JP6552041B2 - 顕微鏡システム、屈折率算出方法、及び、プログラム - Google Patents

顕微鏡システム、屈折率算出方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、屈折率を算出する顕微鏡システム、屈折率算出方法、及び、プログラムに関する。
近年の生物研究では、生体機能の解明を進めるために、実際の活動により近い状態(in vivo)で生体サンプルを深部まで観察するニーズが高まっている。また、生体サンプルの様々な情報を取得・解析して、生体機能を解明する研究もなされている。中でも生体サンプルの屈折率は、生体機能の解明に有用な情報として注目されている。
特許文献1には、試料の屈折率の変化量を算出し、算出した情報から血糖値などの濃度情報を演算する技術が記載されている。
特開2013−088138号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている屈折率測定方法では、生体サンプルの深部など、サンプル内の任意の部位の屈折率を測定することは難しい。
以上のような実情を踏まえ、本発明は、サンプル内の任意の部位の屈折率を算出する技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、対物レンズと球面収差を補正する補正装置と観察対象面を前記対物レンズの光軸方向に異なるサンプル内の複数の位置に順に移動する観察対象面移動手段とを有する顕微鏡装置と、前記観察対象面移動手段によって前記観察対象面が移動した前記複数の位置に対応する複数の設定目標値を算出する目標値算出手段であって、前記複数の設定目標値の各々は、前記顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する前記補正装置の設定値である、という目標算出手段と、前記目標値算出手段によって算出された前記複数の設定目標値に基づいて、前記サンプル内の深さによって指定される注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する屈折率算出手段と、を備え、前記屈折率算出手段は、前記複数の設定目標値に基づいて、前記注目位置における、前記光軸方向へ前記観察対象面の移動量と設定目標値の変化量との関係を算出し、算出した前記関係に基づいて、前記注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する顕微鏡システムを提供する。
本発明の別の態様は、観察対象面を顕微鏡装置の対物レンズの光軸方向に異なるサンプル内の複数の位置に順に移動し、前記観察対象面が移動した前記複数の位置に対応する複数の設定目標値であって、各々が前記顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する前記顕微鏡装置の補正装置の設定値である複数の設定目標値を算出し、前記複数の設定目標値に基づいて、前記サンプル内の深さによって指定される注目位置における、前記光軸方向へ前記観察対象面の移動量と設定目標値の変化量との関係を算出し、算出した前記関係に基づいて、前記注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する屈折率算出方法を提供する。
本発明の更に別の態様は、観察対象面を顕微鏡装置の対物レンズの光軸方向に異なるサンプル内の複数の位置に順に移動し、前記観察対象面が移動した前記複数の位置に対応する複数の設定目標値であって、各々が前記顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する前記顕微鏡装置の補正装置の設定値である複数の設定目標値を算出し、前記複数の設定目標値に基づいて、前記サンプル内の深さによって指定される注目位置における、前記光軸方向へ前記観察対象面の移動量と設定目標値の変化量との関係を算出し、算出した前記関係に基づいて、前記注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する処理をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
本発明によれば、サンプル内の任意の部位の屈折率を算出することができる。
実施例1に係る顕微鏡システムの構成を例示した図である。 図1に例示される演算装置の構成を例示した図である。 図1に例示される顕微鏡の構成を例示した図である。 屈折率表示処理のフローチャートである。 サンプルSの構造を例示した図である。 図1に例示される表示装置に表示されるグラフの一例を示した図である。 屈折率算出処理のフローチャートである。 変化率と屈折率の関係を示した図である。 注目位置における屈折率情報をグラフ上に表示した図である。 図9Aとは異なる注目位置における屈折率情報をグラフ上に表示した図である。 サンプルの屈折率分布を示す屈折率情報をグラフ上に表示した図である。 屈折率の算出方法について説明するための図である。 別の屈折率表示処理のフローチャートである。 図1に例示される表示装置に表示される三次元画像の一例を示した図である。 注目位置における屈折率情報を三次元画像上に表示した図である。 屈折率情報とグラフとを三次元画像上に表示した図である。 別の屈折率表示処理のフローチャートである。 球面収差補正処理のフローチャートである。 目標値算出処理のフローチャートである。 目標値算出処理において最初に決定した複数の設定値によって得られる複数の評価値を示した図である。 目標値算出処理において2回目に決定した複数の設定値によって得られる複数の評価値を示した図である。 画像データの領域毎に領域目標値を算出した例を示した図である。 別の目標値算出処理のフローチャートである。 図21に示す目標値算出処理について説明するための図である。 実施例2に係る顕微鏡システムの構成を例示した図である。 実施例3に係る顕微鏡システムの構成を例示した図である。
図1は、本実施例に係る顕微鏡システム1の構成を例示した図である。図2は、図1に例示される演算装置20の構成を例示した図である。図3は、図1に例示される顕微鏡100の構成を例示した図である。
図1に示す顕微鏡システム1は、顕微鏡100と、顕微鏡制御装置10と、演算装置20と、表示装置30と、演算装置20への指示を入力するための複数の入力装置(キーボード40、補正環操作装置50、Z駆動部操作装置60)を備えている。
顕微鏡制御装置10は、演算装置20からの指示に従って顕微鏡100の動作を制御する装置であり、顕微鏡100の各種電動部の動作を制御する制御信号を生成する。顕微鏡制御装置10は、光源の出力を制御する光源制御装置11と、ズーム倍率を制御するズーム制御装置12と、観察対象面の光軸方向の位置(以降、単に、観察対象面の位置と記す)を制御するZ制御装置13と、補正環111の設定値を制御する補正環制御装置14と、を備えている。ここで、補正環111の設定値とは、例えば、基準位置に対する補正環111の回転角度のことである。
演算装置20は、各種の演算処理を行うコンピュータであり、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)21、メモリ22、入力I/F装置23、出力I/F装置24、記憶装置25、及び、可搬記録媒体27が挿入される可搬記録媒体駆動装置26を備え、これらがバス28によって相互に接続されている。なお、図2は、演算装置20の構成の一例であり、演算装置20はこの構成に限定されるものではない。
