部と受光
部の両方の機能を有する。光ファイバー36から発した
照明光2は、凸レンズ37でコリメーションされ、反射
型波面変換素子26に対して入射角θPRで入射する。そ
して、ここで波面変換を受けて反射し、再びコリメーシ
ョンレンズ37を透過し、略平行光となり、対物レンズ
7によって試料9上に集光される。試料9からの観察光
は逆の経路をたどり、再び光ファイバ−36の端部に集
光され、不図示の検出器で検出される。本構成で、反射
型波面変換素子26によって焦点移動及びこれに伴う球
面収差の補正がなされ、アクチュエータ8によって対物
レンズ7のX−Y走査がなされることは、前述のものと
同様である。
バーを細く作ることができるので、図中の距離aを小さ
くすることができる。また、コリメーションレンズ37
として、その焦点距離f37の長いものを選ぶことが設計
上可能である。これは、反射型波面変換素子26に対す
る入射角θPRが小さくできることを意味し、後述する結
像性能の観点から優れている。
明する。反射型波面変換素子は、光線の入射角度が0°
の場合、回転対称形状の波面変換を行うことによって、
集光位置における球面収差を完全に補正することができ
る。しかし、入射角度が大きくなると軸外収差の成分が
発生するため、十分な補正ができなくなる。この結果、
像が劣化する。しかしながら、入射角がある範囲内であ
ればこの劣化は無視できる程に小さい。
射型波面変換素子を傾けて配置し、焦点移動と球面収差
補正を行った場合に、ストレール強度比が0.7以上と
なる入射角θPRの上限値をシミュレーションによって求
めた。その結果を表6〜表9に示す。なお、対物レンズ
は無限遠型の理想対物レンズである。
の関数であり、対物レンズの焦点距離fOBには関係がな
いことが分かり、次式(4)で表わされる。
曲線と合わせてそれぞれ図21及び図22に示す。
6、表9の結果と一致することが分かる。すなわち、反
射型波面変換素子への入射角θPRは、式(4)によって
決めることができる。
トーリック面を用いた光量損失の低減に関して、図23
〜図26、及び、表10を参照して説明する。
つ、光量の損失がなく、明るい像が得られる別のLSM
は、図23の構成によって実現できる。なお、以下の説
明で用いる非球面トーリック面とは、面形状に関して、
直交する2つの対称面を有し、かつ、これらの対称面と
交わる曲線が非球面の断面形状で表わされるものを意味
する。
ーションレンズ4で平行光に変換され、ビームスプリッ
ター21を透過し、非球面トーリック面形状に制御され
る反射型波面変換素子44(以下、トーリック面波面変
換素子と略称する。)に斜めに入射する。照明光はトー
リック面波面変換素子44で波面変換を受けて反射し、
対物レンズ7によって試料9上に集光される。試料9か
らの観察光は逆の経路をたどり、ビームスプリッター2
1で反射し、凸レンズ28で光検出器29に集光され
る。
よって焦点移動及びこれに伴う球面収差の補正がなされ
る。
ズ7のX−Y走査がなされることは前述のものと同様で
ある。
ー21の代わりに、適切な波長特性を有するダイクロイ
ックミラーを用いることが望ましい。
て光束を斜めに入射する配置は、ここに示した対物レン
ズ走査方式のLSMのみならず、ガルバノミラー等によ
るビームスキャン方式のLSMにおいても、光量損失を
減らす上で極めて有効である。
非球面トーリック面を用いるかについて説明する。
用い、焦点移動をさせる場合、収差を完全に補正するた
めには、波面変換素子の面形状を自由曲面形状に制御す
ることが望ましい。しかし、自由曲面は形状に対称性を
持たないため、必要な形状を光の波長オーダーの精度で
正確に実現することは容易ではない。ところで、本願発
明者は、図23の配置において、実際に必要とされる反
射型波面変換素子の形状を解析した結果、確かに必要な
形状は厳密には自由曲面であるが、高い対称性を持ち、
非球面トーリック面に極めて近いことを見出した。この
ことを、図24〜図26を用いて説明する。
る対物レンズ走査型顕微鏡のモデルである。ビーム径φ
4.2mm、波長830nmの平行照明光が、長径5.
