JPWO2016056657A1 - 結像光学系、照明装置および観察装置 - Google Patents

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Abstract

中間像が光学素子に一致する位置で結像されても、中間像に光学素子の傷等が重なることを防止することを目的として、本発明の観察装置は、光源と、照明光学系と、観察対象物からの光を集光する結像光学系(1)と、集光された光を撮影する撮像素子(光検出器)とを備え、結像光学系(1)が、最終像(I)および1つ以上の中間像(II)を形成する複数の結像レンズ(2),(3)と、いずれかの中間像(II)よりも物体(O)側に配置され、物体(O)からの光の波面に空間的な乱れを付与する第1の位相変調素子(5)と、第1の位相変調素子(5)との間に1つ以上の中間像(II)を挟む位置に配され、第1の位相変調素子(5)により物体(O)からの光の波面に付与された空間的な乱れを打ち消す第2の位相変調素子(6)とを備え、第1および第2の位相変調素子(5)、(6)の間の結像関係における共役性を維持する結像特性を有する。

Description

本発明は、例えばレーザ光を用いて対象の結像を行う装置に適用され、画像の質を向上させるための結像光学系、照明装置および観察装置に関するものである。
従来、中間像位置において光路長を調節することにより、対象物における合焦点位置を光軸に沿う方向(Z軸上)に移動させる方法が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特許第4011704号公報 特表2010−513968号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2の方法では、中間像面に平面鏡を配置するので、平面鏡の表面の傷や異物が、取得された最終像や対象物に投影された照明光に重なってしまうという不都合がある。また、特許文献2の方法は、光路長の調節手段と対象物との間に拡大された中間像が介在する光学系であるため、縦倍率は横倍率の2乗に等しくなるという光学上の基本原理により、合焦点位置の光軸に沿う方向への僅かな移動によっても、拡大された中間像はその光軸方向に大きく移動する。その結果、移動した中間像がその前後に位置していたレンズに重なると、上記と同様に、レンズの表面の傷や異物あるいはレンズ内の欠陥等が最終的な像や投影された照明光に重なってしまうという不都合がある。そしてこの種の不都合は、上記先行技術を拡大光学系である顕微鏡に適用した場合に特に顕著である。このことから、従来技術による光軸(Z軸)方向走査機能を備えた顕微鏡装置においては、Z軸方向に異なる合焦位置で観察等を行おうすると、鮮明な最終像を得ることが困難であり、長年、光軸方向走査型の顕微鏡装置における宿命として解消できない課題であった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、中間像が光学素子に一致する位置で結像されても、中間像に光学素子の傷、異物および欠陥等が重なることを防止して鮮明な最終像を取得することができる結像光学系、照明装置および観察装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、最終像および少なくとも1つの中間像を形成する複数の結像レンズと、該結像レンズにより形成されるいずれかの前記中間像よりも物体側に配置され、前記物体からの光の波面に空間的な乱れを付与する第1の位相変調素子と、該第1の位相変調素子との間に少なくとも1つの中間像を挟む位置に配置され、前記第1の位相変調素子により前記物体からの光の波面に付与された空間的な乱れを打ち消す第2の位相変調素子とを備え、前記第1および第2の位相変調素子の間の結像関係における共役性を維持する構成としたことを特徴とする結像特性を有することを特徴とする結像光学系である。本態様においては、前記第1および第2の位相変調素子の間の結像関係における共役性を維持する構成が、前記第1および第2の位相変調素子の間に配された共役性維持光学系であってもよい。
本明細書においては、像のあり方として、「鮮明な像」および「不鮮明な像」(または「ぼやけた像」)という2つの概念を用いる。
まず「鮮明な像」とは、物体から発した光の波面に、空間的な乱れが付与されていない状態で、あるいは一旦付与された乱れが打ち消され解消された状態で、結像レンズを介して生成された像であり、光の波長と結像レンズの開口数とで決まる空間周波数帯域、あるいはそれに準ずる空間周波数帯域、あるいは目的に応じた所望の空間周波数帯域を有するものを意味する。また、「不鮮明な像」(または「ぼやけた像」)とは、物体から発した光の波面に、空間的な乱れが付与された状態で、結像レンズを介して生成された像であり、その像の近傍に配置された光学素子の表面や内部に存在する傷や異物や欠陥等が、実質的に最終像として形成されない様な特性を有するものを意味する。
このようにして形成された「不鮮明な像」(または「ぼやけた像」)は、単に焦点の外れた像とは異なり、本来結像されるはずだった位置(すなわち仮に波面の空間的な乱れが付与されなかった場合に結像される位置)における像も含めて、光軸方向の広い範囲にわたって、像コントラストの明確なピークを持たず、その空間周波数帯域は、「鮮明な像」の空間周波数帯域に比べて、常に狭いものとなる。
以下、本明細書における「鮮明な像」および「不鮮明な像」(または「ぼやけた像」)は、上記概念に基づくものであり、Z軸上での中間像の移動とは、本発明ではぼやけた中間像の状態のまま移動することを意味する。また、Z軸走査とは、Z軸上での光の移動のみに限らず、後述するようにXY上の光移動を伴なっていてもよい。
本態様によれば、結像レンズの物体側から入射された光は結像レンズによって集光されることにより最終像を結像する。この場合において、中間像の一つよりも物体側に配置された第1の位相変調素子を通過することにより、光の波面に空間的な乱れが付与され、結像される中間像はぼやける。また、中間像を結像した光は第2の位相変調素子を通過することにより、第1の位相変調素子によって付与された波面の空間的な乱れが打ち消される。これにより、第2の位相変調素子以降においてなされる最終像の結像においては、鮮明な像を得ることができる。特に、走査系により、結像光学系を通過する光は上記の空間変調状態を保ったままZ軸上を中間像が移動し、Z軸走査中に結像光学系のどのレンズについても中間像がぼやけたまま通過する。
すなわち、中間像をぼやけさせることにより、中間像位置に何らかの光学素子が配置されて、該光学素子の表面や内部に傷、異物あるいは欠陥等が存在していてもそれらが中間像に重なって、最終的に最終像の一部として形成されてしまう不都合の発生を防止することができる。また、顕微鏡光学系に適用される場合には、フォーカシング等によりZ軸上での移動した中間像がその前後に位置していたレンズに重なったとしても、レンズの表面の傷や異物あるいはレンズ内の欠陥等が最終的な像に映りこむようなノイズ画像を生じない。
ここで、本発明においては、瞳収差に着目し、瞳結像における好ましい共役性の条件を設定することが重要との発想に立っていることを説明する。すなわち、その1つ目の観点には、正弦条件を準拠することで性能を高め、光学的な理想に向かうように構成することが挙げられる。詳しくは、瞳リレーレンズ(共役性維持光学系)の物体結像に適切な歪曲収差を持たせ、瞳結像の正弦条件を満たし、片方の位相変調素子の像がもう片方の位相変調素子に対して高い結像性能をもって投影されるようにする(それをここでは「瞳共役性の確保」と呼ぶ)。この作用効果として、中間像のぼかし(不鮮明化)の効果が高い位相変調素子を用いることができ、瞳収差を無くし、且つ瞳結像によって「瞳共役関係」を確保することができるという効果を有する。瞳結像において正弦条件を満たすことは、瞳結像における球面収差とコマ収差の補正を意味するが、「瞳共役性確保」の観点からは、瞳結像における他の収差すなわち軸上色収差、倍率色収差、歪曲収差、非点収差、および像面湾曲についても補正されることが望ましい。
2つ目の観点としては、正弦条件に反するが、光学系の性能の限界も考慮し、瞳リレーレンズとして「一般的なレンズ」を用い、瞳結像の正弦条件を満たさない場合に、瞳収差による悪影響(「瞳共役性」の不完全さ)が実用上充分に抑えられるための条件を適用することで、現実的で早期に実用化できる解決手段とすることが挙げられる。具体的には、瞳収差の実用的な許容量としての位相条件により生じる光線の傾き変化の上限を求める。この作用効果として、瞳リレーレンズのコストを抑えることができる。収差のある「不完全な」瞳結像でも充分な「瞳共役関係」を確保できるという効果を有する。
なお、本発明における位相変調素子は、必ずしも瞳面や瞳共役面に配置される訳ではない(正確には、像面および中間像面を除く場所に配置することにより効果を発揮するものである)。したがって、片方の位相変調素子の像がもう片方の位相変調素子へ投影される際の位置関係は必ずしも瞳共役の位置関係に一致するものではない。しかし、ここでは表現を簡潔にするために、瞳面や瞳共役面以外の場所に配置された位相変調素子であっても、位相変調素子同士の上記意味における位置関係を、広く「瞳共役性」と呼んでいる。
上記態様においては、前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、前記結像レンズの瞳位置近傍に配置されていてもよい。
このようにすることで、光束の変動しない瞳位置近傍に配置して第1の位相変調素子および第2の位相変調素子を小型化することができる。
また、上記態様においては、いずれかの前記中間像を挟む位置に配置される2つの前記結像レンズ間の光路長を変更可能な光路長可変手段を備えていてもよい。
このようにすることで、光路長可変手段の作動により、2つの結像レンズ間の光路長を変更することにより、最終像の結像位置を光軸方向に容易に変更することができる。
また、上記態様においては、前記光路長可変手段が、光軸に直交して配置され前記中間像を形成する光を折り返すように反射する平面鏡と、該平面鏡を光軸方向に移動させるアクチュエータと、前記平面鏡により反射された光を2方向に分岐するビームスプリッタとを備えていてもよい。
このようにすることで、物体側の結像レンズにより集光された物体側からの光が平面鏡によって反射されて折り返された後、ビームスプリッタによって分岐されて像側の結像レンズに入射される。この場合において、アクチュエータを作動させて平面鏡を光軸方向に移動させることにより、2つの結像レンズ間の光路長を容易に変更することができ、最終像の結像位置を光軸方向に容易に変更することができる。
また、上記態様においては、いずれかの前記結像レンズの瞳位置近傍に、光の波面に付与する空間的な位相変調を変更することにより、前記最終像位置を光軸方向に変化させる可変空間位相変調素子を備えていてもよい。
このようにすることで、可変空間位相変調素子によって最終像位置を光軸方向に変化させるような空間的な位相変調を光の波面に付与することができ、付与する位相変調を調節することにより最終像の結像位置を光軸方向に容易に変更することができる。