CPU21は、所定のプログラムを実行して演算処理等を行う。メモリ22は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プログラムの実行の際に、記憶装置25または可搬記録媒体27に記憶されているプログラムまたはデータを一時的に格納する。
入力I/F装置23は、キーボード40、補正環操作装置50、Z駆動部操作装置60、及び表示装置30からの信号を受信する。また、入力I/F装置23は、図3において後述する顕微鏡100のA/D変換器108からの信号も受信する。出力I/F装置24は、表示装置30及び顕微鏡制御装置10へ信号を出力する。
記憶装置25は、例えば、ハードディスク記憶装置であり、主に各種データやプログラムの保存に用いられる。可搬記録媒体駆動装置26は、光ディスクやコンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬記録媒体27を収容するもので、可搬記録媒体27は、記憶装置25を補助する役割を有する。
演算装置20は、記憶装置25または可搬記録媒体27に記憶されているプログラムをCPU21がメモリ22にロードして実行することで、様々な機能を実現する。演算装置20は、例えば、顕微鏡100からの出力に基づいて画像データを生成する手段(画像データ生成手段)、球面収差が補正される補正環111の設定値である設定目標値を算出する手段(目標値算出手段)、観察対象面の光軸方向の位置と設定目標値との関係を表わすグラフを生成する手段(グラフ生成手段)、サンプルSの屈折率を算出する手段(屈折率算出手段)、及び、表示装置30を制御する手段(表示制御手段)として動作する。
表示装置30は、例えば、液晶ディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、CRTディスプレイ装置などである。なお、表示装置30は、タッチパネルセンサを備えてもよく、その場合、入力装置としても機能する。
補正環操作装置50は、補正環111の設定値を指示するための入力手段である。利用者が補正環操作装置50で補正環111の設定値を指示すると、補正環制御装置14は、補正環111の設定値を指示された値に変更する。
Z駆動部操作装置60は、観察対象面の位置の変更を指示するための入力手段である。利用者がZ駆動部操作装置60で観察対象面の位置の変更を指示すると、Z制御装置13は、Z駆動部109を光軸方向に移動させて観察対象面の位置を変更する。
顕微鏡100は、2光子励起顕微鏡である。サンプルSは、例えば、マウスの脳などの生体試料であるが、生体試料に限られない。顕微鏡100は、図3に示すように、照明光路上に、レーザー101と、走査ユニット102と、瞳投影光学系103と、ミラー104と、ダイクロイックミラー105と、対物レンズ110とを備えている。
レーザー101は、例えば、超短パルスレーザーであり、近赤外域のレーザー光を発振する。レーザー101の出力は、光源制御装置11によって制御される。即ち、光源制御装置11は、サンプルに照射するレーザー光のパワーを制御するレーザー制御装置である。
走査ユニット102は、レーザー光でサンプルSを2次元に走査するための走査手段であり、例えば、ガルバノスキャナやレゾナントスキャナなどを含んでいる。走査ユニット102の走査範囲が変化することでズーム倍率が変化する。走査ユニット102の走査範囲は、ズーム制御装置12によって制御される。
瞳投影光学系103は、走査ユニット102を対物レンズ110の瞳位置に投影する光学系である。ダイクロイックミラー105は、励起光(レーザ光)とサンプルSからの検出光(蛍光)とを分離する光分離手段であり、波長によりレーザー光と蛍光を分離する。
対物レンズ110は、補正環111を備えた乾燥系又は液浸系の対物レンズであり、Z駆動部109に装着されている。Z駆動部109は、対物レンズ110を対物レンズ110の光軸方向に移動させる手段であり、Z駆動部109の移動(即ち、対物レンズ110の移動)は、Z制御装置13によって制御される。
補正環111は、その設定値を変更することにより対物レンズ110内のレンズを移動させて、球面収差を補正する補正装置である。補正環111の設定値は、補正環制御装置14(補正装置制御装置)によって変更される。なお、補正環111の設定値は、補正環111を直接操作することで、手動で変更することもできる。
顕微鏡100は、さらに、検出光路(ダイクロイックミラー105の反射光路)上に、瞳投影光学系106と、光検出器107とを備えている。光検出器107から出力された信号は、A/D変換器108に出力される。
瞳投影光学系106は、対物レンズ110の瞳を光検出器107に投影する光学系である。光検出器107は、例えば、光電子増倍管(PMT)であり、入射した蛍光の光量に応じたアナログ信号を出力する。A/D変換器108は、光検出器107からのアナログ信号をデジタル信号(輝度信号)に変換して、演算装置20に出力する。
以上のように構成された顕微鏡システム1では、顕微鏡100は、走査ユニット102を用いてレーザー光で対物レンズ110の光軸と直交する方向にサンプルSを走査して、サンプルSの各位置からの蛍光を光検出器107で検出する。そして、演算装置20は、光検出器107からの信号を変換したデジタル信号(輝度信号)と走査ユニット102からの信号とに基づいて、画像データを生成する。即ち、顕微鏡システム1では、顕微鏡100と演算装置20により構成される顕微鏡装置が、サンプルSの画像データを取得する。
図4は、顕微鏡システム1で行われる屈折率表示処理のフローチャートである。図5は、サンプルSの構造を例示した図である。図6は、図1に例示される表示装置30に表示されるグラフの一例を示した図である。図7は、顕微鏡システム1で行われる屈折率算出処理のフローチャートである。図8は、変化率と屈折率の関係を示した図である。図9A及び図9Bは、異なる注目位置における屈折率情報をグラフ上に表示した図である。図10は、サンプルSの屈折率分布を示す屈折率情報をグラフ上に表示した図である。以下、図4から図10を参照しながら、サンプルSの任意の部位の屈折率を算出して、その屈折率に関する情報(以降、屈折率情報と記す。)を表示する屈折率表示処理について説明する。
以降では、サンプルSが、図5に示すような、屈折率の異なる複数の層(層L1から層L5)からなる積層構造物である場合を例に説明する。図5には、5層からなる構造物が記載されていて、層L1、層L3、層L5は、1.52の屈折率を有するガラス板であり、層L2は、屈折率が1.4のシリコーンであり、層L4は、屈折率1.33の水である。また、層L1及び層L3の上下両面、並びに、層L5の上面には、レーザー光の照射により蛍光を発するビーズB1からビーズB5が置かれている。さらに、対物レンズ110とサンプルSの間は、浸液IMで満たされている。浸液IMは、屈折率が1.33の水である。
顕微鏡システム1は、まず、顕微鏡装置で観察される観察対象面の位置の候補である、複数の候補位置を決定する(ステップS1)。ここでは、演算装置20が、利用者がキーボード40等を用いて入力した観察対象面の深さ情報に基づいて、画像データを取得すべき複数の候補位置を決定する。なお、観察対象面の深さとは、サンプルSの表面から観察対象面までの光軸方向の距離のことである。決定した複数の候補位置の情報(複数の深さ情報)は記憶装置25に記憶される。例えば、利用者が画像データを取得すべき深さ範囲と間隔を入力することで、演算装置20が深さ範囲と間隔から複数の候補位置を決定してもよい。なお、深さ範囲とは、観察対象面が移動する光軸方向の範囲のことである。本実施例では、それぞれビーズが存在する5つの候補位置を、演算装置20が決定する。
