以下、図面を参照しながら、本実施例について説明する。
図1は、本実施例に係る多光子励起顕微鏡の構成を例示する概略図である。図1に例示される多光子励起顕微鏡1は、レーザ顕微鏡の一種であり、多光子過程により励起された蛍光を検出することで標本Sを観察する顕微鏡である。
多光子励起顕微鏡1は、レーザ光により標本Sを照明するレーザ照明装置2と、吸収フィルタ8と、集光光学系9と、光検出器10とを含んで構成されている。レーザ照明装置2は、光束変換ユニット3と、XYスキャナ4と、瞳リレー光学系5と、ダイクロイックミラー6と、レーザ光を標本S上に集光させる対物レンズ7と、を含んで構成されている。
光束変換ユニット3は、レーザ光を射出する手段であり、且つ、レーザ光により対物レンズ7の光軸方向(以降、Z方向と記す。)に標本Sを走査するための走査手段(以降、Z方向走査手段と記す。)である。光束変換ユニット3は、発散状態、収束状態などレーザ光の状態(以降、光束状態と記す。)をさまざまに変換してレーザ光を射出することで、レーザ照明装置2が標本Sを照射する位置をZ方向に変化させることができる。なお、図1では、一例として、光束変換ユニット3から射出される平行状態の光線B1と収束状態の光線B2の光路が示されている。また、光線B1と光線B2の主光線PRは一致している。光束変換ユニット3については、後に詳述する。
XYスキャナ4は、レーザ光により対物レンズ7の光軸と直交する方向(以降、XY方向と記す。)に標本Sを走査するために走査手段である。XYスキャナ4としては、共振型やサーボ型のガルバノミラーを用いることができる。また、瞳リレー光学系5は、XYスキャナ4の像を対物レンズ7の後側焦点位置に投影する瞳リレー光学系である。
多光子励起顕微鏡1の作用について概説する。
不図示のレーザ光源を含む光束変換ユニット3から射出されたレーザ光は、XYスキャナ4及び瞳リレー光学系5を介してダイクロイックミラー6に入射する。レーザ光はダイクロイックミラー6を透過し、対物レンズ7により標本S上に集光される。
標本Sでは、レーザ光が照射されることによって、多光子過程を経て励起された蛍光物質から、蛍光が発生する。
標本Sから発生した蛍光は、対物レンズ7を介してダイクロイックミラー6に入射する。蛍光は、ダイクロイックミラー6を反射し、吸収フィルタ8を透過し、集光光学系9により光検出器10に導かれる。そして、光検出器10で電気信号に変換されて、標本Sが画像化される。
なお、ダイクロイックミラー6を反射し吸収フィルタ8に入射する光には、蛍光の他に標本Sを反射したレーザ光等も混ざっている。蛍光はレーザ光に比べて極微弱であるため、レーザ光が光検出器10へ入射すると、蛍光の検出精度が著しく劣化してしまう。このため、多光子励起顕微鏡1は、レーザ光を反射または吸収する吸収フィルタ8を用いて、レーザ光を光検出器10への向かう光路上から排除する。
また、多光子励起顕微鏡1は、多光子過程により蛍光を発生させる。多光子過程は、確率的に光子密度の高い状態で生じる現象であるため、蛍光は、レーザ光の光子密度が高い標本Sの集光位置でのみ発生する。
このため、多光子励起顕微鏡1では、XYスキャナ4で集光位置をXY方向に変化させ、且つ、光束変換ユニット3で集光位置をZ方向に変化させながら標本Sを走査することで、各集光位置のみからの蛍光を光検出器10で検出することができる。これにより、多光子励起顕微鏡1では、空間分解能の高い画像を生成することができる。
なお、ここでは、吸収フィルタ8、集光光学系9、及び光検出器10からなる検出系及びダイクロイックミラー6を標本Sに対してレーザ光源11側に配置したが、特にこれに限られない。検出系は、標本Sに対してレーザ光源11と反対側の光路上に配置されてもよい。
多光子励起顕微鏡1に含まれる光束変換ユニット3について詳述する。
図2は、本実施例に係る光束変換ユニットの構成を例示する概略図である。光束変換ユニット3は、図1に例示されるレーザ照明装置2の一部として構成されている。
光束変換ユニット3は、射出されるレーザ光の主光線PRの方向を変化させることなく、レーザ光の光束状態をさまざまに変換する。なお、レーザ光の光束状態の違いは、例えば、主光線とマージナル光線の成す角により、定量的に表すことができる。
図2(a)に例示されるように、光束変換ユニット3は、レーザ光を射出するレーザ光源11と、入射する光の一部を反射し残りを透過する光路分割素子であるハーフミラー12と、レーザ光を任意の偏向方向に偏向させ略平行光として射出する偏向手段である音響光学変調器13と、音響光学変調器13から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系14と、集光光学系14から射出されたレーザ光を反射する反射面を有する反射手段であるミラー15と、音響光学変調器13の像を図1に例示される対物レンズ7の後側焦点位置に投影する瞳リレー光学系16と、を含んで構成されている。