また、上記態様においては、前記第1の位相変調素子または前記第2の位相変調素子の少なくとも一方の機能が、前記可変空間位相変調素子によって担われていてもよい。
このようにすることで、可変空間位相変調素子に最終像位置を光軸方向に変化させるような空間的な位相変調と、中間像をぼやけさせるような位相変調あるいは中間像のぼやけを打ち消すような位相変調との両方を受け持たせることができる。これにより、構成部品を少なくして簡易な結像光学系を構成することができる。
また、上記態様においては、前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光軸に直交する1次元方向に変化する位相変調を光の波面に付与してもよい。
このようにすることで、第1の位相変調素子により光軸に直交する1次元方向に変化する位相変調を光の波面に付与して、中間像をぼやけさせることができ、中間像位置に何らかの光学素子が配置されて、該光学素子の表面や内部に傷、異物あるいは欠陥等が存在していてもそれらが中間像に重なって、最終的に最終像の一部として形成されてしまう不都合の発生を防止することができる。また、1次元方向に変化した位相変調を打ち消すような位相変調を第2の位相変調素子により光の波面に付与して、ぼやけない鮮明な最終像を結像させることができる。
また、上記態様においては、前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光軸に直交する2次元方向に変化する位相変調を光束の波面に付与してもよい。
このようにすることで、第1の位相変調素子により光軸に直交する2次元方向に変化する位相変調を光の波面に付与して、中間像をより確実にぼやけさせることができる。また、2次元方向に変化した位相変調を打ち消すような位相変調を第2の位相変調素子により光の波面に付与して、より鮮明な最終像を結像させることができる。
また、上記態様においては、前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光を透過させる際に波面に位相変調を付与する透過型素子であってもよい。
また、上記態様においては、前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光を反射させる際に波面に位相変調を付与する反射型素子であってもよい。
また、上記態様においては、前記第1の位相変調素子と前記第2の位相変調素子とが、相補的な形状を有していてもよい。
このようにすることで、中間像をぼやけさせる空間的な乱れを波面に付与する第1の位相変調素子と、波面に付与された空間的な乱れを打ち消すような位相変調を付与する第2の位相変調素子とを簡易に構成することができる。
また、上記態様においては、前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、透明材料の屈折率分布によって波面に位相変調を付与してもよい。
このようにすることで、第1の位相変調素子を光が透過する際に屈折率分布に従う波面の乱れを生じさせ、第2の位相変調素子を光が透過する際に屈折率分布によって波面の乱れを打ち消すような位相変調を光の波面に付与することができる。
また、本発明の他の態様は、上記いずれかの結像光学系と、該結像光学系の物体側に配置され、該結像光学系に入射させる照明光を発生する光源とを備える照明装置である。
本態様によれば、物体側に配置された光源から発せられた照明光が結像光学系に入射されることにより、最終像側に配置された照明対象物に照明光を照射することができる。この場合に、第1の位相変調素子によって、結像光学系により形成される中間像がぼやけさせられるので、中間像位置に何らかの光学素子が配置されて、該光学素子の表面や内部に傷、異物あるいは欠陥等が存在していてもそれらが中間像に重なって、最終的に最終像の一部として形成されてしまう不都合の発生を防止することができる。
また、本発明の他の態様は、上記いずれかの結像光学系と、該結像光学系の最終像側に配置され、観察対象物から発せられた光を検出する光検出器とを備える観察装置である。
本態様によれば、結像光学系により、光学素子の表面や内部に傷、異物あるいは欠陥等の像が中間像に重なることが防止されることによって形成された鮮明な最終像を光検出器によって検出することができる。
上記態様においては、前記光検出器が、前記結像光学系の最終像位置に配置され、該最終像を撮影する撮像素子であってもよい。
このようにすることで、結像光学系の最終像位置に配置された撮像素子により、鮮明な最終像を撮影して、精度の高い観察を行うことができる。
また、本発明の他の態様は、上記いずれかの結像光学系と、該結像光学系の物体側に配置され、該結像光学系に入射させる照明光を発生する光源と、前記結像光学系の最終像側に配置され、観察対象物から発せられた光を検出する光検出器とを備える観察装置である。
本態様によれば、光源からの光が結像光学系によって集光されて観察対象物に照射され、観察対象物において発生した光が最終像側に配置された光検出器により検出される。これにより、中間の光学素子の表面や内部に傷、異物あるいは欠陥等の像が中間像に重なることが防止されることによって形成された鮮明な最終像を光検出器によって検出することができる。
上記態様においては、前記光源および前記光検出器と前記結像光学系との間に配置されたニポウディスク型コンフォーカル光学系を備えていてもよい。
このようにすることで、観察対象物に多点のスポット光を走査させて観察対象物の鮮明な画像を高速に取得することができる。
また、上記態様においては、前記光源がレーザ光源であり、前記光検出器が共焦点ピンホールおよび光電変換素子を備えていてもよい。
このようにすることで、中間像位置における傷や異物や欠陥等の像の写り込みのない、鮮明な共焦点画像による観察対象物の観察を行うことができる。
また、本発明の他の態様は、上記照明装置と、該照明装置によって照明された観察対象物から発せられた光を検出する光検出器とを備え、前記光源がパルスレーザ光源である観察装置である。
このようにすることで、中間像位置における傷や異物や欠陥等の像の写り込みのない、鮮明な多光子励起画像による観察対象物の観察を行うことができる。
本発明によれば、中間像が光学素子に一致する位置で結像されても、中間像に光学素子の傷、異物および欠陥等が重なることを防止して鮮明な最終像を取得することができるという効果を奏し、さらに、位相変調素子を改良することで、より鮮明な最終像の取得を可能とする。
本発明の顕微鏡装置に用いられる結像光学系の第1実施形態を示す模式図である。 図1の結像光学系の作用を説明する模式図である。 図2の物体側の瞳位置から波面回復素子までを示す拡大図である。 従来の顕微鏡装置に用いられる結像光学系を示す模式図である。 フィールドレンズによる瞳結像が正弦条件を満たす構成を示す模式図である。 図1の結像光学系を説明する別の模式図である。 本発明の顕微鏡装置に用いられる結像光学系の第2実施形態を示す模式図である。 本発明の顕微鏡装置に用いられる結像光学系の第3実施形態を示す模式図である。 本発明の顕微鏡装置に用いられる結像光学系の第4実施形態を示す模式図である。 本発明の結像光学系の第4実施形態の第1変形例の構成を示す模式図である。 本発明の結像光学系の第4実施形態の第2変形例の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る観察装置を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る観察装置を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る観察装置を示す模式図である。 図7の観察装置の変形例を示す模式図である。 図8の観察装置の第1の変形例を示す模式図である。 図16の観察装置のさらなる変形例を示す模式図である。 図15の観察装置の第2の変形例を示す模式図である。 図15の観察装置の第3の変形例を示す模式図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の一例としてのシリンドリカルレンズを示す斜視図である。 図20のシリンドリカルレンズを用いた場合の作用を説明する模式図である。 図21の説明に使用するガウス光学に基づく位相変調量と光学パワーの関係を説明する図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としてのバイナリ回折格子を示す斜視図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としての1次元正弦波回折格子を示す斜視図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としての自由曲面レンズを示す斜視図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としてのコーンレンズを示す縦断面図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としての同心円型バイナリ回折格子を示す斜視図である。 位相変調素子として回折格子を用いた場合の光軸に沿う光線の作用を説明する模式図である。 位相変調素子として回折格子を用いた場合の軸上光線の作用を説明する模式図である。 波面錯乱素子として機能する回折格子の作用を説明する中央部の詳細図である。 波面回復素子として機能する回折格子の作用を説明する中央部の詳細図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としての球面収差素子を示す縦断面図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としての不規則形状素子を示す縦断面図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としての反射型の位相変調素子を示す模式図である。 本発明の結像光学系および観察装置に使用される位相変調素子の他の例としての屈折率分布型素子を示す縦断面図である。 本発明の結像光学系を内視鏡的用途でもって顕微鏡的に拡大観察するための装置に適用する場合のレンズ配列の一例を示す図である。 本発明の結像光学系を、インナーフォーカス機能付き内視鏡型細径対物レンズを備えた顕微鏡に適用する場合のレンズ配列の一例を示す図である。
〔第1実施形態〕
本発明の顕微鏡装置(観察装置)に用いられる結像光学系1の第1実施形態について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る結像光学系1は、図1に示されるように、間隔をあけて配置された2つ1組の結像レンズ2,3と、これらの結像レンズ2,3の中間結像面に配置されたフィールドレンズ4と、物体O側の結像レンズ2の瞳位置PP近傍に配置された波面錯乱素子(第1の位相変調素子)5と、像I側の結像レンズ3の瞳位置PP近傍に配置された波面回復素子(第2の位相変調素子)6とを備えている。図中、符号7は開口絞りである。
波面錯乱素子5は、物体Oから発せられ物体O側の結像レンズ2により集光された光を透過させる際に波面に乱れを付与するようになっている。波面錯乱素子5によって波面に乱れを付与することにより、フィールドレンズ4に結像される中間像が不鮮明化されるようになっている。