次に、顕微鏡システム1は、観察対象面の位置を初期位置に変更する(ステップS2)。ここでは、演算装置20の指示に従って、Z制御装置13がZ駆動部109を光軸方向に移動させて、観察対象面の位置をステップS1で決定した複数の候補位置のうちの一つである初期位置に変更する。本実施例では、観察対象面の位置をビーズB1の位置に変更する。
観察対象面の位置が変更されると、顕微鏡システム1は、その観察対象面における球面収差が補正される補正環111の設定値(以降、設定目標値、又は、単に目標値、と記す)を算出する(ステップS3)。目標値は、顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する。ここでは、顕微鏡装置が現在の観察対象面で取得した複数の画像データに基づいて、演算装置20が、観察対象面が現在の候補位置にあるときに顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する目標値を算出する。算出した目標値は、候補位置の情報(例えば、深さ情報など)と関連付けて、記憶装置25に記憶される。なお、目標値を算出する処理については、図18から図22を参照しながら、後に詳述する。
顕微鏡システム1は、目標値が算出されると、ステップS1で決定した複数の候補位置のすべてで目標値が算出済みか否かを判断する(ステップS4)。すべての候補位置で目標値が算出されていない場合には、顕微鏡システム1は、観察対象面の位置をステップS1で決定した複数の候補位置のうちの未だ目標値が算出されていない候補位置に変更し(ステップS5)、変更後の候補位置で目標値を算出する(ステップS3)。これを繰り返すことにより、各々が、観察対象面が対物レンズ110の光軸方向に異なるサンプルS内の位置にあるときに顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する、複数の目標値が算出される。本実施例では、観察対象面がビーズB1からビーズB5のそれぞれの位置にあるときに顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する、5つの目標値が算出される。
すべての候補位置で目標値が算出されている場合には、顕微鏡システム1は、観察対象面の位置と目標値との関係を表わすグラフを表示する(ステップS6)。ここでは、演算装置20が、まず、ステップS3で算出した複数の目標値に基づいて上記のグラフを生成し、その後、生成したグラフを表示装置30に表示させる。グラフは、例えば、縦軸が観察対象面の位置を示し横軸が目標値を示す空間上に記憶装置25に記憶されている複数の目標値を示す点をプロットし、さらに、隣接する2点間を補間することで、作成されてもよい。補間には、線形補間、ラグランジュ補間、スプライン補間などの任意の補間法が採用され得る。また、グラフは、補間の代わりに関数近似によって生成されてもよい。本実施例では、図6に示すように、算出した5つの目標値を示す5つの点をプロットし、隣り合う点間を線形補間したグラフG1が表示される。なお、図6の縦軸は、サンプル表面(層L1の上面)からの光軸方向への距離である深さDを示し、横軸は補正環111の回転角度θを示している。
利用者がポインタPを使用して表示装置30に表示されたグラフG1上の点を指定し、その結果、サンプルS内の注目位置が指定されると、顕微鏡システム1は、注目位置におけるサンプルSの屈折率を算出する(ステップS7)。ここでは、演算装置20は、複数の目標値に基づいて、注目位置におけるサンプルSの屈折率を算出する。より詳細には、演算装置20は、図7に示す処理を実行する。
まず、演算装置20は、指定された注目位置の情報を取得する(ステップS11)。演算装置20は、例えば、注目位置の深さ情報を取得する。次に、演算装置20は、複数の目標値を取得する(ステップS12)。演算装置20は、例えば、グラフにプロットされている複数の点のうち指定された点に近い2点を特定し、その2点の目標値を取得する。この際、目標値とともに深さ情報を取得する。なお、ステップS12で取得する複数の目標値は、ステップS3で算出された目標値に限られない。注目位置の深さ近傍の複数の位置に観察対象面を移動させて、それぞれの位置で目標値を算出することで、複数の目標値と複数の深さ情報を取得してもよい。
その後、演算装置20は、複数の目標値に基づいて、注目位置における、光軸方向へ観察対象面の移動量(観察対象面の位置の変化量)と目標値の変化量との関係を算出する(ステップS13)。演算装置20は、例えば、ステップS12で取得した2つの目標値の差分(目標値の変化量Δθ)に対する、ステップS12で取得した2つの深さ情報の差分(観察対象面の移動量ΔD)の比を算出する。即ち、注目位置におけるグラフの傾きである変化率ΔD/Δθを算出する。
そして、最後に、演算装置20は、ステップS13で算出した関係に基づいて、注目位置におけるサンプルSの屈折率を算出する(ステップS14)。演算装置20は、例えば、記憶装置25に記憶されている図8に示す変化率と屈折率との関数Fに基づいて、ステップS13で算出した関係(変化率)から屈折率を算出する。なお、変化率と屈折率の関数Fは、対物レンズ毎に異なるため、記憶装置25には、対物レンズ毎の変化率と屈折率の関数Fが記憶されていることが望ましい。また、記憶装置25には、関数Fの代わりに、変化率と屈折率の関係を示すデータが記憶されていてもよい。
屈折率が算出されて図7に示す処理が終了すると、顕微鏡システム1は、グラフ上に屈折率情報を表示する(ステップS8)。ここでは、演算装置20は、注目位置におけるサンプルSの屈折率に関する情報を、グラフと関連付けて表示装置30に表示させる。本実施例では、例えば、ポインタPを用いて深さ150μm当たりを注目位置に指定した場合であれば、図9Aに示すように、グラフG1上の注目位置に対応する点の近くに、屈折率情報I1(1.53)を表示する。また、ポインタPを用いて深さ400μm当たりを注目位置に指定した場合であれば、図9Bに示すように、グラフG1上の注目位置に対応する点の近くに、屈折率情報I2(1.39)を表示する。なお、深さ150μm、400μmの位置は、図5に示す層L1(ガラス板、屈折率1.52)、層L2(シリコーン、屈折率1.4)内である。
以上のように、本実施例に係る顕微鏡システム1によれば、サンプル内の任意の部位の屈折率を算出することができる。例えば、サンプルが、図5に示すような屈折率の異なる複数の層からなる積層構造物など、複雑な屈折率分布を有するものであっても、そのサンプルの構造によらず、任意の部位の屈折率を正確に算出することができる。この点については、後に詳述する。さらに、サンプルをスライスすることなくサンプルの深部の屈折率を算出することができるため、in vivoでの生体サンプルの屈折率の測定が可能となる。
また、顕微鏡システム1では、補正環111で球面収差を補正することで得られた情報を用いて、サンプルの屈折率が算出される。従って、球面収差を補正してサンプルの深部を観察しながら、それと同時に屈折率を測定することができる。このため、顕微鏡システム1は、サンプルへのダメージの軽減が重要な、in vivoでの生体サンプルの観察への利用が特に好適である。