なお、音響光学変調器13は、集光光学系14の後側焦点位置に配置されている。従って、集光光学系14の光軸AX上に配置されている。一方、ミラー15は、集光光学系14の前側焦点位置近傍に配置されている。
ここで、レーザ光源から射出されたレーザ光が集光光学系14に最初に入射する側にある焦点位置を後側焦点位置と定義し、その反対側の焦点位置を前側焦点位置と定義する。
また、集光光学系14は、屈折を使った光学系に限られず、ミラーを使う光学系でもよい。
また、ミラー15は、集光光学系14の光軸AXと直交する方向で、光軸AXの方向の異なる位置に反射面を有している。より具体的には、図2(a)に例示されるように、ミラー15は、集光光学系14の光軸AXと直交する複数の反射面(反射面15a、反射面15b、反射面15c、反射面15d)を、集光光学系14の光軸AXの方向の異なる位置に有している。図2(b)は、ミラー15を集光光学系14の光軸AXの方向から見た様子を示している。図2(b)に例示されるように、複数の反射面(反射面15a、反射面15b、反射面15c、反射面15d)は、互いに平行に並べられた矩形の平面となっている。つまり、ミラー15は複数の反射面が階段状に並べられたミラーである。
光束変換ユニット3の作用について説明する。
図2(a)に例示されるように、レーザ光源11から射出されたレーザ光はハーフミラー12に入射し、そのうちの一部のレーザ光が音響光学変調器13に向けて反射される。そして、音響光学変調器13は、入射したレーザ光を任意に偏向させる。ここで、レーザ光源11から射出されたレーザ光は平行光であるため、音響光学変調器13から射出されるレーザ光も平行光である。
音響光学変調器13から射出されたレーザ光が、破線で示される光線B1の場合と、実線で示される光線B2aの場合について説明する。
まず、光線B1の場合、光線B1の主光線PR1と光軸AXが一致しているため、主光線PR1は集光光学系14で偏向されない。また、光線B1は平行光であるので、集光光学系14から集光光学系14の焦点距離fだけ離れた位置に集光する。
このため、光線B1は光軸AXと焦点面FPの交点である位置P1に集光し、位置P1を含む焦点面FP上の領域に形成された反射面15aで反射される。反射面15aは光軸AXと直交しているため、主光線PR1と反射面15aも直交する。従って、反射面15aを反射した光線B1は、反射前と共通の主光線PR1を有し、同じ光路を反対方向に進行する。そして、光線B1は、平行光として音響光学変調器13へ入射する。
これに対して、光線B2aの場合、光線B2aの主光線PR2は光軸AXに対して傾いた状態で集光光学系14へ入射するため、主光線PR2は集光光学系14で偏向される。ただし、音響光学変調器13が集光光学系14の後側焦点位置に配置されているため、主光線PR2は集光光学系14で光軸AXと平行な方向に偏向される。また、光線B2aは平行光であるので、集光光学系14から焦点距離fだけ離れた位置に集光する。
このため、光線B2aは焦点面FP上の光軸AXからずれた位置P2に集光し、その後、発散した状態で焦点面FPから距離Gだけ離れた反射面15bに入射する。反射面15bは光軸AXと直交しているため、光軸AXと平行な主光線PR2とも直交する。従って、反射面15bを反射した光線B2bは、反射前と共通の主光線PR2を有し、同じ光路を反対方向に進行する。
ただし、光線B2bは発散した状態で反射された光であり、集光した状態で反射された光ではないため、反射面15bを中心として集光位置(位置P2)と対称な位置P2’から射出された光のように振舞う。つまり、光線B2bは、焦点距離fより離れた位置(具体的には、焦点距離f+距離2Gだけ離れた位置)から集光光学系14へ入射する光と同じである。このため、光線B2bは、集光光学系14により収束光に変換され、音響光学変調器13へ入射する。
音響光学変調器13へ入射した光線B1及び光線B2bは、音響光学変調器13、ハーフミラー12、瞳リレー光学系16を介して、光束変換ユニット3から射出される。なお、光束変換ユニット3から射出される光線の状態は、音響光学変調器13へ入射した状態と対応する。このため、光線B1は平行光として、光線B2(光線B2b)は収束光として、光束変換ユニット3から射出される。また、各光線の主光線は一致し、光線B1及び光線B2の主光線はいずれも主光線PRとなる。
図2(a)では、光束変換ユニット3から射出される光線を平行光とする例と収束光とする例を示したが、発散光とすることも可能である。例えば、音響光学変調器13により偏向された光線が焦点面FPより集光光学系14側にある反射面15cで反射される場合には、その光線は、反射面15cよりも集光光学系14に近い位置から射出された光のように振舞うため、発散光となる。