一方、波面回復素子6は、フィールドレンズ4により集光された光を透過させる際に、波面錯乱素子5によって付与された波面の乱れを打ち消すような位相変調を光に付与するようになっている。波面回復素子6は、波面錯乱素子5とは逆の位相特性を有し、波面の乱れを打ち消すことによって、鮮明な最終像Iを結像させるようになっている。
本実施形態に係る結像光学系1の、より一般的な概念について詳細に説明する。
図2に示される例では、結像光学系1は、物体O側および像I側に関してテレセントリックな配置になっている。また、波面錯乱素子5はフィールドレンズ4から物体O側に距離aだけ離れた位置に配置され、波面回復素子6はフィールドレンズ4から像I側に距離bだけ離れた位置に配置されている。
図2において、符号fは結像レンズ2の焦点距離、符号fは結像レンズ3の焦点距離、符号F,F´は結像レンズ2の焦点位置、符号F,F´は結像レンズ3の焦点位置、符号II,II,IIは中間像である。
ここで、波面錯乱素子5は必ずしも結像レンズ2の瞳位置PP近傍に配置されている必要はなく、波面回復素子6も必ずしも結像レンズ3の瞳位置PP近傍に配置されている必要はない。
ただし、波面錯乱素子5と波面回復素子6は、フィールドレンズ4による結像に関して、式(1)に示されるように、互いに共役な位置関係に配置されている必要がある。
1/f=1/a+1/b・・・・・(1)
ここで、fはフィールドレンズ4の焦点距離である。
図3は、図2の物体O側の瞳位置PPから波面回復素子6までを詳細に示す図である。
ここで、ΔLは、光が光学素子を透過することによって付与される、特定の位置(すなわち光線高さ)を透過する光線を基準とした、位相の進み量である。
また、ΔL(x)は、光が波面錯乱素子5の光軸上(x=0)を通過する場合を基準とした、波面錯乱素子5の任意の光線高さxを通過する場合の位相の進み量を与える関数である。
さらに、ΔL(x)は、光が波面回復素子6の光軸上(x=0)を通過する場合を基準とした、波面回復素子6の任意の光線高さxを通過する場合の位相の進み量を与える関数である。
ΔL(x)とΔL(x)は、下式(2)を満たしている。
ΔL(x)+ΔL(x)=ΔL(x)+ΔL(β・x)=0・・・・・(2)
ここで、βFは、フィールドレンズ4による波面錯乱素子5と波面回復素子6の共役関係における横倍率であり、下式(3)により表される。
β=−b/a・・・・・(3)
このような結像光学系1に1本の光線Rが入射し、波面錯乱素子5上の位置xを通過すると、そこで、ΔL(x)の位相変調を受け、屈折、回折、散乱等による錯乱光線Rcを生じる。錯乱光線Rcは、光線Rの位相変調を受けなかった成分とともに、フィールドレンズ4によって波面回復素子6上の位置x=β・xに投影される。投影された光線はここを通過することにより、ΔL(β・x)=−ΔL(x)の位相変調を受け、波面錯乱素子5によって受けた位相変調が打ち消される。これにより、波面の乱れのない1本の光線R´に戻る。
波面錯乱素子5と波面回復素子6が共役な位置関係にあり、かつ式(2)の特性を有する場合には、波面錯乱素子5上の1つの位置を経て位相変調を受けた光線は、その位置と一対一対応し、かつ波面錯乱素子5から受けた位相変調を打ち消すような位相変調を付与する波面回復素子6の特定の位置を必ず通過する。図2および図3に示される光学系は、光線Rに対して、波面錯乱素子5におけるその入射位置xや入射角に関わりなく、上記のように作用する。すなわち、あらゆる光線Rに関して、中間像IIを不鮮明化し、かつ最終像Iを鮮明に結像させることができる。
図4に、従来の結像光学系を示す。この結像光学系によれば、物体O側の結像レンズ2によって集光された光は中間結像面に配置されるフィールドレンズ4において鮮明な中間像IIを形成した後、像I側の結像レンズ3によって集光されて鮮明な最終像Iを形成する。
従来の結像光学系では、フィールドレンズ4の表面に傷や塵埃等があったり、フィールドレンズ4の内部に空洞等の欠陥があったりした場合に、フィールドレンズ4に鮮明に形成された中間像にこれらの異物の像が重なってしまい、最終像Iにも異物の像が形成されてしまうという問題が発生する。
これに対し、本実施形態に係る結像光学系1によれば、フィールドレンズ4に一致する位置に配置される中間結像面には、波面錯乱素子5によって不鮮明化された中間像IIが結像されるので、中間像IIに重なった異物の像は、波面回復素子6によって位相変調を受けて不鮮明な中間像IIが鮮明化される際に同じ位相変調によって不鮮明化される。したがって、鮮明な最終像Iに中間結像面の異物の像が重なることを防止することができる。
ここで、波面錯乱素子5と波面回復素子6とを共役な関係にするフィールドレンズ4による結像すなわち瞳結像において、中間像を強くぼやけさせる光線(例えば、高次の回折光線)は開口数が大きく、大きな収差を生じることになる。このような瞳収差が生じると、波面回復素子6による位相復調が損なわれ、最終像におけるぼけ成分が解消されなくなってしまう。
これに対し、波面錯乱素子5と波面回復素子6との間に配されたレンズが瞳結像における正弦条件を満たせば、収差の影響を抑制することができる。例えば、図5に示す例では、フィールドレンズ4による結像において次式が成り立てば、正弦条件が満たされ、瞳収差の影響が抑制される。以下、「正弦条件を満たす」とは、正弦条件を完全に満たすこと、すなわち正弦条件違反量をゼロにすることは必ずしも必要ではなく、波面回復素子6により位相復調を行う上で、十分な精度を持って波面錯乱素子5と波面回復素子6との間の瞳結像がなされればよい。
sinΘO(N)/sinΘI(N)=(n/n)×β
=n=1の場合は、
sinΘO(N)/sinΘI(N)=β
図5において、RD(N):光線RAの波面錯乱素子5による(N)次回折光線(例えば、RD+5は+5次の回折光線)、ΘO(N):光線RD(N)が光軸対してなす角度(Θ0+1、Θ0+3、Θ0+5の符号は負)、ΘI(N):フィールドレンズ4で屈折された光線RD(N)が光軸に対してなす角度、H:フィールドレンズ4の主点、SHFO:フィールドレンズ4の物体側主面(中心がPに一致し、半径が|d|の球面、SHFI:フィールドレンズ4の像側主面(中心がPに一致し、半径がdの球面)、n:フィールドレンズ4よりも物体O側の空間媒質の屈折率、n:フィールドレンズ4よりも像I側の空間媒質の屈折率である。図5では、波面錯乱素子5により±5次までの回折光が生じる例を示したが、より高い次数の回折光が生じる場合であっても、上記式が成り立てば正弦条件が満たされ、瞳収差の影響を抑制することができる。また、5次よりも低い次数の回折光が生じる場合であっても、その回折角(Θ0(n))が球面収差等の収差を有するフィールドレンズ4において瞳結像特性の低下を顕在化させるのに十分な大きさを有するならば、上記式が成り立てば正弦条件が満たされ、瞳収差の影響を抑制することができる。また、図5では、波面錯乱素子5および波面回復素子6として回折格子を用いた例を示したが、波面錯乱素子5および波面回復素子6として屈折素子を用いた場合も同様である。
上記正弦条件を満たすためには、波面錯乱素子5と波面回復素子6の間に配されたレンズが、少なくとも1つの非球面を有するか、あるいは、少なくとも1つの凹面を有することが好ましい。
本実施形態においては、フィールドレンズ4として、図6に示すように、波面変調素子5を通過した光を波面回復素子6にリレーする一対の非球面レンズ(共役性維持光学系)83a,83bからなるリレーレンズが用いられるようになっている。
非球面レンズ83aは、物体O側面が球面Sで構成され、反対側の像I側面が非球面Sで構成されている。一方、非球面レンズ83bは、物体O側面が非球面Sで構成され、反対側の像I側面が球面S4で構成されている。
このように構成された結像光学系1によれば、図6に示すように、非球面レンズ83a,83bをなす4つの面S1,S2,S3,S4の内の少なくとも1つの面(図5に示す例では面S2および面S3。)が非球面であるので、物点Pと像点Pとの結像における正弦条件を満たすこと、すなわち正弦条件違反量を抑えることができる。
これにより、波面変調素子5と波面回復素子6との間の結像関係における共役性が維持され、物点Pが像点Pとして収差なく結像するとともに、物点Pが対して光軸に交差する方向にずれた点についても像点Pに対して光軸に交差する方向に収差なく結像する。したがって、物点Pと像点Pとの結像における球面収差とコマ収差を抑えて、波面回復素子6による位相復調を精度良く行い、鮮明な最終像を取得することができる。
本実施形態においては、非球面レンズ83a,83bの2つの面(面S2と面S3。)が非球面であることとしたが、4つの面(面S1、S2,S3,S4)の内の少なくとも1つの面が非球面であればよい。
〔第2実施形態〕
本発明の顕微鏡装置に用いられる結像光学系1の第2実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る結像光学系1は、フィールドレンズ4として、図7に示すように、6枚のレンズ(共役性維持光学系)85a、85b、85c、85d、85e、85fからなるアプラナティックレンズを備える点で第1実施形態と異なる。
本実施形態の説明において、上述した第1実施形態に係る結像光学系1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
レンズ85aとレンズ85f、レンズ85bとレンズ85e、レンズ85cとレンズ85dは、それぞれ同一形状かつ中間像面SIIに関して対称に形成されている。
レンズ85aは物点Pとその像P´に関してアプラナティック、すなわち無収差となっている。レンズ85bは、物点P´とその像P´´に関してアプラナティックとなっている。レンズ85cは、点P´´の結像(コリメーション)に関してアプラナティックではないが、コリメーションに必要なパワーが小さくなっている。したがって、レンズ85cにおいて生じる収差は極めて小さい。
レンズ85d,85e,85fは、レンズ85a、85b,85cと同一形状かつ中間像面SIIに関して対称なので、レンズ85d,85e,85fを通過した光は小さな収差を持って像点Pに結像するようになっている。
本実施形態に係る結像光学系1によれば、物点Pと像点Pとの結像における球面収差とコマ収差を抑えて、鮮明な最終像を取得することができる。
〔第3実施形態〕
本発明の顕微鏡装置に用いられる結像光学系1の第3実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る結像光学系1は、フィールドレンズ4として、図8に示すように、物体Oからの光を平行光にする第1レンズ群(共役性維持光学系)87aと、第1レンズ群87aにより平行光にされた光を集束する第2レンズ群(共役性維持光学系)87bとからなり、2組のダブレットレンズ(フラウンホーフェル型アクロマート)を備える点で第1実施形態と異なる。
本実施形態の説明において、上述した第1実施形態に係る結像光学系1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