また、顕微鏡システム1では、観察対象面の位置と目標値との関係を表わすグラフが表示される。グラフの傾きは屈折率に依存しているため、グラフを表示することで、利用者はグラフから生体サンプルなど屈折率が深さによって異なるサンプルの屈折率分布を把握することができる。さらに、グラフ上に屈折率情報を表示することで、より正確に屈折率を把握することができる。なお、図9A及び図9Bでは、指定された注目位置の屈折率情報(屈折率情報I1、屈折率情報I2)のみをグラフG1に表示する例を示したが、図10に示すように、注目位置の指定の有無によらず、サンプルの屈折率分布を示す屈折率情報I3をグラフG1に表示してもよい。これにより、サンプルの各深さにおける屈折率が表示されるため、より正確にサンプルの屈折率分布を把握することができる。
図11は、屈折率の算出方法について説明するための図である。図11を参照しながら、サンプルの構造によらず、サンプル内の任意の部位の屈折率を正確に算出することができることについて、より詳細に説明する。
以降、図11に示すように、観察対象面が、対物レンズ110から3層目の屈折率n3を有する媒質からなる第3層内に位置する場合を例に説明する。なお、対物レンズ110に隣接する屈折率n1を有する媒質からなる第1層は、例えば、空気や浸液であり、屈折率n2を有する媒質からなる第2層と屈折率n3を有する媒質からなる第3層は、例えば、生体サンプルである。
対物レンズ110からの光線Rの、第1層と第2層との界面IF1への入射角をθ1、界面IF1からの出射角をθ2、第2層と第3層との界面IF2からの出射角をθ3とすると、スネルの法則から、以下の式(1)が導かれる。
さらに、図11から幾何学的に次の関係も導かれる。なお、Dは第2層の厚さである。
これらの関係から、δは、下式(2)で表わされる。
さらに、図11から幾何学的に次の関係も導かれる。
この関係から、dは、下式(3)で表わされる。
さらに、式(3)を用いて、式(2)を変形すると、式(4)が導かれる。
ここで、式(1)から次の関係が導かれる。
この関係を用いて、式(4)を変形すると、式(5)が導かれる。
D=0のときには、δは第2層のパラメータに依存しない。また、式(5)は、θ=0のときには、δは、屈折率差(屈折率比)のみに依存する。θ=0のときのδである近軸移動量δは、式(6)で表わされる。
光線Rに生じる球面収差量Δは、δとδの差分である。このため、式(5)と式(6)から式(7)が導かれる。なお、顕微鏡装置で生じる球面収差量は、式(7)をθについて0から対物レンズ110のNAで定まる最大入射角度θMAXまで積分することで、算出される。
さらに、式(7)をdで微分することで、式(8)が導かれる。式(8)は、観察対象面の深さ変化量あたりの球面収差量の変化量で定義される球面収差量の変化率を表わしている。
式(8)には、第2層のパラメータが含まれない。このことから、球面収差量の変化率は、第1層と観察対象面を含む第3層に依存し、中間層である第2層には影響しないことがわかる。さらに、θは積分変数であり、nは対物レンズ110とサンプルSの間の媒質の屈折率であって、一般に対物レンズ110によって定まる。これらを考慮すると、球面収差量の変化率を特定することで、式(8)を用いて観察対象面を含む第3層の屈折率nを算出し得ることがわかる。従って、球面収差量の変化率を特定することで、サンプルの構造によらず、任意の部位の屈折率を正確に算出することができる。
顕微鏡システム1では、球面収差量の変化率を直接算出する代わりに、補正環111の目標値の変化率(観察対象面の移動量と目標値の変化量の関係)を算出している。対物レンズが定まると目標値と球面収差量の関係は既知な一定の関係にあるため、球面収差の変化率を目標値の変化率に変換することができる。このため、目標値の変化率から屈折率を算出する顕微鏡システム1でも、サンプルの構造によらず、任意の部位の屈折率を正確に算出することができる。
図12は、顕微鏡システム1で行われる別の屈折率表示処理のフローチャートである。図13は、図1に例示される表示装置30に表示される三次元画像G2の一例を示した図である。図14は、注目位置における屈折率情報を三次元画像G2上に表示した図である。図15は、屈折率情報とグラフを三次元画像上に表示した図である。以下、図12から図15を参照しながら、三次元画像上に屈折率情報を表示する屈折率表示処理について説明する。なお、ここでは、サンプルSはマウスの脳である。
顕微鏡システム1は、サンプルSの三次元画像データを生成する(ステップS21)。ここでは、演算装置20が、まず、利用者がキーボード40等を用いて入力した情報に基づいて、三次元画像を生成する光軸方向の深さ範囲を決定する。次に、演算装置20の指示に従って、Z制御装置13がZ駆動部109を光軸方向に移動させて、観察対象面を決定した範囲の複数の位置に順番に移動させる。そして、顕微鏡装置は、各位置でサンプルSの画像データを取得する。演算装置20は、複数の位置で取得した画像データ(Zスタック画像データ)に基づいて、サンプルSの三次元画像データを生成する。
次に、顕微鏡システム1は、サンプルSの三次元画像を表示する(ステップS22)。ここでは、演算装置20は、サンプルSの三次元画像データに基づいて、サンプルSの三次元画像を表示装置30に表示させる。本実施例では、例えば、図13に示すような深さ方向に構造が変化しているマウスの脳の三次元画像G2が表示される。
利用者がポインタPを使用して表示装置30に表示された三次元画像G2上の点を指定し、その結果、サンプルS内の注目位置が指定されると、顕微鏡システム1は、注目位置におけるサンプルSの屈折率を算出する(ステップS23)。この処理は、図7に示す屈折率算出処理と同様である。ただし、図7のステップS12では、注目位置の深さ近傍の複数の位置に観察対象面を移動させて、それぞれの位置で目標値を算出することで、複数の目標値と複数の深さ情報を取得する。
屈折率が算出されると、顕微鏡システム1は、三次元画像G2上に屈折率情報を表示する(ステップS24)。ここでは、演算装置20は、注目位置におけるサンプルSの屈折率に関する情報を、三次元画像G2と関連付けて表示装置30に表示させる。本実施例では、例えば、図14に示すように、三次元画像G2上の注目位置に、屈折率情報I4(1.38)を表示する。
以上のように、顕微鏡システム1は、三次元画像と関連付けて注目位置におけるサンプルSの屈折率を表示することができる。このため、サンプルSの構造と屈折率の関係を容易に把握することが可能となる。また、画像を見ながら注目位置を指定することができるため、屈折率を知りたい部位を確実に指定することができる。また、利用者が三次元画像を見ながら深さ方向に幅のある注目範囲を指定できるようにしてもよい。そして、注目範囲内における観察対象面の移動量と目標値の変化量との関係を算出し、注目範囲内の屈折率分布を算出してもよい。
さらに、図4の屈折率表示処理と図12の屈折率表示処理を組み合わせてもよい。例えば、例えば、図12のステップS21の前に、図4のステップS1からステップS5の処理を行うことで、図15に示すように、屈折率情報I5とグラフを三次元画像G2上に表示してもよい。これにより、サンプルSの構造と屈折率の関係をさらに詳細に把握することができる。
また、屈折率情報は、図14及び図15に示すような文字情報に限られない。例えば、三次元画像G2の色を変更することで、利用者に屈折率情報を提供してもよい。この場合、画像中の屈折率が異なる部分は異なる色で表示される。また、画像そのものの色を変更する代わりにグラフの色を変更してもよい。色を用いて屈折率情報を提供することで、利用者はより直感的に屈折率を把握することが可能となる。