また、図2(a)では、音響光学変調器13は、集光光学系14の後側焦点位置に配置されているが、集光光学系14の後側焦点位置近傍に配置されてもよい。集光光学系14の配置は、音響光学変調器13で異なる方向に偏向された光線間での光束変換ユニット3から射出される光線の主光線の一致具合に影響する。このため、集光光学系14の配置位置は、主光線のずれが許容できる範囲内であればよく、集光光学系14の後側焦点位置に厳密に一致していなくてもよい。
このように、光束変換ユニット3は、音響光学変調器13で光線を偏向させる方向を変化させるだけで、射出時の光線の状態を変化させることができる。そして、光束変換ユニット3から射出される光線が収束するほど、集光位置は対物レンズ7に近づく。反対に、光束変換ユニット3から射出される光線が発散するほど、集光位置は対物レンズ7から離れる。このような作用を利用することで、レーザ照明装置2及び多光子励起顕微鏡1は、標本SをZ方向に走査することができる。
なお、Z方向へ走査することのできる最大長さ(以降、ストロークと記す。)、つまり、Z方向への走査範囲は、集光光学系14に最も近い反射面15cと最も遠い反射面15dの間の光軸AXの方向の距離Dに依存している。従って、光束変換ユニット3を含むレーザ照明装置2及び多光子励起顕微鏡1によれば、反射面15cと反射面15dの間の距離Dが長いミラー15を用いることで、Z方向へ広範囲な走査を実現することができる。
ただし、反射面が焦点面FPから離れすぎると、レーザ照明装置2内でケラレが生じてしまうことがある。このため、反射面15cと反射面15dの間の距離Dは、ケラレが生じない範囲、又は、ケラレによるレーザ光の光量損失や強度分布の変化が許容できる範囲に制限されることが望ましい。このため、ミラー15は、図2(a)に例示されるように、集光光学系14の前側焦点位置近傍に配置されることが望ましい。
また、Z方向への走査することのできる最小長さ、つまりZ方向への走査単位は、ミラー15の隣接する反射面間の光軸AXの方向の距離D1に依存している。このため、反射面間の距離D1を短くすることで、つまり、反射面をより多く形成することで、Z方向の走査単位を細かくすることができる。
ただし、各反射面には、レーザ光が複数の反射面にまたがって入射しない程度の大きさが必要である。距離D1を短くし反射面を増やすと、光軸AXと直交する方向の距離D2も短くなる。距離D1は、距離D2が必要な反射面の大きさが確保できる距離となる範囲に制限されることが望ましい。
また、Z方向への走査速度は、音響光学変調器13によって光線の偏向方向が変化する速度に依存している。より厳密には、さらに、光軸AXと直交する方向の距離D2にも依存する。音響光学変調器13は、高速に偏向方向を変化させることができる。従って、光束変換ユニット3を含むレーザ照明装置2及び多光子励起顕微鏡1によれば、高速なZ方向への走査を実現することができる。より具体的には、ピエゾ素子やデフォーマブルミラー、液晶などの位相変調素子による走査に比べて高速であり、ガルバノミラー等によるXY方向の走査と同程度の速度の走査を実現することができる。
また、ミラー15を距離D1や距離D2が異なるミラーと交換することで、さまざまなストローク、走査単位、及び走査速度のZ方向への走査を行うことができる。
また、図2(a)では、反射面間の距離D1及び距離D2が一定のミラー15を例示したが、特にこれに限られない。反射面間の距離D1及び距離D2は、反射面毎に異なっても良い。
以上により、光束変換ユニット3を含むレーザ照明装置2及び多光子励起顕微鏡1によれば、レーザ光により標本を光軸方向(Z方向)に高速且つ広い範囲に走査することができる。
なお、図1では、光束変換ユニット3を含むレーザ照明装置2を多光子励起顕微鏡1に適用した例を示したが、レーザ照明装置2の利用は、特にこれに限られない。例えば、レーザ照明装置2は、刺激用のレーザ照明装置として利用されても良い。この場合、レーザ照明装置2は、共焦点顕微鏡など他のレーザ顕微鏡でも使用することができる。
図3は、本実施例に係る光束変換ユニットの構成を例示する概略図である。本実施例に係る光束変換ユニットも、多光子励起顕微鏡に適用することができる。なお、本実施例に係る多光子励起顕微鏡は、光束変換ユニットが異なる点を除き、図1に例示される多光子励起顕微鏡1と同様である。このため、ここでは多光子励起顕微鏡の説明を省略する。
本実施例に係る光束変換ユニット17は、レーザ光を射出するレーザ光源11と、表面弾性波の周波数を変えることによって特定波長の光を取り出す音響光学波長可変フィルタ19と、入射する光の一部を反射し残りを透過する光路分割素子であるハーフミラー12と、レーザ光を任意の偏向方向に偏向させ略平行光として射出する偏向手段であるガルバノミラー18と、ガルバノミラー18から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系14と、集光光学系14から射出されたレーザ光を反射する反射面を有する反射手段であるミラー15と、ガルバノミラー18の像を対物レンズの後側焦点位置に投影する瞳リレー光学系16と、を含んで構成されている。