第1レンズ群87aと第2レンズ群87bは同一形状を有している。具体的には、第1レンズ群87aは、物体O側に凸面を向けたフリントガラス製の凹メニスカスレンズ88aと、クラウンガラス製の両凸レンズ88bとの接合レンズにより構成されている。第2レンズ群87bは、クラウンガラス製の両凸レンズ88cと、像I側に凸面を向けたフリントガラス製の凹メニスカスレンズ88dとの接合レンズにより構成されている。これら第1レンズ群87aの各レンズ88a,88bと第2レンズ群87bの各レンズ88c,88dは、それぞれ色消しレンズである。
本実施形態に係る結像光学系1によれば、正弦条件違反量が抑制されて物点Pが像点Pとして収差なく結像する。したがって、物点Pと像点Pとの結像における球面収差とコマ収差を抑えて、鮮明な最終像を取得することができる。また、第1レンズ群87aおよび第2レンズ群87bを色消しレンズにより構成することで、色収差も低減することができる。したがって、対象とする光の波長が複数あるいは広域に跨る場合に特に有効である。
〔第4実施形態〕
本発明の顕微鏡装置に用いられる結像光学系1の第4実施形態について図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る結像光学系1は、フィールドレンズ4として、図9に示すように、物体Oからの光を平行光にする第1レンズ群(共役性維持光学系)91aと、第1レンズ群91aにより平行光にされた光を集束する第2レンズ群(共役性維持光学系)91bとからなり、2組のトリプレットレンズ(クック型)を備える点で第1実施形態と異なる。
本実施形態の説明において、上述した第1実施形態に係る結像光学系1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
第1レンズ群91aは、物体O側に強い凸面を向けた両凸レンズ92aと、両凹レンズ92bと、像I側に凸面を向けた平凸レンズ92cとにより構成されている。第2レンズ群91bは、物体O側に凸面を向けた平凸レンズ92dと、両凹レンズ92eと、像I側に強い凸面を向けた両凸レンズ92fとにより構成されている。これら第1レンズ群91aおよび第2レンズ群91bはそれぞれがアナスチグマートレンズとなっている。
本実施形態に係る結像光学系1によれば、正弦条件違反量が抑制されて、物点Pが像点Pとして収差なく結像する。したがって、物点Pと像点Pとの結像における球面収差とコマ収差を低減するのみならず、球面収差、コマ収差、非点収差、歪曲収差、像面湾曲収差の5つのザイデル収差をバランスよく低減することができる。
本実施形態は以下のように変形することができる。
本実施形態においては、フィールドレンズ4として、トリプレットレンズを2つ用いることとしたが、第1変形例としては、例えば、フィールドレンズ4として、図10に示すように、両凸レンズ(共役性維持光学系)93aと、両凹レンズ(共役性維持光学系)93bと、両凸レンズ(共役性維持光学系)93cとからなる1つのトリプレットレンズ(クック型)を用いることとしてもよい。
この場合、これら両凸レンズ93aと、両凹レンズ93bと、両凸レンズ93cにより構成されるレンズ群が、アナスチグマートレンズになるように構成すればよい。このようにすることで、物点Pが像点Pとして収差なく結像して、前記5つのザイデル収差をバランスよく低減することができる。
また、第2変形例としては、例えば、フィールドレンズ4として、図11に示すように、それぞれトリプレットレンズを構成する第1レンズ群(共役性維持光学系)95a、第2レンズ群(共役性維持光学系)95bおよび第3レンズ群(共役性維持光学系)95cと、第1レンズ群95aと第2レンズ群95bとの間に配置された両凹レンズ96dと、第2レンズ群95bと第3レンズ群95cとの間に配置された両凹レンズ96hとを用いることとしてもよい。
第1レンズ群95aは両凸レンズ96aと両凹レンズ96bと両凸レンズ96cにより構成され、第2レンズ群95bは両凸レンズ96eと両凹レンズ96fと両凸レンズ96gにより構成され、第3レンズ群95cは両凸レンズ96iと両凹レンズ96jと両凸レンズ96kにより構成されている。これら第1レンズ群95a、第2レンズ群95bおよび第2レンズ群95cはそれぞれがアナスチグマートレンズとなっている。
この場合、第1レンズ群95a、第2レンズ群95bおよび第3レンズ群95cにより、瞳面に配置された波面錯乱素子5の像が3回の瞳結像を繰り返して、瞳共役面に配置された波面回復素子6に投影される。
これと同時に、第1レンズ群95aの両凸レンズ96cと、両凹レンズ96dと、第2レンズ群95bの両凸レンズ96eとにより構成されるレンズ群97aと、第2レンズ群95bの両凸レンズ96gと、両凹レンズ96hと、第3レンズ群95cの両凸レンズ96iとにより構成されるレンズ群97bが、それぞれトリプレットレンズとして、中間像面SII1,SII2,SII3間が共役な関係になるように物体結像を行うようになっている。これらのレンズ群97a,97bはアナスチグマートレンズとなっている。図11において、実線は瞳結像の光線を示し、破線は物体結像の光線を示している。
このように構成された結像光学系1によれば、アナスチグマートレンズにより物体結像と瞳結像の両方がなされることで、物体像も瞳像も前記5つのザイデル収差をバランスよく低減することができる。
なお、上記説明においては、2つの結像レンズ2,3をそれぞれテレセントリックな配置として説明したが、これに限定されるものではなく、非テレセントリック系であっても同様に作用する。
また、位相進み量の関数を1次元的な関数としたが、これに代えて、2次元的な関数としても同様に作用し得る。
また、結像レンズ2と波面錯乱素子5とフィールドレンズ4の間の空間、およびフィールドレンズ4と波面回復素子6と結像レンズ3の間の空間は、必ずしも必要でなく、これらの素子の間は光学的に接合されていてもよい。
また、結像光学系1をなす各レンズ、すなわち、結像レンズ2,3およびフィールドレンズ4の各々が結像と瞳リレーの機能を明確に分担する構成としたが、実際の結像光学系においては、1つのレンズが結像と瞳リレーの両機能を同時に有するような構成も用いられている。このような場合においても、上記条件が満たされる場合には、波面錯乱素子5は波面に乱れを付与して中間像IIを不鮮明化し、波面回復素子6は波面の乱れを打ち消して最終像Iを鮮明化することができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る観察装置10について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る観察装置10は、図12に示されるように、非コヒーレントな照明光を発生する光源11と、光源11からの照明光を観察対象物Aに照射する照明光学系12と、観察対象物Aからの光を集光する結像光学系13と、該結像光学系13により集光された光を撮影して画像を取得する撮像素子(光検出器)14とを備えている。
照明光学系12は、光源11からの照明光を集光する集光レンズ15a,15bと、該集光レンズ15a,15bにより集光された照明光を観察対象物Aに照射する対物レンズ16とを備えている。
また、この照明光学系12は、いわゆるケーラー照明であり、集光レンズ15a,15bは、光源11の発光面と対物レンズ16の瞳面とが互いに共役になるように配置されている。
結像光学系13は、物体側に配置された観察対象物Aから発せられた観察光(例えば、反射光)を集光する上記対物レンズ(結像レンズ)16と、該対物レンズ16により集光された観察光の波面に乱れを付与する波面錯乱素子17と、波面に乱れを付与された光を光源11からの照明光路から分岐させる第1のビームスプリッタ18と、光軸方向に間隔を明けて配置された第1の中間結像レンズ対19と、該第1の中間結像レンズ対19の各レンズ19a,19bを通過した光を90°偏向する第2のビームスプリッタ20と、該第2のビームスプリッタ20により偏向された光を集光して中間像を結像させる第2の中間結像レンズ21と、該第2の中間結像レンズ21による中間結像面に配置された光路長可変手段22と、第2のビームスプリッタ20と第2の中間結像レンズ21との間に配置された波面回復素子23と、該波面回復素子23および第2のビームスプリッタ20を透過した光を集光して最終像を結像させる結像レンズ24とを備えている。
撮像素子14は、例えば、CCDあるいはCMOSのような2次元のイメージセンサであり、結像レンズ24による最終像の結像位置に配置された撮像面14aを備え、入射される光を撮影することにより観察対象物Aの2次元的な画像を取得することができるようになっている。
波面錯乱素子17は、対物レンズ16の瞳位置近傍に配置されている。波面錯乱素子17は、光を透過可能な光学的に透明な材料により構成され、光が透過する際に、表面の凹凸形状に従う位相変調を光の波面に付与するようになっている。本実施形態においては、観察対象物Aからの観察光を1回透過させることにより、必要な波面の乱れを付与するようになっている。
また、波面回復素子23は、第2の中間結像レンズ21の瞳位置近傍に配置されている。波面回復素子23も光を透過可能な光学的に透明な材料により構成され、光が透過する際に、表面の凹凸形状に従う位相変調を光の波面に付与するようになっている。本実施形態においては、波面回復素子23は、ビームスプリッタ20により偏向された観察光および光路長可変手段22により折り返すように反射された観察光を往復で2回透過させることにより、波面錯乱素子17により付与された波面の乱れを打ち消すような位相変調を光の波面に与えるようになっている。
光軸(Z軸)走査系としての光路長可変手段22は、光軸に直交して配置された平面鏡22aと、該平面鏡22aを光軸方向に変位させるアクチュエータ22bとを備えている。光路長可変手段22のアクチュエータ22bの作動により、平面鏡22aを光軸方向に変位させると、第2の中間結像レンズ21と平面鏡22aとの間の光路長が変化させられ、それによって、観察対象物Aにおける、撮像面14aと共役な位置、すなわち、対物レンズ16の前方の合焦点位置が、光軸方向に変化させられるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る観察装置10を用いて観察対象物Aの観察を行うには、光源11からの照明光を照明光学系12によって観察対象物Aに照射する。観察対象物Aから発せられた観察光は対物レンズ16によって集光され、波面錯乱素子17を1回透過して第1のビームスプリッタ18および中間結像光学系19を通過し、第2のビームスプリッタ20において、90°偏向されて波面回復素子23を透過し、光路長可変手段22の平面鏡22aによって折り返されるように反射されて波面回復素子23を再度透過し、ビームスプリッタ20を透過して結像レンズ24によって結像された最終像が撮像素子14によって撮影される。
光路長可変手段22のアクチュエータ22bを作動させて、平面鏡22aを光軸方向に移動させることにより、第2の中間結像レンズ21と平面鏡22aとの間の光路長を変化させることができ、これによって、対物レンズ16の前方の合焦点位置を光軸方向に移動させ走査することができる。そして、異なる合焦点位置において観察光を撮影することにより、観察対象物Aの奥行き方向に異なる位置に合焦させた複数の画像を取得することができる。さらに、これらを加算平均によって合成した後、高域強調処理を施すことにより、被写界深度の深い画像を取得することができる。