図16は、顕微鏡システム1で行われる更に別の屈折率表示処理のフローチャートである。図17は、顕微鏡システム1で行われる球面収差補正処理のフローチャートである。以下、図16及び図17を参照しながら、二次元画像上に屈折率情報を表示する屈折率表示処理について説明する。
顕微鏡システム1は、まず、球面収差を補正する(ステップS31)。ここでは、顕微鏡システム1は、顕微鏡装置で発生する球面収差を補正する。より詳細には、図17に示す処理が行われる。
まず、顕微鏡システム1は、画像データを取得すべき観察対象面の位置を特定する(ステップS41)。ここでは、例えば、利用者がZ駆動部操作装置60を操作して観察対象面の位置を指定する。これにより、演算装置20がZ駆動部操作装置60から指定された観察対象面の位置に関する情報(深さ情報)を受信し、観察対象面の位置を特定する。
次に、顕微鏡システム1は、観察対象面の位置と、観察対象面の位置と目標値との関係を示す関数とに基づいて、目標値を算出する(ステップS42)。ここでは、演算装置20が、ステップS41で特定された観察対象面の位置と、予め記憶装置25に記憶されている関数に基づいて、現在の観察対象面における目標値を算出する。なお、観察対象面の位置と目標値との関係を示す関数は、例えば、図6に示すグラフG1に表わされている関数であり、グラフG1の作成と同様の手順(図4のステップS1からステップS6)により算出される。即ち、サンプルSの異なる深さの位置に観察対象面を順に移動させて、それぞれの位置で複数の画像データを取得する。そして、各位置で取得した複数の画像データから各位置の目標値を算出する。このようにして算出された複数の目標値と観察対象面の複数の位置とに基づいて、補間や関数近似を用いて、関数を算出する。
顕微鏡システム1は、目標値が算出されると、補正環111の設定値を目標値に設定する(ステップS43)。ここでは、補正環制御装置14が補正環111の設定値をステップS42で算出された目標値に変更する。なお、補正環制御装置14は、自動的に、即ち、演算装置20からの指示に従って、ステップS42で算出した目標値に補正環111の設定値を変更してもよい。また、手動により、即ち、ステップS42で算出された目標値が表示装置30に表示され、表示された目標値に基づいて利用者が補正環操作装置50を操作することにより、補正環制御装置14が補正環111の設定値を目標値に変更してもよい。また、利用者が補正環111を直接操作して補正環111の設定値を目標値に変更してもよい。
最後に、顕微鏡システム1は、レーザー101の出力を設定し(ステップS44)、球面収差補正処理を終了する。ここでは、光源制御装置11が、補正環111の設定値が目標値であるときに顕微鏡装置で取得された画像データに基づいて、サンプルSに照射するレーザー光のパワーを制御する。例えば、ステップS43で補正環111の設定値を変更した後に画像データを取得して、その画像データから算出される画像の明るさに基づいてレーザー101の出力を設定する。
球面収差補正処理を終了すると、顕微鏡システム1は、サンプルSの二次元画像データを取得する(ステップS32)。ここでは、演算装置20の指示に従って、Z制御装置13がZ駆動部109を光軸方向に移動させて、観察対象面をステップS42で特定された位置に移動させる。そして、顕微鏡装置は、サンプルSの画像データを取得する。
次に、顕微鏡システム1は、屈折率を算出する(ステップS33)。ここでは、演算装置20は、サンプルSの現在の観察対象面における屈折率を算出する。例えば、図17のステップS42で用いた関数の、現在の観察対象面の位置における傾きを算出し、その傾きに基づいて屈折率を算出してもよい。なお、関数の傾きは、図7のステップS13で算出した変化率に相当する。
屈折率が算出されると、顕微鏡システム1は、二次元画像上に屈折率情報を表示する(ステップS34)。ここでは、演算装置20は、サンプルSの屈折率に関する情報をステップS32で取得した二次元画像と関連付けて表示装置30に表示させる。
以上のように、顕微鏡システム1は、二次元画像上に屈折率情報を表示することができる。このため、利用者は、サンプルを観察しながら、それと同時に観察対象面の屈折率を把握することができる。また、顕微鏡システム1は、観察対象面の深さに応じて変化する球面収差を補正することができる。これにより、顕微鏡100が有する光学性能を十分に発揮して、高品質な画像を得ることができる。また、顕微鏡システム1は、予め算出した関数に基づいて簡単な計算で現在の観察対象面における目標値を算出することができる。このため、観察深さを頻繁に変更しながらサンプルを観察する場合であっても、短時間で補正環111の設定値を深さに応じた目標値に変更することができる。また、補正環111の調整作業を自動化することができるため、他の自動化処理、例えば、深さの異なる複数の位置で画像データを取得して三次元画像やエクステンドフォーカス画像を自動的に生成する処理などにも、容易に組み込むことができる。さらに、球面収差が補正された状態では、一般に、球面収差が補正されていない状態に比べて明るい画像が得られる。このため、球面収差が補正された状態で取得された画像データに基づいてレーザー101の出力を設定することで、レーザー101の出力を抑えて、生体試料へのダメージを抑制することができる。
以下、図4のステップS3で行われる目標値算出処理について、具体的に説明する。図18は、顕微鏡システム1で候補位置毎に行われる目標値算出処理のフローチャートである。図19A及び図19Bは、図18に示す目標値算出処理について説明するための図である。図19Aには、最初に決定した複数の設定値で得られる複数の評価値が、図19Bには、2回目に決定した複数の設定値で得られる複数の評価値が示されている。
顕微鏡システム1は、まず、補正環111の複数の設定値を決定する(ステップS51)。ここでは、顕微鏡装置でサンプルの画像データを取得する際の補正環111の設定値を演算装置20が複数個決定する。例えば、図19Aに示すように、演算装置20は、補正環111が回転可能な範囲(動作可能範囲)自体又はそれより少しだけ狭い範囲を探索範囲に決定し、探索範囲を均等に分割する予め決められた数(ここでは10)の設定値(補正環位置)を、複数の設定値として決定する。なお、図19Aでは、θ1からθ10までの10個の設定値(補正環位置)が決定される例が示されている。
次に、顕微鏡システム1は、補正環111の設定値をステップS51で決定した設定値に変更する(ステップS52)。ここでは、補正環制御装置14が演算装置20からの指示に従ってステップS51で決定した複数の設定値のいずれかに設定する。例えば、補正環制御装置14は、補正環111の設定値をθ1に変更する。
補正環111の設定値が変更されると、顕微鏡システム1は、サンプルSの画像データを取得する(ステップS53)。ここでは、顕微鏡装置が演算装置20からの指示に従って画像データを取得する。例えば、顕微鏡装置は、補正環111の設定値がθ1の状態で画像データを取得する。
その後、顕微鏡システム1は、ステップS51で決定したすべての設定値で画像データを取得したか否かを判断し(ステップS54)、すべての設定値で画像データを取得していない場合には、ステップS52からステップS54の処理を繰り返す。これにより、顕微鏡装置は、補正環111の設定値が異なる複数の状態の各々で、サンプルSの観察対象面の画像データを取得し、その結果、複数の画像データを取得する。