94mm、短径4.20mmの楕円形有効径を有する反
射型波面変換素子44に、入射角45°で入射する。照
明光は波面変換を受け、光路を90°曲げられ光軸上で
10mm離れて位置する対物レンズ7に入射する。対物
レンズ7は、焦点距離3mm、NA0.7の理想対物レ
ンズである。そして、この集光位置が、物体側焦点Fか
らΔZ=0.04(mm)離れた位置に移動するよう
に、反射型波面変換素子44の面形状を形成する。この
とき、反射型波面変換素子44の面形状が自由曲面形状
である場合と非球面トーリック面形状である場合を比較
する。
状が自由曲面である場合の反射面形状の等高線図(単
位:μm)である。また、図26は上記の自由曲面から
ξ−ζ平面とη−ζ平面を対称面とする非球面トーリッ
ク面を差し引いた形状の等高線図である。なお、図2
5、図26においては、長径5.6mm、短径3.9m
mの楕円範囲を太線で示す。また、同範囲内での等高線
を細線で示す。図25より、この反射面形状には、ξ−
ζ平面に関してわずかに非対称な成分が認められる(η
−ζ平面に関しては、対称であることが自明)。最大変
位は8μmである。
側が+0.04μm、マイナス側が−0.06μmであ
り、何れも上記自由曲面の最大変位8μmの1%以下で
ある。
状の差が、実用上問題がないことを以下に示す。
子44を置いた状態で、対物レンズ7にφ3mmの絞り
48を付加し、絞り48と対物レンズ7を一体的にX−
Y方向に走査した場合のストレール強度比を求めた。そ
の結果を表10(a)、(b)に示す。ここで、結像特
性のXY方向の分布に関して、X軸に関しては非対称、
Y軸に関しては対称であることが自明なので、表10
(a)においてΔX=0〜+0.5(mm)、表10
(b)においてΔY=−0.5〜+0.5(mm)の範
囲で求めた。
=±0.4(mm)の範囲においては、ストレール強度
比が0.7以上となり、非球面トーリック面でも十分な
結像性能が得られることが分かる。
次のように構成することができる。
に任意の波面変換を与える波面変換素子と、該波面変換
素子から発する波面変換後の照明光を試料に集光する対
物レンズと、該試料から発する信号光を検出する検出器
と、前記対物レンズを光軸と直交する方向に走査するア
クチュエーターとを有することを特徴とする走査型光学
顕微鏡。
ュエーターが前記対物レンズで光軸と直交する試料の一
断面上を走査する場合、前記照明光に対して一定の波面
変換を与えることを特徴とする上記1記載の走査型光学
顕微鏡。
方向へ移動したときの移動量をΔxとするとき、下記条
件式(1)を満たすことを特徴とする上記1又は2記載
の走査型光学顕微鏡。
を収束光に変換する正のパワーを有する光学素子と、開
口を有する反射鏡と、該照明光に任意の波面変換を与え
る反射型の波面変換素子と、該波面変換された照明光を
試料に集光する対物レンズと、該試料から発する信号光
を検出する検出器とを有することを特徴とする走査型光
学顕微鏡。
学系が、下記条件式(2)を満たすことを特徴とする上
記4記載の走査型光学顕微鏡。
最小値 rMinc:開口を有する反射鏡に入射する波面変換された
照明光の半径 である。
を収束光に変換する正のパワーを有する光学素子と、前
記収束光の集光位置に配置された反射鏡と、該照明光に
任意の波面変換を与える反射型の波面変換素子と、該波
面変換された照明光を試料に集光する対物レンズと、該
試料から発する信号光を検出する検出器とを有すること
を特徴とする走査型光学顕微鏡。
条件式(3)を満たすことを特徴とする上記6記載の走
査型光学顕微鏡。
最小値 rAinc:反射鏡の位置における波面変換された照明光の
半径 である。
に任意の波面変換を与える反射型の波面変換素子と、波
面変換後の照明光を試料に集光する対物レンズとを備
え、前記光源が該試料から発する信号光を検出する検出
器であることを特徴とする走査型光学顕微鏡。
に任意の波面変換を与える反射型の波面変換素子と、該
波面変換素子から発する波面変換後の照明光を試料に集
光する対物レンズと、該試料から発する信号光を検出す
る検出器とを有し、前記反射型の波面変換素子を下記条
件式(4)を満たすように光路中に配置したことを特徴
とする走査型光学顕微鏡。
(°) ΔZ:焦点移動量 λ :前記照明光の波長 NA:前記対物レンズの開口数 である。
明光に波面変換を与える反射型の波面変換素子と、該波
面変換素子から発する波面変換後の照明光を試料に集光
する対物レンズと、該試料から発する信号光を検出する
検出器とを有し、前記反射型の波面変換素子の反射面が
非球面トーリック面形状に制御されることを特徴とする
走査型光学顕微鏡。
走査型顕微鏡(LSM)等の走査型光学顕微鏡は、下記
効果をもたらす。
る方向の走査を対物レンズの走査によって行うので、波
面変換素子によって焦点移動がなされている場合であっ