この場合において、光路長可変手段22の平面鏡22a近傍には第2の中間結像レンズ21による中間像が結像されるが、この中間像は、波面錯乱素子17を透過することにより付与された波面の乱れが、波面回復素子23を1回透過することにより部分的に打ち消されて残った波面の乱れによって、不鮮明化されている。そして、不鮮明化された中間像を結像した後の光は、第2の中間結像レンズ21によって集光された後に、波面回復素子23を再度通過させられることにより、波面の乱れが完全に打ち消される。
その結果、本実施形態に係る観察装置10によれば、平面鏡22aの表面に傷や塵埃等の異物が存在していても、異物の像が最終像に重なって撮影されてしまうことを防止することができ、かつ、観察対象物Aの鮮明な画像を得ることができるという利点がある。
また、同様にして、観察対象物Aにおける合焦点位置を光軸方向に移動させると、第1の中間結像レンズ対19によって形成される中間像も光軸方向に大きく変動するが、その変動の結果、中間像が第1の中間結像レンズ対19の位置に重なったとしても、あるいはまた、その変動範囲内に何らかの他の光学素子が存在する場合であっても、中間像が不鮮明化されているので、異物の像が最終像に重なって撮影されてしまうことを防止することができる。本実施形態において、上述したような走査系を搭載した場合には、結像光学系に配置されるあらゆる光学素子上で、光がZ軸移動してもノイズ画像を生じない。
次に、本発明の第2の実施形態に係る観察装置30について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る観察装置10と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る観察装置30は、図13に示されるように、レーザ光源31と、該レーザ光源31からのレーザ光を観察対象物Aに集光させる一方、観察対象物Aからの光を集光する結像光学系32と、該結像光学系32により集光された光を撮影する撮像素子(光検出器)33と、光源31および撮像素子33と結像光学系32との間に配置されたニポウディスク型コンフォーカル光学系34とを備えている。レーザ光源31と結像光学系32とにより照明装置が構成される。
ニポウディスク型コンフォーカル光学系34は、平行間隔をあけて配置される2枚のディスク34a,34bと、該ディスク34a,34bを同時に回転させるアクチュエータ34cとを備えている。レーザ光源31側のディスク34aには、マイクロレンズ(図示略)が多数配列されており、物体側のディスク34bには、各マイクロレンズに対応する位置に多数のピンホール(図示略)が設けられている。また、2枚のディスク34a,34bの間の空間には、ピンホールを通過した光を分岐するダイクロイックミラー34dが固定されており、ダイクロイックミラー34dによって分岐された光は集光レンズ35によって集光され、撮像素子33の撮像面33aに最終像が結像されて、画像が取得されるようになっている。
結像光学系32は、第1の実施形態における第1のビームスプリッタ18と第2のビームスプリッタ20とを共通化して単一のビームスプリッタ36とし、ニポウディスク型コンフォーカル光学系34のピンホールを通過した光を観察対象物Aに照射するための光路と、観察対象物Aにおいて発生し、ニポウディスク型コンフォーカル光学系34のピンホールに入射するまでの光路とを完全に共通化している。
このように構成された本実施形態に係る観察装置30の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る観察装置30によれば、ニポウディスク型コンフォーカル光学系34のピンホールから結像光学系32に入射した光は、ビームススプリッタ36および位相変調素子23を透過した後に、第2の中間結像レンズ21によって集光され、光路長可変手段22の平面鏡22aによって折り返されるように反射される。そして、第2の中間結像レンズ21を通過した後に、位相変調素子23を再度透過し、ビームスプリッタ36によって90°偏向され、第1の中間結像レンズ対19および位相変調素子17を透過して対物レンズ16により観察対象物Aに集光される。
本実施形態においては、レーザ光が最初に2回透過する位相変調素子23は、レーザ光の波面に乱れを付与する波面錯乱素子として機能し、その後に1回透過する位相変調素子17は、位相変調素子23により付与された波面の乱れを打ち消すような位相変調を付与する波面回復素子として機能する。
したがって、ニポウディスク型コンフォーカル光学系34によって多数の点光源状に形成された光源の像は第2の中間結像レンズ21によって平面鏡22a上に中間像として結像されるが、第2の中間結像レンズ21により形成される中間像は、位相変調素子23を1回通過することにより不鮮明化されているので、中間結像面に存在する異物の像が、最終像に重なってしまう不都合を防止できる。
また、位相変調素子23を2回透過することにより波面に付与された乱れは、位相変調素子17を1回透過することにより打ち消されるので、観察対象物Aに鮮明な多数の点光源の像を結像させることができる。そして、ニポウディスク型コンフォーカル光学系34のアクチュエータ34cの作動によりディスク34a,34bを回転させることにより、観察対象物Aに結像している多数の点光源の像を光軸に交差するXY方向に移動させ、高速走査を行うことができる。
一方、観察対象物Aにおける点光源の像の結像位置において発生した光、例えば、蛍光は、対物レンズ16により集光され、位相変調素子17および第1の中間結像レンズ対19を透過した後、ビームスプリッタ36によって90°偏向されて、位相変調素子23を透過し、第2の中間結像レンズ21によって集光されて、平面鏡22aによって折り返されるように反射される。その後、再度、第2の中間結像レンズ21によって集光され、位相変調素子23およびビームスプリッタ36を透過して、結像レンズ24により集光され、ニポウディスク型コンフォーカル光学系34のピンホール位置に結像される。
ピンホールを通過した光はダイクロイックミラーによって、レーザ光源からの光路から分岐され、集光レンズによって集光されて撮像素子の撮像面に最終像として結像される。
この場合において、観察対象物において多数の点状に発生した蛍光が透過する位相変調素子17は第1の実施形態と同様に波面錯乱素子として機能し、位相変調素子23は波面回復素子として機能する。
したがって、位相変調素子17を透過することにより波面に乱れが付与された蛍光は、位相変調素子23を1回透過することにより、部分的に乱れが打ち消された状態ではあるが、平面鏡22aに結像される中間像は不鮮明化されたものとなる。そして、位相変調素子23をもう1回透過することにより、波面の乱れが完全に打ち消された状態となった蛍光は、ニポウディスク型コンフォーカル光学系34のピンホールに結像し、ピンホールを通過した後にダイクロイックミラー34dによって分岐され、集光レンズ35により集光されて撮像素子33の撮像面33aに鮮明な最終像を結像する。
これにより、本実施形態に係る観察装置によれば、観察対象物Aにレーザ光を照射する照明装置としても、観察対象物Aにおいて発生した蛍光を撮影する観察装置としても、中間像を不鮮明化して中間結像面における異物の像が最終像に重なることを防止しつつ、鮮明な最終像を得ることができるという利点を有する。本実施形態において、上述したような走査系を搭載した場合には、結像光学系に配置されるあらゆる光学素子上で、光がZ軸移動してもノイズ画像を生じない。本実施形態において、上述したような走査系を搭載した場合には、結像光学系に配置されるあらゆる光学素子上で、光がZ軸移動してもノイズ画像を生じない。
次に、本発明の第3の実施形態に係る観察装置40について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第2の実施形態に係る観察装置30と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る観察装置40は、図14に示されるように、レーザ走査型共焦点観察装置である。
この観察装置40は、レーザ光源41と、該レーザ光源41からのレーザ光を観察対象物Aに集光させる一方、観察対象物Aからの光を集光する結像光学系42と、該結像光学系42により集光された蛍光を通過させる共焦点ピンホール43と、該共焦点ピンホール43を通過した蛍光を検出する光検出器44とを備えている。
結像光学系42は、レーザ光のビーム径を拡大するビームエキスパンダー45と、レーザ光を偏向し蛍光を透過するダイクロイックミラー46と、対物レンズ16の瞳と共役な位置の近傍に配置されたガルバノミラー47と、第3の中間結像レンズ対48とを第2の実施形態に係る観察装置30とは異なる構成として備えている。また、レーザ光の波面に乱れを付与する位相変調素子23をガルバノミラー47の近傍に配置している。図中、符号49はミラーである。
このように構成された本実施形態に係る観察装置40の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る観察装置40によれば、レーザ光源41から発せられたレーザ光は、ビームエキスパンダー45によってビーム径が拡大されてダイクロイックミラー46により偏向され、ガルバノミラー47によって2次元的に走査された後、位相変調素子23および第3の中間結像レンズ対48を通過してビームスプリッタ36に入射する。ビームスプリッタ36への入射後は、第2の実施形態に係る観察装置30と同様である。
すなわち、レーザ光は、位相変調素子23によって波面に乱れを付与された後に、光路長可変手段22の平面鏡22aに中間像を結像するので、中間像が不鮮明化されており、中間結像面に存在する異物の像が重なることを防止することができる。また、対物レンズ16の瞳位置に配置された位相変調素子17によって、波面の乱れが打ち消されるので、鮮明化された最終像を観察対象物Aに結像させることができる。また、最終像の結像深さは、光路長可変手段22によって任意に調節することができる。
一方、観察対象物Aにおけるレーザ光の最終像の結像位置において発生した蛍光は、対物レンズ16によって集光され、位相変調素子17を透過した後に、レーザ光とは逆の光路を辿って、ビームスプリッタ36により偏向され、第3の中間結像レンズ対48、位相変調素子23、ガルバノミラー47およびダイクロイックミラー46を通過した後に結像レンズ24によって、共焦点ピンホール43に集光され、共焦点ピンホール43を通過した蛍光のみが光検出器44によって検出される。
この場合においても、対物レンズ16により集光された蛍光は、位相変調素子17によって波面に乱れを付与された後に中間像を結像するので、中間像が不鮮明化され、中間結像面に存在する異物の像が重なることを防止することができる。そして、位相変調素子23を透過することによって波面の乱れが打ち消されるので、鮮明化された像を共焦点ピンホール43に結像させることができ、観察対象物Aにおいてレーザ光の最終像の結像位置において発生した蛍光を効率よく検出することができる。その結果、高分解能の明るい共焦点画像を取得することができるという利点がある。本実施形態において、上述したような走査系を搭載した場合には、結像光学系に配置されるあらゆる光学素子上で、光がZ軸移動してもノイズ画像を生じない。