すべての設定値で画像データが取得されると、顕微鏡システム1は、ステップS53で取得した複数の画像データの各々の評価値を算出する(ステップS55)。ここでは、演算装置20が、複数の画像データの各々に基づいて球面収差が補正されているほど大きな値を示すその画像データの評価値を算出して、その結果、複数の画像データの複数の評価値を算出する。一般に、球面収差が補正された画像データほど高いコントラストを有していることから、評価値としては、例えば、画像データに対してコントラスト評価法を用いて算出されるコントラスト値が用いられる。図19Aには、ステップS53で取得した複数の画像データの評価値が示されている。なお、図19Aでは、画像データは補正環位置(補正環111の設定値)によって特定され、その画像データの評価値はコントラスト値によって示されている。
コントラスト評価法によるコントラスト値は、画像データを構成するピクセル間の輝度値の差分に基づいて算出される。具体的には、例えば、下式により、x方向にnピクセル分ずれた位置にある2つのピクセルの輝度値の差分の2乗を画像データ全体で積分した値が、コントラスト値として算出される。
ここで、xは画像データを構成するピクセルの列を特定する変数であり、yは画像データを構成するピクセルの行を特定する変数である。Wは画像データを構成するピクセルのx方向の数(即ち、列数)であり、Hは画像データを構成するピクセルのy方向の数(即ち、行数)である。fはピクセルの輝度値であり、nは整数(例えば、2など)である。
評価値が算出されると、顕微鏡システム1は、所定の条件を満たしているか否かを判断する(ステップS56)。所定の条件としては、例えば、ステップS52からステップS56までの処理の繰り返し回数が所定回数に達しているか否かであってもよく、複数の設定値の平均間隔が所定値以下であるか否かであってもよい。
ステップS56で所定の条件を満たしていない場合には、顕微鏡システム1は、改めて複数の設定値を決定し(ステップS57)、その後、ステップS52からステップS56の処理を繰り返す。
ステップS57では、演算装置20は、以下の2つの条件を満たすように複数の設定値を決定する。第1の条件は、ステップS57で決定する複数の設定値の分布範囲(即ち、探索範囲)及び平均間隔が、先の複数の設定値の分布範囲及び平均間隔と比較して、狭いことである。第2の条件は、ステップS57で決定する複数の設定値の分布範囲内に、ステップS55で算出された最大の評価値に対応する補正環111の設定値が含まれることである。なお、本明細書において、評価値に対応する設定値とは、ある画像データから算出された評価値に対するその画像データが取得されたときの補正装置の設定値のことをいうものとする。また、設定値に対応する評価値とは、ある画像データが取得されたときの補正装置の設定値に対するその画像データから算出された評価値のことをいうものとする。
これにより、顕微鏡装置は、設定値が異なる複数の状態で複数の画像データを取得する処理を、複数の状態で設定される補正環111の複数の設定値の分布範囲と平均間隔とが繰り返し毎に狭まり、且つ、その分布範囲内に演算装置20が算出した最大の評価値に対応する補正環111の設定値が含まれるように、繰り返す。そして、演算装置は、繰り返し毎に、複数の画像データの複数の評価値を算出する。
図19Bは、ステップS57で決定した複数の設定値に基づいて取得した複数の画像データの評価値が示されている。図19Aと図19Bを比較すると、図19Bに示す複数の設定値(補正環位置)は、上記2つの条件を満たしていることが確認できる。なお、図19Aと図19Bでは、いずれも10個の設定値(補正環位置)が決定されている例が示されているが、設定値の数は、繰り返し毎に設定値の平均間隔が狭くなる限り、同一に限られず、増加しても減少してもよい。
ステップS56で所定の条件を満たしている場合には、顕微鏡システム1は、ステップS55で算出した複数の評価値と、それら複数の評価値に対応する複数の設定値と、に基づいて目標値を算出し(ステップS58)、目標値算出処理を終了する。ここでは、例えば、最後の繰り返しにおいてステップS55で算出された複数の評価値のうちの最大の評価値に対応する補正環111の設定値が目標値として算出されてもよい。また、最後の繰り返しに限らずステップS55で算出された複数の評価値のうちの最大の評価値に対応する補正環111の設定値が目標値として算出されてもよい。なお、演算装置20は、算出した目標値と候補位置の組み合わせを、記憶装置25に記憶させる。
顕微鏡システム1は、図18に示す目標値算出処理を実行することで、比較的少ない画像データの取得回数で目標値を高精度に算出することができる。
なお、図18のステップS55では、画像データ毎に評価値を算出する例を示したが、画像データの全体領域を複数の領域に分割して、分割によって得られる領域毎に評価値(以降、画像データ毎に算出される評価値と区別するため、領域評価値と記す。)を算出してもよい。この場合、ステップS58では、領域毎に目標値(全体領域に対して算出される目標値と区別するため、以降、領域目標値と記す。)を算出し、複数の領域目標値に基づいて、全体領域に対する目標値を算出する。
図20は、画像データの全体領域WRを領域R1から領域R9の9つの領域に分割し、領域毎に領域目標値を算出した例を示している。全体領域に対する目標値は、例えば、領域目標値を昇順又は降順に並べた(θ3:θ3:θ4:θ4:θ5:θ5:θ5:θ6:θ6)中間値(θ5)に決定されてもよく、最頻値(θ5)に決定されてもよい。なお、分割数も9つに限られず、9つより少なくても多くてもよい。
領域毎に領域目標値を算出し、複数の領域目標値に対する統計的な処理により目標値を算出することで、画像データに他のピクセルデータと比較して極端に高輝度又は低輝度を有するピクセルデータが含まれる場合であっても、その影響を抑えて画像データのコントラストを評価することができる。このため、球面収差が補正される設定値を正しく算出することができる。
図21は、顕微鏡システム1で候補位置毎に行われる別の目標値算出処理のフローチャートである。図22は、図21に示す目標値算出処理について説明するための図である。図21及び図22を参照しながら、図21に示す目標値算出処理について説明する。なお、図21に示す目標値算出処理のステップS61からステップS65までの処理は、図18に示す目標値算出処理のステップS51からステップS55までの処理と同様であるので、詳細な説明は割愛する。
顕微鏡システム1は、ステップS65で評価値が算出されると、複数の画像データの座標情報に基づいて目標値を算出し(ステップS66)、目標値算出処理を終了する。なお、画像データの座標情報とは、その画像データから算出された評価値とその評価値に対応する補正環111の設定値との組み合わせをいうものとする。
ステップS66では、演算装置20は、まず、ステップS63で取得した複数の画像データから3つ以上の画像データを選択する。この3つ以上の画像データは、ステップS65で算出した複数の評価値のうちの最大値が算出された画像データが含まれるように、選択される。
その後、演算装置20は、選択した3つ以上の画像データの座標情報に基づいて目標値を算出する。具体的には、3つ以上の画像データの座標情報に基づいて、補間又は関数近似により関数を算出する。なお、この関数は、評価値と設定値に関する関数である。そして、算出した関数のピーク座標(評価値が最大となる座標)から得られる設定値が目標値として算出される。演算装置20は、算出した目標値と候補値の組み合わせを、記憶装置25に記憶させる。