本実施例に係る光束変換ユニット17は、偏向手段がガルバノミラー18である点と、レーザ光源11と偏向手段との間に音響光学波長可変フィルタ19を含む点が、実施例1に係る光束変換ユニット3と異なる。
ガルバノミラー18は、音響光学変調器13と同様に、高速に入射光の偏向方向を変化させることができる。しかし、ガルバノミラー18は、音響光学変調器13と異なり、連続的にしか偏向方向を変化させることができない。このため、Z方向の集光位置も連続的にしか変化させることができず、集光位置を変化させている途中の位置にもレーザ光が照射されることになる。
本実施例の光束変換ユニット17では、ガルバノミラー18を音響光学波長可変フィルタ19とともに用いることでこれを回避することができる。
具体的には、集光位置の移動中に、表面弾性波の周波数を変化させることで、音響光学波長可変フィルタ19によりレーザ光が遮断されるため、集光位置を変化させている途中の位置にレーザ光が照射されることを防止することができる。つまり、音響光学波長可変フィルタ19によりシャッター機能を実現する。
また、本実施例に係る光束変換ユニット17を含むレーザ照明装置も、ミラー15を距離D1や距離D2が異なるミラーと交換することで、さまざまなストローク、走査単位、及び走査速度のZ方向への走査を行うことができる。また、反射面間の距離D1及び距離D2は、反射面毎に異なっても良い。
以上、本実施例に係る光束変換ユニット17を含むレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡によれば、レーザ光により標本を光軸方向(Z方向)に高速且つ広い範囲に走査することができる。
なお、本実施例に係る光束変換ユニット17を含むレーザ照明装置も、実施例1と同様に、刺激用のレーザ照明装置として利用されても良い。
図4は、本実施例に係る光束変換ユニットの構成を例示する概略図である。本実施例に係る光束変換ユニットも、多光子励起顕微鏡に適用することができる。なお、本実施例に係る多光子励起顕微鏡は、光束変換ユニットが異なる点を除き、図1に例示される多光子励起顕微鏡1と同様である。このため、ここでは多光子励起顕微鏡の説明を省略する。
本実施例に係る光束変換ユニット20は、図4(a)に例示されるように、レーザ光を射出するレーザ光源11と、表面弾性波の周波数を変えることによって特定波長の光を取り出す音響光学波長可変フィルタ19と、入射する光の一部を反射し残りを透過する光路分割素子であるハーフミラー12と、レーザ光を任意の偏向方向に偏向させ略平行光として射出する偏向手段である2軸ガルバノミラー22と、2軸ガルバノミラー22から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系14と、集光光学系14から射出されたレーザ光を反射する反射面を有する反射手段であるミラー21と、2軸ガルバノミラー22の像を対物レンズの後側焦点位置に投影する瞳リレー光学系16と、を含んで構成されている。
本実施例に係る光束変換ユニット20は、偏向手段が2軸ガルバノミラー22である点と、反射手段がミラー21である点が、実施例2に係る光束変換ユニット17と異なる。
ミラー21は、図4(a)に例示されるように、集光光学系14の光軸AXと直交する複数の反射面(反射面21a、反射面21b、反射面21c)を、集光光学系14の光軸AXの方向の異なる位置に有している点は、ミラー15と同様である。ただし、図4(b)に例示されるように、複数の反射面(反射面21a、反射面21b、反射面21c)は、同心円状に並べられた平面となっている。なお、図4(b)は、ミラー21を集光光学系14の光軸AXの方向から見た様子を示している。
一般に、ガルバノミラーは、ミラーを高速に動作させて偏向方向を変化させるため、慣性の影響を受けやすい。走査速度の高速化のためにミラーを高速に偏向させるほど、ミラーは慣性の影響を大きく受け、所望の偏向角(又は、所望の偏向角を中心とする一定の範囲)に安定するまでに時間がかかってしまう。従って、走査速度の高速化が制限されてしまう。
本実施例の光束変換ユニット20では、ミラー21と2軸ガルバノミラー22を用いることで、走査速度をさらに高速化することができる。
具体的には、2軸ガルバノミラー22は、2つのミラーが互いに直交する2方向に、同一の振幅、同一の周波数で振動するガルバノミラーである。この2軸ガルバノミラー22は、2つのミラーを位相差90度で振動させることで、2軸ガルバノミラー22で偏向された光線の偏向方向を円状に変化させることができる。この場合、光線の軌跡は円を描くことになり、光線はミラー21の同一反射面内で反射されることになる。