ても、軸外での結像性能の劣化が少なく、かつ、装置の
構成上も、対物レンズ瞳が波面変換素子と共役でなくて
もよい。
光軸と直交する方向に走査する場合に、波面変換素子が
照明光に与える波面変換を変化させる必要がないので、
波面変換素子の駆動制御が容易になる。
による焦点移動を行い、かつ、良好な結像特性を有する
LSMが得られる。
波面変換素子を用いながら光量の損失が少ないLSMが
得られる。
換素子を用いながら光量の損失が少なく、かつ、小型の
LSMが得られる。
型波面変換素子を用いながら光量の損失がないLSMが
得られる。
ンズ駆動によるX−Y走査をするレーザー走査型顕微鏡
の構成を示す図である。
焦点を説明するための図である。
ある。
る。
図である。
X(fOB=3(mm)の場合)のシミュレーション結果
と(1)の曲線と合わせて示す図である。
X(fOB=10(mm)の場合)のシミュレーション結
果と(1)の曲線と合わせて示す図である。
1実施例のレーザー走査型顕微鏡の構成を示す図であ
る。
他の実施例のレーザー走査型顕微鏡の構成を示す図であ
る。
付き反射鏡を有する実施例のレーザー走査型顕微鏡の構
成を示す図である。
ための図である。
影形状を示す図である。
のレーザー走査型顕微鏡の構成を示す図である。
である。
を示す図である。
開口を有する実施例のレーザー走査型顕微鏡の構成を示
す図である。
実施例のレーザー走査型顕微鏡の構成を示す図である。
施例のレーザー走査型顕微鏡の構成を示す図である。
を介して光束を斜入射させる実施例のレーザー走査型顕
微鏡の構成を示す図である。
角度ΔθPR(ΔZ=0.05(mm)の場合)のシミュ
レーション結果と(4)の曲線と合わせて示す図であ
る。
角度ΔθPR(ΔZ=0.02(mm)の場合)のシミュ
レーション結果と(4)の曲線と合わせて示す図であ
る。
用いる実施例のレーザー走査型顕微鏡の構成を示す図で
ある。
有する対物レンズ走査型顕微鏡のシミュレーションモデ
ル図である。
の最適化した反射面形状の等高線図である。
れたトーリック面を差し引いた形状の等高線図である。
従来の顕微鏡の構成を示す図である。
従来の2光子顕微鏡の構成を示す図である。
子) 45…対物レンズ瞳 46…瞳リレー光学系 47…ガルバノミラー 48…絞り F…物体側焦点 Q…集光点
Claims (6)
- 【請求項1】 光源と、該光源から発する照明光に任意
の波面変換を与える波面変換素子と、該波面変換素子か
ら発する波面変換後の照明光を試料に集光する対物レン
ズと、該試料から発する信号光を検出する検出器と、前
記対物レンズを光軸と直交する方向に走査するアクチュ
エーターとを有することを特徴とする走査型光学顕微
鏡。 - 【請求項2】 光源と、該光源から発する照明光を収束
光に変換する正のパワーを有する光学素子と、開口を有
する反射鏡と、該照明光に任意の波面変換を与える反射
型の波面変換素子と、該波面変換された照明光を試料に
集光する対物レンズと、該試料から発する信号光を検出
する検出器とを有することを特徴とする走査型光学顕微
鏡。 - 【請求項3】 光源と、該光源から発する照明光を収束
光に変換する正のパワーを有する光学素子と、前記収束
光の集光位置に配置された反射鏡と、該照明光に任意の
波面変換を与える反射型の波面変換素子と、該波面変換
された照明光を試料に集光する対物レンズと、該試料か
ら発する信号光を検出する検出器とを有することを特徴
とする走査型光学顕微鏡。 - 【請求項4】 光源と、該光源から発する照明光に任意
の波面変換を与える反射型の波面変換素子と、波面変換
後の照明光を試料に集光する対物レンズとを備え、前記
光源が該試料から発する信号光を検出する検出器である
ことを特徴とする走査型光学顕微鏡。 - 【請求項5】 光源と、該光源から発する照明光に任意
の波面変換を与える反射型の波面変換素子と、該波面変
換素子から発する波面変換後の照明光を試料に集光する
対物レンズと、該試料から発する信号光を検出する検出
器とを有し、前記反射型の波面変換素子を下記条件式
(4)を満たすように光路中に配置したことを特徴とす
る走査型光学顕微鏡。 θPR≦50・NA-1√(λ・ΔZ-1) ・・・(4) ここで、θPR:前記波面変換素子への主光線の入射角
(°) ΔZ:焦点移動量 λ :前記照明光の波長 NA:前記対物レンズの開口数 である。 - 【請求項6】 光源と、前記光源から発する照明光に波
面変換を与える反射型の波面変換素子と、該波面変換素
子から発する波面変換後の照明光を試料に集光する対物
レンズと、該試料から発する信号光を検出する検出器と
を有し、前記反射型の波面変換素子の反射面が非球面ト
ーリック面形状に制御されることを特徴とする走査型光
学顕微鏡。
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