図22には、最大の評価値が算出される画像データとその前後(つまり、設定値が近い)の画像データからなる3つの画像データを選択し、それらの画像データから得られる3つの座標情報からラグランジュ補間により二次関数を算出し、そのピーク座標から目標値を算出した例が示されている。なお、補間には、ラグランジュ補間、スプライン補間などの任意の補間法が採用され得る。また、関数近似にも、最小二乗法などの任意の近似法が採用され得る。
顕微鏡システム1は、図21に示す目標値算出処理を実行することで、比較的少ない画像データの取得回数で目標値を高精度に算出することができる。
なお、図18に示す目標値算出処理と図21に示す目標値算出処理を組み合わせて目標値を算出してもよい。例えば、図21に示す目標値算出処理に図18のステップS56及びステップS57の処理を追加して、ステップS66で算出した目標値が分布範囲に含まれるように、複数の設定値の分布範囲(即ち、探索範囲)及び平均間隔を徐々に狭めながら、目標値の算出を繰り返してもよい。これにより、目標値をより高い精度で算出することが可能となる。
図23は、本実施例に係る顕微鏡200の構成を例示した図である。なお、本実施例に係る顕微鏡システムは、顕微鏡100の代わりに顕微鏡200を含む点が図1に示す顕微鏡システム1と異なっている。その他の点については、顕微鏡システム1と同様であるので、同一の構成要素については同一の符号で参照する。
顕微鏡200は、共焦点顕微鏡である。サンプルSは、例えば、マウスの脳などの生体試料である。顕微鏡200は、図23に示すように、照明光路上に、レーザー201と、ビームエクスパンダ202と、ダイクロイックミラー203と、走査ユニット204と、瞳投影光学系205と、対物レンズ110とを備えている。なお、対物レンズ110、対物レンズ110を光軸方向に移動させるZ駆動部109、対物レンズ110内のレンズを移動させて球面収差を補正する補正装置である補正環111については、実施例1に係る顕微鏡100と同様である。
レーザー201は、例えば、可視域や紫外域、赤外域のレーザー光を発振する。レーザー201から発振されるレーザーの出力は、光源制御装置11によって制御される。ビームエクスパンダ202は、レーザー201からのレーザー光(コリメート光)の光束を対物レンズ111の瞳径に応じて調整する光学系である。ダイクロイックミラー203は、励起光(レーザ光)とサンプルSからの検出光(蛍光)とを分離する光分離手段であり、波長によりレーザー光と蛍光を分離する。
走査ユニット204は、レーザー光でサンプルSを2次元に走査するための走査手段であり、例えば、ガルバノスキャナやレゾナントスキャナなどを含んでいる。走査ユニット204の走査範囲が変化することでズーム倍率が変化する。走査ユニット204の走査範囲は、ズーム制御装置12によって制御される。瞳投影光学系205は、走査ユニット204を対物レンズ110の瞳位置に投影する光学系である。
顕微鏡200は、さらに、検出光路(ダイクロイックミラー203の透過光路)上に、ミラー206と、共焦点レンズ207と、共焦点絞り208と、集光レンズ209と、光検出器210とを備えている。光検出器210から出力された信号は、A/D変換器211に出力される。
共焦点レンズ207は、共焦点絞り208上に、蛍光を集光するレンズである。共焦点絞り208は、対物レンズ110の焦点面と光学的に共役な位置に配置された絞りである。共焦点絞り208には、対物レンズ110の焦点位置から生じた蛍光を透過させるピンホールが形成されている。集光レンズ209は、共焦点絞り208を通過した蛍光を光検出器210に導くレンズである。
光検出器210は、例えば、光電子増倍管(PMT)であり、入射した蛍光の光量に応じたアナログ信号を出力する。A/D変換器211は、光検出器210からのアナログ信号をデジタル信号(輝度信号)に変換して、演算装置20に出力する。
以上のように構成された本実施例に係る顕微鏡システムでは、顕微鏡200は、走査ユニット204を用いてレーザー光でサンプルSを走査して、サンプルSの各位置からの蛍光を光検出器210で検出する。そして、演算装置20は、光検出器210からの信号を変換したデジタル信号(輝度信号)と走査ユニット204の走査情報とに基づいて、画像データを生成する。即ち、本実施例に係る顕微鏡システムでは、顕微鏡200と演算装置20により構成される顕微鏡装置が、サンプルSの画像データを取得する。
本実施例に係る顕微鏡システムでは、実施例1に係る顕微鏡システム1と同様の処理を行うことができる。このため、サンプル内の任意の部位の屈折率を算出することができる。
図24は、本実施例に係る顕微鏡300の構成を例示した図である。なお、本実施例に係る顕微鏡システムは、顕微鏡100の代わりに顕微鏡300を含む点が図1に示す顕微鏡システム1と異なっている。その他の点については、顕微鏡システム1と同様であるので、同一の構成要素については同一の符号で参照する。
顕微鏡300は、走査型ではない通常の蛍光顕微鏡である。なお、顕微鏡300は、ズーム機能を備えているため、ズーム顕微鏡とも呼ばれる。サンプルSは、例えば、マウスの脳などの生体試料である。顕微鏡300は、図24に示すように、照明光路上に、光源302を内蔵したランプハウス301と、コレクタレンズ303と、蛍光キューブ304と、ズームレンズ305と、対物レンズ110とを備えている。なお、対物レンズ110、対物レンズ110を光軸方向に移動させるZ駆動部109、対物レンズ110内のレンズを移動させて球面収差を補正する補正装置である補正環111については、実施例1に係る顕微鏡100と同様である。
光源302は、例えば、LED光源、高出力の水銀ランプなどである。なお、光源302の出力は、光源制御装置11によって制御される。コレクタレンズ303は、光源302からの励起光をコリメートする。蛍光キューブ304は、図示しないダイクロイックミラーと励起フィルタと吸収フィルタとを備えている。蛍光キューブ304は、励起光とサンプルSからの検出光(蛍光)とを分離する光分離手段であり、波長により励起光と蛍光を分離する。
ズームレンズ305は、ズームレンズ305を構成するレンズ間の距離が変化するように構成されている。ズーム制御装置12がレンズ間の距離を図示しないモータ等によって変化させることでズーム倍率が変化する。即ち、ズームレンズ305は、ズーム制御装置12によって制御される。
顕微鏡300は、さらに、検出光路(蛍光キューブ304の透過光路)上に、結像レンズ306と、撮像装置307を備えている。結像レンズ306は、対物レンズ110及びズームレンズ305を介して入射する蛍光を撮像装置307上に集光させて、サンプルSの光学像を形成する。撮像装置307は、例えば、CCDカメラであり、サンプルSの光学像を撮像してサンプルSの画像データを生成する。撮像装置307は、生成した画像データを演算装置20に出力する。本実施例に係る顕微鏡システムでは、顕微鏡300である顕微鏡装置が、サンプルSの画像データを取得する。
本実施例に係る顕微鏡システムでは、実施例1に係る顕微鏡システム1と同様の処理を行うことができる。このため、サンプル内の任意の部位の屈折率を算出することができる。