また、光線の軌跡が描く円の径は、2つのミラーの振幅によって決まる。従って、2軸ガルバノミラー22は、2つのミラーの振動の振幅を変化させることで、光線が入射するミラー21の反射面を変化させることができる。
つまり、光束変換ユニット20では、2軸ガルバノミラー22の振動の振幅を変化させることにより、標本SをZ方向に走査することができる。振動の振幅を所望の振幅に変化させる際にミラーが受ける慣性の影響は、ミラーを所望の偏向角を変化させる場合に比べて小さい。このため、振動の振幅が安定するまでに要する時間は、ミラーが所望の偏向角で安定するまでに要する時間に比べて短くなり、走査速度の高速化を図ることができる。
また、本実施例に係る光束変換ユニット20を含むレーザ照明装置も、ミラー21を距離D1や距離D2が異なるミラーと交換することで、さまざまなストローク、走査単位、及び走査速度のZ方向への走査を行うことができる。また、反射面間の距離D1及び距離D2は、反射面毎に異なっても良い。
以上、本実施例に係る光束変換ユニット20を含むレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡によれば、レーザ光により標本を光軸方向(Z方向)に高速且つ広い範囲に走査することができる。
なお、本実施例に係る光束変換ユニット20を含むレーザ照明装置も、実施例1と同様に、刺激用のレーザ照明装置として利用されても良い。
図5は、本実施例に係る光束変換ユニットの構成を例示する概略図である。本実施例に係る光束変換ユニットも、多光子励起顕微鏡に適用することができる。なお、本実施例に係る多光子励起顕微鏡は、光束変換ユニットが異なる点を除き、図1に例示される多光子励起顕微鏡1と同様である。このため、ここでは多光子励起顕微鏡の説明を省略する。
本実施例に係る光束変換ユニット23は、レーザ光を射出するレーザ光源11と、表面弾性波の周波数を変えることによって特定波長の光を取り出す音響光学波長可変フィルタ19と、S偏光の反射しP偏光を透過させる偏光ビームスプリッタ24と、偏光方向を90度変化させるλ/4板25と、レーザ光を任意の偏向方向に偏向させ略平行光として射出する偏向手段であるガルバノミラー18と、ガルバノミラー18から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系14と、集光光学系14から射出されたレーザ光を反射する反射面を有する反射手段であるミラー15と、ガルバノミラー18の像を対物レンズの後側焦点位置に投影する瞳リレー光学系16と、を含んで構成されている。なお、光束変換ユニット23では、偏光ビームスプリッタ24とλ/4板25が、光路分割素子として機能している。
本実施例に係る光束変換ユニット23は、光路分割素子がビームスプリッタ24とλ/4板25からなる点が、実施例2に係る光束変換ユニット17と異なる。
実施例2に係る光束変換ユニット17では、レーザ光源11から射出されたレーザ光は、ハーフミラー12を2回透過して射出されるため、レーザ光の光量の損失が大きい。
本実施例に係る光束変換ユニット23では、ハーフミラー12の代わりに、偏光ビームスプリッタ24及びλ/4板25を用いることで、レーザ光の光量の損失を抑制することができる。
具体的には、レーザ光源11から射出されたレーザ光がS偏光である場合、偏光ビームスプリッタ24に入射するレーザ光のほとんどが反射され、λ/4板25へ入射する。λ/4板25では、レーザ光の偏光方向が90度変化し、レーザ光は円偏光に変換される。その後、レーザ光は円偏光として、ガルバノミラー18、集光光学系14を介して、ミラー15へ入射する。そして、ミラー15を反射することにより、レーザ光の偏光方向が180度変化し、レーザ光はミラー15へ入射したときとは反対回りの円偏光に変換される。そして、レーザ光は、集光光学系14、ガルバノミラー18を介してλ/4板25へ入射する。λ/4板25では、レーザ光の偏光方向がさらに90度変化し、レーザ光はP偏光に変換される。このため、P偏光として偏光ビームスプリッタ24に入射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ24をほとんど透過し、瞳リレー光学系16を介して射出される。このように、光束変換ユニット23では、偏光方向を利用してレーザ光の光路を切り替えることで、レーザ光源11から射出されたレーザ光の光量の損失を抑制することができる。
なお、ここでは、レーザ光源11から射出されるレーザ光がS偏光の場合を例示したが、P偏光の場合には、偏光ビームスプリッタ24として、P偏光の反射しS偏光を透過させる偏光ビームスプリッタを用いればよい。
また、本実施例に係る光束変換ユニット23を含むレーザ照明装置も、ミラー15を距離D1や距離D2が異なるミラーと交換することで、さまざまなストローク、走査単位、及び走査速度のZ方向への走査を行うことができる。また、反射面間の距離D1及び距離D2は、反射面毎に異なっても良い。また、実施例3に係る光束変換ユニット20と同様に、ミラー21と2軸ガルバノミラー22を組み合わせて用いても良い。