なお、本実施形態においては、レーザ走査型共焦点観察装置を例示したが、これに代えて、図15に示されるようにレーザ走査型多光子励起観察装置に適用してもよい。
この場合、レーザ光源41として、極短パルスレーザ光源を採用し、ダイクロイックミラー46を無くし、ミラー49に代えて、ダイクロイックミラー46を採用すればよい。
図15の観察装置50においては、極短パルスレーザ光を観察対象物Aに照射する照明装置の機能において、中間像を不鮮明化し、最終像を鮮明化することができる。観察対象物Aにおいて発生した蛍光については、対物レンズ16により集光され、位相変調素子17およびダイクロイックミラー46を透過した後に、中間像を結像することなく、集光レンズ51によって集光されて、光検出器44によりそのまま検出される。
また、上記各実施形態においては、光路を折り返す平面鏡の移動により光路長を変化させる光路長可変手段22により、対物レンズの前方の合焦点位置を光軸方向に変化させることとした。これに代えて、光路長可変手段としては、図16に示されるように、中間結像光学系61を構成するレンズ61a,61bの一方のレンズ61aをアクチュエータ62によって光軸方向に移動させることにより、光路長を変化させるものを採用した観察装置60を構成してもよい。図中、符号63は他の中間結像光学系である。
また、図17に示されるように、2次元の光スキャナを構成する2枚のガルバノミラー47の間に、他の中間結像光学系80を配置し、2つのガルバノミラー47が位相変調素子17,23および対物レンズ16の瞳に配置されている開口絞り81に対して、精度よく光学的に共役な位置関係に配置されているように構成してもよい。
また、光路長可変手段として、図18に示されるように、反射型のLCOSのような空間光変調素子(SLM)64を採用してもよい。このようにすることで、LCOSの液晶の制御によって高速に波面に与える位相変調を変化させ、対物レンズ16の前方の合焦点位置を光軸方向に高速に変化させることができる。図中、符号65は、ミラーである。
また、反射型のLCOSのような空間光変調素子64に代えて、図19に示されるように、透過型のLCOSのような空間光変調素子66を採用してもよい。反射型のLCOSと比較してミラー65が不要となるので、構成を簡易化することができる。
観察対象物Aにおける合焦点位置を光軸方向に移動させる手段としては、上記各実施例に示したもの(光路長可変手段22、あるいは中間結像光学系61とアクチュエータ62、あるいは反射型空間光変調素子64、あるいは透過型空間光変調素子66)の他にも、能動光学素子として知られるパワー可変光学素子が各種利用可能であり、まず機械的可動部を有するものとして、形状可変鏡(DFM:Deformable Mirror)、液体やゲルを用いた形状可変レンズがある。そして機械的可動部を持たない同様の素子として、電界により媒質の屈折率を制御する、液晶レンズやタンタル酸ニオブ酸カリウム(KTN:KTa1−xNb)結晶レンズ、さらには音響光学偏向器(AOD/Acousto−Optical Deflector)におけるシリンドリカルレンズ効果を応用したレンズ、等がある。
本発明の観察装置は、上記各実施形態に係る観察装置10,20,30において、結像光学系13,32,42に代えて上述した結像光学系1が適用されるようになっている。観察装置10,20,30において結像光学系1を適用することにより、瞳収差の影響を抑制して位相変調により与えたぼけ成分を位相復調により確実に相殺し、鮮明な最終像を取得することができる。
以上、本発明の顕微鏡としての実施形態は、いずれも観察対象物Aにおける合焦点位置を光軸方向に移動させる何らかの手段を有する。さらに、これらの合焦点位置光軸方向移動手段は、同じ目的に対する従来の顕微鏡における手段(対物レンズか観察対象物かの何れかを光軸方向に移動させる)に比較して、駆動対象物の質量が小さい、あるいは応答速度の速い物理現象を利用している、という理由により、動作速度を大幅に高めることができる。
このことには、観察対象物(例えば、生きた生体組織標本)における、より高速な現象を検出し得る、という利点がある。
また、透過型あるいは反射型のLCOSのような空間光変調素子64,66を採用する場合には、位相変調素子23の機能を空間光変調素子64,66に担わせることができる。このようにすることで、波面錯乱素子としての位相変調素子23を省略でき、構成をさらに簡易化することができるという利点がある。
また、上記例は、空間光変調素子とレーザ走査型多光子励起観察装置との組み合わせにおける、位相変調素子23の省略であるが、これと同様にして、空間光変調素子と、レーザ走査型共焦点観察装置との組み合わせにおいても、位相変調素子23を省略することが可能である。すなわち、図18,図19において、ダイクロイックプリズム36に代えてミラー49を採用し、ビームエキスパンダー45と空間光変調素子64,66との間にダイクロイックミラー46を採用して分岐光路をなし、さらに結像レンズ24、共焦点ピンホール43、および光検出器44を採用した上で、位相変調素子23の機能を空間光変調素子64,66に担わせることができる。この場合の空間光変調素子64,66は、レーザ光源41からのレーザ光に対しては、波面錯乱素子として波面に乱れを付与する一方で、観察対象物Aからの蛍光に対しては、位相変調素子17によって付与された波面の乱れを打ち消す波面回復素子として作用する。
位相変調素子としては、例えば、図20に示されるような、シリンドリカルレンズ17,23を採用することにしてもよい。
この場合には、シリンドリカルレンズ17によって中間像は非点収差によって点像が線状に伸ばされるので、この作用により、中間像を不鮮明化することができ、これと相補的な形状のシリンドリカルレンズ23により、最終像を鮮明化することができる。
図20の場合、凸レンズまたは凹レンズのいずれを波面錯乱素子として使用してもよいし、波面回復素子として使用してもよい。
位相変調素子としてシリンドリカルレンズ5,6を用いる場合の作用について、以下に詳細に説明する。図21は、図2および図3における位相変調素子としてシリンドリカルレンズ5,6を用いた例を示す。
ここでは、特に、下記条件を設定する。
(a)物体O側の位相変調素子(波面錯乱素子)5として、x方向にパワーψOxを有するシリンドリカルレンズを用いる。
(b)像I側の位相変調素子(波面回復素子)6として、x方向にパワーψIxを有するシリンドリカルレンズを用いる。
(c)xz平面上の軸上光線Rのシリンドリカルレンズ5における位置(光線高さ)をxとする。
(d)xz平面上の軸上光線Rのシリンドリカルレンズ6における位置(光線高さ)をxとする。
図21において、符号II〇X ,II〇Y は中間像である。
この例における作用を説明する前に、ガウス光学に基づく位相変調量と光学パワーとの関係について、図22を用いて説明する。
図22において、高さ(光軸からの距離)xでのレンズの厚さをd(x)、高さ0(光軸上)でのレンズの厚さをdとすると、高さxの光線に沿った入射側接平面から射出側接平面までの光路長L(x)は次式(4)で表される。
L(x)=(d−d(x))+n・d(x)・・・・・(4)
高さxにおける光路長L(x)と高さ0(光軸上)における光路長L(0)との差は、薄肉レンズとしての近似を用いると、次式(5)で表される。
L(x)−L(0)=(−x/2)(n−1)(1/r−1/r)・・・・・(5)
上記光路長差L(x)−L(0)は、高さ0における射出光に対する、高さxにおける射出光の位相進み量と、絶対値が等しく符号が逆である。したがって、上記位相進み量は、式(5)の符号を反転させた次式(6)で表される。
L(0)−L(x)=(x/2)(n−1)(1/r−1/r)・・・・・(6)
一方、この薄肉レンズの光学パワーψは、次式(7)で表される。
ψ=1/f=(n−1)(1/r−1/r)・・・・・(7)
したがって、式(6)、(7)から位相進み量L(0)−L(x)と光学パワーψとの関係が次式(8)によって求められる。
L(0)−L(x)=ψ・x/2・・・・・(8)
ここで、図21の説明に戻る。
xz面上の軸上光線Rがシリンドリカルレンズ5において受ける軸上主光線すなわち光軸に沿った光線Rに対する位相進み量ΔLOCは、式(8)に基づいて次式(9)で表される。
ΔLOC(x)=LOC(0)−LOC(x)=ψOX・x /2・・・・・(9)
ここで、LOC(x)はシリンドリカルレンズ5における高さxの光線に沿った、入射側接平面から射出側接平面までの光路長の関数である。
これと同様にして、xz平面上の軸上光線Rxがシリンドリカルレンズ6において受ける、軸上主光線すなわち光軸に沿った光線RAに対する位相進み量ΔLIcは、次式(10)で表される。
ΔLIc(x)=LIc(0)−LIc(x)=ψIx・x /2・・・・・(10)
ここで、LIc(x)はシリンドリカルレンズ6における高さxの光線に沿った、入射側接平面から射出側接平面までの光路長の関数である。
上記式(2)に式(9)、(10)および(x/x=β の関係を適用すると、この例において、シリンドリカルレンズ5が波面錯乱、シリンドリカルレンズ6が波面回復の機能をそれぞれ果たすための条件が式(11)に示すように求められる。
ψOx/ψIx=−β ・・・・・(11)
すなわち、ψOxとψIxの値は互いに符号が逆であり、かつ、それらの絶対値の比はフィールドレンズ4の横倍率の2乗に比例する必要がある。
なお、ここでは軸上光線に基づいて説明したが、上記条件を満たすならば、シリンドリカルレンズ5,6は軸外光線に対しても同様に波面錯乱と波面回復の機能を果たす。
また、位相変調素子5,6,17,23(図においては、位相変調素子5,6として表示。)としては、シリンドリカルレンズに代えて、図23に示されるような1次元バイナリ回折格子、図24に示されるような1次元正弦波回折格子、図25に示されるような自由曲面レンズ、図26に示されるようなコーンレンズ、図27に示されるような同心円型バイナリ回折格子を採用してもよい。同心円型回折格子としてはバイナリ型に限定されるものではなく、ブレーズド型、正弦波型等の任意の形態を採用することができる。
ここで、波面変調素子として回折格子5,6を用いた場合について、以下に詳細に説明する。
この場合の中間像IIにおいては回折によって1つの点像が複数の点像に分離される。
この作用によって、中間像IIが不鮮明化され、中間結像面の異物の像が最終像に重なって表れることを防止することができる。
位相変調素子として、回折格子5,6を用いた場合における軸上主光線、すなわち、光軸に沿った光線Rの好ましい経路の一例を図28に、また、軸上光線Rの好ましい経路の一例を図21にそれぞれ示す。これらの図において、光線R,Rは回折格子5を経て複数の回折光に分離するが、回折格子6を経ることにより元通りの1本の光線になる。
この場合においても、上記式(1)から(3)を満たすことによって上記効果を達成することができる。