上述した各実施例は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。顕微鏡システム、屈折率算出方法及びプログラムは、特許請求の範囲により規定される範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。この明細書で説明される個別の実施例の文脈におけるいくつかの特徴を組み合わせて単一の実施例としてもよい。
Z制御装置13がZ駆動部109を制御して観察対象面の位置を変化させる構成を例示したが、Z制御装置13は、顕微鏡のステージを光軸方向に移動させることにより観察対象面の位置を変化させてもよい。
また、観察対象面の深さによって変化する球面収差を補正する補正装置として補正環111を例示したが、補正装置は、光路上で生じる球面収差の量を変化させることができるものであればよい。補正装置は、例えば、LCOS(Liquid crystal on silicon、商標)、DFM(Deformable Mirror)、液体レンズなどを用いた装置であってもよい。また、発生する球面収差量が大きく単一の補正装置では十分に球面収差を補正しきれない場合には、補正する球面収差量を複数の補正装置で分担して、観察対象面で生じる球面収差を補正してもよい。
また、画素分解能が光学分解能よりも大きい、即ち、画素分解能から算出されるピクセルサイズが光学的に識別し得る2点間の距離よりも大きい場合には、発生した球面収差が画像データに十分に反映していない可能性がある。このような場合には、発生した球面収差を画像データ、ひいては評価値に正しく反映させるため、画素分解能が光学分解能よりも小さくなるように、ズーム倍率を高くした状態で目標値算出処理を実行してもよい。これにより、観察対象面に生じた球面収差をより高い精度で補正する設定値を算出することが可能となる。
また、評価値を算出する方法として、設定値毎に1枚の画像データを取得し、取得した画像データ毎に評価値を算出する例を示したが、設定値毎に複数の画像データを取得して、カルマンフィルタ等を用いて複数の画像データから評価値を算出してもよい。このような方法によれば、画像データの各々に含まれるノイズ成分を設定値毎の複数の画像データを用いて相殺させることができるため、より精度の高い評価値を算出することができる。
1 顕微鏡システム
10 顕微鏡制御装置
11 光源制御装置
12 ズーム制御装置
13 Z制御装置
14 補正環制御装置
20 演算装置
30 表示装置
40 キーボード
50 補正環操作装置
60 Z駆動部操作装置
100、200、300 顕微鏡
101、201 レーザー
102、204 走査ユニット
103、106、205 瞳投影光学系
104、206 ミラー
105、203 ダイクロイックミラー
107、210 光検出器
108、211 A/D変換器
109 Z駆動部
110 対物レンズ
111 補正環
202 ビームエクスパンダ
207 共焦点レンズ
208 共焦点絞り
209 集光レンズ
301 ランプハウス
302 光源
303 コレクタレンズ
304 蛍光キューブ
305 ズームレンズ
306 結像レンズ
307 撮像装置
S サンプル
B1〜B5 ビーズ
L1〜L5 層
IM 浸液
I1〜I5 屈折率情報

Claims (7)

  1. 対物レンズと、球面収差を補正する補正装置と、観察対象面を前記対物レンズの光軸方向に異なるサンプル内の複数の位置に順に移動する観察対象面移動手段と、を有する顕微鏡装置と、
    前記観察対象面移動手段によって前記観察対象面が移動した前記複数の位置に対応する複数の設定目標値を算出する目標値算出手段であって、前記複数の設定目標値の各々は、前記顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する前記補正装置の設定値である、という目標算出手段と、
    前記目標値算出手段によって算出された前記複数の設定目標値に基づいて、前記サンプル内の深さによって指定される注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する屈折率算出手段と、を備え、
    前記屈折率算出手段は、
    前記複数の設定目標値に基づいて、前記注目位置における、前記光軸方向へ前記観察対象面の移動量と設定目標値の変化量との関係を算出し、
    算出した前記関係に基づいて、前記注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  2. 請求項1に記載の顕微鏡システムにおいて
    前記目標値算出手段は、前記補正装置の設定値が互いに異なる複数の状態で前記顕微鏡装置が取得した複数の画像データに基づいて、設定目標値を算出す
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の顕微鏡システムにおいて、さらに、
    前記複数の設定目標値に基づいて、前記観察対象面の前記光軸方向の位置と設定目標値との関係を表わすグラフを生成するグラフ生成手段と、
    前記屈折率算出手段で算出した前記注目位置における前記サンプルの屈折率に関する情報を、前記グラフ生成手段で生成された前記グラフと関連付けて表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  4. 請求項1または請求項2に記載の顕微鏡システムにおいて、さらに、
    前記屈折率算出手段で算出した前記注目位置における前記サンプルの屈折率に関する情報を、前記サンプルの三次元画像と関連付けて表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の顕微鏡システムにおいて、
    前記補正装置は、前記対物レンズ内のレンズを移動させる補正環を含む
    ことを特徴とする顕微鏡システム。
  6. 観察対象面を顕微鏡装置の対物レンズの光軸方向に異なるサンプル内の複数の位置に順に移動し、
    前記観察対象面が移動した前記複数の位置に対応する複数の設定目標値であって、各々が前記顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する前記顕微鏡装置の補正装置の設定値である複数の設定目標値を算出し、
    前記複数の設定目標値に基づいて、前記サンプル内の深さによって指定される注目位置における、前記光軸方向へ前記観察対象面の移動量と設定目標値の変化量との関係を算出し、
    算出した前記関係に基づいて、前記注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する
    ことを特徴とする屈折率算出方法。
  7. 観察対象面を顕微鏡装置の対物レンズの光軸方向に異なるサンプル内の複数の位置に順に移動し、
    前記観察対象面が移動した前記複数の位置に対応する複数の設定目標値であって、各々が前記顕微鏡装置で発生した球面収差量に対応する前記顕微鏡装置の補正装置の設定値である複数の設定目標値を算出し、
    前記複数の設定目標値に基づいて、前記サンプル内の深さによって指定される注目位置における、前記光軸方向へ前記観察対象面の移動量と設定目標値の変化量との関係を算出し、
    算出した前記関係に基づいて、前記注目位置における前記サンプルの屈折率を算出する
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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