以上、本実施例に係る光束変換ユニット23を含むレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡によれば、レーザ光により標本を光軸方向(Z方向)に高速且つ広い範囲に走査することができる。
なお、本実施例に係る光束変換ユニット23を含むレーザ照明装置も、実施例1と同様に、刺激用のレーザ照明装置として利用されても良い。
図6は、本実施例に係る光束変換ユニットの構成を例示する概略図である。本実施例に係る光束変換ユニットも、多光子励起顕微鏡に適用することができる。なお、本実施例に係る多光子励起顕微鏡は、光束変換ユニットが異なる点を除き、図1に例示される多光子励起顕微鏡1と同様である。このため、ここでは多光子励起顕微鏡の説明を省略する。
本実施例に係る光束変換ユニット26は、レーザ光を射出するレーザ光源11と、入射する光の一部を反射し残りを透過する光路分割素子であるハーフミラー12と、レーザ光を任意の偏向方向に偏向させ略平行光として射出する偏向手段である音響光学変調器13と、音響光学変調器13から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系14と、集光光学系14から射出されたレーザ光を反射する反射面を有する反射手段であるミラー27と、音響光学変調器13の像を対物レンズの後側焦点位置に投影する瞳リレー光学系16と、を含んで構成されている。
本実施例に係る光束変換ユニット26は、音響光学変調器13が集光光学系14の光軸AXからずれた位置に配置されている点と、反射手段がミラー27である点が、実施例1に係る光束変換ユニット3と異なる。
反射手段であるミラー27は、焦点面FPに対して角度θだけ傾いた一平面からなる反射面27aを有している。つまり、反射面27aは、集光光学系14の光軸AXに対して傾斜した一平面である。
音響光学変調器13は、集光光学系14の後側焦点位置近傍に配置されている。より具体的には、集光光学系14から焦点距離fだけ離れた位置であるが、集光光学系14の光軸AXから距離D3だけ離れた位置に配置されている。
音響光学変調器13から射出されたレーザ光が、破線で示される光線B1の場合と、実線で示される光線B2の場合について説明する。
まず、光線B1の場合、光線B1の主光線PR1は、光軸AXと平行であるので、集光光学系14により光軸AXと焦点面FPの交点である前側焦点位置(位置P1)に向けて偏向される。また、光線B1は平行光であるので、集光光学系14から集光光学系14の焦点距離fだけ離れた位置に集光する。
このため、光線B1は、光軸AXと焦点面FPの交点である位置P1に集光し、反射面27a上の位置P1で反射する。このとき、光線B1の主光線PR1は、光軸AXに対して角度θだけ傾いて反射面27aに入射するが、角度θは距離D3と焦点距離fとから予め既知であり、反射面27aは光線B1の主光線PR1と直交する平面として形成されている。従って、反射した光線B1は、反射前と共通の主光線PR1を有し、同じ光路を反対方向に進行する。そして、光線B1は、平行光として音響光学変調器13へ入射する。
これに対して、光線B2の場合、光線B2は平行光であるので、集光光学系14から集光光学系14の焦点距離fだけ離れた位置に集光する。ただし、光線B2の主光線PR2は、光軸AXと平行でないため、集光光学系14により、前側焦点位置(位置P1)からずれた位置に向けて偏向される。
このため、光線B2は焦点面FP上の光軸AXからずれた位置P2に集光し、その後、発散した状態で、主光線PR2の方向に位置P2から距離Gだけ離れた位置で反射面27aに入射する。なお、光線B2の主光線PR2は、集光光学系14により光線B1の主光線PR1と平行な方向に偏向されるため、反射面27aと主光線PR2も直交する。従って、ミラー27を反射した光線B2は、反射前と共通の主光線PR2を有し、同じ光路を反対方向に進行する。
ただし、光線B2は発散した状態で反射された光であり、集光した状態で反射された光ではないため、反射面27aを中心として集光位置(位置P2)と対称な位置P2’から射出された光のように振舞う。つまり、光線B2は、焦点距離fより離れた位置から集光光学系14へ入射する光と同じである。このため、光線B2は、図6では図示していないが、集光光学系14により収束光に変換され、音響光学変調器13へ入射する。
従って、光線B1は平行光として光束変換ユニット26から射出され、光線B2は収束光として光束変換ユニット26から射出される。また、光束変換ユニット26から射出される光線を発散光とすることも可能である。