ここで、図28および図29に準じて、式(2)は「1本の軸上光線Rが回折格子5,6で受ける位相変調の和は、軸上主光線Rが回折格子5,6で受ける位相変調の和と常に等しい。」と言い換えることができる。
また、回折格子5,6が周期構造を有する場合、それらの形状(すなわち位相変調特性)が一周期分の領域において式(2)を満たすならば、他の領域においても同様に満たすとみなすことができる。
そこで、回折格子5,6の中央部、すなわち、光軸近傍領域に着目して説明する。図30は回折格子5の、図31は回折格子6の、それぞれ中央部の詳細図である。
ここで、回折格子5,6が式(2)を満たすための条件は以下の通りである。
すなわち、回折格子6における変調の周期pがフィールドレンズ4によって投影された回折格子5による変調の周期pと等しく、回折格子6による変調の位相がフィールドレンズ4によって投影された回折格子5による変調の位相に対して反転しており、かつ、回折格子6による位相変調の大きさと回折格子6による位相変調の大きさとが絶対値で等しくなければならない。
まず、周期pと投影された周期pとが等しくなるための条件は式(12)により表される。
=|β|・p・・・・・(12)
次に、回折格子6による変調の位相が投影された回折格子5による変調の位相に対して反転しているためには、上記式(12)を満たした上で、例えば、回折格子5はその山領域の中心の1つが光軸と一致するように配置されるとともに、回折格子6はその谷領域の中心の1つが光軸と一致するように配置されればよい。図30および図31はその一例に他ならない。
最後に、回折格子6による位相変調の大きさと、回折格子5による位相変調の大きさとが絶対値で等しいための条件を求める。
回折格子5の光学的なパラメータ(山領域厚さtOc、谷領域厚さtOt、屈折率n)より、回折格子5の谷領域を透過する軸上光線Rに付与される、光軸に沿った(山領域を透過する)光線Rに対する位相進み量ΔLOdtは、次式(13)で表される。
ΔLOdt=n・tOc−(n・tOt+(tOc−tOt))=(n−1)(tOc−tOt)・・・・・(13)
同様にして、回折格子6の光学的なパラメータ(山領域厚さtIc、谷領域厚さtIt、屈折率n)より、回折格子6の山領域を透過する軸上光線Rに付与される、光軸に沿った(谷領域を透過する)光線Rに対する位相進み量ΔLIdtは、次式(14)で表される。
ΔLIdt=(n・tIt+(tIc−tIt))−n・tIc=−(n−1)(tIc−tIt)・・・・・(14)
この場合、ΔLOdtの値は正、ΔLIdtの値は負なので、両者の絶対値が等しいための条件は次式(15)で表される。
ΔLOdt+ΔLIdt=(n−1)(tOc−tOt)−(n−1)(tIc−tIt)=0・・・・・(15)
なお、ここでは軸上光線に基づいて説明したが、上記条件を満たすならば、軸外光線に対しても、回折格子5は波面散乱、回折格子6は波面回復の機能を果たす。
また、ここでは回折格子5,6の断面形状を台形として説明したが、他の形状でも同様の機能を果たし得ることは言うまでもない。
さらに、位相変調素子5,6としては、図32に示されるような球面収差素子、図33に示されるような不規則形状素子、図34に示されるような透過型の空間光変調素子64との組み合わせによる反射型の波面変調素子、図35に示されるような屈折率分布型素子を採用してもよい。
さらにまた、位相変調素子5,6としては、多数の微小なレンズが並んだフライアイレンズやマイクロレンズアレイ、あるいは多数の微小なプリズムが並んだマイクロプリズムアレイを採用してもよい。
また、上記実施形態に係る結像光学系1を内視鏡に適用する場合には、図36に示されるように、対物レンズ(結像レンズ)70の内部に位相錯乱素子5を配置し、複数のフィールドレンズ4および集光レンズ71を含むリレー光学系72を挟んで対物レンズ70とは反対側に配置された接眼レンズ73近傍に位相回復素子6を配置すればよい。このようにすることで、フィールドレンズ4の表面近傍に形成される中間像を不鮮明化し、接眼レンズ73によって結像される最終像を鮮明化することができる。
また、図37に示されるように、アクチュエータ62によってレンズ61aを駆動するインナーフォーカス機能付き内視鏡型細径対物レンズ74内に、波面錯乱素子5を設け、顕微鏡本体75に設けられたチューブレンズ(結像レンズ)76の瞳位置近傍に波面回復素子6を配置してもよい。このように、アクチュエータ自身は公知なレンズ駆動手段(たとえば圧電素子)でもよいが、Z軸上での中間像の移動という点では上述した実施形態と同様の観点で中間像の空間変調を実行できるような配置であることが重要である。
以上に説明した実施形態は、Z軸上での中間像の移動という観点で、空間変調による中間像の不鮮明化を観察装置の結像光学系に適用する場合を論じたものである。もう一つの観点であるXY軸(あるいはXY面)上での中間像の移動という観点で、同様に、観察装置に適用することも可能である。
以上に論じた本発明の結像光学系は、以下に示すような態様であり得、下記に示す主旨に基づき当業者が最適な実施形態を検討することができる。以下の態様によれば、上述した(一組の)位相変調素子における空間的な乱れと該乱れの打ち消しを調整または増大する構成を有することを特徴とする結像光学系を提供するので、本発明の位相変調素子による独自の作用効果を進化させ、または実用上有利なものにすることが可能であると言うことができる。
(1)凹凸周期構造型の位相変調素子
たとえば、不鮮明化のための第1の位相変調素子および復調のための第2の位相変調素子は、その位相変調分布の平均値に対して位相進みとなる領域の変調分布と、同平均値に対して位相遅れとなる領域の変調分布とが、上記平均値に関して対称な形状を有し、かつ上記位相進み領域と上記位相遅れ領域の組は,複数組が周期性を伴って形成されていることを特徴とする結像光学系であってもよい。このように、同一形状を有する位相変調素子2枚を用い、光学系内にこれらを適切に配置することによって、相補的な位相変調、すなわち第1の位相変調素子によって中間像を不鮮明化し、2の位相変調素子によって最終像を鮮明化することができ、したがって中間像問題を解決することができる。ここで、相変調素子として、補性を得るために異なった二つの種類を準備する必要がなく、種類で足りるので、置の製造が容易になり、且つコストを低減することができる。
また、前記第1および前記第2の位相変調素子は、光学媒質の表面形状(たとえば凹部と凸部からなる形状を周期的に配した形状)とすることによって位相変調を行うようにしてもよい。これにより、一般的な位相フィルターと同様の製法によって、必要な位相変調素子を製作することができる。また、前記第1および前記第2の位相変調素子は、複数の光学媒質の界面形状によって位相変調を行うものであってもよい。これにより、同一の光学媒質形状精度に対して、より高精度な位相変調ができる。あるいは、同一の位相変調精度に対して、より低い光学媒質形状精度すなわちより低コストで、位相変調素子を製作することができる。また、前記第1および前記第2の位相変調素子は、1次元の位相分布特性を有するものであってもよい。これにより、中間像を効果的に不鮮明化できる。また、前記第1および前記第2の位相変調素子は、2次元の位相分布特性を有するものであってもよい。これにより、中間像を効果的に不鮮明化できる。
(2)液晶型の位相変調素子
また、前記第1および前記第2の位相変調素子は、複数の基板によって挟まれた液晶を有するように結像光学系を構成してもよい。こうすることで、液晶の複屈折を利用することにより、第1の位相変調素子によって中間像における一つの集光点を複数個の集光点に分離させることによって不鮮明化し、また第2の位相変調素子によって前記分離した集光点を再び一つに重ねることとなり、最終像を鮮明化することができ、よって中間像問題を解決することができる。この場合、複屈折材料としての液晶は、他の複屈折材料、例えば水晶等の無機材料の結晶と比較して、種類が豊富である点において設計の自由度が高いメリットがあり、さらに複屈折の性質が強い点において中間像を不鮮明化する効果が高いメリットがある。
また、前記基板の液晶との接触面が平面である場合に、平面で挟まれた液晶は複屈折プリズムとして上記の不鮮明化効果を呈するようになる。この場合、液晶を挟む基板の面は平面なので、基板の加工が容易であるというメリットがある。また、前記第1および前記第2の位相変調素子のそれぞれが、液晶よりなる複数個のプリズムで構成されてもよい。
この場合、プリズムを一つ増やすごとに,中間像における集光点の数は二倍になり、より多数の集光点に分離されることとなり、よって中間像を不鮮明化する効果が高まる。また、前記第1および前記第2の位相変調素子のそれぞれが、少なくとも1枚の4分の1波長板を有するものであってもよい。この場合、4分の1波長板を用いることによって、分離された集光点の中間像における配置の自由度が高まる。例えば、複数個のプリズムによって4点、あるいは8点等に分離された集光点を一直線上に配置することができるようになる点で好ましい。
また、上述した複屈折によって分離された中間像点が、2次元的に配置された結像光学系とすれば、中間像を効果的に不鮮明化できる点で好ましい。
また、前記基板の液晶との接触面が凹凸形状(凹面,凸面,または凹と凸の両方がある面.非平面)であるように位相変調素子を構成してもよい。このような構成では、凹凸形状(シリンドリカル面、トーリック面、レンチキュラー面、マイクロレンズアレイ形状、ランダム面等)が本来的に有する中間像の不鮮明化効果を、液晶の複屈折によってさらに高めることができるようになる。また、前記第1および第2の位相変調素子における前記基板の前記凹凸形状が相補的であり、且つ前記第1および第2の位相変調素子における液晶の配向方向が平行であるように設計してもよい。かかる設計によれば、二つの位相変調素子における位相変調に相補性を持たせることができることとなり、すなわち最終的な画像(最終像)の回復ができるようになる。さらに、前記第1および第2の位相変調素子における前記基板の前記凹凸形状が同一であり、且つ前記基板をなす硝材の屈折率が前記液晶の二つの主屈折率の平均値に等しく、且つ前記第1および第2の位相変調素子における液晶の配向方向が直交するように構成してもよい。こうすることによっても、二つの位相変調素子における位相変調に相補性を持たせることができることとなり、すなわち最終像の回復ができるようになる。
(3)異種の複数媒質型位相変調素子
上記結像光学系は、複数種類の光学媒質の境界面形状を位相変調手段とするように構成してもよい。この場合、通常の位相素子(対空気界面の形状を位相変調手段とする)に比べて寸法誤差の許容値が大きくなる。これにより、製造が容易になるとともに、同一の寸法誤差であっても位相変調をより高精度に行うことができる。この場合、前記第1の位相変調素子と、前記第2の位相変調素子との両方が、互いに屈折率の異なる複数種類の光学媒質として接触するように構成」してもよい。二つの位相変調素子の両方を複数媒質型とすることにより、製造の容易さや、位相変調の高精度化をより高めることができる。