このように、光束変換ユニット26は、音響光学変調器13で光線が偏向する方向を変化させるだけで、主光線PRの方向を変化させることなく、射出時の光線の光束状態を変化させることができる。そして、光束変換ユニット26から射出される光線が収束するほど、集光位置は対物レンズ7近づく。反対に、光束変換ユニット26から射出される光線が発散するほど、集光位置は対物レンズから離れる。このような作用を利用することで、光束変換ユニット26を含むレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡は、標本SをZ方向に走査することができる。
なお、Z方向のストローク、つまり、Z方向への走査範囲は、ミラー27に入射する主光線の光軸AXに対する角度θに依存している。より具体的には、距離D3が長いほど、集光光学系14の焦点距離fが短いほど、ストロークを長くすることができる。また、集光光学系14の有効径も大きいほどストロークを長くすることができる。従って、本実施例に係るレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡によれば、有効径が大きく焦点距離が短い集光光学系14と、光軸AXからずれた位置に配置された音響光学変調器13とを含むことで、Z方向へ広範囲に走査することができる。
ただし、光線が反射する位置が焦点面FPから離れすぎると、レーザ照明装置内でケラレが生じてしまうことがある。このため、ミラー27は、集光光学系14の前側焦点位置近傍に配置されることが望ましい。
また、Z方向への走査単位は、実施例1に係るレーザ照明装置2及び多光子励起顕微鏡1に比べて、さらに細かくすることができる。本実施例に係る光束変換ユニット26では、反射面27aが一平面であり、反射位置を連続的に変化させることができるため、射出される光線の状態も連続的に変化させることができる。つまり、Z方向の集光位置を連続的に変化させることができる。
また、Z方向への走査速度は、音響光学変調器13によって光線の偏向方向が変化する速度に依存している。このため、光束変換ユニット26を含むレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡によれば、実施例1に係るレーザ照明装置2及び多光子励起顕微鏡1と同様に、高速なZ方向への走査を実現することができる。
また、実施例2に係る光束変換ユニット17と同様に、偏向手段として、音響光学変調器13の代わりに、ガルバノミラー18を用いても良い。その場合、レーザ光源11と偏向手段の間に、音響光学波長可変フィルタ19を含むことが望ましい。
以上により、光束変換ユニット26を含むレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡によれば、レーザ光により標本を光軸方向(Z方向)に高速且つ広い範囲に走査することができる。
なお、本実施例に係る光束変換ユニット26を含むレーザ照明装置も、実施例1と同様に、刺激用のレーザ照明装置として利用されても良い。
図7は、本実施例に係る共焦点顕微鏡の構成を例示する概略図である。図1に例示される共焦点顕微鏡28は、レーザ顕微鏡の一種であり、レーザ光により励起された蛍光物質から生じる蛍光を共焦点絞り32を介して検出することで標本Sを観察する顕微鏡である。
共焦点顕微鏡28は、レーザ光により標本Sを照明するレーザ照明装置と、ミラー30と、吸収フィルタ31と、集光光学系32と、共焦点絞り33と、光検出器34とを含んで構成されている。レーザ照明装置は、レーザ光源11と、入射する光を波長により反射または透過させる波長分離素子であるダイクロイックミラー29と、レーザ光を任意の偏向方向に偏向させ略平行光として射出する偏向手段である音響光学変調器13と、音響光学変調器13から射出されたレーザ光を集光させる集光光学系14と、集光光学系14から射出されたレーザ光を反射する反射面を有する反射手段であるミラー15と、瞳リレー光学系16と、XYスキャナ4と、瞳リレー光学系5と、レーザ光を標本S上に集光させる対物レンズ7と、を含んで構成されている。
なお、以降では、ミラー30、吸収フィルタ31、集光光学系32、共焦点絞り33、及び光検出器34のことをまとめて、検出系と記す。
図7では、一例として、レーザ光が対物レンズ7の後側焦点位置に平行光として入射する光線B1の光路が示されている。本実施例に係る共焦点顕微鏡28は、実施例1から実施例5と同様に、偏向手段(音響光学変調器13)により光線の偏向方向を変化させることで、対物レンズ7の後側焦点位置に入射する光線の光束状態を変化させ、それによって、光線の集光位置をZ方向に変化させることができる。
XYスキャナ4は、レーザ光によりXY方向に標本Sを走査するために走査手段である。XYスキャナ4としては、共振型やサーボ型のガルバノミラーを用いることができる。また、瞳リレー光学系5は、XYスキャナ4の像を対物レンズ7の後側焦点位置に投影する瞳リレー光学系である。