また、前記第1の位相変調素子をなす第1の光学媒質の部分と前記第2の位相変調素子をなす第2の光学媒質の部分とが同一の形状を有し、且つ前記第2の光学媒質と前記第1の光学媒質と接触させられる第3の光学媒質とが同一の屈折率を有し、且つ前記第1の光学媒質と前記第2の光学媒質と接触させられる第4の光学媒質とが同一の屈折率を有してなるように構成してもよい。こうすることで、第1および第2の位相変調素子のそれぞれに、共通の屈折率を有する光学媒質の組を用い、それらの形状関係のみを入れ替えることによって相補的な位相変調特性を持たせることができるようになる。この場合、さらに各位相変調素子における光学媒質間の界面形状は同じなので、二つの位相変調素子を光学系に配置する上で界面の三次元的な形状の観点まで含めて光学的に共役に配置することが可能になることから、第2の位相変調素子による波面の乱れを打ち消す作用(鮮明化)がより正確になされる。さらに、単に屈折率を共通にするのみならず、光学媒質自体を共通にすれば、仮に光学媒質の屈折率が製造ロット等によるバラつきを有していたり、環境の影響や経時変化が生じても、それらによって生じる位相変調のズレは二つの位相変調素子の間でおのずから相殺されるので、第2の位相変調素子による鮮明化の作用がより正確になされる。
また、前記第1の位相変調素子をなす第1の光学媒質の部分と,前記第2の位相変調素子をなす第2の光学媒質の部分とが、同一の形状と同一の屈折率とを有し、前記第1の光学媒質に対する該第1の光学媒質と接触させられる第3の光学媒質の屈折率の差Δn1と前記第2の光学媒質に対する該第2の光学媒質と接触させられる第4の光学媒質の屈折率の差Δn2とに関して、Δn1とΔn2との絶対値が等しく符号が逆であるような結像光学系としてもよい。このことは、第1および第2の位相変調素子のそれぞれをなす複数の光学媒質部分の片方に、形状も屈折率も同じ位相素子を共通に用い、さらにこの共通の屈折率に対して、片側の位相変調素子においてはより高い屈折率の光学媒質を組として用い、もう片側の位相変調素子においては逆により低い屈折率の光学媒質を組として用い、各組における屈折率差の絶対値を等しいものとすることによって、相補的な位相変調特性を持たせることとなる。この場合、上記と同様に各位相変調素子における界面形状は同じになるので、二つの位相変調素子を共役に配置する上で第2の位相変調素子による鮮明化がより正確になされる。さらに、上記共通部分において、形状と屈折率を共通にするのみならず光学素子自体を共通にすれば、複雑な形状を有し製造の難易度が高い位相変調素子のコストを低減することができる。また、例えばこの光学素子が金型等による成型加工で作られるとすれば、仮にその金型の欠陥によって想定外の形状誤差が生じたとしても、その形状誤差を各光学素子が共通して有することにより、第1の位相変調素子においてその誤差部分によって生じた位相変調の誤差はこれと共役に配置された第2の位相変調素子における、やはり共通に存在する誤差部分によって、おのずから打ち消される。すなわち、第2の位相変調素子によって波面乱れを打ち消す作用(鮮明化)がより正確になされる。
(4)複屈折型の位相変調素子
また、前記第1および前記第2の位相変調素子は、複屈折媒質よりなるプリズムであるように上記結像光学系を構成してもよい。このように構成することにより、同一材料よりなり且つ同一形状を有する一組の複屈折プリズムを光学系内に適切に配置することによって、第1のプリズムすなわち第1の位相変調素子によって中間像における一つの集光点を複数個の集光点に分離させることによって不鮮明化し、第2のプリズムすなわち第2の位相変調素子によって前記分離した集光点を再び一つに重ねることによって最終像を鮮明化することができ、したがって中間像問題を解決することができる。ここで、位相変調素子として、材料を平面に研磨した部品の組み合わせのみで構成することができることから、例えばマイクロレンズアレイやレンチキュラーのような複雑な表面形状を必要とせず、装置の製造が容易になりコストを低減することができる。
また、前記第1および前記第2の位相変調素子のそれぞれが複屈折媒質よりなる複数個のプリズムで構成されてもよい。この場合、プリズムを一つ増やすごとに、中間像における集光点の数は二倍になり、より多数の集光点に分離されることになるので、中間像を不鮮明化する効果がより高まる。また、前記第1および前記第2の位相変調素子のそれぞれが、少なくとも1枚の4分の1波長板を有するものであってもよい。4分の1波長板を用いることによって、分離された集光点の中間像における配置の自由度が高まるようになり、例えば、複数個のプリズムによって、4点あるいは8点等に分離された集光点を一直線上に配置することもできるようになる。また、複屈折によって分離された中間像点が、2次元的に配置されるように構成してもよく、こうすることで、中間像を効果的に不鮮明化できる。
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記各実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
I 最終像
II 中間像
O 物体
PP,PP 瞳位置
1,13,32,42 結像光学系
2,3 結像レンズ
5 波面錯乱素子(第1の位相変調素子)
6 波面回復素子(第2の位相変調素子)
10,30,40,50,60 観察装置
11,31,41 光源
14,33 撮像素子(光検出器)
17,23 位相変調素子
20,36 ビームスプリッタ
22 光路長可変手段
22a 平面鏡
22b アクチュエータ
34 ニポウディスク型コンフォーカル光学系
43 共焦点ピンホール
44 光検出器(光電子変換素子)
61a レンズ(光路長可変手段)
62 アクチュエータ(光路長可変手段)
64 空間光変調素子(可変空間位相変調素子)
83a,83b 非球面レンズ(共役性維持光学系)
85a、85b、85c、85d、85e、85f レンズ(共役性維持光学系)
87a,91a,95a 第1レンズ群(共役性維持光学系)
87b,91b, 95b 第2レンズ群(共役性維持光学系)
93a,93c 両凸レンズ(共役性維持光学系)
93b 両凹レンズ(共役性維持光学系)
95c 第3レンズ群(共役性維持光学系)

Claims (20)

  1. 最終像および少なくとも1つの中間像を形成する複数の結像レンズと、
    該結像レンズにより形成されるいずれかの前記中間像よりも物体側に配置され、前記物体からの光の波面に空間的な乱れを付与する第1の位相変調素子と、
    該第1の位相変調素子との間に少なくとも1つの中間像を挟む位置に配置され、前記第1の位相変調素子により前記物体からの光の波面に付与された空間的な乱れを打ち消す第2の位相変調素子とを備え、
    前記第1および第2の位相変調素子の間の結像関係における共役性を維持する構成としたことを特徴とする結像特性を有することを特徴とする結像光学系。
  2. 前記第1および第2の位相変調素子の間の結像関係における共役性を維持する構成が、前記第1および第2の位相変調素子の間に配された共役性維持光学系である請求項1に記載の結像光学系。
  3. 前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、前記結像レンズの瞳位置近傍に配置されている請求項1または請求項2に記載の結像光学系。
  4. いずれかの前記中間像を挟む位置に配置される2つの前記結像レンズ間の光路長を変更可能な光路長可変手段を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の結像光学系。
  5. 前記光路長可変手段が、光軸に直交して配置され前記中間像を形成する光を折り返すように反射する平面鏡と、該平面鏡を光軸方向に移動させるアクチュエータと、前記平面鏡により反射された光を2方向に分岐するビームスプリッタとを備える請求項4に記載の結像光学系。
  6. いずれかの前記結像レンズの瞳位置近傍に、光の波面に付与する空間的な位相変調を変更することにより、前記最終像位置を光軸方向に変化させる可変空間位相変調素子を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の結像光学系。
  7. 前記第1の位相変調素子または前記第2の位相変調素子の少なくとも一方の機能が、前記可変空間位相変調素子によって担われる請求項6に記載の結像光学系。
  8. 前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光軸に直交する1次元方向に変化する位相変調を光束の波面に付与する請求項1から請求項7のいずれかに記載の結像光学系。
  9. 前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光軸に直交する2次元方向に変化する位相変調を光束の波面に付与する請求項1から請求項7のいずれかに記載の結像光学系。
  10. 前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光を透過させる際に波面に位相変調を付与する透過型素子である請求項1から請求項9のいずれかに記載の結像光学系。
  11. 前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、光を反射させる際に波面に位相変調を付与する反射型素子である請求項1から請求項9のいずれかに記載の結像光学系。
  12. 前記第1の位相変調素子と前記第2の位相変調素子とが、相補的な形状を有する請求項1から請求項11のいずれかに記載の結像光学系。
  13. 前記第1の位相変調素子および前記第2の位相変調素子が、透明材料の屈折率分布によって波面に位相変調を付与する請求項10に記載の結像光学系。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の結像光学系と、
    該結像光学系の物体側に配置され、該結像光学系に入射させる照明光を発生するための光源をさらに備える照明装置。
  15. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の結像光学系と、
    該結像光学系の最終像側に配置され、観察対象物から発せられた光を検出する光検出器とを備える観察装置。
  16. 前記光検出器が、前記結像光学系の最終像位置に配置され、該最終像を撮影する撮像素子である請求項15に記載の観察装置。
  17. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の結像光学系と、
    該結像光学系の物体側に配置され、該結像光学系に入射させる照明光を発生する光源と、
    前記結像光学系の最終像側に配置され、観察対象物から発せられた光を検出する光検出器とを備える観察装置。
  18. 前記光源および前記光検出器と前記結像光学系との間に配置されたニポウディスク型コンフォーカル光学系を備える請求項17に記載の観察装置。
  19. 前記光源がレーザ光源であり、
    前記光検出器が共焦点ピンホールおよび光電変換素子を備える請求項17に記載の観察装置。
  20. 請求項14に記載の照明装置と、
    該照明装置によって照明された観察対象物から発せられた光を検出する光検出器とを備え、
    前記光源がパルスレーザ光源である観察装置。
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