本実施例に係る共焦点顕微鏡28は、実施例1に係る多光子励起顕微鏡1と、以下の3点が大きく異なっている。
まず、第1点目は、集光光学系32と光検出器34の間に設けられた共焦点絞り33である。共焦点顕微鏡28で用いられるレーザ光は、多光子励起顕微鏡1と異なり1光子で蛍光物質が励起される波長を有している。このため、多光子励起顕微鏡1に比べ、集光位置を含む広い領域から蛍光が生じてしまう。共焦点絞り33は、このような集光位置以外からの光が光検出器34へ入射することを防止するためのものである。
共焦点絞り33は、共焦点ピンホールを有し、共焦点ピンホールが対物レンズ7による集光位置と光学的に共役になるように配置されている。これにより、集光位置から生じる蛍光は共焦点ピンホールを通過し、それ以外の光は共焦点絞り33で遮断される。このため、共焦点顕微鏡28は、多光子励起顕微鏡1と同様に、集光位置からの蛍光のみを光検出器34で検出することができる。
第2点目は、ダイクロイックミラー29と検出系の配置である。一般に、集光位置がZ方向に変化すると集光位置と共役な位置も変化する。このため、共焦点絞り33を配置すべき位置も変化してしまう。そこで、本実施例に係る共焦点顕微鏡28では、レーザ光源11と音響光学変調器13の間に、ハーフミラーの代わりに、ダイクロイックミラー29を設けている。また、ダイクロイックミラー29を透過した光が進行する光路上に検出系が配置されている。
このように構成することで、集光位置から生じる蛍光は、ダイクロイックミラー29へ入射する前に、Z方向走査手段として機能する音響光学変調器13、集光光学系14及びミラー15を通過する。このため、集光位置が対物レンズ7の前側焦点位置からずれた位置にある場合であっても、蛍光は、Z方向走査手段がレーザ光の場合とは反対に作用することで、平行光に変換されてからダイクロイックミラー29へ入射する。つまり、蛍光は、ダイクロイックミラー29に常に平行光として入射する。
これにより、集光光学系32による蛍光の集光位置も常に一定となり、共焦点ピンホールの位置は、常に対物レンズ7による集光位置と光学的に共役になる。従って、Z方向の集光位置によらず、共焦点絞り33により安定して集光位置以外からの光を遮断することができるため、共焦点顕微鏡28は、集光位置からの蛍光のみを光検出器34で検出することができる。
なお、図7では、ダイクロイックミラー29がレーザ光を反射し蛍光を透過させる特性を有する場合を例示しているが、特にこれに限られない。ダイクロイックミラー29がレーザ光を透過させ蛍光を反射する場合であれば、レーザ光源11の配置と検出系の配置を反対にすればよい。
第3点目は、ミラー15へ入射する光線B1aの主光線PR1aと反射面の関係である。本実施例に係る共焦点顕微鏡28では、ハーフミラーの代わりにダイクロイックミラー29を用いて光路を分割している。このため、実施例1から実施例5のレーザ照明装置のように、レーザ光源11から射出されたレーザ光がミラー15(ミラー21、ミラー27)で同軸方向に反射されると、ダイクロイックミラー29へ再度入射して反射されてしまい、標本Sへ向けて射出されない。そこで、本実施例に係る共焦点顕微鏡28では、レーザ光が音響光学変調器13で偏向される位置を集光光学系14の光軸AXに対して偏心させている。
このように構成することで、集光光学系14で偏向された光線B1aの主光線PR1aは、光軸AXに対して傾いた状態でミラー15の反射面15aへ入射する。反射面15aは、光軸AXと直交しているため、集光光学系14から射出された光線B1aの主光線PR1aと直交しない。このため、反射された光線B1bの主光線PR1bは、光線B1aの主光線PR1aと一致せず、光線B1bは光線B1aとは異なる光路を進行する。
これにより、レーザ照明装置は、ダイクロイックミラー29がレーザ光源11と音響光学変調器13の間に配置された場合であっても、光線B1bをダイクロイックミラー29で反射することなく、標本Sへ向けて射出することができる。
なお、本実施例に係るレーザ照明装置及び共焦点顕微鏡28でも、偏向手段として、ガルバノミラーや、2軸ガルバノミラーを利用しても良い。また、偏向手段としてこれらを用いる場合には、さらにレーザ光源11と偏向手段の間に、音響光学波長可変フィルタを設けることが望ましい。
また、反射手段として、ミラー15の代わりに、図4に例示されるミラー21や、図6に例示されるミラー27を用いても良い。また、ミラー15を距離D1や距離D2が異なるミラーと交換してもよく、ミラー15の反射面間の距離D1及び距離D2を、反射面毎に異ならせても良い。
以上、本実施例に係るレーザ照明装置及び共焦点顕微鏡によれば、実施例1から実施例5に係るレーザ照明装置及び多光子励起顕微鏡と同様に、レーザ光により標本を光軸方向(Z方向)に高速且つ広い範囲に走査することができる。
なお、本実施例に係る構成は、多光子励起顕微鏡でも同様に利用することもできる。